JP2014017733A - 通信システム、通信装置及び中継装置 - Google Patents

通信システム、通信装置及び中継装置 Download PDF

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Abstract

【課題】通信装置間で送受信されるフレームの盗聴、なりすましを防止することができる通信システム、通信装置及び中継装置を提供する。
【解決手段】一の通信装置は、送信手段によってフレームを通信バスに送信し、送信するフレームに係るメッセージIDをアルゴリズム演算処理部42により演算する。更新処理部43により、フレームの送信毎に該フレームに付すメッセージIDを更新する。他の通信装置は、一の通信装置が送信するフレームに係るメッセージIDをアルゴリズム演算処理部42により演算し、更新処理部43により、フレームの識別に用いるメッセージIDをフレームの受信毎に更新し、更新されたメッセージIDに基づき一の通信装置が送信するフレームを識別して受信する。
【選択図】図3

Description

本発明は、複数の通信装置が通信線で接続されており、複数の通信装置間でフレームを送受信する通信システム、通信装置及び中継装置に関する。
近年では、複数の通信装置を接続し、各通信装置に夫々機能を割り振って相互にデータを交換し、連携して多様な処理を行なわせるシステムが各分野で利用されている。例えば、車輌に配される車載LAN(Local Area Network)の分野では、通信プロトコルとしてCAN(Controller Area Network)プロトコルが広く採用されており、通信装置としてECU(電子制御装置;Electronic Control Unit)を用い、各ECUに夫々特化させた処理を行なわせて相互にデータを交換することにより、システムとして多様な機能を実現させている。
CANプロトコルに基づく車載通信システムでは、通信線上に多くのECUがバス接続され、ECU間で相互に通信を行う。車載の電子機器はより高性能化・高機能化しており、これに伴って通信線上で送受信されるフレーム(メッセージ)の種類も多数となるため、フレームの送信待ちによる遅延が生じないよう通信システムの構成を工夫する必要がある。
特許文献1には、通信線を複数に分け、いずれかの通信線に複数のECUを夫々接続し、遅延を抑える車載通信システムが開示されている。複数の通信線は、必要な通信速度、送受信するデータの種類等により分類し、複数のECUを分別して通信線に接続している。複数の通信線は中継装置に接続されており、中継装置によりECU間で送受信されるフレームを中継する。中継装置は、中継情報テーブルを記憶している。中継情報テーブルには、フレームの種別を識別する種別識別情報としてのIDと、中継先の通信線の識別情報とが記録されており、中継装置は、該中継情報テーブルに基づいて一の通信線で送信されたフレームを受信し、他の通信線へ中継する。
特開2010−016764号公報
しかしながら、特許文献1に記載の車載通信システムでは、フレームの種別を識別する種別識別情報がフレームの種別毎に固定されているため、種別識別情報が既知のものとなれば、フレームのヘッダ部に付された種別識別情報をモニタして特定のフレームを受信することにより、特定のECUが送信するフレームが盗聴されてしまうという問題点があった。また、通信線に接続された非正規のECUが、既知の種別識別情報をヘッダ部に付してフレームを作成して通信線上に送信すれば、正規のECUへのなりすましが行われてしまうという問題点もあった。
例えば保守を容易にするため診断装置を外部接続できる外部リンクを備えるような車載通信システムでは、外部リンクに種々の通信装置を接続することによって拡張性が高められる反面、非正規又は悪意のあるECUが接続される蓋然性も高まり、ECUの盗聴、なりすましに対して脆弱化してしまうという問題点もあった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、通信装置間で送受信されるフレームの盗聴、なりすましを防止することができる通信システム、通信装置及び中継装置を提供することにある。
