JP2014025408A - ロータリ圧縮機 - Google Patents

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Kentaro Shii
健太郎 椎
Naoyoshi Shoyama
直芳 庄山
Takumi Hikichi
巧 引地
Masanobu Wada
賢宣 和田
Hiroshi Hasegawa
寛 長谷川
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Abstract

【課題】ピストンの両端面での機械ロスの低減を図りつつ、シリンダ室にオイルが漏れ込むことを抑制する技術を提供する。
【解決手段】ロータリ圧縮機100は、密閉容器1、シリンダ15、ピストン28、下軸受部材7、ベーン33、吸入口20及び溝部7dを有する。下軸受部材7は、第1平面H1と第2平面H2とで分けることによって得られた4つの領域のうち、吸入口20に隣接している第1領域S1と、残りの3つの領域を含む第2領域S2とを有し、溝部7dは、軸受孔7aの周囲に沿う形状を有し、その全部が第2領域S2に設けられている。
【選択図】図5

Description

本発明は、ロータリ圧縮機に関する。
特許文献1に記載された2ピストンロータリ圧縮機400は、図10に示すように、シャフト404、ピストン408、ピストン428、シリンダ405、シリンダ415、中板438、軸受部材406及び407を備えている。軸受部材406及び407には、中板438と対向する端面において、中板438の貫通孔438aの径と一致する開口径となるように環状に凹んだ軸受荷重調整部406a及び407aが形成されている。
特許文献2に記載された1ピストンロータリ圧縮機500は、図11に示すように、シャフト504、ピストン528、シリンダ515、軸受部材506及び507を備えている。軸受部材506及び507には、シリンダ515の両端面と対向する端面において、テーパ状の環状溝506a及び507aが形成されている。
特許文献1には、軸受荷重調整部406a及び407aを設けることによって、ピストン408及び428の両端面での機械ロスを抑える技術が記載されている。特許文献2の環状溝506a及び507aも同じ効果をもたらす。
特開2009−41546号公報 特開2011−111976号公報
しかし、上記の構成では、摺動面積が減少し、圧縮機の信頼性の低下を招くことがある。また、圧縮室に漏れ込むオイルの量が増加し、吸入冷媒がオイルから受熱したり、体積効率が低下したりすることによって、圧縮機の性能が低下する可能性がある。
本発明は、ピストンの両端面での機械ロスの低減を図りつつ、シリンダ室にオイルが漏れ込むことを抑制する技術を提供することを目的とする。
すなわち、本開示は、
オイル溜まりを有し、圧縮された冷媒が内部に吐出される密閉容器と、
前記密閉容器の内部に配置されたシリンダと、
前記シリンダの内部に配置されたピストンと、
前記ピストンが取り付けられたシャフトと、
前記シャフトを支持する軸受孔を中央部に有し、前記シリンダと前記ピストンとの間にシリンダ室を形成するように、前記シリンダに取り付けられた軸受部材と、
前記シリンダ室を吸入室と吐出室とに仕切るベーンと、
圧縮されるべき冷媒を前記吸入室に導く吸入口と、
前記軸受部材に設けられ、前記シリンダの内部に向かって開口し、前記オイル溜まりに溜められたオイルが浸入可能な溝部と、を備え、
前記ベーンが前記シリンダの中心軸に向かって最も突出したときの前記シリンダの内周面と前記ピストンの外周面との接線を通り、かつ前記シリンダの前記中心軸を含む平面を第1平面と定義し、
前記シリンダの前記中心軸と平行かつ前記吸入口の前記ベーンと反対側の開口端を通る直線と、前記シリンダの前記中心軸とを含む平面を第2平面と定義したとき、
前記軸受部材は、当該軸受部材を前記第1平面及び前記第2平面で分けることによって得られた4つの領域のうち、前記吸入口に隣接している第1領域と、残りの3つの領域を含む第2領域と、を有しており、
前記溝部は、前記軸受孔の周囲に沿う形状を有し、その全部が前記第2領域に設けられている、ロータリ圧縮機を提供する。
上記のロータリ圧縮機によれば、溝部は、軸受孔の周囲に沿う形状を有し、その全部が第2領域に設けられている。このような溝部が設けられていると、ピストンの上面に作用する荷重と下面に作用する荷重とのバランスを取ることができるので、ピストンの両端面での機械ロスを低減できる。また、溝部の全部が第2領域に設けられているので、シリンダ室にオイルが漏れ込むことを抑制できる。
