JP2014020296A - スターリングエンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮率の低下を招くことなく熱交換フィンによってシリンダ部材とシリンダ室の作動ガスとの間の熱伝達能力の向上を図ること。
【解決手段】シリンダ部材10の内壁より当該シリンダ部材10のシリンダ室34に向けて薄板状の熱交換フィン19、21を突出形成し、ディスプレーサピストン(50、52)には当該ディスプレーサピストン(50、52)の往復動において熱交換フィン19、21が出入可能なスリット51、71を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明はスターリングエンジンに関する。
スターリングエンジンとして、軸線方向に隔置された高温部と低温部とを有する一つのシリンダ部材内にディスプレーサピストンとパワーピストンとが軸線方向に往復動可能に設けられ、ディスプレーサピストンとパワーピストンとが共通のクランク軸に接続されているβ型のスターリングエンジンが知られている(例えば、特許文献1、2)。この他、ディスプレーサピストンとパワーピストンとが個別のシリンダ室にγ型のスターリングエンジンが知られている(例えば、特許文献3)。
特開2008−101501号公報 特開2010−255549号公報 特許第4848058号公報
スターリングエンジンの効率を決める一つの要件は、高温部と低温部のそれぞれにシリンダ室外部より与えられる熱(温熱、冷熱)とシリンダ室の作動ガスとの熱交換、つまり熱の授受が多く行われるかである。つまり、シリンダ部材とシリンダ室の作動ガスとの間の熱伝達能力が高いことである。
このことに対して、シリンダ部材の外壁のみならず、シリンダ部材の内壁よりシリンダ室に向けて熱交換フィンを突出形成し、シリンダ部材の内壁の表面積を増大することが考えられる。
しかし、シリンダ室に熱交換フィンが存在すると、熱交換フィンとディスプレーサピストンとの干渉の問題により熱交換フィン配置部分へディスプレーサピストンが進入することができず、シリンダ室内に死容積が発生することになる。死容積(無駄空間)は、スペースパフォーマンスを低下するのみならず、圧縮率を低下させる原因になり、熱交換フィンによってシリンダ部材とシリンダ室の作動ガスとの間の熱伝達能力が向上しても、スターリングエンジンの効率が向上しないことなる。
本発明が解決しようとする課題は、圧縮率の低下を招くことなく熱交換フィンによってシリンダ部材とシリンダ室の作動ガスとの間の熱伝達能力の向上を図ることである。
本発明によるスターリングエンジンは、軸線方向に隔置された高温部(34A)と低温部(34B)とを有するシリンダ部材(10)と、該シリンダ部材(10)のシリンダ室(34)に設けられ前記高温部(34A)と前記低温部(34B)との間を往復動可能なディスプレーサピストン(50、52)と、前記シリンダ室(34)の前記低温部(34B)側に連通したシリンダ室(34)に往復動可能に設けられたパワーピストン(56)とを有するスターリングエンジンであって、前記シリンダ部材(10)の内壁より当該シリンダ部材(10)のシリンダ室(35)に向けて熱交換フィン(19、21)が突出形成されており、前記ディスプレーサピストン(50、52)には当該ディスプレーサピストン(50、52)の前記往復動において前記熱交換フィン(19、21)が出入可能なスリット(51、71)が形成されている。
この構成によれば、シリンダ室(35)内に熱交換フィン(19、21)が設けられていることにより、外部からのシリンダ室(34)内の作動ガスに対する熱授受の効率が向上する。シリンダ室(10)に存在する熱交換フィン(19、21)がディスプレーサピストン(50、52)の往復動においてディスプレーサピストン(50、52)のスリットに出入するので、ディスプレーサピストン(50、52)が熱交換フィン(19、21)の配置部に進入してもディスプレーサピストン(50、52)と熱交換フィン(19、21)とが干渉することがない。これにより、ディスプレーサピストン(50、52)を熱交換フィン19、21)の配置部まで進入させることができ、圧縮比の低下を招くことなく熱交換フィン(19、21)の存在によって熱効率のよいスターリングエンジンを得ることができる。また、スターリングエンジンの軸線方向全長を短縮でき、スターリングエンジンのコンパクト化が可能になる。
本発明によるスターリングエンジンは、好ましくは、前記熱交換フィン(19、21)は、前記高温部(34A)と前記低温部(34B)の双方に設けられている。
この構成によれば、高温部(34A)と低温部(34B)の双方において、外部からのシリンダ室(34)内の作動ガスに対する熱授受の効率が向上する。
本発明によるスターリングエンジンは、好ましくは、前記ディスプレーサピストン(50、52)と前記パワーピストン(56)とは同一のシリンダ室(35)に軸線方向に隔置にして配置され、前記ディスプレーサピストン(50、52)が前記パワーピストン(56)に対向する部分には突部(53)が形成され、前記パワーピストン(56)が前記ディスプレーサピストン(50、52)と対向する部分には外周壁を残して窪んで前記ディスプレーサピストン(50、52)と前記パワーピストン(56)の往復動において前記突部(53)が進入可能な凹部(59)が形成されている。
この構成によれば、パワーピストン(56)の外周壁を残して窪んで凹部(59)にディスプレーサピストン(50、52)の突部(53)が入り込むことにより、パワーピストン(56)の姿勢保持のための有効軸長を短縮することなくスターリングエンジンの軸線方向全長を短縮でき、スターリングエンジンのコンパクト化が可能になる。
