以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成]
まず、図1及び図2を参照しつつ、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。ここで、図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図2は、パチンコ遊技機1の一部を示す概略平面図である。図1に示されるように、パチンコ遊技機1は、入賞や抽選に関する役物等が設けられた遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持している。これにより、遊技盤2とガラス板との間に遊技球が移動する遊技領域10が形成されている。
遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計方向に回転させると、皿28(図2参照)に溜められた遊技球が発射装置(不図示)へと案内されてハンドル20の回転角度に応じた打球力で遊技領域10へと発射される。この遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車が設けられており、発射された遊技球は、遊技領域10における上部位置へと案内され、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って落下する。なお、遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン22を操作することによって一時的に停止される。また、皿28と近接配置された取り出しボタン23(図2参照)を遊技者が操作すると、皿28の下面の一部が開口されて、皿28に溜まった遊技球が皿28の下方に配置された不図示の箱に落下する。
また、遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車の他に、入賞や抽選に関する役物として、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口13、普通入賞口14、ゲート15、電動チューリップ16、排出口17等の公知の部材が配置されている。
遊技球は、遊技盤2に沿って落下する過程で、ゲート15、普通入賞口14、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口13、及び排出口17のいずれかに入球する。このとき、遊技球が普通入賞口14、第1始動口11、第2始動口12、又は大入賞口13に入賞すれば、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が皿28に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口17を介して遊技領域10から排出される。
第1始動口11は、常時開放されている始動口であり、第2始動口12は、普通電動役物としての電動チューリップ16が作動している間だけ開放される入賞口である。パチンコ遊技機1では、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞したことを契機として大当たり抽選が実行される。そして、大当たり抽選の結果が大当たりである場合、大入賞口13が開放されて遊技者が多量の賞球を獲得可能な大当たり遊技(特別遊技)が開始される。第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞すると、例えば3個の賞球が得られる。
大入賞口13は、遊技領域10の中央領域であって第2始動口12の下方に設けられる。大入賞口13は、通常は閉塞された状態であり遊技球が入賞することはないが、大当たり抽選の結果が大当たりであった場合に開放されて、遊技球が入賞可能となる。大入賞口13に遊技球が入賞すると、例えば、10個の賞球が得られる。なお、大入賞口は1つに限らず複数設けられてもよく、大当たりの種類に応じて開放される大入賞口が異なっていてもよい。
以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として実行される大当たり抽選を「第1特別図柄抽選」と呼び、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として実行される大当たり抽選を「第2特別図柄抽選」と呼び、これらの抽選を総称して「特別図柄抽選(特別図柄判定)」と呼ぶことがある。
電動チューリップ16は、第2始動口12に近接配置されており、対の羽根部材を有している。この電動チューリップ16は、一対の羽根部材が第2始動口12を閉塞する閉姿勢(図1参照)と、一対の羽根部材が第2始動口12を開放する開姿勢(不図示)との間で姿勢変化可能に構成されている。第2始動口12は、通常はこの電動チューリップ16によって閉塞されている。これに対して、遊技球がゲート15を通過したことを契機として普通図柄抽選(第2始動口12の開閉抽選)が実行され、この普通図柄抽選に当選すると、電動ソレノイド(不図示)が作動して、一対の羽根部材が規定時間だけ開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。その結果、第2始動口12への遊技球の入賞が可能となる。
なお、遊技機1は、大当たり遊技中や後述する補助遊技状態において遊技領域10の右側に遊技球を発射させる、いわゆる右打ち機であってもよい。この場合、ゲート15は遊技領域10の右側(液晶表示器5の右側)に設けられ、右打ちされた遊技球は、ゲート15を通過した後、遊技クギや案内部材等によって誘導されて、第1始動口11には入賞し難く、かつ、第2始動口12近傍に到達し易くなる。そして、補助遊技状態においては、電動チューリップ16が作動し易くなり、右打ちされた遊技球は第2始動口12に入賞し易くなる。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、特別図柄抽選の結果が大当たりとなった場合において、大当たり遊技が行われた後、遊技状態が変化する。具体的には、大当たり遊技後に、遊技機1の遊技状態が、特別図柄抽選の当選確率が低い低確率遊技状態(例えば、当選確率が1/300)から当選確率が高い高確率遊技状態(例えば、当選確率が1/30)に移行する。また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、高確率遊技状態である場合、特別図柄の変動に応じて低確率遊技状態に転落するか否かを決定するための転落抽選が行われる。高確率遊技状態における遊技状態の制御については、後述する。
また、大当たり遊技後には、いわゆる「電サポ」が付与された状態である補助遊技状態(時短付き遊技状態)に移行する。補助遊技状態では、特別図柄の変動時間が通常よりも短縮される。また、補助遊技状態では、電動チューリップ16が動作し易く、第2始動口12に遊技球が入賞し易い。具体的には、補助遊技状態では、普通図柄抽選に当選する確率が通常よりも高く、普通図柄変動時間が通常よりも短くなるとともに、電動チューリップ16が動作して第2始動口12が開放される時間が通常よりも長くなる。大当たり遊技後に補助遊技状態となった場合、大当たり遊技後の特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、10回や100回)となるまで補助遊技状態が継続する。
特別図柄抽選の結果には、大当たり、およびハズレがあり、大当たりには大別して長当たりと突確大当たり(短当たり)の2種類がある。長当たりになった場合、上述のように大入賞口13が複数回開放されて遊技者が多量の賞球を獲得可能な大当たり遊技(長当たり遊技;特別遊技の一種)が行われる。突確大当たりでは、大入賞口13が開放される大当たり遊技(短当たり遊技;特別遊技の一種)が行われる。短当たり遊技では、大入賞口13の総開放時間(開放されている時間を累計した時間)が長当たりよりも短く、遊技者は少数の賞球しか得られないか、あるいは、ほとんど賞球を得られない。例えば、短当たり遊技における大入賞口13の開放時間は、通じて1.8秒間を超えない(あるいは以内)時間であってもよく、開放パターンはどのようなものでもよい(例えば、0.1秒×2回や0.1秒×15回等)。
図1及び図2に示されるように、遊技盤2又は枠部材3には、各種演出を行う液晶表示器5、盤ランプ8、可動役物7、スピーカ24、及び枠ランプ25が設けられている。
液晶表示器5は、演出画像を表示する画像表示手段であり、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。この液晶表示器5には、例えば、特別図柄抽選の結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテム、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留表示画像等の表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示手段は、例えばEL表示器等の他の画像表示器であってもよい。
盤ランプ8は、遊技の進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成されており、例えば内蔵された発光素子を発光させながら回動することによって各種の演出を行う。スピーカ24は、楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。枠ランプ25は、発光色や発光パターン、光の放射方向を変化させることによって光による演出を行う。
また、図2に示されるように、枠部材3には、遊技者が操作情報を入力するための演出ボタン26及び演出キー27が設けられている。演出ボタン26は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。演出キー27は、十字キーとして機能する4つの周辺キーと、決定ボタンとして機能する中央キーとを有して構成されている。
[表示器4の構成]
図3は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果、これらの抽選の保留数に関する情報を表示するものである。図3に示されるように、表示器4は、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、及び遊技状態表示器47を備えている。
第1特別図柄表示器41は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として特別図柄を変動表示してから第1特別図柄抽選の結果を示す特別図柄を停止表示する。第2特別図柄表示器42は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として特別図柄を変動表示してから第2特別図柄抽選の結果を示す特別図柄を停止表示する。第1特別図柄保留表示器43は第1特別図柄抽選の保留数を表示し、第2特別図柄保留表示器44は第2特別図柄抽選の保留数を表示する。普通図柄表示器45は、遊技球がゲート15を通過したことを契機として普通図柄を変動表示してから普通図柄抽選の結果を示す普通図柄を停止表示する。普通図柄保留表示器46は、普通図柄抽選の保留数を表示する。遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側には、賞球として払い出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。
以下、図4を参照しつつ、パチンコ遊技機1の制御装置の構成について説明する。ここで、図4は、パチンコ遊技機1の制御装置の構成例を示すブロック図である。図4に示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、抽選の実行や演出制御部130へのコマンド送信処理等を制御する遊技制御部100、賞球の払い出しを制御する払出制御部(不図示)、遊技制御部100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御部130、画像や音による演出を制御する画像音響制御部140、及び各種のランプや可動役物7による演出を制御するランプ制御部150を備えている。
[遊技制御部100の構成]
遊技制御部100は、CPU101、ROM102、及びRAM103を備えている。CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに基づいて、内部抽選や当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
