JP2014022173A - ヒューズ - Google Patents

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裕介 松本
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Abstract

【課題】 ヒューズ本体が高温となった場合であっても、ハウジングの溶損を防止できるヒューズを提供する。
【解決手段】本発明に係るヒューズ100は、電気接続箱1の装着部5に取り付けられ、装着部5内に設けられたタブ端子7と接続される。ヒューズ100は、タブ端子7と接続されて定格以上の電流を遮断するヒューズ本体200と、ヒューズ本体200を収容するハウジング300と、ヒューズ本体200とハウジング300との間に設けられ、ヒューズ本体200よりも熱伝導率が低い材料によって形成される低伝導部材400とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、ヒューズに関し、特に、車両に搭載されるヒューズに関する。
従来から、自動車等の車両には、各種電子機器が搭載されており、これらの電子機器に所望の電力を供給するための電力伝送ラインが数多く配索されている。この電力伝送ラインには、各電子機器の電気回路を保護するために、複数のヒューズを抜き出し可能に設けられる電気接続箱(いわゆる、ヒューズボックス)が設けられている。
このような電気接続箱に使用されるヒューズは、導通性のヒューズ本体と、ヒューズ本体を収容する絶縁性のハウジングとを備えている。ヒューズ本体は、箱状をなす一対の端子部と、定格以上の電流(いわゆる、過電流)を遮断する可溶部とを備えており、これらを金属で一体形成されている。
一対の端子部は、電気接続箱に設けられた相手側端子と接続するバネ片と、外側に位置してハウジングの内面に係止する係止片とを備えている。可溶部は、一対の端子部同士を連結して溶断箇所(いわゆる、ヒートスポット)が設けられた可溶導体部と、可溶導体部に取り付けられる低融点金属とを備えている。
このようなヒューズは、ハウジングが電気接続箱の装着部などに装着されることによって、一対の端子部が装着部内の相手側端子と接続される。そして、ヒューズは、可溶部に定格以上の電流が通電されると、低融点金属が溶融し、溶融した低融点金属が溶断箇所に拡散して、溶断箇所の融点を低下させる。これにより、溶断箇所の発熱が促進され、溶断箇所が溶断して通電を遮断できる。
特開2004−281078号公報
しかしながら、上述した従来のヒューズでは、例えば高定格(100アンペアや120アンペア、140アンペア等)の場合、一対の端子部及び可溶部(特に、溶断箇所)が発熱しやく、ヒューズ本体自体が高温となることが想定される。この場合、ヒューズ本体で生じた高温の熱が各係止片からハウジングの内面へ伝わり、ハウジングが溶損してしまう虞があった。
そこで、本発明は、ヒューズ本体が高温となった場合であっても、ハウジングの溶損を防止できるヒューズの提供を目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、電気接続箱の装着部に取り付けられ、前記装着部内に設けられた相手側端子と接続されるヒューズであって、前記相手側端子と接続されて定格以上の電流を遮断するヒューズ本体と、前記ヒューズ本体を収容するハウジングと、前記ヒューズ本体と前記ハウジングとの間に設けられ、前記ヒューズ本体よりも熱伝導率が低い材料によって形成される低伝導部材とを備えることを要旨とする。
かかる特徴によれば、ヒューズは、ヒューズ本体及びハウジングに加えて、ヒューズ本体よりも熱伝導率が低い材料によって形成される低伝導部材を備える。これにより、ヒューズ本体で生じた高温の熱が低伝導部材によりハウジングに伝わりにくくなる。このため、ヒューズ本体が高温となった場合であっても、ハウジングの溶損を防止できるとともに、ヒューズが装着される電気接続箱の装着部の溶損をも防止できる。
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係るヒューズであって、前記ヒューズ本体は、前記ヒューズ本体の外側に設けられて前記低伝導部材を加締め固定する加締片を備え、前記低伝導部材は、前記加締片が折り曲げられて固定される穴部を備えることを要旨とする。
