JP2014025264A - シール構造及びシール構造の施工方法 - Google Patents

シール構造及びシール構造の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シール性を確保することができるシール構造およびシール構造の施工方法を提供する。
【解決手段】屋内側と屋外側とにわたって貫通孔2が形成された壁部1と、貫通孔を挿通する配設部材3と、貫通孔2の内周面と配設部材3との間の空間をシールするシール部4と、を備えるシール構造に関する。シール部4は、貫通孔2の内周面と配設部材3との間に充填された充填シール材5と、貫通孔2の内周面と配設部材3とにわたるように、充填シール材5の屋外側を向く面および屋内側を向く面のうちの少なくとも一方に積層された伸縮性部材6と、を備え、伸縮性部材6は、貫通孔2の径方向における外側に向かうにしたがって充填シール材側に向かって延びる第一傾斜部6aと、第一傾斜部6aの径方向における一方側に接続されて、径方向における外側に向かうにしたがって充填シール材5と反対側に向かって延びる第二傾斜部6bと、を有する。
【選択図】図9

Description

本発明は、壁部に形成された貫通孔と該貫通孔を挿通する配管等の配設部材との間の空間をシールするシール部を備えたシール構造、及び、該シール構造の施工方法に関する。
従来から、建屋の外壁等を構成する壁部には、建屋の内外に貫通する貫通孔が形成され、この貫通孔に配管等の配設部材を挿通することで建屋の屋外から屋内又は屋内から屋外への流体等の供給や排出を可能としている。この際、貫通孔と配設部材との間は、屋内外の気密性および水密性を確保するために、貫通孔の内周面と配設部材の外周面との間の隙間に弾性体を含むシール部を設けてシール構造を構成している(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、図17に示すように、シール部4は、壁部1に形成された貫通孔2の内周面2aと配管3の外周面3aとの間に充填された発泡ウレタンによって形成された充填シール材5と、充填シール材5の屋外側に配置されたシリコンシーラントなどの高伸縮性材料によって形成された伸縮性部材6とを有している。
特開昭62−046078号公報
ところで、配管3と壁部1とは上述したようなシール部4を介して接続されているため、例えば地震などが発生すると配管3と壁部1との相対的位置関係が変化することがある。即ち、図13に示すように、例えば、配管3の下方の隙間が小さくなるとともに、配管3の上方の隙間が大きくなる場合がある。
このように、壁部1と配管3とが相対変位すると、図18に示すように、配管3の下方の充填シール材5が配管3と壁部1によって圧縮されるとともに、配管3の上方の充填シール材5が配管3から離間してしまう。この際、充填シール材5と伸縮性部材6とは全面で接着されているため、圧縮された下方の伸縮性部材6が座屈して伸縮性部材6に亀裂が発生する結果、シール性が低下する虞がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、シール性を確保することができるシール構造及びシール構造の施工方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供している。
即ち、本発明のシール構造は、屋内側と屋外側とにわたって貫通孔が形成された壁部と、前記貫通孔を挿通する配設部材と、前記貫通孔の内周面と前記配設部材との間の空間をシールするシール部とを備え、前記シール部は、前記貫通孔の内周面と前記配設部材との間に充填された充填シール材と、前記貫通孔の内周面と前記配設部材とにわたるように、前記充填シール材の前記屋外側を向く面および屋内側を向く面のうちの少なくとも一方に積層された伸縮性部材と、を備え、該伸縮性部材は、前記貫通孔の径方向における外側に向かうにしたがって前記充填シール材側に向かって延びる第一傾斜部と、該第一傾斜部の前記径方向における一方側に接続されて、前記径方向における外側に向かうにしたがって前記充填シール材と反対側に向かって延びる第二傾斜部と、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、壁部と配設部材との相対変位により伸縮性部材が圧縮された場合においても、第一傾斜部および第二傾斜部の部分が曲げ変形することによって相対変位を吸収することができる。
上記シール構造において、前記径方向における一方側は、前記径方向における内側であることが好ましい。
上記構成によれば、伸縮性部材および充填シール材を、充填シール材側から見て伸縮性部材のある方向に突出した凸形状とすることで、圧縮された伸縮性部材が曲げ変形しながら充填シール材と反対方向に逃げることができる。したがって、伸縮性部材の座屈を回避し易くなる。また、引張り側の伸縮性部材が充填シール材との接着による拘束が弱まり易いため、支点間距離が長くなることで引っ張りによる亀裂や切断の発生を低減し易くなる。
上記シール構造において、前記径方向における一方側は、前記径方向における外側であることが好ましい。
