JP2014023825A - 老齢化度評価方法、老齢化度評価装置、コンピュータに実行させるためのプログラム、及び同プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

老齢化度評価方法、老齢化度評価装置、コンピュータに実行させるためのプログラム、及び同プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】心拍データを検出し、解析することにより、対象者の老齢化度を評価する老齢化度評価方法を提供する。
【解決手段】心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データを取得する基本時系列データ取得ステップ(S12)と、該基本時系列データ取得ステップ(S12)で得られた該基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価データを取得する老齢化度評価データ取得ステップ(S13)と、該老齢化度評価データ取得ステップ(S13)で得られた該老齢化度評価データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して(S14)、老齢化度を評価する評価ステップ(S15)とをそなえる老齢化度評価方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、心拍データから老齢化度の評価を行う技術に関するものである。
心臓の拍動を示す心拍信号には、揺らぎが存在することが知られている。
心拍信号の揺らぎを診断に利用しようという試みがなされており、例えば、心拍変動(HRV:heart rate variability)信号の周波数(フーリエ)解析により、心拍信号の揺らぎ成分から、高周波成分と低周波成分との比較により、交感神経と副交感神経等の自律神経のバランスを見ることが行われている。
また、24時間、心電図を使った心拍信号の揺らぎ解析により得られた情報から、心臓病の患者と健常者とが違う指数になることを発見した報告がある。その中に、フラクタルとかマルチフラクタルなどとも呼ばれる、非線形テクニックを用いた解析が行われており、具体的にはDFA(Detrended Fluctuation Analysis)と呼ばれる解析方法を用いたものが知られている。
このような心臓のゆらぎで計算をしてみせた具体的論文(非特許文献1)が開示されている。DFAを用いた心拍信号の揺らぎ解析について、診断方法概念として利用可能なものとして完成し、あるいは器械や基盤やプログラムのようにして完成しようとする試みがなされている。
特許文献1では、心拍数の長時間の測定によらず、数分間の時系列データから疑似時系列データを多数個形成し、それらを組み合わせることにより、あたかも長時間の測定であるかのような長大なデータを作成し、その長大なデータに対してDFAを施し、心拍の揺らぎから自律神経の過剰反応を検出している。
特許文献2では、心拍数の長時間の測定データではなく、分断された短時間のデータを合算することにより、長時間のデータから得られるDFAの結果同等DFAの結果により心臓の状態を検知している。
特許文献3では、心拍数を測定し、心拍データを取得して、その時系列から平均値を計算し、時系列のそれぞれの要素とこの平均値との差をさらに差分し、新しい時系列を算出し、この新しい時系列を所定の長さlのボックスに分割し、これをランダムに並べなおし、そのデータを足し合わせ、これからDFAを用いて、スケーリング指数とする心拍揺らぎの解析方法とし、スケーリング指数を基に、健康上問題があると判断している。
これら特許文献1−3記載の方法の他にも、DFAの算出ウインドウ幅で区切ったデータをウインドウ毎でなく、ウインドウ幅で1データ毎に、ウインドウをずらしていくことで、心拍信号の揺らぎを解析することができる。
近年、平均寿命の延長に伴い、「人生第4期」(The Fourth Age)と呼ばれる75歳以上の人口の急速な増加が予測されている。このような超高齢化社会を迎えるにあたり、高齢者や高齢社会全般に関わる諸課題を研究する、ジェントロジーとも呼ばれる高齢者研究が行われている。高齢者研究では、生活の質(QOL)を高めるための研究が進められており、これまでの高齢者研究では、高齢期においても健康で自立し社会に貢献できるということを前提とする「サクセスフル・エイジング」の考え方が主流であった。
一方で、従来の「サクセスフル・エイジング」のあり方を見直し、老齢化にともなう新たなライフサイクルのあり方を提言する研究もなされている。このような研究の一環として、高齢者の加齢に伴う自立度の変化についての調査が行われている(非特許文献2)。
特開2011−30984号公報 特開2010−184041号公報 特開2008−173160号公報
シー・ケイ・ペン,エス・ハブリン,エイチ・イー・スタンレイ,エー・エル・ゴールドバーガー(C.-K.Peng, S. Havlin, H. E. Stanley, and A. L. Goldberger), "クオンティフィケイション オブ スケーリング エクスポーネンツ アンド クロスオーバーフェノミナ イン ノンステショナリイ ハートビート タイム シリーズ(Quantification of scaling exponents and crossover phenomenain nonstationary heartbeat time series)",カオス( Chaos), 第5巻(Vol.5), 1995, pp.82-87 秋山弘子、「長寿時代の科学と社会の構想」、科学、岩波書店、2010年、p.59−64
非特許文献2では、全国高齢者調査の結果の1つとして、全国の60歳以上の男女を対象として、1987年から今日まで二十数年にわたり、加齢に伴う生活の変化の調査結果が報告されている。全国の住民基本台帳から無作為に抽出された約6000人の高齢者の生活について、同じ対象者を3年ごとに追跡することで調査が行われている。自立度とは、お風呂に入る、電話をかける、電車はバスに乗って出かけるといったごく普通の日常生活の動作を人の器具や助けなしでできるかどうかの程度を示すものである。つまり、自立度とは、自立して生活する能力(自立の程度)を示すものである。
非特許文献2では、約6000人の高齢者の加齢に伴う自立度の変化について統計的処理を行い、加齢に伴う自立度の変化のパターンを複数のパターンに分類して、図5(a)、(b)のような、加齢に伴う自立度の変化の複数の典型的なパターンが男女別に示されている(以降、図5(a)、(b)に示すような加齢に伴う人の自立度の変化に対応した複数の自立度の変化パターンを表したものを「老齢化曲線」という)。図5(a)、(b)のグラフの横軸は63歳から89歳までの3年ごとに区切った年齢を示し、グラフの縦軸は自立の程度(自立度)を示している。自立度が3点とは自立して一人暮らしができる状態とみなしてよく、自立度が2点とは手段的日常生活に援助が必要である状態を表し、自立度が1点の場合は基本的及び手段的日常生活に援助が必要である状態を表す。すなわち、自立できる自立度が3点の状態から、2点、1点、0点と下がるにしたがって、自立の程度が下がり介助が必要になることを示している。
男性では、加齢に伴う自立度の変化に対応したパターン(自立度の変化パターン)として、図5(a)に示すように、3つのパターンA、B、Cが見られた。約2割の男性は70歳になる前に健康を損ねて死亡するか、重度の介助が必要になった(パターンC)。約1割の人は80歳、90歳まで自立を維持していた(パターンA)。大多数の約7割は75歳から徐々に自立度が落ちていった(パターンB)。男性では老齢化曲線においてA〜Cび3つのパターンが見えられるため、老齢化曲線について特に老齢化3曲線ともいう。
女性では、加齢に伴う自立度の変化パターンとして、図5(b)に示すように、2つのパターンD、Eが見られた。約9割の人たちが70代半ばから穏やかに衰えていった(パターンD)。約1割の人は60歳台の後半までに健康を損ねて死亡するか、重度の介助が必要になった(パターンE)。女性では老齢化曲線においてD、Eの2つのパターンが見えられるため、老齢化曲線について特に老齢化2曲線ともいう。
男性は脳卒中など疾病によって急激に動けなくなったり、死亡する人が多いが、女性はもっぱら骨や筋力の衰えによる運動機能の低下により、自立度が徐々に落ちていくために、男性と女性とで自立度の変化パターンが異なると考えられている。
なお、この調査では、加齢に伴う変化は、お風呂に入る、電話をかける、電車はバスに乗って出かけるといったごく普通の日常生活の動作をによって加齢の状態を得て、自立度を判定しているが、直接身体からの測定データによっているものではない。
このように、非特許文献2によれば、男女を合わせると約8割の人たちが人生第4期(後期高齢期とも呼ばれる)に入る70代半ばから徐々に衰え始め、何らかの介助が必要となることが明らかになっている。それと同時に、後期高齢者は介護の対象者であるというイメージがあるが、図5の老齢化曲線が示すように、大多数の人たちは多少の助けがあれば日常生活を続けることができるということが明らかになっている。
上述したような自立度の変化のパターンについての知見と超高齢化社会を迎えるという状況のもと、加齢に伴う介助の必要性を認識した上で、補助を受けながら生活を維持して、前向きな日常生活を送ることができるようなライフスタイルを選択する考え方への転換が見られている。このようなライフスタイル選択の一助とするために、対象者の老齢化度の評価に対する要請が増している。しかしながら、従来は、老齢化度の評価は主観的な基準によって行われるのが主であった。
特許文献1〜3ではDFAにより心拍データの揺らぎの解析を行っていたが、この解析から得られるのは対象者の健康度を示す指標であって、加齢による健康状態の変化を考慮した、老齢化の度合いを示すことはできなかった。また、従来の心拍データの揺らぎ解析は、主に対象者の年齢が60歳以下の場合に行われており、60歳以上を対象とした解析は十分に進められていなかった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、心拍データを検出し、解析することにより、客観的に対象者の老齢化度を評価する老齢化度評価方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、老齢化度評価用データと老齢化度評価参照データとを比較することを特徴としている。
