JP2014020123A - スマートエントリーシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】電力消費を必要最小限に抑えた車両用スマートエントリーシステムを得る。
【解決手段】車両異常検知装置25は、車両への人間等の物体の接近を検知し、物体の接近を検知すると物体接近の検知を指示する物体接近検知信号SS6をスマートエントリー装置26のBCM20に送信する。BCM20において、物体検知信号監視部21は物体接近検知信号SS6の有無を常時監視する。送受信部22は物体検知信号監視部21による物体接近検知信号SS6の認識をトリガとして動作状態となり、携帯キー40の識別情報であるキーIDを取得する。ドア制御部23は、物体接近検知信号SS6の認識をトリガとして動作状態となり、携帯キー40が正規であるとの認識時に、タッチセンサ31〜33のいずれかが対応するドアへの接触を検知すると、ドア・アンロックモータ39を駆動して、タッチセンサが接触を検知したドアをアンロック状態に制御する。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両用のスマートエントリーシステムに関する。
近年、一部の自動車等車両(以下、単に「車両」という)には、メカニカルキーを用いずに、小型の無線端末(以下、「携帯通信機」と呼ぶ)を車両の近くや車室内に持ち込むだけで、ドアの施解錠を行ったり、エンジンのスタートを許容したりできる便利なシステムが搭載されている。このようなシステムの呼び方は様々であり、例えば、スマートエントリーシステムやインテリジェントキーシステムなどと呼ばれる。以下、本明細書ではこのようなシステムをスマートエントリーシステムと呼ぶ。
スマートエントリーシステムとして例えば特許文献1に開示された自動暗号照合確認施開錠装置がある。この装置は、車両全体を含む近接領域にリクエスト信号を送信し、携帯通信機の近接を検知して近接信号を出力する近接感知手段と、同近接信号の入力に応じて駆動され、近接領域内の車両の一部と重なる限定外側域に暗号照合用信号を送信し、携帯通信機が車両に接近したことを検知して車載機器駆動信号を出力する自動暗号照合手段と、車載機器駆動信号の入力を受けると車載機器の動作制御を行う制御手段とを備え、携帯通信機はリクエスト信号を携帯受信部で受信すると近接応答信号を携帯送信部より送信する近接検知作動モードと、暗号照合用信号を携帯受信部で受信すると接近応答信号を携帯送信部より送信する接近検知作動モードで駆動している。
特開2006−225868号公報
上述した自動暗号照合確認施開錠装置で代表される、従来のスマートエントリーシステムは以上のように構成されており、携帯通信機を所持したユーザが車両に接近していることを監視するために、車両からは常時または定期的に携帯通信機の近接を検知するための近接信号を送信する必要があった。このため、スマートエントリーシステム全体の電力消費が増加するという問題点があった。スマートエントリーシステムの電力消費が増加すると、例えば、比較的長期間、車両を駐車している場合はバッテリ上がりが生じてしまう等の懸念があった。
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、電力消費を必要最小限に抑えたスマートエントリーシステムを得ることを目的とする。
この発明に係る請求項1記載の車両用スマートエントリーシステムは、車両に搭載され、前記車両への物体の接近を検知し、物体接近の検知を指示する物体接近検知信号を送信可能な異常検知装置と、前記物体接近検知信号の受信をトリガとして、所定の車室外アンテナを用いて携帯通信機と通信を行い、該携帯通信機が前記車両用の正規の携帯通信機であると認識すると前記車両のドアの施錠・解錠を自動制御するスマートエントリー装置とを備え、前記異常検知装置は、前記車両内に設置され、異常検知用電波を送信する送信アンテナと、前記車両内に設置され、前記異常検知用電波を受信する複数の受信アンテナと、前記複数の受信アンテナが受信した前記異常検知用電波に基づいて空間特徴量を算出し、算出した前記空間特徴量に基づいて前記車両への物体の接近を検知し、前記物体接近検知信号を送信する異常検知演算部とを含んでいる。
請求項2の発明は、請求項1記載の車両用スマートエントリーシステムであって、前記スマートエントリー装置は、前記物体接近検知信号の有無を監視する物体接近検知信号監視部と、前記物体接近検知信号の認識をトリガとして動作状態となり、前記所定の車室外アンテナを用いて前記携帯通信機と送受信を行い前記携帯通信機の識別情報を取得する送受信部と、前記物体接近検知信号の認識をトリガとして動作状態となり、前記車両の所定のドアへの接触の有無を検知可能なタッチセンサと、前記物体接近権利信号の認識をトリガとして動作状態となり、前記送受信部にて取得した前記携帯通信機の識別情報と前記車両の識別情報との一致の有無により、前記携帯通信機が正規であるか否かを認識し、前記携帯通信機が正規であるとの認識時に、前記タッチセンサが前記所定のドアへの接触を検知すると、前記所定のドアをアンロック状態に制御するドア制御部とを含む。
請求項1記載の本願発明において、スマートエントリー装置は、異常検知装置からの物体接近検知信号の受信をトリガとして前記車両のドアの施錠・解錠を制御するため、必要最小限の範囲で上記制御動作を実行することができる。その結果、所定の車室外アンテナの駆動等の制御動作時における消費電力を最小限に抑えることができる効果を奏する。