本発明によるスターリングエンジンによれば、シリンダ室内に熱交換フィンが設けられていることにより、外部からのシリンダ室内の作動ガスに対する熱授受の効率が向上する。シリンダ室内に存在する熱交換フィンはディスプレーサピストンの往復動においてディスプレーサピストンのスリットに出入するので、ディスプレーサピストンが熱交換フィンの配置部に進入してもディスプレーサピストンと熱交換フィンとが干渉することがない。これにより、ディスプレーサピストンを熱交換フィン19、21)の配置部まで進入させることができ、圧縮比の低下を招くことなく熱効率のよいスターリングエンジンを得ることができる。また、スターリングエンジンの軸線方向全長を短縮でき、スターリングエンジンのコンパクト化が可能になる。
本発明によるスターリングエンジンの一つの実施形態を示す縦断面図。 本実施形態によるスターリングエンジンのディスプレーサピストン降下状態での半断面斜視図。 本実施形態によるスターリングエンジンのディスプレーサピストン上昇状態での半断面斜視図。 本実施形態によるスターリングエンジンの要部のクランク軸線に直交する垂直面での断面図。 本実施形態によるスターリングエンジンの要部のクランク軸線に平行な垂直面での断面図。 図4の線VI−VIに沿った拡大断面図。 本実施形態によるスターリングエンジンの高温側シリンダ部材と低温側シリンダ部材との結合部の拡大断面図。 本実施形態によるスターリングエンジンに部材結合に用いられるバンドカップリングの視視図。 本実施形態によるスターリングエンジンを4気筒エンジンとして実施した実施形態を示す斜視図。
以下に、本発明によるスターリングエンジンの実施形態を、図1〜図7を参照して説明する。以下の説明では、便宜上、縦置きで、鉛直方向(上下方向)を軸線方向とする。
本実施形態によるスターリングエンジンは、図1〜図3に示されているように、アウタシェルをなす円筒形状のシリンダ部材10を有する。シリンダ部材10は、上端のみを閉じられた下端開口の高温側シリンダ部材12と、上下両端開口の円筒状の低温側シリンダ部材14及びクランク室部材16と、クランク室部材16の下端を塞ぐ略円盤状の底蓋部材18とを同心配置で順に連結した組立体によって構成されている。高温側シリンダ部材12と低温側シリンダ部材14とは、外部との熱交換効率の観点から銅等の熱伝導性が高い金属材料によって構成されていことが好ましい。
高温側シリンダ部材12と低温側シリンダ部材14との結合は、当該両者間にシール部材20とヒートインシュレータ(断熱部材)22とノックピン23とを挟んで、高温側シリンダ部材12の円環状張り出しの下端フランジ部12Aの外周と低温側シリンダ部材14の円環状張り出しの上端フランジ14Aの外周とを跨って取り囲む金属製のバンドカップリング24によって密閉構造で行われている。
この結合部の詳細を、図7を参照して説明する。ヒートインシュレータ22は、セラミック等の耐熱性断熱材料により円環形状に形成され、高温側シリンダ部材12の下端面に形成された矩形断面の円環溝12Cと低温側シリンダ部材14の上端面に形成された矩形断面の円環溝14Cとに嵌め込まれ、高温側シリンダ部材12と低温側シリンダ部材14との間に跨って設けられている。
ヒートインシュレータ22は矩形断面をしていて、その高さ(軸線方向長さ)は円環溝12Cと14Cとの合計の軸線方向深さより所定量長い。これにより、高温側シリンダ部材12と低温側シリンダ部材14との結合部に、(ヒートインシュレータ22の軸線方向長さ)−(円環溝12Cと14Cとの合計の軸線方向深さ)に相当する軸線方向長さの円環状の断熱間隙11が画成される。
シール部材20は、耐熱性を確保するために、金属パイプを円環形状に形成したメタルシール等により構成され、円環溝12Cの底部と円環溝14Cの底部とに形成された円環溝12C、14Cより幅狭の矩形断面の円環状のシール取付溝12D、14Dに各々嵌め込まれ、ヒートインシュレータ22と高温側シリンダ部材12との間と、ヒートインシュレータ22と低温側シリンダ部材14との間に各々挟圧された状態で配置されている。
バンドカップリング24は、図8に示されているように、ボルト24Aとナット24Bとにより締め付けられるC形バンド24Cと、C形バンド24Cの内周面の周方向3箇所に部分的に設けられた略コの字形(横転V字形)断面のフランジ掴み部材24Dとにより構成されている。下端フランジ部12Aと上端フランジ14Aとは、上下面が傾斜した先細の楔形断面形状の径方向外方に突出した円環状張り出しのフランジであることにより、ボルト24Aとナット24BとによってC形バンド24Cが締め付けられると、フランジ掴み部材24Dが下端フランジ部12Aと上端フランジ14Aの上下面に密着し、下端フランジ部12Aと上端フランジ14Aが互いに軸線方向に接近し、ヒートインシュレータ22と2個のシール部材20とを挟んだ高温側シリンダ部材12と低温側シリンダ部材14との結合が行われる。
なお、ノックピン23は、高温側シリンダ部材12と低温側シリンダ部材14との周方向の位置合わせを行うものである。
