JP2014018498A - ドラム式洗濯機 - Google Patents

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修司 会田
Hirotoshi Ishimaru
博敏 石丸
Akinori Kaneko
哲憲 金子
Mikio Kurosawa
幹夫 黒澤
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Abstract

【課題】脱水起動時だけでなく高速回転時においても振動を抑制したドラム式洗濯機を提供する。
【解決手段】洗濯物が収容され、回転中心が水平又は開口部側が高くなるように傾斜させたドラムと、このドラムを内包し洗濯水を溜める外槽と、前記ドラムを駆動するモータと、前記外槽を支持する筺体を備え、洗浄、すすぎ及び脱水の各工程を行うドラム式洗濯機において、前記脱水工程中に、前記ドラムの回転速度を上昇させ、前記外槽と前記ドラムが一体に振動する回転速度を超えた後、最高脱水回転速度に達する前に、前記外槽の重量を軽くする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ドラム式洗濯機に関する。
筐体に弾性支持される外槽内に、洗濯物を収納するドラムを備えるドラム式の洗濯機は広く知られている。
このような洗濯機のドラムは、シャフトによって駆動モータと接続され、駆動モータによって回転駆動される。そして、ドラムの回転によって外槽に振動が発生するため、外槽の振動を吸収する防振装置を介して、外槽は筐体に支持されている。
脱水など、高い回転速度でドラムを回転する場合、ドラムの回転速度を上昇させる過程において、共振によって筐体に振動が発生し、洗濯機に異常振動や騒音が発生する。したがって、静止物である外槽の重量を重くするために、通常金属等の重りを外槽に装着している。しかし、本体重量が重くなり据え付け作業等が大変になるため、運転時と停止時の外槽重量変化させる構造が好ましい。
そこで、下記特許文献1のように、外槽に水を溜めるタンクを備え、脱水開始前に前記タンクに水を満たすようにしている。このため、外槽にはこの水の重量が加わって重くなる。この重みによって、脱水起動時の外槽の大きな振動を抑えることができる。また、脱水工程が進行して、ドラムが高速回転に入り一定速度になったことを振動センサーが検知すると、タンク内の水を排水ホースおよび排水弁を介して排出し外槽を軽くする、ことも下記特許文献1には記載されている。
特開平5−131075号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術には、脱水運転における最高回転速度よりも高いところに存在する外槽とドラムが逆位相に振動する共振については考慮されていない。実際には、水をタンクに溜めると、外槽の重量が増加し外槽とドラムの逆位相の固有振動数が低下してしまう。このため、タンクに水を溜めたまま同様の最高回転速度までドラムを高速運転したときに、外槽とドラムとの逆位相による共振が無視できなくなる可能性がある。
本発明の目的は、脱水起動時だけでなく高速回転時においても振動を抑制したドラム式洗濯機を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、洗濯物が収容され、回転中心が水平又は開口部側が高くなるように傾斜させたドラムと、このドラムを内包し洗濯水を溜める外槽と、前記ドラムを駆動するモータと、前記外槽を支持する筺体を備え、洗浄、すすぎ及び脱水の各工程を行うドラム式洗濯機において、前記脱水工程中に、前記ドラムの回転速度を上昇させ、前記外槽と前記ドラムが一体に振動する回転速度を超えた後、最高脱水回転速度に達する前に、前記外槽の重量を軽くする。
本発明によれば、脱水起動時だけでなく高速回転時においても振動を抑制しつつ、据え付け時の低重量化を実現したドラム式洗濯機を提供できる。
実施例1に係る洗濯機の縦断面図である。 脱水時の振動の一例を簡単に説明する概略説明図である。 各給排水バルブの開閉時期を説明するフローチャートである。 振動検知装置を洗濯機に取り付けた例の縦断面図である。 洗濯機の脱水駆動パターンの例である。 実施例2に係る洗濯機の他の構造例の縦断面図である。 実施例3に係る洗濯機の他の構造例の縦断面図である。 実施例4に係る洗濯機の縦断面図である。 実施例4における重りの移動時期を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、適宜図を参照にして詳細に説明する。
