JP2014023496A - 作業車 - Google Patents

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Abstract

【課題】旋回走行においても精度の高い傾斜地ローリング制御が可能となる対地作業装置を備えた作業車。
【解決手段】ローリング角を検出するローリング角検出器と、車体の直進または旋回の挙動を示す操向挙動情報を取得する操向挙動情報取得部と、ローリング角検出器からの検出値を処理演算することで出力された演算値になまし処理を施して得られた値を角度基準値として出力する角度基準値算出部と、車体の傾斜地走行時において、なまし処理に用いられるなまし特性を操向挙動情報に基づいて、直進姿勢時よりも旋回姿勢時のほうがなまし強度が弱くなるように変更するなまし特性変更部と、角度基準値と検出値とを比較して傾斜偏差を算出する偏差算出部と、傾斜偏差に基づいてアクチュエータのためのローリング制御値を生成するローリング制御値生成部が備えられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ローリング制御される対地作業装置を車体に連結させた作業車に関する。
傾斜地において等高線に沿って走行しながら行われる対地作業をスムーズに行うため、作業車の左右方向の傾斜角度を検出するセンサの検出値と傾斜設定器によって設定した設定値とに基づいて、対地作業装置を自動的にローリング制御する傾斜地ローリング制御手段を備えた作業車が、例えば特許文献1から知られている。この作業車では、傾斜値モードが選択されると、傾斜地ローリング制御手段の働きによって、傾斜地の傾斜角に一致するように対地作業装置であるロータリ耕耘装置がローリング制御される。つまり、作業車が傾斜地の等高線に沿って直線走行することで、傾斜面の傾きに倣った直線的な耕耘作業が行われる。このような、等高線に沿った作業走行をUターンしながら繰り返すことで傾斜地全体の耕耘作業が完了する。その際、傾斜地でのUターン時やその他の旋回時には、傾斜ローリング制御における基準となる傾斜角が急変することから、制御の追従性が悪くなる。このため、上記特許文献1による作業車では、前輪の操向角度が右又は左の設定角度を超えると、傾斜ローリング制御が中断され、ロータリ耕耘装置を地面から大きく上昇させることで、対地作業が行われないようにしている(特許文献1の段落番号〔0063〕参照)。
特開2010‐172299号公報(段落番号〔0034−0067〕、図6)
しかしながら、作業の効率化から、傾斜地での対地作業において、Uターン時やその他の旋回時などでも、対地作業装置を上昇させることなく、連続的に作業を行いたいという要望がある。ところが、従来のローリング制御される対地作業装置を備えた作業車では、傾斜地ローリング制御で用いられる基準傾斜角度は、対地作業装置を地面に下ろした時点の車体角度を採用し、その後測定される傾斜角に基づいて基準傾斜角度が修正される。その際、局所的な変動によって基準傾斜角度が不都合に変化することを避けるために、時定数を大きくし、測定値をなま(鈍)らせる必要がある。しかしながら、そのように大きな時定数による測定値のなまらし(平滑化、鈍化)は、大きな傾斜角度の変化が生じるUターン時やその他の旋回時には、実際の傾斜角度と基準傾斜角度とに大きな誤差(遅れ)が生じてしまう。この誤差(遅れ)を低減するために、時定数を小さくすると、傾斜角がほとんど変化しない直線走行においても、地面の凹凸による突発的な傾斜角度の変動に応答して、基準傾斜角度が不必要に変化し、過敏なローリング制御が行われる不都合が生じる。
従って、Uターンなどの旋回走行においても精度の高い傾斜地ローリング制御が可能となる技術が要望されている。
ローリング制御される対地作業装置を車体に連結させた、本発明による作業車は、前記対地作業装置を前記車体に対してローリングさせるアクチュエータと、ローリング角を検出するローリング角検出器と、前記車体の直進姿勢及び旋回姿勢の挙動を示す操向挙動情報を取得する操向挙動情報取得部と、前記ローリング角検出器からの検出値に基づく値になまし処理を施して得られた値を角度基準値とする角度基準値算出部と、前記車体の傾斜地走行時において、前記なまし処理に用いられるなまし特性を前記操向挙動情報に基づいて、前記直進姿勢時よりも前記旋回姿勢時のほうがなまし強度が弱くなるように変更するなまし特性変更部と、前記角度基準値と前記検出値とに基づいて前記アクチュエータのためのローリング制御値を生成するローリング制御値生成部とを備えている。
この構成では、操向挙動情報取得部が取得する操向挙動情報から、作業走行している作業車が、直進姿勢であるのか、旋回姿勢であるのか、より詳しくは、直進姿勢から旋回姿勢へ移行しているのか、旋回姿勢から直進姿勢へ移行しているのかを検知することができる。その結果、旋回作業走行時において角度基準値を得る際には、直進作業走行時しているときに較べてより弱いなまし強度を有するなまし特性を用いたなまし処理が実行される。その結果、旋回作業走行時の傾斜ローリング制御に用いられる角度基準値は、直前に検出されたローリング角検出器の検出値群の値を反映したものとなる。従って、実際の傾斜角度と基準傾斜角度との間の誤差(遅れ)が抑制され、Uターン時やその他の旋回時に生じる傾斜角の急激な変化にも適応した傾斜地対地作業が実現する。また、旋回作業走行から直進作業走行に復帰すると、そのなまし特性は、強いなまし強度をもつものに戻されるので、従来通りの安定した傾斜地対地作業が確保される。
