JP2014021101A - テレメータ式呼気ガス分析装置 - Google Patents

テレメータ式呼気ガス分析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】テレメータを用いた携帯型の呼気ガス分析装置は、被検者を拘束しないで使用できるという特長があるが、障害物等により電波が遮断されると受信側のデータが一部欠落し、正確な分析ができなくなるという問題がある。
【解決手段】検査時に、測定データの一部又は全部に識別符号を付与して記憶部に記憶するとともにテレメータで伝送して受信側の受信データ記憶部に記憶し、受信側で検査状況をモニタし、検査後、送信側と受信側の記憶部に記憶したデータを比較し、欠落したデータがあれば補完できるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は呼気ガス分析データをテレメータで伝送するテレメータ式呼気ガス分析装置に関するもので、特に、伝送時に電波障害等によりデータの欠落が生じたとき、これを検出し、検査後にこれを補完し、正確なデータを得ることができるようにした呼気ガス分析装置に関するものである。
呼気ガス分析装置は、呼吸気の流量とガス濃度を測定し、これらのデータから所望の呼気ガス分析データを得るもので、生体機能の評価や各種疾患の診断、治療効果の評価等に用いる。
呼気ガス分析装置には、呼吸代謝を測定する呼吸代謝測定装置や、ピロリ菌の有無を検査するピロリ菌検査その他各種ものがあるが、ここでは呼吸代謝測定装置を例にして述べる。
従来の呼吸代謝測定用の呼気ガス分析装置の例を図3に示す。図3(A)は装置のブロック図で、図3(B)は測定時に被検者がセンサ部を装着したときの様子である。
装置は、図3(A)に示すように、センサ部21と本体部で構成され、センサ部21は呼吸流量センサ22を、本体部は制御部23とガス分析計25を、それぞれ有する。
センサ部21は呼吸マスク2Mで集めた全ての呼吸気を通過させるもので、その内部に呼吸流量センサ22を設けるとともに、サンプリング回路23を接続して呼吸気のサンプルガスを採取するようにしている。
呼吸流量センザ22はセンサ部21を通過する呼吸気の流量を測定し電気信号に変換して、信号線2Lを介して制御部24に伝送する。
サンプリング回路23は、その一端をセンサ部21に、他端をガス分析計25に、それぞれ接続しており、センサ部21を通過する呼吸気の一部をサンプルガスとしてガス分析計25に導入する。サンプリング回路23には、通常、サンプリングチューブ又はキャピラリと称する細管が用いられる。
図には記載していないが、サンプリング回路23にガス輸送部(空気ポンプなど)を接続し、サンプリング回路23の内部のサンプルガスをガス分析計25に強制的に輸送するようにしている。
ガス分析計25は、サンプリング回路23を経由して輸送されるサンプルガスに含まれる測定対象ガスのガス濃度を測定し、その結果を制御部24に転送する。
呼気ガス分析では、目的によって様々なガスを分析するが、呼吸代謝測定用呼気ガス分析では、測定対象ガスは酸素ガスと炭酸ガスであり、ガス分析計25としては酸素ガス分析計と炭酸ガス分析計を用いる。ただし、呼吸気ガスは、通常、酸素ガスと炭酸ガスと窒素ガスで構成され、このうち窒素ガスは生体に対して不活性ガスであるため、酸素ガスと炭酸ガスの一方を測定すれば、他方も求めることはできる。つまり、酸素ガス分析計と炭酸ガス分析計の一方を用いてもよい。
制御部24は、呼吸流量センサ22から流量のデータを受け取り、各種の流量に関するデータを算出する。
流量をある期間に積分すると気量(体積)を求めることができる。例えば、1回の吸気時にわたって流量を積分すると、1回吸気量(1回の吸気で肺に吸い込む空気の量)を得ることができる。同様に、1回呼気量や、分時(1分間当たりの)吸気量、分時呼気量などを求めることができる。
また、制御部24は、ガス分析計25のデータを受け取り、ガス濃度に関する各種データ、例えば、所定期間の平均酸素ガス濃度や平均炭酸ガス濃度(吸気平均酸素ガス濃度や吸気平均炭酸ガス濃度、呼気平均酸素ガス濃度、呼気平均炭酸ガス濃度など)などを算出する。
