JP2014024751A - 水素生成方法および水素生成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒を用いることなく、常温環境下においてアンモニアから水素を高い生成率で生成することのできる水素生成方法および水素生成装置を提供すること。
【解決手段】水素生成方法は、アンモニアから水素を生成する水素生成方法において、
アンモニアガスを含有する水素源ガスに紫外線を照射して水素ガスを発生させる水素ガス発生工程を有し、前記水素ガス発生工程においては、前記水素源ガスを反応器に導入し、当該反応器に導入された水素源ガスに対して、特定の条件で波長200nm以下の光を含む紫外線を照射することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンモニアから水素を生成する水素生成方法および水素生成装置に関する。
近年、例えば燃料電池の燃料などとして用いられる水素を生成するための方法としては、アンモニアを分解する方法が注目されている。
そして、アンモニアを分解して水素を生成する方法としては、例えば貴金属触媒などの触媒を用いる手法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような触媒を用いる手法においては、分解反応を生じさせるために高温雰囲気、具体的には例えば貴金属触媒を用いる場合においては400℃以上の高温雰囲気が必要とされるため、実用上の種々の問題がある。例えば、反応系を昇温して高温とするまでに長い時間を要するために実際に水素の生成が開始されるまでには待機時間が必要であり、更には反応系を高温に維持するために大きなエネルギーが必要であることから水素の生成に要するコストが増大する。また、特に触媒として高価な貴金属を用いる場合においては更にコストが増大する。
一方、真空紫外線を利用し、例えば表面改質処理や洗浄処理などの処理を行う技術として、アンモニアガスに真空紫外線を照射することによってアンモニアラジカル(活性化されたNH)を生成し、そのアンモニアラジカルによって処理を行うことが提案されている。そして、その処理過程、具体的にはアンモニアガスに真空紫外線を照射することによれば、アンモニア(アンモニアガス)から、アンモニアラジカルと共に水素が生成されることが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、アンモニアガスに真空紫外線を照射することによって生じる、アンモニアからアンモニアラジカルと水素が生成される反応においては、アンモニアラジカルの生成量(生成率)は大きいものの、水素の生成量(生成率)が極めて小さいものであるため、水素を生成するための手法として利用することが実用的ではないことが明らかとなった。
特開2003−040602号公報 特開2005−158796号公報
本発明は、以上のような事情に基づいて、発明者らがアンモニアから水素を生成するための手法について研究を重ねた結果、見出されたものであり、その目的は、触媒を用いることなく、常温環境下においてアンモニアから水素を高い生成率で生成することのできる水素生成方法および水素生成装置を提供することにある。
本発明の水素生成方法は、アンモニアから水素を生成する水素生成方法において、
アンモニアガスを含有する水素源ガスに紫外線を照射して水素ガスを発生させる水素ガス発生工程を有し、
前記水素ガス発生工程においては、前記水素源ガスを反応器に導入し、当該反応器に導入された水素源ガスに対して、
前記反応器に導入される水素源ガスのガス流量をQ〔L/min〕、当該反応器に導入される水素源ガスにおけるアンモニアガスの濃度をCNH3 〔体積%〕、当該反応器内におけるガス温度をT〔℃〕、当該反応器内におけるガス滞留時間をt〔sec〕および当該反応器内で紫外線が照射される水素源ガスにおけるアンモニア分子数をN(NH3 )〔個〕とするとき、
下記数式(1)を満たす条件で波長200nm以下の光を含む紫外線を照射することを特徴とする。
数式(1):
N(NH3 )=(1.223×Q×CNH3 ×t)×1021/(273+T)≧20×1019
本発明の水素生成方法においては、前記水素源ガスがアンモニアガスとキャリアガスとの混合ガスであることが好ましい。
このような本発明の水素生成方法においては、前記キャリアガスは、波長200nm以下の光に対して不活性なガスであることが好ましい。
本発明の水素生成装置は、アンモニアを貯蔵するアンモニア供給部を備え、アンモニアから水素を生成するための水素生成装置において、
前記アンモニア供給部から供給されるアンモニアガスを含有する水素源ガスが導入される反応器と、当該反応器に導入された水素源ガスに対して波長200nm以下の紫外線を照射する光源とを備えており、
前記反応器に導入される水素源ガスのガス流量をQ〔L/min〕、前記反応器に導入される水素源ガスにおけるアンモニアガスの濃度をCNH3 〔体積%〕、当該反応器内におけるガス温度をT〔℃〕、当該反応器内におけるガス滞留時間をt〔sec〕および当該反応器内で紫外線が照射される水素源ガスにおけるアンモニア分子数をN(NH3 )〔個〕とするとき、当該反応器に導入される水素源ガスに対して上記数式(1)を満たす条件で前記光源からの紫外線が照射されるように制御する制御機構が設けられていることを特徴とする。
