JP2014017943A - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】製作上の制約があるスキューを設けることなく、トルクリップルを低減できる磁気変調モータ1を提供する。
【解決手段】第2回転子8に使用される14個の軟磁性鉄心80は、それぞれ周方向に傾斜角θiを持ち、その傾斜角θiが周方向の所定範囲で周期的に徐変する様に構成される。また、周方向に隣り合う二つの軟磁性鉄心80の周方向間隔の内外比を14:18に設定することで、等価的に軟磁性鉄心80の数の内外比を18:14としている。すなわち、第1回転子6の極数と軟磁性鉄心80の内周側の数との比が20:18となり、軟磁性鉄心80の外周側の数と固定子5の極数との比が14:12となる。上記の構成によれば、第1回転子6と固定子5との間で複数の軟磁性鉄心80が磁気導通路として有効に機能し、スムーズな磁束分布が得られるため、高周波トルクリップルを抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、内燃機関の動力と電池の電力とで走行するハイブリッド車両の動力装置に用いて好適な回転電機に関する。
従来、ハイブリッド自動車の動力伝達装置として、内燃機関の出力軸(クランク軸)と、減速や前進後退の切り替えを行うギヤ装置の入力軸との間に、モータとCVT(無段変速機)とを介在するものが一般的であったが、最近は、それらの機能を複合化した新しい技術が提案されている。
例えば、電機子巻線に回転磁界を生成する固定子と、極性が異なる複数の永久磁石を周方向に交互に配置した第1回転子と、この第1回転子と固定子との間に磁気導通路を形成する第2回転子とを備え、第1回転子と第2回転子との間の速度変換を滑らかに行う、あるいは、第2回転子に電動動力を加えて出力する複合機能モータが知られている(特許文献1参照)。
特許第4505524号公報
ところが、上記の特許文献1に記載された第2回転子は、複数の軟磁性鉄心を周方向に等間隔に配置して構成される。つまり、回転方向に周期性を持つ形状のため、軟磁性鉄心と固定子との間に働くトルクは、リラクタンストルクと同じく、磁気透磁率を異ならせたことによる磁束の変化を利用する方式であり、原理的にトルクリップルが発生しやすい。 トルクリップルを小さくする方法としては、例えば、軸長方向にロータを傾斜させて、磁束の変化を緩和させる「スキュー」と呼ばれる方法が一般的に知られている。また、第1回転子と固定子との間に配置される第2回転子は、内外表面を使える中空構造とすることがスペース効率を高め、トルク密度を向上できる上で有効である。
しかし、第2回転子を中空構造としながら、上記のスキューを設けることは、極めて困難である。つまり、積層鋼板から成る中空構造の第2回転子を、例えば、ボルト締結やリベットかしめ等により、両端支持部材に挟持しようとした場合、スキューを設けていると、ボルトやリベットを貫通させるための孔スペースの確保が問題になる。軸長によっては、必要なスキュー角をかけられず、トルクリップルの低減効果が出せない。
一方、固定子側にスキューを設ける方法も考えられるが、固定子のスロット中に導体を高占積率で巻装するのが困難になるという課題がある。
本発明は、上記事情に基づいて成されたものであり、その目的は、製作上の制約があるスキューを採用することなく、トルクリップルを低減できる回転電機を提供することにある。