図1〜図3に示されているように、低温側シリンダ部材14とクランク室部材16との結合は、当該両者間にシール部材26とノックピン27とを挟んで、低温側シリンダ部材14の円環状張り出しの下端フランジ部14Bの外周とクランク室部材16の円環状張り出しの上端フランジ16Aの外周とを跨って取り囲む金属製のバンドカップリング28によって密閉構造で行われている。クランク室部材16と底蓋部材18との結合は、当該両者間にシール部材30を挟んで、クランク室部材16の円環状張り出しの下端フランジ部16Bの外周と底蓋部材18の円環状張り出しの外側フランジ18Aの外周とを跨って取り囲む金属製のバンドカップリング32によって密閉構造で行われている。なお、バンドカップリング28、32は、前述のバンドカップリング24と同等のものであってよい。
高温側シリンダ部材12と低温側シリンダ部材14とは上下に連続する一つのシリンダ室34を画成している。クランク室部材16は上側でシリンダ室34に連通する円筒状のクランク室35を画成している。シリンダ室34及びクランク室35は、密閉構造で、作動ガスとして窒素ガス等を封入される。
シリンダ室34は、高温側シリンダ部材12が外部より加熱されることにより、高温側シリンダ部材12の部分が高温部34Aになっており、低温側シリンダ部材14が外部より冷却されることにより、低温側シリンダ部材14の部分が低温部34Bになっている。
高温側シリンダ部材12の頂部外壁には多数の受熱フィン36が形成されている。高温側シリンダ部材12の外周部には円筒状の受熱フィン部材37が取り付けられている。低温側シリンダ部材14の内部には円筒状の冷却水通路38が形成されている。低温側シリンダ部材14には、冷却水通路38に冷却水を供給する冷却水入口部材40と、冷却水通路38より冷却水を排出する冷却水出口部材42とが取り付けられている。
シリンダ室34には、高温部34A側に位置する高温側ディスプレーサピストン50と、低温部34B側に位置する低温側ディスプレーサピストン52と、高温側ディスプレーサピストン50と低温側ディスプレーサピストン52との間に配置された再生器54と、低温側ディスプレーサピストン52より更に低温部34B側に隔置して配置されたパワーピストン56とが軸線方向に往復動可能に設けられている。
高温側ディスプレーサピストン50と低温側ディスプレーサピストン52とは、円柱形状をしていてセラミック等の軽量耐熱性断熱材により構成されている。高温側ディスプレーサピストン50及び低温側ディスプレーサピストン52の外周面とシリンダ室34の内周面との間には作動ガスの流通のための間隙58(微細な空隙ため図には表れていない)が存在する。再生器54は、金属繊維を圧縮形成したものなど熱交換性に優れたものにより構成され、作動ガスの流通のための貫通孔54Aを軸線方向に貫通形成されている。これにより、シリンダ室34内の作動ガスは、間隙58と再生器54とを通って高温部34Aと低温部34Bとの間を双方向に移動する。
高温側シリンダ部材12の頂部内壁には薄板状の多数の熱交換(放熱)フィン19がシリンダ室34の中心部に向けて放射状に突出形成されている。高温側ディスプレーサピストン50の頂部には高温側シリンダ部材12の上昇移動によって各熱交換フィン19が周方向に隙間をあけて出入可能な複数のスリット51が外周部より中心部に向けて放射状に形成されている。
高温側ディスプレーサピストン50と低温側ディスプレーサピストン52と再生器54とは、これらの中心部を軸線方向に沿って串刺状に貫通する駆動軸60によって互いに連結されている。
駆動軸60はシリンダ部材10の中心位置にあってシリンダ室34及びクランク室35の中心部を軸線方向に延在している。駆動軸60の上端部は、高温側シリンダ部材12の頂部の中心部に形成された軸受孔13に軸線方向に摺動可能に嵌合し、シリンダ部材10より軸線方向に移動可能に支持されている。駆動軸60は、軸受孔13との嵌合部より下側に、つまり軸線方向の中間部に、上述の高温側ディスプレーサピストン50と低温側ディスプレーサピストン52と再生器54とを固定され、図4、図5に示されているように、それより更に下側においてパワーピストン56に中心部に形成された貫通孔57ならびに後述する連結部材62に形成された貫通孔63およびPPスライダ(第2のスライダ)64に形成された通し溝65を軸線方向に変位可能に貫通している。駆動軸60の下端部(他端)は、後述するDPスライダ(第1のスライダ)66に固定連結され、DPスライダ66を介してシリンダ部材10より軸線方向に移動可能に支持されている。
駆動軸60の下端部のDPスライダ66に対する固定は、キー67(図4、図5参照)を挟んで、DPスライダ66の一側面と当該一側面にねじ止めされた取付板69とで挟み込むようにして行われている。
パワーピストン56は、図4、図5に示されているように、セラミック等の軽量耐熱性断熱材により構成された上側部材70と金属製の下側部材74とにより構成されている。下側部材74は上側部材70の中心部に嵌合する円筒部74Aを有している。円筒部74A内にはブッシュ76が嵌挿されており、ブッシュ76にフランジ付きの中空ナット78がねじ係合することにより上側部材70と金属製の下側部材74とが一体化されている。この実施形態では、パワーピストン56の中心部を軸線方向に延在する貫通孔57はブッシュ76の中空部により与えられており、ブッシュ76の中空部に駆動軸60が摺動可能に嵌合している。
低温側ディスプレーサピストン52がパワーピストン56の上部と対向する下底部は下方に突出した切頭円錐突部53になっている。パワーピストン56が低温側ディスプレーサピストン52の切頭円錐突部53と対向する上部は、外周面を残して下方に窪んだ切頭円錐凹部59になっている。低温側ディスプレーサピストン52とパワーピストン56とは、低温側ディスプレーサピストン52が下死点近くに移動し、且つパワーピストン56が上死点近くに移動した時に、切頭円錐突部53が切頭円錐凹部59内に進入する軸線方向の位置関係になっている。