遊技制御部100には、第1始動口スイッチ(SW)111、第2始動口スイッチ(SW)112、電動チューリップ開閉部113、ゲートスイッチ(SW)114、大入賞口スイッチ(SW)115、大入賞口制御部116、普通入賞口スイッチ(SW)117、及び表示器4が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。電動チューリップ開閉部113は、遊技制御部100からの制御信号に応じて、電動チューリップ16の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2始動口12を開閉する。ゲートスイッチ114は、遊技球がゲート15を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。大入賞口スイッチ115は、遊技球が大入賞口13に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。大入賞口制御部116は、遊技制御部100からの制御信号に応じて、大入賞口13を閉塞するプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、大入賞口13を開閉する。普通入賞口スイッチ117は、遊技球が普通入賞口14に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。
遊技制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、大入賞口スイッチ115、又は普通入賞口スイッチ117からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御部に指示し、払出制御部からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
CPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄抽選を実行する。また、CPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄抽選を実行する。そして、特別図柄抽選に当選すると、大入賞口制御部116を介して大入賞口13の開閉させることによって、特別遊技を実行する。また、CPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて普通図柄抽選を実行する。そして、普通図柄抽選に当選すると、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ16を動作させることによって、第2始動口12を一時的に開放する。
また、CPU101は、特別図柄抽選の当選確率の変動設定や、普通図柄抽選の当選確率の変動設定に関する情報を演出制御部130に送信する。また、CPU101は、特別図柄の変動時間の短縮設定を示すデータ、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞したことを通知するための情報等を演出制御部130に送信する。
また、CPU101は、表示器4に対して、以下のような処理を実行する。すなわち、CPU101は、第1特別図柄抽選を実行すると、第1特別図柄表示器41に特別図柄を変動表示させた後にその抽選結果を示す特別図柄を停止表示させる。また、CPU101は、第2特別図柄抽選を実行すると、第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させた後にその抽選結果を示す特別図柄を停止表示させる。また、CPU101は、普通図柄抽選を実行すると、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させた後にその抽選結果を示す普通図柄を停止表示させる。
また、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数を第1特別図柄保留表示器43に表示させ、第2特別図柄抽選の保留数を第2特別図柄保留表示器44に表示させ、普通図柄抽選の保留数を普通図柄保留表示器46に表示させる。また、CPU101は、パチンコ遊技機1の遊技状態を遊技状態表示器47に表示させる。
[演出制御部130の構成]
演出制御部130は、CPU131、ROM132、RAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。CPU131は、ROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時を計測する。
演出制御部130は、遊技制御部100から送られる特別図柄抽選の結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン26又は演出キー27からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。演出制御部130は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150に送信する。
[画像音響制御部140の構成]
画像音響制御部140は、CPU141、ROM142、及びRAM143を備えている。CPU141は、ROM142に記憶されたプログラムに基づいて、演出内容を表現する画像を制御する際の演算処理を行う。図には示されていないが、画像音響制御部140は、液晶表示器5に表示される演出画像を生成するVDP(Video Display Processor)、及びスピーカ24から出力される音響データを生成する音響DSP(Digital Signal Processor)を備えている。CPU141は、演出制御部130からのコマンド及びROM142に記憶されているプログラムに基づいて制御信号を生成してVDP及び音響DSPに出力することによって、VDP及び音響DSPの動作を制御する。
音響DSPには、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROMと、音響DSPによるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAMが接続されている。音響DSPは、CPU141からの制御信号に対応する音響データを音響用ROMからSDRAMに読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ24へ出力する。
VDPは、演出画像の生成に必要な素材データを記憶する画像用ROM、演出画像の描画処理を実行する描画エンジン、及び描画エンジンによって描画された演出画像を液晶表示器5に出力する出力回路を有している。描画エンジンは、CPU141からの制御信号に基づいて、画像用ROMに記憶されている素材データを用いて、フレームバッファに演出画像を描画する。出力回路は、このフレームバッファに描画された演出画像を所定のタイミングで液晶表示器5に出力する。
[ランプ制御部150の構成]
ランプ制御部150は、CPU151、ROM152、及びRAM153を備えている。CPU151は、ROM152に記憶されたプログラムに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ25、及び可動役物7の動作を制御する際の演算処理を行う。RAM153は、CPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ROM152には、発光パターンデータ及び動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、枠ランプ25、盤ランプ8、及び可動役物7が備える発光素子のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、可動役物7の動作パターンを示すデータである。
CPU151は、ROM152に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをRAM153に読み出して、盤ランプ8、枠ランプ25、及び可動役物7の発光素子の発光を制御する。また、CPU151は、ROM152に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをRAM153に読み出して、可動役物7を動作させるモータの駆動を制御する。
[本実施形態のパチンコ遊技機1の動作概要]
次に、本実施形態のパチンコ遊技機1の動作概要について説明する。図5は、本実施形態のパチンコ遊技機1の仕様の一例を示す図である。図5に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、大当たり確率(特別図柄抽選に当選する確率)が、低確率遊技状態(通常遊技状態)では、例えば1/300に設定され、高確率遊技状態(確変遊技状態)では、例えば1/30に設定される。例えば、低確率遊技状態のときに大当たりとなった場合、大入賞口13が開閉される大当たり遊技が行われた後、100/100の確率で高確率遊技状態に移行する。高確率遊技状態においては、特別図柄が変動する際に転落抽選(転落判定)が行われ、転落抽選に当選すると高確率遊技状態から低確率遊技状態に転落する。転落抽選における転落確率(高確率遊技状態から低確率遊技状態に転落する確率)は、例えば、1/60に設定される。
ここで、「転落抽選」は、特別図柄抽選(大当たり抽選)における大当たりか否かの判定に関わらず、高確率遊技状態から低確率遊技状態に転落させるか否かを決定するための抽選である。詳細は後述するが、転落抽選は、大当たりか否かを決定するための大当たり乱数、および、大当たりの種類を決定するための大当たり図柄乱数とは別に、転落させるか否かを決定するための転落乱数を用いて行われる。すなわち、転落抽選は、大当たり抽選に用いられる乱数とは独立した乱数を用いて行われる。また、転落抽選は、遊技機1が高確率遊技状態である場合、始動口(第1始動口11または第2始動口12)への遊技球の入賞に応じて、特別図柄の変動開始時に行われる。転落抽選の結果、高確率遊技状態から低確率遊技状態への転落が決定された場合、当該変動において、低確率遊技状態で大当たりか否かの判定が行われる。一方、転落抽選の結果、転落が決定されなかった場合、当該特別図柄の変動において、高確率遊技状態で大当たりか否かの判定が行われる。すなわち、高確率遊技状態では、特別図柄が変動するたびに、転落抽選と大当たり抽選とが行われる。低確率遊技状態では、転落抽選は行われない。
図6は、本実施形態のパチンコ遊技機1の動作概要を示す図である。図6に示すように、特別図柄抽選の結果が大当たりであった場合、大入賞口13が開閉される大当たり遊技が行われた後、特別図柄抽選の当選確率が高い高確率遊技状態に移行する。高確率遊技状態への移行後は、特別図柄の変動に応じて、転落抽選が行われる。そして、転落抽選の結果に応じて、遊技機1は、低確率遊技状態に転落する。
転落抽選の結果、高確率遊技状態から低確率遊技状態へ転落される場合、いわゆる「電サポ」が設定される。例えば、図6に示すように、大当たり遊技後からN(Nは正の整数)回目の特別図柄の変動において転落抽選が行われた結果、転落有りと判定された場合、当該N回目の変動停止後に、電サポが開始される。
上述のように、「電サポ」は、電動チューリップ16が動作し易く第2始動口12に遊技球が入賞し易い状態(補助遊技状態、あるいは時短付き遊技状態)を示す。補助遊技状態においては、普通図柄抽選の当選確率が、通常遊技状態では、例えば1/10に設定されるところ、補助遊技状態では、例えば9/10に設定される。また、普通図柄抽選に当選した場合、電動チューリップ16の動作パターンは、通常遊技状態では、例えば0.1秒×1回であるところ、補助遊技状態では、例えば1.8秒×3回に設定される。また、補助遊技状態では、特別図柄および普通図柄の変動時間が通常よりも短縮される。詳細は後述するが、補助遊技状態では、特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定するために用いられる変動パターンテーブルが変更されることにより、特別図柄の変動時間が短縮される。
「電サポ」は、当該N回目の特別図柄の変動停止後、転落図柄に応じた回数Jmだけ特別図柄が変動するまで(大当たり遊技後からN+Jm回目の特別図柄の変動が停止するまで)、継続される。
ここで、「転落図柄」とは高確率遊技状態から低確率遊技状態へ転落したことを示す図柄であり、転落抽選において転落有りと判定された場合に、後述する転落図柄乱数を用いた転落図柄抽選により決定される。転落図柄は、大当たりであることを示す大当たり図柄とは異なる図柄である。転落図柄は、例えば、第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42に停止表示されることによって、遊技者に報知される。
図7は、高確率遊技状態の場合に第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42おいて停止表示される図柄の一例を示す図である。図7に示すように、高確率遊技状態において転落抽選により転落有りと判定された場合において、表示器4に転落図柄Aが停止表示されることがある。転落図柄Aが停止表示された場合、当該特別図柄抽選(大当たり抽選)の結果はハズレであり、電サポは40回設定される。また、例えば、転落図柄Bが停止表示された場合、電サポは60回、転落図柄Cが停止表示された場合は、電サポは100回設定される。
