JP2014019863A - 発泡スチロール用2−シアノアクリレート系接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】発泡スチロールを溶解することなく、接着性に優れた一液型の速硬化性接着剤組成物を提供する。
【解決手段】2−シアノアクリル酸エステル(A)と、特定のカーボネート化合物(B)と、アニオン重合促進剤(C)とを含有し、前記カーボネート化合物(B)の含有量が、前記(A)及び(B)成分の合計量に対して、15〜60質量%であることを特徴とする発泡スチロール用2−シアノアクリレート系接着剤組成物。前記カーボネート化合物は、エチレンカーボネート又はプロピレンカーボネートであることが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、発泡スチロールの接着に適した2−シアノアクリレート系接着剤組成物に関する。
2−シアノアクリル酸エステルを含有する2−シアノアクリレート系接着剤組成物は、主成分である2−シアノアクリル酸エステルが有する特異なアニオン重合性により、被着体表面に付着する僅かな水分等の微弱なアニオンによって重合を開始し、各種材料を短時間で強固に接合することができる。そのため、所謂、瞬間接着剤として、工業用、医療用及び家庭用等の広範な分野において用いられている。しかしながら、従来の2−シアノアクリレート系接着剤組成物を用いて発泡スチロールを接着しようとすると、接着剤を塗布した部分の発泡スチロールが溶解してしまうため、良好に接着することができない。発泡スチロールを接着する場合は、ホットメルト接着剤(特許文献1)やエポキシ系接着剤(特許文献2)等が使用されている。
一方、2−シアノアクリレート系接着剤組成物の機能を改良するために、各種のカーボネート化合物を配合することが開示されている。例えば、特許文献3には、ジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネート等のカーボネート化合物を配合してなる2−シアノアクリレート系組成物が記載されている。また、特許文献4には、エチレンカーボネートを含有してなる2−シアノアクリレート組成物が記載されている。
特開平5−261821号公報 特開平6−25631号公報 特開昭62−153370号公報 特開昭64−83057号公報
しかしながら、特許文献1に開示されるようなホットメルト接着剤は、接着剤を溶融塗布するためのアプリケーターが必要になることや、熱による発泡スチロールの変形が生じるという問題がある。また、特許文献2に開示されるようなエポキシ系接着剤は、主剤と硬化剤を計量して混合する必要があり、作業性に問題がある。
一方、特許文献3及び4に記載されている2−シアノアクリレート系組成物は、接着剤として使用されてはいるものの、被着体はゴムや鋼板であり、発泡スチロールを接着する場合の問題点や、その解決手段はまったく開示されていない。
本発明は、前記問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、発泡スチロールを溶解することなく、接着性に優れた一液型の速硬化性接着剤組成物を提供することにある。
本発明者らは、2−シアノアクリル酸エステル、特定のカーボネート化合物及びアニオン重合促進剤を含有し、前記カーボネート化合物の含有量が所定量の2−シアノアクリレート系接着剤組成物は、発泡スチロールをほとんど溶解することなく、接着性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.2−シアノアクリル酸エステル(A)と、下記一般式(1)で表されるカーボネート化合物(B)と、アニオン重合促進剤(C)とを含有し、前記カーボネート化合物(B)の含有量が、前記(A)及び(B)成分の合計量に対して、15〜60質量%であることを特徴とする発泡スチロール用2−シアノアクリレート系接着剤組成物。
[式(1)におけるR1、R2、R3 及びR4は互いに独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基若しくはシクロアルキル基、又はフェニル基である。]
2.前記カーボネート化合物(B)が、エチレンカーボネート又はプロピレンカーボネートであることを特徴とする前記1に記載の発泡スチロール用2−シアノアクリレート系接着剤組成物。
3.前記アニオン重合促進剤(C)が、ポリアルキレンオキサイド類、クラウンエーテル類、シラクラウンエーテル類、カリックスアレン類、オキサカリックスアレン類、シクロデキトリン類及びピロガロール系環状化合物類からなる群より選択される少なくとも1つのアニオン重合促進剤である前記1又は2に記載の発泡スチロール用2−シアノアクリレート系接着剤組成物。