作業車が直進姿勢から旋回姿勢へ移行する際には、つまり、作業車の直進姿勢から旋回姿勢への移行が検出されたときには、その当初は走行に伴う傾斜角度はゆっくり変動する傾向がある。逆に作業車の旋回姿勢から直進姿勢への移行が検出されたときには、その当初は走行に伴う傾斜角度の変動は大きくなる傾向がある。従って、旋回姿勢から直進姿勢へ移行する際には、旋回姿勢時に一旦弱くしたなまし強度を再び強くするタイミングを遅らせることが好適である。このことから、本発明の好適な実施形態の1つでは、作業車が直進姿勢から旋回姿勢へ移行する際には、前記なまし特性変更部は、前記旋回姿勢から前記直進姿勢への操向戻し挙動における前記直進姿勢への移行時に、なまし強度を前記直進姿勢時のなまし強度よりも低い状態に維持する。
このためのより具体的な構成として、前記なまし特性変更部は、前記操向戻し挙動において前記直進姿勢への移行が判定されてから所定時間だけ前記旋回姿勢時のなまし強度が維持される構成を採用することが提案される。
制御的になまし特性を実現するためには、時定数を用いることが好都合である。時定数を大きくすることで制御の直前に得られる傾斜角の測定値ないしはこの測定値から求められる演算値が最終的に算出される角度基準値に及ぼす影響が少なくなる。このことから、具体的な実施形態の1つとして、本発明では、前記なまし特性のなまし強度は時定数であり、前記直進姿勢時の時定数は3秒から5秒の間の所定値であり、前記旋回姿勢時での時定数はその旋回姿勢が直進姿勢から外れるほど小さくなる特性を有し、0.1秒から2秒の間の値をとることが提案される。
また、作業走行中の作業車は直線走行を意図していても、意図的なステアリング操作ないしは不測のステアリング操作あるいはすべり等でその操向挙動が旋回姿勢の傾向をわずかに示す状況がある。そのような状況においては、なまし特性を変更するのは不都合である。このため、不感帯を設定することになるが、その際の好適な実施形態の1つとして、前記なまし特性変更部は、最大旋回姿勢の15%から30%の旋回姿勢を不感帯とすることが提案される。
作業走行における作業車の姿勢、つまり直進姿勢や旋回姿勢を検知するために用いる操向挙動情報は、種々の形態のものが利用可能である。
好適な形態の1つは、操向輪の切れ角を表す切れ角情報である。操向輪の切れ角は直接作業車の進行方向の変更に結びつくので、この切れ角を繰り返し検出することで、作業車が直進姿勢であるか旋回姿勢であるかを確実に検知することができる。
また、作業車が、GPSまたは方位センサあるいはその両方を搭載している場合、車体の進行方位を表す方位情報は容易に取得可能である。従って、車体の進行方位を表す方位情報も操向挙動情報の好適な形態の1つである。
さらに、前記操向挙動情報を、操向輪の切れ角を表す切れ角情報と車体の走行速度とを表す走行速度情報とすることも好適である。この場合、操向輪の切れ角と走行速度とから車体の旋回半径や旋回時間が算定可能となり、算定された旋回半径や旋回時間に応じてなまし強度を調整するという付加的な利点が得られる。この形態を実現する具体的な構成として、前記切れ角となまし強度との関係を表す複数のテーブルが用意され、走行速度に応じて使用すべきテーブルが選択されることが簡単な構成として提案される。
本発明による傾斜地ローリング制御の原理を説明する模式図である。 トラクタ及びロータリ耕耘装置の全体側面図である。 トラクタの搭乗運転部を示す平面図である。 トラクタの後部及びロータリ耕耘装置を示す斜視図である。 制御ユニットに対する入出力を示すブロック図である。 制御ユニットに構築される傾斜地ローリング制御部の機能ブロック図である。 油圧操作パネルの平面図である。 傾斜ローリング制御を示すタイプチャート図である。 切れ角に基づいて変化する時定数を表すフィルタ特性線図である。 実験結果を示すグラフである。 図10における2度目の旋回作業走行の領域の拡大図
本発明の具体的な作業車の実施形態を説明する前に、図1を用いて、本発明に採用されている傾斜地ローリング制御の原理を説明する。
