JP2014019317A - 給油管 - Google Patents

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Abstract

【課題】 給油管において、アンチサイフォン構造の圧力損失を低減する。
【解決手段】 燃料タンク5と給油口との間に配置される給油管1であって、給油管の内壁8から給油管の中心側へと延出した複数の梁51と、複数の梁の給油管の中心側における端部の燃料タンク側に結合され、梁よりも燃料タンク側へと延出した両端が開口した内筒52とを有するようにした。
【選択図】 図7

Description

本発明は、燃料タンクと給油口との間に配置される給油管に係り、詳細には、サイフォンホースの挿入を阻止するための構造(アンチサイフォン構造)を備えた給油管に関する。
車両の燃料タンクと給油口とを繋ぐ給油管の内部に、燃料タンクからの燃料の抜き取りを目的としたサイフォンホースの挿入を阻止する構造(アンチサイフォン構造)を設けたものがある(例えば、特許文献1)。特許文献1に係る発明は、給油管の内壁に嵌め付けられた環状部材と、環状部材の内孔を横切るように配置された複数の梁とを備えた邪魔板を有する。各梁は給油口側、すなわちサイフォンホースが侵入してくる側に凸となるように湾曲している。これにより、サイフォンホースとの突き当たりに対する剛性を高め、サイフォンホースの侵入を確実に阻止するようにしている。
特許第4504772号明細書
しかしながら、給油管内にアンチサイフォン構造を設けた場合、邪魔板が燃料の流れを阻害するため、圧力損失が増大し、円滑な給油作業が阻害される虞がある。特に、特許文献1に係る邪魔板は給油口側に凸となる形状を有するため、邪魔板に突き当たった燃料は邪魔板に沿って給油管の内壁側へと誘導され、給油管の内壁と燃料との摩擦エネルギー損失(摩擦圧力損失)が増大する。そのため、邪魔板が設けられた部分で燃料の流れが停滞し、給油作業の継続が困難となる虞がある。
本発明は、以上の背景を鑑みてなされたものであって、給油管において、アンチサイフォン構造の圧力損失を低減することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、燃料タンク(5)と給油口との間に配置される給油管(1)であって、前記給油管の内壁(8)から前記給油管の中心側へと延出した複数の梁(51)と、前記複数の梁の前記給油管の中心側における端部の前記燃料タンク側に結合され、前記梁よりも前記燃料タンク側へと延出した両端が開口した内筒(52)とを有することを特徴とする。
この構成によれば、梁及び内筒は、サイフォンホースの通過を阻害することができる。梁及び内筒は、給油管の軸線方向において互いに偏倚して配置されているため、給油管の軸線に直交する任意の仮想面で切断した際の断面に梁及び内筒が共に現れることが少ない。そのため、燃料の流路断面積の減少を抑制することができ、流通する燃料の圧力損失を低減することができる。圧力損失の低減によって、燃料は給油管を円滑に流通することができる。また、軸線方向において梁よりも燃料タンク側に配置された内筒が、給油管の中心側に配置されているため、給油口側から燃料タンク側へと流れる燃料は給油管の中心側に誘導され、燃料と給油管の内壁との摩擦に起因した摩擦圧力損失が低減される。
また、上記発明において、前記梁は、その前記給油口側の側部に、前記給油管の中心側に向うほど前記燃料タンク側に進むように傾斜した第1傾斜面(56)を有することが好ましい。
この構成によれば、梁が燃料を給油管の中心側に誘導するため、燃料と給油管の内壁との摩擦に起因した摩擦圧力損失が低減される。
また、上記発明において、前記給油管は、前記内筒の前記燃料タンク側の端部から前記給油管の中心側かつ前記内筒よりも前記燃料タンク側へと延出した複数の突片(53)を有することが好ましい。
この構成によれば、突片が障壁(障害)となって、サイフォンホースが内筒内を通過し難くなる。
また、上記発明において、前記突片は、その前記給油口側の側部に、前記給油管の中心側に向うほど前記燃料タンク側に進むように傾斜した第2傾斜面(63)を有することが好ましい。
この構成によれば、突片が燃料を給油管の中心側に誘導するため、燃料と給油管の内壁との摩擦に起因した摩擦圧力損失を低減することができる。