本発明は、多相コイルを結線した固定子巻線を有する固定子と、N極磁極とS極磁極とを周方向に交互に配置した第1回転子と、複数の軟磁性鉄心を周方向に間隔を空けて配置した第2回転子とを備え、固定子、第1回転子、および第2回転子が同軸心上に配置され、且つ、第2回転子が固定子と第1回転子との間に配される回転電機であって、第1回転子と径方向に対向する軟磁性鉄心の対向面を第1対向面と呼び、固定子と径方向に対向する軟磁性鉄心の対向面を第2対向面と呼び、第1対向面の周方向の中点を第1中点と呼び、第2対向面の周方向の中点を第2中点と呼び、第1中点と第2中点とを結ぶ直線を鉄心中心線と呼び、第2回転子の回転中心から第1中点を通って第2回転子の半径方向に延びる法線と鉄心中心線との成す角度を傾斜角と定義した時に、第2回転子は、周方向に間隔を空けて隣り合う少なくとも二つの軟磁性鉄心が、各々の法線に対して周方向の同一側に傾斜角を持ち、且つ、各々の傾斜角が異なることを特徴とする。
上記の構成によれば、周方向に隣り合う少なくとも二つの軟磁性鉄心に互いに異なる傾斜角を付与し、その傾斜角が各々の法線に対して周方向の同一側に設定されるので、各軟磁性鉄心と固定子ティース間の磁束の周期的変動を均す効果を得ることが可能である。その結果、第2回転子の軸長方向に公知のスキューをかけることなく、トルクリップルや磁気音の発生を抑制できる。
実施例1に係る磁気変調モータの周方向1/2分割の断面図である。 実施例1に係る第2回転子の一部断面図である。 磁気変調モータの概略構成図である。 固定子巻線の結線図である。 磁気変調モータの展開図である。 共線図を用いた磁気変調モータの作動説明図である。 共線図を用いた磁気変調モータの作動説明図である。 実施例1に係る磁気変調モータの磁束分布を解析した結果である。 従来技術に係る回転電機の構成図である。 実施例1に係る磁気変調モータの入力トルク、出力トルク、固定子トルクの波形図である。 従来技術に係る回転電機の入力トルク、出力トルク、固定子トルクの波形図である。 実施例2に係る磁気変調モータの周方向1/4分割の断面図である。 実施例2に係る磁気変調モータの磁束分布を解析した結果である。 実施例3に係る磁気変調モータの周方向1/2分割の断面図である。
本発明を実施するための形態を以下の実施例により詳細に説明する。
(実施例1)
実施例1では、本発明の回転電機を磁気変調モータ1と呼び、この磁気変調モータ1をハイブリッド自動車の動力装置に適用した一例を説明する。
磁気変調モータ1は、図3に示す様に、エンジンEのクランク軸に連結される入力軸2と、トランスミッションTの被駆動軸に連結される出力軸3と、モータフレーム4の内周に固定される固定子5と、入力軸2に固定される第1回転子6と、ロータハブ7を介して出力軸3に連結される第2回転子8とを備える。固定子5、第1回転子6、第2回転子8は、同軸上に配置され、且つ、第2回転子8が固定子5と第1回転子6との間に配置される。入力軸2と出力軸3は、同一軸線上に配置され、それぞれ、図示しない軸受を介してモータフレーム4に回転自在に支持されている。
固定子5は、例えば、プレスで円環状に打ち抜いた複数枚の電磁鋼板を積層して構成される固定子鉄心50と、この固定子鉄心50に巻装される固定子巻線51(図3参照)とを備える。
固定子鉄心50には、図1に示す様に、径方向の内周側に複数のスロット50aが周方向等ピッチに形成され、隣り合うスロット50a同士の間に固定子ティース50bが形成される。
固定子巻線51は、位相が120ずつ異なる三相巻線であり、図4に示す様に、各相(X相、Y相、Z相)の一端が星型結線されて中性点Oを形成し、各相の他端Xo、Yo、Zoがインバータ9に接続される。インバータ9は、直流電力を交流電力に変換する周知の電力変換装置であり、車両の主電源である蓄電池Bに接続される。
第1回転子6は、図1に示す様に、入力軸2の外周に圧入嵌合するロータ鉄心60と、このロータ鉄心60に埋設される複数の永久磁石61(例えばネオジム磁石)とで構成される。つまり、埋め込み磁石型ロータとして構成される。