上記構成によれば、伸縮性部材および充填シール材を、伸縮性部材側から見て充填シール材のある方向に窪んだ凹形状とすることで、圧縮された伸縮性部材が窪んだ凹部に逃げることができる。これによって、伸縮性部材の座屈を回避しやすくなる。
上記シール構造において、前記伸縮性部材は、前記第一傾斜部および前記第二傾斜部の少なくとも一方を複数有し、これら第一傾斜部および第二傾斜部は、前記径方向において交互に接続されていることが好ましい。
上記構成によれば、伸縮性部材が径方向において交互に接続される第一傾斜部および第二傾斜部の少なくとも一方を複数有することで、伸縮性部材の曲げ変形、および、それによる相対変位の吸収を径方向における複数箇所に分散させることができるので、伸縮性部材の座屈をより回避し易くなる。
上記シール構造において、前記第一傾斜部および前記第二傾斜部は、前記配設部材の軸を中心とした同心円状をなしていることが好ましい。
上記構成によれば、第一傾斜部および第二傾斜部が同心円状をなすことで、圧縮や引張りによって伸縮性部材に加えられる力を周方向において均一に分散させ易くなり、局所的な応力集中による伸縮性部材の座屈を回避し易くなる。また、加工性および施工性を向上させることができる。
また、本発明のシール構造の施工方法は、壁部の屋内側および屋外側にわたる貫通孔の内周面と該貫通孔を挿通する配設部材との間の空間に、前記貫通孔の径方向における外側に向かうにしたがって前記壁部の厚さ方向の一方側に延びる第一傾斜板部と、該第一傾斜板部の前記径方向における一方側に接続されて、前記径方向における外側に向かうにしたがって前記壁部の厚さ方向の他方側に延びる第二傾斜板部と、を有する型枠を設置する工程と、前記型枠内に充填シール材を注入する工程と、前記型枠内で前記充填シール材が硬化した後に前記型枠を除去する工程と、硬化した前記充填シール材の余剰部分を除去する工程と、前記充填シール材における前記第一傾斜板部により形成された第一傾斜面および前記第二傾斜板部により形成された第二傾斜面を含む前記充填シール材の面に、前記貫通孔の内周面と前記配設部材とにわたるように伸縮性部材を積層する工程と、を備えることを特徴とする。
上記方法によれば、上述したシール構造を容易に施工することができる。
上記シール構造の施工方法において、前記型枠を設置する工程の前に、前記貫通孔を前記壁部に形成する工程と、前記配設部材を前記貫通孔に挿通する工程と、を備えていてもよい。
上記方法によれば、壁部に対して新たに配設部材をシール性高く挿通させることができる。
本発明によれば、壁部と配設部材との相対変位により伸縮性部材が圧縮された場合に第一傾斜部および第二傾斜部の部分が曲げ変形することによって相対変位を吸収することができる。したがって、伸縮性部材が座屈してしまうことを避けられるため、シール構造のシール性を確保することができる。
本発明の第一実施形態に係るシール構造を採用した建屋要部の一例を示す断面図である。 図1における矢印Aの方向から見た矢視図である。 本発明の第一実施形態に係るシール構造の施工方法を説明する建屋要部の断面図であって、壁部に貫通孔を形成して配管を挿通させる工程を説明する図である。 本発明の第一実施形態に係るシール構造の施工方法を説明する建屋要部の断面図であって、配管と貫通孔との間に型枠を設置する工程を説明する図である。 本発明の第一実施形態に係るシール構造の施工方法を説明する建屋要部の断面図であって、型枠内に充填シール材を充填する工程を説明する図である。 本発明の第一実施形態に係るシール構造の施工方法を説明する建屋要部の断面図であって、充填シール材が硬化した後、型枠を除去する工程を説明する図である。 本発明の第一実施形態に係るシール構造の施工方法を説明する建屋要部の断面図であって、充填シール材の余剰部分であるバリを除去する工程を説明する図である。 本発明の第一実施形態に係るシール構造の施工方法を説明する建屋要部の断面図であって、プライマーと伸縮性部材を施工する工程を説明する図である。 本発明の第一実施形態に係るシール構造において壁部と配管との間に相対変位が生じたことを示す断面図である。 本発明の第一実施形態に係るシール構造の施工方法の変形例を説明する建屋要部の断面図である。 本発明の第二実施形態に係るシール構造を採用した建屋要部の一例を示す断面図である。 本発明の第二実施形態に係るシール構造において壁部と配管との間に相対変位が生じたことを示す断面図である。 本発明の第三実施形態に係るシール構造を採用した建屋要部の一例を示す断面図である。 本発明の各実施形態に係るシール構造を採用した建屋要部の変形例を示す断面図である。 本発明の各実施形態に係るシール構造を採用した建屋要部の変形例を示す断面図である。 本発明の各実施形態に係るシール構造を採用した建屋要部の変形例を示す断面図である。 従来のシール構造を採用した建屋要部の断面図である。 従来のシール構造において壁部と配管との間に相対変位が生じたことを示す断面図である。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態のシール構造について図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態のシール構造は、壁部1と、配管(配設部材)3と、シール部4と、を備えている。即ち、建屋等の外壁を構成する壁部1には貫通孔2が形成されている。貫通孔2は壁部1の屋内側である第一の面1aと屋外側である第二の面1bとにわたって貫通している。また、配管3は、この貫通孔2に屋内及び屋外に跨って挿通されている。
