JP2014020451A - 車両用電動オイルポンプの制御装置 - Google Patents

車両用電動オイルポンプの制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】コストアップやレイアウト性の悪化を抑制しつつ、オイル温度の検出値に基づき電動オイルポンプを高精度に制御できるようにする。
【解決手段】メインコンピュータ(第1ユニット)5は、オイル温度センサ6の出力を入力し、電動オイルポンプ2の停止期間ではオイル温度の検出値を、第1信号ラインSLを介してポンプ駆動コンピュータ(第2ユニット)4に出力する。また、メインコンピュータ5は、電動オイルポンプ2の動作期間ではオイル温度の検出値に替えて電動オイルポンプ2の目標値を、第1信号ラインSLを介してポンプ駆動コンピュータ4に出力する。そして、ポンプ駆動コンピュータ4は、目標値及びオイル温度に基づき、電動オイルポンプ2に操作量を駆動回路3に出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、オイル温度の検出値に基づいて、車両用電動オイルポンプに操作量を出力する制御装置に関する。
特許文献1には、3相DCブラシレスモータの各相電流の積算値のうち、最大値に基づいてモータ電流を制限する、モータ制御装置が開示されている。
特許文献2には、供給電流に基づくモータの発熱量、及び、発熱量の積算値と周囲温度との差に基づく放熱量から温度推定値を求め、温度推定値に応じて電流上限値を設定してモータの通電を制限する、過熱保護装置が開示されている。
特開2002−238293号公報 特開2011−098625号公報
ところで、目標値を設定するユニットと、電流制限を行いつつ前記目標値に基づいて操作量を出力するユニットとが個別に設けられる場合(個別のコンピュータで構成される場合)に、双方で温度センサによる検出結果を用いることができるようにするには、双方のユニットがそれぞれに温度センサを備えて温度検出信号を直接入力するか、又は、目標値の信号を送信するための電線(ハーネス)の他に、温度検出値を送信するための電線(ハーネス)を設ける必要が生じ、コストアップやデバイスのレイアウト性の悪化などが生じてしまう。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、コストアップやレイアウト性の悪化を抑制しつつ、オイル温度の検出値に基づき電動オイルポンプを高精度に制御できるようにすることを目的とする。
そのため、本願発明は、車両用の電動オイルポンプの制御目標値を出力するユニットであって、前記電動オイルポンプの停止期間においてオイル温度の検出値を出力する第1ユニットと、前記第1ユニットが出力する前記制御目標値及びオイル温度の検出値を入力し、前記電動オイルポンプの操作量を出力する第2ユニットと、を備えるようにした。
上記発明によると、第1ユニット及び第2ユニットの双方でオイル温度の検出値を利用することができ、かつ、単独の電線(ハーネス)を用いて目標値及びオイル温度の検出値を送信することが可能となり、コストアップやレイアウト性の悪化を抑制しつつ、オイル温度の検出値に基づき電動オイルポンプを高精度に制御できる。
本願発明の実施形態における変速システムのブロック図である。 本願発明の実施形態におけるメインコンピュータ及びポンプ駆動コンピュータの機能を示すブロック図である。 本願発明の実施形態におけるメインコンピュータからポンプ駆動コンピュータに向けて送信されるパルス信号SIGの特性例を示す図である。 本願発明の実施形態におけるメインコンピュータからポンプ駆動コンピュータに向けて送信されるパルス信号SIGの特性例を示す図である。 本願発明の実施形態におけるポンプ駆動コンピュータでの電流制限処理を示すフローチャートである。 本願発明の実施形態におけるオイル温度と電流制限オフセット時間との相関を示す図である。 本願発明の実施形態における電流制限タイマと制限電流との相関を示す図である。 本願発明の実施形態におけるポンプ駆動コンピュータでのパルス信号STATEの出力処理を示すフローチャートである。 本願発明の実施形態におけるポンプ駆動コンピュータからメインコンピュータに向けて送信されるパルス信号STATEの特性例を示す図である。 本願発明の実施形態におけるポンプ駆動コンピュータからメインコンピュータに向けて送信されるパルス信号STATEの特性例を示す図である。 本願発明の実施形態におけるメインコンピュータの機能を詳細に示すブロック図である。 本願発明の実施形態におけるメインコンピュータの処理の概要を示すフローチャートである。 本願発明の実施形態におけるメインコンピュータでの正常回転時処理を示すフローチャートである。 本願発明の実施形態におけるメインコンピュータでの電流制限時処理を示すフローチャートである。 本願発明の実施形態におけるメインコンピュータでの故障時処理を示すフローチャートである。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、車両用電動オイルポンプの制御装置の一例として、車両用変速機への適用例を示す。
図1において、変速機1は、エンジン(内燃機関)の出力回転を減速するための機構であり、エンジンが搭載される車両は、例えば、エンジンと共にモータを備え、停車時や発進時にエンジンを停止させるハイブリッド車両である。