即ち、本発明の老齢化度評価方法は、心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データを取得する基本時系列データ取得ステップと、該基本時系列データ取得ステップで得られた該基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する老齢化度評価用データ取得ステップと、該老齢化度評価用データ取得ステップで得られた該老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して、老齢化度を評価する老齢化度評価ステップとをそなえて構成されたことを特徴としている。
また、本発明の老齢化度評価方法は、心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する老齢化度評価用データ取得ステップと、該老齢化度評価用データ取得ステップで得られた該老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して、老齢化度を評価する老齢化度評価ステップとをそなえて構成されたことを特徴としている。
また、本発明の老齢化度評価方法は、心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データから揺らぎ情報を抽出し該揺らぎ情報を有するデータから取得された老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較する比較ステップと、該比較ステップでの比較結果に基づいて、老齢化度を評価する評価ステップとをそなえて構成されたことを特徴としている。
このとき、該基本時系列データ取得ステップが、該心拍データにおけるピーク間隔データを基本時系列データとして取得することが好ましい。
また、該基本時系列データ取得ステップが、該心拍データとしての心電図データ中のR成分の間隔データを基本時系列データとして取得することが好ましい。
また、該老齢化度評価用データ取得ステップが、DFA(Detrended Fluctuation Analysis)を用いて、該基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得することが好ましい。
さらに、該老齢化度評価用データが、上記DFAを用いて得られたDFAの傾き情報であることが好ましい。
また、該老齢化度評価参照データが、人の自立度の変化に対応した複数の老齢化度評価参照パターンであることが好ましい。
本発明の老齢化度評価装置は、心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データを取得する基本時系列データ取得手段と、該基本時系列データ取得手段で得られた該基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する老齢化度評価用データ取得手段と、該老齢化度評価用データ取得手段で得られた該老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して、老齢化度を評価する老齢化度評価手段とをそなえて構成されたことを特徴としている。
また、本発明の老齢化度評価装置は、心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する老齢化度評価用データ取得手段と、該老齢化度評価用データ取得手段で得られた該老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して、老齢化度を評価する老齢化度評価手段とをそなえて構成されたことを特徴としている。
また、本発明の老齢化度評価装置は、心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データから揺らぎ情報を抽出し該揺らぎ情報を有するデータから取得された老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較する比較手段と、該比較手段での比較結果に基づいて、老齢化度を評価する評価手段とをそなえて構成されたことを特徴としている。
このとき、該基本時系列データ取得手段が、該心拍データにおけるピーク間隔データを基本時系列データとして取得することが好ましい。
また、該基本時系列データ取得手段が、該心拍データとしての心電図データ中のR成分の間隔データを基本時系列データとして取得することが好ましい。
また、該老齢化度評価用データ取得手段が、DFA(Detrended Fluctuation Analysis)を用いて、該基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータを老齢化度評価用データとして取得することが好ましい。
さらに、該老齢化度評価用データが、上記DFAを用いて得られたDFAの傾き情報であることが好ましい。
また、該老齢化度評価参照データが、人の自立度の変化に対応した複数の老齢化度評価参照パターンであることが好ましい。
本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを、心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データを取得する基本時系列データ取得手段と、該基本時系列データ取得手段で得られた該基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する老齢化度評価用データ取得手段と、該老齢化度評価用データ取得手段で得られた該老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して、老齢化度を評価する老齢化度評価手段として機能させるためのプログラムを記録したことを特徴としている。
また、本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを、心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する老齢化度評価用データ取得手段と、該老齢化度評価用データ取得手段で得られた該老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して、老齢化度を評価する老齢化度評価手段として機能させるためのプログラムを記録したことを特徴としている。
また、本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを、心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データから揺らぎ情報を抽出し該揺らぎ情報を有するデータから取得された老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較する比較手段と、該比較手段での比較結果に基づいて、老齢化度を評価する評価手段として機能させるためのプログラムを記録したことを特徴としている。
本発明のプログラムは、コンピュータを、心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データを取得する基本時系列データ取得手段と、該基本時系列データ取得手段で得られた該基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する老齢化度評価用データ取得手段と、該老齢化度評価用データ取得手段で得られた該老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して、老齢化度を評価する老齢化度評価手段として機能させることを特徴としている。
また、本発明のプログラムは、コンピュータを、心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する老齢化度評価用データ取得手段と、該老齢化度評価用データ取得手段で得られた該老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して、老齢化度を評価する老齢化度評価手段として機能させることを特徴としている。
また、本発明のプログラムは、コンピュータを、心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データから揺らぎ情報を抽出し該揺らぎ情報を有するデータから取得された老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較する比較手段と、該比較手段での比較結果に基づいて、老齢化度を評価する評価手段として機能させることを特徴としている。
本発明によれば、心拍データを検出し、解析することによる、客観的な老齢化度の評価方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る老齢化度評価装置のハードウェア構成を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る老齢化度評価装置の機能構成を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る老齢化度評価装置の動作を説明するためのフローチャートである。 実施例に係る老齢化度評価の手順を説明するためのフローチャートである。 加齢に伴う自立度の変化パターンを示す図であって、(a)は男性の自立度の変化パターンを、(b)は女性の自立度の変化パターンを示す図である。 心電を測定するための構成の一例を模式的に示す図である。 心電データの一例を示す図である。 R−R間隔の数とR−R間隔との関係の一例を示す図である。 DFAの傾きと老齢化曲線との比較及び評価について説明するための一例を示す図である。 実施例に係る心拍データの波形を示す図であって、(a)は62歳男性の脈波波形を、(b)は66歳男性の心電図を、(c)は89歳男性の心電図を示す図である。 実施例に係る基本時系列データを示す図であって、(a)は62歳男性のピーク間隔の数とピーク間隔との関係を、(b)は66歳男性のR−R間隔の数とR−R間隔との関係を、(c)は89歳男性のR−R間隔の数とR−R間隔との関係を示す図である。 実施例に係る老齢化度評価用データを示す図であって、(a)は62歳男性の各測定間隔におけるウィンドウサイズnとDFAの傾きとの関係、(b)は66歳男性の各測定間隔におけるウィンドウサイズnとDFAの傾きとの関係、(c)は89歳男性の各測定間隔におけるウィンドウサイズnとDFAの傾きとの関係を示す図である。 実施例に係るDFAの傾きと老齢化曲線との関係を示す図である。 本発明の第一変形例に係る老齢化度評価装置の機能構成を模式的に示す図である。 本発明の第一変形例に係る老齢化度評価装置の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第二変形例に係る老齢化度評価装置の機能構成を模式的に示す図である。 本発明の第二変形例に係る老齢化度評価装置の動作を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変更して実施できる。