さらに、制御部24は、流量に関するデータとガス濃度に関するデータを組み合わせて、呼吸気に含まれる測定対象ガスの量、例えば、1回吸気中の酸素ガス量と炭酸ガス量、1回呼気中の酸素ガス量と炭酸ガス量、1分間あたりの呼気と吸気中の酸素ガス量と炭酸ガス量などを求めることができる。
呼吸時の呼気と吸気の酸素ガス量を比較すると、生体の酸素摂取量や炭酸ガス排泄量などの呼吸代謝に関するデータを得ることができる。例えば、1回の呼吸時の呼気と吸気の酸素ガス量を比較すると1回呼吸時酸素ガス摂取量を求めることができる。同様に、呼気と吸気の炭酸ガス量を比較すると、1回呼吸時炭酸ガス排泄量や、分時酸素ガス摂取量、分時炭酸ガス排泄量なども求めることができる。
ここでは、呼吸流量センサ22で測定されたデータを流量データ、ガス分析計25で測定されたデータをガス濃度データ、これらのデータから算出されたデータを分析データとする。
図3には明示していないが、装置は流量データやガス濃度データ、分析データ等を記憶する記憶部を有する。
このようにして得られたデータは、それ自体が生体機能の評価や各種疾患の診断、治療効果の評価等に有用であるが、分析データをさらに解析し、例えばAT(anaerobic threshold;嫌気性代謝閾値)等の解析データを求めるようにしている。
ATは、図4(A)のように、分時呼気換気量(VE)や分時酸素摂取量(VO2)、分時炭酸ガス排泄量(VCO2)等の呼気ガス分析データを解析し、トレンドを見て、判定する。図4(B)のように、分時酸素摂取量と分時炭酸ガス排泄量のグラフから求める方法もある。
ATは被検者の体力の指標とされ、心疾患や運動器疾患その他のリハビリテーションにおいて、最適な運動量を処方するための基本的な指標として利用されている。
従来は、装置の傍に被検者を連れてきて検査をおこなう据え置き型の呼気ガス分析装置が使用されていたが、運動時の呼吸代謝測定のように、被検者を拘束しないで測定したいというニーズが増加しているため、携帯型が使用されるようになった。
携帯型呼気ガス分析装置には、データロガー式とテレメータ式がある。データロガー式は、図3に示す従来の装置を携帯型にしたような、測定データを記憶部に記憶させ、測定終了後に記憶したデータを読み取って分析する。テレメータ式は、測定中に測定データをテレメータで伝送して、受信部で被検者の様子とデータを監視する。
データロガー式は測定中のデータを確認することができないが、テレメータ式は測定中にもデータをモニタすることができるため、テレメータ式を使用することが多い。
テレメータ式の呼気ガス分析装置の例を図5に示す。装置は、呼吸流量センサ22を内蔵したセンサ部21と、呼吸気の中の測定対象ガスのガス濃度を測定するガス分析計25、呼吸気の流量データとガス濃度データから呼吸代謝データ等の諸分析データを得る制御部24、分析データを無線で伝送する伝送部27、伝送部27で伝送した分析データを受信する受信部28、受信した分析データをさらに解析する解析手段を有する処理部29と、分析データやそれを解析した解析データを表示する表示部20を有する。
図4の装置は送信側には記憶部を有していない。このため、送信した分析データが全て正しく受信されると、正確な呼気ガス分析を受信側でおこなうことができる。
しかし、無線のパスを異物が横断したり、電磁障害があると、全てのデータを正常に受信できず、データの欠落が生じることがあり、これを解析すると、解析に誤りが生じる。
この問題を解決するために、図6のように、送信側に記憶部26を追加し、分析データをテレメータで送信するとともに、記憶部26に記憶するようにし、測定後に、記憶部26に記憶した分析データを用いて、解析をおこなうようにしたものが開示されている(例えば特許文献1など)。
図6の装置を用いると、測定中に受信側で分析データを確認したり、分析データを解析して例えばATのような指標を求めることができ、しかも、受信した分析データの一部にデータの欠落が生じると、測定後に、記憶部26に記憶させた欠落のない分析データを用いて解析をおこなうことができるため、正確なデータ解析もできる。
特許第3061173号
しかし、特許文献1を含めて従来のテレメータ式呼気ガス分析装置は、テレメータで伝送したデータに欠落が生じても、これを検出する手段を有していなかった。
このため、測定時に患者の様子をモニタしていても、データの欠落が生じているのかどうかを知ることはできず、受信したデータが正しいかどうか、判断することはできない。