壁部1はコンクリートなどによって形成されており、所定の水圧に耐えられる十分な厚さ寸法とされている。図2に示すように、貫通孔2は、その内径が配管3の外径寸法などの設計仕様に基づいて決定されている断面円形の孔である。配管3は、金属などによって形成されている断面円形の管部材である。配管3は、配管3の軸方向(以下、単に軸方向という)から視て、貫通孔2の略中央に該貫通孔2と同軸に配置されている。なお、配管3は、必ずしも略中央に配置されていなくてもよい。
貫通孔2と配管3との間には、貫通孔2の内周面2aと配管3の外周面3aとの間の空間をシールするシール部4が形成されている。シール部4は、貫通孔2の軸方向屋内側(図1における左側)に充填された充填シール材5と、貫通孔2の軸方向屋外側(図1における右側)に充填された伸縮性部材6とを有している。
充填シール材5としては、配管3の内部を通る流体の温度や建屋内温度等に応じた耐熱性を備えた弾性発泡材が用いられている。この充填シール材5は、貫通孔2の内周面2aと配管3の外周面3aとの間に液状で充填された後に硬化させることで、貫通孔2の内周面2aと配管3の外周面3aとの間の気密性および水密性を確保する。本実施形態においては、気密性および水密性の確保の観点から、充填シール材5としてウレタン等の弾性発泡材が用いられている。
充填シール材5の屋外側を向く面は、貫通孔2の径方向(以下、単に径方向という)における外側に位置する第一傾斜面5aと、その内側に接続される第二傾斜面5bとを備えている。
第一傾斜面5aは、縦断面(配管3の軸線を含む断面)視において、径方向外側に向かうにしたがって屋外側から屋内側に向かって直線状に延びており、換言すれば、壁部1の屋外側である第二の面1bから壁部1の厚さ方向(配管3の軸方向)における中央部を向く方向(壁部1の厚さ方向の一方側、ここでは図1における右側から左側を向く方向)に直線状に延びる環状の円錐台面状をなしている。
一方、第二傾斜面5bは、縦断面視において、径方向外側に向かうにしたがって屋内側から屋外側に向かって直線状に延びており、換言すれば、壁部1の厚さ方向(配管3の軸方向)における中央部から壁部1の屋外側である第二の面1bを向く方向(壁部1の厚さ方向の他方側、ここでは図1における左側から右側を向く方向)に直線状に延びる環状の円錐台面状をなしている。
即ち、第一傾斜面5aと第二傾斜面5bとでは、径方向外側に向かうにしたがって延びる方向が互いに反対となっている。したがって、第一傾斜面5aの径方向の内側の端部に第二傾斜面5bの径方向の外側の端部が接続されることにより、充填シール材5の屋外側を向く面における第一傾斜面5aおよび第二傾斜面5bの接続部が屋内側から屋外側に向けて突出する凸面状となっている。また、第一傾斜面5aおよび第二傾斜面5bは、貫通孔2または配管3の軸を中心とした同心円状となるように接続されている。なお、接続される径方向位置は、径方向における貫通孔2の内周面2aと配管3の外周面3aとのほぼ中間付近が好ましいが、これに限定されるものではない。
一方、充填シール材5の屋内側を向く面は、径方向に沿った方向に延びる環状かつ平面状の側面5cとなっている。なお、側面5cは必ずしも径方向に沿った方向に延びる必要はなく、軸方向のいずれかに傾斜していても構わない。また、側面5cの形状は、平面形状に限られることはなく、曲面や凹凸面など他の面形状でも構わない。
伸縮性部材6は、充填シール材5の屋外側を向く凸形状の面全体にほぼ一定の厚さで積層されるように配置されている。また、伸縮性部材6は、外周側が貫通孔2の内周面2aに固定されるとともに、内周側が配管3の外周面3aに固定されている。この伸縮性部材6は、高い伸縮性を有する材料によって形成されている。
また、伸縮性部材6と配管3の外周面3aとの間、および伸縮性部材6と貫通孔2の内周面2aとの間には、プライマー7が介在している。換言すれば、伸縮性部材6は、貫通孔2の内周面2aおよび配管3の外周面3aに下地としてのプライマー7が塗布された状態で積層されている。
伸縮性部材6は、高い伸縮性(弾性)を有するシーリング材であり、本実施形態の伸縮性部材6は、シリコンシーラントによって形成されている。即ち、伸縮性部材6は、施工後において配管3が壁部1に対して相対的に動くことにより、配管3と貫通孔2との距離が変化する場合においても、配管3の動きに対して追従する性能を有している。
伸縮性部材6は、充填シール材5の屋外側を向く凸面全体にわたって積層された第一傾斜部6aおよび第二傾斜部6bを有している。
第一傾斜部6aは、充填シール材5の第一傾斜面5aと同様に、縦断面視において、径方向外側に向かうにしたがって屋外側から屋内側に向かって直線状に延びており、換言すれば、充填シール材5側に向かって直線状に延びる環状の円錐台状をなしている。
また、第二傾斜部6bは、充填シール材5の第二傾斜面5bと同様に、縦断面視において、径方向外側に向かうにしたがって屋内側から屋外側に向かって直線状に延びており、換言すれば、充填シール材5とは反対側に向かって直線状に延びる環状の円錐台状をなしている。