ロータ鉄心60は、例えば、プレスで円環状に打ち抜いた複数枚の電磁鋼板を積層して構成される。このロータ鉄心60には、径方向の外周面に近接した位置に磁石挿入孔が軸方向に貫通して形成される。磁石挿入孔は、使用する永久磁石61の数に応じて周方向に一定の間隔を有して複数形成される。
永久磁石61は、ロータ鉄心60に形成された磁石挿入孔に挿入され、それぞれ径方向に着磁される。但し、周方向に隣り合う二つの永久磁石61同士は、互いの極性が異なる、つまり、N極磁石とS極磁石とが周方向に交互に配置される。
第2回転子8は、第1回転子6と固定子5との間に磁気導通路を形成する複数の軟磁性鉄心80によって構成される。
軟磁性鉄心80は、プレスで所定の形状に打ち抜いた複数枚の電磁鋼板を積層して構成され、例えば、ボルトやリベット等の締結手段を積層方向(軸方向)に挿通して、その締結手段を介して、図1に示すロータハブ7に固定される。
ロータハブ7は、例えば、非磁性金属であるステンレス鋼によって形成され、周方向に所定の間隔を有して配置される複数の軟磁性鉄心80を保持して出力軸3と一体に回転する。
ここで、磁気変調モータ1の作動原理を図5〜図7を参照して説明する。
図5は、磁気変調モータ1を直線状に展開した一部を示している。
なお、以下の説明では、第1回転子6の極対数をP、第1回転子6の回転角速度をωp、第2回転子8に使用される軟磁性鉄心80の数をK、第2回転子8の回転角速度をωk、固定子5の極対数をQ、固定子巻線51に生じる回転磁界の角速度をωqとする。
磁界発生源である永久磁石61を有する第1回転子6は、その極対数Pと回転角速度ωpとの積Pωpの周波数の起磁力変化を第2回転子8に与える。一方、第2回転子8は、磁気的良導体である軟磁性鉄心80と、磁気的不導体である空間(周方向に隣り合う二つの軟磁性鉄心80の間の空間)とが交互に存在しているため、軟磁性鉄心80の数Kと回転角速度ωkとの積Kωkである周波数成分の磁気導通変化を形成することができる。すなわち、Pωpの起磁力変化がKωkの磁気導通変化によって変調される。
上記の変調作用により、固定子5に伝播する磁気的変化の周波数は、下記の数式(1)に示される様に、PωpとKωkとの和と差の二つになる。そこで、数式(1)が成立する様に、インバータ9の作動を制御して固定子巻線51への通電を行うと、固定子5に対して磁気的作用力が発生する。
Qωq=|Pωp±Kωk| …………………………………………………(1)
これにより、第1回転子6、第2回転子8、および固定子5の三者に磁気的な相互作用が働くため、磁気変調モータ1として作動する。
この磁気変調モータ1は、公知の遊星歯車機構のように作動することができる。この作動メカニズムを機械工学の分野で遊星歯車機構の説明の際に用いられる共線図を用いて以下に説明する。
第1回転子6の回転角速度ωpと、第2回転子8の回転角速度ωkと、固定子5が作る回転磁界の角速度ωqは、図6に示す様に、所定比率の辺を持つ台形の斜辺をたどる直線上に並ぶ関係となる。この関係になる理由は、図5で説明した第1回転子6と第2回転子8との周波数成分の差分を取って固定子5の極対数Qを設定したことによるもので、この関係を共線関係と称している。
磁気変調モータ1は、上記の共線関係が成立するように構成されるため、例えば、第2回転子8を固定した状態で固定子5の回転磁界が移動すると、図7の共線図に示される様に、回転磁界の移動方向(回転方向)とは逆方向に第1回転子6が回転する。つまり、固定子5が作る回転磁界の移動方向と第1回転子6の回転方向とが逆方向の関係となっている。
ところで、上記の共線関係から言えば、K=P+Qの関係が成立するが、本発明に係る磁気変調モータ1は、第1回転子6の極対数P、および、固定子5の極対数Qが、以下の条件a)、b)、c)を満たす時に、第2回転子8に使用される軟磁性鉄心80の数Kは、下記の数式(2)によって求められる。