本発明の一実施形態に係るロータリ圧縮機の縦断面図 図1に示すロータリ圧縮機のIIA-IIA線に沿った横断面図 図1に示すロータリ圧縮機のIIB-IIB線に沿った横断面図 第2偏心部、下軸受部材、第2シリンダ、第2ピストン及び中板の位置関係を表す横断面図 圧縮機構の詳細な構成を示す拡大断面図 第2偏心部、下軸受部材、溝部、第2シリンダ、第2ピストン及び中板の位置関係を表す横断面図 下軸受部材の斜視図 変形例1に係るロータリ圧縮機における、第2偏心部、下軸受部材、溝部、第2シリンダ、第2ピストン及び中板の位置関係を表す横断面図 変形例2に係るロータリ圧縮機の縦断面図 変形例3に係るロータリ圧縮機の縦断面図 従来の2ピストンロータリ圧縮機の拡大断面図 従来の1ピストンロータリ圧縮機の拡大断面図
本開示の第1の態様は、
オイル溜まりを有し、圧縮された冷媒が内部に吐出される密閉容器と、
前記密閉容器の内部に配置されたシリンダと、
前記シリンダの内部に配置されたピストンと、
前記ピストンが取り付けられたシャフトと、
前記シャフトを支持する軸受孔を中央部に有し、前記シリンダと前記ピストンとの間にシリンダ室を形成するように、前記シリンダに取り付けられた軸受部材と、
前記シリンダ室を吸入室と吐出室とに仕切るベーンと、
圧縮されるべき冷媒を前記吸入室に導く吸入口と、
前記軸受部材に設けられ、前記シリンダの内部に向かって開口し、前記オイル溜まりに溜められたオイルが浸入可能な溝部と、を備え、
前記ベーンが前記シリンダの中心軸に向かって最も突出したときの前記シリンダの内周面と前記ピストンの外周面との接線を通り、かつ前記シリンダの前記中心軸を含む平面を第1平面と定義し、
前記シリンダの前記中心軸と平行かつ前記吸入口の前記ベーンと反対側の開口端を通る直線と、前記シリンダの前記中心軸とを含む平面を第2平面と定義したとき、
前記軸受部材は、当該軸受部材を前記第1平面及び前記第2平面で分けることによって得られた4つの領域のうち、前記吸入口に隣接している第1領域と、残りの3つの領域を含む第2領域と、を有しており、
前記溝部は、前記軸受孔の周囲に沿う形状を有し、その全部が前記第2領域に設けられている、ロータリ圧縮機を提供する。
第2の態様は、第1の態様に加え、前記シリンダを第1シリンダ、前記ピストンを第1ピストン、前記ベーンを第1ベーン、前記軸受部材を第1軸受部材と定義したとき、前記ロータリ圧縮機は、第2シリンダ、第2ピストン、第2ベーン及び第2軸受部材を有し、かつ、前記第1シリンダと前記第2シリンダとの間に配置され前記シャフトが貫通している貫通孔を中央部に有する中板をさらに備え、前記溝部、前記中板の前記貫通孔及び前記第1軸受部材の前記軸受孔を前記第1シリンダの前記中心軸に垂直な平面に正射影したとき、前記溝部の投影図の全部は、前記貫通孔の投影図の外縁と、前記軸受孔の投影図の外縁とで囲まれた環状領域内に位置している、ロータリ圧縮機を提供する。このような構造によれば、第1ピストンの上面に作用する荷重と下面に作用する荷重とのバランスを取ることができるので、機械ロスを低減できる。
第3の態様は、第2の態様に加え、前記第1ピストンを一回転させたときの前記第1ピストンの端面の軌跡を前記第1シリンダの前記中心軸に垂直な平面に正射影したとき、前記溝部の投影図の全部は、前記環状領域と、前記第1ピストンの端面の前記軌跡の投影図とが重なる重畳領域内に位置している、ロータリ圧縮機を提供する。このような構造によれば、第1ピストンの上端面及び下端面に作用する荷重を確実にバランスさせることができるので、機械ロスを低減できる。
第4の態様は、第1〜第3の態様のいずれか1つに加え、前記溝部の一部は、前記ピストンが任意又は所定の回転位置を占有しているときに、前記ピストンの端面の内縁よりも内側に位置している、ロータリ圧縮機を提供する。このような構造によれば、高圧オイルが溝部に導入されやすい。
第5の態様では、第1〜第4の態様のいずれか1つに加え、前記溝部の開口の内縁及び外縁は、それぞれ、平面視で前記軸受孔の中心軸を中心とした円弧の形状を有する、ロータリ圧縮機を提供する。このような構造によれば、同心の切削加工によって、溝部の形成が容易になる。
第6の態様は、第1〜第4の態様のいずれか1つに加え、前記溝部の開口の内縁及び外縁は、それぞれ、平面視で互いに曲率が異なる円弧の形状を有する、ロータリ圧縮機を提供する。このような構造によれば、溝部を三日月形状に形成できるので、三日月形状の重畳領域内に溝部の投影図の全部を確実に配置できる。
第7の態様は、第1〜第6の態様のいずれか1つに加え、前記中板の前記貫通孔の中心軸は、前記シリンダの前記中心軸から径方向にオフセットしており、前記シリンダの前記中心軸と、前記貫通孔の前記中心軸とを含む平面を第3平面と定義したとき、前記溝部は、前記第3平面の一方側に第1部分を有し、前記第3平面の他方側に第2部分を有しており、前記第1部分及び前記第2部分は、前記第3平面に対して対称である、ロータリ圧縮機を提供する。このような構造によれば、溝部をバランスよく配置できる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではない。