なお、高確率遊技状態における特別図柄の変動において、大当たり抽選において大当たりとなった場合(転落の有無に関わらず)、大当たりの種類に応じて図7に示す大当たり図柄(大当たり図柄A〜C等)が停止表示される。大当たり図柄が停止表示された後、大入賞口13を開放する大当たり遊技が行われる。大当たり遊技の後、例えば大当たり図柄Aまたは大当たり図柄Cで大当たりとなった場合は、電サポは設定されない(0回)。大当たり図柄Bで大当たりとなった場合は、電サポは、例えば100回設定される。一方、高確率遊技状態において、転落抽選で転落無しと判定され、かつ、大当たり抽選においてハズレと判定された場合、ハズレ図柄が停止表示される。この場合、電サポは付与されず、遊技状態の変更もない。
図8は、低確率遊技状態の場合に第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42において停止表示される図柄の一例を示す図である。図8に示すように、低確率遊技状態においては、高確率遊技状態と同様に大当たり抽選の結果に応じて、大当たり図柄A〜C、又はハズレ図柄等が停止表示されることがある。一方、低確率遊技状態では、転落図柄が停止表示されることはない。
なお、以下では、「特別図柄抽選」という場合には、基本的には上記大当たり抽選を意味するが、大当たり抽選、転落抽選、転落図柄抽選を含む意味で、「特別図柄抽選」ということがある。すなわち、この場合の「特別図柄抽選」は、1回の特別図柄の変動を意味する。
[パチンコ遊技機1における処理の詳細]
次に、パチンコ遊技機1において行われる処理の詳細について説明する。まず、遊技制御部100において行われる処理について説明する。図9は、遊技制御部100のRAM103に記憶される各種データを示す図である。図9に示すように、遊技制御部100のRAM103には、乱数データD1、特別図柄取得データD2、普通図柄取得データD3、大当たり判定用データD4、大当たり図柄判定用データD5、転落判定用データD6、転落図柄判定用データD7、リーチ判定用データD8、当たり判定用データD9、変動パターンテーブルデータD10、図柄設定データD11、変動パターンデータD12、および、遊技状態データD13が記憶される。
乱数データD1には、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、転落乱数、転落図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、および普通図柄乱数が含まれる。これら各種乱数は、所定の時間間隔で更新される。
大当たり乱数は、大当たり抽選の結果が大当たりか否かを判定するための乱数である。大当たり図柄乱数は、大当たり抽選の結果が大当たりである場合において、大当たりの種類を決定するための乱数である。転落乱数は、遊技機1が高確率遊技状態である場合において、高確率遊技状態から低確率遊技状態へ転落させるか否かを決定するために用いられる乱数である。転落図柄乱数は、転落抽選の結果、転落させると判定された場合に、転落図柄の種類、すなわち電サポの回数を決定するために用いられる乱数である。リーチ乱数は、大当たり抽選の結果がハズレである場合において、リーチ有りの演出を行うか否かを決定するために用いられる乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42において変動表示される際の特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定するために用いられる乱数である。普通図柄乱数は、普通図柄抽選の結果が当りか否かを判定するための乱数である。
特別図柄取得データD2は、遊技球が始動口(第1始動口11または第2始動口12)に入賞したことに応じて取得される遊技データである。具体的には、特別図柄取得データD2には、遊技球が始動口に入賞した時点の上記乱数データD1の大当たり乱数、大当たり図柄乱数、転落乱数、転落図柄乱数、リーチ乱数、および変動パターン乱数の値が含まれる。ここで、特別図柄取得データD2には、取得された各種乱数のセットが複数含まれる。すなわち、第1始動口11への遊技球の入賞に応じて取得された各種乱数は第1特別図柄抽選の権利として特別図柄取得データD2の記憶領域に保留され、第2始動口12への遊技球の入賞に応じて取得された各種乱数は第2特別図柄抽選の権利として特別図柄取得データD2の記憶領域に保留される。第1特別図柄抽選および第2特別図柄抽選の保留は最大でUmax1、Umax2(例えば、4)にそれぞれ設定される。
普通図柄取得データD3は、遊技球がゲート15を通過したことに応じて取得される遊技データであり、遊技球がゲート15を通過した時点の上記乱数データD1の普通図柄乱数の値を含む。ここで、普通図柄取得データD3には、取得された普通図柄乱数が複数含まれる。すなわち、遊技球がゲート15を通過したことに応じて取得された普通図柄乱数は普通図柄抽選の権利として普通図柄取得データD3の記憶領域に保留される。普通図柄抽選の保留は最大でGmax(例えば、4)に設定される。
大当たり判定用データD4は、予めROM103に格納されたデータであり、大当たり抽選の当選値を含むデータである。上記取得された大当たり乱数が、大当たり判定用データD4に含まれる当選値と等しいか否かによって、大当たりか否かが判定される。なお、大当たり判定用データD4には、高確率遊技状態における当選値と、低確率遊技状態における当選値とが含まれる。
大当たり図柄判定用データD5は、予めROM103に格納されたデータであり、大当たりの種類に応じた設定値が予め定められている。大当たりと判定される場合に、上記取得された大当たり図柄乱数が、大当たり図柄判定用データD5に含まれる何れの設定値と等しいか否かによって、大当たりの種類が判定される。なお、大当たり図柄判定用データD5には、第1始動口11への入賞時に用いられる大当たり図柄判定用データと、第2始動口12への入賞時に用いられる大当たり図柄判定用データとが含まれる。
転落判定用データD6は、予めROM103に格納されたデータであり、高確率遊技状態から低確率遊技状態への転落を示す設定値を示すデータである。上記取得された転落乱数が、転落判定用データD6に含まれる設定値と等しいか否かによって、転落判定が行われる。
転落図柄判定用データD7は、予めROM103に格納されたデータであり、転落図柄を決定するために用いられる判定用のデータである。転落図柄判定用データD7には、各転落図柄に対応する設定値が記憶されており、上記取得された転落図柄乱数が、転落図柄判定用データD7に含まれる設定値の何れと等しいかが判定されることにより、転落図柄が決定される。
リーチ判定用データD8は、予めROM103に格納されたデータであり、リーチ有りの演出を行うための設定値を示すデータである。上記取得されたリーチ乱数が、リーチ判定用データD8に含まれる設定値と等しいか否かによって、リーチ有りの演出が行われるか否かが判定される。当たり判定用データD9は、予めROM103に格納されたデータであり、普通図柄抽選の当選値を含むデータである。
変動パターンテーブルデータD10は、予めROM103に格納されたデータであり、特別図柄の変動パターンを決定するために用いられるデータである。図柄設定データD11は、特別図柄抽選の結果(上記大当たり抽選、および転落図柄抽選の結果)によって設定されるデータである。変動パターンデータD12は、決定された変動パターンを示すデータである。遊技状態データD13は、現在の遊技機1の遊技状態を示すデータである。
[遊技制御部100によるメイン処理]
次に、図10を参照しつつ、遊技制御部100によって実行されるメイン処理について説明する。ここで、図10は、遊技制御部100によって実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御部100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図10に示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図10以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御部100の処理は、ROM102に記憶されているプログラムがRAM103に読み込まれ、当該プログラムをCPU101が実行することによって行われる。
まず、遊技制御部100のCPU101は、乱数更新処理を実行する(ステップS1)。具体的には、CPU101は、乱数データD1としてRAM103に記憶されている大当たり乱数、大当たり図柄乱数、転落乱数、転落図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数を更新する。大当たり乱数、大当たり図柄乱数、転落乱数、転落図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」ずつ加算される。なお、ステップS1において、上記各乱数が予め設定されている最大値に達した場合は、各乱数を0に設定する。
ステップS1に続いて、CPU101は、始動口スイッチ(SW)処理を実行する(ステップS2)。始動口スイッチ処理では、CPU101は、第1始動口スイッチ111又は第2始動口スイッチ112からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各乱数(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、転落乱数、転落図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、検知信号が入力された時点の値を取得して、特別図柄取得データD2として記憶する。この始動口スイッチ処理については、図11を参照して、後に詳述する。
ステップS2に続いて、CPU101は、ゲートスイッチ(SW)処理を実行する(ステップS3)。ゲートスイッチ処理では、CPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号の入力の有無を監視し、検知信号の入力があった場合、ステップS1の処理で更新された普通図柄乱数の値を取得して、普通図柄取得データD3として記憶する。このゲートスイッチ処理については、図12を参照して、後に詳述する。
ステップS3に続いて、CPU101は、特別図柄処理を実行する(ステップS4)。特別図柄処理では、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理で取得された乱数を用いた特別図柄抽選を実行し、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄抽選の結果を示す特別図柄を停止表示させる。この特別図柄処理については、図13を参照して、後に詳述する。
ステップS4に続いて、CPU101は、普通図柄処理を実行する(ステップS5)。普通図柄処理では、CPU101は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された普通図柄乱数を用いて普通図柄抽選を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄抽選の結果を示す普通図柄を停止表示させる。普通図柄処理については、図17を参照して、後に詳述する。
ステップS5に続いて、CPU101は、ステップS4の特別図柄処理における大当たり抽選に当選した場合に、大入賞口制御部116を介して大入賞口13を開閉する大入賞口処理を実行する(ステップS6)。大入賞口処理については、図18を参照して、後に詳述する。
ステップS6に続いて、CPU101は、電動チューリップ処理を実行する(ステップS7)。電動チューリップ処理では、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理における普通図柄抽選に当選した場合に、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ16の一対の羽根部材を作動させる。電動チューリップ処理については、図20を参照して、後に詳述する。
ステップS7に続いて、CPU101は、上述したように、遊技球の入賞個数の管理及び入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS8)。
ステップS8に続いて、CPU101は、出力処理を実行する(ステップS9)。具体的には、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理やステップS4の特別図柄処理、ステップS6の大入賞口処理等でRAM103にセットされた各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御部130に送信する。以上で図10に示すメイン処理は終了する。
[遊技制御部100による始動口スイッチ処理]
次に、図11を参照して、遊技制御部100において実行される始動口スイッチ処理の詳細について説明する。ここで、図11は、図10のステップS2における始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。