加えて、正規の携帯通信機を所持する人間が接近しているときは、物体接近検知信号がスマートエントリー装置に必ず受信されるため、スマートエントリー装置は、ドアの施開錠の自動制御を何ら支障なく行うことができる。
請求項2記載の本願発明において、異常検知装置からの物体接近検知信号の受信をトリガとして、スマートエントリー装置の主要部を構成する、送受信部、タッチセンサ及びドア制御部が動作状態となるため、必要最小限の範囲でスマートエントリー装置の主要部を動作させることにより、マートエントリー実行部の消費電力を最小限に抑えることができる。
この発明の実施の形態であるスマートエントリーシステムの構成を示すブロック図である。 図1で示した車両異常検知装置の構成を示すブロック図である。 図2に示す送信アンテナおよび複数の受信アンテナの設置位置を示す説明図である。 図3に示す車両の正面図である。 図2に示す異常検知演算部の構成を示すブロック図である。 図1で示した車両異常検知装置が車両に発生する異常を検知し、不審者に対する威嚇を行う際の動作手順を示すフローチャートである。 図1で示した車両異常検知装置が車両に発生する異常を検知し、不審者に対する威嚇を行う際の動作手順を示すフローチャートである。 車両異常検知装置よる物体接近検知動作を示すフローチャートである。 初期ベクトルのときの固有ベクトルに対応する到来角分布と、観測時における固有ベクトルに対応する到来角分布とを示すグラフである。 スマートエントリー装置によるスマートエントリー動作を示すフローチャートである。 携帯キーのスマートエントリー動作を示すフローチャートである。
<実施の形態>
図1はこの発明の実施の形態である車両用のスマートエントリーシステム100の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、スマートエントリーシステム100は車両異常検知装置25及びスマートエントリー装置26の組合せによって構成される。
車両異常検知装置25は、車両に搭載され。車両への人間等の物体の接近を検知し、物体の接近を検知すると物体接近の検知を指示する物体接近検知信号SS6をスマートエントリー装置26のBCM20に送信することができる。
(スマートエントリー装置26)
スマートエントリー装置26は車両に搭載され、BCM(Body Control Module)20、タッチセンサ31〜33、車室外アンテナ34〜36、車室内アンテナ37、ドア・ロックモータ38及びドア・アンロックモータ39から構成される。
なお、タッチセンサ31は運転者側(Dr)ドア、タッチセンサ32は助手席側(As)ドア、タッチセンサ33は後部座席(Bk)ドアへの人間等の接触の有無を検知する。また、車室外アンテナ34は運転者側(Dr)における車室外アンテナ、車室外アンテナ35は助手席側(As)における車室外アンテナ、車室外アンテナ36は後部座席(Bk)における車室外アンテナである。
スマートエントリー実行部であるBCM20は物体検知信号監視部21、送受信部22及びドア制御部23を有している。
物体検知信号監視部21は物体接近検知信号SS6の有無を常時または定期的に監視する。送受信部22は物体検知信号監視部21による物体接近検知信号SS6の認識をトリガとして動作状態となり、(LF用)車室外アンテナ34〜36を用いて携帯キー40と送受信を行い携帯キー40の識別情報であるキーIDを取得する。なお、送受信部22は図示しないUHF用アンテナを用いて携帯キー40からのUHF電波の受信処理を行う。
タッチセンサ31〜33は物体接近検知信号SS6の認識をトリガとして動作状態となり、それぞれ対応するドアへの人間等の接触の有無を検知する。
ドア制御部23は、物体接近検知信号SS6の認識をトリガとして動作状態となり、送受信部22にて取得した携帯キー40のキーIDと予め登録された車両50の識別情報である登録IDとの一致の有無により、携帯キー40が正規であるか否かを認識する。そして、ドア制御部23は、携帯キー40が正規であるとの認識時に、タッチセンサ31〜33のいずれかが対応するドアへの接触を検知すると、ドア・アンロックモータ39を駆動して、タッチセンサが接触を検知したドアをアンロック状態に制御する。
このような構成のスマートエントリー装置26において、物体検知信号監視部21が物体接近検知信号SS6を受信すると、この受信をトリガとしてBCM20の送受信部22及びドア制御部23並びにタッチセンサ31〜33等が動作状態となる。すなわち、物体接近検知信号SS6が受信されるまでは、BCM20の送受信部22、ドア制御部23、タッチセンサ31〜33等は非動作状態となっており、これらが電力消費することはない。
上述したように、送受信部22は動作状態時に車室外アンテナ34〜36を用いて携帯キー40(携帯通信機)と通信(LF送信,UHF受信)を行いキーIDを取得する。そして、ドア制御部23は、動作状態時に送受信部22の送受信内容に基づき、携帯キー40が車両用の正規の携帯通信機であると認識するとドア・ロックモータ38あるいはドア・アンロックモータ39を駆動して、車両のドアの施錠・解除を自動制御する。
(車両異常検知装置)
一方、車両異常検知装置25は、異常検知用電波を送信する送信アンテナ1と、車両内に設置され、異常検知用電波を受信する複数の受信アンテナ2〜5と、複数の受信アンテナ2〜5が受信した異常検知用電波に基づいて空間特徴量を算出し、算出した上記空間特徴量に基づいて前記車両への物体接近を検知し、物体接近検知信号SS6を送信する異常検知演算部6とを含んでいる。