電動オイルポンプ2は、変速機1のオイルパン(図示省略)からオイルを吸い上げ、変速機1の潤滑、冷却系に対してオイルを供給する。
電動オイルポンプ2は、3相DCブラシレスモータなどの電動モータ21によってベーンポンプなどのポンプ部22を回転駆動する流体ポンプである。
電動モータ21への通電は、駆動回路3によって調整され、駆動回路3は、ポンプ駆動コンピュータ(第2ユニット)4が出力する操作量に応じて動作する。
更に、ポンプ駆動コンピュータ4は、メインコンピュータ(第1ユニット)5が出力する目標値と、制御量とに基づき、前記操作量を演算する。
目標値は、例えば、目標モータ回転数(rpm)や目標モータ電流などであり、制御量は、実際のモータ回転数(rpm)や実際のモータ電流などであり、ポンプ駆動コンピュータ4は、制御量を検出する機能を有している。
ポンプ駆動コンピュータ4とメインコンピュータ5とは、メインコンピュータ5からポンプ駆動コンピュータ4に向けて目標値を送信するための第1信号ラインSL1(第1ハーネス)と、ポンプ駆動コンピュータ4からメインコンピュータ5に向けてポンプ回転数や故障情報などを送信するための第2信号ラインSL2(第2ハーネス)とで電気的に接続されている。
図2は、ポンプ駆動コンピュータ4及びメインコンピュータ5の機能を示すブロック図である。
メインコンピュータ5の目標値演算部51は、車両の運転条件を検出する各種センサからの信号などを入力し、これら信号に基づいて、電動オイルポンプ2を駆動する電動モータ21の回転数rpm(又はモータ電流)の目標値を演算し、この目標値を指示する信号SIGを、ポンプ駆動コンピュータ4側に第1信号ラインSL1を介して送信する。
目標値演算部51が入力する信号は、一例として、電動オイルポンプ2の作動指令、ブレーキ信号、アクセル開度信号、シフト位置信号、オイル温度信号TF、バッテリ電圧信号、車体傾斜信号、クラッチの伝達トルク信号、クラッチスリップ回転数信号などがある。
前記クラッチとは、変速機1に含まれる動力伝達用のクラッチであり、このクラッチの締結力を、電動オイルポンプ2から供給されるオイルで制御する場合に、目標値演算部51は、前述のクラッチの伝達トルク信号、クラッチスリップ回転数信号などを入力する。
図1に示すように、変速機1のオイルパン内のオイル温度TF(℃)を検出するオイル温度センサ(オイル温度検出手段)6を設けてあり、このオイル温度センサ6の出力が、メインコンピュータ5の目標値演算部51に入力される。
また、メインコンピュータ5は、目標値演算部51の他、回転数/故障情報判断部52、回転数演算部53、診断/保護制御部54を備えている。
回転数/故障情報判断部52には、回転数情報及び故障情報が、ポンプ駆動コンピュータ4から第2信号ライン(第2ハーネス)SL2を介して入力される。
そして、回転数/故障情報判断部52は、回転数情報を回転数演算部53に送り、回転数演算部53は、モータ回転数(rpm)を演算する。また、回転数/故障情報判断部52は、故障情報を診断/保護制御部54に送り、診断/保護制御部54は、故障の有無の診断や、診断結果に応じたフェイルセーフ制御などを実行する。
一方、ポンプ駆動コンピュータ4は、モータ操作量演算部41、モータ回転数演算部42、モータ電流検出部43、自己診断部44、回転数/故障情報送信部45などを備えている。
モータ回転数演算部42は、電動モータ21が備える回転センサから出力されるパルス信号を入力し、前記パルス信号の周波数を計測することで、電動モータ21(電動オイルポンプ2)の回転数(rpm)を検出し、このモータ回転数の情報を、モータ操作量演算部41及び回転数/故障情報送信部45に出力する。
また、モータ電流検出部43は、電動モータ21に流れている電流(A)を検出して、このモータ電流の情報を、モータ操作量演算部41及び自己診断部44に出力する。
モータ操作量演算部41は、メインコンピュータ5が演算した目標値(目標モータ回転数又は目標モータ電流)、モータ回転数演算部42が検出したモータ回転数、及び、モータ電流検出部43が検出したモータ電流を入力し、これらに基づいて電動モータ21の操作量を演算して、駆動回路3に出力する。
電動モータ21の操作量とは、例えば、デューティ制御におけるデューティ比である。
モータ操作量演算部41は、制御量(モータ回転数又はモータ電流など)が目標値(目標モータ回転数又は目標モータ電流)に近づくようにデューティ比を変更する、フィードバック制御を実施する。
例えば、目標値が目標モータ回転数であれば、モータ操作量演算部41は、モータ回転数演算部42が検出した実際のモータ回転数(rpm)が目標モータ回転数(rpm)に近づくように、目標モータ回転数と実モータ回転数との偏差に応じて駆動回路3に出力する駆動信号のデューティ比を変更する。
また、モータ操作量演算部41は、制御量を目標値に近づけるモータ制御に優先して、モータ電流が電流上限値を下回るように、デューティ比の増大を制限する機能を有している。
また、メインコンピュータ5の目標値演算部51は、電動モータ21(電動オイルポンプ2)の動作期間においては、電動モータ21の目標値を、第1信号ラインSL1を介してポンプ駆動コンピュータ4のモータ操作量演算部41に出力するが、電動モータ21の停止期間においては、目標値に替えてオイル温度TF(オイル温度検出値)の信号を、同じく第1信号ラインSL1を介してポンプ駆動コンピュータ4のモータ操作量演算部41に出力する。
