JP2014018932A - 光学式センサ付きロボットのキャリブレーション方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】キャリブレーション方法は、三角錐形状を備えたキャリブレーションターゲットを対象にして、ロボットのツール姿勢を変化させずにツール先端位置を直線で動かしながら、三角錐頂点付近の形状を計測し、順に取得した三角錐形状に起因する屈曲点変化に基づいて、シート光が頂点位置に照射されたときの、センサ座標における三角錐の頂点位置を算出するとともに、そのときのロボット座標におけるツール位置を算出する第1のステップ、三角錐の頂点位置が異なる値となるように検出位置を変えて第1のステップを少なくとも3回行う第2のステップ、第1のステップおよび第2のステップにて集計したデータを演算して、センサとツールとの位置関係を算出する第3のステップを含む。
【選択図】図1
Description
このようなロボットを用いた溶接装置は、ロボットアームによって移動される溶接トーチ、溶接トーチの先端部において母材に向け送給される溶接ワイヤ、溶接トーチに取り付けて設けられたレーザセンサ、ロボットアーム、エンコーダなどを備えた溶接制御部、レーザセンサの検出結果を加工して出力するセンサコントローラ、および、溶接制御部を制御するコントローラなどを備えて構成される。
・レーザシート光はシート状の光(ライン状の光)とはいえ、0.2〜0.3mm程度の幅があるので、0.1mm程度の精度で、オペレータが目視で位置決めすることは困難である。
・不可視光レーザの場合は目視することができず、オペレータが目視で位置決めすることは不可能である。
以上のことから、オペレータが目視で位置決めすることは非常に難しく、自動化が望まれる。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、シート光を照射して形状計測する光学式センサをロボットのツール先端付近に取り付けた、光学式センサ付きロボットシステムにおいて、精度高くキャリブレーションを行うことのできる方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明のある局面に係る光学式センサ付きロボットのキャリブレーション方法は、シート光を照射して形状計測する光学式センサをロボットのツール先端付近に取り付けた、光学式センサ付きロボットシステムにて、複数の稜線が1の頂点で交わる立体形状で構成されるキャリブレーションターゲットを対象にして行われる。このキャリブレーション方法は、以下の3ステップを含むことを特徴とする。
・第1のステップ; ロボットのツール姿勢を変化させずにツール先端位置を直線で動かしながら、前記キャリブレーションターゲットの頂点付近の形状を計測し、順に取得したキャリブレーションターゲットの立体形状に起因する屈曲点変化に基づいて、シート光が前記頂点位置に照射されたときの、センサ座標におけるキャリブレーションターゲットの頂点位置を算出するとともに、そのときのロボット座標におけるツール位置を算出する。・第2のステップ; 前記キャリブレーションターゲットの頂点位置が異なる値となるように検出位置を変えて前記第1のステップを少なくとも3回行う。
・第3のステップ; 前記第1のステップおよび前記第2のステップにて集計したデータを演算して、センサとツールとの位置関係を算出する。
・第1のステップ; 回転軸角度を所定の角度にセットし、ロボットのツール姿勢を変化させずにツール先端位置を直線で動かしながら、キャリブレーションターゲット頂点付近の形状を計測し、順に取得したキャリブレーションターゲットの立体形状に起因する屈曲点変化に基づいて、シート光が前記頂点位置に照射されたときの、センサ座標におけるキャリブレーションターゲットの頂点位置を算出するとともに、そのときのロボット座標におけるツール位置を算出するステップ。
・第2のステップ; 前記キャリブレーションターゲットの頂点位置が異なる値となるように検出位置を変えて前記第1のステップを少なくとも3回行うステップ。
・第3のステップ; 回転軸の回転角度を変えて、前記第1のステップおよび前記第2のステップを少なくとも3回行うステップ。
・第4のステップ; 前記第1のステップ〜前記第3のステップにて集計したデータを演算して、センサとツールとの位置関係を算出するステップ。
さらに好ましくは、前記キャリブレーションターゲットが、上に凸の三角錐で構成することができる。
<第1の実施の形態>
まず、第1の実施の形態に係るキャリブレーション方法が適用される光学式センサ付きロボット(以下、溶接ロボットまたはロボットと記載する場合がある)の概要について説明する。図1(A)にこの溶接ロボット100の全体図を、図1(B)に溶接トーチ先端部の拡大図を、それぞれ示す。