図1に示すように、本実施形態のロータリ圧縮機100は、密閉容器1、モータ2、圧縮機構102及びシャフト4を備えている。圧縮機構102は、密閉容器1の下部に配置されている。モータ2は、密閉容器1の内部において、圧縮機構102の上に配置されている。シャフト4によって、圧縮機構102とモータ2とが連結されている。密閉容器1の上部には、モータ2に電力を供給するための端子21が設けられている。密閉容器1の底部には、潤滑用のオイルを保持するためのオイル溜まり22が形成されている。
モータ2は、ステータ17及びロータ18で構成されている。ステータ17は、密閉容器1の内壁に固定されている。ロータ18は、シャフト4に固定されており、かつシャフト4とともに回転する。
密閉容器1の上部には、吐出管11が設けられている。吐出管11は、密閉容器1の上部を貫通しているとともに、密閉容器1の内部空間13に向かって開口している。吐出管11は、圧縮機構102で圧縮された冷媒を密閉容器1の外部に導く吐出流路としての役割を担う。ロータリ圧縮機100の動作時において、密閉容器1の内部空間13は、圧縮された冷媒で満たされる。すなわち、本実施形態のロータリ圧縮機100は、いわゆる高圧シェル型の圧縮機である。ただし、圧縮機構102が冷媒を2段階で圧縮するように構成されていてもよい。この場合、密閉容器1の内部空間13は、中間圧の冷媒で満たされる。
圧縮機構102は、冷媒を圧縮するようにモータ2によって動かされる。具体的に、圧縮機構102は、第1圧縮ブロック30、第2圧縮ブロック3、下軸受部材7(第1軸受部材の一例)、上軸受部材6(第2軸受部材の一例)、中板38及び溝部7bを有する。溝部7bは、下軸受部材7の上面に設けられている。冷媒は、第1圧縮ブロック30又は第2圧縮ブロック3で圧縮される。第1圧縮ブロック30及び第2圧縮ブロック3は、オイル溜まり22に溜められたオイルに浸漬されている。本実施形態において、第1圧縮ブロック30は、第2圧縮ブロック3を構成する部品と共通の部品で構成されている。従って、第1圧縮ブロック30は、第2圧縮ブロック3の吸入容積に等しい吸入容積を有する。
図2Bに示すように、第1圧縮ブロック30は、第1シリンダ15、第1ピストン28、第1ベーン33、第1吸入口20、第1吐出口41及び第1ばね37で構成されている。図2Aに示すように、第2圧縮ブロック3は、第2シリンダ5、第2ピストン8、第2ベーン32、第2吸入口19、第2吐出口40及び第2ばね36で構成されている。第2シリンダ5及び第1シリンダ15は、互いに上下方向に同心状に配置されている。
シャフト4は、第1偏心部4b及び第2偏心部4aを有する。第1偏心部4b及び第2偏心部4aは、それぞれ、半径方向の外向きに突出している。第1ピストン28及び第2ピストン8は、それぞれ、第1シリンダ15及び第2シリンダ5の内部に配置されている。第1シリンダ15の内部において、第1偏心部4bに第1ピストン28が取り付けられている。第2シリンダ5の内部において、第2偏心部4aに第2ピストン8が取り付けられている。第1シリンダ15及び第2シリンダ5には、それぞれ、第1ベーン溝35及び第2ベーン溝34が形成されている。シャフト4の回転方向において、第1ベーン溝35の位置は、第2ベーン溝34の位置に一致している。第1偏心部4bは、第2偏心部4aの突出方向と180度反対の方向に突出している。つまり、第1ピストン28と第2ピストン8との間の位相差が180度である。この構成は、振動及び騒音を低減する効果を奏する。
図4に示すように、第1ピストン28及び第2ピストン8の両端面の内縁部には、それぞれ、テーパ状に凹んだ第1テーパ部28a及び第2テーパ部8aが形成されている。第1テーパ部28a及び第2テーパ部8aによって形成された環状の隙間には、オイルが保持されている。
下軸受部材7は、第1シリンダ15の内周面と第1ピストン28の外周面との間に第1シリンダ室26を形成するように第1シリンダ15に取り付けられている。上軸受部材6は、第2シリンダ5の内周面と第2ピストン8の外周面との間に第2シリンダ室25を形成するように第2シリンダ5に取り付けられている。詳細には、下軸受部材7は、第1シリンダ15の下部に取り付けられている。上軸受部材6は、第2シリンダ5の上部に取り付けられている。第1シリンダ15と第2シリンダ5との間には、中板38が配置されている。
下軸受部材7の中央部には、シャフト4を回転可能に支持する軸受孔7aが形成されている。上軸受部材6の中央部には、シャフト4を回転可能に支持する軸受孔6aが形成されている。軸受孔7aの中心は、軸受孔6aの中心に一致している。