そして、モータ操作量演算部41では、オイル温度TFに基づいて電流上限値を設定し、この電流上限値を実際のモータ電流が上回らないように、電動モータ21の操作量(デューティ比)の増大を制限する。
オイル温度TFに応じた電流上限値は、当該電流上限値の電流で電動モータ21を駆動し続けても、電動モータ21や駆動回路3などの温度が熱寿命限界(許容最大温度)を超える温度にならないような電流値として、予め実験やシミュレーションに基づき設定される。
メインコンピュータ5の目標値演算部51からポンプ駆動コンピュータ4のモータ操作量演算部41に向けた、目標値及びオイル温度TFの送信は、例えば、目標値及びオイル温度TFに応じたPWM通信によって行われる。
上記のPWM通信の一例として、図3(A),(B)に示すように、目標値演算部51が第1信号ラインSL1を介してモータ操作量演算部41に向けて送信するパルス信号SIGの周波数fを固定とし、前記パルス信号SIGのデューティ比Dを、目標値、オイル温度TFに応じて変更することができる。
上記のパルス信号SIGを受信するモータ操作量演算部41では、送信されたパルス信号SIGのデューティ比Dを検出し、検出したデューティ比Dを、変換テーブルなどを用いて目標値(目標モータ回転数、目標モータ電流)又はオイル温度TFに変換することで、目標値演算部51が指示した目標値、オイル温度TFを判別する。
ここで、デューティ比が目標値を示すのか、オイル温度TFを示すのかは、パルス信号SIGの周波数fの固定値を異ならせることで判別できるようにする。
即ち、目標値演算部51は、図3(A)に示すように、目標値を送信する場合には、パルス信号SIGの周波数fをf1に固定し、パルス信号SIGのデューティ比Dを目標値に応じて変更する。また、目標値演算部511は、オイル温度TFを送信する場合には、図3(B)に示すように、パルス信号SIGの周波数fをf2(f1≠f2)に固定し、パルス信号SIGのデューティ比Dをオイル温度TFに応じて変更する。
そして、パルス信号SIGを受信するモータ操作量演算部41では、パルス信号SIGの周波数fを計測し、計測した周波数fがf1であれば、目標値が送信されている状態であって、デューティ比Dの違いが目標値を示すものと判断し、計測した周波数fがf2であれば、オイル温度TFが送信されている状態であって、デューティ比Dの違いがオイル温度TFを示すものと判断する。
換言すれば、周波数fがf2であるパルス信号SIGは、そのデューティ比Dがオイル温度TFを示すと共に、電動モータ21の停止指令を兼ねるものであり、モータ操作量演算部531は、周波数fがf2であるパルス信号SIGを入力している間、即ち、目標値が入力されない状態では、電動モータ21への通電を遮断して駆動を停止させる。
そして、パルス信号SIGの周波数fがf2からf1に切り替わると、電動モータ21の駆動指令と見做し、パルス信号SIGのデューティ比Dから目標値を判断し、係る目標値に制御量が近づくように、電動モータ21の駆動回路3に送る駆動信号のデューティ比を変更する。
図3(A),(B)に示す例では、パルス信号SIGの周波数fを固定とし、デューティ比Dを目標値やオイル温度TFに応じて変化させるようにしたが、図4(A),(B)に示すように、パルス信号SIGのデューティ比Dを固定し、周波数fを目標値やオイル温度TFに応じて変化させることができる。
パルス信号SIGのデューティ比Dを固定する場合には、目標値とオイル温度TFとのいずれを送信するかで、デューティ比Dの固定値を異ならせるようにする。即ち、目標値を送信する場合には、図4(A)に示すように、デューティ比DをD1に固定し、目標値に応じて周波数fを変更する。一方、オイル温度TFを送信する場合には、図4(B)に示すように、デューティ比DをD2(D1≠D2)に固定し、オイル温度TFに応じて周波数fを変更する。
上記のように、目標値演算部51(メインコンピュータ5)は、電動オイルポンプ2の停止期間ではオイル温度TFの検出値を、第1信号ラインSL1を介してモータ操作量演算部41(ポンプ駆動コンピュータ4)に出力し、電動オイルポンプ2の動作期間ではオイル温度TFの検出値に替えて電動オイルポンプ2の目標値を、同じく第1信号ラインSL1を介してモータ操作量演算部41(ポンプ駆動コンピュータ4)に出力する。
従って、メインコンピュータ5及びポンプ駆動コンピュータ4がそれぞれにオイル温度TFを検出する温度センサを備える場合に比べて、温度センサの数及び温度センサ用のハーネスの数を少なくでき、また、1本の信号ラインSL1を共用して目標値とオイル温度TFとを送信できるので、メインコンピュータ5とポンプ駆動コンピュータ4とを結ぶ信号ラインSL(ハーネス)の数を可及的に少なくできる。
これにより、コストアップやレイアウト性の悪化などを抑制しつつ、メインコンピュータ5におけるオイル温度TFに応じた目標値の設定、及び、ポンプ駆動コンピュータ4におけるオイル温度TFに応じたポンプ制御を実現できる。
また、電流積算値に応じて操作量を制限する場合、ポンプ停止に伴い電流積算値がリセットされるため、ポンプを停止させた後、オイル温度が下がりきらない状態で再起動させると、実際のオイル温度に対して電流上限値が過剰に高い値に設定され、高い電流が許容されることでモータや駆動回路などを過熱させてしまう可能性がある。
