JP2014024720A - 板ガラスの製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
板ガラスを折割る際に発生したガラスチッピングを板ガラスに付着させることなく適切に回収すること。
【解決手段】
縦姿勢の板ガラスGにスクライブSを形成し、スクライブSをその全長に亘って覆設部材2で覆うことにより水ミストMの流通空間Fを形成した後、スクライブSを境界として板ガラスGを折割ると共に、折割りで発生したガラスチッピングKを、流通空間FにおけるスクライブSに沿う方向の一端側から流通空間F内へと流入し且つスクライブSに沿う方向の他端側から流通空間F外へと流出する水ミストMにより回収する。
【選択図】図1

Description

本発明は、板ガラスに形成したスクライブを境界として当該板ガラスを折割ると共に、折割りの際に発生したガラスチッピングを回収するための技術に関する。
周知のように、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ等のフラットパネルディスプレイに使用される板ガラス製品の製造工程では、大面積の板ガラスから小面積の板ガラスを切り出したり、板ガラスの辺に沿う縁部をトリミングしたりする。そのための手法としては、板ガラスを割断することが挙げられる。
板ガラスを割断する手法の一つとして、折割りによる割断方法が知られている。この方法は、板ガラスにスクライブを形成した後、折割部材を用いてスクライブの周辺を押圧する。これにより、スクライブの近傍に曲げモーメントを与え、これに起因して板ガラスに発生する引張応力により、スクライブを板ガラスのスクライブ面(スクライブを形成した面)側から他面側へと進展させて割断を行う方法である。
ところで、この方法を使用する場合、折割られた板ガラスの割断部からは、ガラス小片やガラス粉末等からなるガラスチッピングが発生する。このガラスチッピングが適切に回収されず、折割られた板ガラスに付着し残留してしまうと、最終的に製造される板ガラス製品、特に高度な清浄性が要求される製品の商品価値を大きく低下させる事態を招いてしまう。
このような事態を防止すべく、特許文献1には、縦姿勢の板ガラスに形成されたスクライブを、その全長に亘って覆設部材で覆うことによって、空気の流通空間を形成した後、スクライブを境界として板ガラスを折割ると共に、流通空間を流れる空気により、折割りの際に発生したガラスチッピングを回収する板ガラスの製造方法が開示されている。
特開2004−338994号公報
しかしながら、上記の特許文献1に開示された方法によっても、未だ解決すべき問題が残存している。
すなわち、折割りの際に発生したガラスチッピングは、覆設部材内を流れる空気に同伴され、空気の流れと同方向に運ばれるわけであるが、この際、ガラスチッピングが静電気の影響によって、板ガラスに付着してしまう場合があった。そのため、ガラスチッピングの回収を適切に実施することができないという問題を生じていた。
また、割断部から発生するガラスチッピングの量は、折割りの際にスクライブの周辺を押圧する押圧力の大小に多大な影響を受けており、押圧力が大きい程、多量のガラスチッピングが発生しやすい。このため、例えば、板ガラスを高速で折割る場合等、大きな押圧力が必要となる場合には、多量のガラスチッピングが発生してしまい、上記の問題がより深刻なものとなっていた。
上記事情に鑑みなされた本発明は、板ガラスを折割る際に発生したガラスチッピングを板ガラスに付着させることなく適切に回収することを技術的課題とする。
上記課題を解決するために創案された本発明に係る板ガラスの製造方法は、縦姿勢の板ガラスにスクライブを形成し、該スクライブをその全長に亘って覆設部材で覆うことによりミストの流通空間を形成した後、前記スクライブを境界として前記板ガラスを折割ると共に、折割りで発生したガラスチッピングを、前記流通空間における前記スクライブに沿う方向の一端側から流通空間内へと流入し且つ前記スクライブに沿う方向の他端側から流通空間外へと流出する前記ミストにより捕捉し回収することに特徴付けられる。