図2は、図1で示した車両異常検知装置25の構成を示すブロック図であり、図3は、図2に示す送信アンテナ1および受信アンテナ2〜5の設置位置を示す説明図であり、図4は、図3に示す車両50の正面図である。
図2を参照して、車両異常検知装置25は、動体検知センサとして機能する。車両異常検知装置25として、(異常検知用)電波を受信するための送信アンテナ1と、(異常検知用)電波を受信するための受信アンテナ2〜5と、人間等の物体の動作を検知する異常検知演算部6とが図3に示す車両50に設置されている。
車両異常検知装置25は、送信アンテナ1から一定間隔以内または連続的に送信される(異常検知用)電波を受信アンテナ2〜5で受信し、異常検知演算部6が当該電波に基づいて信号処理を行なうことにより、車両50の外部における人間の接近動作及び車両50の内部への人間の侵入動作を検知する。
車両異常検知装置25は、アレイ式電波センサであり、電波伝搬の変化を利用して動体の検知機能を実現する。また、車両異常検知装置25が使用する(異常検知用)電波は、原理上は周波数および帯域幅等に制約はない。
(送信アンテナおよび受信アンテナ)
図3および図4を参照して、送信アンテナ1は、無指向性アンテナであって、車両50内に設置されている。具体的には、送信アンテナ1は、車室内に設置され、たとえば、天井の略中央部分であって内装品の内側に設置されている。
受信アンテナ2〜5は、それぞれの受信エリアが異なるように、車両50内の異なる位置に設置されている。具体的には、受信アンテナ2は、車両50の右前方に設置される。受信アンテナ3は、車両50の右後方に設置される。受信アンテナ4は、車両50の左後方に設置される。受信アンテナ5は、車両50の左前方に設置される。
より詳細には、受信アンテナ2〜5は、図4に示すように、車室内の天井であって、内装品の内側に設置され、ルーフ部分と内装品との間において配線(図示せず)が施されている。受信アンテナ2〜5は、指向性アンテナであって、指向性の方向が車両50の外部方向となるように設置されている。
車両50の内部においては、送信アンテナ1から送信される(異常検知用)電波が、直接または反射して、受信アンテナ2〜5によって受信される。車両50の外部においては、送信アンテナ1から送信される電波が車両50の窓などを通過して車両50の外部に到達し、車両50の周囲の人間または路面などによって反射する。そして、反射波は再び車両50の窓などを通過して、受信アンテナ2〜5によって受信される。
(異常検知演算部)
図5は、図2に示す異常検知演算部6の構成を示すブロック図である。図5を参照して、異常検知演算部6は、所定電波検知部10bと、送信部11と、受信部12と、空間特徴量算出部13と、検知部14と、警告部15と、照明制御部16と、検知信号送信部17とを備えている。
(i)送信部および受信部
送信部11は、所定周波数の電波を送信アンテナ1から送信する送信処理を行う。受信部12は、受信アンテナ2〜5において受信された電波から上記所定周波数の電波を抽出し、抽出した電波に対して所定の受信処理を行ってデジタル信号をそれぞれ生成し、空間特徴量算出部13に出力する。
また、受信部12は、受信アンテナ2〜5において受信された電波を所定電波検知部10bに出力する。所定電波検知部10bは、受信アンテナ2〜5において受信された電波が、所定の電波であるか否かを検知し、検知結果を検知部14に出力する。ここで、所定の電波とは、たとえば車両50のドライバーが所有する携帯キー40から送信される電波である。
(ii)空間特徴量算出部
空間特徴量算出部13は、受信アンテナ2〜5に対応する各デジタル信号を受信部12から受けて、これらのデジタル信号に基づいて、受信アンテナ2〜5によって受信された電波のレベルおよび位相を算出する。そして、空間特徴量算出部13は、算出結果に基づいて、受信アンテナ2〜5によって受信された電波に基づく空間特徴量P(t)を算出する。
より詳細には、空間特徴量算出部13は、たとえば参考特許文献(特開2008−216152号公報)に記載の構成と同様に、到来角分布を用いて空間特徴量P(t)を抽出する。すなわち、空間特徴量算出部13は、固有ベクトルの内積を算出することにより、空間特徴量P(t)を抽出する。この内積は、比較基準となる初期ベクトルからの変化量を示す。初期ベクトルすなわち侵入者無しのときの固有ベクトルをvnoとし、観測時tにおける固有ベクトルをvob(t)とすると、空間特徴量P(t)は以下の式(1)で表される。
P(t)=vno・vob(t)…(1)
(iii)検知部
検知部14は、空間特徴量算出部13により算出された空間特徴量P(t)に基づいて、受信アンテナ2〜5の受信エリアにおける人間の動作を検知する。すなわち、検知部14は、送信アンテナ1から送信される電波が帯域幅を持つか否かに応じて、以下に説明するような処理を行う。
(帯域幅を持たない電波が送信される場合)
送信アンテナ1から送信される電波が帯域幅を持たない場合、空間特徴量算出部13は、4つの受信アンテナ2〜5を2つずつの組み合わせ、具体的には、
組A:受信アンテナ2と受信アンテナ3
組B:受信アンテナ3と受信アンテナ4
組C:受信アンテナ4と受信アンテナ5
組D:受信アンテナ5と受信アンテナ2
に分ける。
そして、空間特徴量算出部13は、組Aについて、受信アンテナ2,3によって受信された電波のレベルに基づいて、組Aにおける空間特徴量P(t)を算出する。また、空間特徴量算出部13は、同様に、組B、組C及び組Dについて、それぞれ空間特徴量P(t)を算出する。