[1.老齢化度評価手法について]
本発明に係る老齢化度評価方法(以下、本評価方法ともいう)は、心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データを取得する基本時系列データ取得ステップと、該基本時系列データ取得ステップで得られた上記基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する老齢化度評価用データ取得ステップと、該老齢化度評価用データ取得ステップで得られた上記老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して、老齢化度を評価する評価ステップとを備えて構成されている。
また、本発明に係る老齢化度評価装置(以下、本評価装置ともいう)は、心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データを取得する基本時系列データ取得手段と、該基本時系列データ取得手段で得られた上記基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する老齢化度評価取得手段と、該老齢化度評価用データ取得手段で得られた上記老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して、老齢化度を評価する評価手段とを備えて構成されている。
老齢化度とは、評価対象者の老齢化度評価時における老齢化の進み具合を示す指標となるものである。
本評価方法及び本評価装置(以下、本評価方法と装置本評価装置とを総称し、本評価手法という)は、発明者の検討により、60歳以上の評価対象者において、心拍データから得られる老齢化度評価用データと、老齢化度評価参照データとの間に相関関係があり、老齢化度評価用データと老齢化度評価参照データに示される複数の老齢化度評価参照パターンとを比較することで、老齢化度を評価できることを見出し、完成させたものである。具体的には、老齢化度評価参照データとして上述の老齢化曲線を用いた場合に、心拍データにおけるピーク間隔の揺らぎ情報から得られる老齢化度評価用データと、老齢化曲線における加齢に伴う人の自立度の変化パターンのデータとを比較することで、老齢化度を評価できることを見出した。
老齢化度評価用データと老齢化度評価参照データとを比較することで老齢化度が評価できる理由は、次のように考えられる。老齢化度評価用データであるDFAの傾きは心拍データの揺らぎ情報から得られるものであって、このDFAの傾きが低下するということは、交感神経と副交感神経とのせめぎあいにより心拍のバランスが取れた状態から、加齢によりバランス取りが不安定になった状態と考えられる。心拍のバランス取りが不安定になった状態の評価対象者は、加齢に伴い自立度が悪化していると推定されるため、DFAの傾きと自立度には相関関係があると考えられる。従って、老齢化度評価用データであるDFAの傾きと、老齢化度評価参照データである人の自立度の変化に対応した複数の老齢化度評価参照パターンのデータとを比較することで、評価対象者の年齢との関係から、老齢化度の進み具合を確認できると考えられることによる。
[1−1.基本時系列データ取得ステップ、基本時系列データ取得手段]
基本時系列データ取得ステップ、又は基本時系列データ取得手段では、測定装置による測定によって得られる心拍データにおいて、時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから、基本時系列データ取得用コンピュータソフトウエア(以下、ソフトウェア、コンピュータプログラム、プログラムとも言うが、これらは同じものを指すものとする。)を用いて解析することにより、基本時系列データを取得する。
心拍データとは、心臓の拍動を表すデータであって、脈波情報(以降、単に脈波ともいう)を示す脈波データ、又は心電情報(以降、単に心電ともいう)を示す心電データを用いることができる。脈波としては心臓の収縮に伴う血管内の圧力変化又は容積変化を表す、脈波波形を利用することができる。心電としては心臓の電気的な活動の様子を表す、心電波形(心電図により表される心電の波形データ)を用いることができる。脈波又は心電の取得には、脈波計、心電計等の公知の測定装置、及び測定方法を用いて測定することができる。
心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴としては、心拍データにおける波形のピーク、すなわち脈波における脈波波形のピーク、又は心電における心電波形のピークを挙げることができる。特に、心電データの心電波形中のR成分(R波)を好適に用いることができる。
基本時系列データとしては、心拍データにおけるピークの間隔、すなわち脈波波形のピークの間隔、又は心電波形のピークの間隔を挙げることができる。特に心電波形中のR成分(R波)の間隔(R−R間隔)を好適に用いることができる。
<基本時系列データの取得>
本老齢化度評価手法に用いられる、基本時系列データである心拍データの取得について、一例として心電の取得の場合について説明する。
図6に示すように、評価対象者201の心拍データの取得は、心電計211を用いて、心臓202の電気的な活動の様子を表す心電データ(心電図ともいう)を得ることにより行うことができる。心電計211は、差動アンプ212及び電圧計213を備えており、差動アンプは電極214、215と接続されている。評価対象者201の右肩203及び左脚204に、それぞれ電極214、215を装着し、電極214、215によって測定される電位の電位差を差動アンプ212より増幅して、増幅された電位差を電圧計213により測定することによって心電図が得られる。
心電図の典型例は、図7のように表される。
図7に示すように、心電図には心筋が収縮するときの一連の電気的な活動の様子が表れる。心電図成分として、P、Q、R、S、Tと名づけられた波形が表れる。これらP波、Q波、R波、S波、T波のうち、心拍データとしてはいずれの波の間隔を用いてもよいが、ピークの高さ及びピークのシャープさに起因するS/N比の点から、血液を左心室から大動脈に送り出すときに生じるR波を用いることが好ましい。R波と次のR波の時間間隔をとってR−R間隔として、基本時系列データとして用いることができる。一例として、R−R間隔について、横軸を測定したR−R間隔データの数、縦軸を各測定データに対応するR−R間隔で表すと、図8のようになる。
[1−2.老齢化度評価用データ取得ステップ、老齢化度評価用データ取得手段]
老齢化度評価用データ取得ステップ、又は老齢化度評価用データ取得手段では、基本時系列データ取得ステップ、又は基本時系列データ取得手段で得られた、基本時系列データから、老齢化度評価用データ取得用コンピュータソフトウエアを用いて、揺らぎ情報を抽出し、揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する。
老齢化度評価用データの取得は、DFA(Detrended Fluctuation Analysis)による解析や、フーリエ解析を利用したFFT解析により行うことができる。詳細な揺らぎ情報が得られるという点から、DFAを用いて解析を行うことが好ましい。
揺らぎ情報として、DFAを用いて得られた心拍データにおけるピーク間隔の揺らぎ情報を用いることができる。
老齢化度評価用データとして、DFAを用いて得られたDFAの傾き情報を用いることができる
<老齢化度評価用データの取得>
本老齢化度評価手法に用いられる、老齢化度評価データの取得の一例として、R−R間隔からDFAを用いてDFAの傾き情報を取得する場合について説明する。
DFAとは、時系列データの長期相関特性を解析するための手法の一つであって、時系列データを特定のスケール(ウィンドウサイズ)で分割し、各ウィンドウ内においてトレンドを差し引いた後の揺らぎの大きさを求め、この揺らぎの大きさと時間スケールとの相関についてlog−logの対数プロットをとる解析法である。以下に、DFAを用いてR−R間隔の揺らぎ情報を得る手法を詳述する。
(1)まず、データの総数がN個の値からなる、R−R間隔データの数とR−R間隔との時系列データX(i),i=1,2,・・・Nから、その平均値Xavrを引いたものを積算して、平均ゼロの周期時系列データの積算値を表す新たな時系列データg(k),k=2,3,・・・Nを作成する。時系列データg(k)及び平均値Xavrは、以下に示す式1、式2のように記述される。
Figure 2014023825
Figure 2014023825
(2)次に、時系列データg(k)を軸(k)上でスケール(ウィンドウサイズ)nの領域に分ける。すなわち、時系列データg(k)において、R−R間隔データの数の軸方向にサイズ可変なn個のデータからなるウィンドウを設定して、n個のウィンドウで分割する。
(3)各ウィンドウ内における時系列データg(k)に、m次の多項式(mは0,1,2,・・・といった整数であり、典型的にはm=1が用いられる)を最小二乗法によりあてはめることにより、各ウィンドウ内でのトレンドgn(k)を求める。本実施形態では、トレンドgn(k)は、R−R間隔データの数の軸のウィンドウサイズをnとしたときの直線トレンドを表す。
(4)時系列データg(k)からこのトレンドgn(k)を差し引いた後の揺らぎの大きさを表す変動関数S(n)を、以下の式3に従って求める。変動関数S(n)は、R−R間隔のウィンドウサイズnに関する、そのウィンドウ内における信号の揺らぎの大きさを示す関数である。変動関数S(n)のグラフ形状は、R−R間隔の揺らぎのパターンに対応した形状となる。このようにして、基本時系列データであるR−R間隔から、ウィンドウサイズnにおける揺らぎの大きさを表すS(n)を、R−R間隔の揺らぎ情報として抽出することができる。
Figure 2014023825