中板38の中央部には、シャフト4が貫通する貫通孔38aが形成されている。貫通孔38aは、第1偏心部4b及び第2偏心部4aを通すことができる貫通孔である。このため、貫通孔38aの径は、軸受孔7a及び軸受孔6aの径より大きい。貫通孔38aの中心は、軸受孔7a及び軸受孔6aの中心に一致している。
上軸受部材6の軸受孔6aの周囲には、第2シリンダ5の内部に向かって開口し、オイル溜まり22に溜められたオイルが浸入可能な環状の溝部6bが形成されている。環状の溝部6bは、第2ピストン8の上端面の内縁部に形成された第2テーパ部8aに向かって開口している。
図4から図6に示すように、下軸受部材7には、第1シリンダ15の内部に向かって開口し、オイル溜まり22に溜められたオイルが浸入可能な溝部7bが設けられている。溝部7bは、軸受孔7aの周囲に沿う形状を有している。溝部7bの一部は、図4には表れていないが、第1ピストン28の下端面の内縁部に形成された第1テーパ部28aに向かって開口している。
図1に示すように、下軸受部材7の下部には、第1区画部材10が取り付けられている。上軸受部材6の上部には、吐出口9aを有する第2区画部材9が取り付けられている。シャフト4は、第1区画部材10の中央部及び第2区画部材9の中央部を貫通している。
図4に示すように、シャフト4の内部には、軸方向に沿う管状の給油路4cが形成されている。シャフト4の下端部は、オイル溜まり22のオイルに露出しており、シャフト4が回転することに応じて、給油路4cにオイルが吸い込まれる。シャフト4の内部には、給油路4cと連通し、給油路4cから径方向に延び、第1シリンダ15及び第2シリンダ5の内部に連通する第1連通路4e及び第2連通路4dが形成されている。第1連通路4e及び第2連通路4dは、第1偏心部4b及び第2偏心部4aの内部に形成されている。給油路4c、第1連通路4e及び第2連通路4dを通じて、第1シリンダ15及び第2シリンダ5の内部に、オイル溜まり22に溜められた高圧のオイルが導かれる。また、中板38の貫通孔38aも、高圧のオイルで満たされるため、良好な潤滑性が保たれる。
図2A及び図2Bに示すように、第1吸入口20及び第2吸入口19は、それぞれ、第1シリンダ15及び第2シリンダ5に形成されている。第1吸入口20及び第2吸入口19は、それぞれ、第1シリンダ室26及び第2シリンダ室25に向かって開口している。第1吸入口20及び第2吸入口19には、それぞれ、第1吸入管16及び第2吸入管14が接続されている。
第1吐出口41及び第2吐出口40は、それぞれ、下軸受部材7及び上軸受部材6に形成されている。第1吐出口41及び第2吐出口40は、それぞれ、第1シリンダ室26及び第2シリンダ室25向かって開口している。第1吐出口41を開閉するように、第1吐出口41に第1吐出弁44が設けられている。第2吐出口40を開閉するように、第2吐出口40に第2吐出弁43が設けられている。
第1ベーン溝35には、第1ベーン33(ブレード)がスライドできるように配置されている。第1ベーン33は、第1シリンダ室26を第1ピストン28の周方向に沿って仕切っている。つまり、第1シリンダ室26が第1吸入室26aと第1吐出室26bとに仕切られている。第2ベーン溝34には、第2ベーン32(ブレード)がスライドできるように配置されている。第2ベーン32は、第2シリンダ室25を第2ピストン8の周方向に沿って仕切っている。つまり、第2シリンダ室25が第2吸入室25aと第2吐出室25bとに仕切られている。第1吐出口41及び第1吸入口20は、それぞれ、第1ベーン33の左右に位置している。第2吐出口40及び第2吸入口19は、それぞれ、第2ベーン32の左右に位置している。第1吸入口20を通じて、圧縮されるべき冷媒が第1シリンダ室26(第1吸入室26a)に供給される。第2吸入口19を通じて、圧縮されるべき冷媒が第2シリンダ室25(第2吸入室25a)に供給される。第1シリンダ室26で圧縮された冷媒は、第1吐出弁44を押し開き、第1吐出口41を通じて第1吐出室26bから吐出される。第2シリンダ室25で圧縮された冷媒は、第2吐出弁43を押し開き、第2吐出口40を通じて第2吐出室25bから吐出される。
第1ピストン28と第1ベーン33とが単一の部品、すなわち、スイングピストンで構成されていてもよい。第2ピストン8と第2ベーン32とが単一の部品、すなわち、スイングピストンで構成されていてもよい。第1ベーン33及び第2ベーン32は、それぞれ、第1ピストン28及び第2ピストン8に結合していてもよい。ロータリ圧縮機の詳細な型式は特に限定されず、ローリングピストン型、スイングピストン型などの型式を広く採用できる。