検知部14は、組A,組B,組C及び組Dごとに算出された空間特徴量P(t)が閾値Th1より大きいか否かをそれぞれ判断し、各組に対応するエリア別に人間の動作を検知する。そして、検知部14は、各組に対応するエリアのうち人間の動作を検知したエリアを、車両50への人間の接近方向として特定する。
すなわち、検知部14は、組Aについて人間の動作を検知した場合、人間の動作が検知されたエリアは車両50の右側方であると特定する。また、検知部14は、組Bについて人間の動作を検知した場合、人間の動作が検知されたエリアは車両50の後方であると特定する。また、検知部14は、組Cについて人間の動作を検知した場合、人間の動作が検知されたエリアは車両50の左側方であると特定する。また、検知部14は、組Dについて人間の動作を検知した場合、人間の動作が検知されたエリアは車両50の前方であると特定する。
(帯域幅を持つ電波が送信される場合)
送信アンテナ1から送信される電波が帯域幅を持つ場合、たとえばインパルス応答が送信される場合、空間特徴量算出部13は、受信アンテナ2〜5によって受信された電波ごとにレベル及び到着タイミングを算出し、これらの算出結果に基づいて、受信アンテナ2〜5によって受信された電波ごとの空間特徴量P(t)を算出する。
検知部14は、受信アンテナ2〜5において受信された電波ごとに算出された空間特徴量P(t)が閾値Th1より大きいか否かをそれぞれ判断し、受信アンテナ2〜5の各受信エリア別に人間の動作を検知する。そして、検知部14は、各受信エリアのうち人間の動作を検知したエリアを、車両50への人間の接近方向として特定する。
また、検知部14は、空間特徴量算出部13が算出した空間特徴量P(t)の大小に基づいて、車両50の外部において人間の動作があったか、または、人間の車両50内への侵入動作があったか、を判断する。
ここで、車両50内に人間が侵入する際には、車両50のドアの開閉または車両50の窓ガラスの破損などが起きるため、この場合の空間特徴量P(t)は、車両50内への侵入動作がない場合と比較して大きくなる。一方、車両50の外部で人間の動作がある場合には、空間特徴量P(t)は小さくなる。
この相違を利用して、検知部14は、空間特徴量P(t)が閾値Th2(Th2>Th1)以下である場合には、車両50の外部において人間の動作があったと判断し、空間特徴量P(t)が当該閾値Th2より大きい場合には、人間の車両50内への侵入動作があったと判断する。
一方、検知部14は、車両異常検知装置25において所定の電波の受信が検知されている場合には、動作が検知された人間は不審者ではないと判定する。ここで、車両50は、たとえば携帯キー40から送信される電波などである所定の電波を受信するための所定電波受信部10aを搭載する。すなわち、所定電波受信部10aは、携帯キー40から送信された電波を受信してドアロックを解除するためのスマートキーシステムにおける受信部である。そして、所定の電波は、受信アンテナ2〜5、または、所定電波受信部10aにおけるアンテナ(図示せず)において受信される。
そして、受信アンテナ2〜5において所定の電波が受信された場合には、所定電波検知部10bが、所定の電波を検知し、検知結果を検知部14に出力する。また、所定電波受信部10aにより所定の電波が受信された場合には、所定電波受信部10aが、所定の電波を検知し、検知結果を検知部14に出力する。
なお、車両50に、所定電波受信部10aと所定電波検知部10bとの両方が備えられている必要はなく、いずれか一方だけ備えられていればよい。
(iv)警告部
警告部15は、検知部14による検知結果を受けて、検知部14が人間の動作を検知した場合には、ホーン7及び照明8を利用した警告(第1及び第2の警告処理)を行う。
警告部15は、検知部14が人間の動作を検知した場合には、ホーン7及び照明8を制御し、ホーン7による警告音及び照明8による警告光の少なくとも一つを用いた第1の警告処理を行うように制御する。また、警告部15は、検知部14が車両50内への侵入動作を検知した場合等には、ホーン7及び照明8を制御し、ホーン7による警告音及び照明8による警告光の組合せからなる第2の警告処理を行うように制御する。
なお、上記第2の警告処理はホーン7の警告音を最大レベルにする、前方照明8a、右側方照明8b、左側方照明8c及び後方照明8dの全てを点灯あるいは点滅させる等により、上記第1の警告処理より警告度合が高く、不審者に対する威嚇が可能な警告内容にすることが望ましい。この際、上記第2の警告処理として、ブレーキランプ、ハザードランプ(ターンランプ)の点灯、あるいは、車室内ルームミラー下部辺りに別途設けた警告灯の点灯を併せて行うようにすることも考えられる。
また、ホーン7として、通常用いる車両50に搭載されたホーン、あるいはボンネット内に設置されるセキュリティ専用ホーン等が考えられる。
図5で示した構成では、警告部15が直接、ホーン7及び照明8を制御しているが、照明8やホーン7といった装置はもともと車両50に搭載しているECUが制御していることが多い。このため、当該ECUに対しCAN等の通信を介して警告部15が制御信号を出力する構成も考えられる。
また、警告部15は、車両異常検知装置25において所定の電波の受信が検知され、検知部14において動作が検知された人間は不審者ではないと判定された場合には、検知部14が人間の動作(及び車両50の傾き異常)を検知しても、上記第1及び第2の警告処理は実行させない。ここで、所定の電波は、たとえば車両50のドライバーが所有する携帯キーから送信される電波である。
(v)照明制御部