(5)ウィンドウサイズnを変化させたときの揺らぎの大きさS(n)を求め、横軸にウィンドウサイズnの対数をとり、縦軸に揺らぎの大きさS(n)の対数をとることで、log10(n)とlog10S(n)との関係をグラフ上にプロットする(いわゆるLog−Logプロット)。これにより得られたプロットをDFAプロットと呼ぶ。このDFAプロットに直線をあてはめる(直線近似する)ことができれば、その直線の傾き(DFAの傾き)がもとの時系列データx(i)のフラクタル指数となる。このようにして、R−R間隔の揺らぎ情報S(n)を有するデータから、各ウィンドウサイズnにおけるDFAの傾きが得られる。各ウィンドウサイズnにおけるDFAの傾きは、老齢化度評価用データとして用いることができる。
なお、上記式1〜式3は一例であって、log10(n)プロットの傾きが所定値にあるときの横軸の範囲について、例えばべき乗または係数を乗じて演算する等の数値処理を行なって実施することもできる。
DFAプロットが直線になる場合には、その直線の傾きを2次元DFAの傾きとして用いることが出来る。一般にR−R間隔の場合、DFAプロットが完璧な直線になることはないため、DFAの局所的な傾きを得るために、揺らぎ成分S(n)と、ウィンドウサイズnとのLog−Logプロットの微分プロットを作成し(このプロットを、DFA微分プロットという)、特定のウィンドウサイズnにおけるDFAの傾きを、老齢化度評価用データとして用いることが好ましい。
<DFAの傾きと心拍データのフラクタル性>
DFAプロットから得られるDFAの傾きによって、心拍データのフラクタル性を解析して、心拍データの揺らぎの状態を判断することができる。
例えば、もとの心拍データが一定、一定に増加か減少、または周期性を持つ時系列データであれば、DFAの傾きが0の直線となる。
もとの心拍データが何らかの周期性を有する構造の場合は、そのDFA微分プロットは、該周期に相当するウィンドウサイズnの近辺におけるDFAの傾きが局所的に減少し、0に近づくようになっている。
もとの心拍データが完全な乱数、ランダムな場合には、DFAの傾きが0.5の直線となる。この状態はホワイトノイズとも呼ばれる
もとの心拍データが長期の相関をもったデータであれば、DFAの傾きが0.5〜1.0の直線となる。特定のウィンドウサイズnにおいて、DFAの傾きが0.5より大きい場合は、もとの心拍データは相当するウインドウサイズnの近辺においてフラクタル構造を持つことを示す。
心拍データが周波数に対しその周波数での強度が反比例する周波数成分の特性を示している場合には、もとの心拍データがフラクタル構造になっていることを示し、DFAの傾きは1.0となる。この状態は1/f揺らぎ、又はピンクノイズとも呼ばれる。
心拍データが周波数に対しその周波数での強度が周波数の2乗に反比例する周波数成分の特性を示している場合には、DFAの傾きが1.5の直線となる。この状態はブラウンノイズとも呼ばれ、もとの心拍データがピンクノイズとは異なるフラクタル構造になっていることを示す。
DFAの傾きが1である場合、すなわち心拍データが1/f揺らぎの状態にある場合は、心拍が安定していると考えられる。一方で、DFAの傾きが0.5付近に減少するにつれて、心拍データが不安定になっていくと考えられる。60歳以上においては、老齢化が進むにつれて、DFAの傾きが1から0.5付近に減少していく傾向がある。なお、不整脈や疾病等を原因として心拍データに異常が表れる場合には、DFAの傾きが0.5以下に減少する場合や、または1.5付近に上昇する場合がある。
[1−3.老齢化度評価ステップ、老齢化度評価手段]
老齢化度評価ステップ、又は老齢化度評価手段では、老齢化度評価用データ取得ステップ、又は老齢化度評価用データ取得手段で得られた老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを、老齢化度評価用コンピュータソフトウエアを用いて比較して、老齢化度を評価する。
より詳細には、老齢化度評価ステップは、老齢化度評価用データ取得ステップで得られた老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較する比較ステップと、比較ステップでの比較結果に基づいて、老齢化度を評価する評価ステップとからなる。また、老齢化度評価手段は、老齢化度評価用データ取得手段で得られた老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較する比較手段と、比較手段での比較結果に基づいて、老齢化度を評価する評価手段とからなる。
<比較ステップ、比較手段>
比較ステップ、又は比較手段では、老齢化度評価用データ取得ステップ、又は老齢化度評価用データ取得手段で得られた老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較する。
老齢化度評価参照データとしては、人の自立度の変化に対応した複数の老齢化度評価参照パターンのデータを用いることができる。老齢化度評価参照パターンとしては、上述の老齢化曲線における加齢に伴う自立度の変化のパターンを用いることができる。すなわち、老齢化度評価参照データとして、上述の老齢化曲線を用いることができる。
または、老齢化度評価参照データとして、複数人から取得した老齢化度評価用データを集積することで得られる、老齢化度評価参照関数のデータを用いることができる。
老齢化度評価用データと老齢化度評価参照データとの比較は、老齢化度評価参照データに老齢化度評価用データをプロットして、評価対象者の年齢における老齢化度評価参照データと老齢化度評価用データとの関係を対比することで行う。
<評価ステップ、評価手段>
評価ステップ、又は評価手段では、比較ステップ、又は比較手段での比較結果に基づいて、老齢化度を評価する。
老齢化度評価参照データとして、上述の老齢化曲線における加齢に伴う自立度の変化のパターンを用いた場合には、老齢化曲線における自立度の変化のパターンのうち評価対象者はいずれのパターンに当てはまるか、またはいずれのパターンに近いかを評価することにより行う。
<老齢化曲線>
本実施形態において、老齢化度評価参照パターンとして、図5のパターンA〜Eに示すような、加齢に伴う人の自立度の変化パターンのデータを用いることができる。図5(a)、(b)に示すように、加齢に伴う人の自立度の変化に対応した複数の自立度の変化パターンを表したものを「老齢化曲線」という。自立度とは、自立して生活する能力(自立の程度)を示すものである。
図5(a)、(b)に示す老齢化曲線とは、前述のとおり、加齢に伴う人の自立度の変化に対応した複数の自立度の変化パターンを示すものであって、図5(a)は男性の複数の自立度の変化パターン(老齢化3曲線)を、(b)は、女性の複数の自立度の変化パターン(老齢化2曲線)を示す。図5(a)、(b)のグラフの横軸は63歳から89歳までの3年ごとに区切った年齢を示し、グラフの縦軸は自立の程度(自立度)を示している。自立度が3点とは自立して一人暮らしができる状態とみなしてよく、自立度が2点とは手段的日常生活に援助が必要である状態を表し、自立度が1点の場合基本的及び手段的日常生活に援助が必要である状態を表す。すなわち、自立できる自立度が3点の状態から、2点、1点、0点と下がるにしたがって、自立の程度が下がり介助が必要になることを示している。
<DFAの傾きと老齢化曲線との比較及び評価>
老齢化度評価用データとして各ウィンドウサイズにおけるDFAの傾きを用いて、老齢化度評価参照データとして老齢化曲線を用いた場合の、老齢化度評価用データと老齢化度評価参照データとの比較と、老齢化度の評価について説明する。
老齢化度評価用データと老齢化度評価参照データとの比較は、老齢化曲線に、評価対象者の年齢においてDFAの傾きをプロットして、DFAの傾きと老齢化曲線に示される自立度及び各自立度の変化パターンとを対比することにより行う。
老齢化曲線にDFAの傾きをプロットするには、図9に示すように、横軸に評価対象者の年齢をとり、縦軸に自立度とDFAの傾きをとり、評価対象者の年齢におけるDFAの傾きをプロットすることで行う。横軸に示す評価対象者の年齢は、老齢化曲線に示す年齢と一致させる。縦軸に示すDFAの傾きは、DFAの傾き1を老齢化曲線の自立度3に対応させ、DFAの傾き0.5を老齢化曲線の自立度0と対応させて、DFAの傾き0.75と老齢化曲線の自立度1.5とを対応させるようにする。このようにして老齢化曲線にDFAの傾きを対応させるようにしてプロットすることで、DFAの傾きを老齢化曲線の自立度及び各自立度の変化パターンと比較して、老齢化度の評価を行うことができる。
老齢化度の評価は、老齢化度評価用データと老齢化度評価参照データとの比較に基づいて、評価対象者の年齢とDFAの傾きと老齢化曲線との関係から、老齢化曲線における自立度の変化に対応した各パターン(自立度の変化パターン)のうち評価対象者はいずれのパターンに当てはまるか、またはいずれのパターンに近いかを判断することにより、老齢化の進み具合から老齢化の度合いを評価する。また、DFAの傾きと、DFAの傾きに対応する自立度との関係を考慮して老齢化の度合いを評価してもよい。
以下に本実施形態に係る老齢化度の評価の例を示す。なお、以下の例では、評価対象者が男性であって、老齢化3曲線に対してDFAの傾きをプロットして、老齢化度を評価する場合について説明する。
図9に示すように、年齢が81〜83であってDFAの傾きが1付近の場合、プロット位置Fとなり、評価対象者は老齢化曲線のパターンAに相当していると評価できる。この場合、自立度が3付近に対応しており、また自立度の変化パターンがパターンAに相当するために、評価対象者は自立度を維持する傾向が高いと考えられる。このため、加齢に関わらず老齢化があまりすすんでおらず、老齢化度が低いと評価することができる。また、この場合、老齢化度とライフスタイル選択の観点からすれば、評価対象者は健康が維持されていることを認識することができる。
また、図9に示すように、年齢が81〜83であってDFAの傾きが0.75付近の場合、プロット位置Gとなり、評価対象者は老齢化曲線のパターンBに相当していると評価できる。この場合、自立度が1.5付近に対応しており、自立度の変化パターンがパターンBに相当するために、評価対象者は加齢に伴い徐々に自立度が落ちて介助の必要性が増している状態にあると考えられる。このため、加齢に伴い老齢化が進みつつあり、老齢化度が中程度であると評価することができる。また、この場合、老齢化度とライフスタイル選択の観点からすれば、評価対象者は年齢相応に老齢化が進んでいることを認識することができる。
また、図9に示すように、年齢が81〜83であってDFAの傾きが0.5付近の場合、プロット位置Hとなり、評価対象者は老齢化曲線のパターンCに対応していると評価できる。この場合、自立度が0付近に対応しており、自立度の変化パターンがパターンにC相当するために、重度の介助が必要な状態にあると考えられる。このため、加齢に伴い老齢化が進んでおり、評価対象者の老齢化度が高いと評価することができる。また、この場合、老齢化度とライフスタイル選択の観点からすれば、評価対象者は老齢化の度合いが強く、介助の必要性を認識することができる。