しかし、上記のように、オイル温度センサ6の検出結果に基づいて操作量を制限すれば、オイル温度が下がりきらない状態で再起動させても、モータや駆動回路などを過熱させてしまうことを抑制できる。
更に、温度推定値に基づきモータ電流を制限する場合、温度推定値の精度が低く、実際よりも低い温度を推定すると、過剰に高い電流を許容することになり、逆に、実際よりも高い温度を推定すると、過剰に低く電流を制限してしまうことになってしまうが、上記のように、オイル温度センサ6の検出結果に基づいて操作量を制限する構成では、電流を過不足なく制限することができる。
ここで、ポンプ駆動コンピュータ4のモータ操作量演算部41によるモータ電流の制限処理の一例を、図5のフローチャートに従って説明する。
図5のフローチャートに示すルーチンは、ポンプ駆動コンピュータ4において所定微小時間毎に実行される、モータ操作量演算部41における処理内容を示す。
まず、ステップS101では、電動モータ21(電動オイルポンプ2)を起動させてから、換言すれば、変速機1へのオイル循環を開始させてからの時間を示すタイマINITTMRの更新処理を実施する。
経過時間INITTMRは、電動モータ21(電動オイルポンプ2)の停止期間において零にリセットされ、電動モータ21(電動オイルポンプ2)の駆動期間においては本ルーチンの実行周期毎に一定値だけ増大される。
ステップS102では、電動モータ21(電動オイルポンプ2)の停止期間において、メインコンピュータ5から送信されるオイル温度TF(オイル温度検出値)に基づき、電流上限値の設定に用いるオイル温度TF(℃)を更新する。
ステップS103では、起動後の経過時間INITTMRが設定時間t1を超えたか否かを判断し、経過時間INITTMRが設定時間t1以内であって電動オイルポンプ2の起動時である場合には、ステップS104へ進む。
ステップS104では、電流制限のオフセット時間LIMOFSTTIMを、オイル温度TFに基づき設定する。
ここで、オフセット時間LIMOFSTTIM(秒)は、図6に示すように、オイル温度TFが規定の初期オイル温度である場合に零に設定され、オイル温度TFが規定の初期オイル温度よりも高くなるほどより長い時間に設定される。
次のステップS105では、電流制限タイマLIMCURCNTに、初期値としてオフセット時間LIMOFSTTIMを設定する処理を行う。
一方、ステップS103において、経過時間INITTMRが設定時間t1を超えていて、電流制限タイマLIMCURCNTの初期値が設定済であると判断される場合には、ステップS106へ進み、電流制限タイマLIMCURCNTを前回値に対して設定値だけ増大させる、電流制限タイマLIMCURCNTの更新を行う。
そして、ステップS105又はステップS106の次には、ステップS107へ進み、電流制限タイマLIMCURCNTに基づいて電流上限値(制限電流)ECMAXを設定する。
図7に示すように、電流制限タイマLIMCURCNTと電流上限値ECMAXとの相関が予めテーブルとして設定されており、このテーブルでは、電流制限タイマLIMCURCNTによる計測時間が長くなるに従って(換言すれば、運転時間の経過に伴うオイル温度の上昇に伴って)、電流上限値ECMAXが段階的により低くなるように設定される。
電流制限タイマLIMCURCNTと電流上限値ECMAXとの相関は、規定の初期オイル温度(極低温)で起動させた場合の時間経過に伴うオイル温度の上昇特性と、オイル温度毎の電流上限値ECMAXとに基づき予め設定されている。
即ち、規定の初期オイル温度で起動させた場合には、実際の経過時間INITTMRに基づき前記テーブルを参照して電流上限値ECMAXを決定すれば、そのときのオイル温度TFに見合った電流上限値ECMAXを設定できるようにしてある。
ここで、電動モータ21(電動オイルポンプ2)の停止期間においてメインコンピュータ5から送信されたオイル温度TFが実際の初期オイル温度となり、この実際の初期オイル温度が規定の初期オイル温度よりも高い場合、実際の経過時間INITTMRに基づき前記テーブルを参照して電流上限値ECMAXを決定すると、実際よりも低いオイル温度に適合する電流上限値ECMAXが設定されることになる。
そして、実際よりも低い温度に基づき電流上限値ECMAXが設定されると、駆動回路3などの温度が熱寿命限界を超える温度になってしまうようなモータ電流が許容されることになる。
そこで、規定の初期オイル温度で起動した場合に実際の初期オイル温度に到達すると見込まれるタイミングを、起動開始時に前記テーブルを参照して電流上限値ECMAXを決定するためのタイミングとするために、ステップS104でオイル温度TFに基づき電流制限のオフセット時間LIMOFSTTIMを決定し、ステップS105では、前記テーブルの参照するときの電流制限タイマLIMCURCNTの値を、実際の初期オイル温度が高いほど、より遅れた時期にオフセットさせるようにしてある。
即ち、規定の初期オイル温度でポンプを起動させる場合には、オフセット時間LIMOFSTTIMを零とし、起動からの実際の経過時間を示す電流制限タイマLIMCURCNTに基づきテーブルを参照し、電流上限値ECMAXを設定させる。
一方、規定の初期オイル温度でよりも高いオイル温度でポンプを起動させる場合には、規定の初期オイル温度よりも実際の初期オイル温度が高いほど、オフセット時間LIMOFSTTIMを長くして、起動からの実際の経過時間にオフセット時間LIMOFSTTIMを加算した時間である電流制限タイマLIMCURCNTに基づきテーブルを参照し、電流上限値ECMAXを設定させることで、実際の初期オイル温度が高いほど、起動からの経過時間が同じでもより低い電流上限値ECMAXを設定させるようにしてある。