ボット100を制御するロボットコントローラ120などを備えて構成される。ロボットコントローラ120は、後述するセンサ座標からロボット座標へ座標変換する座標変換部122および倣い制御部124とを備えている。
次に、座標系について説明する。光学式センサ130は、光学式センサ130に固定された座標系を持っており、これをセンサ座標と呼ぶ。一方、溶接ロボット100は、自分自身の座標系を2つ持っており、一つ目の座標系は、地面に固定された座標系であって、これをロボット座標と呼ぶ。溶接ロボット100は、ツールである溶接トーチ140の位置と姿勢とを変化させながら溶接作業を行う。二つ目の座標系は、このツールに張り付いた座標系であって、これをツール座標と呼ぶ。溶接ロボット100は、ツールの位置姿勢を制御しているので、ロボット座標からツール座標への変換パラメータ(変換マトリクス)は既知である。
(手順1)光学式センサ130で溶接部材の溶接線を検出する。このとき、センサ座標の溶接線位置が検出される。これをSPと記載する。
(手順2)上記(手順1)で検出した位置を、ツール座標に変換して、さらにロボット座標へ変換して、ロボット座標の溶接線位置が算出される。これをRPと記載する。このときの変換は下記の式(1)のように表現できる。
(手順3)上記(手順2)で算出されたロボット座標の溶接線位置RPを使って、溶接ロボット100は溶接線に倣って動作するように制御される。
第1の実施の形態に係るキャリブレーション方法においては、複数の稜線が1の頂点で交わる立体形状で構成されるキャリブレーションターゲットを用いる。このキャリブレー
ションターゲットの詳細については後述する。なお、このキャリブレーション方法の説明においては、キャリブレーションターゲットは三角錐とする。
S140にて、ロボットコントローラ120は、変数iに1を加算して、S120の処理を行う。すなわち、三角錐の頂点位置を算出処理を3回繰り返す。このように三角錐の頂点位置を算出処理を(少なくとも)3回行なうのは、シート光の平面を特定するためには最低限3点が必要だからである。3回以上行うと、最小二乗効果で計測ばらつきが低減され、計測精度が向上する。
上述したキャリブレーション方法を行う場合に用いられるキャリブレーションターゲットについて説明する。
三角錐の頂点角度θは、90度以上開いている。三角錐の頂点角度θについては90°(いわゆる立方体や直方体の角)でも構わないが、90°以上開いていた方が、頂点上部付近からシート光を照射したときに、正反射に近くなり、形状計測しやすい。このため、三角錐の頂点角度θは、90°〜150°程度開いていることが好ましい。
キャリブレーションターゲットとしては、このような上に凸の三角錐以外にも、図5に示すような下に凸の三角錐であっても構わない。さらに、図6に示すような上に凸の四角錐であっても構わないし、図7に示すような下に凸の四角錐であっても構わない。ただし、下に凸の場合は、レーザシート光を頂点付近に照射したとき、表面状態によっては多重反射が発生し、安定してレーザを検出できない場合も想定されるので、上に凸の形状の方が好ましい。
図8(A)に示すように、まず、事前準備として、三角錐頂点から三角錐の辺に沿って少しずらした位置を、「走査開始位置」として設定する(このときの変数Jを1とする)。この位置は、三角錐を形状計測したときの屈曲点が1個になるような位置である。
ax=4)とする)。
次に下記のS121〜S125を実行する。
S121にて、ツール先端位置を「走査開始位置」へ移動させる。このとき、図8(A)に示すように、変数jは1である。
S123にて、「走査終了位置」に向かって、ツール先端位置をツール姿勢を変えず(姿勢パラメータは既知)に微小量(たとえば約0.2mm程度)だけ直線移動させる。
S125にて、S122の処理を3回繰り返すことにより、以下の式(2)に示すように、三角錐形状の屈曲点sKij=(syij,szij)およびそのときのツール先端位置rTij=(rxij,ryij,rzij)が取得されているので、下記に示す「三角錐頂点にシート光照射したときの三角錐頂点座標(センサ座標)sPi=(syi,szi)の算出」と「三角錐頂点にシート光照射したときのツール先端位置rTi=(rxi,ryi,rzi)の算出」を行う。
三角錐形状の屈曲点のデータセットsKi1=(syi1,szi1)、…、sKi(jmax) =(syi(jmax),szi(jmax))は、図9(A)に示すように、3直線にグルーピングされるので、データ点を使って直線フィッティングすることで、直線1、直線2、直線3の3本の直線を算出する(図9(B))。