図11に示すように、ステップS201において、遊技制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否か(第1始動口11に遊技球が入賞したか否か)を判定する。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS201:YES)、RAM103に記憶されている第1特別図柄抽選の保留数U1が、予めROM102に記憶されている第1特別図柄抽選の最大保留数Umax1未満であるか否かを判定する(ステップS202)。
CPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS202:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新する(ステップS203)。そして、CPU101は、ステップS1の処理によって更新した各種乱数(乱数データD1の大当たり乱数、大当たり図柄乱数、転落乱数、転落図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)の値を取得して、特別図柄取得データD2としてRAM103に格納する(ステップS204)。
ここでは、第1始動口11に遊技球が入賞したことに応じて取得された各種乱数がRAM103に格納されることにより、ステップS203で保留数U1を増加させた保留玉に係る特別図柄抽選の権利が、保留されることになる。詳細は後述するが、保留された特別図柄抽選の権利は、ステップS4の特別図柄処理において消化されて、特別図柄が変動表示されて所定時間経過後に停止表示されることにより、当該特別図柄抽選の結果が報知される。
続いて、CPU101は、ステップS204でRAM103に格納された各種乱数に基づいて、事前判定処理を実行し(ステップS205)、保留コマンドをRAM103にセットする(ステップS206)。保留コマンドは、特別図柄抽選が保留されたことを通知するためのコマンドであって、図10のステップS9における出力処理において演出制御部130へと送信される。
ここでは、保留された特別図柄抽選の権利に対して、事前判定が行われる。例えば、ステップS204で取得した各種乱数が事前判定情報として保留コマンドに含まれ、当該保留コマンドがRAM103にセットされる。あるいは、ここでは、ステップS4の特別図柄処理による判定結果の報知の前に、当該抽選の結果が大当たりであるのか、高確率遊技状態から低確率遊技状態への転落があるのか等が判定される。例えば、ステップS204で取得した各種乱数に基づく特別図柄抽選が行われるときの遊技状態が高確率遊技状態である場合、CPU101は、取得した転落乱数や転落図柄乱数に基づいて、高確率遊技状態から低確率遊技状態への転落があるか否かや、転落が有る場合の転落図柄を判定する。また、CPU101は、取得した大当たり乱数、大当たり図柄乱数、およびリーチ乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりであった場合の大当たりの種類、リーチ有りの演出を行うか否か等を判定する。
ステップS201で「NO」と判定した場合、ステップS202で「NO」と判定した場合、又はステップS206の処理を実行した場合、CPU101は、ステップS207の処理を実行する。ステップS207では、CPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否か(第2始動口12に遊技球が入賞したか否か)を判定する。ここで、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS207:YES)、RAM103に記憶されている第2特別図柄抽選の保留数U2が、予めROM102に記憶されている第2特別図柄抽選の最大保留数Umax2未満であるか否かを判定する(ステップS208)。
CPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS208:YES)、保留数U2の値を「1」加算した値に更新する(ステップS209)。そして、CPU101は、ステップS1の処理で更新した各種乱数(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、転落乱数、転落図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、特別図柄取得データD2としてRAM103に格納する(ステップS210)。
そして、CPU101は、ステップS210の処理によってRAM103に格納された各種乱数を用いて、上記ステップS205の処理と同様に事前判定処理を実行し(ステップS211)、その事前判定情報を含む保留コマンドをRAM103にセットする(ステップS212)。
ステップS207で「NO」と判定された場合、ステップS208で「NO」と判定された場合、又はステップS212の処理が行われた場合、CPU101は、始動口スイッチ処理を終了して、ゲートスイッチ処理(図10参照)に処理を進める。
[遊技制御部100によるゲートスイッチ処理]
図12は、図10のステップS3におけるゲートスイッチ処理の詳細フローチャートである。図12に示されるように、CPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号(ゲートスイッチ114が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、ゲートスイッチ114が「ON」になったか否かを判定する(ステップS301)。
メインCPU101は、ゲートスイッチ114が「ON」になったと判定した場合(ステップS301:YES)、RAM103に記憶されている普通図柄抽選の保留数Gが、普通図柄抽選の最大保留数Gmax(例えば「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS302)。
CPU101は、保留数Gが最大保留数Gmax未満であると判定した場合(ステップS302:YES)、保留数Gを「1」加算した値に更新し(ステップS303)、この処理によって保留された普通図柄抽選に使用される普通図柄乱数を取得して、普通図柄取得データD3としてRAM103に格納する(ステップS304)。
[遊技制御部100による特別図柄処理]
次に、図13を参照して、図10のステップS4の特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図13は、図10のステップS4の特別図柄処理を示す詳細フローチャートである。図13に示すように、遊技制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている大当たり遊技フラグに基づいて、大当たり遊技中(特別遊技中)であるか否かを判定する(ステップS401)。ここで、大当たり遊技中であると判定した場合(ステップS401:YES)、CPU101は、特別図柄処理を終了する。
CPU101は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS401:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS402)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS402:NO)、RAM103に記憶されている第2特別図柄抽選の保留数U2が「1」以上であるか否かを判定し(ステップS403)、「1」以上であると判定した場合(ステップS403:YES)、保留数U2を「1」減算した値に更新する(ステップS404)。
CPU101は、保留数U2が「1」以上ではない(第2特別図柄抽選が保留されていない)と判定した場合(ステップS403:NO)、RAM103に記憶されている第1特別図柄抽選の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定し(ステップS405)、「1」以上であると判定した場合(ステップS405:YES)、保留数U1を「1」減算した値に更新する(ステップS406)。
CPU101は、ステップS404又はステップS406の処理に続いて、大当たり判定処理を実行する(ステップS407)。
以下、図14を参照して、ステップS407の大当たり判定処理について説明する。図14は、図13のステップS407の大当たり判定処理を示す詳細フローチャートである。
図14に示すように、CPU101は、まず、RAM103に格納された確変遊技フラグがONか否かを判定する(ステップS430)。ここでは、現在、パチンコ遊技機1が高確率遊技状態か否かが判定される。確変遊技フラグがONである場合(ステップS430:YES)、CPU101は、転落乱数判定処理を行う(ステップS431)。具体的には、CPU101は、図13のステップS404の処理に続いて図14の大当たり判定処理を行う場合、ステップS404の処理で保留数U2を減算させた保留玉に係る転落乱数(ステップS210の処理でRAM103に格納された転落乱数)が、転落判定用データD6としてRAM103に記憶されている設定値と一致するか否かを判定する。
一方、図13のステップS406の処理に続いて図14の大当たり判定処理を行う場合、CPU101は、ステップS406の処理で保留数U1を減算させた保留玉に係る転落乱数(ステップS204の処理でRAM103に格納された転落乱数)が、転落判定用データD6としてRAM103に記憶されている設定値と一致するか否かを判定する。このようにして、CPU101は、高確率遊技状態から低確率遊技状態への転落が有るか否かを判定する(ステップS432)。
転落有りの場合(ステップS432:YES)、CPU101は、確変遊技フラグをOFFに設定し(ステップS433)、転落図柄乱数判定処理を行う(ステップS434)。転落図柄乱数判定処理では、上記転落乱数と一緒に取得された転落図柄乱数が、転落図柄判定用データD7としてRAM103に記憶されている設定値の何れと一致するかが判定される。
図21は、転落判定用データD6の一例を示す図である。図22は、転落図柄判定用データD7の一例を示す図である。図21に示すように、RAM103には、ステップS431の転落乱数判定処理において用いられる転落判定用データD6として、転落有りと判定される設定値と、転落無しと判定される設定値とが予め記憶されている。ステップS431の転落乱数判定処理では、転落乱数が図21に示す何れの設定値と等しいかが判定されることにより、転落の有無が判定される。
また、図22に示すように、RAM103には、ステップS434の転落図柄乱数判定処理において用いられる転落図柄判定用データD7として、各転落図柄(A−C)に対応する設定値が予め記憶されている。例えば、転落図柄Aの場合、電サポが40回付与され、転落図柄Bの場合、電サポが60回付与される。また、転落図柄Cの場合、電サポが100回付与される。ステップS434の転落図柄乱数判定処理では、転落図柄乱数が図22に示す何れの設定値と等しいかが判定されることにより、転落図柄の種類が判定される。
ステップS434に続いて、CPU101は、ステップS434の転落図柄乱数判定処理で判定された転落図柄をRAM103に記憶する(ステップS435)。
ステップS430でNOと判定した場合、ステップS432でNOと判定した場合、または、ステップS435の処理を行った場合、CPU101は、確変遊技フラグがONか否かを判定する(ステップS436)。確変遊技フラグがONである場合(ステップS436:YES)、CPU101は、高確率遊技状態での大当たり判定処理を行う(ステップS437)。一方、確変遊技フラグがONでない場合(ステップS436:NO)、CPU101は、低確率遊技状態での大当たり判定処理を行う(ステップS438)。
ステップS437の大当たり乱数判定処理では、特別図柄取得データD2に含まれる大当たり乱数が、大当たり判定用データD4としてRAM103に記憶されている高確率遊技状態における当選値と一致するか否かが判定される。ステップS438の大当たり乱数判定処理では、特別図柄取得データD2に含まれる大当たり乱数が、大当たり判定用データD4としてRAM103に記憶されている低確率遊技状態における当選値と一致するか否かが判定される。例えば、大当たり乱数が1〜300まで変化する場合、低確率遊技状態における当選値は予め1個設定されており、高確率遊技状態における当選値は予め10個設定される。
具体的には、CPU101は、ステップS437またはステップS438において、次の処理を行う。すなわち、CPU101は、図13のステップS404の処理に続いて大当たり判定処理を行う場合、ステップS404の処理で保留数U2を減算させた保留玉に係る大当たり乱数(ステップS210の処理でRAM103に格納された大当たり乱数)が、大当たり判定用データD4として記憶されている当選値(当選値は高確率遊技状態と低確率遊技状態とで異なる)と一致するか否かを判定する。一方、図13のステップS406の処理に続いて大当たり判定処理を行う場合、CPU101は、ステップS406の処理で保留数U1を減算させた保留玉に係る大当たり乱数(ステップS204の処理でRAM103に格納された大当たり乱数)が、大当たり判定用データD4として記憶されている当選値と一致するか否かを判定する。