このような方法によれば、ミストを流通空間におけるスクライブに沿う方向の一端側から他端側へと流していることにより、割断部から発生し、飛散したガラスチッピングをミストで捕捉することが可能となると共に、流出空間内から流出空間外へと運んで回収することができる。さらに、板ガラスを縦姿勢としたことで、ミストに捕捉されたガラスチッピングが、重力の作用も加わって、板ガラスへと落下し、付着することが防止される。その結果、発生したガラスチッピングを板ガラスに付着させることなく適切に回収することができる。ここで、ミストとしては、水ミストを用いることが好ましいが、ミスト化した四塩化炭素やオレイン酸等の有機物質を用いてもよい。流通空間内にミストとして水ミストを流した場合には、覆設部材で覆ったスクライブの周辺が加湿された状態となる。この加湿された状態下では、板ガラスを折割るために必要な押圧力が小さくなることが判明している。このため、折割りの際に板ガラスの割断部から発生するガラスチッピングの量を抑制することが可能となる。さらには、流通空間内が加湿されることで、静電気がガラスチッピングに帯電し難くなるため、板ガラスへの付着を防止する効果をさらに高めることができる。
上記の方法において、前記スクライブを前記板ガラスの上下方向に形成すると共に、前記流通空間における一端側を上方側、他端側を下方側とすることが好ましい。
このようにすれば、ミストとガラスチッピングとが上方側から下方側へと重力に逆らうことなく運ばれることになるため、無駄なく確実にガラスチッピングの回収を行うことができる。
上記の方法において、前記板ガラスの折割りを上方側から下方側へと進行させることが好ましい。
このようにすれば、折割りの進行方向と、流通空間内を流れるミストの流れの向きとが共に上方側から下方側となるため、ガラスチッピングを回収する際に、大量のミストを不要に流通空間内に流入させる必要がなくなる。
上記の方法において、前記板ガラスを折割るための折割部材が、上下方向に延び且つ前記スクライブが形成された前記板ガラスのスクライブ面を押圧する押圧部を備え、該押圧部が上方側から下方側に移行するにつれて前記板ガラスのスクライブ面に対し漸次離反する傾斜部を有し、前記折割部材の押圧部で前記スクライブの周辺を上方側から下方側へと順次に押圧することが好ましい。
このようにすれば、折割部材の押圧部が、上方側から下方側に移行するにつれて板ガラスのスクライブ面に対し漸次離反する傾斜部を有することにより、板ガラスに押圧力を作用させる際において、板ガラスは上方側から下方側へと折割部材によって順次に押圧される。このため、押圧力に起因してスクライブの周辺に発生する曲げモーメントも同様に上方側から下方側へと順次に発生する。その結果、板ガラスの折割りを確実に上方側から下方側へと進行させることが可能となる。
上記の方法において、前記板ガラスの上下方向に平行な縁部の周辺に、該縁部と平行に且つ前記板ガラスの上下方向における両端部を除外して前記スクライブを形成すると共に、前記折割部材の押圧部における上下方向の両側先端部は、その先端側に移行するにつれて前記板ガラスの縁部側から内側へと漸次突出する突出部を有することが好ましい。
板ガラスを押圧する際、板ガラスには曲げモーメントによって当該板ガラスが局所的に折れ曲がった屈曲部が形成される。そして、スクライブの形成が除外された板ガラスの上下方向における両端部(以下、単に両端部という)において、この屈曲部は両端部を押圧する突出部の形状に倣い、上下方向の先端側に移行するにつれて縁部側から内側へと漸次突出すると共に、スクライブに連なった状態で連続的に形成される。このとき、屈曲部には、その周辺部と比較して高い引張応力が作用した状態となるため、両端部においては、板ガラスはスクライブではなく、スクライブに連なった屈曲部に沿って折割られることになる。その結果、折割りを行った後における板ガラスのコーナー部は、R加工を施したのと同様の状態となる。これにより、折割りを実施した後、板ガラスに対してコーナー部のR加工を改めて行う必要がなくなり、板ガラスの生産効率を向上させることができる。
上記の方法において、前記ミストを、大径部と小径部とが交互に連なった蛇腹構造を有する筒状体内を通過させて前記流通空間の上方側から流通空間内へと流入させることが好ましい。