即ち、第一傾斜部6aと第二傾斜部6bとでは、径方向外側に向かうにしたがって延びる方向が互いに反対となっている。したがって、第一傾斜部6aの径方向の内側の部分に第二傾斜部6bの径方向の外側の部分が接続されることにより、伸縮性部材6の径方向中間部(第一傾斜部6aと第二傾斜部6bの接続部)が屋内側から屋外側に向けて突出する凸形状となっている。
また、第一傾斜部6aおよび第二傾斜部6bは、貫通孔2または配管3の軸を中心とした同心円状となるように接続された充填シール材5の第一傾斜面5aおよび第二傾斜面5b上に積層される。したがって、第一傾斜部6aおよび第二傾斜部6bもこれらに対応して自ずと、図2に示すように、貫通孔2または配管3の軸を中心とした同心円状に設けられることとなる。
プライマー7は、伸縮性部材6と貫通孔2の内周面2aとの接着性、および伸縮性部材6と配管3の外周面3aとの接着性を向上させるために塗布される下地材である。プライマー7は、伸縮性部材6が接着される対象に応じて適宜選択される。例えば、コンクリート製の壁部1に形成された貫通孔2の内周面2aと伸縮性部材6との間に塗布するプライマー7は、シリコーン変性ウレタン系の樹脂を酢酸ブチルの溶剤で溶解させたプライマー7(例えば、モメンティブ社、トスプライムC(登録商標))が好ましい。
また、金属製の配管3の外周面3aと伸縮性部材6との間に塗布するプライマー7は、シラン系の樹脂をアセトン、IPA、およびトルエンからなる溶剤で溶解させたプライマー7(例えば、モメンティブ社、トスプライムD(登録商標))が好ましい。
また、伸縮性部材6と貫通孔2の内周面2aとの接着性、および、伸縮性部材6と配管3の外周面3aとの接着性のうちの一方、又は両方が十分であれば、プライマー7を省略することができる。
さらに、配管3の材質は金属に限ることはなく、塩化ビニールなどの樹脂や、コンクリートを採用することもできる。例えば、配管3として塩化ビニールを用いる場合、配管3と伸縮性部材6との間のプライマー7は樹脂と伸縮性部材6との接着性、耐久性を向上させるような成分とする必要がある。
次に、本実施形態のシール構造の施工方法について説明する。
まず、図3に示すように、壁部1に屋内側の第一の面1aおよび屋外側の第二の面1bにわたって貫通する断面円形状の貫通孔2を形成する(工程1)。
そして、貫通孔2の略中心位置に断面円形状の配管3を挿通させる(工程2)。
次いで、図4に示すように、配管3の外周面3aと貫通孔2の内周面2aとの間の空間における屋内側の部分に充填シール材5を充填するための型枠10を設置する。この際、型枠10は、屋外側型枠11、屋内側型枠12、湯口13とで構成されるようにする。また、屋外側型枠11は、径方向外側に第一傾斜板部11aと、その内側に接続される第二傾斜板部11bとを備えるようにする。
ここで、第一傾斜板部11aは、径方向外側に向かうにしたがって屋外側から屋内側に向かって断面が直線状に延びており、換言すれば、壁部1の屋外側である第二の面1bから壁部1の厚さ方向(配管3の軸方向)における中央部を向く方向(壁部1の厚さ方向一方側)に直線状に延びる環状の円錐台部材とする。
一方、第二傾斜板部11bは、径方向外側に向かうにしたがって屋内側から屋外側に向かって断面が直線状に延びており、換言すれば、壁部1の厚さ方向(配管3の軸方向)における中央部から壁部1の屋外側である第二の面1bを向く方向(壁部1の厚さ方向他方側)に直線状に延びる環状の円錐台部材とする。
即ち、第一傾斜板部11aと第二傾斜板部11bとでは、径方向外側に向かうにしたがって延びる方向が互いに反対となるようにする。したがって、第一傾斜板部11aの内側の部分に第二傾斜板部11bの外側の部分を接続することにより、屋外側型枠11の径方向中間部(第一傾斜板部11aと第二傾斜板部11bの接続部)が屋内側から屋外側に向けて突出する凸形状となるように設置する。また、第一傾斜板部11aおよび第二傾斜板部11bは、対応する貫通孔2または配管3の軸を中心とした同心円状となるように接続する。なお、これら第一傾斜板部11aおよび第二傾斜板部11bを接続する径方向位置は、貫通孔2の内周面2aと配管3の外周面3aとのほぼ中間あたりが好ましいが、これに限定されるものではない。また、後述の工程で注入する充填シール材の屋外側を向く面に傾斜面を形成することができれば、屋外側型枠11の屋外側を向く面は必ずしも傾斜していなくても構わない。
一方、屋内側型枠12は、径方向に沿った方向に延びる環状の平板部材とする。なお、屋内側型枠12は必ずしも径方向に沿った方向に延びる必要はなく、軸方向のいずれかに傾斜していても構わない。また、屋内側型枠12は、平板に限られることはなく、曲面や凹凸面など他の面形状を有しても構わない。
湯口13は、後述の工程で充填シール材5を注入する際に鉛直方向上方側になるように屋内側型枠12の径方向外側に設置する。なお、湯口13は屋内側型枠12に限らず、屋外側型枠11に設置してもよいし、あるいは、型枠10ではなく別の部材、例えば壁部1などに設置してもよい。