ステップS437またはステップS438の処理の後、CPU101は、大当たり乱数判定処理の結果に基づいて、大当たりか否かを判定する(ステップS439)。大当たりであった場合(ステップS439:YES)、CPU101は、大当たり図柄乱数判定処理を行う(ステップS440)。大当たり図柄乱数判定処理では、大当たり抽選の結果が大当たりである場合において、上記大当たり乱数判定処理で用いられた大当たり乱数とともに取得された大当たり図柄乱数に基づいて、大当たりの種類が判定される。具体的には、CPU101は、ステップS2の処理でRAM103に格納された大当たり図柄乱数が、大当たり図柄判定用データD5として記憶されている複数種の大当たりのそれぞれに割り当てられた設定値のいずれと一致するかを判定することにより、大当たりの種類を判定する。
図23は、本実施形態のパチンコ遊技機1に用意された大当たりの種類の一例を示す図である。図23に示すように、本実施形態では、第1始動口11に遊技球が入賞した場合では、大当たりの種類として長当たりA(大当たり図柄A)と突確大当たり(大当たり図柄C)とがある。長当たりAとなった場合、大入賞口13の開放から30秒経過するまで、または遊技球が10個大入賞口13に入賞するまでを1ラウンド(「R」と表記する)として、8Rの大当たり遊技が行われる。さらに、長当たりAとなった場合は、8R大当たり遊技が行われた後、高確率遊技状態になり、電サポは付与されない。また、突確大当たりでは、0.1秒大入賞口13が開放することを1Rとして、2Rの大当たり遊技が行われる。突確大当たりとなった場合は、2R大当たり遊技が行われた後、高確率遊技状態になり、電サポは付与されない。
一方、第2始動口12に遊技球が入賞した場合では、大当たりの種類として長当たりB(大当たり図柄B)がある。長当たりBとなった場合、大入賞口13の開放から30秒経過するまで、または遊技球が10個大入賞口13に入賞するまでを1ラウンド(「R」と表記する)として、16Rの大当たり遊技が行われる。さらに、長当たりBとなった場合は、16R大当たり遊技が行われた後、高確率遊技状態になるとともに、電サポが100回付与される。
各大当たりにはそれぞれ大当たり図柄乱数を判定するための設定値が定められており、各大当たりが決定される割合は、例えば、図23に示すように予め定められている。例えば、第1始動口11に遊技球が入賞して大当たりとなった場合は、60/100の割合で長当たりAとなり、40/100の割合で突確大当たりとなる。また、第2始動口12に遊技球が入賞して大当たりとなった場合は、100/100の割合で長当たりBとなる。
図23に示すような各大当たりが設定されることにより、本実施形態のパチンコ遊技機1では、次に示すようなゲームフローとなる。図24は、本実施形態のパチンコ遊技機1のゲームフローの概要を示す図である。
図24に示すように、初期状態では通常遊技状態からスタートする。ここで、通常遊技状態では、電サポは付与されないため第2始動口12には遊技球は入賞し難く、このため、長当たりBで大当たりとなる可能性は低い。従って、通常遊技状態では、第1始動口11に遊技球が入賞することで大当たりとなって、長当たりAまたは突確大当たりとなる。この場合は、高確率遊技状態となるが、電サポは付与されないため、遊技者は持ち球を減らしながら遊技を行うことになる。その状態からさらに第1始動口11に遊技球が入賞して長当たりAか突確大当たりとなる場合がある。長当たりAでは、遊技者は、8R分の賞球しか獲得することができず、また、突確大当たりでは、殆ど賞球を獲得することができない。このように、電サポが付与されない長当たりAまたは突確大当たりが続く限り、遊技者は多くの賞球を獲得することができないループAの遊技を繰り返すことになる。
一方、高確率遊技状態から転落抽選によって低確率遊技状態に転落した場合、転落図柄の種類によって電サポが付与される(図22)。電サポが付与されると、第2始動口12への入賞に係る特別図柄抽選が優先消化されるため(上記ステップS403で「YES」の場合にステップS404が実行される)、電サポが付与されると、基本的に第2始動口12への入賞に係る特別図柄抽選が実行される。従って、電サポが付与されると、低確率遊技状態でありながら、16R大当たり遊技が行われる可能性が通常遊技状態よりも高くなり、大量の賞球を獲得する可能性が高くなる。この低確率遊技状態、かつ、電サポが付与された状態において、長当たりBとなった場合、16R大当たり遊技が行われる。16R大当たり遊技後は、高確率遊技状態となって、かつ、電サポが付与されるため、さらに長当たりBとなる可能性が高くなり、ループBの遊技を繰り返す可能性が高くなる。ループBでは、高確率、かつ電サポが付与された状態から長当たりBとなることを繰り返すパターンと、長当たりBとなった後において転落抽選により転落し、電サポが付与されて再び長当たりBとなるパターンとがある。何れにしても、ループBでは、電サポが付与されて長当たりBとなる可能性が高く、遊技者は多量の賞球を獲得することが可能となる。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、転落抽選によって転落した場合であっても、電サポが付与された期間に大当たりとなった場合は、その後、16R大当たり遊技が連続して行われる可能性が高くなり、遊技者にとって極めて有利な状態となる。
なお、図23に示す大当たりの種類は単なる一例であり、他の種類の大当たりが用意されてもよいし、始動口の種類に応じて大当たりの種類の振り分けが異なってもよい。図25は、本実施形態のパチンコ遊技機1に用意される大当たりの種類の他の例を示す図である。例えば、図25に示すように、大当たりには、賞球の多い大当たり(長当たりB)と少ない大当たり(長当たりA、突確大当たり)とがあり、第1始動口11へ遊技球が入賞した場合は、賞球の少ない大当たりが選択される確率が高く設定され、第2始動口12へ遊技球が入賞した場合は、賞球の多い大当たりが選択される確率が高く設定されてもよい。
図14に戻り、ステップS440の処理の後、CPU101は、判定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄を、図柄設定データD11としてRAM103に設定する(ステップS441)。
一方、ステップS439において大当たりでないと判定した場合(ステップS439:NO)、CPU101は、上述したステップS435を実行したことによって転落図柄がRAM103に記憶されているか否かを判定する(ステップS442)。転落図柄が記憶されている場合(ステップS442:YES)、CPU101は、当該記憶されている転落図柄(ステップS434で判定された転落図柄)を、図柄設定データD11としてRAM103に設定する(ステップS443)。
転落図柄が記憶されていない場合(ステップS442:NO)、CPU101は、大当たり抽選に落選したことを表すハズレ図柄を、図柄設定データD11としてRAM103に設定する(ステップS444)。
ステップS441の処理、ステップS443の処理、またはステップS444の処理を行った後、CPU101は、図14に示す大当たり判定処理を終了して、図13の特別図柄処理に処理を戻す。
図13に戻り、ステップS407の大当たり判定処理に続いて、CPU101は、変動パターン設定処理を実行する(ステップS408)。
以下、図15を参照して、変動パターン設定処理について説明する。図15は、図13のステップS408の変動パターン設定処理を示す詳細フローチャートである。
図15に示すように、CPU101は、大当たり判定処理の結果が大当たりであったか否かを判定する(ステップS450)。CPU101は、大当たり判定処理において大当たりと判定した場合(ステップS450:YES)には、大当たりの種類に応じた大当たり用の変動パターンテーブルをセットする(ステップS451)。各大当たり用の変動パターンテーブルには、変動時間の異なる複数の変動パターン(例えば変動時間が20秒、30秒、60秒、90秒等)が記憶されている。
大当たり判定処理において大当たりでないと判定した場合(ステップS450:NO)、すなわち、大当たり判定処理においてハズレと判定した場合、CPU101は、当該変動において転落が有るか否かを判定する(ステップS452)。転落が有る場合(ステップS452:YES)、CPU101は、転落用の変動パターンテーブルをセットする(ステップS453)。転落用の変動パターンテーブルには、所定の変動時間(例えば、30秒)の変動パターンが含まれる。この変動パターンに応じて、後述するように、高確率遊技状態から低確率遊技状態に移行して電サポが付与されることを示す演出が行われる。
一方、転落が無い場合(ステップS452:NO)、CPU101は、リーチ乱数判定処理を行う(ステップS454)。リーチ乱数判定処理では、CPU101は、大当たり判定処理で使用された大当たり乱数と一緒にステップS2の処理でRAM103に格納されたリーチ乱数が、リーチ判定用データD8として記憶されている設定値と一致するか否かを判定する。当該判定結果に基づいて、CPU101は、リーチ演出を行うか否かを決定する(ステップS455)。そして、CPU101は、リーチ演出を行うと決定した場合(ステップS455:YES)にはリーチ用の変動パターンテーブルをセットする(ステップS456)。リーチ用の変動パターンテーブルには、変動時間の異なる複数の変動パターン(例えば変動時間が20秒、30秒、60秒、90秒等)が記憶されている。
CPU101は、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS455:NO)には、補助遊技フラグがONか否かを判定し(ステップS457)、補助遊技フラグがONでない場合(ステップS457:NO)には、ハズレ用変動パターンテーブル(時短無)をセットする(ステップS458)。補助遊技フラグは、遊技機1が補助遊技状態(電サポが付与された状態)であることを示すフラグである。補助遊技フラグがONである場合(ステップS457:YES)には、CPU101は、ハズレ用テーブル(時短有)をセットする(ステップS459)。ハズレ用変動パターンテーブル(時短無)には、例えば変動時間が10秒、8秒、2秒等の変動パターンが含まれ、ハズレ用変動パターンテーブル(時短有)には、例えば変動時間が2秒の変動パターンが含まれる。このように、補助遊技状態である場合には、ハズレ用変動パターンテーブル(時短有)がセットされるため、ハズレであった場合の特別図柄の変動時間が通常よりも短縮される。
ステップS451、ステップS453、ステップS456、ステップS458、またはステップS459の処理を行った場合、CPU101は、変動パターン乱数判定処理を行う(ステップS460)。具体的には、ステップS460において、CPU101は、セットした変動パターンテーブルを用いて、上述した大当たり乱数と一緒にステップS2の処理でRAM103に格納された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンを選択する。各変動パターンテーブルには、複数の変動パターン(変動時間)と設定値とが対応付けられており、CPU101は、変動パターン乱数と一致する設定値に対応する変動パターンを選択する。そして、CPU101は、選択した変動パターンを、変動パターンデータD12としてRAM103に記憶する(ステップS461)。ステップS461の処理の後、CPU101は、図15に示す変動パターン設定処理を終了して、図13に処理を戻す。
図13に戻り、ステップS408の変動パターン設定処理に続いて、CPU101は、ステップS407の処理で設定した図柄設定データD11、ステップS408の処理で設定した変動パターンデータD12、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す遊技状態データD13(上記確変遊技フラグおよび補助遊技フラグの値を示すデータ)等を含む変動開始コマンドを生成してRAM103にセットする(ステップS409)。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う演出の実行を指示するコマンドであって、図10のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御部130へ送信される。
ステップS409の処理に続いて、CPU101は、特別図柄の変動表示を開始し(ステップS410)、変動時間の計測を開始する(ステップS411)。なお、特別図柄の変動表示は、ステップS407〜S409の処理がステップS404の処理に続いて行われた場合には第2特別図柄表示器42を用いて行われ、ステップS406の処理に続いて行われた場合には第1特別図柄表示器41を用いて行われる。
CPU101は、ステップS402の処理で「YES」と判定した場合、又はステップS411の処理を実行した場合、ステップS411における変動時間の計測開始から、ステップS408の処理で設定された変動パターンに応じた変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS412)。