第1ベーン33及び第2ベーン32の背後の背後には、それぞれ、第1ばね37及び第2ばね36が配置されている。第1ばね37及び第2ばね36は、それぞれ、第1ベーン33及び第2ベーン32をシャフト4の中心に向かって押している。第1ベーン溝35の後部及び第2ベーン溝34の後部は、それぞれ、密閉容器1の内部空間13に連通している。従って、密閉容器1の内部空間13の圧力が第1ベーン33の背面及び第2ベーン32の背面に加えられる。また、第1ベーン溝35及び第2ベーン溝34には、オイル溜まり22に溜められたオイルが供給される。
図2B及び図5に示すように、本明細書において、第1平面H1及び第2平面H2を以下のように定義する。
第1平面H1は、第1ベーン33が第1シリンダ15の中心軸Oに向かって最も突出したときの第1シリンダ15の内周面と第1ピストン28の外周面との接線Pを通り、かつ第1シリンダ15の中心軸Oを含む平面である。第1平面H1は、第1ベーン溝35の中心を通っている。
なお、第1シリンダ15の内周面と第1ピストン28の外周面との間には、僅かな隙間が生成され、数μm程度の油膜が形成されている。この場合には、この油膜を無視して、第1ベーン33が第1シリンダ15の中心軸Oに向かって最も突出したとき、第1シリンダ15の内周面が第1ピストン28の外周面に接しているものとみなし、接線Pを定義する。
第2平面H2は、第1シリンダ15の中心軸Oと平行かつ第1吸入口20の第1ベーン33と反対側の開口端を通る直線Qと、第1シリンダ15の中心軸Oとを含む平面である。なお、第1シリンダ15の中心軸Oは、詳細には、第1シリンダ15の円筒状の内周面の中心軸を意味する。また、第1シリンダ15の中心軸Oは、中板38の貫通孔38aの中心軸R、シャフト4の回転軸及び第2シリンダ5の中心軸に一致している。
図5に示すように、下軸受部材7は、下軸受部材7を第1平面H1及び第2平面H2で分けることによって得られた4つの領域のうち、第1吸入口20に隣接している第1領域S1と、残りの3つの領域を含む第2領域S2とを有している。第1領域S1は、図5の左上部分にハッチングされた扇形の領域である。第2領域S2は、円形の領域から第1領域S1の扇形の領域を除いた部分である。なお、図5には下軸受部材7が図示されていないが、下軸受部材7が存在すると仮定したときの仮想的な軸受孔7a、溝部7b、第1領域S1及び第2領域S2を図5に示す。
次に、第1シリンダ15内における、中板38、第1ピストン28及び下軸受部材7の配置を図3に模式的に示す。第1シリンダ15の中心軸Oは、中板38の貫通孔38aの中心軸R、下軸受部材7の軸受孔7aの中心軸に一致している。第1ピストン28の中心軸及び第1偏心部4bの中心軸は、シャフト4の回転軸からオフセットしている。軸受孔7aの径は、シャフト4の外径とほぼ同一である。貫通孔38aの径は、軸受孔7a及びシャフト4の径より大きい。第1偏心部4bの外径は、第1ピストン28の内径とほぼ同一である。貫通孔38aの径は、第1偏心部4bの外径及び第1ピストン28の内径よりやや大きい。なお、第1ピストン28の内径は、第1ピストン28の第1テーパ部28a(図4参照)のうち最も小径となる部分の径と同径である。
図3に示すように、本明細書において、環状領域A及び重畳領域Bを以下のように定義する。
中板38の貫通孔38a、第1ピストン28及び下軸受部材7の軸受孔7aを、第1シリンダ15の中心軸Oに垂直な平面に正射影したとき、貫通孔38aの投影図の外縁と、軸受孔7aの投影図の外縁とで囲まれた領域が環状領域Aである。
第1ピストン28を一回転させたときの第1ピストン28の端面の軌跡を第1シリンダ15の中心軸Oに垂直な平面に正射影したとき、環状領域Aと、第1ピストン28の端面の軌跡の投影図とが重なる領域が重畳領域Bである。なお、図3では、第1ピストン28を一回転させたときの第1ピストン28の端面の軌跡ではなく、便宜的に、第1ピストン28が第1シリンダ15の左位置に位置したときの第1ピストン28の端面の位置を示す。第1ピストン28が図3の位置を占有しているとき、ハッチングされた三日月形の領域が重畳領域Bである。第1ピストン28を一回転させたときには、重畳領域Bは、環状の領域になる。
図5に示すように、下軸受部材7の溝部7bは、軸受孔7aの周囲に沿う形状を有し、その全部が第2領域S2に設けられている。溝部7bは、第2領域S2のみに設けられており、第1領域S1に設けられていない。すなわち、溝部7bは、従来のように第1領域S1及び第2領域S2の全周にわたって形成された環状溝ではない。ここでは、溝部7bは、第1吐出口41を含む第2領域S2のみに設けられ、第1吸入口20に隣接している第1領域S1に設けられていない。第1領域S1において、下軸受部材7の表面は平坦面である。
このような構成によれば、第1ピストン28が第1吸入口20から最も遠ざかったときにおいても、第1吸入室26aから溝部7bまでの距離を十分に確保できる。すなわち、第1ピストン28によるシール長さを十分に確保できる。従って、第1吸入室26aに存在する低圧冷媒と、第1ピストン28内周部に存在する高圧オイルとの差圧によって、第1ピストン28の端面と下軸受部材7の表面との間の隙間を通って、第1吸入室26aへ高圧オイルが漏れることを抑制できる。