なお、上述のような型枠10を予め一体形成してから配管3と貫通孔2の内周面2aとの間であって貫通孔2の屋内側の空間に設置してもよいし、あるいは、それぞれ別体で形成した屋外側型枠11、屋内側型枠12、湯口13を予め組み立ててから設置してもよい。また、型枠10を貫通孔2の屋内側の空間で組み立てながら設置してもよい。さらに、屋外側型枠11と屋内側型枠12とを必ずしも一体に組み立てなくても構わない。
また、型枠10は、後述の工程で注入する充填シール材5が流出しないように貫通孔2の内周面2aおよび配管3の外周面3aの寸法形状に対応した寸法形状とし当接させる(工程3)。
次いで、図5に示すように、型枠10内に湯口13を介して液体状の充填シール材5を、配管3の外周面3aと貫通孔2の内周面2aとの間であって貫通孔2の屋内側の空間が充填シール材5で満たされるように充填する。なお、この空間内(型枠10内)に空気が残らないように空気抜き孔(不図示)を型枠10の鉛直方向上方側で湯口13とは反対側の位置に設けておくとよい(工程4)。
次いで、図6に示すように、所定時間が経過し、注入した充填シール材5が硬化して固体状となった後、型枠10を全て除去する。これにより、配管3と貫通孔2の内周面2aとの間であって貫通孔2の屋内側の空間には硬化した充填シール材5のみが残る(工程5)。
次いで、硬化した充填シール材5のうち湯口13や空気抜き孔の周りに残存しているバリ5d(図6参照)などの余計な部分を除去する。これにより、図7に示すように、第一傾斜板部11aの屋内側面により形成された第一傾斜面5a、第二傾斜板部11bの屋内側面により形成された第二傾斜面5b、および、屋内側型枠12の屋外側面により形成された側面5cを有する充填シール材5の状態となる(工程6)。
次いで、図8に示すように、プライマー7を貫通孔2の内周面2aの伸縮性部材6施工部、および配管3の外周面3aの伸縮性部材6施工部の全周にわたって塗布する。そして、第一傾斜面5aと第二傾斜面5bにより径方向中間部が屋外側に向けて突出した凸形状となった充填シール材5の屋外側を向く面上に、貫通孔2の内周面2aと配管3の外周面3aとにわたってほぼ一定の厚さで積層されるように伸縮性部材6を施工する。この際、伸縮性部材6やプライマー7はヘラやハケ、スプレーなどを用いて塗布してもよいし、あるいは、予め成型しておいた伸縮性部材6を充填シール材5の屋外側を向く面に接着するなど他の方法を用いて積層させても構わない。そして、所定時間が経過すると、第一傾斜部6aと第二傾斜部6bにより径方向中間部が屋外側に向けて突出した凸形状となった伸縮性部材6が硬化することによって、シール部4およびシール構造が完成する(工程7)。
なお、貫通孔2のない壁部1に対して新たに本発明のシール構造を設ける場合は、上述の工程1から工程7の順で施工すればよい。一方、配管3を挿通させていない貫通孔2を有する壁部1を用いて本発明のシール構造を新たに設ける場合は、貫通孔2に配管3を挿通させる工程2から施工すればよい。また、既に配管3を挿通させた貫通孔2を有する壁部1に本発明のシール構造を新たに設ける場合は、型枠10を設置する工程3から施工すればよいし、あるいは、既設のシール構造を補修する場合は、既設のシール構造を除去した後、工程3から施工すればよい。
次に、本実施形態のシール構造の作用について説明する。
図9に示すように、例えば、地震の発生などによって壁部1の貫通孔2と配管3との相対的位置関係が変動した場合、即ち、図9の配管3の下方に見られるように、壁部1の貫通孔2と配管3との相対変位により、貫通孔2の内周面2aと配管3の外周面3aとが接近して充填シール材5および伸縮性部材6が圧縮された場合、充填シール材5は押しつぶされて樽状に丸く膨らむように変形する。したがって、第一傾斜面5aおよび第二傾斜面5bからなる充填シール材5の屋外側を向く面も、側面5cからなる充填シール材5の屋内側を向く面も同様に丸く変形する。
ここで、本実施形態によれば、充填シール材5および伸縮性部材6には屋外側に突出する凸形状部を設けているので、この凸状に接続された伸縮性部材6の第一傾斜部6aおよび第二傾斜部6bが、充填シール材5の変形に追従するように曲げ変形しながら屋外側に逃げることができる。これにより、充填シール材5および伸縮性部材6が圧縮された場合においても、その相対変位を吸収することができ、伸縮性部材6が座屈破壊されることを回避し易くなるため、シール構造の気密性および水密性を確保することができる。
一方、図9の配管3の上方に見られるように、充填シール材5と伸縮性部材6とが引張りの力を受ける場合は、プライマー7による貫通孔2の内周面2aおよび配管3の外周面3aに対する伸縮性部材6の接着性に比較して、充填シール材5に対する伸縮性部材6の接着性が低いので、引っ張られた伸縮性部材6が充填シール材5の屋外側を向く面から剥離することで、支点間距離が長くなり、引っ張りによる亀裂や切断の発生を低減し易くすることができる。
即ち、配管3が貫通孔2の内周面2aから接近する方向に動いた場合、および離間する方向に動いた場合に、配管3の全周にわたって伸縮性部材6に座屈や亀裂の生じることがないため、シール構造の気密性および水密性を確保することができる。