分析データが正しいかどうか判らないと、これを用いた解析データも正しいかどうか判らない。データの欠落が生じてもそれに気付かず、そのまま欠落した分析データを用いて解析をおこない、誤った解析結果を得るということがあった。解析結果が誤りであれば、例えばAT値も誤りであるため、間違ったATを用いて、例えば心臓疾患患者の運動処方をおこなうと、患者にとって運動量が過大に又は過小になって、患者を危険にさらしたり、治療効果が得られなかったりすることがあった。
本発明はこのような問題を解決することを目的とする。
そこで、請求項1記載の発明では、
呼吸気の流量を測定する呼吸流量測定手段と、
前記呼吸気の所定ガスのガス濃度を測定するガス濃度測定手段と、
前記流量と前記ガス濃度から所定の分析データを求めるデータ分析手段と、
を有する呼気ガス分析装置において、
前記流量に関するデータと前記ガス濃度に関するデータと前記分析データの中の一部又は全部のデータに、個々に、他のデータと識別できるヘッダコードを付与してヘッダコード付データを作成するヘッダコード付与手段と、
前記ヘッダコード付データを記憶部に保存する記憶手段と、
前記ヘッダコード付データを無線で送信する送信手段と、
前記送信手段で送信した前記ヘッダコード付データを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した前記ヘッダコード付データを保存する受信データ記憶手段と、
を有するテレメータ式呼気ガス分析装置とした。
請求項2記載の発明では、請求項1記載のテレメータ式呼気ガス分析装置において、
前記ヘッダコードはデータの欠落を検出できるデータ欠落検出情報を付け、
データの欠落があるときにデータ欠落表示をおこなうようにした。
請求項3記載の発明では、請求項1又は請求項2記載のテレメータ式呼気ガス分析装置において、
呼気ガス分析検査を開始する前に、当該呼気ガス分析検査特有のタグコードを作成して前記記憶手段の記憶部と前記受信データ記憶手段の記憶部に転送して、前記タグコードをファイル名とするデータ保存領域を設け、
呼気ガス分析検査時に、前記記憶手段の記憶部と前記受信データ記憶手段の記憶部の前記タグコードをファイル名とする前記データ保存領域に前記ヘッダコード付データを保存するようにした。
請求項4記載の発明では、請求項1から請求項3のいずれかに記載したテレメータ式呼気ガス分析装置において、
前記記憶手段に記憶したデータと前記受信データ記憶手段に記憶したデータを比較し、前記記憶手段と前記受信データ記憶手段のいずれかに前記ヘッダコード付データが欠落している場合、欠落した前記ヘッダコード付データを補完するデータ補完手段を設けた。
請求項1記載の発明により、1回の測定で得られる全ての分析データにヘッダコードを付け、ヘッダコード付データを送信側の記憶部に保存するとともに、同じヘッダコード付データをテレメータで伝送し、受信側の記憶部に格納するようにした。
全ての分析データに他の分析データと識別できるヘッダコードを付けているため、どのデータが欠落したかを検出して表示することができる。
ヘッダコードに測定日時を入れると、受信部の解析手段で、時系列のトレンドグラフを作成することができ、この中にデータの欠落があると、トレンドグラフ中のどのデータが欠落したかを眼で見て確認することができる。また、ヘッダコードに通し番号を付けると、何番目のデータが欠落しているかを簡単に知ることができる。
トレンドグラフ中の欠落したデータは、欠落データの前後のデータから補間して推定のデータを得ることができ、トレンドの確認をおこなうことができる。
正確なデータ解析は、検査後に請求項4記載の発明により、送信側の記憶部に記憶させた分析データを用いて解析をおこなえば、正確な解析結果が得られ、疾患の診断や運動処方を正確におこなうことができる。
請求項2記載の発明により、請求項1記載のテレメータ式呼気ガス分析装置において、前記ヘッダコードにデータの欠落を検出できるデータ欠落検出手段を設け、
データの欠落があるときにデータ欠落表示をおこなうようにした。