本発明に係る通信システムは、複数の通信装置が接続された通信線上に複数種類のフレームが送信され、前記複数の通信装置夫々は、フレームに付された該フレームに係る種別を識別する種別識別情報に基づいてフレームを識別して受信する通信システムにおいて、一の通信装置は、フレームを前記通信線に送信する送信手段、該送信手段により送信するフレームに係る種別識別情報を所定の規則に基づいて演算する演算手段、及び該演算手段が演算した種別識別情報によりフレームの送信毎に該フレームに付す種別識別情報を更新する更新手段を有し、他の通信装置は、前記一の通信装置が送信するフレームに係る種別識別情報を前記所定の規則に基づいて演算する演算手段、フレームの識別に用いる種別識別情報をフレームの受信毎に前記演算手段が演算した種別識別情報により更新する第2更新手段、及び該第2更新手段により更新された種別識別情報に基づき前記一の通信装置が送信するフレームを識別して受信する受信手段を有することを特徴とする。
本発明に係る通信システムは、前記所定の規則が、送信回数に基づいて演算値が変化する演算アルゴリズムであることを特徴とする。
本発明に係る通信システムは、前記所定の規則が、シードに基づき擬似乱数列を生成するアルゴリズムであることを特徴とする。
本発明に係る通信システムは、前記一の通信装置は、前記更新手段による種別識別情報の更新を開始することを通知する通知フレームを前記送信手段により送信することを特徴とする。
本発明に係る通信システムは、前記通知フレームは前記所定の規則に基づく演算に用いる数値を含むことを特徴とする。
本発明に係る通信システムは、前記他の通信装置は、前記通信線以外に、複数の通信線が接続されており、前記他の通信装置を介して、固定の種別識別情報によって識別されるフレームを送受信する複数の通信装置が前記複数の通信線のいずれかに接続されていることを特徴とする。
本発明に係る通信装置は、通信線に接続されており、フレームに該フレームの種別を識別する種別識別情報を付して前記通信線に送信する通信装置において、フレームを前記通信線に送信する送信手段と、該送信手段により送信するフレームに係る種別識別情報を所定の規則に基づいて演算する演算手段と、該演算手段が演算した種別識別情報によりフレームの送信毎に該フレームに付す種別識別情報を更新する更新手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る通信装置は、通信線に接続されており、フレームに付された該フレームに係る種別を識別する種別識別情報に基づいて前記通信線に送信されたフレームを識別して受信する通信装置において、前記通信線上に送信されるフレームに係る種別識別情報を所定の規則に基づいて演算する演算手段と、フレームの識別に用いる種別識別情報をフレームの受信毎に前記演算手段が演算した種別識別情報により更新する更新手段と、該更新手段により更新された種別識別情報に基づきフレームを識別して受信する受信手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る中継装置は、一の通信線に接続されて、該一の通信線に送信されるフレームを該フレームに係る種別を識別する種別識別情報に基づいて識別して受信するとともに、他の複数の通信線に接続されて、該他の複数の通信線に送信されるフレームを中継する中継装置において、前記一の通信線に送信されるフレームに係る種別識別情報を所定の規則に基づいて演算する演算手段と、前記一の通信線に送信されるフレームの識別に用いる種別識別情報をフレームの受信毎に前記演算手段が演算した種別識別情報により更新する更新手段と、該更新手段により更新された種別識別情報に基づきフレームを識別して受信する受信手段とを備え、前記他の複数の通信線に送信されるフレームを該フレームに付された固定の種別識別情報によって識別することを特徴とする。
本発明にあっては、複数の通信装置が接続された通信線上に複数種類のフレームが送信され、複数の通信装置夫々は、フレームに付された該フレームに係る種別を識別する種別識別情報に基づいてフレームを識別して受信する。一の通信装置は、送信手段によってフレームを通信線に送信し、送信するフレームに係る種別識別情報を演算手段により所定の規則に基づいて演算する。演算手段によって演算した種別識別情報によりフレームの送信毎に該フレームに付す種別識別情報を更新手段により更新する。他の通信装置は、一の通信装置が送信するフレームに係る種別識別情報を演算手段により前記所定の規則に基づいて演算し、第2更新手段により、フレームの識別に用いる種別識別情報をフレームの受信毎に演算手段が演算した種別識別情報により更新する。第2更新手段により更新された種別識別情報に基づき一の通信装置が送信するフレームを識別して受信手段により受信する。これにより、一の通信装置から送信されるフレームに付される種別識別情報が、所定の規則に基づき送信毎に更新され、他の通信装置は、同一の所定の規則に基づき、フレームの識別に用いる種別識別情報を受信毎に更新し、一の通信装置が送信するフレームを受信することができる。所定の規則を有していない非正規又は悪意のある通信装置等によるフレームの盗聴、なりすましを防止する。