また、溝部7bが第1吐出口41側に形成されていたとしても、溝部7bに高圧のオイルが溜められており、第1吐出室26bが高圧の圧縮冷媒で満たされている。従って、第1吐出室26bから溝部7bまでの距離が近い、つまり、第1ピストン28によるシール長さが短かったとしても、オイルが溝部7bから第1吐出室26bに移動しにくい。
また、下軸受部材7に対向する第1ピストン28の下端面に作用する圧力は、第1ピストン28の内周側の圧力(吐出圧)と、第1ピストン28の外周側の圧力(第1シリンダ室26内の圧力、すなわち、吸入圧と吐出圧との間の範囲の圧力)との平均であると考えられる。つまり、下軸受部材7に対向する第1ピストン28の下端面に作用する圧力は、(吸入圧+吐出圧)/2と、(吐出圧+吐出圧)/2=吐出圧との間の範囲の圧力であると考えられる。従って、中板38、第1ピストン28及び下軸受部材7が重なる部分においては、中板38に対向する第1ピストン28の上端面に作用する圧力は、下軸受部材7に対向する第1ピストン28の下端面に作用する圧力より高い。本実施形態では、下軸受部材7に溝部7bを設けることによって、第1ピストン28の下端面に作用する圧力が増加する。従って、下軸受部材7の信頼性を損なうことなく、第1ピストン28の上下方向に作用する荷重をバランスさせることができる。その結果、第1ピストン28の摺動損失を低減できる。さらに、第1ピストン28と下軸受部材7との間の隙間の広さと、第1ピストン28と中板38との間の隙間の広さとが均一化する。これにより、それらの隙間を通って冷媒が第1吐出室26bから第2吸入室25aへ漏れたり、第1吐出室26bからから第1ピストン28の内側に漏れたりすることを抑制できる。
図3及び図5に示すように、溝部7bを第1シリンダ15の中心軸Oに垂直な平面に正射影したとき、溝部7bの投影図の全部は、貫通孔38aの投影図の外縁と、軸受孔7aの投影図の外縁とで囲まれた環状領域A(図3参照)内に位置している。第1ピストン28の両端面に作用する荷重をバランスさせることができるので、機械ロスを低減できる。
図3及び図5に示すように、溝部7bの投影図の全部は、環状領域Aと、第1ピストン28の端面の軌跡の投影図とが重なる重畳領域B(図3参照)内に位置している。重畳領域Bは、中板38と第1ピストン28の端面とが重なる領域であり、中板38に対向する第1ピストン28の上端面に高圧が加わる領域である。下軸受部材7の重畳領域B内に溝部7bの投影図の全部が位置し、溝部7bに高圧オイルを供給することにより、下軸受部材7に対向する第1ピストン28の下端面を高圧にすることができる。従って、第1ピストン28に作用する上下方向の荷重をバランスさせることができるので、機械ロスを低減できる。
図3及び図5に示すように、溝部7bの一部は、第1ピストン28の任意の回転位置において、第1ピストン28の端面の内縁より内側に向かって開口している。具体的には、図5に示すように、溝部7bの一端部7cは、第1ピストン28の任意の回転位置において、第1ピストン28の端面の内縁よりも内側に位置している。第1ピストン28の端面の内縁より内側の部分は、高圧オイルが満たされる領域である。このような構成によれば、高圧オイルを第1ピストン28の内周部から溝部7bに導入しやすい。なお、溝部7bの一部は、第1ピストン28の所定の回転位置において、第1ピストン28の端面の内縁より内側に向かって開口してもよい。
図5に示すように、溝部7bの開口の内縁及び開口の外縁は、それぞれ、平面視で軸受孔7aの中心軸を中心とした円弧形状に形成されている。溝部7bは、第1吐出口41に近接する位置が端部となる一端部7cを有している。溝部7bは、図6に示すように、一端部7cから時計回りに180度延びる平面視で円弧形状に形成されている。溝部7bは、例えば、エンドミルを用いた切削加工により形成されている。ここでは、同心の切削加工によって、溝部7bの形成が容易になる。
溝部7bの開口外縁の径Routが適切に形成されていると、第1シリンダ室26内の溝部7bの開口部が第1ピストン28の端面で覆われている場合であっても、溝部7bの開口外縁と第1ピストン28の端面の外縁との間の距離を十分に確保できるので、良好な圧縮効率が得られる。一方、溝部7bの開口内縁の径Rinが適切に形成されていると、第1ピストン28の摺動面積が十分に確保され、ひいては高い信頼性を有する圧縮機を実現できる。
(変形例1)
図7に示すように、変形例1に係るロータリ圧縮機の構造は、中板38及び下軸受部材7を除いて、図1に示すロータリ圧縮機100の構造と共通している。