本発明の水素生成装置においては、前記光源は、キセノンエキシマランプであることが好ましい。
本発明の水素生成方法によれば、アンモニアガスを含有する水素源ガスに対して特定の条件で波長200nm以下の光を含む紫外線を照射するという特定の手法によってアンモニアを光分解することにより、高い生成率で水素ガスを生成させることができる。しかも、この特定の手法によるアンモニアの光分解は、分解反応を生じさせるために触媒および高温雰囲気が必ずしも必要とされず、触媒を用いることなく、常温雰囲気において行うことができる。
従って、本発明の水素生成方法によれば、触媒を用いることなく、常温環境下においてアンモニアから水素を高い生成率で生成することができる。
本発明の水素生成装置によれば、アンモニアガスを含有する水素源ガスに対して特定の条件で波長200nm以下の光を含む紫外線を照射することができる。そのため、前記の本発明の水素生成方法によってアンモニアを光分解することができるため、触媒を用いることなく、常温環境下においてアンモニアから水素を高い生成率で生成することができる。
本発明の水素生成装置の構成の一例を示す説明図である。 図1におけるA−A線断面図である。 実験例1において用いた実験装置の構成を示す説明図である。 実験例1において得られた、円筒状反応容器内での紫外線の照射に供されたガスにおけるアンモニア分子数と、円筒状反応容器から排出されたガスにおける水素ガスの濃度との関係を示すグラフである。 実験例2において得られた、円筒状反応容器内での紫外線の照射に供されたガスにおけるアンモニア分子数と、円筒状反応容器から排出されたガスにおける水素ガスの濃度との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の水素生成装置の構成の一例を示す説明図であり、図2は、図1におけるA−A線断面図である。
この水素生成装置10は、円筒状の外管部分21と、外管部分21の内径より小さい外径を有する円筒状の内管部分22とを有し、外管部分21と内管部分22との間に、環状空間Rよりなるガス流路が形成されてなる二重管状のガス流路部材20を備えている。このガス流路部材20において、内管部分22は、外管部分21内において、当該外管部分21の筒軸に沿って配設されている。また、ガス流路部材20の両端においては、外管部分21および内管部分22を連結するように形成された側壁部分23A,23Bが設けられている。
このガス流路部材20の一端側(図1における右端側)には、ガス導入口26が形成されており、このガス導入口26には、導管16を介してガス混合部15が接続されている。このガス混合部15には、アンモニアガスを供給するためのアンモニア供給部11およびキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給部12が、導管13,14を介して接続されている。また、ガス流路部材20の他端側(図1における左端側)には、ガス排出口27が形成されており、このガス排出口27には、先端に水素ガス排出口(図示せず)を有する導管17が接続されている。この導管17には、水素透過膜40が設けられている。
そして、ガス流路部材20には、内管部分22に、波長200nm以下の光を含む紫外線(以下、「特定紫外線」ともいう。)を透過する、例えば円管状の石英ガラス管よりなる紫外線透過窓24が設けられている。この紫外線透過窓24を構成する石英ガラス管内には、特定紫外線を放射する棒状のランプ(以下、「特定紫外線放射ランプ」ともいう。)30よりなる光源が配設されている。このようにしてガス流路部材20においては、ガス流路に対して特定紫外線放射ランプ30からの特定紫外線が照射される部分が水素発生反応器とされている。
また、内管部分22には、空気中の酸素の吸収による波長200nm以下の光の減衰を防止するために、当該内管部分22内に波長200nm以下の光を透過する不活性気体(例えば、窒素ガス、アルゴンガス等)を流通させるための供給配管(図示せず)および排出配管(図示せず)が接続されている。
また、水素生成装置10には、アンモニア供給部11とガス混合部15とを接続する導管13によって形成されるアンモニアガス流路に、アンモニアガス流量調整手段(図示せず)が設けられている。また、キャリアガス供給部12とガス混合部15とを接続する導管14によって形成されるキャリアガス流路には、キャリアガス流量調整手段(図示せず)が設けられている。
ここに、アンモニアガス流量調整手段およびキャリアガス流量調整手段としては、例えばマスフローコントローラが用いられる。
図の例において、ガス流路部材20は、ガス流路の全域に特定紫外線が照射される構成とされており、よってガス流路部材20全体が水素発生反応器とされている。