<実施例1>図1に示すように、本実施例にかかるドラム式洗濯機は、洗濯物が収容され、回転中心が水平又は開口部側が高くなるように傾斜させたドラム3と、このドラム3を内包し洗濯水を溜める外槽2と、この外槽2を収納する筐体1を有している。また、外槽2と筐体1との間には、外槽2の荷重を受ける防振ばね9と、外槽2の振動を抑制する防振ダンパ10が設置されており、筺体1と外槽2の開口部が、ベローズ7によって弾性接続されている。更に、本実施例のドラム式洗濯機は、ドラム3を駆動するドラム駆動用モータ5と、一端をドラム3の回転中心に固定した回転軸6と、洗濯物の出し入れを行うとともに水漏れや洗濯物の飛び出しを防止するドア8を備えている。
そして、洗浄工程及びすすぎ工程時には、ドラム3がドラム駆動用モータ5により低速回転駆動され、ドラム3内の洗濯物を持ち上げた後、水面上に落下させて洗浄やすすぎを行う。また、脱水工程時には、ドラム3を高速回転させて遠心脱水を行う。ここで、ドラム3の外周部には多数の通水孔4が設けられているので、高速回転に伴って洗濯物に含まれていた水が絞り出される。
特に、脱水工程中、ドラム3内の洗濯物に片寄りが生じていると、ドラム3及び外槽2が振動し、特に脱水回転開始時に共振によって大きな振動を発生させる。そこで、起こりうる洗濯物の最大の片寄りによるアンバランスに対しても過度の外槽2の振動を防ぎ所定の振幅以下に抑えるため、緩衝力の大きな防振ダンパ10を用いることにより、振動振幅を低減している。
次に、ドラム式洗濯機の脱水時の振動に関し、図2を用いて詳細に説明する。一般に、脱水工程へ移行すると、ドラム3の回転速度を徐々に上昇させていき、外槽2とドラム3が同位相で一体に振動するようになる。しかし、ドラム3の速度上昇は継続し、このような共振を発生させる同相固有振動数の領域を、一気に通過させる。その後、更に高速回転させて所定の回転速度に達すると、その回転速度(最高脱水回転速度等)で一定時間ドラム3を回転させることにより、洗濯物に含まれる水分を絞り出す。また、最高脱水回転速度より低いところにある、同相固有振動数による共振は、通常、図2のようにX、Y、Zの3軸の並進と回転の合計6個の振動モードが存在する。ただし、Z軸の回転振動は、ドラム3の回転変動が小さいと発生し難いため、外槽2の振動には現れないときもある。このようなドラム式洗濯機の6種類の振動を低減するために、緩衝力の非常に大きな防振ダンパ10を設けたり、静止している外槽2自体を重くしたり、ドラム駆動用モータ5との重量バランスも考慮し外槽2の中央より前側に金属やコンクリートの重りを装着したりする方法が考えられる。
ただし、実際には、最高脱水回転速度より高速領域においても、外槽2とドラム3が逆位相で大きく振動する振動モードが存在する。しかも、この振動モードを生じさせる逆相固有振動数は、外槽2や金属等の付加重りの重量、負荷の量やアンバランスの発生状況によって低下する場合がある。このため、逆相固有振動数が最高脱水回転速度よりも高いところに設定されていても、上述のように単純に外槽2の一部を重くした場合、逆相固有振動数が低下し、高速脱水運転時に大きな振動を発生させる可能性がある。
そこで、本実施例では、脱水起動後のドラム3の回転速度について、外槽2とドラム3が一体に振動する回転速度、すなわち、同相固有振動数に相当する回転速度、を超えるまでは、外槽2を重くし、この回転速度を超えたら、最高脱水回転速度に達する前に、外槽2を軽くして逆相固有振動数を高めることにした。
具体的な構造は、液体を溜める貯水容器13を外槽2の前側に配置し、外槽3から貯水容器13へ水を供給するための給水バルブ14と、貯水容器13から排水ホース12へ水を排出するための排水バルブ15を設ける。
次に、脱水工程開始後の各給排水バルブの開閉動作の一例について、図3を用いて説明する。まず、脱水工程が開始されると、給水バルブ14が開き、外槽2から貯水容器13内へ水が供給される。次に、貯水容器13内に水が溜まったら、外槽2に備えられている排水バルブ11を開き、排水ホース12を介して、外槽2内の水を機外へ排水した後、ドラム駆動用モータ5を回転させて遠心脱水を始める。このとき、貯水容器13内に水が完全に溜まる前に、外槽2に備えられた排水バルブ11を開いても良い。その後、ドラム3の回転速度を上昇させ、300r/min以上500r/minの範囲にある所定の回転速度に達すると、共振を通過したと看做して、給水バルブ14を閉じ、排水バルブ15を開いて、貯水容器13内の水の排出を始める。そして、水を排出しながら、ドラム3の回転速度を上昇させ、最高脱水回転速度に達する前には貯水容器13の排水を完了させる。