本発明にあっては、所定の規則が、送信回数に基づいて演算値が変化する演算アルゴリズムであるので、フレームを送信する一の通信装置では送信回数を計数し、フレームを受信する他の通信装置では、受信回数に対応して送信回数を計数し、所定の規則による種別識別情報の演算を行うことができる。
本発明にあっては、所定の規則が、シードに基づき擬似乱数列を生成するアルゴリズムであるので、擬似乱数列を生成するアルゴリズムを有していない非正規又は悪意のある通信装置等が、該アルゴリズムを予測することが困難であり、盗聴、なりすましをより効果的に防止する。
本発明にあっては、一の通信装置は、更新手段による種別識別情報の更新を開始することを通知する通知フレームを送信手段により送信するので、他の通信装置は、該通知フレームを受信することにより、一の通信装置による種別識別情報の更新の開始を知ることができる。
本発明にあっては、通知フレームは前記所定の規則に基づく演算に用いる数値を含むので、所定の規則に基づく演算が通知フレームに含まれる数値により変化するので、所定の規則を予測することが困難であり、非正規又は悪意のある通信装置等による盗聴、なりすましをより効果的に防止する。
本発明にあっては、他の通信装置は、前記通信線以外に、複数の通信線が接続されており、他の通信装置を介して、固定の種別識別情報によって識別されるフレームを送受信する複数の通信装置が前記複数の通信線のいずれかに接続されている。これにより、前記複数の通信線では、複数の通信装置が固定の種別識別情報によってフレームを識別すること
で簡便な通信を行うことができる。
本発明によれば、複数の通信装置が接続された通信線上に複数種類のフレームが送信され、複数の通信装置夫々は、フレームに付された該フレームに係る種別を識別する種別識別情報に基づいてフレームを識別して受信する。一の通信装置は、送信手段によってフレームを通信線に送信し、送信するフレームに係る種別識別情報を演算手段により所定の規則に基づいて演算する。演算手段によって演算した種別識別情報によりフレームの送信毎に該フレームに付す種別識別情報を更新手段により更新する。他の通信装置は、一の通信装置が送信するフレームに係る種別識別情報を演算手段により前記所定の規則に基づいて演算し、第2更新手段により、フレームの識別に用いる種別識別情報をフレームの受信毎に演算手段が演算した種別識別情報により更新する。第2更新手段により更新された種別識別情報に基づき一の通信装置が送信するフレームを識別して受信手段により受信する。このため、一の通信装置から送信されるフレームに付される種別識別情報が、所定の規則に基づき送信毎に更新される。他の通信装置は、同一の所定の規則に基づき、フレームの識別に用いる種別識別情報を受信毎に更新し、一の通信装置が送信するフレームを受信することができ、所定の規則を有していない非正規又は悪意のある通信装置等によるフレームの盗聴、なりすましを防止する。
本発明の実施の形態1に係る車載通信システムの構成を示すブロック図である。 図1に示す車載型通信装置の構成を示すブロック図である。 メッセージID更新プログラムによる機能を示す機能ブロック図である。 送信側の車載型通信装置における更新処理通知の処理を示すフローチャートである。 送信側の車載型通信装置におけるフレーム送信時の処理を示すフローチャートである。 受信側の車載型通信装置における更新処理通知の処理を示すフローチャートである。 受信側の車載型通信装置におけるフレーム受信時の処理を示すフローチャートである。 盗聴、なりすましの防止について説明するための模式図である。 非正規又は悪意のある車載型通信装置のなりすましの一例について説明するための模式図である。 本発明の実施の形態2に係る車載通信システムの構成を示すブロック図である。 中継情報テーブルの内容例を示す説明図である。
(実施の形態1)
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。なお、以下に示す実施の形態では、本発明を車載通信システムに適用した場合を例に説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る車載通信システム1の構成を示すブロック図である。車載通信システム1は、車輌100に搭載されており、ワイヤーハーネス等を用いた通信バス(通信線)2と、通信バス2のいずれかに接続されており、データを送受信する電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)としての車載型通信装置3,3・・・とを備える。車載通信システム1は、通信バス2及び車載型通信装置3,3・・・によって構築された通信システムであるが、通信バス2に非正規又は悪意のある電子制御装置としての車載型通信装置9が接続されることを仮定する。