アンモニア供給部11には、アンモニアが貯蔵されているが、当該アンモニア供給部11からアンモニアガスを供給することができれば、アンモニアの貯蔵状態は、気体状態(アンモニアガス)であってもよく、液体状態(液体アンモニア)であってもよい。
キャリアガス供給部12から供給されるキャリアガスとしては、波長200nm以下の光に不活性であり、また波長200nm以下の光の吸収が小さいものであれば、種々のガスを用いることができる。
具体的には、例えばアルゴンガス、ネオンガス、キセノンガスおよびクリプトンガス等の希ガス、窒素ガスなどの不活性ガスなどを用いることができるが、安価に入手することができる点で、窒素ガスを用いることが好ましく、これにより、コストの低減化を図ることができる。
特定紫外線放射ランプ30は、特定紫外線を放射するものであればよいが、波長170〜200nmの範囲の光を含む紫外線を放射するものであることが好ましく、例えばエキシマランプ、重水素ランプおよび低圧水銀ランプなどを用いることができる。
特定紫外線放射ランプ30の好ましい具体例としては、ピーク波長が172nmであるキセノンエキシマランプ、ピーク波長が190nmである希ガス蛍光ランプ(蛍光エキシマランプ)およびピーク波長が185nmの低圧水銀ランプが挙げられる。これらのうちでは、水素の生成量(生成率)の観点から、ピーク波長が172nmであるキセノンエキシマランプが特に好ましい。
この図の例において、特定紫外線放射ランプ30は、例えば石英ガラスなどの波長172nmの光を透過する材料によって構成され、両端が気密に封止されて内部に放電空間が形成された円筒状の放電容器を備え、この放電容器内にキセノンガスが封入されてなるものである。
水素透過膜40は、導管17によって形成されるガス流路が、当該水素透過膜40を介して上流側(図1における下方側)と下流側(図1における上方側)とに隔離されるように設けられている。
水素透過膜40は、水素貯蔵性(水素吸蔵性)を有する金属の薄膜よりなるものである。
ここに、水素貯蔵性を有する金属の薄膜よりなる水素透過膜は、当該金属の水素の固溶度が、圧力が大きくなるに従って大きくなる特性を有し、この特性を利用することによって水素ガス選択透過性が得られるものである。
すなわち、水素透過膜によって隔離された2つの空間において、一方の空間に水素ガスと他のガスとを含む混合ガスを供給すると共に水素分圧を大きくし、他方の空間の圧力を小さくする。このようにして、水素透過膜中に水素濃度分布を生じさせることにより、水素透過膜中において水素が拡散して低圧の他方の空間に水素ガスが吐出されることとなり、よって、一方の空間に供給された混合ガスのうちの水素ガスが実質的に水素透過膜を透過して他方の空間に供給される。
水素透過膜40の具体例としては、例えばパラジウム合金薄膜、ジルコニウム−ニッケル(Zr−Ni)系合金薄膜、バナジウム−ニッケル(V−Ni)系合金薄膜およびニオブ−ニッケル(Nb−Ni)系合金薄膜などが挙げられる。また、水素透過膜40としては、ニオブ(Nb)と、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)およびモリブデン(Mo)よりなる群から選ばれる1種以上の金属と、バナジウム(V)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)およびハフニウム(Hf)よりなる群から選ばれる1種以上の金属との合金よりなる薄膜を用いることもできる。
そして、水素生成装置10には、ガス流路部材20に供給されることによって水素発生反応器に導入され、当該水素発生反応器内において特定紫外線が照射される、アンモニアガスを含有する水素源ガスにおいて、アンモニア分子数N(NH3 )が20×1019〔個〕以上となるように調整する制御機構が設けられている。
すなわち、この制御機構は、水素発生反応器に導入される水素源ガスに対して、上記数式(1)を満たす条件で特定紫外線放射ランプ30からの特定紫外線が照射されるよう、水素源ガスに対する特定紫外線の照射条件を制御するものである。
上記数式(1)において、「Q」は、水素発生反応器に導入される水素源ガスのガス流量〔L/min〕であり、「CNH3 」は、当該水素発生反応器に導入される水素源ガスにおけるアンモニアガスの濃度〔体積%〕であり、「T」は、当該水素発生反応器内におけるガス温度〔℃〕であり、「t」は、当該水素発生反応器内におけるガス滞留時間〔sec〕である。
ここに、アンモニア分子数N(NH3 )とは、上記数式(1)に示されているように、ガス流量Q、アンモニアガスの濃度CNH3 、ガス温度T、およびガス滞留時間tから求められる値である。
また、ガス温度Tとは、水素源ガスに対して特定紫外線が照射された状態の水素発生反応器内の平均温度である。
また、ガス滞留時間tとは、水素発生反応器内における水素源ガスに対する特定紫外線の照射時間であり、水素発生反応器の容積と、ガス流量Qとから求められる値である。具体的には、ガス流路部材20におけるガス流路の断面積をS〔cm2 〕、ガス流路部材20におけるガス流路のうちの特定紫外線が照射される領域の長さ(流路長)をL〔cm〕とするとき、下記数式(2)により算出される値である。