また、伸縮性部材6と貫通孔2の内周面2aとの間、および伸縮性部材6と配管3の外周面3aとの間にはプライマー7が介在しているため、伸縮性部材6が引張りの力を受けた場合においても接着性が維持され、伸縮性部材6との間に隙間が生じることがない。
また、第一傾斜部6aおよび第二傾斜部6bが、貫通孔2または配管3の軸を中心とした同心円状に設けられているため、圧縮や引張りによって伸縮性部材6に加えられる力を周方向において均一に分散させ易くなる。したがって、局所的な応力集中による伸縮性部材6の座屈や亀裂の発生を回避し易くなる。また、充填シール材5や伸縮性部材6の加工性および施工性を向上させることができる。
また、本実施形態では、充填シール材5の屋外側に設ける伸縮性部材6としてシリコンシーラントを用いたが、ここに設けられる部材は、高い伸縮性を有し、かつ、気密性および水密性を有する素材であればこれに限ることはない。
例えば、伸縮性部材6として、ポリブタジエン系の液状ゴム14を採用することができる。液状ゴム14を施工する場合は、まず、プライマー7処理をした上で液状ゴム14を充填シール材5の屋外側に施工する。次いで、図10に示すように、液状ゴム14が流出しないように、貫通孔2の形状に対応した硬質板15を屋外側から当接させて、液状ゴム14の形状を整える。ただし、液状ゴム14の流動性が高い場合には、硬質板15を事前に配置して液状ゴム14の流出を防ぐようにする。そして、液状ゴム14が硬化した後に硬質板15を除去することによってシール構造が完成する。
また、伸縮性部材6としては、ゴム状シートを採用することもできる。ゴム状シートを施工する場合は、まず、接着剤を貫通孔2の内周面2aおよび配管3の外周面3aに塗布する。次いで、ゴム状シートを配管3と貫通孔2の内周面2aとの間に装着し、ゴム状シートと配管3、およびゴム状シートと貫通孔2の内周面2aとを接着させる。そして、接着剤を硬化させることによりシール構造が完成する。
また、既設のシール構造に本実施形態の伸縮性部材6を適用する場合において、既設の充填シール材5が十分な軸方向の厚さを有していない場合においては、追加の充填シール材5を施工した後、伸縮性部材6を施工することができる。即ち、既設のシール構造にも容易に適用することができる。
(第二実施形態)
次に、第二実施形態に係るシール構造について説明する。
図11に示すように、本実施形態における充填シール材5Aの屋外側を向く面は、径方向内側に第一傾斜面5Aaと、その外側に接続される第二傾斜面5Abとを備えている。第一傾斜面5Aaは、縦断面視において、径方向外側に向かうにしたがって屋外側から屋内側に向かって断面が直線状に延びており、換言すれば、壁部1の屋外側である第二の面1bから壁部1の厚さ方向(配管3の軸方向)における中央部を向く方向(厚さ方向の一方側)に直線状に延びる環状の円錐台状をなしている。
一方、第二傾斜面5Abは、縦断面視において、径方向外側に向かうにしたがって屋内側から屋外側に向かって断面が直線状に延びており、換言すれば、壁部1の厚さ方向(配管3の軸方向)における中央部から壁部1の屋外側である第二の面1bを向く方向(厚さ方向の他方側)に直線状に延びる環状の円錐台面である。即ち、第一傾斜面5Aaと第二傾斜面5Abとでは、径方向外側に向かうにしたがって延びる方向が互いに反対となっている。したがって、第一傾斜面5Aaの外側に第二傾斜面5bの内側が接続されることにより、充填シール材5Aの屋外側を向く面の径方向中間部(第一傾斜面5Aaと第二傾斜面5Abの接続部)が屋外側から屋内側に向けて窪んだ凹面状となっている。
伸縮性部材6Aは、充填シール材5Aの屋外側を向く凹面全体にわたってほぼ一定の厚さで積層された第一傾斜部6Aaおよび第二傾斜部6Abからなる。したがって、第一傾斜部6Aaは、充填シール材5Aの第一傾斜面5Aaと同様に、縦断面視において、径方向外側に向かうにしたがって屋外側から屋内側に向かって直線状に延びており、換言すれば、充填シール材5A側に向かって直線状に延びる環状の円錐台状をなしている。
また、第二傾斜部6Abは、充填シール材5Aの第二傾斜面5Abと同様に、縦断面視において、径方向外側に向かうにしたがって屋内側から屋外側に向かって直線状に延びており、換言すれば、充填シール材5Aとは反対側に向かって直線状に延びる環状の円錐台状をなしている。即ち、第一傾斜部6Aaと第二傾斜部6Abとでは、径方向外側に向かうにしたがって延びる方向が互いに反対となっている。したがって、第一傾斜部6Aaの外側に第二傾斜部6Abの内側が接続されることにより、伸縮性部材6Aの径方向中間部(第一傾斜部6Aaと第二傾斜部6Abの接続部)が屋外側から屋内側に向けて窪んだ凹形状となっている。
本実施形態によれば、図12の配管3の下方に見られるように、壁部1の貫通孔2と配管3との相対変位により、貫通孔2の内周面2aと配管3の外周面3aとが接近して充填シール材5Aおよび伸縮性部材6Aが圧縮された場合においても、充填シール材5Aおよび伸縮性部材6Aには屋内側に窪んだ凹形状部を設けているので、この凹状に接続された伸縮性部材6Aの第一傾斜部6Aaおよび第二傾斜部6Abが、充填シール材5Aの変形に追従するように曲げ変形しながら屋内側に逃げることができる。これにより、充填シール材5Aおよび伸縮性部材6Aが圧縮されても、その相対変位を吸収することができ、伸縮性部材6Aが座屈されることを回避し易くなる。したがって、シール構造の気密性および水密性を確保することができる。