この傾斜地ローリング制御では、ローリング制御される対地作業装置を車体に連結させた作業車は、直進作業走行時だけでなく、旋回走行時も対地作業装置による対地作業を続行させる。図1から理解できるように、所定の傾斜地傾斜角を有する傾斜面に沿った対地作業を行うためには、作業車の傾斜角(対地作業装置の傾斜角でもよい)を検出し、その傾斜に関する検出角に基づいて、実質的には傾斜地傾斜角に一致する角度基準値(傾斜地ローリング制御におけるゼロ点となるもの)を求める必要がある。その際、角度基準値は、所定の繰り返し周波数で測定された傾斜測定値に、必要に応じて施された前処理によって得られた演算値に対してなまし処理を行うことで得られる。このなまし処理は、一般的には時定数を用いた演算処理とみなすことができるが、それ以外の演算処理を用いても良い。本発明の傾斜地ローリング制御では、作業車が直進しているとみなされる直進姿勢時と、作業車が旋回しているとみなされる旋回姿勢時とで、なまし処理に用いられるなまし強度の値が異なっており、直進姿勢時では強いなまし強度が用いられ、旋回姿勢時では弱いなまし強度が用いられる。ここでは、ローリング制御を取り扱っているので、作業車や対地作業装置の傾斜角は、以後ローリング角として取り扱う。
このため、本発明による作業車は、前処理機能と、角度基準値算出機能と、なまし特性変更機能と、制御信号生成機能を備えている。前処理機能は、ローリング角の検出値に処理演算を施して演算値を出力するもので、「F(検出値)→演算値」で表すことができる。角度基準値算出機能は、前記演算値になまし処理を施して得られた値を角度基準値として出力するもので、「N(演算値、なまし強度)→角度基準値」で表すことができる。なまし特性変更機能は、なまし処理に用いられるなまし特性を操向挙動情報の値(操向挙動値)に基づいて変更するもので、「G(操向挙動値)→なまし強度」で表すことができる。制御信号生成機能は、算定された角度基準値と順次得られる演算値とに基づいて対地作業装置を車体に対してローリングさせるアクチュエータのための制御信号を生成するもので、「H(演算値、角度基準値)→制御信号」で表すことができる。このローリングのための制御値を導出する関係式:H(演算値、角度基準値)の一例として、角度基準値と演算値とを比較して算出された傾斜偏差に基づいて制御値を生成する関係式ないしはテーブルが提案される。
なまし特性の変更とは、なまし強度の値を変更することであり、時定数を例にとれば、なまし強度を強くすることは時定数の値を大きくすることであり、なまし強度を弱くすることは時定数の値を小さくすることである。作業車が直進姿勢とみなすかまたは旋回姿勢とみなすかの判定は、車体の直進姿勢から旋回姿勢への挙動及び旋回姿勢から直進姿勢への挙動を示す操向挙動情報に基づいて行われる。操向挙動情報としては、操向輪の切れ角を用いることができるが(G(切れ角)→なまし強度)、方位センサなどを用いた車体の進行方位を用いてもよいし(G(基準方位−進行方位)→なまし強度)、他の情報でもよい。切れ角を採用した場合、一定範囲内の切れ角では直進姿勢とみなし、強く設定されたなまし強度で角度基準値が算出され、最大切れ角に近い領域では、旋回姿勢とみなし、弱く設定されたなまし強度で角度基準値が算出されるようにする。その中間的な切れ角では、中間旋回姿勢とみなし、比例演算で求めたなまし強度を用いることができる。
また、操向挙動情報を、操向輪の切れ角を表す切れ角情報と車体の走行速度と表す走行速度情報とすることも可能であり、それを式で表すと「F(切れ角,走行速度)→なまし強度)」となる。操向輪の切れ角と走行速度とから車体の旋回半径や旋回時間が算定可能であるので、前記式は、「G(切れ角,旋回半径)→なまし強度)」や「G(切れ角,旋回時間)→なまし強度)」に変形可能である。このようにパラメータが複数になった場合には、1つのパラメータに応じて他のパラメータによって作成されたテーブルを選択して利用するような構成を採用することで、簡単に実現できる。
以下、本発明の実施形態の一例を図面に基づいて説明する。この実施形態における作業車は、図2に示されているように、ローリング制御される対地作業装置としてロータリ耕耘装置15を装着したトラクタである。ロータリ耕耘装置15はローリング制御可能な昇降機構4を介してトラクタの車体に連結されている。
図1に示すように、左右一対の前輪1a、左右一対の後輪1bによって支持された車体の前部にエンジン11が搭載され、車体の後部にトランスミッション3が配置されている。このトラクタは、四輪駆動型であり、トランスミッション3からの動力を前輪に伝達する前輪デフ装置13と、後輪に伝達する後輪デフ装置14が設けられている。
図2に示す操縦部2には、前輪1aを操向操作するステアリングハンドル21、運転座席22、左右の後輪1bを独立または共通に制動可能な、左右一対のブレーキペダル23が配置されている。運転座席22の右横側の前側に昇降レバー24が配置されている。ステアリングハンドル21による前輪1の切れ角(直進位置から右の操向角度、又は直進位置から左の操向角度)、切れ角センサ31によって検出される。昇降レバー24は任意の操作位置に保持可能であり、昇降レバー24の操作位置は位置センサ24aによって検出される。