変形例1に係る中板38は、貫通孔38aの中心軸Rが第1シリンダ15の中心軸Oから第1吐出室26b方向(例えば、図7右下方向)にオフセットするように配置されている。このように中板38を第1吐出室26b側にオフセットさせているのは、第1吸入室26a側の第1ピストン28の端面のシール長を増加させるためである。中板38は、第2シリンダ15を第1平面H1で分けることによって得られた2つの領域のうち、第1吐出口41を含む領域(図7右側の半円部分)に貫通孔38aの中心軸Rが位置するようにオフセットしている。すなわち、貫通孔38aの中心軸Rは、第1ベーン溝35開口部の中心位置と第1シリンダ15の中心軸Oとを結ぶ直線(第1平面H1を通る直線)を基準とし、第1ベーン溝35開口部の中心位置を0度と定義したとき、時計回りに、0度から180度の間のいずれかの方向にオフセットしている。
図7に示すように、溝部7dの開口内縁及び開口外縁は、それぞれ、平面視で互いに曲率が異なる円弧形状に形成されている。具体的には、溝部7dの開口内縁の曲率は、溝部7dの開口外縁の曲率より大きい。すなわち、溝部7dの開口内縁の曲率半径は、溝部7dの開口外縁の曲率半径より小さい。従って、溝部7dは、開口内縁及び開口外縁の両端部が重なる、平面視で三日月形状に形成される。溝部7dは、平面視で三日月形状に形成されているので、平面視で三日月形状の重畳領域B(図3参照)内に溝部7dの投影図の全部を確実に位置させることができる。
図7に示すように、第1シリンダ15の中心軸Oと、貫通孔38aの中心軸Rと、を含む平面を第3平面H3と定義する。溝部7dは、第3平面H3の一方側に第1部分7e(図7上側)を有し、第3平面H3の他方側に第2部分7f(図7下側)を有している。第1部分7e及び第2部分7fは、それぞれ第3平面H3に対して対称となる形状に形成されている。ここでは、溝部7dをバランスよく配置できる。
また、溝部7bの第1端部7g(図7上側)及び第2端部7h(図7下側)は、第1ピストン28の任意の回転位置において、第1ピストン28の端面の内縁より内側に向かって開口している。このため、第1ピストン28の内周部から第1端部7g及び第2端部7hに高圧オイルを導入しやすい。なお、溝部7dの第1端部7g及び第2端部7hは、第1ピストン28の所定の回転位置において、第1ピストン28の端面の内縁より内側に向かって開口してもよい。また、溝部7dの第1端部7g及び第2端部7hの一方が、第1ピストン28の端面の内縁より内側に向かって開口してもよい。
(変形例2)
図8に示すように、変形例2に係るロータリ圧縮機200は、上軸受部材6を除いて、図1に示すロータリ圧縮機100とで共通している。変形例2に係る上軸受部材6は、図1に示す環状溝6bに代えて、溝部6cを備えている。溝部6cは、下軸受部材7の溝部7bと同様の構造である。なお、第1シリンダ15、第1ピストン28、第1ベーン33、第1吸入口20及び軸受孔7aを、それぞれ、第2シリンダ5、第2ピストン8、第2ベーン32、第2吸入口19及び軸受孔6aに置き換えることにより、図2Aに示す第1平面H1及び第2平面H2を定義している。
ここでは、上軸受部材6に溝部6cを設けることによって、上軸受部材6の信頼性を損なうことなく、第2ピストン8の上下方向に作用する荷重をバランスさせることができる。
(変形例3)
図9に示すように、変形例3に係るロータリ圧縮機300は、図1に示すロータリ圧縮機100から第2圧縮ブロック3を省略した構造を有する。つまり、ロータリ圧縮機300は、シリンダを1つのみ備えた1ピストンロータリ圧縮機である。このように、1ピストンロータリ圧縮機300にも本発明を適用することができる。
本発明は、空調機、冷凍機、暖房機、給湯機等に利用できる冷凍サイクル装置の圧縮機に有用である。
1 密閉容器
2 モータ
3 第2圧縮ブロック
4 シャフト
4a 第2偏心部
4b 第1偏心部
4c 給油路
4d 第2連通路
4e 第1連通路
5 第2シリンダ
6 上軸受部材
6a 軸受孔
6b 環状溝
6c 溝部
7 下軸受部材
7a 軸受孔
7b 溝部
7c 一端部
7d,7i 溝部
7e 第1部分
7f 第2部分
7g 第1端部
7h 第2端部
8 第2ピストン
8a 第2テーパ部
9 第2区画部材
10 第1区画部材
11 吐出管
13 内部空間
14 第2吸入管
15 第1シリンダ
16 第1吸入管
17 ステータ
18 ロータ
19 第2吸入口
20 第1吸入口
21 端子
22 オイル溜まり
25 第2シリンダ室
25a 第2吸入室
25b 第2吐出室
26 第1シリンダ室
26a 第1吸入室
26b 第1吐出室
28 第1ピストン
28a 第2テーパ部
30 第1圧縮ブロック
32 第2ベーン
33 第1ベーン
34 第2ベーン溝
35 第1ベーン溝
36 第2ばね
37 第1ばね
38 中板
38a 貫通孔
40 第2吐出口
41 第1吐出口
43 第2吐出弁