また、伸縮性部材6Aと貫通孔2の内周面2aとの間、および伸縮性部材6Aと配管3の外周面3aとの間にはプライマー7が介在しているため、図12の配管3の上方に見られるように、伸縮性部材6Aが引張りの力を受けた場合においても接着性が維持され、伸縮性部材6Aとの間に隙間が生じることがない。
なお、第一実施形態と同様に、伸縮性部材6Aとして液状ゴム14やゴム状シートを採用することもできる。
(第三実施形態)
次に、第三実施形態に係るシール構造について説明する。
なお、本実施形態では、伸縮性部材、および、充填シール材の伸縮性部材を積層する面の形状が、上述した第一実施形態と相違するのみであるため、その他の同様の部分についてはその説明を省略する。
図13に示すように、本実施形態における充填シール材5Bの屋外側を向く面は、径方向の外側から内側に向けて一組の第一傾斜面5Baおよび第二傾斜面5Bbと、更にもう一組の第一傾斜面5Baおよび第二傾斜面5Bbとを備えている。即ち、第一傾斜面5Baおよび第二傾斜面5Bbが径方向において交互に二つずつ同心円状に設けられている。換言すれば、充填シール材5Aの屋外側を向く面は、一組の第一傾斜面5Baと第二傾斜面5Bbとからなる屋内側から屋外側へ突出する凸面が二組形成されている。
伸縮性部材6Bも同様に、径方向の外側から内側に向けて一組の第一傾斜部6Baおよび第二傾斜部6Bbと、更にもう一組の第一傾斜部6Baおよび第二傾斜部6Bbとを備えている。即ち、第一傾斜部6Baおよび第二傾斜部6Bbが径方向において交互に二つずつ同心円状に設けられている。換言すれば、伸縮性部材6Bは、一組の第一傾斜部6Baと第二傾斜部6Bbとからなる屋内側から屋外側へ突出する凸形状部が二組形成されている。
本実施形態によれば、壁部1の貫通孔2と配管3との相対変位により、貫通孔2の内周面2aと配管3の外周面3aとが接近して充填シール材5Bおよび伸縮性部材6Bが圧縮された場合においても、伸縮性部材6Bに第一傾斜部6Baおよび第二傾斜部6Bbを交互に複数設けることで、伸縮性部材6Bの曲げ変形、および、それによる相対変位の吸収を径方向における複数箇所に分散させることができる。したがって、伸縮性部材6Bの座屈をより回避し易くなるので、シール構造の気密性および水密性を更に向上させることができる。
なお、本実施形態では凸形状部を二組としたが、これに限らず、三組以上としてもよい。また、伸縮性部材6Bが第一傾斜部6Baおよび第二傾斜部6Bbの少なくとも一方を複数有し、かつ第一傾斜部6Baおよび第二傾斜部6Bbが径方向において交互に接続されていればよく、例えば、径方向の外側から内側に向けて第一傾斜部6Ba、第二傾斜部6Bb、第一傾斜部6Baという3つの傾斜部の組合せなどでも構わない。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更や組合せを加えることが可能である。例えば、以上で説明した各実施形態では、貫通孔2を挿通する配設部材として配管3を用いたが、これに限ることはなく、ダクトや電線など建屋の内外に延在するあらゆる配設部材に対して本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、壁部1は建屋等の外壁を構成すると説明したが、これに限ることはなく、例えば、屋内であっても気密性および水密性を確保する必要性のある空間を形成する壁部材にも適用できる。また、建屋の壁以外の床や屋根などにも適用できる。
また、上記実施形態では、貫通孔2および配管3は、断面円形であると説明したが、これに限ることはなく、例えば長円形や楕円形、矩形などの多角形のように他の断面形状としてもよい。なお、円形に近い形状が好ましく、また、貫通孔2および配管3の断面形状が相似であることが好ましい。
また、上記実施形態では、第一傾斜面5a,5Aa,5Baと第二傾斜面5b,5Ab,5Bb、第一傾斜部6a,6Aa,6Baと第二傾斜部6b,6Ab,6Bb、第一傾斜板部11aと第二傾斜板部11bが、それぞれ貫通孔2または配管3の軸を中心とした同心円状となるように接続すると説明したが、これに限ることはなく、例えば、貫通孔2または配管3の軸を中心としていない同心円状としてもよいし、あるいは、軸を中心とした渦巻き状に接続してもよい。また、接続部分が長円形や楕円形、矩形などの多角形状をなすように接続してもよい。なお、貫通孔2および配管3の断面を含めて各々が相似形状であることが好ましい。
また、上記実施形態では、第一傾斜部6a,6Aa,6Ba、および、第二傾斜部6b,6Ba,6Bbを有する伸縮性部材6,6A,6Bを、充填シール材5,5A,5Bの屋外側に積層すると説明したが、これに限ることはなく、図14に示すように、充填シール材5,5A,5Bの屋内側に積層してもよいし、または、図15に示すように、屋外および屋内の両側に積層してもよい。