低温側シリンダ部材14の軸線方向中間部の内周壁には薄板状の多数の熱交換(放熱)フィン21がシリンダ室34の中心部に向けて放射状に突出形成されている。低温側シリンダ部材14の下部側には低温側シリンダ部材14の降下移動によって各熱交換フィン21の上側が周方向に隙間をあけて出入可能な複数のスリット61が外周部より中心部に向けて放射状に形成されている。また、パワーピストン56の上側部材70にはパワーピストン56の上昇移動によって各熱交換フィン21の下側が周方向に隙間をあけて出入可能な複数のスリット71が外周部より中心部に向けて放射状に形成されている。
低温側シリンダ部材14の下端近傍の内周壁には軸線方向に長い複数の棒状のシリンダ側永久磁石80が低温側シリンダ部材14の中心軸線周りに等間隔に嵌め込み装着されている。本実施形態では、図6に示されているように、シリンダ側永久磁石80は低温側シリンダ部材14の中心軸線周りに90度間隔で4個設けられている。パワーピストン56の下側部材74の外周壁にはシリンダ側永久磁石80の各々と対応する周方向位置にピストン側永久磁石82が嵌め込み装着されている。ピストン側永久磁石82はシリンダ側永久磁石80より軸線方向長が短い駒状、ボタン状のもので構成される。シリンダ側永久磁石80は、パワーピストン56の軸線方向移動ストロークより長く、パワーピストン56が如何なる軸線方向位置にあってもピストン側永久磁石82に対向し、ピストン側永久磁石82とで永久磁石対をなす。
このシリンダ側永久磁石80とピストン側永久磁石82とからなる永久磁石対は、互い反発し合う磁極、例えば、シリンダ側永久磁石80のN極とピストン側永久磁石82のN極とが低温側シリンダ部材14の内周面とパワーピストン56の外周面との間の間隙15(図6参照)を挟んで互いに対向し、互いに磁気反発し合う配置になっている。
図4、図5に示されているように、下側部材74の外周には軸線方向に小さい間隔をおいて複数の周溝75が形成されている。周溝75は下側部材74の外周と低温側シリンダ部材14の内周との間にラビリンスシールを構成している。このラビリンスシールは低温部34Bの圧力がパワーピストン56の外周面と低温側シリンダ部材14の内周面との間の間隙を通ってクランク室35へ漏れることを低減する。
連結部材62は、シリンダ部材10の中心位置にあってパワーピストン56とPPスライダ64とを球面継手によって連結するものである。この球面継手による連結構造の詳細を説明する。連結部材62の上下端は各々球状部62A、62Bになっている。上側の球状部62Aは、下側部材74の底部に形成された半球状部74Bと下側部材74の底部にナット部材84によってねじ止めされたキャップ部材86に形成された半球状部86Aとにより画定される球状ポケットに嵌合し、パワーピストン56との間に球面継手をなしている。下側の球状部62Bは、PPスライダ64の一側面に形成された半球状部64AとPPスライダ64の一側面にねじ止めされたキャップ部材88に形成された半球状部88Aとにより画定される球状ポケットに嵌合し、パワーピストン56との間に球面継手をなしている。
球状部62A、62Bには各々縦溝90が形成されている。下側部材74とPPスライダ64には各々縦溝90に摺動可能に回転規制ピン92が固定されている。縦溝90と回転規制ピン92との係合により、シリンダ部材10の中心軸線廻り、換言するとパワーピストン56の中心軸線周りの回転を幾何学的に拘束された球面継手が、パワーピストン56と連結部材62との間と、連結部材62とPPスライダ64との間に各々構成される。これにより、パワーピストン56と連結部材62との中心軸線周りの回転変位と、連結部材62とPPスライダ64との中心軸線周りの回転変位とが規制される。
クランク室部材16の上端部にはバー支持部17が形成され、下端部にはバー支持部材94が取り付けられている。バー支持部17とバー支持部材94は、クランク室35において軸線方向に延在する2本のガイドバー96を互いに平行に支持している。
2本のガイドバー96は、後述するクランク軸110を挟んでクランク室35の径方向両側にあり、つまり図1〜図4で見て左右両側にあり、PPスライダ64とDPスライダ66とを上下配置で、各々個別に軸線方向に摺動可能に支持している。なお、PPスライダ64とDPスライダ66との上下配置はPPスライダ64がDPスライダ66より上側で、PPスライダ64がDPスライダ66よりパワーピストン56側にある。
PPスライダ64とDPスライダ66とは、ともに板状のものであり、各々両側にスライドスリーブ部72、73を有する。スライドスリーブ部72、73にはリニアボールベアリング98、100が取り付けられている。PPスライダ64はリニアボールベアリング98によってガイドバー96に摺動可能に係合し、DPスライダ66はリニアボールベアリング100によってガイドバー96に摺動可能に係合し、PPスライダ64とDPスライダ66とは共通のガイドバー96に案内されて個別に軸線方向に往復動可能になっている。
PPスライダ64のスライドスリーブ部72は、図1〜図4で見て右側は軸線方向に所定間隔をおいて互いに同一軸長のものが2個整列配置され、図1〜図4で見て左側は右側と同一軸長のものが1個しか設けられていない。DPスライダ66のスライドスリーブ部72は、図1〜図4で見て左側は軸線方向に所定間隔をおいてスライドスリーブ部72と同一軸長のものが2個整列配置され、図1〜図4で見て右側は左側と同一軸長のものが1個しか設けられていない。