数式(2):
t=(16.67×Q)/(S×L)
ここに、水素生成装置10においては、経済性を考慮すると、アンモニアガスの濃度CNH3 は10体積%程度以上であることが好ましい。
また、紫外線が十分に吸収されるという観点から、ガス流路の幅(ガス流路部材20の内表面と紫外線透過窓24の外表面との距離)は2〜5cm程度にすることが好ましい。
また、複数本の特定紫外線放射ランプを配置する場合、ランプ間の距離がガス流路の幅の2倍程度になるように均等に配置されることは当然である。
この水素発生装置10において、制御機構は、アンモニアガス流量調整手段、キャリアガス供給部12およびキャリアガス流量調整手段によって構成されている。
すなわち、アンモニアガス流量調整手段、キャリアガス供給部12およびキャリアガス流量調整手段により、ガス流量Q、アンモニアガスの濃度CNH3 、ガス温度Tおよびガス滞留時間tが調整され、以って水素発生反応器内で特定紫外線が照射される水素源ガスにおけるアンモニア分子数N(NH3 )が調整される。なお、水素生成装置10には、水素発生反応器におけるガス温度T〔℃〕を調整するための専用の温度調整手段は設けられていない。
この制御機構の作用により、ガス混合部15において、アンモニアガスの濃度CNH3 が所期の範囲となるよう、アンモニアガスに対して必要に応じてキャリアガスが混合される。そして、アンモニアガスの濃度CNH3 が調整されたガスが、ガス滞留時間tおよびガス温度Tが所期の範囲となるように調整された状態でガス流量Qが調整されて導管16を介してガス流路部材20内に供給され、水素発生反応器に導入される。このようにして水素発生反応器内に導入された水素源ガスに対して所期の紫外線照射条件によって特定紫外線が照射される。
このような構成の水素生成装置10においては、本発明の水素生成方法によってアンモニア(NH3 )から水素(H2 )が生成される。
すなわち、水素発生反応器としてのガス流路部材20に水素源ガスを導入し、その水素発生反応器に導入された水素源ガスに対して、上記数式(1)を満たす特定の条件で波長200nm以下の光を含む紫外線(特定紫外線)を照射して水素ガスを発生させる水素ガス発生工程を経ることにより、アンモニアガスから水素ガスが生成される。
具体的には、ガス混合部15に対して、アンモニアガス(図1において矢印g1で示す。)が、アンモニアガス流量調整手段によって流量が調整された状態でアンモニア供給部11から導管13を介して供給される。また、ガス混合部15には、必要に応じて、キャリアガス(図1において矢印g2で示す。)が、キャリアガス流量調整手段によって流量が調整された状態でキャリアガス供給部12から導管14を介して供給される。このようにしてガス混合部15において、アンモニアガスに対して必要に応じてキャリアガスが混合されることにより、アンモニアガスの濃度CNH3 が調整され、水素源ガスが調製される。更に、その水素源ガス(図1において矢印g3で示す。)は、ガス流量Qが調整されており、それによってガス流量Qと共にガス滞留時間tおよびガス温度Tが所期の範囲となるように調整された状態でガス混合部15から導管16を介してガス導入口26からガス流路部材20内に供給される。
そして、ガス流路部材20内においては、環状空間Rよりなるガス流路をガス導入口26からガス排出口27に向かって流通する水素源ガスに対して、特定紫外線放射ランプ30からの特定紫外線が、紫外線透過窓24を介して照射される。それにより、水素源ガスを構成するアンモニアガスから、水素ガスおよび窒素ガスが生成される。
そして、特定紫外線が水素源ガスに照射されることによって生成された水素ガスおよび窒素ガスを含む混合ガス(図1において矢印g4で示し、以下、「排出ガス」ともいう。)が、ガス流路部材20のガス排出口27から排出される。更に、ガス排出口27から導管17に排出された排出ガスのうちの水素透過膜40を透過したガス(図1において矢印g5で示す。)、すなわち、水素ガスが、導管17における水素ガス排出口から外部に排出される。
ここに、水素ガス発生工程において、水素源ガスに特定紫外線が照射されることによれば、後述の実験例から明らかなように、水素源ガスを構成するアンモニアガスが光分解されることにより、水素ガスと窒素ガスが生成されるが、排出ガス中には、アンモニアガスが光分解することによって生成された水素ガスおよび窒素ガスと共に、キャリアガスおよび光分解されなかったアンモニアガスが含有されている。
このような水素ガス発生工程において、ガス流路部材20内を流通する過程において特定紫外線が照射される水素源ガスにおいては、制御機構により、アンモニア分子数N(NH3 )が20×1019〔個〕以上とされるが、好ましくは20×1019〜8×1025〔個〕である。
アンモニア分子数N(NH3 )が20×1019〔個〕以上であることにより、後述の実験例から明らかなように、特定紫外線を照射することによって水素ガスを極めて高い生成率で生成することができる。