変動時間が経過したと判定した場合(ステップS412:YES)、CPU101は、特別図柄の変動表示が停止されることを通知する変動停止コマンドをRAM103にセットし(ステップS413)、ステップS410の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了し(ステップS414)、計測した変動時間をリセットする(ステップS415)。これにより、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42において、ステップS407の大当たり判定処理の結果に応じた図柄が停止表示され、特別図柄抽選の結果が報知される。なお、ステップS413の処理でセットされた変動停止コマンドは、図10のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御部130へ送信される。
CPU101は、ステップS415の処理の後、停止中処理を実行する(ステップS416)。この停止中処理を実行した場合、ステップS401でYESと判定した場合、ステップS405でNOと判定した場合、又はステップS412でNOと判定した場合、CPU101は、図13に示す特別図柄処理を終了する。
[遊技制御部100による停止中処理]
次に、図13のステップS416の停止中処理について説明する。図16は、図13のステップS416の停止中処理を示す詳細フローチャートである。
図16に示されるように、CPU101は、上記ステップS407の大当たり判定処理の結果に基づいて、大当たりか否かを判定する(ステップS480)。そして、CPU101は、大当たりと判定した場合(ステップS480:YES)、RAM103に記憶されている大当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS481)。
CPU101は、ステップS481の処理に続いて、RAM103に記憶されている補助遊技フラグ及び確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS482)。CPU101は、ステップS482の処理に続いて、オープニングを開始し(ステップS483)、オープニングコマンドをRAM103にセットする(ステップS484)。このオープニングコマンドは、大当たり判定処理の結果に応じて開始されるオープニング演出を演出制御部130に行わせるためのコマンドであり、当該コマンドは、図10のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御部130へ送信される。これにより、大入賞口13が開放されることを遊技者に報知するためのオープニング演出が行われる。
一方、CPU101は、大当たりでない(すなわちハズレ)と判定した場合(ステップS480:NO)、転落図柄が設定されているか否かを判定する(ステップS485)。ここでは、上述したステップS443において転落図柄が設定されたか否かが判定される。
転落図柄が設定されている場合(ステップS485:YES)、CPU101は、設定されている転落図柄に応じて、補助遊技残余回数Jを設定する(ステップS486)。補助遊技残余回数Jは、補助遊技状態が維持される残りの特別図柄の変動回数(特別図柄抽選の実行回数)を示す。例えば、図22に示すように、転落図柄Aが設定されている場合は、補助遊技残余回数Jに「40」を設定し、転落図柄Bが設定されている場合は、補助遊技残余回数Jに「60」を設定する。また、例えば、転落図柄Cが設定されている場合は、CPU101は、補助遊技残余回数Jに「100」を設定する。ステップS486に続いて、CPU101は、補助遊技フラグをONに設定する(ステップS487)。
一方、転落図柄が設定されていない場合(ステップS485:NO)、CPU101は、補助遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS488)。ここで、補助遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS488:YES)、補助遊技残余回数Jを「1」減算し、当該Jを更新する(ステップS489)。
ステップS489の処理に続いて、CPU101は、補助遊技残余回数Jが「0」であるか否かを判定する(ステップS490)。ここで、補助遊技残余回数Jが「0」であると判定した場合(ステップS490:YES)、CPU101は、補助遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS491)。
ステップS491の処理を実行した場合、補助遊技フラグが「ON」ではないと判定した場合(ステップS488:NO)、又は補助遊技残余回数Jが「0」ではないと判定した場合(ステップS490:NO)、CPU101は、RAM103に記憶されている確変遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS492)。
確変遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS492:YES)、CPU101は、RAM103に記憶されている高確率遊技残余回数Xを「1」減算し、当該Xを更新する(ステップS493)。ここで、高確率遊技残余回数Xは、高確率遊技状態で特別図柄抽選が行われる残りの回数を示し、大当たり遊技が行われた後に実行される遊技状態設定処理(後述する)において設定される。
ステップS493の処理に続いて、CPU101は、高確率遊技残余回数Xが「0」であるか否かを判定する(ステップS494)。ここで、高確率遊技残余回数Xが「0」であると判定した場合(ステップS494:YES)、確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS495)。
ステップS495の処理が実行された場合、ステップS484の処理が実行された場合、ステップS487の処理が実行された場合、確変遊技フラグが「ON」ではないと判定された場合(ステップS492:NO)、又は高確率遊技残余回数Xが「0」ではないと判定された場合(ステップS494:NO)、CPU101は、図16の停止中処理を終了する。
[遊技制御部100による普通図柄処理]
次に、図17を参照しつつ、遊技制御部100によって実行される普通図柄処理の詳細について説明する。図17は、図10のステップS5の普通図柄処理を示す詳細フローチャートである。
まず、遊技制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている補助フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS501)。補助フラグは、普通図柄抽選の結果が当りである場合に「ON」に設定されるフラグであり、電動チューリップ16を作動させる当たり遊技中であるか否かを示すフラグである。電動チューリップ16は、普通図柄抽選の結果が当りである場合、所定のパターンで動作する。電動チューリップ16の動作パターンは、遊技機1の状態が補助遊技状態か否か(補助遊技フラグがONか否か)によって異なる。ここで、補助フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS501:YES)、CPU101は、図17の普通図柄処理を終了する。
補助フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS501:NO)、CPU101は、普通図柄表示器45における普通図柄の変動表示中であるか否かを判定し(ステップS502)、普通図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS502:NO)、RAM103に記憶されている普通図柄抽選の保留数Gが「1」以上であるか否かを判定する(ステップS503)。ここで、保留数Gが「1」以上ではないと判定した場合(ステップS503:NO)、CPU101は、図17の普通図柄処理を終了する。
CPU101は、保留数Gが「1」以上であると判定した場合(ステップS503:YES)、保留数Gを「1」減算した値に更新し(ステップS504)、普通図柄乱数判定処理を実行する(ステップS505)。具体的には、遊技球がゲート15を通過したことに応じて上記ステップS3の処理で取得された普通図柄乱数が、当たり判定用データD9としてRAM103に記憶されている普通図柄乱数の当選値(補助遊技状態か否かにより異なる)と一致するか否かに基づいて、普通図柄抽選の結果が当たりであるか否かを判定する(ステップS506)。なお、ROM102には、普通図柄乱数の当選値として、当選後に第2始動口12を長開放することとなる長開放当たりの当選値と、第2始動口12を短開放することとなる短開放当たりの当選値とが設定されてもよい。
CPU101は、普通図柄抽選の結果が当たりではないと判定した場合(ステップS506:NO)、RAM103にハズレ図柄をセットする(ステップS507)。
一方、CPU101は、普通図柄抽選の結果が当たりであると判定した場合(ステップS506:YES)、当たり図柄をRAM103にセットする(ステップS508)。
ステップS507の処理、又はステップS508の処理に続いて、CPU101は、RAM103に記憶されている補助遊技フラグがONか否かに基づいて、パチンコ遊技機1の遊技状態が、補助遊技状態であるか否かを判定する(ステップS509)。
CPU101は、補助遊技状態ではないと判定した場合(ステップS509:NO)、普通図柄表示器45において普通図柄を変動表示させる時間である普通図柄変動時間を例えば25秒にセットする(ステップS510)。逆に、補助遊技状態であると判定した場合(ステップS509:YES)、普通図柄変動時間を比較的短い値、例えば2秒にセットする(ステップS511)。このステップS510又はステップS511の処理によってセットされた普通図柄変動時間は、RAM103に一時的に記憶される。
ステップS510又はステップS511の処理に続いて、CPU101は、普通図柄表示器45において普通図柄の変動表示を開始させ(ステップS512)、その変動表示開始からの経過時間の計測を開始する(ステップS513)。
一方、CPU101は、普通図柄表示器45において普通図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS502:YES)、普通図柄の変動表示を終了させるか否かを判定する(ステップS514)。具体的には、ステップS513の処理によって計測を開始した経過時間が、上記ステップS510又はステップS511の処理で設定された普通図柄変動時間に達したか否かに基づいて、普通図柄の変動表示の終了タイミングになったか否かを判定する。ここで、終了タイミングになっていないと判定した場合(ステップS514:NO)、CPU101は、図17の普通図柄処理を終了する。
CPU101は、普通図柄の変動表示の終了タイミングになったと判定した場合(ステップS514:YES)、普通図柄表示器45による普通図柄の変動表示を終了させる(ステップS515)。具体的には、CPU101は、上記ステップS507、又はステップS508の処理でセットした図柄を普通図柄表示器45に停止表示させる。これにより、普通図柄抽選の結果が遊技者に対して報知される。
ステップS515の処理に続いて、CPU101は、上記ステップS513の処理によって計測が開始された経過時間をリセットする(ステップS516)。そして、上記ステップS506と同様に、普通図柄抽選の結果が当たりであるか否かを判定し(ステップS517)、当たりであると判定した場合(ステップS517:YES)、補助フラグを「ON」に設定する(ステップS518)。この補助フラグが「ON」に設定されることにより、電動チューリップ16が作動する。
ステップS518の処理の後、ステップS514の処理でNOと判定した場合、またはステップS517の処理でNOと判定した場合、CPU101は、図17の普通図柄処理を終了する。
[遊技制御部100による大入賞口処理]
次に、図18を参照しつつ、遊技制御部100によって実行される大入賞口処理の詳細について説明する。図18は、図10のステップS6の大入賞口処理を示す詳細フローチャートである。
図18に示されるように、遊技制御部100のCPU101は、大当たり遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS601)。ここで、大当たり遊技フラグは、上記ステップS481でONに設定されるフラグである。大当たり遊技フラグがONの場合(ステップS601:YES)、CPU101は、オープニング中か否かを判定する(ステップS602)。