PPスライダ64が右側においてガイドバー96に係合する部分の軸線方向長は、2個のスライドスリーブ部72の合計長と2個のスライドスリーブ部72の間隔長とを合計した長さaになり、PPスライダ64が左側においてガイドバー96に係合する部分の軸線方向長は1個のスライドスリーブ部72の長さbとなる。DPスライダ66が左側においてガイドバー96に係合する部分の軸線方向長は、2個のスライドスリーブ部73の合計長と2個のスライドスリーブ部73の間隔長とを合計した長cになり、DPスライダ66が側においてガイドバー96に係合する部分の軸線方向長は1個のスライドスリーブ部72の長さdとなる。ここに、a=c、b=d、a>b、c>dの関係が成立する。
これにより、PPスライダ64とDPスライダ66とは、その一方のガイドバー96に係合する部分の軸線方向長の長い側が、他方のガイドバー96に係合する部分の軸線方向長の短い側に向けて突出するように整合し、PPスライダ64とDPスライダ66の対向端64B、66B同士は軸線方向に互いに入り組む形状になっている。
つまり、PPスライダ64の長さaによる長い右側係合部分がDPスライダ66の長さdによる短い右側係合部分に整合すると共に、DPスライダ66の長さcによる長い左側係合部分がPPスライダ64の長さbによる短い右側係合部分に整合する。そしてガイドバー96に係合する左右の係合部分の軸線方向の長さ違いによってPPスライダ64の対向端64BとDPスライダ66の対向端66Bとは、左右の係合部分間において互いに同様の上下段違い形状をして、PPスライダ64とDPスライダ66との一方の軸線方向長の長い側(a、c)が他方の軸線方向長の短い側(d、b)に入り込む構成になっており、PPスライダ64のストローク領域とDPスライダ66のストローク領域とが一部オーバラップする。
これにより、PPスライダ64とDPスライダ66と左右の係合部分の軸線方向長さがaあるいはcである場合に比して(a−d)分あるいは(c−b)分、PPスライダ64とDPスライダ66とが往復移動するのに必要な軸線方向スペース、つまりクランク室35の軸長を短くできる。
PPスライダ64とDPスライダ66は、各々3箇所に配置されたスライドスリーブ部72あるいは73によってガイドバー96より支持されるので、PPスライダ64、DPスライダ66の軸線方向の移動姿勢精度が4点支持である場合より劣っても、それは僅かで、必要な移動姿勢精度を保つことができる。
クランク室部材16はボールベアリング102によってクランク軸110のジャーナル軸部(主軸部)112を回転可能に支持している。クランク軸110は、図5で見て左右2個のウェート付きのジャーナル軸部112と、2個のジャーナル軸部112間に配置されてシリンダ部材10の中心に対して互いに異なる側(図5で見て左右両側)に突出した2つのクランクピン114、116を一体形成されたクランクアーム部材118とにより構成され、クランクピン114、116の各々先端部に左右2個のジャーナル軸部112がボルト120によって固定連結されている。
PPスライダ64とDPスライダ66とには、シリンダ部材10の中心に対して互いに異なる側、つまり図5で見て左右に異なる側に突出した連結ピン104、106が設けられている。連結ピン104にはPPコンロッド(第2のコンロッド)122の一端が回転可能に連結されており、クランクピン114にはPPコンロッド122の他端が回転可能に連結されている。これによりPPスライダ64はPPコンロッド122によってクランク軸110に連結される。もう一つの連結ピン106にはDPコンロッド(第1のコンロッド)124の一端が回転可能に連結されており、クランクピン116にはDPコンロッド124の他端が回転可能に連結されている。これによりDPスライダ66はDPコンロッド124によってクランク軸110に連結される。
つぎに上述した構成によるスターリングエンジンのサイクル動作について説明する。
本実施形態では、高温側ディスプレーサピストン50と低温側ディスプレーサピストン52と再生器54との連結体(以下、連結体DPと略称する)が上死点位置にある時のクランク角を0度とすると、クランク角0度では、パワーピストン56は上昇過程でストローク中間位置にある。
この状態では、低温部34Bの容積が最大で、低温側シリンダ部材14が外部より冷却され、低温部34Bにある作動ガスが熱交換関係で冷却されて収縮し、パワーピストン56に負圧が作用してパワーピストン56が上昇移動する。このパワーピストン56の動きは、連結部材62、PPスライダ64、PPコンロッド122によってクランク軸110に伝達され、クランク軸110に回転力が与えられる。これによりクランク軸110が回転する。
このクランク軸110の回転がDPコンロッド124によってDPスライダ66に伝達され、DPスライダ66が降下移動する。この降下移動が駆動軸60によって連結体DPに伝達され、連結体DPが降下移動を開始する。
連結体DPが降下移動することにより、高温部34Aの容積が増大すると共に、低温部34Bから作動ガスが、低温側ディスプレーサピストン52とシリンダ室34との間隙、再生器54、高温側ディスプレーサピストン50とシリンダ室34との間隙を通って高温部34A側へ流れる。