かかる特徴によれば、ヒューズ本体は、低伝導部材を加締め固定する加締片を備え、低伝導部材は、加締片が折り曲げられて固定される穴部を備える。つまり、低伝導部材がヒューズ本体に一体化される。これにより、ハウジングにヒューズ本体を装着することで、ヒューズ本体とハウジングとの間に低伝導部材が配置される。このため、低伝導部材の装着作業が容易となり、ヒューズの製造コストを低減できる。
本発明の第3の特徴は、本発明の第2の特徴に係るヒューズであって、前記ハウジングは、前記加締片により固定された前記低伝導部材が係止される係止部を備えることを要旨とする。
かかる特徴によれば、ハウジングは、加締片により固定された低伝導部材が係止される係止部を備える。これにより、低伝導部材は、ハウジングの内面に係止する係止片の役割も兼ねている。このため、ハウジングの内面にヒューズ本体を係止するための係止手段を別途設ける必要がなく、ヒューズの製造コストを低減できる。
本発明の特徴によれば、ヒューズ本体が高温となった場合であっても、ハウジングの溶損を防止できるヒューズを提供することができる。
図1は、本実施形態に係る電気接続箱及びヒューズを示す分解斜視図である。 図2は、本実施形態に係る電気接続箱及びヒューズの組付状態を示す断面図である。 図3は、本実施形態に係るヒューズ100を示す分解斜視図である。 図4は、本実施形態に係るヒューズ本体200を示す図である。 図5は、本実施形態に係るヒューズ本体200を示す展開図である。 図6は、本実施形態に係る低伝導部材400を示す図である。 図7は、本実施形態に係るヒューズ本体200に低伝導部材400が取り付けられた状態を示す図である。
次に、本発明に係るヒューズの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
(電気接続箱の構成)
まず、本発明に係るヒューズ100が装着される電気接続箱1の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る電気接続箱1及びヒューズ100を示す分解斜視図である。図2は、本実施形態に係る電気接続箱1及びヒューズ100の組付状態を示す断面図である。
図1及び図2に示すように、電気接続箱1は、箱状(図面では一部)の箱本体3と、箱本体3内に収容された配線盤(不図示)とを備えている。箱本体3には、上方が開口してヒューズ100が装着される装着部5と、自動車等の車両に配索されるワイヤハーネスのコネクタが嵌合するコネクタ嵌合部(不図示)とが設けられている。
装着部5は、上方が開口した箱状に形成されており、箱本体3に複数立設されている。装着部5の内部には、配線盤(不図示)のバスバーに設けられた帯板状のタブ端子7(相手側端子)が設けられている。
このような電気接続箱1は、車両に搭載されるバッテリなどの電源と各種電子機器との間、すなわち、各種電子機器に所望の電力を供給するための電力伝送ライン上に配索されている。
(ヒューズの構成)
次に、上述したヒューズ100の構成について、図面を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係るヒューズ100を示す分解斜視図である。図4は、本実施形態に係るヒューズ本体200を示す図である。図5は、本実施形態に係るヒューズ本体200を示す展開図である。図6は、本実施形態に係る低伝導部材400を示す図である。図7は、本実施形態に係るヒューズ本体200に低伝導部材400が取り付けられた状態を示す図である。
図1〜図3に示すように、ヒューズ100は、電気接続箱1の装着部5に取り付けられるタイプのヒューズであり、装着部5内に設けられたタブ端子7と接続される。具体的には、図2及び図3に示すように、ヒューズ100は、電気接続箱1のタブ端子7と接続されて定格以上の電流(いわゆる、過電流)を遮断するヒューズ本体200と、ヒューズ本体200を収容するハウジング300と、ハウジング300よりも熱伝導率が低い材料によって形成される低伝導部材400とを備えている。
ヒューズ本体200は、図3及び図4に示すように、電気接続箱1のタブ端子7と接触する一対の端子部210と、一対の端子部210を連結して定格以上の電流を遮断する可溶部220とを備えており、これらが金属で一体形成されている。
一対の端子部210は、互いに並設される箱状の端子本体211と、端子本体211の内側に設けられたバネ片212と、端子本体211の外側に設けられて低伝導部材400を固定する固定部213とを備えている。
端子本体211は、図5に示すように、底板211Aと、底板211Aの左右両側に連なる両側板211Bと、一方の側板211Bに連なって底板211Aに対向可能な天板211Cとによって構成されている。