また、図9に示すように、年齢が69〜71であってDFAの傾きが0.75付近の場合、プロット位置Iとなり、評価対象者は老齢化曲線のパターンCに対応していると評価できる。この場合、自立度が1.5付近に対応しているものの、パターンにC相当するために、加齢に伴い介助の必要性が増す状態にあり、さらに自立度が低下する傾向が高いと考えられる。このため、年齢からすると老齢化が進みつつあり、評価対象者の老齢化度が高いと評価することができる。また、この場合、老齢化度とライフスタイル選択の観点からすれば、評価対象者は年齢の割に老齢化が進んでいることを認識することができるとともに、生活習慣の改善の必要性を認識することができる。
上記のように、評価対象者の年齢とDFAの傾きと老齢化曲線との関係から、老齢化度の評価を行うことができる。なお、老齢化度の評価は、上記のように特定のウィンドウサイズに対応する特定のDFAの傾きに基づいて行うことができるが、DFAの傾きはウィンドウサイズに応じて変化するため、異なるウィンドウサイズにおける複数点のDFAの傾きについてDFAの傾きのプロットを行い、これら複数点のDFAの傾きのプロットに基づいて老齢化度を評価することが好ましい。ウィンドウサイズに関わらずDFAの傾きがほぼ一定である場合には、評価対象者は該一定のDFAの傾きにより評価される老齢化度であると評価することができる。一方で、ウィンドウサイズの変化に伴い、DFAの傾きが変化する場合には、評価対象者は特定のウィンドウサイズにおいてそのウィンドウサイズに対応するDFAの傾きの示す老齢化度を有するものと評価することができるが、老齢化度の評価は複数点のDFAの傾きから総合的に判断して行うことが好ましい。
複数点のDFAの傾きに基づいて老齢化度を評価する場合には、各ウィンドウサイズにおけるDFAの傾きについて適当な複数点を選び出し、複数のDFAの傾きを平均して、この平均値を老齢化度評価参照データにプロットして老齢化度を評価することができる。このとき、平均としては、複数のDFAの傾きについて相加平均を行ってもよく、また、各々のDFAの傾きについて重み付けをしたものに対して平均をとってもよい。他にも、各ウィンドウサイズにおけるDFAの傾きについて適当な複数点を選び出し、複数のDFAの傾きの中央値を老齢化度評価参照データにプロットして老齢化度を評価しても良い。
<老齢化度評価参照関数>
老齢化度評価参照データとして、複数人から取得した老齢化度評価用データを集積することで得られる、老齢化度評価参照関数のデータを用いて、老齢化度評価用データとの比較と老齢化度の評価を行うことができる。
老齢化度評価参照関数は、複数の人から心拍データの測定と、DFAの傾きの取得を行い、統計的処理を施して、年齢とDFAの傾きとをプロットすることで得られる曲線を表すものである。老齢化度評価参照関数は、年齢と老齢化度との関係を表す指標として用いることができる。
老齢化度評価参照関数は、50以上の人を対象として心拍データを測定することが好ましく、より好ましくは100人の人を対象として心拍データを測定することが好ましい。上述した老齢化度評価用データの取得方法により、個々の測定対象者の心拍データにおけるピークの間隔からDFAを用いてDFAの傾き情報を取得して、年齢ごとの複数のDFAの傾き情報から回帰曲線をとることで、老齢化度評価参照関数を得ることができる。
老齢化度評価参照関数に老齢化度評価用データをプロットして、老齢化度評価参照関数の年齢とDFAの傾きの関係と老齢化度評価用データとの対比を行うことにより、老齢化度評価用データと老齢化度評価参照データとの比較と、老齢化度の評価を行うことができる。
[2.第一実施形態]
本発明の一実施形態に係る老齢化度評価装置、コンピュータに実行させるためのプログラム、及び同プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体について説明する。
まず、本発明の一実施形態に係る老齢化度評価装置の構成、老齢化度評価装置の機能構成、老齢化度評価装置の動作について説明し、その後にコンピュータに実行させるためのプログラム、及び同プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体について説明する。
[2−1.老齢化度評価装置の構成例]
図1は、実施形態の一例としての老齢化度評価装置1のハードウェア構成を模式的に示す図である。図2は、実施形態の一例としての老齢化度評価装置1の機能ブロックを模式的に示す図である。
老齢化度評価装置1は、図1に示すように情報処理装置11、脈波形/心電計21、外部メモリ22、キーボード23、プリンタ24、ディスプレイ25を備えている。情報処理装置11は、入力インターフェース13、バス12、CPU(Central Processing Unit)14、メモリ15、出力インターフェース16を備えたコンピュータである。
脈波形/心電計21は、評価対象者の心拍データ(脈波データ又は心電データ)を測定して、取得するものであって、入力インターフェース13を介して、情報処理装置11へ心拍データを入力するようになっている。
外部メモリ22は、入力インターフェース13に繋がれ、情報処理装置11へ、心拍データ又は老齢化度評価参照データを読み出し、または情報処理装置11から心拍データ又は老齢化度評価参照データを書き込むことができる。また、この外部メモリ22には、基本時系列データ取得用コンピュータソフトウエア、老齢化度評価用データ取得用コンピュータソフトウエア、又は老齢化度評価用コンピュータソフトウエアを記録することもできる。この場合、これらのコンピュータソフトウェアを必要に応じて、外部メモリ22から読み出して、情報処理装置11にダウンロード出来るようになっている。
キーボード23は、入力インターフェース21に繋がれている情報入力装置であり、オペレータはこのキーボード23を操作して、情報処理装置11及び本老齢化度評価装置1の操作を行う。
入力インターフェース16は、情報処理装置11と外部との情報をやりとりするユニットであり、上述のように各部21〜23が繋がれ、各部21〜23から情報(信号)を受信したら、バス12を介して情報処理装置11内の各部14〜16に信号を適宜送信するようになっている。
CPU14は、種々の制御や演算を行なう処理装置であり、メモリ15に格納された、基本時系列データ取得用コンピュータソフトウエア、老齢化度評価用データ取得用コンピュータソフトウエア、又は老齢化度評価用コンピュータソフトウエアを実行することにより、種々の機能を実現する。そして、CPU14が、これらのコンピュータプログラムを実行することにより、図2で説明する基本時系列データ取得手段31、老齢化度評価用データ取得手段32、老齢化度評価手段33としてそれぞれ機能する。また、老齢化度評価手段33においては、老齢化度評価用コンピュータソフトウエアは比較手段34、及び評価手段35として機能する。
なお、これらの基本時系列データ取得手段、老齢化度評価用データ取得手段、又は老齢化度評価手段としての機能を実現するためのプログラム(基本時系列データ取得用コンピュータソフトウエア、老齢化度評価用データ取得用コンピュータソフトウエア、又は老齢化度評価用コンピュータソフトウエア)は、例えばフレキシブルディスク,CD(CD−ROM,CD−R,CD−RW等),DVD(DVD−ROM,DVD−RAM,DVD−R,DVD+R,DVD−RW,DVD+RW,HD DVD等),ブルーレイディスク,磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等の、コンピュータ読取可能な記録媒体(例えば、外部メモリ22)に記録された形態で提供される。そして、情報処理装置11はその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置(例えば、メモリ15)または外部記憶装置に転送し格納して用いる。又、そのプログラムを、例えば磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等の図示しない記憶装置(記録媒体)に記録しておき、その記憶装置から通信経路を介して情報処理装置11に提供するようにしてもよい。
基本時系列データ取得手段、老齢化度評価用データ取得手段、又は老齢化度評価手段としての機能を実現する際には、内部記憶装置(本実施形態ではメモリ15)に格納されたプログラムが情報処理装置11のマイクロプロセッサ(本実施形態ではCPU14)によって実行される。このとき、外部の記録媒体(例えば外部メモリ22)に記録されたプログラムを情報処理装置11が読み取って実行するようにしてもよい。
ここで、基本時系列データ取得用コンピュータソフトウエアとは、脈波形/心電計21により心拍データ又は心電データを得て、時系列的に分布する共通の特徴を有するデータについて解析する事により、基本時系列データを取得するものである。
老齢化度評価用データ取得用コンピュータソフトウエアとは、基本時系列データ取得手段で得られた基本時系列データから揺らぎ情報を抽出し、揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得するものである。
老齢化度評価用コンピュータソフトウエアとは、老齢化度評価用データ取得手段で得られた老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して、老齢化度を評価するものである。
そして、この基本時系列データ取得用コンピュータソフトウエア、老齢化度評価用データ取得用コンピュータソフトウエア、老齢化度評価用コンピュータソフトウエアが、上記のコンピュータ読み取り可能な各種の記録媒体に格納されるのである。
なお、本実施形態において、コンピュータとは、ハードウェアとオペレーティングシステムとを含む概念であり、オペレーティングシステムの制御の下で動作するハードウェアを意味している。又、オペレーティングシステムが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウェアを動作させるような場合には、そのハードウェア自体がコンピュータに相当する。ハードウェアは、少なくとも、CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取るための手段とを備えている。