本実施形態では、クランク角90度でパワーピストン56が上死点に位置し、パワーピストン56が上死点に位置すると、高温側シリンダ部材12が外部より加熱されることにより高温部34Aで熱交換関係で加熱されて膨張した作動ガスが、高温側ディスプレーサピストン50とシリンダ室34との間隙、再生器54、低温側ディスプレーサピストン52とシリンダ室34との間隙を通ってパワーピストン56側へ流れる。これにより、膨張した作動ガスによる圧力(正圧)がパワーピストン56に作用し、パワーピストン56が押し下げて下死点へ向かう。このパワーピストン56の動きも、連結部材62、PPスライダ64、PPコンロッド122によってクランク軸110に伝達され、クランク軸110に回転力が与えられる。これによりクランク軸110が引き続き同方向に回転する。
クランク角180で連結体DPが下死点位置に位置すると、高温部34Aの容積が最大になり、引き続き高温部34Aで加熱されて膨張した作動ガスが、低温側ディスプレーサピストン52とシリンダ室34との間隙を通ってパワーピストン56側へ流れ、引き続きパワーピストン56に正圧が作用し、パワーピストン56が押し下げて下死点へ向かう。このパワーピストン56の動きも、同様にクランク軸110に伝達され、クランク軸110に回転力が与えられる。これによりクランク軸110が引き続き同方向に回転する。
このクランク軸110の回転がDPコンロッド124によってDPスライダ66に伝達され、DPスライダ66が上昇移動し、この上昇移動が駆動軸60によって連結体DPに伝達され、連結体DPが上昇移動を開始する。
連結体DPが上昇移動することにより、低温部34Bの容積が増大すると共に、高温部34Aから作動ガスが、高温側ディスプレーサピストン50とシリンダ室34との間隙、再生器54、低温側ディスプレーサピストン52とシリンダ室34との間隙を通って低温部34B側へ流れる。
クランク角270度でパワーピストン56が下死点に位置すると、低温部34Bで冷却され、収縮した作動ガスによってパワーピストン56に負圧が作用し、パワーピストン56が上昇移動する。このパワーピストン56の動きは、連結部材62、PPスライダ64、PPコンロッド122によってクランク軸110に伝達され、クランク軸110に回転力が与えられる。これによりクランク軸110が引き続き同方向に回転する。
クランク角360度でクランク角0度に戻ると、連結体DPが上死点位置に戻り、以降、上述のサイクル動作を繰り返す。
このように、シリンダ室34内の作動ガスが外部より加熱と冷却とを繰り返されることにより、クランク軸110が回転する。
上述のサイクル動作のもと、本実施形態のスターリングエンジンは、下記の効果を奏する。
(1)高温側ディスプレーサピストン50と低温側ディスプレーサピストン52と再生器54との連結体(DP連結体)が、両端をシリンダ部材10より軸線方向に移動可能に支持された駆動軸60に固定されていることにより、DP連結体が横方向(径方向)の移動すること、傾くことが規制され、DP連結体がシリンダ部材10の内周面に接触することがなく、適正な間隙58が保たれる。これにより、スターリングエンジンの摩擦損失を低減すると共に、スターリングエンジンの効率が安定する。
なお、駆動軸60の上端はシリンダ部材10より直接支持されているが、下端は、DPスライダ66、ガイドバー96を介してシリンダ部材10より支持されている。
(2)パワーピストン56の中心部にある貫通孔57を駆動軸60が摺動可能関係で貫通していることにより、パワーピストン56が横方向(径方向)の移動すること、傾くことが所定量以下に規制され、その上で、シリンダ側永久磁石80とピストン側永久磁石82とからなる永久磁石対の磁気反発により、パワーピストン56が軸線方向移動において横ぶれ(振動)することによってシリンダ部材10の内周面に接触することが防止される。これにより、パワーピストン56のシリンダ部材10に対する摺動抵抗がなくなり、スターリングエンジンの摩擦損失が低減し、エンジン効率が向上する。
この場合、パワーピストン56の外周面とシリンダ部材10の内周面との離間距離が大きく変動することがないので、永久磁石対の磁気反発によるパワーピストン56のセンタリング(非接触センタリング)、姿勢制御が大きい磁石を必要とすることなく確実に行われる。これにより、シリンダ側永久磁石80の軸線方向長を短縮でき、併せてパワーピストン56の軸線方向長を短縮できる。このことにより、スターリングエンジンの軸線方向全長を短縮でき、スターリングエンジンのコンパクト化が可能になる。
しかも、シリンダ側永久磁石80は棒状永久磁石で構成し、ピストン側永久磁石82はシリンダ側永久磁石80より軸線方向長が短い駒状、ボタン状のもので構成することができるから、高価な永久磁石を多く必要とすることがなく、パワーピストン56に要するピストン側永久磁石82の配置スペースが小さくてすみ、ピストン側永久磁石82を大型化することがない。
また、シリンダ側永久磁石80は低温側シリンダ部材14に設けられて高温雰囲気に曝されることがないので、熱劣化を生じることがない。
(3)高温側ディスプレーサピストン50と低温側ディスプレーサピストン52と再生器54との連結体(DP連結体)と、パワーピストン56は、ガイドバー96にスライド可能に設けられて横方向移動を規制されたDPスライダ66、PPスライダ64を介してDPコンロッド124、PPコンロッド122によってクランク軸110に連結されているので、クランク軸110の回転、DPコンロッド124、PPコンロッド122の運動による横力がDP連結体やパワーピストン56に作用することがない。
これにより、クランク運動による横ぶれや振動がDP連結体やパワーピストン56に伝わらなくなり、振動がDP連結体やパワーピストン56のストローク運動が安定する。このことによってもスターリングエンジンの摩擦損失を低減すると共に、スターリングエンジンの効率が安定化する。