データ欠落検出手段としては、例えば、ヘッダコードに測定日時を用いればよい。ヘッダコードに測定日時を入れると、受信部で受信データをチェックして、どの時間のデータが欠落しているかを容易に知ることができる。また、ヘッダコードに通し番号を付けると、何番目のデータが欠落しているかを簡単に知ることができる。
データの欠落を検出すると、それを表示すればよい。
データ解析手段で、分析データを時系列で表示すると、トレンドグラフを作成することができ、この中にデータの欠落があると、トレンドグラフ中のどの時間のデータが欠落したかを眼で見て確認することができる。
データ解析手段に、欠落した前後のデータから、欠落したデータの値を補間して推定値を求めると、仮のトレンドグラフを作成でき、仮のデータ解析をおこなうことができ、被検者の大よその代謝状態を把握できる。
正確なデータ解析を行い、例えば正確なAT値を求めて正確な運動処方をおこないたい場合は、請求項4記載の方法で、欠落したデータを補完して完全な分析データを得て、データ解析をおこなえば、正確なデータを得ることができ、正しい運動処方をおこなうことができる。
請求項3記載の発明により、請求項1又は請求項2記載のテレメータ式呼気ガス分析装置において、
呼気ガス分析検査を開始する前に、当該呼気ガス分析検査特有のタグコードを作成して前記記憶手段の記憶部と前記受信データ記憶手段の記憶部に転送して、前記タグコードをファイル名とするデータ保存領域を設け、
呼気ガス分析検査時に、前記記憶手段の記憶部と前記受信データ記憶手段の記憶部の前記タグコードをファイル名とする前記データ保存領域に前記ヘッダコード付データを保存するようにした。
ヘッダコードとタグコードを組み合わせて、データの通し番号、測定日時をつけておくと、データの紐付けをおこなうことができるため、複数回の測定をおこなっても、個々のデータを混同することは無く、分析データを正しく解析することができる。
さらに、送信側に識別コードを設けてヘッダコードとタグコードに付けると、送信側に複数台数の装置を用いても、データを紐付けすることができる。
つまり、本請求項記載の発明により、請求項1記載の測定・解析を、複数回おこなうことができ、また、送信側に複数台数を用いて同時に測定することができる。
請求項4記載の発明により、請求項1から請求項3のいずれかに記載したテレメータ式呼気ガス分析装置において、
前記記憶手段に記憶したデータと前記受信データ記憶手段に記憶したデータを比較し、前記記憶手段と前記受信データ記憶手段のいずれかに前記ヘッダコード付データが欠落している場合、欠落した前記ヘッダコード付データを補完するデータ補完手段を設けた。
つまり、テレメータで伝送したデータに欠落があっても、これを認識した上で、送信側の記憶部に記憶した欠落のない正確な分析データを用いて、データ解析することができる。
このため、解析結果は正確で、それを用いた運動処方も正確であり、患者に処方する運動量に過不足は無く、安全で効果的なリハビリテーションを行うことができる。
以下に、実施例により、本発明を詳しく説明する。
本発明の実施例を図1に示す。
装置は、図1に示すように、従来の図6のような装置と同様、呼吸流量計センサ2、制御部4、ガス分析計5、記憶部6、送信部7、受信部8、処理部9、受信記憶部10を有する。
測定時には、呼吸流量計センサ2はセンサ部1を通過する呼吸気の流量を測定し電気信号に変換して、制御部4に伝送する。
ガス分析計5は、サンプリング回路3を経由して輸送される呼吸気のサンプルガスに含まれる測定対象ガスである酸素ガスと炭酸ガスのガス濃度を測定し、その結果を制御部4に転送する。
制御部4は、呼吸流量センサ2から流量のデータを受け取り、ある期間の平均流量等の流量に関する諸データを算出する。
また、流量をある期間に積分して、気量(体積)に関する諸データ、例えば、1回吸気量や1回呼気量、分時吸気量、分時呼気量などを求める。
さらに、制御部4は、ガス分析計5のデータを受け取り、ガス濃度に関する各種データ、例えば、所定期間の平均酸素ガス濃度や平均炭酸ガス濃度(吸気平均酸素ガス濃度や吸気平均炭酸ガス濃度、呼気平均酸素ガス濃度、呼気平均炭酸ガス濃度など)などを算出する。
さらに、制御部4で、流量に関するデータとガス濃度に関するデータを組み合わせて、呼吸気に含まれる測定対象ガスの量、例えば、1回吸気中の酸素ガス量と炭酸ガス量、1回呼気中の酸素ガス量と炭酸ガス量、1分間あたりの呼気と吸気中の酸素ガス量と炭酸ガス量などを求めることができる。