特にアンモニア分子数N(NH3 )が20×1019〔個〕以上であって8×1025〔個〕未満である場合には、使用するランプ本数、ランプの長さ、円筒状反応器の容積を経済的に設計することが可能である。
また、水素ガス発生工程において、ガス流量Q、アンモニアガスの濃度CNH3 、ガス温度Tおよびガス滞留時間tは、例えば水素発生反応器の容積、水素生成装置10の使用用途、使用環境温度などに応じて適宜に定められる。
具体的な一例として、水素ガス生成コストの観点からは、ガス流量Qは、10〜1000L/minであることが好ましく、アンモニアガスの濃度CNH3 は、10〜95体積%であることが好ましく、ガス温度Tは、室温(20〜27℃)であることが好ましく、ガス滞留時間tは、10〜200secであることが好ましい。
水素生成装置10によれば、必要に応じてキャリアガスが混合されたアンモニアガス(水素源ガス)を、水素を生成するための原料、すなわち水素源とする。そして、この水素源に対して、制御機構により、ガス流量Q、アンモニアガスの濃度CNH3 、ガス温度Tおよびガス滞留時間tが調整されることによって上記数式(1)を満たすように紫外線照射条件が制御された状態で特定紫外線を照射する特定の手法により、アンモニアガスを光分解することができる。しかもその光分解によれば、常温環境下においてアンモニアガスから水素ガスを高い生成率で生成することができる。
そして、水素生成装置10は、例えば加熱手段のようなアンモニアガスの分解反応を生じさせるための高温雰囲気を形成する手段を設ける必要がないものであることから、小型化および軽量化を容易に図ることができ、そのため、例えば自動車、飛行機および船舶などの移動体に積載することが可能である。しかも、アンモニアガスの分解反応を生じさせるために高温雰囲気が必要とされる場合のように、その高温雰囲気を形成するために長い時間を要することなく、よって水素ガスの生成を即座に開始することができるため、移動体を駆動するための燃料電池の燃料供給源として好適に用いることができる。
また、アンモニアガスの分解反応を生じさせるための高温雰囲気を形成する手段を設ける必要がないと共に、触媒を用いる必要がないことから、触媒を用いること、およびアンモニアガスの分解反応を生じさせるために高温雰囲気が必要とされることに起因して水素の生成に要するコストが増大することを抑制することができる。しかも、必要に応じて用いられるキャリアガスが波長200nm以下の光に不活性なガスであればよいことから、キャリアガスとして安価な窒素ガスを用いることができるため、小さなコストで水素ガスを生成することができる。
以上、本発明について、具体的には本発明の水素生成方法および本発明の水素生成装置について具体的に説明したが、本発明は以上の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、水素生成方法は、アンモニア供給部、水素発生反応器、制御機構および特定紫外線放射ランプよりなる光源を合わせて備えてなる装置によって実施されることに限定されない。すなわち、アンモニアガスを含有する水素源ガスに対して、上記数式(1)を満たす特定の条件で特定紫外線を照射して水素ガスを発生させることができれば、ガス流量Q、アンモニアガスの濃度CNH3 、ガス温度Tおよびガス滞留時間tに基づいて特定紫外線が照射される水素源ガスにおけるアンモニア分子数N(NH3 )を調整する装置と、特定紫外線を照射する装置とが一体化されておらずに個別であってもよい。
また、水素生成装置においては、アンモニア供給部にアンモニア貯蔵がされている必要はなく、アンモニア供給部は、例えば尿素からアンモニアが生成される機構が設けられる構成のものであってもよい。
以下、本発明の実験例について説明する。
〔実験例1〕
図3に示すような構成の実験装置(以下、「実験装置(1)」ともいう。)を作製した。
この実験装置(1)は、内部に円柱状の空間を有する円筒状反応容器51と、この円筒状反応容器51の筒軸に沿って当該円筒状反応容器51を貫通するように設けられた、合成石英ガラス製の円筒状の光透過性容器52とを有するガス流路部材を備えている。このガス流路部材においては、円筒状反応容器51内に、当該円筒状反応容器51の内周面と、光透過性容器52の外周面との間に形成された円環状の空間によってガス流路が形成されている。また、円筒状反応容器51には、一端側(図3における左端側)にガス導入口が形成され、他端側(図3における右端側)には、ガス排出口が形成されている。そして、円筒状反応容器51のガス導入口には、導管62が接続されており、この導管62には、ガス混合部61が接続されている。このガス混合部61には、アンモニア供給部63がアンモニアガス流量調整手段65を介して接続されていると共に、キャリアガス供給部64がキャリアガス流量調整手段66を介して接続されている。一方、円筒状反応容器51のガス排出口には、導管69が接続されている。
また、光透過性容器52内には、当該光透過性容器52の筒軸に沿うようにして円柱状のキセノンエキシマランプ53が設けられている。また、この光透過性容器52には、波長200nm以下の光の減衰を防止すると共にキセノンエキシマランプ53を冷却するために、当該光透過性容器52内に不活性気体を流通させるための供給配管(図示せず)および排出配管(図示せず)が接続されている。