また、上記発明において、前記内筒の内面は、長手方向における中間部が両端部に対して径方向内側に突出し、前記内筒の外面は、長手方向における中間部が両端部に対して径方向外側に突出していることが好ましい。
この構成によれば、内筒に起因する燃料の圧力損失を低減することができる。
また、上記発明において、前記複数の梁、前記内筒、及び前記複数の突片は、前記給油管の内壁に一体成形されていてもよい。
この構成によれば、給油管の製造が容易になる。
以上の構成によれば、給油管において、アンチサイフォン構造の圧力損失を低減することができる。
実施形態に係る給油管を示す上方斜視図 実施形態に係る給油管を、逆止弁装置を省略して示す下方斜視図 実施形態に係る給油管を示す側面図 実施形態に係る給油管を示す上面図 実施形態に係る給油管を示す底面図 図4のVI−VI断面図 図6のアンチサイフォン構造を拡大して示す断面図
以下、図面を参照して、本発明に係る給油管を、自動車の燃料タンクの入口部分に適用した実施形態を詳細に説明する。
図1に示すように、給油管1は、両端が開口した円管である管本体2と、管本体2の外周面に突設された円板状のフランジ3とを有している。図6に示すように、給油管1は、管本体2の一端が燃料タンク5の上壁6に形成された貫通孔7に挿通され、フランジ3が貫通孔7を通過せずに上壁6の外面であって貫通孔7の周縁に結合される。管本体2の燃料タンク5内に配置される端部を内端といい、燃料タンク5外に配置される端部を外端という。管本体2の内端には、管本体2の内孔8を開閉する逆止弁装置10が取り付けられている。管本体2の外端には、給油ノズルを受容する給油口(図示しない)に連通する可撓性のフューエルホース11が接続される。そのため、管本体2の外端側を給油口側といい、内端側を燃料タンク側ともいう。
図1及び図6に示すように、管本体2及びフランジ3は、性質が異なる2種類の樹脂材料を2色成形することによって一体に形成されている。樹脂材料は、例えばポリアミドやポリエチレンであってよい。本実施形態では、管本体2の内周面側部分と、内周面側部分に突設されたフランジ3の燃料タンク側(内面側)の基部25とをポリアミドで形成し、管本体2の外端側の外周面側部分からフランジ3の外面側部分及び周縁部分をポリエチレンで構成している。フランジ3は、ポリエチレンで形成されたフランジ3の周縁部分において燃料タンク5の外面に、例えば振動溶着によって結合される。
図1に示すように、管本体2の外端の外周面には、周方向に沿って延設された環状のホース係止爪15が形成されている。ホース係止爪15は、管本体2の外端がフューエルホース11の一端に挿入された際に、フューエルホース11の内面に食い込み(引っ掛かり)、フューエルホース11を管本体2に係止する。また、フューエルホース11の一端の外面側には環状のホースバンド17が設けられ、管本体2とフューエルホース11とはホースバンド17によって締結される。
図2及び図3に示すように、管本体2の内端の外周面側には、外周面の径が長手方向における中間部に対して段違いに縮径された縮径部21が形成されている。また、縮径部21の外周面側の内端縁にはシールリング溝22が段違いに凹設されている。シールリング溝22は、周方向に延設されると共に、管本体2の内端面23に連続している。
図1及び図6に示すように、逆止弁装置10は、管本体2の縮径部21に装着される筒状の基部25と、基部25に回動可能に支持されたフラップ26と、シールリング溝22に装着されたシールリング27と、基部25とフラップ26との間に介装された捻りコイルばね28とを有している。図1及び図2に示すように、基部25は、両端が開口した円筒形状の円筒部29を有し、円筒部29において縮径部21の外面に装着される。円筒部29は、一方の端面から軸線方向へと延在するスリット31を有している。縮径部21の外周面には、突起32が突設されており、スリット31に突起32を受容させることによって、縮径部21に対する円筒部29の回転位置が定まる。また、円筒部29には、内周面から外周面へと貫通する複数の係止孔34が形成されており、縮径部21に突設された係止爪35が係止孔34に引っ掛かることによって、円筒部29は縮径部21に係止される。
図6に示すように、円筒部29の管本体2の内端側に対応する端縁には、径方向内側に突出し、周方向に沿って環状に形成されたシール係止片37が形成されている。また、円筒部29の給油口側と相反する側の端縁の一部には、径方向外方に延出した後、屈曲して給油口側と相反する側に延出するフード38が形成されている。