4.更に、増粘剤(D)を含有することを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の発泡スチロール用2−シアノアクリレート系接着剤組成物。
5.前記(A)〜(D)成分を含有する接着剤組成物の粘度が、100〜200,000mPa・sであることを特徴とする前記4に記載の発泡スチロール用2−シアノアクリレート系接着剤組成物。
6.前記1〜5のいずれかに記載の接着剤組成物で、発泡スチロール製部材同士を接着してなることを特徴とする発泡スチロール製構造体。
7.前記1〜5のいずれかに記載の接着剤組成物で、発泡スチロールと、その他の被着体を接着してなることを特徴とする複合体。
本発明に係る発泡スチロール用2−シアノアクリレート系接着剤組成物は、2−シアノアクリル酸エステル、特定のカーボネート化合物及びアニオン重合促進剤を含有し、前記カーボネート化合物の含有量が所定の範囲の組成物である。そのため、被着体である発泡スチロールを溶解することなく、優れた接着性を発現することができる。また、前記接着剤組成物が、更に増粘剤を含有する場合は発泡スチロールに浸透する速度が遅くなるため、発泡スチロールの溶解抑制効果がより高まる。
発泡スチロールの接着試験を模式的に示す。 実施例2のPVC側の接着破断面を示す。 比較例2のPVC側の接着破断面を示す。 比較例3のPVC側の接着破断面を示す。
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の発泡スチロール用2−シアノアクリレート系接着剤組成物(以下、単に「接着剤組成物」ともいう)は、2−シアノアクリル酸エステル(A)と、特定のカーボネート化合物(B)と、アニオン重合促進剤(C)とを含有し、前記カーボネート化合物(B)の含有量が、前記(A)及び(B)成分の合計量に対して、15〜60質量%である。以下、接着剤組成物について詳しく説明する。
前記「2−シアノアクリル酸エステル(A)」としては、この種の2−シアノアクリレート系接着剤組成物に一般に使用される2−シアノアクリル酸エステルを特に限定されることなく用いることができる。この2−シアノアクリル酸エステルとしては、2−シアノアクリル酸のメチル、エチル、クロロエチル、n−プロピル、i−プロピル、アリル、プロパギル、n−ブチル、i−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、フェニル、テトラヒドロフルフリル、ヘプチル、2−エチルヘキシル、n−オクチル、2−オクチル、n−ノニル、オキソノニル、n−デシル、n−ドデシル、メトキシエチル、メトキシプロピル、メトキシイソプロピル、メトキシブチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、エトキシイソプロピル、プロポキシメチル、プロポキシエチル、イソプロポキシエチル、プロポキシプロピル、ブトキシメチル、ブトキシエチル、ブトキシプロピル、ブトキシイソプロピル、ブトキシブチル、2,2,2−トリフルオロエチル及びヘキサフルオロイソプロピル等のエステルが挙げられる。これらの2−シアノアクリル酸エステルは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。併用する場合、組み合わせは特に限定されない。
前記「カーボネート化合物(B)」は、接着剤組成物による発泡スチロールの溶解を抑制する効果がある。本発明で使用するカーボネート化合物は、下記一般式(1)で表される化合物(以下、単に「カーボネート化合物」ともいう)であり、具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、スチレンカーボネート等が挙げられる。これらのうち、発泡スチロールの溶解を抑制する効果が大きいことから、エチレンカーボネート又はプロピレンカーボネートが好ましく、エチレンカーボネートが特に好ましい。また、これらのカーボネート化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[式(1)におけるR1、R2、R3 及びR4は互いに独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基若しくはシクロアルキル基、又はフェニル基である。]
接着剤組成物におけるカーボネート化合物の含有量は、2−シアノアクリル酸エステル及びカーボネート化合物の合計量に対して、15〜60質量%である。前記含有量は20〜55質量%であることが好ましく、25〜50質量%であることがより好ましい。また、接着剤組成物が後述する増粘剤を含む場合は、2−シアノアクリル酸エステル、カーボネート化合物及び増粘剤の合計量に対して、前記の含有量とする。カーボネート化合物の含有量が15質量%に満たないと、発泡スチロールの溶解を抑制する効果が不十分で、優れた接着性が得られない。一方、カーボネート化合物の含有量が60質量%を超えると、接着速度が低下し、発泡スチロールに対する接着性も低下する傾向にある。