これにより、規定の初期オイル温度で起動させた場合に適合するテーブルを参照して、実際の初期オイル温度からの温度上昇に対応する電流上限値ECMAXを設定することができる。従って、電動オイルポンプ2の運転停止後に、オイル温度が下がり切る前に、再起動された場合であっても、実際のオイル温度に見合った電流上限値ECMAXを設定することができ、熱寿命限界を超える温度にまで上昇したり、モータ電流が過剰に低く制限されたりすることを抑制できる。
ステップS107で電流上限値ECMAXを設定すると、ステップS108では、電流上限値ECMAXとモータ電流検出部43で検出した実際の電流とを比較することで、電流制限処理の要否を示す電流制限フラグの設定を行う。
前記電流制限フラグは、初期値が零であり、例えば、実際の電流が電流上限値ECMAX以上であれば1がセットされ、電流制限フラグに1がセットされている状態で実際の電流が電流上限値ECMAX未満の状態が設定時間継続すると、電流制限フラグは零にリセットされる。そして、電流制限フラグが1であれば、電源制限を実施する条件であることを示し、電流制限フラグが零であれば、電流制限を実施しない条件であることを示す。
ステップS109では、電流制限フラグの判別を行い、電流制限フラグが零であれば、ステップS110へ進む。
ステップS110では、目標値と制御量との比較に基づき演算した操作量(デューティ比)を制限することなく出力する、電動モータ21(電動オイルポンプ2)の通常の駆動制御を実施する。
一方、ステップS109で、電流制限フラグが1であると判別すると、ステップS111へ進む。
ステップS111では、目標値と制御量との比較に基づき演算した操作量(デューティ比)を、所定値だけ減少させた上で、駆動回路3に出力させるようにすることで、モータ電流が減るようにし、電流制限フラグが零に切り替わるまで、即ち、モータ電流が安定して電流上限値ECMAXを下回るようになるまで、ステップS111の処理を繰り返して操作量(デューティ比)を漸減させる。
これによって、温度が熱寿命限界(許容最大温度)を超えるような電流が電動モータ21に流れる状態を抑制でき、駆動回路3や電動モータ21の熱劣化、熱損傷の発生を抑制できる。
次に、ポンプ駆動コンピュータ4における故障診断、及び、故障情報、回転数情報の出力処理の一例を、図8のフローチャートに従って説明する。
図8のフローチャートに示すルーチンは、ポンプ駆動コンピュータ4において所定微小時間毎に実行され、まず、ステップS201(モータ操作量演算部41)では、パルス信号SIGのデューティ比Dを検出することで、指示された目標値(目標モータ回転数、目標モータ電流)を特定する。
次のステップS202(モータ回転数演算部42)では、モータ回転数(rpm)の演算を行う。
そして、ステップS203(自己診断部44)では、モータ電流、モータ回転数、目標値、電源電圧などから、電動モータ21の駆動における故障(異常)の有無を診断する。
例えば、制御量(モータ回転数、モータ電流)が目標値に収束しない場合や、電動モータ21に電流を流すデューティ比を出力しているのに、モータ電流やモータ回転数が零である場合や、電動モータ21を停止させるデューティ比を出力しているのに、モータ電流やモータ回転数が零でない場合に、電動モータ21若しくは電動モータ21の駆動系の故障を推定する。
ステップS204では、故障の発生が診断されたか否かを判断する。
そして、故障の発生がない場合には、ステップS205へ進み、前記電流制限フラグの判別を行い、電流電源フラグが1である電流制限状態では、ステップS206へ進み、ポンプ駆動コンピュータ4からメインコンピュータ5の回転数/故障情報判断部52bに出力するパルス信号STATEのデューティ比Dとして、予め設定されたデューティ比D2を設定する。
また、電流電源フラグが零である非電流制限状態では、ステップS207へ進み、ポンプ駆動コンピュータ4からメインコンピュータ5の回転数/故障情報判断部52bに出力するパルス信号STATEのデューティ比Dとして、予め設定されたデューティ比D1(D1≠D2)を設定する。
ステップS206又はステップS207の後は、ステップS208へ進み、そのときのモータ回転数を予め設定された特性に従って周波数fに変換し、周波数fからモータ回転数を特定できるようにする。
即ち、故障がない場合には、電流制限を行っているか否かに応じてデューティ比DをD1又はD2とし、このデューティ比Dのパルス信号STATEの周波数fを、そのときのモータ回転数に対応する周波数fとして、メインコンピュータ5の回転数/故障情報判断部52bに出力する。
図9(A)は、故障がない場合のパルス信号STATEの特性を示し、デューティ比DがD1又はD2であるときに、規定範囲内の周波数fは、例えば周波数が高いほどモータ回転数(rpm)が高いことを示す。
一方、ステップS204で故障の発生が診断されていると判断すると、ステップS209へ進み、パルス信号STATEのデューティ比DをD3(D1≠D3、かつ、D2≠D3)に設定する。