照明制御部16は、検知部14による検知結果を受けて、車両50に設けられている前方照明8a,右側方照明8b,左側方照明8c,後方照明8d(以下、これらを総称する場合には、「照明8」とする。)の点灯を制御する。図3に示すように、前方照明8aは、車両50の前方のヘッドライトである。右側方照明8bは、車両50の右側方のドア付近に設けられ、車両50に乗り降りする際のドライバーの足元を照らすための照明設備である。左側方照明8cは、車両50の左側方のドア付近に設けられ、車両50に乗り降りする際のドライバーの足元を照らすための照明設備である。後方照明8dは、車両50の後方のブレーキランプ、テールランプ及びターンランプのうちのいずれか、あるいはこれらのランプの組合せからなる照明設備である。
照明制御部16は、車両異常検知装置25において所定の電波の受信が検知されている場合には、照明8を点灯させる。本実施の形態では、照明制御部16は、車両50の周囲が照明8の点灯を必要とする程度に暗い場合であり、かつ、車両異常検知装置25において所定の電波の受信が検知されている場合には、検知部14が人間の動作を検知した電波の受信アンテナに対応する照明を点灯させる。
ここで、車両50は、たとえば光の明るさを検知する光検知センサ9を搭載し、光検知センサ9による検知結果を照明制御部16が受けることにより、照明制御部16が車両50の周囲の明るさを判断する。
たとえば、照明制御部16が、光検知センサ9によって車両50の周囲が照明8の点灯を必要とする程度に暗いと判断した場合であって、受信アンテナ2及び受信アンテナ3が車両50のドライバーの携帯キー40から送信される電波を受信している場合には、照明制御部16は右側方照明8bを点灯させることによってドライバーの乗車を補助する。
なお、照明8は、必ずしも複数設けられている必要はない。また、照明制御部16は、検知部14が人間の動作を検知した電波の受信アンテナに対応する照明が存在しない場合には、いずれの照明も点灯させない。
図5で示した構成では、照明制御部16が照明8を直接制御しているが、警告部15と同様、照明8を制御しているECUに対しCAN等の通信を介して照明制御部16が制御信号を出力する構成も考えられる。
(vi)検知信号送信部
検知信号送信部17は、検知部14による検知結果を受けて、検知部14が人間の動作を検知した場合には、人間等の物体の車両50への接近を指示する物体接近検知信号SS6をスマートエントリー装置26に向けて送信する。この物体接近検知信号SS6がスマートエントリー装置26の主要部を動作状態とさせるトリガ信号となる。
[動作]
次に、本発明の実施の形態に係る車両異常検知装置25が車両50に発生する異常を検知し、上記第1の警告処理あるいは上記第2の警告処理を実行して不審者に対する威嚇を行う際の動作について説明する。
図6及び図7は、本発明の実施の形態の車両異常検知装置25における車両異常検知装置25が車両50に発生する異常を検知し、不審者に対する威嚇を行う際の動作手順を示すフローチャートである。
車両異常検知装置25は、フローチャートの各ステップを含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。このインストールされるプログラムは、たとえば記録媒体に格納された状態で流通する。
図6及び図7を参照して、まず、異常検知演算部6の送信部11が、所定周波数の電波の送信処理を行い、車両50内の天井の略中央部分に設置された送信アンテナ1から電波が送信される(ステップS1)。
次に、車両50の内部で反射された電波または車両50の外部で人間または路面などによって反射された電波が受信アンテナ2〜5において受信され、異常検知演算部6の受信部12が、受信された電波から上記所定周波数の電波を抽出し、抽出した電波に対して所定の受信処理を行う(ステップS2)。
次に、異常検知演算部6の空間特徴量算出部13が、受信部12によって生成されたデジタル信号を受けて、受信アンテナ2〜5が受けた電波に基づいて空間特徴量P(t)を算出する(ステップS3)。そして、異常検知演算部6の検知部14が、算出された空間特徴量P(t)に基づいて人間の動作及び車両50の傾き異常のうち少なくとも一つの異常を検知する(ステップS4)。具体的には、検知部14が、空間特徴量P(t)が閾値Th1より大きいか否かを判別する。
ここで、検知部14は、空間特徴量P(t)が閾値Th1以下である場合には(ステップS4で「NO」)、車両50の内外において人間の動作がなく、物体接近及び車両50の傾き異常が共に検知されなかったと判断し、受信処理(ステップS2)に戻って同様の動作が繰り返される。
一方、検知部14は、空間特徴量P(t)が閾値Th1より大きい場合には(ステップS4で「YES」)、車両50の外部における人間の動作及び車両50の傾き異常のうち少なくとも一つの異常を検知したと判断し(ステップS5)、前述のような方法を用いて、人間の動作を検知したエリアの特定、あるいは傾き度合の特定を行う(ステップS6)。なお、傾き度合の特定は空間特徴量P(t)に基づき演算により求めることができる。
次に、検知部14が、人間の動作あるいは車両50の傾き異常を検知した時、所定の電波、たとえば携帯キーから送信された電波を受信中か否かを識別し(ステップS7)、識別結果を警告部15及び照明制御部16に出力する。
次に、照明制御部16が、検知部14から識別結果を受けて、人間の動作あるいは車両50の傾き異常を検知した時、所定の電波を受信中である場合には(ステップS7で「YES」)、さらに光検知センサ9から、車両50の周囲が照明8の点灯を必要とする程度に暗いか否かを示す検知結果を取得する(ステップS8)。