呼吸時の呼気と吸気の酸素ガス量を比較すると、生体の酸素摂取量や炭酸ガス排泄量などの呼吸代謝に関するデータを得ることができる。例えば、1回の呼吸時の呼気と吸気の酸素ガス量を比較すると1回呼吸時酸素ガス摂取量を求めることができる。同様に、呼気と吸気の炭酸ガス量を比較すると、1回呼吸時炭酸ガス排泄量や、分時酸素ガス摂取量、分時炭酸ガス排泄量なども求めることができる。
以上の、呼吸流量センサ2で測定した流量データ、流量データから算出した流量に関する諸データ、ガス分析計5で測定したガス濃度データ、ガス濃度データから算出されるガス濃度に関する諸データ、測定対象ガスの量、これらのデータから得られる呼吸代謝データ等、得られるデータのうち、テレメータで伝送してデータ解析に用いるデータを、ここでは分析データとする。
請求項1記載の発明は、
[請求項1]
呼吸気の流量を測定する呼吸流量測定手段と、
前記呼吸気の所定ガスのガス濃度を測定するガス濃度測定手段と、
前記流量と前記ガス濃度から所定の分析データを求めるデータ分析手段と、
を有する呼気ガス分析装置において、
前記流量に関するデータと前記ガス濃度に関するデータと前記分析データの中の一部又は全部のデータに、個々に、他のデータと識別できるヘッダコードを付与してヘッダコード付データを作成するヘッダコード付与手段と、
前記ヘッダコード付データを記憶部に保存する記憶手段と、
前記ヘッダコード付データを無線で送信する送信手段と、
前記送信手段で送信した前記ヘッダコード付データを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した前記ヘッダコード付データを保存する受信データ記憶手段と、
を有するテレメータ式呼気ガス分析装置である。
前述のように、流量に関するデータと前記ガス濃度に関するデータ、呼吸代謝データ等、多くのデータが測定で得られるが、この中の一部又は全部のデータを解析に利用する。このデータが分析データである。
この分析データの個々のデータに、他のデータと識別できる固有のヘッダコードを付与してヘッダコード付データを制御部4で作成する。
このヘッダコード付データを記憶部6に記憶させるとともに、テレメータで受信部に転送する。
ヘッダコード付データは、図1(B)に示すように、データDにヘッダコードIDを付けた構造にしている。データの構造はどのようにしてもよく、要は、分析データの個々のデータが他のデータと識別できればよい。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のテレメータ式呼気ガス分析装置において、
前記ヘッダコードはデータの欠落を検出できるデータ欠落検出手段を設けた。
データは所定のサンプリング時間間隔で測定される。このため、分析データに、測定時間と測定順番の情報を与えると、測定後に、測定時と同じ分析をおこなうことができ、しかも、データが欠落していないかを検出できる。
つまり、ヘッダコードに、測定時間と測定した順番のいずれかを、又は両方を用いると、本請求項記載の発明を実現できる。
測定ごとに測定順番を付けて記憶部に記憶させるとともにテレメータで送信すると、受信側でヘッダコードをチェックすることで、何番目のデータが欠落しているかがわかる。このヘッダコードに測定時間もつけておくと、後でデータの分析・解析をおこなうとき、測定時と同様に分析・解析をおこなうことができる。サンプリング時間の間隔が既知であれば、ヘッダコードに測定時間情報を入れておかなくても、測定順番と既知のサンプリング時間間隔から、時間軸でのデータ分析・解析をおこなうことができる。
本請求項記載の発明により、受信側でデータを受信しながら被検者及びそのデータを監視する場合、受信データに欠落があるかどうかを即時的に知ることができるため、誤ったデータ処理結果を誤って使用することは無くなる。データの欠落がある場合、測定時の監視中は、傾向を把握する程度にして、正確な解析は送信側に記憶したデータを用いればよいう。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載のテレメータ式呼気ガス分析装置において、