このようにすれば、蛇腹構造を有する筒状体の大径部によって、ミストの凝集に起因して発生した液滴が堰き止められるため、液滴が流通空間内へと流入し、板ガラスを汚染する恐れが可及的に低減される。
また、上記課題を解決するために創案された本発明に係る板ガラスの製造装置は、縦姿勢の板ガラスに形成されたスクライブをその全長に亘って覆うことによりミストの流通空間を形成する覆設部材と、前記スクライブを境界として前記板ガラスを折割る折割部材と、前記ミストを前記流通空間における前記スクライブに沿う方向の一端側から流通空間内に流入させると共に前記流通空間における前記スクライブに沿う方向の他端側から流通空間外へと流出させるミスト流通手段とを備えることに特徴付けられる。
このような構成によれば、上記の板ガラスの製造方法について既に述べた事項と同様の作用効果を享受することができる。
以上のように、本発明によれば、板ガラスを折割る際に割断部から発生し、飛散したガラスチッピングを、流通空間内を流れるミストによって捕捉することが可能となるため、板ガラスに付着させることなく適切に回収することができる。
本発明の実施形態に係る板ガラスの製造装置を示す斜視図である。 板ガラスの製造装置に備えられた覆設部材を示す断面図である。 板ガラスの製造装置に備えられた折割りバーを示す正面図と側面図である。 本発明の実施形態に係る板ガラスの製造方法の実施状況を時系列に沿って示す正面図である。 板ガラスの製造装置に備えられた折割りバーを示す正面図である。 板ガラスの製造装置に備えられた折割りバーを示す側面図である。 板ガラスの製造装置に備えられた折割りバーを示す側面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。なお、本実施形態においては、縦姿勢にされた板ガラスの上下方向と平行な両側の縁部を、スクライブを境界として折割る場合を例に挙げて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る板ガラスの製造装置を示す斜視図である。同図に示すように、板ガラスの製造装置1は、縦姿勢とされた板ガラスGに形成されたスクライブSを覆って水ミストMの流通空間Fを形成する覆設部材2と、流通空間F内に水ミストMを流入させる筒状体としての供給ホース4と、流通空間F外へと水ミストMを流出させる排気ホース5と、板ガラスGにおける縁部Gaの周辺を押圧してスクライブSの近傍に曲げモーメントを作用させる折割部材としての折割りバー3とを主要な要素として構成される。なお、折割の対象である板ガラスGは、図示省略の把持部材(例えば、チャック)により吊り下げられている。ここで、本実施形態においては、ミストとして水ミストを用いているが、ミスト化できる物質であれば、四塩化炭素、オレイン酸等の有機物質を用いてもよい。しかしながら、水ミストを用いれば、ガラスチッピングに静電気が帯電し難くなる等、後述する副次的な作用が発現するため、水ミストを用いることがより好ましい。
覆設部材2は、板ガラスGをその厚み方向に挟んだ一対を一組として、二組が設置されており、板ガラスGの上下方向に平行な縁部Gaと平行に形成された二本のスクライブSを、板ガラスGの表面側と裏面側とから、その全長に亘って覆うように構成されている。また、覆設部材2は、図2に示すように、「コ」の字形の横断面形状を有しており、板ガラスGの表面及び裏面と、覆設部材2とで囲まれる水ミストMの流通空間Fを形成する。さらに、板ガラスGの表面及び裏面との二箇所の当接部の内、縁部Ga側の当接部にはゴム2aが設けられており、後述する折割りバー3を用いて同図に示すP方向に板ガラスGを押圧する際に、板ガラスGの変形に応じてゴム2aが伸縮することにより流通空間Fを常に密閉するように構成されている。また、覆設部材2の上下方向における両端部には、それぞれ開口が形成されており、上方側の開口が流通空間Fに水ミストMを流入させる流入口となり、下方側の開口が流通空間Fから水ミストMを流出させる流出口となっている。
覆設部材2に形成された流入口と接続される供給ホース4、及び流出口と接続される排気ホース5は、内径が大きい大径部と、内径が小さい小径部とが交互に連なった、いわゆる蛇腹構造を有している。供給ホース4は、図示省略の水ミストの供給装置(例えば、加湿器)と接続されており、供給装置で発生した水ミストMが供給ホース4内を通過して流通空間F内に流入する。排気ホース5は、図示省略の吸引装置(例えば、真空ポンプ)と接続されており、この吸引装置の吸引によって排気ホース5内に負圧が作用し、流通空間F外へと水ミストMが流出する。