なお、貯水容器13内の水を排出する際、排水バルブ15は開いており、貯水容器13内に水が溜まることはないため、給水バルブ14は開いたままであっても構わない。そして、脱水運転時間が終了すると、ドラム駆動用モータ5にブレーキをかけ、ドラム3の停止動作を行う。脱水工程が終了すると、外槽2の排水バルブ11と、貯水容器13の排水バルブ15を閉じる。
このように、外槽2とドラム3が一体に共振するドラム回転速度を通過するまでは、外槽2の重量を通常より増加させることで、脱水起動時及び共振回転速度通過時における外槽2の振動を抑制しつつ、その後は、外槽2の重量を低減して通常に戻すことで、高速回転時における外槽2とドラム3の逆位相による外槽2の大きな振動を抑制することが可能となる。このことは、最高脱水回転速度の更なる高速化や、非運転中のドラム式洗濯機そのものの軽量化による据付時の運搬容易化にもつながる。なお、各給排水バルブ11、14、15の開閉方法は、共振前に貯水容器13内に水が溜まり、脱水の最高回転速度前に貯水容器13内から水が排出されれば良く、貯水容器13への給排水はバルブの代わりにポンプを用いても構わない。
ここで、共振通過を確実に判断するための検出装置を設けた例について、図4、図5を用いて説明する。まず同相固有振動数は開発段階でわかっているため、ドラム3がどのような回転速度のときに共振を通過するかは予め特定することが可能である。そこで、ドラム回転速度を、ドラム駆動用モータ5の駆動波形から間接的に求めたり、ドラム駆動用モータ5に設けた回転検出装置から直接的に求めたりし、ドラム3が共振を通過したかどうかを監視する。なお、マイコン制御の洗濯機では、通常、上述のいずれかの手段でドラム駆動用モータ5の回転速度を測定しているので、その回転速度を利用すれば良い。また、図4のように外槽2に振動検出装置25を装着し、実際の脱水運転時の振動から共振通過を判断しても構わない。
そして、一般的なマイコン制御の洗濯機では、脱水運転は図5のように時間と回転数の運転パターンをプログラムされて運転している。そこで、同相固有振動数が分かれば、共振を超える回転速度がわかり、脱水開始からの経過時間でも判断することが可能になる。
例えば、洗濯物の容量や選択された脱水運転時間によって脱水運転パターンを変更してプログラムされている場合は、その容量にあった運転パターンから経過時間を決定する必要がある。なお、一般的に洗濯機では、マイコン制御の場合はマイコンが時間を計測しており、マイコン制御以外の場合も機械式タイマー等を備えている。
また、本実施例では、節水の要求から洗濯で利用した水を外槽2から貯水容器13に供給しているが、水道水を直接貯水容器13に供給してもよい。
<実施例2>ここで、貯水容器内への給排水の時間を短縮する方法の一例について、図6を用いて説明する。この実施例2は、貯水容器16への給排水はバルブ18、20で行っているため、重力を効果的に利用できる。図6のように貯水容器16の上面に給水口17を設け、貯水容器16内の下面に傾斜を持たせその斜面の一番低いところに排水口19を設けることで給排水を容易にする。そして、空気抜きホース21を設けることで、排水バルブ20を閉めた状態でも貯水容器16内への水の供給を容易にできるようになる。この空気抜きホース21は、外槽2に繋ぐ場合は、運転時に外槽2の最高水面位置より上に繋ぐことにより、洗濯時の貯水容器16内への水の浸入を防止でき、外気に開放する場合も空気抜きホース21の端面を外槽2の最高水面位置よりも上にすることにより、空気抜きホース21から水が溢れ出すことを防止できる。なお、貯水容器16内の下面の傾斜は、図6では後側が低くなっているが、貯水容器16の前側をより重くするために前側を低くして排水口19を前にも設けてもよい。
<実施例3>次に、回転軸6の後面が低く傾斜しているドラム式洗濯機へ適用した実施例3について、図7を用いて説明する。図7の貯水容器22のように、貯水容器22内の下面の傾斜の後側を低くしても前側をより重くすることが容易に実現できる。そのうえ、外槽2の前側は水平回転軸のドラム式洗濯機と比較し上側にあるため、貯水容器22を大きくできるという利点もある。