昇降機構4は、ロータリ耕耘装置15をトラクタ車体に昇降制御可能かつローリング制御可能に連結する。図2及び図4に示すように、昇降機構4は、トップリンク41、左右一対のロアリンク42、左右一対のリフトアーム43、リフトシリンダ44、ローリングシリンダ46、連係ロッド45を備えている。トップリンク41及びロアリンク42の一端は、車体に、この実施形態ではトランスミッション3のハウジング3aの後部にブラケットを介して上下揺動自在に連結されている。トップリンク41及びロアリンク42の他端端は、ロータリ耕耘装置15に連結されている。リフトアーム43は、ハウジング3aの上部に上下揺動自在に連結されている。リフトシリンダ44は各リフトアーム43を上下に揺動駆動する単動型シリンダである。ローリングシリンダ46は、一端を右のリフトアーム43に、他端を右のロアリンク42に連結している複動型のシリンダである。連係ロッド45は、左のリフトアーム43と左のロアリンク42との間を連結している。トラクタ機体に対するリフトアーム43の上下角度は角度センサ43aによって検出される。
ロータリ耕耘装置15には、後部カバー15aが上下に揺動自在に取り付けられている。後部カバー15aはバネ15bにより下方に付勢されており、この後部カバー15aの揺動角がロータリ耕耘装置15の耕耘深さに対応する。この揺動角は、角度センサ15cによって検出される。
以上の構造により、左右のリフトシリンダ44を伸縮作動させると、左右のリフトアーム43が揺動し、その結果ロータリ耕耘装置15が昇降する。また、ローリングシリンダ46を伸縮作動させると、左のロアリンク42を支点としたロータリ耕耘装置15のローリング調整がおこなわれる。つまり、この実施形態では、ローリングシリンダ46がロータリ耕耘装置15をトラクタ車体に対してローリングさせるアクチュエータとして機能する。
このロータリ耕耘装置15に対する制御は、制御ユニット5によって行われる。この制御ユニット5は、ECUとも呼ばれるコンピュータユニットであり、プログラムの起動により種々の機能を実現することができる。その機能の一例は、ポジション制御機能、第1昇降制御機能、第2昇降制御機能、ドラフト制御機能、ローリング制御機能、オートアップ制御機能、バックアップ制御機能、手動ローリング操作機能である。
図5に示すように、制御ユニット5の入力ポートには、上述した、昇降レバー用位置センサ24a、後部カバー用角度センサ15c、リフトアーム用角度センサ43a、切れ角センサ31以外のセンサ群として、傾斜センサ32、回転数センサ33、牽引負荷センサ34、ストロークセンサ35などが接続されている。傾斜センサ32は、トラクタ車体のローリング角(トラクタ車体の左右方向の傾斜角度)を検出するローリング角検出器として機能する。回転数センサ33はエンジン11の回転数を検出する。牽引負荷センサ34は左右のロアリンク42の基部に掛かる牽引負荷を検出する。ストロークセンサ35は、ローリングシリンダ46の伸縮長さを検出することで、トラクタ車体に対するロータリ耕耘装置15の左右方向の傾斜角度を検出する。
制御ユニット5には、このトラクタに装備されている種々の制御動作機器が接続されているが、図5では、昇降機構4に対する出力信号系統だけが図示されている。ここでは、リフトシリンダ44のためのリフト制御弁44aやローリングシリンダ46のためのローリング制御弁46aが油圧機器のための制御信号を生成する油圧制御モジュール81を介して制御ユニット5に接続されている。
次に、図6を用いて油圧操作パネル6を説明する。油圧操作パネル6からの操作信号は、制御ユニット5と車載LANを通じて接続されている操作ECU82を介して制御ユニット5に送信される(図5参照)。図3に示すように、油圧操作パネル6は運転座席22の右横に設けられている。油圧操作パネル6には、耕深調節ダイヤル60、作業切替スイッチ61、ローリング切替スイッチ62、ローリング角度調節ダイヤル63、落下速度調節ダイヤル64、感度調節ダイヤル65、高さ規制ダイヤル66、第1ローリング手動スイッチ67a、第2ローリング手動スイッチ67b、平行復帰スイッチ67c、オートアップスイッチ68、バックアップスイッチ69、傾斜旋回ローリング許可スイッチ70が配置されている。
耕深調節ダイヤル60は、希望の耕深をこのダイヤルで設定する。ダイヤルを「浅い」方向に回すと、耕深が浅くなり、「深い」方向に回すと耕深が深くなる。ドラフトの場合、けん引負荷の設定を行う。
作業切替スイッチ61によって、「オート」、「Eオート」・「ドラフト」・「レーザ」から所望の作業が選択できる。「オート」は、後部カバー15aで耕深を感知してオート作業を行う場合に使用する。「Eオート」は、後部カバー15aを上げたままオート作業を行う場合に使用する。「ドラフト」は、ドラフト作業時に使用する。「レーザ」は、レーザ作業機を装着しての作業に使用する。その際、選択された作業に割り当てられたランプ61aが点灯する。
ローリング切替スイッチ62によって、3つの水平モードと傾斜地モードのうちの1つが選択できる。水平モードは、トラクタ車体の傾きにかかわらずロータリ耕耘装置(対地作業装置)15を常に水平又は地面に対し一定の角度に保ちたい場合に使用する。その際、ロータリ耕耘装置15を上端付近まで上昇すると、作業機の傾いた姿勢は車体と平行になる位置に戻って保持される。3つの水平モードは、昇降機構4の3点リンク取付け状態(ロアリンク幅・取付け穴位置)に対応して設けられている。