次に、照明制御部16が、車両50の周囲が照明8の点灯を必要とする程度に暗い場合には(ステップS8で「YES」)、人間の動作を検知した電波の受信アンテナに対応する照明、たとえば前方のヘッドライトが点灯するように、照明8の点灯を制御する(ステップS9)。一方、車両50の周囲が照明8の点灯を必要としない程度の明るさである場合には(ステップS8で「NO」)、受信処理(ステップS2)に戻って同様の動作が繰り返される。
一方、人間の動作あるいは車両50の傾き異常を検知した時、所定の電波を受信していない場合には(ステップS7で「NO」)、検知部14が、検知した人間の動作が車両50の外部の動作及び車両50の傾き異常のいずれかであるか、または、車両50内への侵入動作であるかを判断する(ステップS10)。具体的には、検知部14が、空間特徴量P(t)が閾値Th2より大きいか否かを判別する。
次に、検知部14が、空間特徴量P(t)が閾値Th2以下である場合には(ステップS10で「NO」)、検知した人間の動作が車両50の外部での動作である、あるいは車両50の傾き異常が発生したと判断する(ステップS11)。そして、警告部15が、検知部14から判断結果を受けて、ホーン7及び照明8を制御して上記第1の警告処理を実行する(ステップS12)。
次に、検知部14が、人間の動作を検知した状態の継続時間、及び、人間の動作を検知したエリアに基づき、上述した種々の方法を用いて、動作を検知された人間が不審者であるか否かの判定を行う(ステップS13)。
そして、検知部14が、動作を検知した人間が不審者ではないと判定した場合には(ステップS13で「NO」)、受信処理(ステップS2)に戻って同様の動作が繰り返される。そして、空間特徴量算出部13が空間特徴量P(t)を算出し(ステップS3)、算出された空間特徴量P(t)が閾値Th1以下である場合、すなわち検知部14によって人間の動作及び車両50の傾き異常が共に検知されない場合には(ステップS4)、警告部15が、上記第1の警告処理を終了するようにホーン7及び照明8を制御する。
一方、検知部14が、動作を検知した人間が不審者であると判定した場合には(ステップS13で「YES」)、警告部15が、ホーン7及び照明8を制御して、上記第1の警告処理より警告度合が高い上記第2の警告処理を実行する(ステップS14)。
また、検知部14が、空間特徴量P(t)が閾値Th2より大きい場合には(ステップS10で「YES」)、検知した人間の動作が車両50内への侵入動作であると判断する(ステップS15)。そして、警告部15は、不審者への威嚇を行うべく、ホーン7及び照明8を制御して上記第2の警告処理を実行する(ステップS16)。
本発明の実施の形態に係る車両異常検知装置25では、車両50内に設置され、電波を送信するための送信アンテナ1と、車両50内に設置され、電波を受信するための受信アンテナ2〜5と、が備えられている。また、車両異常検知装置25では、異常検知演算部6が備えられ、異常検知演算部6が、受信アンテナ2〜5が受信した電波に基づいて空間特徴量P(t)を算出し、算出した空間特徴量P(t)に基づいて車両50の外部における人間の動作、車両50の傾き異常及び車両50の内部への人間の侵入動作を検知する。
このような構成により、車両50が被害を受ける前に異常の発生を検知して被害を未然に防ぎ、かつ、車両50内外における異常を的確に検知することができる。たとえば、犯罪者が車両50に対して犯罪行為を開始する前に、犯罪者の車両50への接近を検知することができるため、犯罪行為が行われる前に上記第1の警告処理あるいは上記第2の警告処理により犯罪者に威嚇をして犯罪行為をあきらめさせるなど、犯罪を未然に抑制することができる。
(車両異常検知装置を利用したスマートエントリーシステム)
上述したように、車両異常検知装置25は車両50内の侵入は勿論、車両50の周辺への人間眼等の物体の接近をも正確に検知して物体接近検知信号SS6として送信することができる。すなわち、車両異常検知装置25はアレイアンテナ方式の電波センサにより構成されており、他の方式(ドップラセンサによる検知等の方式)に比べ、車両50の周辺への物体の接近を精度良く検知することができる特徴を有している。
そこで、本実施の形態の車両用のスマートエントリーシステム100は、車両異常検知装置25による物体接近検知信号SS6の受信を、スマートエントリー装置26の主要部(BCM20の送受信部22,ドア制御部23等)を動作状態とするトリガとして利用している。
すなわち、BCM20は物体検知信号監視部21を除き、物体接近検知信号SS6が受信されるまでは、送受信部22,ドア制御部23を非動作状態とすることができる。
(スマートエントリー動作)
以下、ドアの施開錠の制御動作等のスマートエントリー動作を行う場合における車両異常検知装置25、スマートエントリー装置26及び携帯キー40それぞれの動作について説明する。
図8は、スマートエントリーシステム100に用いられる車両異常検知装置25による物体接近検知動作を示すフローチャートである。
同図を参照して、ステップS20で、スマートエントリー装置26内のBCM20のドア制御部23によるドア制御動作あるいは携帯キー40によるキーレス操作(遠隔操作)により車両50がドアロック状態であることを検知するとステップS21以降の物体接近検知動作に移る。なお、車両異常検知装置25は、この物体接近検知動作と並行して、図6及び図7で示した不審者に対する威嚇動作を実行しても良い。