オープニング中であれば(ステップS602:YES)、CPU101は、オープニング時間が経過したか否かを判定する(ステップS603)。オープニング時間が経過していれば(ステップS603:YES)、CPU101は、大当たり判定処理の結果に応じて、大入賞口13の開放パターンを設定し(ステップS604)、設定した開放パターンで大入賞口13の開放制御を開始する(ステップS605)。これにより、図23に示すように大当たりの種類に応じて大入賞口13の開放パターンが設定される。例えば、長当たりAであった場合には、開放から30秒経過または遊技球が10個入賞するまでを1ラウンドとして、8ラウンドだけ大入賞口13が開放される。例えば、突確大当たりであった場合には、開放から0.1秒経過するまでを1ラウンドとして、2ラウンドだけ大入賞口13が開放される。また、長当たりBであった場合には、開放から30秒経過または遊技球が10個入賞するまでを1ラウンドとして、16ラウンドだけ大入賞口13が開放される。長当たりBである場合には、大入賞口13の開放時間を累計した総開放時間が最も長いため、多数の遊技球が大入賞口13に入賞可能となり、遊技者にとっては最も有利である。
一方、オープニング中でなければ(ステップS602:NO)、CPU101は、エンディング中か否かを判定する(ステップS606)。エンディング中でなければ(ステップS606:NO)、CPU101は、次にステップS607の処理を実行し、エンディング中であれば(ステップS606:YES)、次にステップS611の処理を実行する。
ステップS607において、CPU101は、ステップS604で設定した開放パターンでの大入賞口13の開放制御が終了したか否かを判定する。判定結果が肯定の場合(ステップS607:YES)、CPU101は、大入賞口13の開放制御を終了する(ステップS608)。続いて、CPU101は、エンディングコマンドをRAM103にセットする(ステップS609)。ここでセットされたエンディングコマンドは、図10のステップS9の出力処理において演出制御部130に送信される。演出制御部130は、当該エンディングコマンドを受信したことに応じて、大当たり遊技が終了することを示すエンディング演出を実行する。次に、CPU101は、エンディング時間の計測を開始する(S610)。
CPU101は、ステップS610の処理、またはステップS606の処理でYESと判定した場合、予め設定されたエンディング時間が経過したか否かを判定する(ステップS611)。エンディング時間が経過していれば(ステップS611:YES)、CPU101は、遊技状態設定処理を実行する(ステップS612)。遊技状態設定処理の詳細については、後述する。ステップS612の遊技状態設定処理の後、CPU101は、大当たり遊技フラグをOFFに設定する(ステップS613)。
ステップS601の処理でNOと判定した場合、ステップS603の処理でNOと判定した場合、ステップS607の処理でNOと判定した場合、ステップS611の処理でNOと判定した場合、または、ステップS613の処理を実行した場合、CPU101は、図18に示す大入賞口処理を終了する。
[遊技状態設定処理]
次に、図19を参照して、図18のステップS612の遊技状態設定処理について説明する。図19は、図18のステップS612の遊技状態設定処理を示す詳細フローチャートである。
図19に示されるように、CPU101は、確変遊技フラグをONに設定して(ステップS630)、高確率遊技残余回数XにXmaxを設定する(ステップS631)。ここで、Xmaxは予め定められた値であり、Xmaxとして非常に大きな値、例えば、10000が設定される。Xに非常に大きな値Xmaxが設定されるため、図16のステップS493で減算されても、事実上、高確率遊技残余回数Xが0になるまでに、遊技機1は、図14に示す大当たり判定処理のステップS433で低確率遊技状態に転落するか、あるいは、次の大当たりとなる。
ステップS631の処理に続いて、CPU101は、図柄設定データD11を参照して、大当たりの種類が電サポが付与される長当たりBであったか否かを判定する(ステップS632)。すなわち、CPU101は、図柄設定データD11として、大当たり図柄Bが設定されているか否かを判定する(図23参照)。長当たりBの場合(ステップS632:YES)、CPU101は、補助遊技フラグをONに設定し(ステップS633)、補助遊技残余回数Jに「100」を設定する(ステップS634)。ステップS634の処理の後、CPU101は、図19に示す遊技状態設定処理を終了する。
一方、長当たりBでなかった場合(ステップS632:NO)、CPU101は、補助遊技フラグをOFFに設定し(ステップS635)、補助遊技残余回数Jに「0」を設定する(ステップS636)。そして、CPU101は、図19に示す遊技状態設定処理を終了する。
以上のように、大当たり遊技後の遊技状態設定処理では、確変遊技フラグはONに設定されるが、長当たりBの大当たり遊技が行われた場合を除いて、補助遊技フラグはONに設定されない。すなわち、長当たりBを除いて、大当たり遊技後は補助遊技状態が設定されない(「電サポ」は付与されない)。
[遊技制御部100による電動チューリップ処理]
次に、図10のステップS7の電動チューリップ処理の詳細について説明する。図20は、図10の電動チューリップ処理の詳細フローチャートである。
まず、遊技制御部100のCPU101は、補助フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS701)。ここで、補助フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS701:NO)、CPU101は、電動チューリップ処理を終了する。
CPU101は、補助フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS701:YES)、電動チューリップ16が動作中であるか否かを判定する(ステップS702)。ここで、電動チューリップ16が動作中ではないと判定した場合(ステップS702:NO)、RAM103に記憶されている補助遊技フラグがONか否かを判定することにより、パチンコ遊技機1の遊技状態が補助遊技状態であるか否かを判定する(ステップS703)。
CPU101は、補助遊技状態ではないと判定した場合(ステップS703:NO)、電動チューリップ16の動作パターンとして、例えば第2始動口12を0.1秒間開放する動作を1回行う動作パターンをRAM103にセットする(ステップS704)。なお、ステップS704において、上記のように普通図柄乱数の当選値として長開放当たりの当選値と、短開放当たりの当選値とが予め設定されている場合には、長開放当たりか否かを判定し、長開放当たりであれば、例えば、第2始動口12を5.6秒間開放する動作を1回行う動作パターンを、電動チューリップ16の動作パターンとしてRAM103にセットしてもよい。
一方、CPU101は、補助遊技状態であると判定した場合(ステップS703:YES)、電動チューリップ16の動作パターンとして、例えば第2始動口12を1.8秒間開放する動作を3回行う動作パターンをRAM103にセットする(ステップS705)。
CPU101は、ステップS704、又はステップS705の処理によって電動チューリップ16の動作パターンを設定した後、設定した動作パターンでの電動チューリップ16の動作を電動チューリップ開閉部113に開始させる(ステップS706)。
CPU101は、ステップS706の処理を実行した場合、又は電動チューリップ16の動作中であると判定した場合(ステップS702:YES)、ステップS706の処理で開始された電動チューリップ16の動作が完了したか否かを判定する(ステップS707)。ここで、電動チューリップ16の動作が完了したと判定した場合(ステップS707:YES)、CPU101は、補助フラグを「OFF」に設定する(ステップS708)。
ステップS701の処理でNOと判定した場合、ステップS707の処理でNOと判定した場合、またはステップS708の処理を実行した場合、CPU101は、電動チューリップ処理を終了する。
[演出制御部130による演出制御処理]
次に、演出制御部130によって実行される演出制御処理について、図26および図27を参照して説明する。図26は、演出制御部130において行われる演出制御処理の詳細を示すフローチャートである。図26および図27のフローチャートに基づいて説明する演出制御部130で行われる処理は、ROM132に記憶されているプログラムがRAM133に読み込まれ、当該プログラムをCPU131が実行することによって行われる。なお、以下では、図26および図27に示す処理を演出制御部130が行うものとして説明するが、図26および図27に示す処理の一部または全部は、演出制御部130、画像音響制御部140、およびランプ制御部150の何れにおいて実行されてもよい。また、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御部130のCPU131は、図26に示す一連の処理を割り込みにより一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
図26に示すように、演出制御部130のCPU131は、遊技制御部100からの変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1001)。変動開始コマンドは、図13のステップS409においてセットされるコマンドである。変動開始を受信した場合(ステップS1001:YES)、CPU131は、変動演出決定処理を開始する(ステップS1002)。ステップS1002の変動演出決定処理の詳細については、後述する。
ステップS1002に続いて、CPU131は、ステップS1002で決定した変動演出を開始する(ステップS1003)。具体的には、CPU131は、変動演出を開始させるためのコマンドを画像音響制御部140に送信する。これにより、特別図柄に対応する装飾図柄が液晶表示器5において変動するとともに、所定の動画演出が実行される。例えば、ステップS1002において後述する転落演出が選択された場合は、転落演出が行われ、大当たり用の演出が選択された場合は、大当たり用の演出が行われる。
ステップS1003の処理を実行した後、又はステップS1001でNOと判定した後、CPU131は、遊技制御部100からの変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1004)。変動停止コマンドを受信した場合(ステップS1004:YES)、CPU131は、変動演出終了処理を実行する(ステップS1005)。変動演出終了処理では、装飾図柄を停止表示させて特別図柄抽選の結果をする。また、後述する演出モードの切替が行われた場合は、背景の画像(後述するモード表示画像52等)を入れ替える。
ステップS1005の処理を実行した後、又はステップS1004でNOと判定した後、CPU131は、保留コマンド受信処理を実行する(ステップS1006)。ここでは、CPU131は、遊技制御部100からの保留コマンドを受信したか否かを判定し、保留コマンドを受信した場合は所定の演出を実行する。例えば、CPU131は、保留コマンドに含まれる事前判定情報に基づいて、保留に係る特別図柄抽選に対して、大当たりか否かや転落の有無、転落図柄の種類等を事前判定する。そして、事前判定の結果に応じた演出を行う。例えば、事前判定の結果に応じた表示態様で、液晶表示器5に保留に対応する保留画像を表示させる。
ステップS1006に続いて、CPU131は、オープニングコマンド受信処理を行い(ステップS1007)、さらに、その後、エンディングコマンド受信処理を行う(ステップS1008)。これにより、大当たり遊技の開始を示すオープニング演出が行われたり、大当たり遊技の終了を示すエンディング演出が行われたりする。
例えば、エンディングコマンド受信処理では、遊技制御部100からのエンディングコマンドを受信したことに応じて、エンディング終了後の遊技機1の遊技状態が高確率遊技状態かつ電サポ有りの状態か、高確率遊技状態かつ電サポ無しの状態かを判定する。そして、遊技状態に応じて、背景画像を切り替える。
[変動演出決定処理]
以下、図26のステップS1002の変動演出決定処理の詳細について、図27を参照して説明する。図27は、図26の変動演出決定処理の詳細フローチャートである。
CPU131は、受信した変動開始コマンドを解析して、大当たりか否かを判定する(ステップS1051)。上述のように、変動開始コマンドには、大当たりか否かの情報、図柄の設定情報、リーチの有無の情報、変動パターンの情報、遊技状態を示す情報等が含まれており、CPU131は、当該変動開始コマンドを解析することにより、大当たり抽選の結果が大当たりか否かを判定することができる。
大当たりと判定した場合(ステップS1051:YES)、CPU131は、大当たり用の演出テーブルをセットする(ステップS1052)。大当たり用の演出テーブルには、大当たりであった場合に行われる演出が複数記憶されており、例えば、演出時間が30秒、60秒、90秒、120秒等の演出が記憶されている。一方、大当たりでないと判定した場合(ステップS1051:NO)、CPU131は、変動開始コマンドの解析結果に基づいて、転落が有るか否か、すなわち転落図柄が設定されているか否かを判定する(ステップS1053)。