傾斜地モードでは、傾斜ローリング制御が実行され、傾斜地での耕耘作業時に、ロータリ耕耘装置15の傾きが地面の傾きに沿うように制御される。なお、この実施形態では、トラクタの傾き変化に対して、トラクタが谷側に沈み込む分量を自動補正することで、ロータリ耕耘装置15の傾きを地面の傾きに合わす機能も実行される。
ローリング切替スイッチ62がOFFされると、水平制御が解除され、「手動」となる。その結果、ロータリ耕耘装置15は、第1ローリング手動スイッチ67a及び第2ローリング手動スイッチ67bにより動かした位置に停止してその位置が保持される。すなわちロータリ耕耘装置15は、リーク等により伸縮しても元の位置に復帰する。
ローリング角度調節ダイヤル63は、ローリング切替スイッチ62によって水平モードが選択された際に使用され、ロータリ耕耘装置15の制御目標角度を設定する。リフトシリンダ44はローリング角度調節ダイヤル63を「左下」方向に回すと縮み、「右下」に回すと伸びる。
落下速度調節ダイヤル64は、昇降機構4の落下速度を調整するために使用される。感度調節ダイヤル65は、負荷の変化に対するロアリンク42の動き量を調整するために使用される。その内容は、設定されている作業種で異なる。例えば、「オート」では、後部カバー15aの不感帯幅が調整される。「Eオート」では、エンジン回転センサ33の感知回転数の幅が調整される。「ドラフト」では、けん引負荷の変化量に対するロアリンク42の動き量、および荷重感度が調整される。「レーザ」では、センサ信号に対してのロアリンク42の動き量が調整される。高さ規制設ダイヤル66は、昇降装置4の上昇上限位置を変えるときに使用され、これによりロータリ耕耘装置15の上昇操作時にその上昇位置を任意の高さに規制することができる。
第1ローリング手動スイッチ67aはリフトシリンダ44を伸張する際に使用され、第2ローリング手動スイッチ67bはリフトシリンダ44を収縮する際に使用される。第1ローリング手動スイッチ67aまたは第2ローリング手動スイッチ67bを押している時のみリフトシリンダ44が作動する。ローリング切替スイッチ62が「水平」の時、このスイッチを操作すると自動制御が解除されローリング安全ロックが作動する。また、第1ローリング手動スイッチ67aまたは第2ローリング手動スイッチ67bが「切」の時、リフトシリンダ44はその長さを保持する位置制御が働く。ローリング切替スイッチ62が「水平」で、ローリング手動スイッチ67a、67bを操作し安全ロック機能が働いた時、平行復帰スイッチ67cを操作することにより自動制御が復帰する。また、ローリング切替スイッチ62が「切」(位置制御)の時、この平行復帰スイッチ67cを押すと、昇降機構4の3点リンクがトラクタと平行状態になるように復帰制御が実行される。
バックアップスイッチ69が「入」に設定されると、対応のランプ69aが点灯し、後進に設定された時、ロータリ耕耘装置15が自動的に上昇する。オートアップスイッチ68が「入」に設定されると、対応のランプ68aが点灯し、ステアリングハンドル21で前輪切れ角を設定角度以上にすると、ロータリ耕耘装置15が自動で上昇する。
傾斜旋回ローリング許可スイッチ70は、傾斜地で対地作業している際にトラクタが旋回しても、ロータリ耕耘装置15を上昇させず、対地作業を続行させるとともに、傾斜地ローリング制御も続行する。つまり、オートアップスイッチ68により指令を打ち消す指令を与える。なお、この傾斜旋回ローリング許可スイッチ70を設けずに、オートアップスイッチ68の「切り」設定を、傾斜旋回ローリング許可スイッチ70の代用としてもよい。
次に、制御ユニット5においてプログラムによって実現する、上述した制御機能の内容を説明する。
ポジション制御機能は、右及び左のリフトアーム43の上下角度が、昇降レバー24の操作位置に対応する上下角度となるように、制御弁44aにより右及び左のリフトシリンダ44を同時に伸縮作動させてロータリ耕耘装置15の上下高さを制御するものである。
この場合、図5に示すように、昇降レバー24の最高位置A1が右及び左のリフトアーム43の機械的な上限に対応し、昇降レバー24の最低位置A2が右及び左のリフトアーム43の機械的な下限に対応している。昇降レバー24の最高位置A1よりも少し下側に予めしきい位置が設定されており、昇降レバー24が最低位置A2としきい位置との間の範囲に操作されていると、ロータリ耕耘装置15への動力伝達が許可され、昇降レバー24が設定位置と最高位置A1との間の範囲に操作されていると、ロータリ耕耘装置15への動力伝達が禁止される。
第1昇降制御機能は、ロータリ耕耘装置15の後部カバー15aの上下角度が設定角度に維持されるように、制御弁44aにより右及び左のリフトシリンダ44を伸縮作動させてロータリ耕耘装置15の対地高さを一定にする高さ制御をするものである。耕深調節ダイヤル60を操作することにより、設定深さは「浅」及び「深」側に変更される。
第2昇降制御機能は、回転数センサ33の検出値に基づいてエンジン11に掛かる負荷を検出し、エンジン11に掛かる負荷が設定値に維持されるように、制御弁44aにより右及び左のリフトシリンダ44を伸縮作動させてロータリ耕耘装置15を昇降させるエンジン負荷制御をするものである。