a)P≠Q
b)P+Qは偶数
c)正の整数をnで表す時に、2n<|P−Q|
K=(P+Q)−2n …………………………………………………………(2)
実施例1では、P=10、Q=6とすると、c)の条件よりn=1となり、上記(2)式より、K=14となる。
また、第2回転子8に使用される14個の軟磁性鉄心80は、それぞれ周方向に傾斜角を持ち、その傾斜角が周方向の所定範囲で周期的に徐変する様に構成される。
以下、軟磁性鉄心80の傾斜角について図2を参照して具体的に説明する。
まず、軟磁性鉄心80の傾斜角を以下のように定義する。
第1回転子6と径方向に対向する軟磁性鉄心80の対向面(実施例1では径方向の内周面)を第1対向面と呼ぶ。
固定子5と径方向に対向する軟磁性鉄心80の対向面(実施例1では径方向の外周面)を第2対向面と呼ぶ。
第1対向面の周方向の中点を第1中点miと呼ぶ。
第2対向面の周方向の中点を第2中点moと呼ぶ。
第1中点miと第2中点moとを結ぶ直線を鉄心中心線と呼ぶ。
第2回転子8の回転中心Oから第1中点miを通って第2回転子8の半径方向に延びる法線と鉄心中心線との成す角度を傾斜角θi(i=1、2、3…)と定義する。
実施例1では、図1に示す様に、周方向180度の範囲に7個の軟磁性鉄心80が配置され、図示右端に配置される軟磁性鉄心80から反時計回転方向(CCW)に図示左端に配置される軟磁性鉄心80まで、それぞれの傾斜角を順にθ1、θ2、θ3、θ4、θ5、θ6、θ7とすると、下記d)、e)の関係を満たしている。
d)θ1>θ2>θ3>θ4<θ5<θ6<θ7
e)θ4=0°、θ1=θ7、θ2=θ6、θ3=θ5、
すなわち、鉄心中心線が法線と重なる傾斜角θ4=0°となる図示中央の軟磁性鉄心80(請求項4の発明に記載した中立鉄心)を基準として、時計回転方向(CW)と反時計回転方向とで各軟磁性鉄心80の傾斜角θiが反転し、且つ、時計回転方向へは、θ4<θ3<θ2<θ1と次第に傾斜角θiが大きくなり、反時計回転方向へは、θ4<θ5<θ6<θ7と次第に傾斜角θiが大きくなっている。
また、図2に示す様に、7個の軟磁性鉄心80が配置される周方向180度の範囲において、周方向に隣り合う二つの軟磁性鉄心80の周方向間隔の内外比をX(内周側の間隔):Y(外周側の間隔)で表す時に、
X:Y=(P+Q)−2n:(P+Q)+2n ……………………………(3)
X:Y=(P+Q)+2n:(P+Q)−2n ……………………………(4)
P>Qの場合に上記(3)式の関係が成立し、P<Qの場合に上記(4)式の関係が成立する。
実施例1では、P=10、Q=6であるため、上記(3)式の関係が当てはまる。すなわち、X:Y=14:18となる。
なお、図1に示す第2回転子8の下側半分、つまり、図示されていない下側の周方向180度分の7個の軟磁性鉄心80は、I−I線を対称軸とする線対称に配置される。
(実施例1の作用および効果)
実施例1の磁気変調モータ1は、第2回転子8を構成する軟磁性鉄心80の数を14個に設定すると共に、その14個の軟磁性鉄心80に傾斜角θiを付与し、且つ、傾斜角θiが周方向に所定の周期で徐変する構成としている。つまり、周方向に隣り合う二つの軟磁性鉄心80の内周側の周方向間隔Xと、外周側の周方向間隔Yとの比を14:18に設定しているので、等価的に軟磁性鉄心80の数の内外比を18(内周側):14(外周側)に設定できる。これにより、第1回転子6の極数と軟磁性鉄心80の内周側の数との比が20:18となり、軟磁性鉄心80の外周側の数と固定子5の極数との比が14:12となる。