メモリ15は、種々のデータやプログラムを格納する記憶部であって、例えば、RAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリや、ROM、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリによって実現される。本実施形態では、メモリ15には、CPU14に実行させる、基本時系列データ取得用コンピュータソフトウエア、老齢化度評価用データ取得用コンピュータソフトウエア、老齢化度評価用コンピュータソフトウエアや、基本時系列データ、老齢化度評価用データ、老齢化度評価参照データが格納される。
出力インターフェース16は、情報処理装置11と外部との情報をやりとりするユニットであり、情報処理装置11外部の各部24、25が繋がれ、情報処理装置1内の各部13、14、15からバス12を介して情報(信号)を受信したら、各部24、25に信号を送信するようになっている。
プリンタ24、ディスプレイ25は、出力インターフェース16に繋がれ、CPU14の処理により得られた情報を、オペレータに対して印字あるいは表示を行うものである。もちろん、これらプリンタ24、ディスプレイ25にも、印字あるいは表示用の駆動回路(ドライバ)等も含まれる。
[2−2.老齢化度評価装置の機能構成]
図2は、実施形態の一例としての老齢化度評価装置1の機能ブロックを模式的に示す図である。
老齢化度評価装置1を機能的に表わすとき、老齢化度評価装置1は、図2に示すように、基本時系列データ取得手段31と、老齢化度評価用データ取得手段32と、老齢化度評価手段33とを備え、老齢化度評価手段33は、比較手段34と評価手段35とからなる。これら基本時系列データ取得手段31、老齢化度評価用データ取得手段32、老齢化度評価手段33は、コンピュータプログラムによるソフトウエアを実行させることにより、このソフトウェアが基本時系列データ取得手段31、老齢化度評価用データ取得手段32、老齢化度評価手段33として機能するようになっている。このソフトウェアは、メモリ15に格納され、CPU14により読み出されて実行される。
基本時系列データ取得手段31は、上記の基本時系列データ取得用コンピュータソフトウエアを用いて、脈波形/心電計21により得られた評価対象者の心拍データ又は心電データを解析することにより、基本時系列データを取得する。
老齢化度評価用データ取得手段32は、老齢化度評価用データ取得用コンピュータソフトウエアを用いて、基本時系列データ取得手段31で得られた基本時系列データを解析する事により、揺らぎ情報を抽出し、揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する。
老齢化度評価手段33は、老齢化度評価用コンピュータソフトウエア用いて、老齢化度評価用データ取得手段32で得られた老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを解析する事により、比較手段34による比較と、評価手段35による評価を行う。
[2−3.老齢化度評価装置の動作]
図3は、実施形態の一例としての老齢化度評価装置1の動作を説明するためのフローチャート図である。図3に示すフローチャートに従って、実施形態の一例としての老齢化度評価方法を説明する。
まず、脈波形/心電計21による評価対象者の脈波又は心電の測定によって、心拍データ又は心電データが取得される(ステップS11)。
心拍データ又は心電データが基本時系列データ取得手段31に入力されると、基本時系列データ取得手段31は、基本時系列データ取得用コンピュータソフトウエアを用いて基本時系列データを取得して、老齢化度評価用データ取得手段32に出力する(ステップS12)。
基本時系列データが老齢化度評価用データ取得手段32に入力されると、老齢化度評価用データ取得手段32は、老齢化度評価用データ取得用コンピュータソフトウエアを用いて揺らぎ情報を抽出し、揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得して、老齢化度評価手段33に出力する(ステップS13)。
老齢化度評価用データが老齢化度評価手段33に入力されると、老齢化度評価手段33は、老齢化度評価用コンピュータソフトウエア用いて、老齢化度評価用データと老齢化度評価参照データとの比較と(ステップS14)、ステップS14での比較結果に基づいて、老齢化度を評価する(ステップS15)。
[2−4.コンピュータに実行させるためのプログラム、及び同プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体]
本発明の実施形態の一例としてのコンピュータに実行させるためのプログラムは、コンピュータを、心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データを取得する基本時系列データ取得手段31と、該基本時系列データ取得手段で得られた上記基本時系列データから揺らぎ情報を抽出し該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する老齢化度評価用データ取得手段32と、該老齢化度評価用データ取得手段で得られた上記老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して、老齢化度を評価する老齢化度評価手段33として機能させる。
本発明の実施形態の一例としての上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを、心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データを取得する基本時系列データ取得手段31と、該基本時系列データ取得手段で得られた該基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する老齢化度評価用データ取得手段32と、該老齢化度評価用データ取得手段で得られた該老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して、老齢化度を評価する老齢化度評価手段33として機能させるためのプログラムを記録している。
上記プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、外部メモリ22)に記録された形態で提供され、情報処理装置11はその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置(例えば、メモリ15)または外部記憶装置に転送し格納して用いる。
CPU14は、メモリ15に格納された上記プログラムを読み出して実行することにより、上記プログラムは、基本時系列データ取得手段31、老齢化度評価用データ取得手段32、老齢化度評価手段33としてそれぞれ機能する。
[3.変形例]
[3−1.第一変形例]
本発明の第一変形例に係る老齢化度評価装置の構成、老齢化度評価方法、コンピュータに実行させるためのプログラム、及び同プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体について説明する。
第一変形例に係る老齢化度評価装置41は、一部の構成を除いて上述の第一実施形態にかかる老齢化度評価装置1と同様に構成されており、上述の検体情報処理装置1と同様のものについては説明を省略し、同符号を用いて説明する。
<第一変形例に係る老齢化度評価装置の構成>
本発明の第一変形例に係る老齢化度評価装置41は、図14に示すように、心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する老齢化度評価用データ取得手段42と、該老齢化度評価用データ取得手段42で得られた上記老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して、老齢化度を評価する老齢化度評価手段43とをそなえて構成されている。
老齢化度評価手段43は、老齢化度評価用データ取得手段42で得られた老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較する比較手段44と、比較手段での比較結果に基づいて、老齢化度を評価する評価手段45とから構成されていてもよい。
<第一変形例に係る老齢化度評価方法>
本発明の第一変形例に係る老齢化度評価方法は、図15に示すように、心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する老齢化度評価用データ取得ステップ(S51)と、該老齢化度評価用データ取得ステップで得られた上記老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して(S52)、老齢化度を評価する老齢化度評価ステップ(S53)とをそなえて構成されている。
<第一変形例に係るコンピュータに実行させるためのプログラム、及び同プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体>
本発明の第一変形例に係るコンピュータに実行させるためのプログラムは、コンピュータを、心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する老齢化度評価用データ取得手段42と、該老齢化度評価用データ取得手段で得られた該老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して、老齢化度を評価する老齢化度評価手段43として機能させる。
本発明の第一変形例に係る上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを、心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する老齢化度評価用データ取得手段42と、該老齢化度評価用データ取得手段で得られた該老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して、老齢化度を評価する老齢化度評価手段43として機能させるためのプログラムを記録している。
[3−2.第二変形例]
本発明の第二変形例に係る老齢化度評価装置の構成、老齢化度評価方法、コンピュータに実行させるためのプログラム、及び同プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体について説明する。
第二変形例に係る老齢化度評価装置41は、一部の構成を除いて上述の第一実施形態にかかる老齢化度評価装置1と同様に構成されており、上述の検体情報処理装置1と同様のものについては説明を省略し、同符号を用いて説明する。
<第二変形例に係る老齢化度評価装置の構成>