次のステップS210では、故障情報を、予め設定された特性に従って周波数fに変換し、パルス信号STATEの周波数fから故障状態を判別できるようにする。例えば、電動モータ21の電流を遮断できない故障の場合は周波数fをf1に設定し、逆に、電動モータ21に電流を流すことができない故障の場合は周波数fをf2(f1≠f2)に設定する。
図9(B)は、故障発生時におけるパルス信号STATEの特性を示し、デューティ比DがD3であるときに、規定範囲内の周波数fは、特定の故障情報に対応している。
そして、ステップS211では、上記のようにして設定したデューティD(D1、D2、D3のいずれか)及び周波数fのパルス信号STATEを、メインコンピュータ5の回転数/故障情報判断部52に第2信号ラインSL2を介して出力する。
上記のステップS204〜ステップS211の処理は、回転数/故障情報送信部45の機能を示す。
メインコンピュータ5の回転数/故障情報判断部52は、パルス信号STATEのデューティ比D及び周波数fを計測し、デューティ比DがD1又はD2である場合は、故障がない状態であると判断し、また、デューティ比DがD1とD2とのいずれであるかによって電流制限状態であるか否かを判断し、更に、デューティ比DがD1又はD2である場合には、周波数fからそのときのモータ回転数を判断する。
また、回転数/故障情報判断部52は、パルス信号STATEのデューティ比DがD3であれば、電動モータ21の駆動において何らかの故障が発生しているものと判断し、更に、周波数fから故障状態を判別する。
尚、回転数/故障情報判断部52は、図9に示すように、規定範囲を外れた周波数fのパルス信号STATEを入力した場合に、第2信号ラインSL2を介したポンプ駆動コンピュータ4とメインコンピュータ5との間の通信系の異常を判断することができる。
また、パルス信号STATEのデューティ比Dを、電流制限の有無及び故障の有無に応じて切り替える代わりに、図10に示すように、パルス信号STATEの周波数fを、電流制限の有無及び故障の有無に応じて切り替えて、デューティ比Dによってモータ回転数や故障情報を指示するようにできる。
図10(A)は、故障がない場合のパルス信号STATEの特性を示し、周波数fがf1、f2(f1≠f2)のいずれであるかによって電流制限の有無を指示し、また、規定範囲内のデューティ比Dは、例えばデューティ比Dが高いほどモータ回転数(rpm)が高いことを示す。
図10(B)は、故障発生時におけるパルス信号STATEの特性を示し、周波数fがf3(f1≠f3、かつ、f2≠f3)であることで故障診断されていることを指示し、また、規定範囲内のデューティ比Dは、特定の故障情報に対応している。
また、図10に示したパルス信号STATEの特性を用いる場合、規定範囲を外れたデューティ比Dのパルス信号STATEを、回転数/故障情報判断部52が入力した場合に、第2信号ラインSL2を介したポンプ駆動コンピュータ4とメインコンピュータ5との間の通信系の異常を判断することができる。
図11は、メインコンピュータ5における目標値演算部51、回転数/故障情報判断部52、回転数演算部53、診断/保護制御部54の詳細の一例を示す機能ブロック図である。尚、図11は、電動オイルポンプ2がオイルを冷却用として供給する場合の制御機能を例示する。
ポンプ駆動コンピュータ4から送信されるパルス信号STATEは、回転/状態信号入力部52aに入力され、ここで、パルス信号STATEのデューティ比D及び周波数fが計測される。
そして、パルス信号STATEのデューティ比D及び周波数fの計測結果は、異常/電流制限受付部52bに送られ、例えばデューティ比Dから正常状態、電流制限状態、故障状態の判別が行われ、デューティ比Dが正常状態又は電流制限状態であることを示す場合には、パルス信号STATEの周波数fは、モータ回転数を示すので、周波数fの情報を、回転数演算部53に送る。
上記の回転/状態信号入力部52a及び異常/電流制限受付部52bが、図2における回転数/故障情報判断部52を構成する。
異常/電流制限受付部52bにおける正常状態、電流制限状態、故障状態の判別結果は、診断/保護制御部54を構成する電動オイルポンプ作動指令部54a及び保護制御部(車両走行制限部)54bに出力される。
電動オイルポンプ作動指令部54aは、正常状態又は電流制限状態においては、電動オイルポンプ2の作動許可を要求回転数演算部51aに出力し、故障状態においては、電動オイルポンプ2の作動停止指示を要求回転数演算部51aに出力する。
一方、保護制御部(車両走行制限部)54bは、電流制限状態又は故障状態において、エンジントルクの増大を制限するなどの車両走行を制限する処理を実施する。
電流制限状態では、ポンプ流量(オイル吐出量)が要求よりも低下し、潤滑や冷却用としてのオイルを電動オイルポンプ2で供給する場合には、過熱や潤滑不良が生じてしまう可能性がある。そこで、保護制御部54bは、電流制限状態において、そのときの実際のポンプ流量(実際のオイル吐出量、実際のモータ回転数)で、過熱や潤滑不良の発生を抑制できる程度に、エンジントルクの上限を設定し、エンジントルク(変速機1の入力トルク)を上限トルク以下に制限するフェイルセーフ処理を実施する。
エンジントルクの制限は、内燃機関では、吸入空気量の増大制限(ストットル最大開度の低下)などによって実施される。
また、故障状態において、保護制御部54bは、例えば、変速機1を介した動力伝達(クラッチ締結)を禁止したり、エンジンを停止したりする、フェイルセーフ処理を実施する。