バネ片212は、天板211Cと一体に形成されており、該天板211Cから折り曲げられることによって形成されている。固定部213は、底板211Aから立設可能に形成されている。この固定部213の両側部には、低伝導部材400を加締め固定する一対の加締片214が形成されている。
可溶部220は、端子部210同士を連結する可溶導体部221と、可溶導体部221よりも融点の低い金属(例えば、錫や錫合金)によって形成される低融点金属222と、低融点金属222を加締め固定する一対の金属加締片223とによって構成されている。可溶導体部221には、可溶導体部221が幅狭となって溶断箇所となるヒートスポット224が設けられている。
ハウジング300は、図1〜図3に示すように、ヒューズ本体200を上方の開口部311から収容するハウジング本体310と、開口部311側からハウジング本体310に装着されるハウジングカバー320とを備えている。
ハウジング本体310は、絶縁性を有する合成樹脂によって形成されており、下側が2方向に分岐した四角筒状に形成されている。ハウジング本体310は、一対の端子部210を収容する一対の端子収容室312を備えている。各端子収容室312内には、固定部213により固定された低伝導部材400が係止される係止溝部313(図2参照)が形成されている。また、ハウジング本体310の外壁(前後面)には、ハウジングカバー320が係合する係合突起314が形成されている。
ハウジングカバー320は、可溶部220を視認可能なように、透過性の材料(例えば、ポリエーテルスルホン(PES))によって形成されている。ハウジングカバー320には、ハウジング本体310の係合突起314と係合する係合部321が形成されている。
低伝導部材400は、ヒューズ本体200とハウジング300との間に設けられる。低伝導部材400は、図6に示すように、板状に形成されており、ヒューズ本体200よりも熱伝導率が低い材料(例えば、セラミック)によって形成されている。低伝導部材400は、厚み方向に貫通する穴部410が形成されている。図7に示すように、この穴部410に一対の加締片214が折り曲げられて固定されることによって、低伝導部材400がヒューズ本体200の外側に固定される。そして、低伝導部材400は、ハウジング本体310の係止溝部313に係止される。
(ヒューズの組立方法)
次に、上述したヒューズ100の組立方法について、図面を参照しながら説明する。
まず、一枚の板金に打ち抜き加工が施されて図5に示す展開状のヒューズ本体200が形成され、この展開状のヒューズ本体200に曲げ加工が施されることによって、箱状のヒューズ本体200が形成される。そして、金属加締片223に低融点金属222を加締固定して熱溶着させるとともに、低伝導部材400が加締片214によりヒューズ本体200の外側に固定される(図7参照)。このとき、固定部213が略90度に折り曲げられる。
次いで、ハウジング本体310内にヒューズ本体200を装着する。すると、図2に示すように、略90度に折り曲げられた固定部213が除々に傾斜角が小さくなって、加締片214により固定された低伝導部材400は、ハウジング本体310の係止溝部313に係止される。
次いで、ハウジング本体310の開口部311側からハウジングカバー320を装着し、ハウジング本体310の係合突起314に、ハウジングカバー320の係合部321を係合する。これにより、ハウジング本体310とハウジングカバー320とが固定されて、ハウジング300内にヒューズ本体200が収容されることでヒューズ100が組み立てられる。
その後、ヒューズ100が電気接続箱1の装着部5(図1及び図2参照)に装着されると、端子本体211内にタブ端子7が挿入される。このとき、バネ片212は、端子本体211内に挿入されたタブ端子7を端子本体211の内面に向かって押圧する。これにより、ヒューズ本体200とタブ端子7が互いに接続される。
このような電気接続箱1に装着されたヒューズ100は、電源と電子機器とを接続するとともに、可溶部220に定格以上の電流(いわゆる、過電流)が通電されると、低融点金属222が溶融して、溶融した低融点金属222がヒートスポット224に拡散し、ヒートスポット224の融点を低下させる。これにより、ヒートスポット224の発熱が促進され、ヒートスポット224が溶断し、電源から電子機器への通電が遮断される。
(作用・効果)