前記「アニオン重合促進剤(C)」は、接着剤組成物の硬化性を調整し、発泡スチロールに対する接着性を向上させる成分であり、2−シアノアクリレート系接着剤組成物の硬化促進剤として公知のものを使用することができる。このアニオン重合促進剤の中でも、接着剤組成物の硬化性、発泡スチロールに対する接着性及び保存安定性の点から、ポリアルキレンオキサイド類、クラウンエーテル類、シラクラウンエーテル類、カリックスアレン類、オキサカリックスアレン類、シクロデキトリン類及びピロガロール系環状化合物類が好ましく、カリックスアレン類及びオキサカリックスアレン類がより好ましい。これらのアニオン重合促進剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリアルキレンオキサイド類とはポリアルキレンオキサイド又はその誘導体であって、例えば特公昭60−37836号、特公平1−43790号、特開昭63−128088号、特開平3−167279号等で開示されているものである。
ポリアルキレンオキサイドとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ1,3−プロピレングリコール、ポリトリメチレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、ポリエピクリルヒドリン、ポリ1,3−ビス(クロロメチル)ブチレンオキサイド、ポリテトラメチレングリコール、ポリ1,3−ジオキソラン、ポリ2,2−ビス(クロロメチル)プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロックポリマー、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等のポリグリセリン、ホルムアルデヒド縮合体、アセトアルデヒド縮合体、トリオキサン重合体、並びにポリエーテル型ウレタン硬化用ポリオールとして市販されている各種のポリアルキレンオキサイド等が挙げられる。
ポリアルキレンオキサイドの誘導体としては、前記ポリアルキレンオキサイドと酸とのエステル、又は前記ポリアルキレンオキサイドとヒドロキシ基含有化合物とのエーテルに代表されるものであり、それらが好ましいものであるが、特に限定されるわけではなく、分子末端に種々の置換基を有しているもの、ポリアルキレンオキサイドの内部に他の結合部を有しているもの等、分子内部にポリアルキレンオキサイド構造を有するものが挙げられる。
ポリアルキレンオキサイドのエステルの具体例としては、ポリエチレングリコールモノアルキルエステル、ポリエチレングリコールジエステル又はポリプロピレングリコールジエステル(例えば、アセテート、トリフルオロアセテート、ラウレート、ステアレート、オレート、アクリレート又はメタクリレ−ト等のエステル)、ビスフェノールA−ポリアルキレンオキサイド付加物(アルキレンとしては例えばエチレン、プロピレン等以下同じ)、水添ビスフェノールA−ポリアルキレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパン−ポリアルキレンオキサイド付加物、グリセリン−ポリアルキレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、テトラオレイン酸−ポリオキシエチレンソルビット、アジピン酸−ポリアルキレンオキサイド付加物、トリメリット酸−ポリアルキレンオキサイド付加物、イソシアネート化合物−ポリアルキレンオキサイド付加物、リン酸−ポリアルキレンオキサイド付加物、ケイ酸−ポリアルキレン付加物、並びに(ポリオキシアルキレン)ポリフォスフェート等を挙げることができる。
ポリアルキレンオキサイドのエーテルの具体例としては、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル又はポリエチレングリコールモノアルキルエーテル(アルキルとして、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ラウリル、セシル、ステアリル、オレイル、パーフルオロアルキル等)、ポリエチレングリコールモノアリールエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル又はポリプロピレングリコールジアルキルエーテル(アルキルとして例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル等)、ポリエチレングリコールジアリールエーテル(アリールとしては例えば、フェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル等)等を挙げることができる。