44 第1吐出弁
100,200,300 ロータリ圧縮機
102 圧縮機構
400 2ピストンロータリ圧縮機
404 シャフト
405,415 シリンダ
406,407 軸受部材
406a,407a 軸受荷重調整部
408,428 ピストン
438 中板
438a 貫通孔
500 1ピストンロータリ圧縮機
504 シャフト
506,507 軸受部材
506a,507a 環状溝
515 シリンダ
528 ピストン
A 環状領域
B 重畳領域
H1 第1平面
H2 第2平面
H3 第3平面
O 第1シリンダの中心軸
P 第1ピストンの外周面と第1シリンダの内周面との接線
Q 第1吸入口の第1ベーンと反対側の開口端の外周面と第1シリンダの内周面との接線
R 貫通孔の中心軸
S1 第1領域
S2 第2領域

Claims (7)

  1. オイル溜まりを有し、圧縮された冷媒が内部に吐出される密閉容器と、
    前記密閉容器の内部に配置されたシリンダと、
    前記シリンダの内部に配置されたピストンと、
    前記ピストンが取り付けられたシャフトと、
    前記シャフトを支持する軸受孔を中央部に有し、前記シリンダと前記ピストンとの間にシリンダ室を形成するように、前記シリンダに取り付けられた軸受部材と、
    前記シリンダ室を吸入室と吐出室とに仕切るベーンと、
    圧縮されるべき冷媒を前記吸入室に導く吸入口と、
    前記軸受部材に設けられ、前記シリンダの内部に向かって開口し、前記オイル溜まりに溜められたオイルが浸入可能な溝部と、を備え、
    前記ベーンが前記シリンダの中心軸に向かって最も突出したときの前記シリンダの内周面と前記ピストンの外周面との接線を通り、かつ前記シリンダの前記中心軸を含む平面を第1平面と定義し、
    前記シリンダの前記中心軸と平行かつ前記吸入口の前記ベーンと反対側の開口端を通る直線と、前記シリンダの前記中心軸とを含む平面を第2平面と定義したとき、
    前記軸受部材は、当該軸受部材を前記第1平面及び前記第2平面で分けることによって得られた4つの領域のうち、前記吸入口に隣接している第1領域と、残りの3つの領域を含む第2領域と、を有しており、
    前記溝部は、前記軸受孔の周囲に沿う形状を有し、その全部が前記第2領域に設けられている、ロータリ圧縮機。
  2. 前記シリンダを第1シリンダ、前記ピストンを第1ピストン、前記ベーンを第1ベーン、前記軸受部材を第1軸受部材と定義したとき、
    前記ロータリ圧縮機は、第2シリンダ、第2ピストン、第2ベーンと及び第2軸受部材を有し、かつ、前記第1シリンダと前記第2シリンダとの間に配置され前記シャフトが貫通している貫通孔を中央部に有する中板をさらに備え、
    前記溝部、前記中板の前記貫通孔及び前記第1軸受部材の前記軸受孔を前記第1シリンダの前記中心軸に垂直な平面に正射影したとき、
    前記溝部の投影図の全部は、前記貫通孔の投影図の外縁と、前記軸受孔の投影図の外縁とで囲まれた環状領域内に位置している、請求項1に記載のロータリ圧縮機。
  3. 前記第1ピストンを一回転させたときの前記第1ピストンの端面の軌跡を前記第1シリンダの前記中心軸に垂直な平面に正射影したとき、
    前記溝部の投影図の全部は、前記環状領域と、前記第1ピストンの端面の前記軌跡の投影図とが重なる重畳領域内に位置している、請求項2に記載のロータリ圧縮機。
  4. 前記溝部の一部は、前記ピストンが任意又は所定の回転位置を占有しているときに、前記ピストンの端面の内縁よりも内側に位置している、請求項1〜3のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  5. 前記溝部の開口の内縁及び外縁は、それぞれ、平面視で前記軸受孔の中心軸を中心とした円弧の形状を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  6. 前記溝部の開口の内縁及び外縁は、それぞれ、平面視で互いに曲率が異なる円弧の形状を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  7. 前記中板の前記貫通孔の中心軸は、前記シリンダの前記中心軸から径方向にオフセットしており、
    前記シリンダの前記中心軸と、前記貫通孔の前記中心軸とを含む平面を第3平面と定義したとき、
    前記溝部は、前記第3平面の一方側に第1部分を有し、前記第3平面の他方側に第2部分を有しており、
    前記第1部分及び前記第2部分は、前記第3平面に対して対称である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
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