図6及び図7に示すように、シールリング27は、環状に形成されたリング部41と、リング部41の軸線方向における一側縁に沿って環状に突設されたリップ部42とを有している。リング部41は、断面が円形や四角形等であってよい。リップ部42は、先端側に向かうほど径が大きくなるように円錐台形状(ラッパ形状)に形成されている。シールリング27は、リング部41においてシールリング溝22に嵌着され、リップ部42が管本体2の内端面23から突出するように配置される。また、リング部41が、管本体2の軸線方向においてシールリング溝22の給油口側の側壁と、基部25のシール係止片37との間に挟持されることによって、管本体2に対して支持される。
図5及び図6に示すように、フラップ26は、円板状のフラップ本体46と、フラップ本体46の外面に突設された一対のアーム47とを有し、アーム47において基部25に形成された支持軸44に回動可能に支持され、フラップ本体46が管本体2の内端面23から突出したリップ部42に当接し、内孔8を閉塞する閉位置と、フラップ本体46が管本体2の内端面23から離間した開位置との間で回動可能となっている。捻りコイルばね28は、フラップ26を閉位置へと付勢している。以上の構成によって、逆止弁装置10は、通常時においては捻りコイルばね28の付勢力によってフラップ26が管本体2の内孔8を閉じ、給油時の給油口側から燃料タンク側に向かう燃料の流れによって、捻りコイルばね28の付勢力に抗してフラップ26が開位置へと変位して内孔8を開く。
図5及び図6に示すように、管本体2の内孔8の内端側には、アンチサイフォン構造50が設けられている。アンチサイフォン構造50は、管本体2の内孔8の内壁から管本体2の中心側へと径方向に延出した複数の梁51と、各梁51の先端部に結合され、管本体2と同軸に配置された両端が開口した内筒52と、内筒52の燃料タンク側の端部に突設された複数の突片53とを有している。
各梁51は、薄板状をなし、主面が管本体2の軸線を中心とした周方向を向くように、管本体2の径方向及び軸線方向に延在して配置されている。本実施形態では、梁51は3つ設けられ、管本体2の軸線回りに等間隔(120°間隔)で配置されている。図7に示すように、各梁51は、三角形状に形成され、その一辺が管本体2の内孔8の内壁に結合され、1つの頂点が管本体2の中心側に配置されている。各梁51は、その給油口側部分に、先端側(管本体2の中心側)に進むほど、燃料タンク側に進むように傾斜した第1傾斜面56を有している。
内筒52の内周面57及び外周面58は、それぞれ軸線方向における中間部が両端部に対して突出した形状に形成されている。すなわち、内筒52の周壁は、軸線方向における中間部において肉厚が厚くなっている。本実施形態では、内筒52の内周面57は、軸線方向における中間部が軸線を中心とした円周面に形成され、軸線方向における両端部が端部側に進むほど径が大きくなる傾斜面となっている。また、内筒52の外周面58は、軸線方向における中間部が軸線を中心とした円周面に形成され、軸線方向における両端部が端部側に進むほど径が小さくなる傾斜面となっている。なお、他の実施形態は、内筒52の断面における内周面57及び外周面58が、軸線方向において中間部及び両端部が滑らかに連続した曲線状(弧状)に形成されていてもよい。内筒52は、給油口側の端部の外周面において各梁51の先端に結合され、各梁51よりも燃料タンク側に延出している。
図4、図6及び図7に示すように、各突片53は、内筒52の燃料タンク側の端面61から、内筒52の中心側かつ燃料タンク側に延出している。各突片53は、薄板状をなし、主面が管本体2の軸線を中心とした周方向を向くように、管本体2(内筒52)の径方向及び軸線方向に延在して配置され、図7に示すように、給油口側の部分に内筒52の中心側に向うほど燃料タンク側へと進む第2傾斜面63を有している。本実施形態では、突片53は4つ設けられ、管本体2の軸線回りに等間隔(90°間隔)で配置されている。各突片53の先端は、遊端となって互いに離間している。また、各突片53の先端は、管本体2の内端面23よりも給油口側に偏倚した位置に配置されている。