呼気ガス分析検査を開始する前に、当該呼気ガス分析検査特有のタグコードを作成して前記記憶手段の記憶部と前記受信データ記憶手段の記憶部に転送して、前記タグコードをファイル名とするデータ保存領域を設け、
呼気ガス分析検査時に、前記記憶手段の記憶部と前記受信データ記憶手段の記憶部の前記タグコードをファイル名とする前記データ保存領域に前記ヘッダコード付データを保存するようにしたものである。
本請求項記載の発明は、複数回の呼気ガス分析検査を可能にするものである。
検査に先立ち、制御部4で、他の検査と区別できる今回の検査特有のタグコードを作成し、これを送信側の記憶部6に転送するとともに、テレメータで受信側の記憶部10に転送し、タグコードをファイル名として、データ保存領域を確保する。この方式では送信側と受信側の記憶部に作成したデータ保存領域のファイル名は同じであるが、ファイル名は異なっていても、対応してアクセスできるようにすればよい。
1回の呼気ガス分析で分析データとして複数個(n個)のデータが得られる。これを記憶部のフォルダ名がFNsのデータフォルダに保存するとともに、テレメータで送信し、受信側の記憶部のフォルダ名がFNrのデータフォルダに保存する。この様子を図1(C)に示す。このデータフォルダFNsとFNrは1対1に対応して、両者には同じデータが保存される。ここに保存されるデータは請求項1又は請求項2に記載したヘッダコード付きのデータである。
その後、検査をおこなう場合、フォルダ名が記憶部に存在する既存のフォルダ名と識別できるフォルダ名を設けて、同様に測定データを保存する。このようにして、複数回の検査を行い、その結果を保存することができる。
このようにして、送信側と受信側のデータフォルダと、データフォルダに保存するデータは、1回の検査ごとに関連付けられている。つまり、紐付けしたデータである。
このため、N回目の検査と指定すると、N回目の検査データを保存するデータフォルダが、送信側の記憶部と受信側の記憶部で選択され、その内容を比較検討することができる。
このようにして、本請求項記載のテレメータ式呼気ガス分析装置を用いると、複数回の呼気ガス分析検査をおこなうことができる。
また、送信側の装置を複数台使用するようにし、各装置に他の装置から識別する識別コードを作成してタグコード又はヘッダコードに付けると、複数台の送信器を、1台の受信部を共有して、使用することができる。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載したテレメータ式呼気ガス分析装置において、
前記記憶手段に記憶したデータと前記受信データ記憶手段に記憶したデータを比較し、前記記憶手段と前記受信データ記憶手段のいずれかに前記ヘッダコード付データが欠落している場合、欠落した前記ヘッダコード付データを補完するデータ補完手段を設けたものである。
前記記憶手段の記憶部6に記憶したデータと、前記受信データ記憶手段の記憶部10に記憶したデータを比較する比較手段を有し、比較していずれかのデータが欠落しておれば、他方からデータをコピーして両方の記憶部の記憶データに欠落が無いようにする。
請求項2記載の発明で、受信したデータに欠落が無いかを検出できる。通常、送信側の記憶部6のデータには欠落は生じないため、請求項2で検出した欠落データのみを記憶部6のデータからコピーして、受信側の記憶部10のデータを補完するようにしてもよい。
受信データを解析しているとき、モニタには図4のような解析中の様子を表示する解析画面が表示される。図4は解析終了時後の表示画面であるが、解析中には、グラフの左側から、各分析データが順次追加される。
各分析データには、時間軸でトレンドグラフを作成することができるように、分析データのヘッダコードには測定時間に関する情報を付けている。このため、途中で受信データに欠落が生じると、それを飛ばして空白のまま、次に受信されるデータが表示される。
トレンドグラフに空白があると、例えばAT点を求めることができない場合がある。このため、本発明では、データの欠落が生じた場合、その前後のデータから、欠落データを推定して、補間し、仮の分析データを求めるようにしている。補間は、全ての分析データに適用することができる。この例を図2に示す。図は分時酸素摂取量(V02)と分時炭酸ガス排泄量(VC02)の関係からAT点を求める画面の例である。この例はAT点を求める途中でIP点でデータの欠落があったときの例である。IP点は飛ばして検査を進めても良いが、もしIP点近傍にAT点があると、AT点が不正確になる可能性があるため、欠落データの前後のデータから、IP点を推定し、プロットしている。