転落が有ると判定した場合(ステップS1053:YES)、CPU131は、転落用の演出テーブルをセットする(ステップS1054)。転落用の演出テーブルには、高確率遊技状態から低確率遊技状態へ転落する際に行われる複数の転落演出が記憶されている。転落用の演出テーブルの一例については、図28を参照して後述する。
ここで、転落有りの場合(転落図柄が設定されている場合)、図15に示す変動パターン設定処理のステップS453が実行されて、転落用の変動パターンが選択される。従って、転落演出を行うための時間が確保される。なお、高確率遊技状態から低確率遊技状態に転落する場合、設定されている転落図柄の種類によって変動時間の異なる転落演出が行われてもよい。例えば、付与される電サポ回数が多いほど、変動時間の長い変動パターンが選択されて、それに対応する演出が実行されてもよい。
一方、転落が無いと判定した場合(ステップS1053:NO)、CPU131は、リーチの有無に応じて、ハズレ用演出テーブルをセットする(ステップS1055)。
具体的には、CPU131は、リーチ有りの場合には、ハズレ用演出テーブル(リーチ有り)をセットする。ハズレ用演出テーブル(リーチ有り)には、演出時間が30秒、60秒、90秒、120秒等の演出が記憶されている。リーチ無しの場合には、CPU131は、ハズレ用演出テーブル(リーチ無し)をセットする。ハズレ用演出テーブル(リーチ無し)には、演出時間が例えば、8秒の変動演出、2秒の変動演出等が記憶されている。演出時間が2秒の変動演出は、パチンコ遊技機1が補助遊技状態のときに選択される。
ステップS1052の処理、ステップS1054の処理、またはステップ1055の処理を行った後、CPU131は、変動演出選択処理を実行する(S1056)。具体的には、CPU131は、変動パターンに応じて、セットした演出テーブルに含まれる1の変動演出を選択する。例えば、CPU131は、演出乱数を用いた抽選によって、変動パターンに対応する変動演出を選択する。
以上で、CPU131は、図27の変動演出決定処理を終了する。
次に、転落用の演出テーブルについて図28を参照して説明する。図28は、転落用の演出テーブルの一例を示す図である。図28に示すように、転落用の演出テーブルには、転落図柄の種類に応じて、演出内容の異なる複数の転落演出が記憶されている。例えば、転落図柄Aの場合、演出A1〜A3の中から1の演出が選択される。具体的には、転落演出の種類を決定するための乱数を用いて抽選を行うことにより、1の演出が選択される。
例えば、演出A1は、電サポを40回付与することを示唆する演出が行われた後、40回付与することを報知する演出である。また、演出A2は、電サポを60回付与することを示唆する演出が行われた後、40回付与することを報知する演出であり、演出A3は、電サポを100回付与することを示唆する(期待させる)演出が行われた後、40回付与することを報知する演出である。例えば、転落図柄Aの場合では、演出A1が選択される確率が70/100、演出A2が選択される確率が20/100、演出A3が選択される確率が10/100にそれぞれ設定される。
また、転落図柄Bの場合、演出B1〜B3の中から1の演出が選択される。演出B1は、電サポを40回付与することを示唆する演出が行われた後、60回付与することを報知する演出であり、その選択確率は20/100に設定される。また、演出B2は、電サポを60回付与することを示唆する演出が行われた後、60回付与することを報知する演出であり、その選択確率は70/100に設定される。また、演出B3は、電サポを100回付与することを示唆する演出が行われた後、60回付与することを報知する演出であり、その選択確率は10/100に設定される。
また、転落図柄Cの場合、演出C1〜C3の中から1の演出が選択される。演出C1は、電サポを40回付与することを示唆する演出が行われた後、100回付与することを報知する演出であり、その選択確率は10/100に設定される。また、演出C2は、電サポを60回付与することを示唆する演出が行われた後、100回付与することを報知する演出であり、その選択確率は10/100に設定される。また、演出C3は、電サポを100回付与することを示唆する演出が行われた後、100回付与することを報知する演出であり、その選択確率は80/100に設定される。
図29は、高確率遊技状態から低確率遊技状態に移行するまでの演出の一例を示す図である。図29(a)は、高確率遊技状態における特別図柄の変動中を示す図である。図29(b)は、当該変動において高確率遊技状態から低確率遊技状態に転落して電サポが付与されることを報知する演出を示す図である。図29(c)は、高確率遊技状態から低確率遊技状態への転落後の電サポが付与された状態を示す図である。
図29に示すように、液晶表示器5には、表示器4に表示される特別図柄に対応する装飾図柄51と、現在の遊技状態を示すモード表示画像52とが表示される。図29(a)では、モード表示画像52は高確率遊技状態であることを示す「確変モード」となっており、高確率遊技状態で特別図柄の変動が開始されたことに応じて、装飾図柄51が変動表示されている。図29(a)に示すように、当該変動において転落が有る場合、例えば、転落後の電サポ回数を示唆する画像(「チャンス100回?」と書かれた画像)が表示される。
そして、図29(b)に示すように、所定時間経過後、装飾図柄51が停止して特別図柄抽選の結果がハズレであることが報知されるとともに、転落後の電サポ回数を報知する画像(「チャンスタイム100回突入!」と書かれた画像)が表示される。この場合において、表示器4(第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42)には転落図柄Cが停止表示される。ここで、転落後の電サポ回数を報知する画像は、高確率遊技状態から低確率遊技状態への転落を報知する画像でもある。その後、特別図柄が100回変動するまでは、電サポが付与されて第2始動口12が開放されやすい状態となる。この状態においては、図29(c)に示すように、モード表示画像52は「チャンスモード」となり、低確率遊技状態、かつ電サポが付与された状態であることを示す特殊な演出が行われる。チャンスモード中に大当たりとならない場合は、100回の変動後に通常モードの演出に移行する。
なお、長当たりBとなって大当たり遊技が行われた後は、ステップS1008のエンディングコマンド受信処理でエンディングコマンドを受信したことに応じて、高確率遊技状態、かつ、電サポが付与された状態であることを示す特別な演出モードに移行し、このモードに応じたモード表示画像52に切り替えられる。
以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技が行われた後、高確率遊技状態に移行する。その後、大当たり抽選に用いられる大当たり乱数とは異なる転落乱数を用いて転落抽選が行われ、転落抽選に当選した場合には、高確率遊技状態から低確率遊技状態へ転落する。そして、転落を契機に電サポが付与される。具体的には、転落を示す転落図柄の種類に応じた回数だけ電サポが付与される。このように、転落を契機にして電サポが付与されるため、高確率遊技状態から低確率遊技状態に転落した場合であっても、有利な状態で遊技を行うことができる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、第2始動口12に遊技球が入賞した場合、第1始動口11に入賞した場合よりも遊技者にとって有利である。すなわち、第2始動口12に入賞した方が、第1始動口11に入賞する場合よりも、多くの賞球を獲得する可能性が高い。このため、転落して低確率遊技状態になった場合であっても、遊技者は多量の賞球を獲得できる可能性が残っており、興趣性を損なうことが無い。
さらに、転落して電サポが付与された状態から第2始動口12への入賞に基づく大当たりとなった場合は、多量の賞球を獲得可能な大当たりが連続する可能性が高くなる。したがって、さらに興趣性を向上させることができる。
[変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下の形態であってもよい。
例えば、上記実施形態では、大当たり遊技後に高確率遊技状態に移行し、高確率遊技状態に移行後、大当たり抽選とは別の転落抽選(転落乱数を用いた抽選)により低確率遊技状態に移行させた。他の実施形態では、大当たり遊技後の所定期間(所定の変動回数)は、高確率遊技状態が必ず維持され、所定期間(高確率保証期間)経過後に転落抽選が行われてもよい。
また、上記実施形態では、第1始動口11に入賞した方が第2始動口12に入賞するよりも有利な遊技が行われる可能性が高いものとした。他の実施形態では、何れの始動口に入賞した場合も有利さは同じであってもよい。
また、上記実施形態では、転落判定された場合、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に転落図柄を表示するものとしたが、他の実施形態では、転落図柄を表示する表示器を別に設けてもよい。
また、上記実施形態では、大当たりの種類が大当たり乱数を用いた抽選によって決定された。他の実施形態では、大当たりか否かが判定され、大当たり判定の結果が大当たりとなった場合において、例えば、大当たりの種類を決定するための所定の入賞口に遊技球が入賞したことに応じて、大当たりの種類が決定されてもよい。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成は単なる一例に過ぎず、他の構成であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、各種設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
[本発明の構成と作用効果]
以上説明したように、本発明に係る遊技機は以下のような構成であってもよい。なお、括弧内の参照符号や補足説明等は、上記実施形態との対応関係を示したものであり、単なる例示にすぎない。
一実施形態に係る遊技機は、遊技球が入賞容易な第1の状態と、遊技球が入賞困難または入賞不可な第2の状態とに変位可能な可変入賞領域(第2始動口12)と、通常よりも前記可変入賞領域が前記第1の状態に変位し易い補助遊技状態を設定する補助遊技状態設定手段(S487)と、前記可変入賞領域または所定の入賞領域への遊技球の入賞に応じて、特別遊技(大当たり遊技)を行うか否かを判定する特別遊技判定手段(S407)と、所定の図柄(特別図柄)を変動させてから停止させることにより、前記特別遊技判定手段による判定結果を表示手段(表示器4)に表示させる図柄表示制御手段(S410、S414)と、前記特別遊技判定手段によって前記特別遊技を行うと判定される確率が第1の値である低確率遊技状態、または当該確率が前記第1の値よりも高い第2の値である高確率遊技状態に遊技機を設定する遊技状態設定手段(S612)と、前記特別遊技判定手段によって前記特別遊技を行うと判定されて前記特別遊技が行われた場合、前記高確率遊技状態に移行させる遊技状態制御手段(S612)と、前記高確率遊技状態である場合に、前記高確率遊技状態から前記低確率遊技状態へ転落させるか否かを決定するための転落抽選を行う転落抽選実行手段(S431)と、前記転落抽選の結果、前記高確率遊技状態から前記低確率遊技状態へ転落させると決定された場合、前記高確率遊技状態から前記低確率遊技状態へ転落させる転落制御手段(S433)と、前記転落制御手段によって転落されてから前記補助遊技状態を制御する補助遊技制御手段(S486、S487)と、を備える。
上記によれば、転落抽選によって低確率遊技状態に転落された場合でも、転落を契機にして補助遊技状態が制御される。補助遊技状態は、可変入賞領域に遊技球が入賞し易いため、遊技者に有利な状態である。このため、転落した場合であっても有利な状態で遊技者に遊技をさせることができ、興趣性を向上させることができる。
また、他の構成では、前記特別遊技判定手段は、前記所定の入賞領域への遊技球の入賞に応じて第1特別遊技(長当たりA、突確大当たり)を行うか否かの判定を行い、前記可変入賞領域への遊技球の入賞に応じて前記第1特別遊技よりも遊技者にとって有利な第2特別遊技(長当たりB)を行うか否かの判定を行ってもよい。
上記によれば、可変入賞領域に入賞した方がより有利な特別遊技が行われるため、転落した場合であっても遊技者にとって有利な状態で遊技を行わせることができる。
また、他の構成では、前記転落制御手段による転落を示す転落図柄(転落図柄A〜C)を複数記憶する転落図柄記憶手段と、各前記転落図柄に対応する補助回数を記憶する回数記憶手段と、前記転落抽選の結果、前記高確率遊技状態から前記低確率遊技状態へ転落させると決定された場合、前記転落図柄記憶手段に記憶された1の転落図柄を設定する転落図柄設定手段と、前記転落図柄設定手段によって設定された転落図柄に対応する補助回数(電サポ回数)を設定する補助回数設定手段と、をさらに備え、前記補助遊技制御手段は、前記転落制御手段によって転落されてからの前記所定の図柄の変動回数が前記補助回数設定手段によって設定された補助回数になるまで、前記補助遊技状態を制御してもよい。
上記によれば、転落を示す転落図柄に応じて補助遊技状態が行われる回数を決定することができる。