以上の構成から、水ミストの供給装置で発生した水ミストMは、供給ホース4内を通過して流入口から流出空間F内へと流入した後、板ガラスGに形成されたスクライブSに沿って上方側から下方側へと流れる。その後、流出口から流通空間F外へと排気され、排気ホース5内を通過して吸引装置へと至る。ここで、本実施形態においては、上記の水ミストの供給装置と、供給ホース4と、排気ホース5と、吸引装置とでミスト流通手段を構成している。
折割りバー3は、図3(a)に示すように、板ガラスGの縁部Gaと平行となるように設置されている。上下方向の両側先端部には、その先端側に移行するにつれて板ガラスGの縁部Ga側から内側へと漸次突出する突出部3aが設けられている。また、同図に示すA方向から折割りバー3を視た側面図である図3(b)に示すように、板ガラスGのスクライブ面(スクライブが形成される面)を押圧する押圧部3bは、上方側から下方側に移行するにつれて板ガラスGのスクライブ面に対し漸次離反するように上下方向における全域が傾斜している。これにより、折割りバー3が板ガラスGを押圧する際に、押圧部3bが上方側から下方側へと順次に板ガラスGのスクライブ面と当接して押圧するように構成されている。ここで、押圧部3bの鉛直線に対する傾斜角度は、0.1°〜5°であることが好ましい。
以下、上記の板ガラスの製造装置1を用いた板ガラスの製造方法について添付の図面を参照して説明する。なお、板ガラスの製造方法について説明するための各図面において、覆設部材2、供給ホース4、排気ホース5、流通空間Fの図示は省略している。
まず、図4(a)に示すように、ホイールカッターによる押圧、レーザーの照射等により、同図に示すB点を起点として板ガラスGにスクライブSを形成する。このスクライブSは、板ガラスGの上下方向における両端部を除外して、尚且つ、縁部Gaと平行となるように形成する。なお、B点の縁部Gaからの離間距離は、3mm〜50mm程度であることが好ましい。3mm未満になると、後述するように、コーナー部Gbを、R加工を施したのと同様の形状とすることが困難となる。また、板ガラスGの搬送時に、振動等に起因して、折り割りバー3で折割る前にスクライブSを境界として板ガラスGが割れやすくなってしまう。さらに、50mmを超えると、コーナー部をR形状とすることが実用的ではない。
次に、スクライブSの形成が完了すると、図示省略の覆設部材2によってスクライブSをその全長に亘って覆う。その後、図4(b)に示すように、折割りバー3を用いて板ガラスGのスクライブ面(スクライブが形成された面)を上方側から下方側へと順次に押圧する(押圧力が作用する方向は、同図において紙面の手前側から奥側に向かう方向)。ここで、同図に示す折割りバー3において、クロスハッチングを施した領域は、その領域が板ガラスGを押圧していることを表している(以降の図において同じ)。
折割りバー3による板ガラスGの押圧が開始されると、供給ホース4を通じて流通空間F内に水ミストMを流入させる。この際、供給ホース4が蛇腹構造を有することにより、水ミストMの凝集に起因して供給ホース4内に水滴が発生した場合であっても、この水滴が蛇腹構造の大径部で堰き止められるため、水滴が流通空間F内へと流入することが防止される。その結果、水滴によって板ガラスGが汚染される恐れを可及的に低減することが可能となる。
板ガラスGにおける上方側端部の付近が折割りバー3により押圧されると、板ガラスGには、押圧力に起因して発生する曲げモーメントにより、同図に二点鎖線で示すように、板ガラスGが局所的に折れ曲がった屈曲部Lが形成される。この屈曲部Lは、折割りバー3に設けられた突出部3aの形状に倣い、板ガラスGの上下方向における上方側先端に移行するにつれて縁部Ga側から内側へと漸次突出すると共に、B点でスクライブSに連なった状態で連続的に形成される。このとき、屈曲部Lには、その周辺部と比較して高い引張応力が作用した状態となるため、この部位においては、板ガラスGがスクライブSではなく、スクライブSに連なった屈曲部Lに沿って折割られることで、同図に示すV方向に割断部Cが順次に形成されていく。また、割断部Cからは、ガラス小片やガラス粉末等からなるガラスチッピングKが発生し、流通空間F内に飛散する。このガラスチッピングKは、流通空間F内を流れる水ミストMによって捕捉されると共に、上方側から下方側へと運ばれる。