一方、上述した遊星歯車機構の共線関係を満たす軟磁性鉄心80の数が16個(周方向間隔の内外比は同一)の場合は、第1回転子6の極数と第2回転子8に使用される軟磁性鉄心80の数と固定子5の極数との比が20:16:12となる。この場合、第1回転子6の極数と軟磁性鉄心80の数との比、および、軟磁性鉄心80の数と固定子5の極数との比が、それぞれ実施例1の構成と比較して大きくなる。言い換えると、実施例1の構成では、軟磁性鉄心80の傾斜角θiを周方向に所定の周期で徐変することで、軟磁性鉄心80の数に内外比(18:14)を持たせているので、軟磁性鉄心80の数を14個に設定した場合でも、第1回転子6の極数と軟磁性鉄心80の数との比、および、軟磁性鉄心80の数と固定子5の極数との比を小さくできる。
ここで、実施例1に記載した磁気変調モータ1の磁束分布を解析した結果(磁力線図)を図8に示す。この解析結果によれば、第1回転子6と固定子5との間で、第2回転子8に使用される複数の軟磁性鉄心80が磁気導通路として有効に機能し、スムーズな磁束分布が得られている。従って、軟磁性鉄心80の数K=14でも遊星歯車機構と同様の動作特性で運転できることが分かる。
さらに、実施例1の磁気変調モータ1は、従来技術と比較してトルクリップルを低減できる効果を得ることができる。
従来技術に係る回転電機は、第1回転子6の極対数P、固定子5の極対数Q、および、軟磁性鉄心80の数Kとの間にK=P+Qの関係が成立し、例えば、図9に示す事例は、P=14、Q=6、K=20である。但し、第2回転子8は、全ての軟磁性鉄心80が傾斜角θi=0度であり、且つ、周方向に等間隔に配置されている。
実施例1の磁気変調モータ1と、図9に示す回転電機とで、それぞれ、エンジンEからの入力トルク(入力軸2のトルク)、出力トルク(出力軸3のトルク)、および、その差である固定子トルクを測定し、その結果を図10および図11に示す。
従来技術に係る回転電機では、第2回転子8に使用される複数の軟磁性鉄心80が周方向等間隔に配置されて、回転方向に周期性を持つ形状のため、各軟磁性鉄心80と固定子ティース50b間には、磁束の周期的変動が発生する。その結果、図11に示す様に、固定子トルクおよび出力トルクに高周波のトルクリップルが発生する。
これに対し、実施例1に記載した磁気変調モータ1の第2回転子8は、複数の軟磁性鉄心80に付与した傾斜角θiを周方向に所定の周期で徐変する構成を有し、軟磁性鉄心80の数に内外比を持たせることで、第1回転子6の極数と軟磁性鉄心80の数との比、および、軟磁性鉄心80の数と固定子5の極数との比を従来例より小さくできる。これにより、各軟磁性鉄心80と固定子ティース50b間の磁束の周期的変動を均す効果を得ることができる。よって、図10に示す様に、固定子トルクの高周波トルクリップルが略無くなり、結果的に、出力トルクの高周波トルクリップルを低減できるので、滑らかな運転を実現でき、高周波磁気音の発生を効果的に抑制できる。
また、実施例1の磁気変調モータ1は、第2回転子8の軸長方向にスキューを設けることなく高周波トルクリップルを低減できるため、電磁鋼板を積層して構成される軟磁性鉄心80をボルトやリベット等で固定する際に、そのボルトやリベット等を通すための孔スペースを容易に確保できる。よって、複数の軟磁性鉄心80に傾斜角θiを付与し、且つ、その傾斜角θiを周方向に所定の周期で徐変する構成であっても、第2回転子8を製作する上で制約を受けることはなく、軸長方向にスキューを設ける場合と比較して、第2回転子8の製造が容易である。
(実施例2)
実施例2に示す磁気変調モータ1は、図12に示す様に、第1回転子6の極対数P=14、第2回転子8に使用される軟磁性鉄心80の数K=16、固定子5の極対数Q=6とした一例である。また、周方向に隣り合う二つの軟磁性鉄心80の周方向間隔の内外比は、実施例1に記載した(3)式より、X:Y=16:24に設定される。この場合、n=2である。