ドラフト制御機能は、ロータリ耕耘装置15に代えて、プラウ(図示せず)をトップリンク41、右及び左のロアリンク42に連結した状態において、牽引負荷センサ34の検出値が設定値に維持されるように、制御弁44aにより右及び左のリフトシリンダ44を伸縮作動させてプラウを昇降させる牽引負荷制御をするものである。
ローリング制御機能は、検出された水平面(水平モード)ないしは傾斜面(傾斜モード)に対するロータリ耕耘装置15の左右方向の傾斜角度がローリング角度調節ダイヤル63の設定値に維持されるように、制御弁46aによりローリングシリンダ46を伸縮作動させる制御をするものである。その際、ストロークセンサ35によりローリングシリンダ46の伸縮長さを検出することにより、トラクタ車体に対するロータリ耕耘装置15の左右方向の傾斜角度が検出される。また、傾斜センサ44により水平面に対するトラクタ車体の左右方向の傾斜角度が検出される。ローリング切替スイッチ62によって傾斜地モードが選択されている場合、傾斜センサ44によって検出される傾斜角度に基づいて傾斜面の基準角度が、後で詳しく述べられる方法で算定される。傾斜面の基準角度とは、水平モードにおける水平面の角度、つまり0度の傾斜角度に対応するものであり、一般的に、検出される傾斜角度の平均演算で求められる。
手動ローリング操作機能は、ローリング制御機能に優先して、ロータリ耕耘装置15の右側又は左側が下降させるものである。この動作は、第1ローリング手動スイッチ67aまたは第2ローリング手動スイッチ67bを押し操作している間だけ、ローリングシリンダ46を伸張又は収縮作動させることで実現する。第1ローリング手動スイッチ67aまたは第2ローリング手動スイッチ67bの押し操作が終わると、ローリング制御機能が復帰する。その際、平行復帰スイッチ67cを押し操作することで、ローリングシリンダ46が連係ロッド45と同じ長さ(ロータリ耕耘装置15がトラクタ車体と平行になる状態)になるようにローリングシリンダ46が伸縮作動する。
上記ローリング制御機能には、水平地ローリング制御機能だけでなく、傾斜地ローリング機能も含まれている。この傾斜地ローリング機能は、制御ユニット5にプログラム実装された傾斜地ローリング制御モジュール50の実行を通じて動作する傾斜地ローリング制御によって実現する。この傾斜地ローリング制御では、直進作業走行時だけでなく、旋回走行時もロータリ耕耘装置15による対地作業が続行される。図7に示めされた機能ブロック図及び図8で示されたタイムチャート図では、傾斜地での旋回走行時もローリング制御を行いながら対地作業を行うために、本発明で導入された、走行中の地面の推定傾斜角度である角度基準値の算出を説明するものである。
図7に示すように、傾斜地ローリング制御モジュール50は、操向挙動情報取得部51と、前処理部52と、角度基準値算出部53と、なまし特性変更部55と、偏差算出部56と、ローリング制御値生成部57とを備えている。
操向挙動情報取得部51は、トラクタ車体の直進姿勢から旋回姿勢への挙動及び旋回姿勢から直進姿勢への挙動を示す操向挙動情報を取得するものであり、この実施形態では、切れ角センサ31からの検出信号に基づいて、トラクタ車体のリアルタイムの走行姿勢を表す切れ角を出力する。
前処理部52は、傾斜センサ32からの検出値に処理演算を施してトラクタ車体の傾斜角を表す演算値を出力する。傾斜センサ32としては、水準器を原理とする角度センサ単独のものや角度センサと加速度センサとを組み合わせたものが存在するが、本発明では傾斜センサ32の種類を特に限定していないので、ここではそれらを共通的に取り扱っている。角度センサと加速度センサとを組み合わせたものでは、この前処理部52において、それぞれの検出値が前演算処理され、その演算結果である演算値がトラクタ車体の傾斜角を表す値として出力される。なお、傾斜センサ32がトラクタ車体ではなく、ロータリ耕耘装置15に取り付けられている場合には、トラクタ車体に対するロータリ耕耘装置15の角度を用いて傾斜センサ32の角度を補正することで、トラクタ車体の傾斜角が求められる。
なお、前処理部52の基本的な機能は、傾斜センサ32からの検出値の移動平均を演算することである。例えば、傾斜センサ32の検出サンプリング間隔が0.01秒として、0.5秒の移動平均、つまり50個の移動平均が演算される。
角度基準値算出部53は、前処理部52から送られてきた演算値になまし処理を施して得られた値を角度基準値として出力する。角度基準値とは、傾斜地走行における基準となる傾斜角度であり、順次検出される傾斜角によって再演算され調整されるものである。このなまし処理は、経時的に入力される演算値群をなまし特性に応じて処理する。このなまし処理を行うなまし処理部として、この実施形態では、時定数の原理に基づくフィルタ処理部54が実装されている。従って、フィルタ処理部54で用いられるなまし特性、つまり時定数が大きくなれば、順次検出される傾斜角による角度基準値の調整が遅延する。