(4)連結部材62の各端が球面継手になっており、球面継手によってパワーピストン56とPPスライダ64とに連結しているので、PPスライダ64の横ぶれや振動が大きい圧力を受けるパワーピストン56に伝わることがない。
これにより、PPスライダ64によってクランク運動による横力のパワーピストン56への伝達を打ち消した上で、更にPPスライダ機構等の機械加工誤差や熱変形等をキャンセルして永久磁石対の磁気反発によるパワーピストン56の姿勢制御が良好に行われるようになる。
このことにより、非接触で、パワーピストン56のサイドクリアランスを極小に設定し、作動ガスのクランク室35へのリークを最小限に抑えることができる。このことは、パワーピストン56に形成された周溝75によるシリンダ部材10との間のラビリンスシールの作用向上にも寄与する。
更に、パワーピストン56及びPPスライダ64と連結部材62との球面継手部における中心軸線周りの回転が縦溝90と回転規制ピン92との係合によって規制されているので、パワーピストン56がシリンダ室34において不必要に回転することがない。このことは、シリンダ部材10側と熱交換フィン21がパワーピストン56のスリット71に入り込むことにおいて熱交換フィン21とパワーピストン56とが干渉することを回避する上で有用である。
(5)PPスライダ64とDPスライダ66とが共通のガイドバー96によって案内されるので、部品点数の増加を抑え、クランク室35の大型化を回避できる。更に、PPスライダ64とDPスライダ66とは、その一方のガイドバー96に係合する部分の軸線方向長の長い側が、他方のガイドバー96に係合する部分の軸線方向長の短い側に向けて突出するように整合し、PPスライダ64とDPスライダ66の対向端64B、66B同士は軸線方向に互いに入り組む形状になっており、PPスライダ64のストローク領域とDPスライダ66のストローク領域とが一部オーバラップする。PPスライダ64とDPスライダ66とが往復移動するのに必要な軸線方向スペースが減少するから、クランク室35の軸長を短くできる。これにより、スターリングエンジンの軸線方向全長を短縮でき、スターリングエンジンのコンパクト化が可能になる。
また、PPスライダ64とDPスライダ66に設けるスライドスリーブ部72、73の個数、ついては、各スライドスリーブ部72、73に取り付けられる高価なリニアボールベアリング98、100の個数を削減することができる。
(6)シリンダ室34内に熱交換フィン19、21が設けられているので、外部からのシリンダ室34内の作動ガスに対する熱授受の効率が向上する。そのうえで、高温側ディスプレーサピストン50、低温側ディスプレーサピストン52、パワーピストン56のそれぞれに熱交換フィン19、21が入り込むことができるスリット51、61、71が形成されているので、熱交換フィン19、21の配置部がピストンの進入を拒む死容積になることがない。これにより、圧縮比が低下することがなく、熱交換フィン19、21の存在によって熱効率のよいスターリングエンジンを得ることができる。また、スターリングエンジンの軸線方向全長を短縮でき、スターリングエンジンのコンパクト化が可能になる。
(7)低温側ディスプレーサピストン52がパワーピストン56の上部と対向する下底部は下方に突出した切頭円錐突部53になっている。パワーピストン56の上部が外周面を残して下方に窪んだ切頭円錐凹部59になっていて、切頭円錐凹部59に低温側ディスプレーサピストン52の切頭円錐突部53が入り込む構造であることにより、パワーピストン56の姿勢保持のための有効軸長を短縮することなくスターリングエンジンの軸線方向全長を短縮でき、スターリングエンジンのコンパクト化が可能になる。
(8)高温側シリンダ部材12と低温側シリンダ部材14との間に円環形状のヒートインシュレータ22が配置され、更には、高温側シリンダ部材12と低温側シリンダ部材14との間にシール部材20によって気密性を保った上で、断熱間隙11が設けられていることにより、高温側シリンダ部材12と低温側シリンダ部材14との間の熱遮断が良好に行われる。これにより、熱損失が低減し、スターリングエンジンの熱効率が向上する。
ヒートインシュレータ22は、高温側シリンダ部材12の下端面に形成された円環溝12Cと低温側シリンダ部材14の上端面に形成された円環溝14Cとに嵌め込まれ、高温側シリンダ部材12と低温側シリンダ部材14との間に跨って設けられていて、ヒートインシュレータ22の高さ(軸線方向長さ)は円環溝12Cと14Cとの合計の軸線方向深さより所定量長いので、高温側シリンダ部材12と低温側シリンダ部材14との結合部に軸線方向長さの円環状の断熱間隙11が画成され、断熱間隙11の軸線方向長さは、(ヒートインシュレータ22の軸線方向長さ)−(円環溝12Cと14Cとの合計の軸線方向深さ)によって確実に決まる。
更に、シール部材20は、円環溝12Cの底部と円環溝14Cの底部とに形成された円環状のシール取付溝12D、14Dに各々嵌め込まれ、ヒートインシュレータ22と高温側シリンダ部材12との間と、ヒートインシュレータ22と低温側シリンダ部材14との間に各々挟圧された状態で配置されているから、シール取付溝12D、14Dの軸線方向の深さと、挟圧前のシール部材20の寸法との差によってシール圧を確実に管理することができる。