その後、図4(c)に示すように、折割りバー3による板ガラスGの押圧をさらに下方側へと進行させると、板ガラスGのスクライブ面に形成されたスクライブSの近傍では、上方側から下方側へと順次に曲げモーメントが発生する。これにより、板ガラスGは上方側から下方側へとスクライブSを境界として順次に折割られる。この際においても、上述の場合と同様に割断部CからガラスチッピングKが発生する。
この板ガラスGの折割りが進行するとき、流通空間F内を流れる水ミストMにより、スクライブSの周辺は加湿された状態となる。そして、この加湿された状態下では、板ガラスGを折割るために必要な押圧力が小さくなることが判明している。このため、折割りの際に割断部Cから発生するガラスチッピングKの量を抑制することが可能となる。
さらに、折割りの進行方向と、流通空間F内を流れる水ミストMの流れの向きとが共に上方側から下方側となることにより、ガラスチッピングKを回収するための大量の水ミストMを不要に流通空間F内に流入させる必要がなくなる。また、水ミストMとガラスチッピングKとが上方側から下方側へと重力に逆らうことなく運ばれることになる。このため、無駄なく確実にガラスチッピングKを回収することができる。
加えて、板ガラスGを縦姿勢としたことで、重力の作用も加わって、水ミストMに捕捉されたガラスチッピングKが、板ガラスGのスクライブ面へと落下し付着してしまうような事態も回避することができる。また、流通空間F内が加湿されることにより、静電気がガラスチッピングKに帯電し難くなるため、板ガラスGへの付着を防止する効果をより高めることが可能となる。
そして、さらに板ガラスGの折割りが進行し、板ガラスGの下方側端部の付近が折割りバー3により押圧されると、上述の上方側端部の付近を押圧した際と同様にして板ガラスGが折割られ、図4(d)に示すように、板ガラスGの縁部Gaが完全に割断される。また、水ミストMにより上方側から下方側へと運ばれたガラスチッピングKは、水ミストMと共に排気ホース5を通じて流通空間F外へと運ばれ回収される。これらが完了すると、水ミストMの流通空間Fへの流入を停止させる。
このようにして製造された板ガラスGは、同図に示すように、そのコーナー部GbがR加工を施したのと同様の状態となる。これにより、折割りを実施した後、板ガラスGに対して、R加工を改めて行う必要がなくなるため、板ガラスGの生産効率を向上させることができる。
また、製造途中における板ガラスGを工程内、又は、工程間で移動させる場合、板ガラスGに傷や割れが生じることを防止するため、板ガラスGを保護シート上に載置する場合がある。この際、従来の製造方法により製造された板ガラスにおいては、そのコーナー部が角張ったシャープな形状となっていたため、当該コーナー部が保護シートに突き刺さったり、引っ掛かったりする等して、保護シートの除去が困難となる不具合を生じていた。しかしながら、上述の板ガラスの製造方法により製造された板ガラスGでは、このような不具合の発生を可及的に抑制することが可能となる。
ここで、本発明に係る板ガラスの製造装置の構成は、上記の実施形態で説明した構成に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では、上方側から下方側へと水ミストを流す構成となっているが、下方側から上方側へと流す構成としてもよい。この場合、折割りバーの押圧部における傾斜の方向を上記の実施形態とは上下逆向きとし、折割りの進行方向を下方側から上方側とすることが好ましい。また、この他、水ミストを水平方向や斜め方向に流す構成とすることもできる。