また、上記実施形態では、充填シール材5,5A,5Bの屋外側を向く面全体に、第一傾斜面5a,5Aa,5Baと第二傾斜面5b,5Ab,5Bbを、伸縮性部材6,6A,6B全体に、第一傾斜部6a,6Aa,6Baと第二傾斜部6b,6Ab,6Bbを、屋外側型枠11全体に、第一傾斜板部11aと第二傾斜板部11bを、それぞれ配置したが、これに限ることはなく、径方向における一部に配置してもよい。例えば、図14に示すように、径方向における中間付近にのみ設けてもよいし、図15に示すように、貫通孔2の内周面2aおよび配管3の外周面3a付近にのみ設けてもよい。または、図示はしないが、貫通孔2の内周面2aおよび配管3の外周面3a付近のいずれか一方にのみ設けてもよい。
また、上記実施形態では、第一傾斜面5a,5Aa,5Ba、第二傾斜面5b,5Ab,5Bb、第一傾斜部6a,6Aa,6Ba、第二傾斜部6b,6Ab,6Bb、第一傾斜板部11a、第二傾斜板部11bは、縦断面視で直線状に延びると説明したが、これに限ることはなく、例えば、図16に示すように、少なくとも一部を曲線状にしてもよく、更にはお互いの接続部を曲線状に滑らかに接続させてもよい。
また、上記実施形態では、伸縮性部材6はほぼ一定の厚さで積層されると説明したが、これに限ることはなく、一定の厚さでなくてもよい。例えば、貫通孔2の内周面2aおよび配管3の外周面3a付近の厚さ寸法を大きく、径方向における中間付近の厚さ寸法を小さくすることにより、プライマー7を介しての貫通孔2の内周面2aおよび配管3の外周面3aに対する接着性を向上させることができる。また、その厚さ寸法の大きさは特に問わない。
1 壁部
1a 第一の面
1b 第二の面
2 貫通孔
2a 内周面
3 配管(配設部材)
3a 外周面
4 シール部
5,5A,5B 充填シール材
5a,5Aa,5Ba 第一傾斜面
5b,5Ab,5Bb 第二傾斜面
5c 側面
6,6A,6B 伸縮性部材
6a,6Aa,6Ba 第一傾斜部
6b,6Ab,6Bb 第二傾斜部
7 プライマー
10 型枠
11 屋外側型枠
11a 第一傾斜板部
11b 第二傾斜板部
12 屋内側型枠
13 湯口
14 液状ゴム
15 硬質板

Claims (7)

  1. 屋内側と屋外側とにわたって貫通孔が形成された壁部と、
    前記貫通孔を挿通する配設部材と、
    前記貫通孔の内周面と前記配設部材との間の空間をシールするシール部と、
    を備え、
    前記シール部は、
    前記貫通孔の内周面と前記配設部材との間に充填された充填シール材と、
    前記貫通孔の内周面と前記配設部材とにわたるように、前記充填シール材の前記屋外側を向く面および屋内側を向く面のうちの少なくとも一方に積層された伸縮性部材と、
    を備え、
    該伸縮性部材は、
    前記貫通孔の径方向における外側に向かうにしたがって前記充填シール材側に向かって延びる第一傾斜部と、
    該第一傾斜部の前記径方向における一方側に接続されて、前記径方向における外側に向かうにしたがって前記充填シール材と反対側に向かって延びる第二傾斜部と、
    を有することを特徴とするシール構造。
  2. 前記径方向における一方側は、前記径方向における内側であることを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
  3. 前記径方向における一方側は、前記径方向における外側であることを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
  4. 前記伸縮性部材は、前記第一傾斜部および前記第二傾斜部の少なくとも一方を複数有し、
    、これら第一傾斜部および第二傾斜部は、前記径方向において交互に接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のシール構造。
  5. 前記第一傾斜部および前記第二傾斜部は、前記配設部材の軸を中心とした同心円状をなしていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のシール構造。
  6. 壁部の屋内側および屋外側にわたる貫通孔の内周面と該貫通孔を挿通する配設部材との間の空間に、前記貫通孔の径方向における外側に向かうにしたがって前記壁部の厚さ方向の一方側に延びる第一傾斜板部と、該第一傾斜板部の前記径方向における一方側に接続されて、前記径方向における外側に向かうにしたがって前記壁部の厚さ方向の他方側に延びる第二傾斜板部と、を有する型枠を設置する工程と、
    前記型枠内に充填シール材を注入する工程と、
    前記型枠内で前記充填シール材が硬化した後に前記型枠を除去する工程と、
    硬化した前記充填シール材の余剰部分を除去する工程と、
    前記充填シール材における前記第一傾斜板部により形成された第一傾斜面および前記第二傾斜板部により形成された第二傾斜面を含む前記充填シール材の面に、前記貫通孔の内周面と前記配設部材とにわたるように伸縮性部材を積層する工程と、
    を備えることを特徴とするシール構造の施工方法。
  7. 前記型枠を設置する工程の前に、
    前記貫通孔を前記壁部に形成する工程と、
    前記配設部材を前記貫通孔に挿通する工程と、
    を備えることを特徴とする請求項6に記載のシール構造の施工方法。
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