そして、実験装置(1)においては、円筒状反応容器51に供給されるガスにおけるアンモニアガスの濃度を測定するため、アンモニアガス濃度測定手段71が、導管62に設けられており、また円筒状反応容器51内におけるガス温度(T)を測定するため、例えば熱電対等の温度測定手段(図示せず)が設けられている。更に、実験装置(1)においては、円筒状反応容器51から排出されるガス中の水素ガスの濃度を測定するため、ガスクロマトグラフィよりなる水素ガス濃度測定手段72が、導管69に設けられている。また、導管69には、当該導管69を流動するガスの組成を分析するため、ガス質量分析装置(図示せず)が設けられている。
この実験装置(1)において、キセノンエキシマランプ53は、外径が26.5mmであって発光長lが100mmであり、発光ガスとしてキセノンガスが46kPaの封入圧力で封入されており、またピーク波長が172nm、入力電力が40Wのものである。
また、光透過性容器52は、外径が40mmであって厚みが2mmのものであり、当該光透過性容器52の外周面と円筒状反応容器51の内周面との離間距離Gが20mmとなるように配置されている。
また、実験装置(1)においては、キセノンエキシマランプ53が点灯されることにより、光透過性容器52の外周面における波長172nmの光の照度は26mW/cm2 とされる。また、円筒状反応容器51内においては、ガス流路全域にわたってキセノンエキシマランプ53からの光が照射され、当該ガス流路長Lは105mmとされている。すなわち、円筒状反応容器51全体が水素発生反応器とされている。
また、実験装置(1)においては、キャリアガスとしてアルゴンガスを用い、このアルゴンガスとアンモニアガスとを混合した混合ガスを円筒状反応容器51内に供給するガス(以下、「実験用供給ガス」ともいう。)とした。
作製した実験装置(1)において、室温環境下にて、キセノンエキシマランプ53を点灯すると共に、光透過性容器52内に、不活性気体として窒素ガスcgを流通させた。また、円筒状反応容器51には、アンモニアガス流量調整手段65およびキャリアガス流量調整手段66により、実験用供給ガスにおけるアンモニアガスの濃度(CNH3 )およびガス流量(Q)を調整し、円筒状反応容器51内におけるガス滞留時間(t)が11.3sec、22.6sec、45.2secおよび113.1secとなるように実験用供給ガスを供給した。このとき、アンモニアガスの濃度(CNH3 )は0.25〜30.0体積%の範囲で調整し、ガス流量(Q)は0.20〜2.0L/minの範囲で調整し、また円筒状反応容器51内におけるガス温度(T)は室温(20〜27℃)であった。そして、円筒状反応容器51から排出されるガスにおける水素ガスの濃度を水素ガス濃度測定手段72によって測定した。結果を図4に示す。この図4においては、円筒状反応容器51から排出されたガス中の水素ガスの濃度と、上記数式(1)に基づいてガス流量(Q)、アンモニアガスの濃度(CNH3 )、ガス温度(T)およびガス滞留時間(t)から算出される、円筒状反応容器51内での波長172nmの光を含む光の照射に供された実験用供給ガスにおけるアンモニア分子数(N(NH3 ))との関係が示されている。
ここに、図4において、円プロット(○)および曲線(イ)は、ガス滞留時間(t)が11.3secとなる条件で実験用供給ガスを供給した場合に係る結果を示すものであり、三角プロット(△)および曲線(ロ)は、ガス滞留時間(t)が22.6secとなる条件で実験用供給ガスを供給した場合に係る結果を示すものである。また、四角プロット(□)および曲線(ハ)は、ガス滞留時間(t)が45.2secとなる条件で実験用供給ガスを供給した場合に係る結果を示すものであり、バツプロット(×)および曲線(ニ)は、ガス滞留時間(t)が113.1secとなる条件で実験用供給ガスを供給した場合に係る結果を示すものである。
また、円筒状反応容器51から排出されたガスの組成をガス質量分析装置によって確認したところ、当該円筒状反応容器51からの排出ガスは、水素ガス、窒素ガスおよびアンモニアガスと共に、分析不可能なガスを含有するものであることが確認された。なお、分析が不可能なガスは、準安定物質NNHであると推測される。
更に、円筒状反応容器51内で波長172nmの光を含む光が照射される実験用供給ガスにおけるアンモニア分子数(N(NH3 ))が20×1019〔個〕以上である場合、すなわち円筒状反応容器51に供給される実験用供給ガスに対して上記数式(1)を満たす条件で波長172nmの光を含む光が照射された場合には、円筒状反応容器51からの排出ガスは、水素ガスを高い含有割合で含有したものであった。
具体的には、ガス滞留時間(t)が113.1secであってアンモニア分子数(N(NH3 ))が279×1019〔個〕となる条件で実験用供給ガスに波長172nmの光を含む光を照射した場合においては、円筒状反応容器51からの排出ガスは、水素ガス15720ppmおよび窒素ガス5193ppmを含有するものであった。また、排出ガスにおける窒素ガスに対する水素ガスの含有割合の比(H2 /N2 )は、3であった。