クラウンエーテル類としては、例えば特公昭55−2238号、特開平3−167279号、特開2002−201436等で既に開示されているものが挙げられる。具体例としては、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6、ベンゾ−12−クラウン−4、ベンゾ−15−クラウン−5、ベンゾ−18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6、ベンゾ−15−クラウン−5、ジベンゾ−24−クラウン−8、ジベンゾ−30−クラウン−10、トリベンゾ−18−クラウン−6、asym−ジベンゾ−22−クラウン−6、ジベンゾ−14−クラウン−4、ジシクロヘキシル−24−クラウン−8、シクロヘキシル−12−クラウン−4、1,2−デカリル−15−クラウン−5、1,2−ナフト−15−クラウン−5、3,4,5−ナフチル−16−クラウン−5、1,2−メチルベンゾ−18−クラウン−6、1,2−tert−ブチル−18−クラウン−6、1,2−ビニルベンゾ−15−クラウン−5及び1,2−ベンゾ−1 ,4 −ベンゾ−5−オキシゲン−20−クラウン−7等が挙げられる。
シラクラウンエーテル類としては、例えば特開昭60−168775等で開示されているもので、その具体例としては、ジメチルシラ−11−クラウン−4、ジメチルシラ−14−クラウン−5、ジメチルシラ−17−クラウン−6等を挙げることができる。
カリックスアレン類及びオキサカリックスアレン類としては、例えば米国特許第4556700号、第4636539号、第4718966号及び第4855461号等で開示されているものを用いることができる。その具体例としては、テトラキス(4−t−ブチル−2−メチレンフェノキシ)エチルアセテート、25,26,27,28−テトラ−(2−オキソ−2−エトキシ)−エトキシカリックス〔4〕アレン、5,11,17,23,29,35−ヘキサ−tert−ブチル−37,38,39,40,41,42−ヘキサヒドロオキシカリックス〔6〕アレン、37,38,39,40,41,42−ヘキサヒドロオキシカリックス〔6〕アレン、37,38,39,40,41,42−ヘキサ−(2−オキソ−2−エトキシ)−エトキシカリックス〔6〕アレン、5,11,17,23,29,35,41,47−オクタ−tert−ブチル−49,50,51,52,53,54,55,56−オクタ−(2−オキソ−2−エトキシ)−エトキシカリックス〔8〕アレン等が挙げられる。
シクロデキストリン類としては、例えば、特表平5−505835号等で開示されているものが挙げられる。具体的には、α−、β−又はγ−シクロデキストリン等が挙げられる。
ピロガロール系環状化合物類としては、特開2000−191600号等で開示されている化合物が挙げられる。具体的には、3,4,5,10,11,12,17,18,19,24,25,26−ドデカエトキシカルボメトキシ−C−1、C−8、C−15、C−22−テトラメチル[14]−メタシクロファン等が挙げられる。
前記アニオン重合促進剤の含有量は、2−シアノアクリル酸エステルを100質量部とした場合に、50ppm〜5質量%であることが好ましく、100ppm〜2質量%であることがより好ましい。アニオン重合促進剤の含有量が50ppm〜5質量%であれば、所望の硬化性を得ることができ、接着剤組成物の保存安定性に与える影響も少ない。
本発明の接着剤組成物は、更に「増粘剤(D)」を含有することが好ましい。増粘剤の配合により接着剤組成物の粘度が高くなるため、被着体への浸透が遅くなり、発泡スチロールの溶解を抑制することができるからである。
増粘剤としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチルとアクリル酸エステルとの共重合体、メタクリル酸メチルとその他のメタクリル酸エステルとの共重合体、アクリルゴム、ウレタンゴム、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、セルロースエステル、ポリアルキル−α−シアノアクリル酸エステル及びエチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらの増粘剤は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記増粘剤の含有量は、2−シアノアクリル酸エステル、カーボネート化合物及び増粘剤の合計量に対して、0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましい。増粘剤の含有量が0.1〜20質量%であれば、瞬間接着剤としての硬化性を維持しつつ、発泡スチロールの溶解を抑制することもできる。