本実施形態に係る給油管1のアンチサイフォン構造50は、梁51、内筒52及び突片53が給油管1内において障壁となるため、燃料タンク5からの燃料の抜き取りを意図したビニールホース等のサイフォンホースの挿入を阻害することができる。また、図6に示すように、アンチサイフォン構造50は、燃料の流れを阻害する障壁となり得る梁51、内筒52及び突片53が管本体2の軸線方向に互いに偏倚して配置されているため、アンチサイフォン構造50を管本体2の軸線に直交する任意の仮想面で切断した際の断面に、梁51、内筒52及び突片53が共に現れることがなく、断面積が小さくなり、内孔8内を給油口側から燃料タンク側へと流れる燃料に対して圧力損失が生じ難くなっている。
また、給油口側から燃料タンク側へと進むにつれて、梁51、内筒52及び突片53は、配置が順に管本体2の中心側へと順番に偏倚しているため、給油口側から燃料タンク側へと流れる燃料は、梁51、内筒52及び突片53に誘導されて管本体2の中心側へと流れる。そのため、燃料は管本体2の内孔8の内壁から離れ易くなり、燃料と内壁との摩擦に起因した摩擦圧力損失を低減することができる。
また、各梁51の第1傾斜面56及び各突片53の第2傾斜面63は、給油口側から燃料タンク側へと流れる燃料を管本体2の中心側に誘導する効果を奏し、燃料と内壁との摩擦に起因した摩擦圧力損失を低減する。
内筒52は、その内周面57及び外周面58が、内筒52の軸線方向において中間部が両端部に比べて突出した形状を有するため、内筒52が燃料に与える圧力損失が低減されている。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、突片53は付加的な構成であって、他の実施形態においては省略してもよい。また、本実施形態では、梁51、内筒52及び突片53からなるアンチサイフォン構造50を管本体2と一体に形成したが、アンチサイフォン構造50と管本体2とを別部材に形成し、後でアンチサイフォン構造50を管本体2に組み付ける構成としてもよい。例えば、円筒の外筒を用意し、外筒の内面に、梁51を突設して内筒52及び突片53を設け、外筒を管本体2の内周面に支持させるようにしてもよい。外筒を管本体2に支持させる方法としては、段部による係止であってよいし、圧入であってもよい。また、第1傾斜面56及び第2傾斜面63は、単一の平面でなくてもよく、断面を曲面や山形としてもよい。
1…給油管、2…管本体、5…燃料タンク、8…内孔、10…逆止弁装置、11…フューエルホース、23…内端面、26…フラップ、27…シールリング、50…アンチサイフォン構造、51…梁、52…内筒、53…突片、56…第1傾斜面、57…内周面、58…外周面、61…端面、63…第2傾斜面

Claims (6)

  1. 燃料タンクと給油口との間に配置される給油管であって、
    前記給油管の内壁から前記給油管の中心側へと延出した複数の梁と、
    前記複数の梁の前記給油管の中心側における端部の前記燃料タンク側に結合され、前記梁よりも前記燃料タンク側へと延出した両端が開口した内筒と
    を有することを特徴とする給油管。
  2. 前記梁は、その前記給油口側の側部に、前記給油管の中心側に向うほど前記燃料タンク側に進むように傾斜した第1傾斜面を有することを特徴とする請求項1に記載の給油管。
  3. 前記内筒の前記燃料タンク側の端部から前記給油管の中心側かつ前記内筒よりも前記燃料タンク側へと延出した複数の突片を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の給油管。
  4. 前記突片は、その前記給油口側の側部に、前記給油管の中心側に向うほど前記燃料タンク側に進むように傾斜した第2傾斜面を有することを特徴とする請求項3に記載の給油管。
  5. 前記内筒の内面は、長手方向における中間部が両端部に対して径方向内側に突出し、
    前記内筒の外面は、長手方向における中間部が両端部に対して径方向外側に突出していることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つの項に記載の給油管。
  6. 前記複数の梁、前記内筒、及び前記複数の突片は、前記給油管の内壁に一体成形されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の給油管。
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