なお、車両50がドアロック状態であるか否かはBCM20のドア制御部23からドアロック状態を指示するドアロック信号を異常検知演算部6が受信する等により認識することができる。
また、ドアロック信号に代えて、車両異常検知装置25による異常検知処理の実行を指示する、何らかの異常検出許可信号をBCM20が車両異常検知装置25の異常検知演算部6等に送信するようにしても良い。この場合、ドアロック状態以外においても、異常検知許可信号を送信することにより車両異常検知装置25に物体接近検知動作を実行させることができるため、ユーザの要望に沿った柔軟な対応が可能となる。
ステップS21にて、異常検知演算部6の送信部11が、所定周波数の電波の送信処理を行い、車両50内の天井の略中央部分に設置された送信アンテナ1から電波が送信される。
次に、ステップS22において、車両50の内部で反射された電波または車両50の外部で人間または路面などによって反射された電波が受信アンテナ2〜5において受信され、異常検知演算部6の受信部12が、受信された電波から上記所定周波数の電波を抽出し、抽出した電波に対して所定の受信処理を行う。
その後、ステップS23にて空間特徴量算出処理を行い、空間特徴量P(t)を算出する。続く、ステップS24にて、異常検知演算部6の検知部14が、算出された空間特徴量P(t)が閾値Th1より大きいか否かに基づき、車両50の周辺における人間等の物体の接近の有無を検出する。すなわち、ステップS24において、検知部14は、空間特徴量P(t)が閾値Th1より大きい場合には(YES)、車両50の内外における人間等の物体の接近を検知したと判断し、ステップS25に移行する。一方、ステップS24にて、空間特徴量P(t)が閾値Th1以下である場合には(「NO」)、車両50の内外において人間の動作がなかったと判断し、受信処理(ステップS22)に戻って同様の動作が繰り返される。
上述したステップS21〜S24の処理は、図6で示したステップS1〜S4の処理に相当する。
図9は初期ベクトルすなわち侵入者無しのときの固有ベクトルvnoに対応する到来角分布TS0と、観測時tにおける固有ベクトルをvob(t)に対応する到来角分布TS1とを示している。これらの到来角分布TS0,TS1は受信アンテナ2〜5における受信強度の位相差を検出することにより求めることができる。
上述した空間特徴量P(t)は、到来角分布TS0と到来角分布TS1との違いが大きくなると、増加する性質を有するため、適切に閾値Th1を設定することにより、人間等の物体の車両50への接近を精度良く認識することができる。なお、初期ベクトルを定期的に更新するようにしても良い。すなわち、過去のある時点におけるベクトルを初期ベクトルとして設定するようにしても良い。
図8に戻って、ステップS24でYESの場合に実行されるステップS25において、検知部14は物体接近を指示刷る検知結果を検知信号送信部17に伝達し、検知信号送信部17がBCM20に物体接近検知信号SS6を送信する。その結果、非動作状態であったスマートエントリー装置26(BCM20)の主要部を動作状態に導くことができる。
図10はスマートエントリー装置26(BCM20)によるスマートエントリー動作を示すフローチャートである。
同図を参照して、ステップS31で物体検知信号監視部21にて物体接近検知信号SS6の有無を監視し、物体接近検知信号SS6が認識される(YES)と、ステップS32以降のドア制御動作を含むスマートエントリー動作に移行する。一方、物体接近検知信号SS6が認識されるまでは、ステップS31における物体検知信号監視部21による監視動作のみが繰り返し実行される。すなわち、ステップS31が繰り返されている期間においては、BCM20の送受信部22及びドア制御部23等は非動作状態である。
ステップS31でYESの場合に実行されるステップS32において、BCM20の送受信部22は動作状態となり、車室外アンテナ34〜36等を駆動し、携帯キー40のID要求信号をLF電波にて送信し、ステップS33において、携帯キー40からのキーID信号(UHF電波)の受信の有無を確認する。ステップS33において、キーID信号の受信が確認された場合(YES)はステップS34に移行し、確認されない場合(NO)は、ステップS31に戻る。
ステップS33でYESの場合に実行されるステップS34において、ドア制御部23は、ステップS33で受信したキーID(携帯キー40用の識別情報)と、予め登録されている車両50の登録ID(車両50用の識別情報)との照合を実施する。
そして、ステップS35において、ドア制御部23は、キーIDと登録IDとの一致の有無を検証する。ステップS35で両IDが一致する場合(YES)、携帯キー40は正規の携帯キーであると判断し、ステップS36以降の処理に移行し、両IDが不一致の場合(NO)、携帯キー40が車両50に対応する正規の携帯キーでない、すなわち、不審者の可能性が高いと判断し、ステップS31に戻る。
ステップS35でYESの場合に実行されるステップS36において、ドア制御部23はドア・アンロックモータ39の駆動準備を行い、ドア・アンロックモータ39をスタンバイ状態にする。
そして、ステップS37において、ドア制御部23はタッチセンサ31〜33より得られるタッチセンサ信号の有無を検証し、タッチセンサ信号が確認されると(ステップS37でYES)、ステップS38にてドア・アンロックモータ39を駆動して当該タッチセンサに対応するドアをアンロック状態にする。例えば、タッチセンサ31にてタッチセンサ信号が確認されると運転席側のドアをアンロック状態にする。なお、ステップS37でタッチセンサ信号が確認されない場合(NO)はステップS31に戻る。