さらに、折割りバーの形状についても、必ずしも上記の実施形態と同一である必要はない。例えば、折割りバーに設けられた突出部の形状は、図5に示すように、湾曲を有する形状であってもよい。また、上記の実施形態において、折割りバーの押圧部は上下方向の全域が傾斜した形状となっているが、図6に示すように、上下方向における一部が傾斜した形状であってもよい。さらに、図7に示すように、押圧部3bは、二段階に勾配が形成された形状としてもよい。この場合、押圧部3bの第一勾配部3baが、折割りバー3の長さに対して、その割合が10%以下となるように形成すると共に、鉛直線に対する傾斜角度を3°〜10°とし、第一勾配部3baに連なる第二勾配部3bbの傾斜角度を0.1°〜5°とすれば、より折割りの実施が容易となる。
また、流通空間内に水ミストを流入させるタイミングについても、上記の実施形態に限定されるものではなく、折割りバーが板ガラスを押圧するより前に、流通空間内に水ミストを流入させてもよいし、折割りの進行状況とは無関係に、常に流通空間に水ミストを流すようにしてもよい。
加えて、上記の実施形態においては、板ガラスの上下方向に平行な両側の縁部を、スクライブを境界として折割る場合を例に挙げたが、これに限定するものではない。例えば、縁部ではなく、板ガラスの中央部を折割るような場合にも、本発明に係る板ガラスの製造方法を使用することができる。なお、この場合においては、必ずしも折割りバーに突出部を設ける必要はない。
1 板ガラスの製造装置
2 覆設部材
2a ゴム
3 折割りバー
3a 突出部
3ba 第一勾配部
3bb 第二勾配部
3b 押圧部
4 供給ホース
5 排気ホース
G 板ガラス
Ga 板ガラスの縁部
Gb 板ガラスのコーナー部
S スクライブ
B スクライブの起点
L 屈曲部
M 水ミスト
F 水ミストの流通空間
C 割断部
K ガラスチッピング

Claims (7)

  1. 縦姿勢の板ガラスにスクライブを形成し、該スクライブをその全長に亘って覆設部材で覆うことによりミストの流通空間を形成した後、前記スクライブを境界として前記板ガラスを折割ると共に、折割りで発生したガラスチッピングを、前記流通空間における前記スクライブに沿う方向の一端側から流通空間内へと流入し且つ前記スクライブに沿う方向の他端側から流通空間外へと流出する前記ミストにより捕捉し回収することを特徴とする板ガラスの製造方法。
  2. 前記スクライブを前記板ガラスの上下方向に形成すると共に、前記流通空間における一端側を上方側、他端側を下方側としたことを特徴とする請求項1に記載の板ガラスの製造方法。
  3. 前記板ガラスの折割りを上方側から下方側へと進行させることを特徴とする請求項2に記載の板ガラスの製造方法。
  4. 前記板ガラスを折割るための折割部材が、上下方向に延び且つ前記スクライブが形成された前記板ガラスのスクライブ面を押圧する押圧部を備え、該押圧部が上方側から下方側に移行するにつれて前記板ガラスのスクライブ面に対し漸次離反する傾斜部を有し、
    前記折割部材の押圧部で前記スクライブの周辺を上方側から下方側へと順次に押圧することを特徴とする請求項3に記載の板ガラスの製造方法。
  5. 前記板ガラスの上下方向に平行な縁部の周辺に、該縁部と平行に且つ前記板ガラスの上下方向における両端部を除外して前記スクライブを形成すると共に、前記折割部材の押圧部における上下方向の両側先端部は、その先端側に移行するにつれて前記板ガラスの縁部側から内側へと漸次突出する突出部を有することを特徴とする請求項4に記載の板ガラスの製造方法。
  6. 前記ミストを、大径部と小径部とが交互に連なった蛇腹構造を有する筒状体内を通過させて前記流通空間の上方側から流通空間内へと流入させることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の板ガラスの製造方法。
  7. 縦姿勢の板ガラスに形成されたスクライブをその全長に亘って覆うことによりミストの流通空間を形成する覆設部材と、前記スクライブを境界として前記板ガラスを折割る折割部材と、前記ミストを前記流通空間における前記スクライブに沿う方向の一端側から流通空間内に流入させると共に前記流通空間における前記スクライブに沿う方向の他端側から流通空間外へと流出させるミスト流通手段とを備えることを特徴とする板ガラスの製造装置。
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