S125にて取得されたデータセットを、横軸に三角錐形状のセンサ座標Ys、縦軸にツール先端位置のロボット座標Xrをとると、図10(A)に示すようになる。すると、上述した「三角錐頂点にシート光を照射したときの三角錐頂点座標(センサ座標)sPi=(syi,szi)の算出手順」と同じように、3直線にグルーピングできるので、3直線の交点P0を計算する。このP0のXr座標値が、「三角錐頂点にシート光を照射し
たときのツール先端位置rTi=(rxi,ryi,rzi)」のrxiとなる(図10(C))。
図11に示すように、この演算処理を異なる計測位置で少なくとも3回行う。図2を参照して説明したように、このように三角錐の頂点位置を算出処理を(少なくとも)3回行なうのは、シート光の平面を特定するためには最低限3点が必要だからである。3回以上行うと、最小二乗効果で計測ばらつきが低減され、計測精度が向上する。
光学式センサ130により計測されたセンサ座標での座標値は、式(1)にてロボット座標の座標値へ座標変換される。
ここで、センサ座標からツール座標への座標変換行列TΣSは、以下の式(4)で表現される。式(4)に示すように、この座標変換行列TΣSは、位置XYZ、姿勢αβγの6個パラメータで構成される4×4行列である。
算出する6個のパラメータp=(xS yS zs αS βS γS)−1の微小変化Δeを考える。微小変化Δeは、Δe=JΔpで与えられ、式(1)の右辺のXYZ3要素をfx,fy,fzとし、光学式センサ130により計測したk個目の点SPk=(Syk,Szk)は、ロボット座標値RPk=(Rxk,Ryk,Rzk)に変換できるので、式(1)は、以下の式(6)および式(7)で表される。
STEP1:収束条件εと初期値p=p0とを与える。初期値p0は以下の式(8)で表される。
ここで、xMおよびxDは、以下の式(9)で与えられる。
STEP4:Δp=p+Δpとし、STEP2へ戻る。
このように反復計算を行うことにより、6個のパラメータp=(xS yS zs αS βS γS)−1が算出でき、その結果、センサ座標からツール座標への座標変換行列TΣSを求めることができる。
以下、本発明の第2の実施の形態に係る光学式センサ付きロボットのキャリブレーション方法について説明する。なお、第2の実施の形態に係るキャリブレーション方法およびそのキャリブレーション方法が適用される光学式センサ付きロボット200において、上述した第1の実施の形態に係る光学式センサ付きロボット100と同じ構成については同じ参照符号を付してある。それらの機能も同じである。そのため、それらについての詳細な説明は、ここでは繰り返さない。
の拡大図を、それぞれ示す。
図12(A)および図12(B)に示すように、この溶接ロボット200は、上述した溶接ロボット100の構成に加えて、溶接トーチ140後方に取り付けられたサーボモータ250を備える。このサーボモータ250の回転軸に光学式センサ130が取り付けられている。ロボットコントローラ220がサーボモータ250を制御し、光学式センサ130を溶接トーチ140周りに回転させ、溶接トーチ140周りに形状を計測することができる。これにより、光学式センサ130を溶接進行方向に向けることができ、溶接するときのロボット姿勢の自由度が広がる利点を備える。
なお、ロボットコントローラ220は、ハードウェア構成としてはロボットコントローラ120と同様であるが、以下に説明するようにソフトウェア構成が異なるので、座標変換部222および倣い制御部224とともに別の参照符号を付している。
S200にて、ロボットコントローラ220は、与えられた回転軸θに基づいてサーボモータ250を回転させて、光学式センサ130を回転させる。
全ての回転角度での処理が終了したと判定されると(S210にてYES)処理はS150へ移され、全ての回転角度での処理が終了したと判定されないと(S210にてNO)処理はS220へ移される。
このような処理についてさらに詳しく説明する。
光学式センサ130が図14に示す状態であるときの回転角度θを0°とすると、回転角度θ1(−120°)、回転角度θ2(0°)、回転角度θ3(+120°)3つの回転角度で、図13のS110〜S130の三角錐頂点の位置算出処理を行う。具体的には以下の手順で行う。
(手順B)図15(B)に示すように、サーボモータ250の回転軸を回転させて、回転角度θ2(0°)に設定する。B面とC面との頂点から、A面に向かう方向に走査するように、三角錐頂点の位置算出処理を実行する。この処理を少なくとも3回実行する(図15(B)の丸数字4〜6)。
これらの三角錐頂点の位置算出処理により、少なくとも9回のデータセットを取得することができる(後述の式(13)で表されるデータセット)。
光学式センサ130により計測されたセンサ座標での座標値は、以下の式(10)にてロボット座標の座標値へ座標変換される。