なお、集中ドアロック機能を有効にしている場合は、タッチセンサ信号が確認されると(ステップS37でYES)、ステップS38にてドア・アンロックモータ39を駆動して全てのドアをアンロック状態にする。
図11は携帯キー40におけるスマートエントリー動作を示すフローチャートである。同図を参照して、ステップS41で送受信部22による車室外アンテナ34〜36からのキー要求信号(LF電波)の受信の有無を確認し、キー要求信号を受信すると続くステップS42にてキーID信号(UHF電波)をBCM20に向けて送信する。なお、キーID要求信号が受信されるまでステップS41の処理は繰り返し実行される。
(効果等)
このように、本実施の形態における車両用のスマートエントリーシステム100において、スマートエントリー装置26の主要部(BCM20内の送受信部22,ドア制御部23、タッチセンサ31〜33、車室外アンテナ34〜36等)は、車両異常検知装置25からの物体接近検知信号SS6の受信をトリガとして動作状態となる。このため、必要最小限の範囲で上記主要部を動作させることにより、車室外アンテナ34〜36の駆動等を含むBCM20の制御動作等の消費電力を最小限に抑えることができる効果を奏する。
なお、車両異常検知装置25及びスマートエントリー装置26に相当する構成を車両に装備させる場合、両者は独立して動作させるのが一般的である。したがって、車両異常検知装置25及びスマートエントリー装置26に相当する構成の機能を共に有効にするにためには、両者を同時に動作させる必要があるため、本実施の形態のようにスマートエントリー装置26の主要部を非動作状態にすることができず、消費電流低減効果を発揮することはできない。
すなわち、スマートエントリー装置26構成する、物体検知信号監視部21以外の構成部(送受信部22、ドア制御部23、タッチセンサ31〜33、車室外アンテナ34〜36、車室内アンテナ37、ドア・ロックモータ38及びドア・アンロックモータ39)は、物体接近検知信号SS6が受信されるまでは、非動作状態であるため、スマートエントリー装置26の消費電力を最小限に抑えることができる。
加えて、正規の携帯キー40を所持する人間が接近しているときは、物体接近検知信号SS6が必ず受信されるため、スマートエントリー装置26は、ドアの施開錠を自動的に行う等のスマートエントリー動作を何ら支障なく行うことができる。
<その他>
なお、検知部14は物体(人間)の接近方向を特定することができるため、物体接近検知信号SS6の情報量を拡張し、検知した物体の接近方向に関する情報を含めることにより、車室外アンテナ34〜36やタッチセンサ31〜33のうち、物体の接近方向に最も近い位置に存在する車室外アンテナやタッチセンサのみを選択的に動作状態とすることにより、さらなる消費電力低減化が期待できる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 送信アンテナ
2〜5 受信アンテナ
6 異常検知演算部
20 BCM
21 物体検知信号監視部
22 送受信部
23 ドア制御部
25 車両異常検知装置
26 スマートエントリー装置
31〜33 タッチセンサ
34〜36 車室外アンテナ
37 車室内アンテナ
38 ドア・ロックモータ
39 ドア・アンロックモータ
40 携帯キー
50 車両
100 スマートエントリーシステム

Claims (2)

  1. 車両に搭載され、前記車両への物体の接近を検知し、物体接近の検知を指示する物体接近検知信号を送信可能な異常検知装置と、
    前記物体接近検知信号の受信をトリガとして、所定の車室外アンテナを用いて携帯通信機と通信を行い、該携帯通信機が前記車両用の正規の携帯通信機であると認識すると前記車両のドアの施錠・解錠を自動制御するスマートエントリー装置とを備え、
    前記異常検知装置は、
    前記車両内に設置され、異常検知用電波を送信する送信アンテナと、
    前記車両内に設置され、前記異常検知用電波を受信する複数の受信アンテナと、
    前記複数の受信アンテナが受信した前記異常検知用電波に基づいて空間特徴量を算出し、算出した前記空間特徴量に基づいて前記車両への物体の接近を検知し、前記物体接近検知信号を送信する異常検知演算部とを含む、
    車両用スマートエントリーシステム。
  2. 請求項1記載の車両用スマートエントリーシステムであって、
    前記スマートエントリー装置は、
    前記物体接近検知信号の有無を監視する物体接近検知信号監視部と、
    前記物体接近検知信号の認識をトリガとして動作状態となり、前記所定の車室外アンテナを用いて前記携帯通信機と送受信を行い前記携帯通信機の識別情報を取得する送受信部と、
    前記物体接近検知信号の認識をトリガとして動作状態となり、前記車両の所定のドアへの接触の有無を検知可能なタッチセンサと、
    前記物体接近権利信号の認識をトリガとして動作状態となり、前記送受信部にて取得した前記携帯通信機の識別情報と前記車両の識別情報との一致の有無により、前記携帯通信機が正規であるか否かを認識し、前記携帯通信機が正規であるとの認識時に、前記タッチセンサが前記所定のドアへの接触を検知すると、前記所定のドアをアンロック状態に制御するドア制御部とを含む、
    車両用スマートエントリーシステム。
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