接着剤組成物の粘度は、100〜200,000mPa・sであることが好ましく、1,000〜200,000mPa・sであることがより好ましい。接着剤組成物の粘度が100〜200,000mPa・sであれば、接着剤組成物が発泡スチロールに浸透するのを遅らせることができるため、十分な接着性を得ることができる。接着剤組成物の粘度は、前記増粘剤の他、チキソ性付与剤を用いて調整することができる。
本発明の接着剤組成物には、前記の成分の他に、従来、2−シアノアクリル酸エステルを含有する接着剤組成物に配合して用いられている安定剤、可塑剤、チキソ性付与剤、着色剤、香料、溶剤及び強度向上剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で適量配合することができる。
安定剤としては、(1)二酸化イオウ、メタンスルホン酸等の脂肪族スルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸、三弗化ホウ素ジエチルエーテル、HBF4及びトリアルキルボレート等のアニオン重合禁止剤、(2)ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、カテコール及びピロガロール等のラジカル重合禁止剤などが挙げられる。これらの安定剤は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。好ましい添加量は、2−シアノアクリル酸エステル100質量部に対して、1ppm〜1質量部の範囲である。
また、可塑剤としては、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、セバシン酸ジメチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソトリデシル、フタル酸ジペンタデシル、テレフタル酸ジオクチル、イソフタル酸ジイソノニル、トルイル酸デシル、ショウノウ酸ビス(2−エチルヘキシル)、2−エチルヘキシルシクロヘキシルカルボキシレート、フマ−ル酸ジイソブチル、マレイン酸ジイソブチル、カプロン酸トリグリセライド、安息香酸2−エチルヘキシル、ジプロピレングリコールジベンゾエート等が挙げられる。これらの中では、2−シアノアクリル酸エステルとの相溶性が良く、かつ可塑化効率が高いという点から、アセチルクエン酸トリブチル、アジピン酸ジメチル、フタル酸ジメチル、安息香酸2−エチルヘキシル、ジプロピレングリコールジベンゾエートが好ましい。これらの可塑剤は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。好ましい添加量は、2−シアノアクリル酸エステル100質量部に対して、0.1〜20質量部の範囲である。
チキソ性付与剤としては、ヒュームドシリカが挙げられる。このヒュームドシリカは、超微粉(一次粒子が500nm以下、特に1〜200nm)の無水シリカであり、この無水シリカは、例えば、四塩化ケイ素を原料とし、高温の炎中において気相状態での酸化により生成する超微粉(一次粒子が500nm以下、特に1〜200nm)の無水シリカであって、親水性の高い親水性シリカと、疎水性の高い疎水性シリカとがある。このヒュームドシリカとしては、いずれも用いることができるが、2−シアノアクリル酸エステルへの分散性がよいため疎水性シリカが好ましい。チキソ性付与剤の好ましい添加量は、2−シアノアクリル酸エステル100質量部に対して、1〜20質量部である。
本発明の接着剤組成物は、従来の2−シアノアクリレート系接着剤組成物と同様に使用することができる。被着体である発泡スチロールに適量を塗布し、速やかに貼り合せることにより、10〜60秒後には被着体を固定することが可能である。
以下に、実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の主旨を超えない限り、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。尚、下記において、部及び%は、特に断らない限り、質量基準である。
1.評価方法
(1)粘度
粘度は、25℃、1rpmの条件下にE型粘度計にて測定した。
(2)発泡スチロールの接着試験