この実施形態では、変更部として実装されたなまし特性変更部55は、フィルタ処理部(なまし処理部)54で用いられる時定数(なまし特性:なまし強度)を変更するものである。なまし特性(フィルタ特性)変更部55は、トラクタ車体の傾斜地走行時において、フィルタ処理部54で用いられる時定数を、操向挙動情報取得部51から入力される切れ角に基づいて変更する。トラクタ車体が旋回姿勢(所定値以上の切れ角)になったときの時定数は、トラクタ車体が直線姿勢(所定値未満の切れ角)であるときの時定数に較べて弱められる。このことを簡単な例で説明する。
現在の角度基準値をRとし、新しく入力された傾斜角をSとして、時定数:τが2、サンプリング間隔:tを0.01とすると、新たに算出される角度基準値Rcは、
Rc=(τ*R+t*S)/(τ+t)で求めることができるので、
近似的には、
Rc=(199*R+1*S)/200なる式を用いることができ、
時定数が0.5とすると、新たに算出される角度基準値Rcは、
Rc=(49*R+1*S)/50なる式を用いることができる。
このことから、時定数(なまし強度)を大きくすると、角度基準値は急速には変更されないので、鈍感なローリング制御が実行され、時定数(なまし強度)を小さくすると、敏感なローリング制御が実行される。
偏差算出部56は、角度基準値算出部53によって算出された角度基準値と、前処理部52から出力されたリアルタイムの傾斜角を示す演算値とを比較して傾斜偏差を算出する。この傾斜偏差に基づいてローリング制御値生成部57は、ローリングシリンダ46の適切に動作させるためのローリング制御値を生成する。生成されたローリング制御値は油圧制御モジュール81に送られ、ローリング制御弁46aの制御に用いられる。
上述した傾斜ローリング制御モジュール50による傾斜ローリング制御の一例を図8のタイプチャート図を用いて説明する。この例では、トラクタは、傾斜地を等高線上に沿って直進(直進姿勢)し、その後90°の旋回(旋回姿勢)を行い、再び直進している。
タイムチャート(a)は、切れ角の推移を示している。旋回時には最大切れ角60°までハンドル操作され、その後復帰している。切れ角により直進姿勢と旋回姿勢との判定において、ここでは0°から10°までが不感帯と設定されているので、その間の切れ角は直進姿勢とみなされる。つまり、切れ角10°が角度基準値算出部53における旋回時フィルタ処理のしきい値である。この実施形態では、切れ角10°以上で、実質的な旋回姿勢とみなされる。このしきい値としての切れ角10°の姿勢は、最大旋回姿勢の15%から30%程度の旋回姿勢を示す切れ角がしきい値として適切であるという知見に基づいて選択されている。
図9には、切れ角に基づいて変化する時定数を表すフィルタ特性(なまし特性)線図が例示されている。ここでは、切れ角が0°と10°との間は時定数が2.0に設定されており、この時定数は、直進姿勢時に実行される通常フィルタ処理に用いられる。切れ角が40°以上で時定数が0.1に設定され、切れ角が10°と40°との間の時定数は2.0と0.1との補間値となっている。この補間演算は、一次式でもよいし、多次式でもよい。あるいは実験的に求めた任意の値を補間値としてもよい。切れ角が10°以上において、このフィルタ特性から求められる時定数が、旋回姿勢時に実行される旋回時フィルタ処理に用いられる。
タイムチャート(b)は、トラクタの旋回姿勢から前記直進姿勢への操向戻し挙動における直進姿勢への移行時に、つまり切れ角が上昇して10°に達したときに、立ち上がる旋回時フィルタ処理の開始トリガーパルスを示す。タイムチャート(c)は、切れ角が下降して10°に達したときに立ち上がる旋回時フィルタ処理の停止トリガーパルスを示す。タイムチャート(d)は、旋回時フィルタ処理の実行を許可するパルスであり、開始トリガーパルスから停止トリガーパルスまでの時間間隔を有する。
タイムチャート(e)は、タイマの駆動の間立ち上がるタイマーパルスであり、停止トリガーパルスで立ち上がって(スタートして)、所定時間、例えば2〜3秒で立ち下がる(停止する)。
傾斜地走行での旋回で、旋回姿勢から直進姿勢に復帰したときに、すぐに時定数を高くしたローリング制御を行うと、角度基準値と検出傾斜角との偏差が不安定になり、ロータリ耕耘装置15が遅れるという現象が観察される。このため、この実施形態では、旋回姿勢から直進姿勢に復帰した直後は、1秒から数秒程度の間だけ低い時定数(0.1から1.0程度)をもった移行時フィルタ処理を続行させている。タイムチャート(f)は、そのような移行時フィルタ処理の実行を許可するパルスであり、タイマーパルスの立ち下がりで終了する。
タイムチャート(g)は、旋回時フィルタ処理と移行時フィルタ処理とが実行されているときに、通常フィルタ処理の実行を許可するパルスである。
〔実験例〕
この実験例では、ロータリ耕耘装置15を装備したトラクタが、走行速度約3Km/hで、傾斜地を等高線上に沿って直線作業走行し、途中2度360°旋回作業走行し、再び直線作業走行している。図10は、この実験で得られた測定結果を示すグラフである。このグラフでは、横軸に時間(秒)が設定され、縦軸に傾斜センサ32のセンサ値(10ビットデータの十進値)及び操向輪である前輪1aの切れ角(度)が設定されている。図11は、図10における2度目の旋回作業走行の領域の拡大図である。