一方、回転数演算部53が演算したモータ回転数は、ポンプ流量演算部51bに出力され、ポンプ流量演算部51bは、モータ回転数からポンプ流量を演算する。
電動オイルポンプ冷却量演算部51cは、ポンプ流量を入力し、このポンプ流量からオイルによる冷却量(吸熱量)を演算する。
一方、オイル供給先発熱量演算部51dでは、冷却用オイルの供給先(冷却対象物)における発熱量を、例えば、冷却用オイルの供給先がクラッチであれば、入力トルクやスリップ回転数(入出力軸回転数の差)などに基づいて演算する。
そして、要求回転数演算部51aは、電動オイルポンプ作動指令部54aから作動許可が指示されていれば、冷却量(吸熱量)と発熱量とから要求されるポンプ流量に見合った目標モータ回転数(又は、目標モータ電流)を演算する。また、要求回転数演算部51aは、故障状態において、電動オイルポンプ2の動作を停止させるべく、目標モータ回転数(又は、目標モータ電流)を零に設定する。
要求回転数出力部51eでは、電動オイルポンプ2の目標値の情報を、例えば、デューティ比Dに変換し、当該デューティ比Dのパルス信号SIGをポンプ駆動コンピュータ4に向けて出力する。
上記の要求回転数演算部51a、ポンプ流量演算部51b、電動オイルポンプ冷却量演算部51c、オイル供給先発熱量演算部51d、要求回転数出力部51eによって、目標値演算部51が構成される。
以下では、上記の機能ブロック図に示したメインコンピュータ5の制御機能の一例を、フローチャートに従って説明する。
図12のフローチャートは、メインコンピュータ5における処理のメインルーチンを示し、このメインルーチンは、メインコンピュータ5において所定微小時間毎に実行される。
まず、ステップS301(回転数/状態信号入力部52a)では、パルス信号STATEのデューティ比D及び周波数fを読み込む。
ステップS302(異常/電流制限受付部52b)では、パルス信号STATEのデューティ比D及び周波数fの解析によって、電動モータ21の駆動状態を判別する。
そして、ステップS303(異常/電流制限受付部52b)では、電動モータ21の駆動状態を、正常状態(非電流制限状態)、電流制限状態、故障状態のいずれかに判別する。
故障がなく、かつ、電流制限が行われていない正常状態では、ステップS304(目標演算部51、診断/保護制御部54)へ進み、目標値の演算処理として正常状態に対応する処理(正常回転時処理)を実施する。
また、故障状態ではないものの、実際の電流が電流上限値ECMAXを下回るように、操作量の増大を制限している電流制限状態では、ステップS305(目標演算部51、診断/保護制御部54)へ進み、目標値の演算処理として電流制限状態に対応する処理(電流制限時処理)を実施する。
更に、何らかの故障の発生が診断されている故障状態では、ステップS306(目標演算部51、診断/保護制御部54)へ進み、目標値の演算処理として故障状態に対応する処理(フェール時処理)を実施する。
以下では、ステップS304、ステップS305、ステップS306における処理の内容を、図13〜図15のフローチャートに従って説明する。
図13のフローチャートは、正常状態で実施されるステップS304の処理(正常回転時処理)の一例を示す。
この図13のフローチャートにおいて、まず、ステップS401(回転数演算部53)では、パルス信号STATEの周波数f(又はデューティ比D)からモータ回転数(rpm)を演算する。
ステップS402(ポンプ流量演算部51b)では、モータ回転数から電動オイルポンプ2におけるポンプ流量を演算する。
ステップS403(電動オイルポンプ冷却量演算部51c)では、クラッチ等のオイル供給先(冷却対象物)の冷却量(放熱量)を演算し、ステップS404(オイル供給先発熱量演算部51d)では、オイル供給先(冷却対象物)の発熱量を演算する。
そして、ステップS405(要求回転数演算部51a)では、冷却量(放熱量)と発熱量とから、オイル供給先(冷却対象物)の冷却に必要なオイル流量を演算する。
ステップS406(要求回転数演算部51a)では、必要オイル流量を得られるモータ回転数を目標値として演算し、ステップS407(要求回転数出力部51e)では、ステップS406で演算した目標モータ回転数を指示するデューティ比D(又は周波数f)のパルス信号SIGを、ポンプ駆動コンピュータ4に向けて出力する。
図14のフローチャートは、電流制限状態で実施されるステップS305の処理(電流制限時処理)の一例を示す。
この図14のフローチャートにおいて、まず、ステップS501(保護制御部54b)では、電流制限状態であることを示す異常ブラグをセットし、かつ、電流の増大が制限されることでオイル流量が要求よりも低下するので、オイル供給先(冷却対象物)の発熱量(換言すれば、必要オイル流量)を抑制するための走行制限処理(例えば、エンジントルクの増大を制限する処理)を実施する。
以下ステップS502〜ステップS508では、ステップS401〜ステップS407と同様にして、目標モータ回転数を演算して出力する。
図15のフローチャートは、故障状態で実施されるステップS306の処理(フェール時処理)の一例を示す。
この図15のフローチャートにおいて、まず、ステップS601(保護制御部54b)では、故障状態であることを示す異常ブラグをセットし、かつ、電動オイルポンプ2からのオイル供給を止めることで、オイル供給による冷却ができなくなるので、ステップS501での制限よりもより厳しい走行制限処理(例えば、エンジン停止や、変速機1におけるクラッチ締結禁止など)を実施する。