<実施例4>本実施例は、水による外槽2の重量変化でなく、重り26を後側に移動して固有振動数を上昇させる方式を採用したものであり、図8を用いて詳細に説明する。洗濯機の基本的な運転と、図1と同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。また、説明しやすいように、外槽2の下にあった排水ホース12や防振ダンパ10は省略する。
上述したように、外槽2とドラム3が逆相で振動する逆相固有振動数は、最高脱水回転速度より高いところに存在しているが、この逆相固有振動数は、外槽2やドラム3の前側が重くなると低下する一方、後側が重くても低下しにくい。すなわち、外槽2やドラム3の背面部分や回転軸6周りの剛性を増加させたり、振動の節から離れていて振動が大きくなる外槽2やドラム3の前側を軽くしたりすると、逆相固有振動数を上昇させることが可能である。そこで、図8のように、外槽2の下側に前後に移動可能な重り26と、その重り26を前後に移動させる重り駆動用軸28と、その重り駆動用軸28を駆動する重り駆動用モータ27を設けた。
ここで、重り26の移動動作について図9を用いて説明する。ドラム3のドラム駆動用モータ5や外槽2の排水バルブ11の動作については、図3と同様の動作のため省略する。まず、重り26は通常は外槽2の前側にあり、ドラム駆動用モータ5とのバランスを取るように設けられている。脱水運転が開始され共振を超えたと判断されると、重り駆動用モータ27が螺旋状の溝を有した重り駆動用軸28を回転させ、重り26を後側に移動させる。そして、脱水工程が終了してブレーキがかかると、重り駆動用モータ27が上述とは逆方向に回転し、重り26が再び前に移動する。この動作を行うことにより、脱水の運転開始から共振回転付近までは外槽2の重量を重く、高速回転時は外槽2の前側重量を低減することが可能になり、共振時の低振動化と高速回転化を実現できる。なお、重り26を前後に移動する手段は本実施例と異なる構成や手段でも良く、共振時以外に重り26が外槽2の後側にあっても構わない。また、回転軸6の後側が低く傾斜しているドラム式洗濯機でもよい。
1 筐体
2 外槽
3 ドラム
4 通水孔
5 ドラム駆動用モータ
6 回転軸
7 ベローズ
8 ドア
9 防振ばね
10 防振ダンパ
11 (外槽の)排水バルブ
12 排水ホース
13 貯水容器
14 (貯水容器への)給水バルブ
15 (貯水容器の)排水バルブ

Claims (5)

  1. 洗濯物が収容され、回転中心が水平又は開口部側が高くなるように傾斜させたドラムと、このドラムを内包し洗濯水を溜める外槽と、前記ドラムを駆動するモータと、前記外槽を支持する筺体を備え、洗浄、すすぎ及び脱水の各工程を行うドラム式洗濯機において、
    前記脱水工程中に、前記ドラムの回転速度を上昇させ、前記外槽と前記ドラムが一体に振動する回転速度を超えた後、最高脱水回転速度に達する前に、前記外槽の重量を軽くすることを特徴とするドラム式洗濯機。
  2. 請求項1において、
    前記ドラムが、300r/min以上500r/min以下の所定の回転速度に達すると、前記外槽の重量を軽くすることを特徴とするドラム式洗濯機。
  3. 請求項2において、
    前記外槽には容器が設けられており、
    前記脱水工程が開始すると、前記容器内に水を溜め、前記ドラムが前記所定の回転速度に達すると、前記容器内から水を排出することを特徴とするドラム式洗濯機。
  4. 洗濯物が収容され、回転中心が水平又は開口部側が高くなるように傾斜させたドラムと、このドラムを内包し洗濯水を溜める外槽と、前記ドラムを駆動するモータと、前記外槽を支持する筺体を備え、洗浄、すすぎ及び脱水の各工程を行うドラム式洗濯機において、前記外槽には前後方向に移動可能な重りが設けられており、
    前記脱水工程中に、前記ドラムの回転速度を上昇させ、前記外槽と前記ドラムが一体に振動する回転速度を超えた後、最高脱水回転速度に達する前に、前側に位置する前記重りを後側へ移動させることを特徴とするドラム式洗濯機。
  5. 請求項4において、
    前記脱水工程が終了すると、前記重りを後側から前側へ移動させることを特徴とするドラム式洗濯機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114197153A (zh) * 2021-12-23 2022-03-18 珠海格力电器股份有限公司 洗涤装置的洗涤方法和洗涤装置

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