一方、円筒状反応容器51内で波長172nmの光を含む光が照射される実験用供給ガスにおけるアンモニア分子数(N(NH3 ))が20×1019〔個〕未満である場合、すなわち円筒状反応容器51に供給される実験用供給ガスに対して上記数式(1)を満たさない条件で波長172nmの光を含む光が照射された場合においては、円筒状反応容器51からの排出ガスは、水素ガスの含有割合が低いものであった。
〔実験例2〕
実験例1における実験装置(1)において、ピーク波長が172nmのキセノンエキシマランプ53に代えて、ピーク波長が190nmの希ガス蛍光ランプを用いたこと以外は、当該実験装置(1)と同様の構成を有する実験装置(以下、「実験装置(2)」ともいう。)を作製した。
この実験装置(2)において、ピーク波長190nmのエキシマランプは、ピーク波長が異なるものではあるが、基本的にはキセノンエキシマランプ53と同様の構成を有するものである。また、このピーク波長190nmの希ガス蛍光ランプが点灯されることにより、光透過性容器(52)の外周面における波長190nmの光の照度は8.7W/cm2 とされる。
作製した実験装置(2)において、実験例1と同様の手法によって実験用供給ガスを供給して円筒状反応容器(51)から排出されるガスにおける水素ガスの濃度を測定した。結果を図5に示す。この図5においては、円筒状反応容器(51)から排出されたガス中の水素ガスの濃度と、上記数式(1)に基づいてガス流量(Q)、アンモニアガスの濃度(CNH3 )、ガス温度(T)およびガス滞留時間(t)から算出される、円筒状反応容器(51)内での波長190nmの光を含む光の照射に供された実験用供給ガスにおけるアンモニア分子数(N(NH3 ))との関係が示されている。
ここに、図5においては、図4と同様に、円プロット(○)および曲線(イ)は、ガス滞留時間(t)が11.3secとなる条件で実験用供給ガスを供給した場合に係る結果を示すものであり、三角プロット(△)および曲線(ロ)は、ガス滞留時間(t)が22.6secとなる条件で実験用供給ガスを供給した場合に係る結果を示すものである。また、四角プロット(□)および曲線(ハ)は、ガス滞留時間(t)が45.2secとなる条件で実験用供給ガスを供給した場合に係る結果を示すものであり、バツプロット(×)および曲線(ニ)は、ガス滞留時間(t)が113.1secとなる条件で実験用供給ガスを供給した場合に係る結果を示すものである。
また、円筒状反応容器(51)から排出されたガスの組成をガス質量分析装置によって確認したところ、当該円筒状反応容器(51)からの排出ガスは、水素ガス、窒素ガスおよびアンモニアガスと共に、分析不可能なガスを含有するものであることが確認された。なお、分析が不可能なガスは、準安定物質NNHであると推測される。
更に、円筒状反応容器(51)内で波長190nmの光を含む光が照射される実験用供給ガスにおけるアンモニア分子数(N(NH3 ))が20×1019〔個〕以上である場合、すなわち円筒状反応容器(51)に供給される実験用供給ガスに対して上記数式(1)を満たす条件で波長190nmの光を含む光が照射された場合には、円筒状反応容器(51)からの排出ガスは、水素ガスを高い含有割合で含有したものであった。
具体的には、ガス滞留時間(t)が113.1secであってアンモニア分子数(N(NH3 ))が279×1019〔個〕なる条件で波長190nmの光を含む光を照射した場合においては、円筒状反応容器(51)からの排出ガスは、水素ガス13077ppmおよび窒素ガス4767ppmを含有するものであった。また、排出ガスにおける窒素ガスに対する水素ガスの含有割合の比(H2 /N2 )は、2.7であった。
一方、円筒状反応容器(51)内で波長190nmの光を含む光が照射される実験用供給ガスにおけるアンモニア分子数(N(NH3 ))が20×1019〔個〕未満である場合、すなわち円筒状反応容器51に供給される実験用供給ガスに対して上記数式(1)を満たさない条件で波長190nmの光を含む光が照射された場合においては、円筒状反応容器(51)からの排出ガスは、水素ガスの含有割合が低いものであった。
以上の結果から、室温環境下において、触媒を用いることなく、アンモニアガスを含有する水素源ガスに対して、上記数式(1)を満たす条件で波長200nm以下の光を含む紫外線を照射することによれば、上記数式(1)を満たさない条件で波長200nm以下の光を含む紫外線を照射した場合に比して、高い生成率で水素ガスを生成できることが見出された。
ここに、水素ガスの生成率は、下記反応式(1)で示されるアンモニア光分解総括反応式に基づき、下記数式(3)によって算出される値であると定義される。
反応式(1)において、「h」はプランク定数6.63×10-34 〔Js〕であり、「ν」は(光速/波長)である。