図1に示すように、厚さ15mmの発泡スチロール板(栗山化成社製、発泡倍率60倍)を、2個の硬質塩化ビニル樹脂(三菱化学社製、商品名「ヒシプレート101」、以下「PVC」と略す)の角柱で挟むようにして接着し、室温下で24時間養生後、JIS K 6849に準拠して引張試験を行った。PVCと発泡スチロールの接着面積は12.7mm×12.7mmとし、引張速度は10mm/分で測定した。表2における「材破」は、発泡スチロールが破壊されたことを表す。
(3)発泡スチロールの溶解性
2−シアノアクリレート系接着剤組成物を前記発泡スチロールの表面に0.1g塗布し、塗布から24時間後の塗布面を観察して、発泡スチロールの溶解の程度を評価した。
2.2−シアノアクリレート系接着剤組成物の製造
実施例1
2−シアノアクリル酸エチルに、二酸化硫黄を40ppm、ハイドロキノンを1000ppm(2−シアノアクリル酸エチルを100質量部とする)配合し、これに更にエチレンカーボネート、増粘剤[ポリメタクリル酸メチル、分子量30万]を表1に記載の含有量となるように配合し、室温下で撹拌して溶解した。次に、アニオン重合促進剤[テトラキス(4−t−ブチル−2−メチレンフェノキシ)エチルアセテート]を表1に記載の含有量となるように配合し、室温下で撹拌して溶解し、接着剤組成物を製造した。評価結果は、表2及び3に示す。
実施例2〜4、及び比較例1〜6
カーボネート化合物の種類と量、並びに増粘剤の有無を代えた以外は実施例1と同様にして接着剤組成物を製造した。評価結果は、表2及び3に示す。
表2の結果によれば、実施例1及び2の接着剤組成物は、発泡スチロールの接着試験において、発泡スチロールが完全に材料破壊するほどの接着性が発現する。実施例2のPVCの破断面を観察すると、PVCと発泡スチロールは十分に接着されており、発泡スチロールがブロック状に破壊されていることがわかる(図2)。一方、比較例1、3及び4の接着剤組成物では、発泡スチロールを溶解してしまうため、十分な接着性が得られない。比較例3のPVCの破断面は、蜂の巣状に部分材料破壊となっており、発泡スチロールの溶解が認められた(図4)。また、比較例2の接着剤組成物は、アニオン重合促進剤を含有していないため、発泡スチロールの表層で剥がれ(図3)、十分な接着性が得られない。
表3の結果によれば、本発明の範囲外のカーボネート化合物は、発泡スチロールを溶解することが分かる。
本発明の接着剤組成物は、従来の2−シアノアクリレート系接着剤組成物では接着できなかった発泡スチロールの接着を可能とするものであり、発泡スチロール同士の組み立てや、発泡スチロールと異種材料との接着に利用することができる。
1:PVC、2:発泡スチロール

Claims (7)

  1. 2−シアノアクリル酸エステル(A)と、下記一般式(1)で表されるカーボネート化合物(B)と、アニオン重合促進剤(C)とを含有し、
    前記カーボネート化合物(B)の含有量が、前記(A)及び(B)成分の合計量に対して、15〜60質量%であることを特徴とする発泡スチロール用2−シアノアクリレート系接着剤組成物。
    [式(1)におけるR1、R2、R3 及びR4は互いに独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基若しくはシクロアルキル基、又はフェニル基である。]
  2. 前記カーボネート化合物(B)が、エチレンカーボネート又はプロピレンカーボネートであることを特徴とする請求項1に記載の発泡スチロール用2−シアノアクリレート系接着剤組成物。
  3. 前記アニオン重合促進剤(C)が、ポリアルキレンオキサイド類、クラウンエーテル類、シラクラウンエーテル類、カリックスアレン類、オキサカリックスアレン類、シクロデキトリン類及びピロガロール系環状化合物類からなる群より選択される少なくとも1つのアニオン重合促進剤である請求項1又は2に記載の発泡スチロール用2−シアノアクリレート系接着剤組成物。
  4. 更に、増粘剤(D)を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡スチロール用2−シアノアクリレート系接着剤組成物。
  5. 前記(A)〜(D)成分を含有する接着剤組成物の粘度が、100〜200,000mPa・sであることを特徴とする請求項4に記載の発泡スチロール用2−シアノアクリレート系接着剤組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着剤組成物で、発泡スチロール製部材同士を接着してなることを特徴とする発泡スチロール製構造体。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着剤組成物で、発泡スチロールと、その他の被着体を接着してなることを特徴とする複合体。
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