RΣT:ツール座標からロボット座標への座標変換行列
θ :サーボモータ回転角度
算出するのは、以下の2つである。
TΣJ:回転軸座標からツール座標への座標変換行列
JΣS:センサ座標から回転軸座標への座標変換行列
ここで、 TΣJおよび JΣSは、以下の式(11)および式(12)で表される。
算出する10個のパラメータp=(xj yj zj αj βj γj xs αs
βs γs)−1の微小変化Δeを考える。微小変化Δeは、Δe=JΔpで与えられ、式(10)の右辺のXYZ3要素をfx,fy,fxとし、光学式センサ130により計測したk個目の点SPk=(Syk,Szk)は、回転角度θkを使って、ロボット座標値RPk=(Rxk,Ryk,Rzk)に変換できるので、式(10)は、以下の式(14)および式(15)で表される。
STEP1:収束条件εと初期値p=p0とを与える。初期値p0は以下の式(16)で表される。
ここで、xMおよびxDは、以下の式(17)で与えられる。
STEP4:Δp=p+Δpとし、STEP2へ戻る。
このように反復計算を行うことにより、10個のパラメータp=(xj yj zj αj βj γj xs αs βs γs)−1が算出でき、その結果、センサ座標からツール座標への座標変換行列TΣJおよびJΣSを求めることができる。
110 センサコントローラ
120、220 ロボットコントローラ
122、222 座標変換部
124、224 倣い制御部
130 光学式センサ
140 溶接トーチ
250 サーボモータ
Claims (4)
- シート光を照射して形状計測する光学式センサをロボットのツール先端付近に取り付けた、光学式センサ付きロボットシステムにて、複数の稜線が1の頂点で交わる立体形状で構成されるキャリブレーションターゲットを対象にして、以下に示すステップを実施することで、前記ロボットのキャリブレーションを行うことを特徴とする光学式センサ付きロボットのキャリブレーション方法。
・第1のステップ; ロボットのツール姿勢を変化させずにツール先端位置を直線で動かしながら、前記キャリブレーションターゲットの頂点付近の形状を計測し、順に取得したキャリブレーションターゲットの立体形状に起因する屈曲点変化に基づいて、シート光が前記頂点位置に照射されたときの、センサ座標におけるキャリブレーションターゲットの頂点位置を算出するとともに、そのときのロボット座標におけるツール位置を算出する。
・第2のステップ; 前記キャリブレーションターゲットの頂点位置が異なる値となるように検出位置を変えて前記第1のステップを少なくとも3回行う。
・第3のステップ; 前記第1のステップおよび前記第2のステップにて集計したデータを演算して、センサとツールとの位置関係を算出する。 - シート光を照射して形状計測する光学式センサがロボットのツール軸周りに回転可能となるように回転軸に取り付けられ、前記回転軸はツール付近に固定されて取り付けられた、光学式センサ付きロボットシステムにて、複数の稜線が1の頂点で交わる立体形状で構成されるキャリブレーションターゲットを対象にして、以下に示すステップを実施することで、前記ロボットのキャリブレーションを行うことを特徴とする光学式センサ付きロボットのキャリブレーション方法。
・第1のステップ; 回転軸角度を所定の角度にセットし、ロボットのツール姿勢を変化させずにツール先端位置を直線で動かしながら、キャリブレーションターゲット頂点付近の形状を計測し、順に取得したキャリブレーションターゲットの立体形状に起因する屈曲点変化に基づいて、シート光が前記頂点位置に照射されたときの、センサ座標におけるキャリブレーションターゲットの頂点位置を算出するとともに、そのときのロボット座標におけるツール位置を算出する。
・第2のステップ; 前記キャリブレーションターゲットの頂点位置が異なる値となるように検出位置を変えて前記第1のステップを少なくとも3回行う。
・第3のステップ; 回転軸の回転角度を変えて、前記第1のステップおよび前記第2のステップを少なくとも3回行う。
・第4のステップ; 前記第1のステップ〜前記第3のステップにて集計したデータを演算して、センサとツールとの位置関係を算出する。 - 前記キャリブレーションターゲットが、三角錐で構成されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の光学式センサ付きロボットのキャリブレーション方法。
- 前記キャリブレーションターゲットが、上に凸の三角錐で構成されていることを特徴とする、請求項3に記載の光学式センサ付きロボットのキャリブレーション方法。
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