また、数式(3)において、「[H2 ]」は円筒状反応容器(51)からの排出ガス中の水素濃度であり、「[NH3 IN」は実験用供給ガスのアンモニアガス濃度であり、「[NH3 OUT 」は円筒状反応容器(51)からの排出ガス中のアンモニアガス濃度である。
反応式(1):
NH3 +hν → 0.5N2 +1.5H2
数式(3):
生成率(%)=[H2 ]×100/1.5×([NH3 IN([NH3 IN−[NH3 OUT )/[NH3 OUT
波長200nm以下の光を含む紫外線を照射することによってアンモニアからで水素が生成される理由は、アンモニアが下記反応式(2)〜反応式(4)に示す光分解反応と、下記反応式(5)〜反応式(8)に示す二次反応のうちの反応式(5)および反応式(6)を経ることによるものと推測される。
また、分析が不可能なガスは、反応式(8)に示す二次反応過程で生じる準安定物質NNHであると推測される。
そして、アンモニアガスを含有する水素源ガスに対して、上記数式(1)を満たす条件で波長200nm以下の光を含む紫外線を照射することによってアンモニアから水素が高い生成率で生成される理由は、この上記数式(1)を満たす条件で波長200nm以下の光を含む紫外線を照射することによって前記の反応式(1)に近い反応が起こったためである。この反応式(1)は、hνのエネルギーを有するフォトン1個が1.5個の水素分子を生成することを示している。
反応式(2):
NH3 +hν(λ=172nm) → NH2 +H
反応式(3):
NH3 +hν(λ=172nm) → NH+H2
反応式(4):
NH3 +hν(λ=172nm) → N+1.5H2
反応式(5):
H+H → H2
反応式(6):
NH+NH → N2 +H2
反応式(7):
N+N → N2
反応式(8):
N+NH → NNH
10 水素生成装置
11 アンモニア供給部
12 キャリアガス供給部
13,14 導管
15 ガス混合部
16,17 導管
20 ガス流路部材
21 外管部分
22 内管部分
23A,23B 側壁部分
24 紫外線透過窓
26 ガス導入口
27 ガス排出口
30 ランプ
40 水素透過膜
51 円筒状反応容器
52 光透過性容器
53 キセノンエキシマランプ
61 ガス混合部
62 導管
63 アンモニア供給部
64 キャリアガス供給部
65 アンモニアガス流量調整手段
66 キャリアガス流量調整手段
67,68,69 導管
71 アンモニアガス濃度測定手段
72 水素ガス濃度測定手段

Claims (5)

  1. アンモニアから水素を生成する水素生成方法において、
    アンモニアガスを含有する水素源ガスに紫外線を照射して水素ガスを発生させる水素ガス発生工程を有し、
    前記水素ガス発生工程においては、前記水素源ガスを反応器に導入し、当該反応器に導入された水素源ガスに対して、
    前記反応器に導入される水素源ガスのガス流量をQ〔L/min〕、当該反応器に導入される水素源ガスにおけるアンモニアガスの濃度をCNH3 〔体積%〕、当該反応器内におけるガス温度をT〔℃〕、当該反応器内におけるガス滞留時間をt〔sec〕および当該反応器内で紫外線が照射される水素源ガスにおけるアンモニア分子数をN(NH3 )〔個〕とするとき、
    下記数式(1)を満たす条件で波長200nm以下の光を含む紫外線を照射することを特徴とする水素生成方法。
    数式(1):
    N(NH3 )=(1.223×Q×CNH3 ×t)×1021/(273+T)≧20×1019
  2. 前記水素源ガスがアンモニアガスとキャリアガスとの混合ガスであることを特徴とする請求項1に記載の水素生成方法。
  3. 前記キャリアガスは、波長200nm以下の光に対して不活性なガスであることを特徴とする請求項2に記載の水素生成方法。
  4. アンモニアを貯蔵するアンモニア供給部を備え、アンモニアから水素を生成するための水素生成装置において、
    前記アンモニア供給部から供給されるアンモニアガスを含有する水素源ガスが導入される反応器と、当該反応器に導入された水素源ガスに対して波長200nm以下の紫外線を照射する光源とを備えており、
    前記反応器に導入される水素源ガスのガス流量をQ〔L/min〕、前記反応器に導入される水素源ガスにおけるアンモニアガスの濃度をCNH3 〔体積%〕、当該反応器内におけるガス温度をT〔℃〕、当該反応器内におけるガス滞留時間をt〔sec〕および当該反応器内で紫外線が照射される水素源ガスにおけるアンモニア分子数をN(NH3 )〔個〕とするとき、当該反応器に導入される水素源ガスに対して下記数式(1)を満たす条件で前記光源からの紫外線が照射されるように制御する制御機構が設けられていることを特徴とする水素生成装置。
    数式(1):
    N(NH3 )=(1.223×Q×CNH3 ×t)×1021/(273+T)≧20×1019
  5. 前記光源は、キセノンエキシマランプであることを特徴とする請求項4に記載の水素生成装置。
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