更には、バンドカップリング24によって高温側シリンダ部材12と低温側シリンダ部材14との結合が行われているので、通常のフランジ合わせによる結合よりも、両者間の伝熱距離が長く、しかも接触面積が小さく、熱抵抗が大きいので、このことによっても高温側シリンダ部材12と低温側シリンダ部材14との間の断熱性が向上する。また、バンドカップリング24による高温側シリンダ部材12と低温側シリンダ部材14との結合は、通常のフランジ合わせによる結合よりも軽量化に寄与する。
図9は、上述した実施形態によるスターリングエンジンを4気筒スターリングエンジンとして実施した一つの実施形態を示している。
本実施形態による4気筒スターリングエンジンは直列配置である。このエンジンの4個の高温側シリンダ部材12には気筒配列方向に連続する一つの高温ガスダクト130が被せられている。高温ガスダクト130は、気筒配列方向の一方の側に高温ガス入口132を、他方の側に高温ガス出口134を有し、内部を内燃機関の排気ガス等の廃熱ガスが流れる。
なお、図9では低温側シリンダ部材14に設けられている冷却水通路38の接続について図示を省略しているが、冷却水通路38は隣り合う気筒の冷却水入口部材40と冷却水出口部材42とが接続されることにより、各気筒の冷却水通路38に冷却水が流れる構造にされている。
各気筒のクランク室35は隣接する気筒のクランク室部材16同士を接続するクランク室ダクト136によって連通している。気筒配列方向の一方の側の端部に位置するクランク室ダクト136の先端は蓋136Aによって塞がれている。気筒配列方向の他方の側の端部に位置するクランク室ダクト136には発電機を内蔵した密閉構造の発電機ボックス138が接続されている。
これにより、各気筒のクランク室35は互いに連通した形態で密閉されている。これにより、作動ガスの外部への漏洩を回避できる。また、各気筒において、パワーピストン56に位相差を設けることにより、クランク室35における作動ガスの圧力損失をなくすことができる。
以上、本発明を、その好適な実施形態について説明したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明はこのような実施形態により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。たとえば、再生器54は外部配置のものであってもよく、この場合には、ディスプレーサピストンと高温側と低温側とに分割構成する必要はない。熱交換フィン19、21は、必ずしも放射状に設ける必要はなく、径方向に互い平行に配置されたものであってもよい。高温側ディスプレーサピストン50と低温側ディスプレーサピストン52と再生器54との連結体と、パワーピストン56とのクランク角位相は、90度に限られことなく、180度であってよい。本発明はβ型のスターリングエンジンに限られることはなく、ディスプレーサピストンとパワーピストンとが個別のシリンダ室に配置されたγ型のスターリングエンジンにも適用可能である。また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
10 シリンダ部材
11 断熱間隙
12 高温側シリンダ部材
14 低温側シリンダ部材
16 クランク室部材
18 底蓋部材
19 熱交換フィン
21 熱交換フィン
22 ヒートインシュレータ
24 バンドカップリング
28 バンドカップリング
32 バンドカップリング
34 シリンダ室
34A 高温部
34B 低温部
35 クランク室
36 受熱フィン
37 受熱フィン部材
38 冷却水通路
50 高温側ディスプレーサピストン
51 スリット
52 低温側ディスプレーサピストン
53 切頭円錐突部
54 再生器
56 パワーピストン
57 貫通孔
59 切頭円錐凹部
60 駆動軸
61 スリット
62 連結部材
62A 球状部
62B 球状部
64 PPスライダ
66 DPスライダ
71 スリット
72 スライドスリーブ部
73 スライドスリーブ部
80 シリンダ側永久磁石
82 ピストン側永久磁石
90 縦溝
92 回転規制ピン
96 ガイドバー
98 リニアボールベアリング
100 リニアボールベアリング
110 クランク軸
122 PPコンロッド
124 DPコンロッド
130 高温ガスダクト
136 クランク室ダクト
138 発電機ボックス

Claims (3)

  1. 軸線方向に隔置された高温部と低温部とを有するシリンダ部材と、該シリンダ部材のシリンダ室に設けられ前記高温部と前記低温部との間を往復動可能なディスプレーサピストンと、前記シリンダ室の前記低温部側に連通したシリンダ室に往復動可能に設けられたパワーピストンとを有するスターリングエンジンであって、
    前記シリンダ部材の内壁より当該シリンダ部材のシリンダ室に向けて熱交換フィンが突出形成されており、前記ディスプレーサピストンには当該ディスプレーサピストンの前記往復動において前記熱交換フィンが出入可能なスリットが形成されているスターリングエンジン。
  2. 前記熱交換フィンは、前記高温部と前記低温部の双方に設けられている請求項1記載のスターリングエンジン。
  3. 前記ディスプレーサピストンと前記パワーピストンとは同一のシリンダ室に軸線方向に隔置にして配置され、前記ディスプレーサピストンが前記パワーピストンに対向する部分には突部が形成され、前記パワーピストンが前記ディスプレーサピストンと対向する部分には外周壁を残して窪んで前記ディスプレーサピストンと前記パワーピストンの往復動において前記突部が進入可能な凹部が形成されている請求項1または2に記載のスターリングエンジン。
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