本発明の第二変形例に係る老齢化度評価装置61は、図16に示すように、心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データから揺らぎ情報を抽出し該揺らぎ情報を有するデータから取得された老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較する比較手段62と、該比較手段62での比較結果に基づいて、老齢化度を評価する評価手段63とをそなえて構成されている。
<第二変形例に係る老齢化度評価方法>
本発明の第二変形例に係る老齢化度評価方法は、図17に示すように、心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データから揺らぎ情報を抽出し該揺らぎ情報を有するデータから取得された老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較する比較ステップ(S71)と、該比較ステップでの比較結果に基づいて、老齢化度を評価する評価ステップ(S72)とをそなえて構成されている。
<第二変形例に係るコンピュータに実行させるためのプログラム、及び同プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体>
本発明の第二変形例に係るコンピュータに実行させるためのプログラムは、コンピュータを、心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データから揺らぎ情報を抽出し該揺らぎ情報を有するデータから取得された老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較する比較手段62と、該比較手段での比較結果に基づいて、老齢化度を評価する評価手段63として機能させる。
本発明の第二変形例に係る上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを、心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データから揺らぎ情報を抽出し該揺らぎ情報を有するデータから取得された老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較する比較手段62と、該比較手段での比較結果に基づいて、老齢化度を評価する評価手段63として機能させるためのプログラムを記録している。
[4.効果]
本発明の老齢化度評価手法によれば、心拍データから評価対象者の老齢化度を評価することができる。特に、本発明の老齢化度評価手法によれば、評価対象者の老齢化度を客観的に把握することにより、60歳以降から人生第4期(後期高齢期)と呼ばれる70代半ばの時期において、加齢に伴う老齢化の進み具合を的確に判断することができる。
これによって、自身の老齢化の度合いを知ることで、超高齢化社会のなかでの自身の立ち位置を再認識して生活していくような、ライフスタイルの選択の一助とすることができる。このようなライフスタイルの例としては、自分が年齢相応に老齢化が進んでいることを受け止め、自らに介助が必要であることが自然なことであることを確認したうえで、助けを受け入れて日常生活を前向きに続ける生き方を挙げることができる。
また、老齢化度を知ることによって、身体・認知機能の維持によって健康寿命の延長を図り、老齢化を遅らせるような生活をするように心掛けたり、または老齢化度をもとに生活習慣改善のアドバイスを行ったりすることができる。
以下、本発明の実施例を述べるが、本発明の範囲はその趣旨を超えないかぎり、以下の例に限定されるものではない。
図4に示すフローチャートに従って、本発明の一実施例を説明する。
本実施例に係る老齢化度の評価は、次のようにして行う。まず、脈波計による脈波の測定又は心電計による心電の測定を行う(ステップS21)。次に、得られた脈波又は心電から、脈波又は心電のピーク間隔を得る(ステップS22)。脈波又は心電のピーク間隔から、DFAの傾き得る(ステップS23)。年齢とDFAの傾きから老齢化曲線上の位置を得る(ステップS24)。そして、老齢化曲線との比較により、老齢化度を評価する(ステップS25)。
以下に、各ステップの実施手順について説明する。
(心拍データの取得)
脈波形を用いて、評価対象者である62歳男性について、心拍データとして脈波を測定した。心電計を用いて、評価対象者である66歳男性、及び89歳男性について、心拍データとして心電を測定した。
心拍データの測定結果は、図10(a)〜(c)のように表される。図10(a)〜(c)では、横軸に時間、縦軸に信号の強さをとり、図10(a)は62歳男性の脈波波形(Pulse Wave)、図10(b)は66歳男性の心電波形(ECG(Electrocardiogram),心電図)、図10(c)は89歳男性の心電波形を示す。
(基本時系列データの取得)
図10(a)に示す脈波波形から、基本時系列データとして脈波波形のピーク間隔(以降、単にピーク間隔ともいう)を求めた。図10(b)、(c)に示す心電波形から、基本時系列データとして心電波形のピーク間隔であるR−R間隔(以降、単にR−R間隔ともいう)を求めた。
求められたピーク間隔及びR−R間隔と、ピーク間隔又はR−R間隔の数との関係は、図11(a)〜(c)のように表される。図11(a)〜(c)では、横軸にピーク間隔又はR−R間隔の数、縦軸にピーク間隔又はR−R間隔をとり、図11(a)は62歳男性のピーク間隔の数とピーク間隔との関係を、(b)は66歳男性のR−R間隔の数とR−R間隔との関係を、(c)は89歳男性のR−R間隔の数とR−R間隔との関係を表す。
(老齢化度評価用データの取得)
ピーク間隔及びR−R間隔についてDFAで解析して老齢化度評価用データであるDFAの傾きを取得した。
ピーク間隔又はR−R間隔の数を特定のウィンドウサイズで分割し、ウィンドウサイズnにおけるピーク間隔又はR−R間隔の揺らぎの大きさS(n)を揺らぎ情報として抽出した。さらに、ウィンドウサイズnを変化させたときの揺らぎの大きさS(n)を求め、log10(n)とlog10S(n)との関係をグラフ上にプロットしてDFAプロットを得た。さらに、このDFAプロットの微分プロット(DFA微分プロット)を作成して、各ウィンドウサイズnにおけるDFAプロットの傾きを老齢化度評価用データとして得た。
なお、62歳男性の脈波からの老齢化度評価用データ取得は、脈波測定開始から300〜600秒間、600〜900秒間、900〜1200秒間の各測定間隔において行った。
66歳男性の心電からの老齢化度評価用データ取得は、心電測定開始から275〜550秒間、550〜825秒間、825〜1100秒間の各測定間隔において行った。
89歳男性の心電からの老齢化度評価用データ取得は、心電測定開始から0〜5分間、
5〜10分間の各測定間隔において行った。
ウィンドウサイズnとDFAの傾きとの関係を示すDFA微分プロットは、図12(a)〜(c)のように表される。図12(a)〜(c)では、横軸にウィンドウサイズnの対数、縦軸にDFAの微分(DFAの傾き)をとり、図12(a)は62歳男性の各測定間隔におけるウィンドウサイズnとDFAの傾きとの関係、図12(b)は66歳男性の各測定間隔におけるウィンドウサイズnとDFAの傾きとの関係、図12(c)は89歳男性の各測定間隔におけるウィンドウサイズnとDFAの傾きとの関係を表す。
図12(a)では、各測定間隔に共通して、ウィンドウサイズの変化に関わらずDFAの傾きが1〜1.2付近となる傾向にあり、心拍データは1/f揺らぎの状態を示しており、心拍が安定していると判断することができる。
図12(b)では、各測定間隔に共通して、ウィンドウサイズが大きい場合はDFAの傾きが1付近となる傾向にあり、心拍データは1/f揺らぎの状態を示して安定しているといえるものの、ウィンドウサイズが小さい場合からはDFAの傾きが0.5付近となる傾向にあり、心拍データがホワイトノイズの状態を示して不安定な状態が生じていると判断することができる。
図12(c)では、各測定間隔に共通して、ウィンドウサイズの変化に関わらずDFAの傾きが0.5付近となる傾向にあり、心拍データがホワイトノイズの状態を示しており、心拍が不安定な状態であると判断することができる。
(老齢化度評価用データと老齢化度評価参照データとの比較)
図12(a)〜(c)に示すDFA微分プロットから、DFAの傾きを評価対象者の年齢に対応して老齢化曲線にプロットすることで、老齢化度評価用データと老齢化度評価参照データとを比較した。DFAの傾きと老齢化曲線と老齢化曲線との関係は図13のグラフのようになる。図13では、横軸に年齢、縦軸に自立度及びDFAの傾きをとり、62歳男性のDFAの傾き=1.11(プロット位置J)、66歳男性のDFAの傾き=0.87(プロット位置K)、89歳男性のDFAの傾き=0.58(プロット位置L)をそれぞれプロットして、老齢化曲線とともに表す。評価対象者が男性であるため、老齢化3曲線に対してDFAの傾きをプロットしている。なお、ここでは、図12(a)〜(c)に示す各々のDFA微分プロットにおいて、図12(a)、(c)については各測定間隔におけるlog(n)=1.2付近のDFAの傾きを平均した値を用いて、図12(b)については各測定間隔におけるlog(n)=1.5付近のDFAの傾きを平均した値を用いて、老齢化曲線にプロットを行った。
(老齢化度の評価)
図13に示す評価対象者の年齢におけるDFAの傾きのプロットと老齢化曲線との比較から、老齢化度の評価を行った。
62歳男性のDFAの傾きのプロット位置Jによると、プロット位置は老齢化曲線における自立度3以上にあり、自立度の変化パターンのうちパターンA又はBに近いと考えられる。この場合、評価対象者は、自立を維持する傾向が高いと考えられ、老齢化度が低いと評価することができる。
66歳男性のDFAの傾きのプロット位置Kによると、プロット位置は老齢化曲線における自立度2.2付近にあり、自立度の変化パターンのうちパターンCに近いと考えられる。この場合、評価対象者は、加齢に伴い老齢化が進行し、自立度が低下するおそれがあると考えられ、年齢からすると老齢化度がやや高いと評価することができる。
89歳男性のDFAの傾きのプロット位置Lによると、プロット位置は老齢化曲線における自立度0.5付近にあり、自立度の変化パターンのうちパターンB又はCに近いと考えられる。この場合、評価対象者は、老齢化が進んでおり、老齢化度が高いと評価することができるものの、この老齢化は89歳という年齢相当のものであるとも評価できる。
[その他]