以上のように、本発明では、検査特有のタグコードとデータ特有のヘッダコードを組み合わせて、データに紐付けし、複数台数の装置を用いた場合でも、複数回の検査をおこなった場合でも、データの混同がなく、正確な呼気ガス分析をおこなうようにしたものである。この目的が達せられれば、タグコードとヘッダコードにどのようなデータを用いてもよい。
とドを他のデータと区別できる特有のヘッダコードと、を作成して用いる。どの検査(何回目の検査、誰の検査等)であるか、検査の日時、データの通し番号、測定・送信部に複数台数を用いる場合は使用機の識別コードなどを組み合わせて用いる。
例えばタグコードは、測定年月日分と識別用の数値を組み合わせて制御部4で作成し、送信側の記憶部6と受信側の記憶部10に転送し、ファイル名とする。
これに測定順番を示す数値をヘッダコードとすればよい。
これらのデータは、紐付けされたデータが得られればよく、ヘッダコードとタグコードにつけるコードの組み合わせはどのようにしてもよい。
本発明の装置の構成例であり、(A)はブロック図、(B)は分析データの構成例、(C)は記憶部6と10に記憶した分析データの構造の例である。 受信データに欠落があった場合のデータ補間の例。 従来の呼気ガス分析装置の例である。 呼気ガス分析における、分析データを用いた解析画面の例。 従来のテレメータ式呼気ガス分析装置の例。 特許文献1の呼気ガス分析装置の構成図。
1、21:センサ部 2、22:呼吸流量センサ
3、23:サンプリング回路 4、24:制御部
5、25:ガス分析計 6、26:記憶部
7、27:送信器 8、28:受信器
9、29:受信部制御部 10、20:受信部の記憶部
ID:ヘッダコード D:分析データ
FNs:記憶部のファイル名 FNr:受信部の記憶部のファール名
M:被検者

Claims (4)

  1. 呼吸気の流量を測定する呼吸流量測定手段と、
    前記呼吸気の所定ガスのガス濃度を測定するガス濃度測定手段と、
    前記流量と前記ガス濃度から所定の分析データを求めるデータ分析手段と、
    を有する呼気ガス分析装置において、
    前記流量に関するデータと前記ガス濃度に関するデータと前記分析データの中の一部又は全部のデータに、個々に、他のデータと識別できるヘッダコードを付与してヘッダコード付データを作成するヘッダコード付与手段と、
    前記ヘッダコード付データを記憶部に保存する記憶手段と、
    前記ヘッダコード付データを無線で送信する送信手段と、
    前記送信手段で送信した前記ヘッダコード付データを受信する受信手段と、
    前記受信手段で受信した前記ヘッダコード付データを保存する受信データ記憶手段と、
    を有するテレメータ式呼気ガス分析装置。
  2. 前記ヘッダコードはデータの欠落を検出できるデータ欠落検出手段を有することを特徴とする、請求項1記載のテレメータ式呼気ガス分析装置。
  3. 呼気ガス分析検査を開始する前に、当該呼気ガス分析検査特有のタグコードを作成して前記記憶手段の記憶部と前記受信データ記憶手段の記憶部に転送して、前記タグコードをファイル名とするデータ保存領域を設け、
    呼気ガス分析検査時に、前記記憶手段の記憶部と前記受信データ記憶手段の記憶部の前記タグコードをファイル名とする前記データ保存領域に前記ヘッダコード付データを保存するようにしたことを特徴とする、請求項1または請求項2記載のテレメータ式呼気ガス分析装置。
  4. 前記記憶手段に記憶したデータと前記受信データ記憶手段に記憶したデータを比較し、前記記憶手段と前記受信データ記憶手段のいずれかに前記ヘッダコード付データが欠落している場合、欠落した前記ヘッダコード付データを補完するデータ補完手段を設けたことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載したテレメータ式呼気ガス分析装置。
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