この実施例2の構成では、軟磁性鉄心80の周方向間隔の内外比を16:24に設定することで、等価的に軟磁性鉄心80の数の内外比を24:16に設定できる。これにより、第1回転子6の極数と軟磁性鉄心80の内周側の数との比が28:24となり、軟磁性鉄心80の外周側の数と固定子5の極数との比が16:12となる。
一方、上述した遊星歯車機構の共線関係を満たす軟磁性鉄心80の数=20個(内外比は同一)の場合は、第1回転子6の極数と第2回転子8に使用される軟磁性鉄心80の数と固定子5の極数との比が28:20:12となる。
実施例2の構成によれば、軟磁性鉄心80の数K=20の場合と比較して、第1回転子6の極数と軟磁性鉄心80の数との比、および、軟磁性鉄心80の数と固定子5の極数との比を小さくできる。これにより、図13の磁力線図に示される様に、第1回転子6と固定子5との間で、第2回転子8に使用される複数の軟磁性鉄心80が磁気導通路として有効に機能し、スムーズな磁束分布が得られている。その結果、実施例1と同様に、高周波トルクリップルを低減でき、滑らかな運転を実現できるので、高周波磁気音の発生を効果的に抑制できる。
(実施例3)
この実施例3は、図14に示す様に、第2回転子8を構成する複数の軟磁性鉄心80の内周側および外周側に円環状の補強部材10、11を一体に設けた一例である。
積層される軟磁性鉄心80の一枚一枚を鉄心片と呼ぶ時に、実施例1に記載した1個の軟磁性鉄心80は、例えば数十枚の鉄心片を積層して構成される。
これに対し、実施例3では、周方向に間隔を空けて配置される個々の鉄心片と内外周の補強部材10、11とが1枚の電磁鋼板より一体にプレスで打ち抜いて形成される。この場合、個々の鉄心片をばらばらに積層する必要はなく、補強部材10、11によって連結された状態で積層できるので、製作面でのメリットが大きい。
なお、この実施例3は、内外周の補強部材10、11を個々の鉄心片と別体に形成することを否定するものではない。
また、軟磁性鉄心80と同一材料で形成される補強部材10、11は、周方向に隣り合う二つの軟磁性鉄心80間を連結する部分(内周側を内側ブリッジ10aと呼び、外周側を外側ブリッジ11aと呼ぶ)で磁気漏れを起こすので、内側ブリッジ10aおよび外側ブリッジ11aを改質処理によって非磁性化することもできる。この改質処理は、例えば、磁性部と非磁性部とを備えた複合磁性体を製造する方法として公知であり、具体的には、内側ブリッジ10aおよび外側ブリッジ11aを加熱手段(例えば、レーザ、電子ビーム、高周波誘導加熱など)により加熱処理することで非磁性化することができる。
(変形例)
実施例1では、第1回転子6の極対数P=10、固定子5の極対数Q=6、第2回転子8に使用される軟磁性鉄心80の数K=14の事例を説明し、実施例2では、P=14、Q=6、K=16の事例を説明したが、本発明の構成(P、Q、Kの組み合わせ)は、実施例1、2に限定されるものではなく、請求項5の発明に記載した条件を満たす関係であれば良い。
実施例1に記載した磁気変調モータ1は、第2回転子8に対し、固定子5を外径側、第1回転子6を内径側に配置しているが、その逆でも良い。すなわち、第2回転子8に対し、固定子5を内径側に配置し、第1回転子6を外径側に配置する構成でも良い。
実施例1に記載した第1回転子6は、ロータ鉄心60に永久磁石61を埋め込んだ埋め込み磁石型であるが、ロータ鉄心60の表面に永久磁石61を張り付けた表面磁石型ロータを使用することもできる。
1 磁気変調モータ(回転電機)
5 固定子
6 第1回転子
8 第2回転子
51 固定子巻線
61 永久磁石(N極磁極、S極磁極)
80 軟磁性鉄心
θi 軟磁性鉄心の傾斜角

Claims (5)

  1. 多相コイルを結線した固定子巻線(51)を有する固定子(5)と、
    N極磁極とS極磁極とを周方向に交互に配置した第1回転子(6)と、