このグラフにおいて、細線は傾斜センサ32の傾斜角を示す検出値であり、太線は検出値に旋回時フィルタ処理及び移行時フィルタ処理を施して得られた傾斜角を示す値である。点線は時定数(なまし強度値)を示す。一転鎖線は前輪1aの切れ角を示す。左切りのハンドル操作で2回全旋回した後、左切りのハンドル操作が戻されている。ステアリングを戻した際に一定時間時定数を低くしておく移行時フィルタ処理は、0.5秒の時定数で、1秒間行われている。
図に示されたグラフから、旋回作業走行において、時定数を小さくする旋回時フィルタ処理及び移行時フィルタ処理を施すことで、このフィルタ処理値が傾斜角の実際の測定値に、よく追従していることが理解できる。
上述した実施形態では、移行時フィルタ処理は、切れ角が旋回時フィルタ処理の開始しきい値である10°に戻されたときに開始され、そこから所定時間後に停止されたが、移行時フィルタ処理を旋回時フィルタ処理の開始しきい値とは異なるしきい値に戻されたときに開始するようにしてもよい。
本発明のローリング制御は、トラクタに対地作業装置としてのロータリ耕耘装置連結させた形態だけでなく、対地作業装置としてプラウや雪掻き装置やドーザを連結した形態に対して適用できるのはもちろん、トラクタ以外の、例えば田植機やコンバインなどの作業車にも適用可能である。
1a:前輪
1b:後輪
15:ロータリ耕耘装置(対地作業装置)
31:切れ角センサ
32:傾斜センサ(ローリング角検出器)
33:回転数センサ60
34:牽引負荷センサ61
35:ストロークセンサ63
4:昇降機構
41:トップリンク
42:ロアリンク
43:リフトアーム
43a:角度センサ
44:リフトシリンダ
44a:リフト制御弁
45:連係ロッド
46:ローリングシリンダ(アクチュエータ)
46a:ローリング制御弁
5:制御ユニット(ECU)
50:傾斜ローリング制御モジュール
52:前処理部
51:操向挙動情報取得部
53:角度基準値算出部
54:フィルタ処理部(なまし処理部)
55:フィルタ特性変後部(なまし特性変更部)
56:偏差算出部、
6:油圧操作パネル
81:油圧制御モジュール
82:操作ECU

Claims (10)

  1. ローリング制御される対地作業装置を車体に連結させる作業車であって、
    前記対地作業装置を前記車体に対してローリングさせるアクチュエータと、
    ローリング角を検出するローリング角検出器と、
    前記車体の直進姿勢及び旋回姿勢の挙動を示す操向挙動情報を取得する操向挙動情報取得部と、
    前記ローリング角検出器からの検出値に基づく値になまし処理を施して得られた値を角度基準値とする角度基準値算出部と、
    前記車体の傾斜地走行時において、前記なまし処理に用いられるなまし特性を前記操向挙動情報に基づいて、前記直進姿勢時よりも前記旋回姿勢時のほうがなまし強度が弱くなるように変更するなまし特性変更部と、
    前記角度基準値と前記検出値とに基づいて前記アクチュエータのためのローリング制御値を生成するローリング制御値生成部と、
    を備えた作業車。
  2. 前記なまし特性変更部は、前記旋回姿勢から前記直進姿勢への操向戻し挙動における前記直進姿勢への移行時に、なまし強度を前記直進姿勢時のなまし強度よりも低い状態に維持する請求項1に記載の作業車。
  3. 前記なまし特性変更部は、前記操向戻し挙動において前記直進姿勢への移行が判定されてから所定時間だけ前記旋回姿勢時のなまし強度が維持される請求項2に記載の作業車。
  4. 前記なまし特性のなまし強度は時定数であり、前記直進姿勢時の時定数は2秒から4秒の間の所定値であり、前記旋回姿勢時での時定数はその旋回姿勢が直進姿勢から外れるほど小さくなる特性を有し、0.1秒から2秒の間の値をとる請求項1から3のいずれか一項に記載の作業車。
  5. 前記なまし特性変更部は、最大旋回姿勢の15%から30%の旋回姿勢を不感帯とする請求項1から4のいずれか一項に記載の作業車。
  6. 前記操向挙動情報は、操向輪の切れ角を表す切れ角情報である請求項1から5のいずれか一項に記載の作業車。
  7. 前記操向挙動情報は、車体の進行方位を表す方位情報である請求項1から5のいずれか一項に記載の作業車。
  8. 前記操向挙動情報は、操向輪の切れ角を表す切れ角情報と車体の走行速度を表す走行速度情報である請求項1から5のいずれか一項に記載の作業車。
  9. 前記切れ角となまし強度との関係を表す複数のテーブルが用意され、走行速度に応じて使用すべきテーブルが選択される請求項8に記載の作業車。
  10. 前記ローリング制御値生成部は、前記角度基準値と前記検出値から得られた演算値とを比較して算出された傾斜偏差に基づいて前記ローリング制御値を生成する請求項1から9のいずれか一項に記載の作業車。
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