以上説明した本実施形態では、ヒューズ100は、ヒューズ本体200及びハウジング300に加えて、ヒューズ本体200よりも熱伝導率が低い材料によって形成される低伝導部材400を備える。これにより、ヒューズ本体200で生じた高温の熱が低伝導部材400によりハウジング300に伝わりにくくなる。このため、ヒューズ本体200が高温となった場合であっても、ハウジング300の溶損を防止できるとともに、ヒューズ100が装着される電気接続箱1の装着部5の溶損をも防止できる。
本実施形態では、ヒューズ本体200は、低伝導部材400を加締め固定する金属加締片223を備え、低伝導部材400は、金属加締片223が折り曲げられて固定される穴部410を備える。つまり、低伝導部材400がヒューズ本体200に一体化される。これにより、ハウジング300にヒューズ本体200を装着することで、ヒューズ本体200とハウジング300との間に低伝導部材400が配置される。このため、低伝導部材400の装着作業が容易となり、ヒューズ100の製造コストを低減できる。
本実施形態では、ハウジング300は、金属加締片223により固定された低伝導部材400が係止される係止溝部313を備える。これにより、低伝導部材400は、ハウジング300の内面に係止する係止片の役割も兼ねている。このため、ハウジング300の内面にヒューズ本体200を係止するための係止手段を別途設ける必要がなく、ヒューズ100の製造コストを低減できる。
本実施形態では、低伝導部材400は、セラミックによって形成される。これにより、安価な材料でヒューズ100を製造でき、ヒューズ100の製造コストの低減に寄与する。
(その他の実施形態)
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。具体的には、低伝導部材400は、セラミックにより形成されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、ヒューズ本体200よりも熱伝導率が低い材料であればよい。
また、低伝導部材400は、金属加締片223によってヒューズ本体200の外側に固定されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、ヒューズ本体200とハウジング300との間に介在していればよい。なお、低伝導部材400の形状については、実施形成で説明したものに限定されるものではないことは勿論である。
また、ハウジング本体310とハウジングカバー320とは、係合突起314と係合部321との係止によって固定されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、その他のロック機構等によって固定されるものであってもよい。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
1…電気接続箱
3…箱本体
5…装着部
7…タブ端子(相手側端子)
100…ヒューズ
200…ヒューズ本体
210…端子部
211…端子本体
212…バネ片
213…固定部
214…加締片
220…可溶部
221…可溶導体部
222…低融点金属
223…金属加締片
224…ヒートスポット
300…ハウジング
310…ハウジング本体
311…開口部
312…端子収容室
313…係止溝部
314…係合突起
320…ハウジングカバー
321…係合部
400…低伝導部材
410…穴部

Claims (3)

  1. 電気接続箱の装着部に取り付けられ、前記装着部内に設けられた相手側端子と接続されるヒューズであって、
    前記相手側端子と接続されて定格以上の電流を遮断するヒューズ本体と、
    前記ヒューズ本体を収容するハウジングと、
    前記ヒューズ本体と前記ハウジングとの間に設けられ、前記ヒューズ本体よりも熱伝導率が低い材料によって形成される低伝導部材と
    を備えることを特徴とするヒューズ。
  2. 請求項1に記載のヒューズであって、
    前記ヒューズ本体は、前記ヒューズ本体の外側に設けられて前記低伝導部材を加締め固定する加締片を備え、
    前記低伝導部材は、前記加締片が折り曲げられて固定される穴部を備えることを特徴とするヒューズ。
  3. 請求項2に記載のヒューズであって、
    前記ハウジングは、前記加締片により固定された前記低伝導部材が係止される係止部を備えることを特徴とするヒューズ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016040758A (ja) * 2014-08-12 2016-03-24 矢崎総業株式会社 電子部品

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