    複数の軟磁性鉄心(80)を周方向に間隔を空けて配置した第2回転子(8)とを備え、
    前記固定子(5)、前記第1回転子(6)、および前記第2回転子(8)が同軸心上に配置され、且つ、前記第2回転子(8)が前記固定子(5)と前記第1回転子(6)との間に配される回転電機(1)であって、
    前記第1回転子(6)と径方向に対向する前記軟磁性鉄心(80)の対向面を第1対向面と呼び、
    前記固定子(5)と径方向に対向する前記軟磁性鉄心(80)の対向面を第2対向面と呼び、
    前記第1対向面の周方向の中点を第1中点(mi)と呼び、
    前記第2対向面の周方向の中点を第2中点(mo)と呼び、
    前記第1中点(mi)と前記第2中点(mo)とを結ぶ直線を鉄心中心線と呼び、
    前記第2回転子(8)の回転中心から前記第1中点(mi)を通って前記第2回転子(8)の半径方向に延びる法線と前記鉄心中心線との成す角度を傾斜角(θi)と定義した時に、
    前記第2回転子(8)は、周方向に間隔を空けて隣り合う少なくとも二つの前記軟磁性鉄心(80)が、各々の前記法線に対して周方向の同一側に前記傾斜角(θi)を持ち、且つ、各々の前記傾斜角(θi)が異なることを特徴とする回転電機。
  2. 請求項1に記載した回転電機(1)において、
    前記第2回転子(8)は、各々の前記法線に対して周方向の同一側に前記傾斜角(θi)を持ち、且つ、各々の前記傾斜角(θi)が徐々に大きく、または、小さくなる三つ以上の前記軟磁性鉄心(80)が周方向に間隔を空けて配置されることを特徴とする回転電機。
  3. 請求項1または2に記載した回転電機(1)において、
    前記第2回転子(8)は、各々の前記法線に対して周方向の一方側に前記傾斜角(θi)を持つ少なくとも二つの前記軟磁性鉄心(80)と、各々の前記法線に対して周方向の他方側に前記傾斜角(θi)を持つ少なくとも二つの前記軟磁性鉄心(80)とが、周方向に交互に配置されることを特徴とする回転電機。
  4. 請求項1〜3に記載した何れか一つの回転電機(1)において、
    前記鉄心中心線が前記法線と重なる前記傾斜角(θi)=0度を持つ前記軟磁性鉄心(80)を有し、この軟磁性鉄心(80)を中立鉄心と呼ぶ時に、この中立鉄心に対し周方向の一方側に各々の前記傾斜角(θi)が徐々に大きく、または、小さくなる少なくとも二つ以上の前記軟磁性鉄心(80)が配置され、前記中立鉄心に対し周方向の他方側に各々の前記傾斜角(θi)が徐々に大きく、または、小さくなる少なくとも二つ以上の前記軟磁性鉄心(80)が配置されることを特徴とする回転電機。
  5. 請求項1〜4に記載した何れか一つの回転電機(1)において、
    前記第1回転子(6)の極対数をP、前記固定子(5)の極対数をQで表す時に、
    P≠Q、且つ、P+Qは偶数であり、
    前記第2回転子(8)に使用される前記軟磁性鉄心(80)の数をK、正の整数をnで表す時に、
    2n<|P−Q| ……………………………………………………(1)
    K=(P+Q)−2n ………………………………………………(2)
    上記(1)、(2)式の関係が成立し、
    各々の前記法線に対して周方向の同一側に前記傾斜角(θi)を持つ少なくとも二つの前記軟磁性鉄心(80)の周方向間隔の内外比をX:Yで表す時に、
    X:Y=(P+Q)−2n:(P+Q)+2n …………………(3)
    X:Y=(P+Q)+2n:(P+Q)−2n …………………(4)
    P>Qの場合に上記(3)式の関係が成立し、P<Qの場合に上記(4)式の関係が成立することを特徴とする回転電機。
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