ステップS602では、モータ回転数の検出値を零とし、ステップS603では、ポンプ流量の検出値を零とする。
ステップS604では、ステップS403と同様にして冷却量を演算し、ステップS605では、ステップS404と同様にして発熱量を演算する。
そして、ステップS606では、目標モータ回転数に零(回転停止)を設定し、ステップS607では、目標モータ回転数=0(電動オイルポンプ2の停止)を指示するパルス信号SIGを、ポンプ駆動コンピュータ4に向けて出力する。
尚、電動オイルポンプ2のオイルの供給先を変速機に1に限定するものではなく、パワーステアリング装置などの油圧装置を供給先とすることができる。
また、ポンプ駆動コンピュータ4は、電動オイルポンプ2の停止期間において入力したオイル温度TFを初期値とし、その後の冷却量、発熱量などの条件から、オイル温度TFの変化を推定することができる。
また、ポンプ駆動コンピュータ4、駆動回路3、電動オイルポンプ2などを一体的に設けることができる。
また、変速機1にオイルを供給するオイルポンプとして、電動オイルポンプ2と共に、エンジンで駆動されるオイルポンプを備えることができる。
ここで、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下に効果と共に記載する。
(イ)前記電動オイルポンプは、ハイブリッド車両における変速機に対してオイルを供給する、請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用電動オイルポンプの制御装置。
上記発明によると、ハイブリッド車両の変速機にオイルを供給する電動オイルポンプにおいて、コストアップやレイアウト性の悪化を抑制しつつ、オイル温度の検出値に基づき電動オイルポンプを高精度に制御できる。
(ロ)前記目標値及びオイル温度の送信に用いられる信号ラインとは別の信号ラインを用いて、前記第2ユニットから前記第1ユニットに対し、前記電動オイルポンプの回転数の情報と故障情報との少なくとも一方を出力する、請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用電動オイルポンプの制御装置。
上記発明によると、第1ユニットが、電動オイルポンプの回転数及び故障情報との少なくとも一方を入力することで、第2ユニットに出力する目標値を適切に設定できる。
(ハ)前記第2ユニットは、前記第1ユニットに送信するパルス信号のデューティ比と周波数との一方を固定し他方を変更することで前記電動オイルポンプの回転数の情報及び故障情報を指示し、かつ、前記電動オイルポンプの回転数の情報を出力する場合と前記故障情報を出力する場合とで、デューティ比又は周波数の固定値を異なる値に設定する、請求項(ロ)記載の車両用電動オイルポンプの制御装置。
上記発明によると、1つの信号ラインを用いて、前記電動オイルポンプの回転数の情報及び故障情報を送信することができる。
(ニ)前記第2ユニットは、オイル温度の検出値に基づき前記電動オイルポンプの制御量の上限値を演算し、前記電動オイルポンプの制御量が前記上限値を超えないように前記操作量を制限する、請求項1又は2記載の車両用電動オイルポンプの制御装置。
上記発明によると、オイル温度によって熱寿命限界を超える温度となる操作量が異なるので、オイル温度に応じて設定した上限値を電流などの制御量が超えないように、操作量を制限することで、熱寿命限界を超える温度となることを抑制しつつ、操作量が過剰に制限されることを抑制できる。
(ホ)前記第2ユニットは、前記操作量を制限しているか否かを示す信号を、前記目標値及びオイル温度の送信に用いられる信号ラインとは別の信号ラインを用いて、前記第1ユニットに送信し、
前記第1ユニットは、前記操作量を制限している場合に車両の走行を制限する、請求項(ニ)記載の車両用電動オイルポンプの制御装置。
上記発明によると、操作量の制限によってポンプ流量(オイル流量)が要求よりも低下する場合に、低下したオイル流量でも熱寿命限界を超える温度にならないように、エンジントルクの増大を制限するなどして、車両の走行を制限する。
1…変速機、2…電動オイルポンプ、3…駆動回路、4…ポンプ駆動コンピュータ(第2ユニット)、5…メインコンピュータ(第1ユニット)、6…オイル温度センサ

Claims (3)

  1. 車両用の電動オイルポンプの制御目標値を出力するユニットであって、前記電動オイルポンプの停止期間においてオイル温度の検出値を出力する第1ユニットと、
    前記第1ユニットが出力する前記制御目標値及びオイル温度の検出値を入力し、前記電動オイルポンプの操作量を出力する第2ユニットと、
    を備える、車両用電動オイルポンプの制御装置。
  2. 前記第1ユニットは、前記第2ユニットに送信するパルス信号のデューティ比と周波数との少なくとも一方を変更して、前記制御目標値及びオイル温度の検出値を指示する、請求項1記載の車両用電動オイルポンプの制御装置。
  3. 前記第2ユニットは、前記電動オイルポンプの停止期間において入力したオイル温度の検出値に応じて、前記電動オイルポンプの動作時間に対する前記操作量の上限を変更する、請求項1又は2記載の車両用電動オイルポンプの制御装置。
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