上記の実施形態や実施例において、基本時系列データ取得、老齢化度評価用データ取得、老齢化度評価は、所望のコンピュータソフトウェアを用いて処理を行う例を示したが、本評価方法をコンピュータを用いない手動方式によって実現することももちろん可能である。
1、41、61 老齢化度評価装置
11 情報処理装置
12 バス
13 入力インターフェース
14 CPU
15 メモリ
16 出力インターフェース
21 脈波形/心電計
22 外部メモリ
23 キーボード
24 プリンタ
25 ディスプレイ
31 基本時系列データ取得手段
32、42 老齢化度評価用データ取得手段
33、43 老齢化度評価手段
34、44、62 比較手段
35、45、63 評価手段
201 評価対象者
202 心臓
203 右肩
204 左脚
211 心電計
214、215 電極
212 差動アンプ
213 電圧計

Claims (22)

  1. 心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データを取得する基本時系列データ取得ステップと、
    該基本時系列データ取得ステップで得られた該基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する老齢化度評価用データ取得ステップと、
    該老齢化度評価用データ取得ステップで得られた該老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して、老齢化度を評価する老齢化度評価ステップとをそなえて構成された
    ことを特徴とする、老齢化度評価方法。
  2. 心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する老齢化度評価用データ取得ステップと、
    該老齢化度評価用データ取得ステップで得られた該老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して、老齢化度を評価する老齢化度評価ステップとをそなえて構成された
    ことを特徴とする、老齢化度評価方法。
  3. 心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データから揺らぎ情報を抽出し該揺らぎ情報を有するデータから取得された老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較する比較ステップと、
    該比較ステップでの比較結果に基づいて、老齢化度を評価する評価ステップとをそなえて構成されたことを特徴とする、老齢化度評価方法。
  4. 該基本時系列データ取得ステップが、該心拍データにおけるピーク間隔データを基本時系列データとして取得する
    ことを特徴とする、請求項1記載の老齢化度評価方法。
  5. 該基本時系列データ取得ステップが、該心拍データとしての心電図データ中のR成分の間隔データを基本時系列データとして取得する
    ことを特徴とする、請求項1記載の老齢化度評価方法。
  6. 該老齢化度評価用データ取得ステップが、DFA(Detrended Fluctuation Analysis)を用いて、該基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する
    ことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の老齢化度評価方法。
  7. 該老齢化度評価用データが、上記DFAを用いて得られたDFAの傾き情報である
    ことを特徴とする、請求項6記載の老齢化度評価方法。
  8. 該老齢化度評価参照データが、人の自立度の変化に対応した複数の老齢化度評価参照パターンである
    ことを特徴とする、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の老齢化度評価方法。
  9. 心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データを取得する基本時系列データ取得手段と、
    該基本時系列データ取得手段で得られた該基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する老齢化度評価用データ取得手段と、
    該老齢化度評価用データ取得手段で得られた該老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して、老齢化度を評価する老齢化度評価手段とをそなえて構成された
    ことを特徴とする、老齢化度評価装置。
  10. 心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する老齢化度評価用データ取得手段と、
    該老齢化度評価用データ取得手段で得られた該老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して、老齢化度を評価する老齢化度評価手段とをそなえて構成された
    ことを特徴とする、老齢化度評価装置。
  11. 心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データから揺らぎ情報を抽出し該揺らぎ情報を有するデータから取得された老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較する比較手段と、
    該比較手段での比較結果に基づいて、老齢化度を評価する評価手段とをそなえて構成された
    ことを特徴とする、老齢化度評価装置。
  12. 該基本時系列データ取得手段が、該心拍データにおけるピーク間隔データを基本時系列データとして取得する
    ことを特徴とする、請求項9記載の老齢化度評価装置。
  13. 該基本時系列データ取得手段が、該心拍データとしての心電図データ中のR成分の間隔データを基本時系列データとして取得する
    ことを特徴とする、請求項9記載の老齢化度評価装置。
  14. 該老齢化度評価用データ取得手段が、DFA(Detrended Fluctuation Analysis)を用いて、該基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータを老齢化度評価用データとして取得する
    ことを特徴とする、請求項9または請求項10に記載の老齢化度評価装置。
  15. 該老齢化度評価用データが、上記DFAを用いて得られたDFAの傾き情報である
    ことを特徴とする、請求項14記載の老齢化度評価装置。
  16. 該老齢化度評価参照データが、人の自立度の変化に対応した複数の老齢化度評価参照パターンである
    ことを特徴とする、請求項9ないし請求項15のいずれか1項に記載の老齢化度評価装置。
  17. コンピュータを、
    心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データを取得する基本時系列データ取得手段と、
    該基本時系列データ取得手段で得られた該基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する老齢化度評価用データ取得手段と、
    該老齢化度評価用データ取得手段で得られた該老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して、老齢化度を評価する老齢化度評価手段として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  18. コンピュータを、
    心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する老齢化度評価用データ取得手段と、
    該老齢化度評価用データ取得手段で得られた該老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して、老齢化度を評価する老齢化度評価手段として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  19. コンピュータを、
    心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データから揺らぎ情報を抽出し該揺らぎ情報を有するデータから取得された老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較する比較手段と、
    該比較手段での比較結果に基づいて、老齢化度を評価する評価手段として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  20. コンピュータを、
    心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データを取得する基本時系列データ取得手段と、
    該基本時系列データ取得手段で得られた該基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する老齢化度評価用データ取得手段と、
    該老齢化度評価用データ取得手段で得られた該老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して、老齢化度を評価する老齢化度評価手段として機能させるためのプログラム。
  21. コンピュータを、
    心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データから揺らぎ情報を抽出して、該揺らぎ情報を有するデータから老齢化度評価用データを取得する老齢化度評価用データ取得手段と、
    該老齢化度評価用データ取得手段で得られた該老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較して、老齢化度を評価する老齢化度評価手段として機能させるためのプログラム。
  22. コンピュータを、
    心拍データにおいて時系列的に分布する共通の特徴を有するデータから得られる基本時系列データから揺らぎ情報を抽出し該揺らぎ情報を有するデータから取得された老齢化度評価用データと、老齢化度評価のために参照値として用いられる老齢化度評価参照データとを比較する比較手段と、
    該比較手段での比較結果に基づいて、老齢化度を評価する評価手段として機能させるためのプログラム。
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