車載型通信装置3,3・・・は通信バス2にバス型に接続されており、CANプロトコルに準じてデータを送受信する。車載型通信装置3,3・・・の相互間におけるデータの送受信は、複数のデータがまとめられたフレーム(メッセージ)の送受信によって実行される。フレームは、複数のデータの組み合わせ毎に規定されているメッセージID(CAN ID)をヘッダ部に、複数のデータをデータ部に含んで送信される。車載型通信装置3,3・・・は、自身の動作によって得られるデータ群を含むフレームを送信する。
図2は図1に示す車載型通信装置3の構成を示すブロック図である。車載型通信装置3は、各構成部の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)30と、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically EPROM)等の不揮発性メモリを利用したROM31と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)等のメモリを利用したRAM32と、CANプロトコルに準拠したネットワークコントローラを利用したCANコントローラ33と、入出力インタフェース(以下、入出力I/Fと表記する)34と、内部バス35とを備える。CPU30、ROM31、RAM32、CANコントローラ33、及び入出力I/F34はいずれも内部バス35に接続されており相互に通信が可能である。CPU30、ROM31、RAM32、CANコントローラ33、入出力I/F34及び内部バス35でマイクロコンピュータを構成してもよい。CPU30は、図示しない車輌のオルタネータ、バッテリ等の電力供給装置から電力の供給を受け、ROM31から各種情報をRAM32へ読み出し、CANコントローラ33を制御し、フレームを送受信する。
車載型通信装置3,3・・・は、入出力I/F34を介してセンサ8により取得する測定値、CPU30により演算して得られた計算値及び制御値等の各種物理量の数値情報を含むデータを送信し、例えばエンジン、ブレーキ等の車載機器をマイクロコンピュータにより制御する装置である。例えば一つの車載型通信装置3はABS(Antilock Brake System)として機能し、車輪の回転速度(車輪速)を検知するセンサが接続されている。該車載型通信装置3は車輌の制動時にセンサを介して検知した車輪速に基づいてブレーキを制御すると共に、車輪速の測定値をデータとして通信バス2に接続されている他の車載型通信装置3,3・・・へ送信する。
ROM31には、CPU30が読み出して実行する制御プログラム(例えば、ブレーキ制御のための制御プログラム等)が記憶されている。また、ROM31には、車載型通信装置3が通信バス2により送受信するフレームに係る種別を識別する種別識別情報であるメッセージIDを更新するメッセージID更新プログラム4が記憶されている。なお、メッセージID更新プログラム4については後述にて詳細を説明する。RAM32には、CPU30の処理の過程で発生する情報、又はセンサ8から入力される信号が表わす測定値等が一時的に記憶される。
CANコントローラ33は、CANプロトコルに準じ通信バス2を介した通信を実現する。通信バス2からフレームを受信した場合にこれをCPU30へ通知する。また、CPU30からの指示に基づき、メッセージIDをヘッダ部に、データをデータ部に格納したフレームを生成して通信バス2へ送信する。CANコントローラ33は、フレームを受信する際には、通信バス2上に送信されているフレームのヘッダ部に含まれているメッセージIDが受信すべきメッセージIDに一致しているか否かを判定する。CANコントローラ33は、一致していると判定した場合に、データ部に含まれているデータを受信してRAM32に転送し記憶させ、一致していないと判定した場合には、データを受信しない。
CANコントローラ33は、通信バス2における差動電圧を検知、出力することによってフレームの送受信を実現する。CANコントローラ33は通信バス2における通信状況をモニタし、自身がフレームを送信することが可能であるか否かを判断し、送信が可能である場合にフレームを送信する。具体的には、他の車載型通信装置3,3・・・がフレームを送信していない間にフレームを送信することができる。一方、通信バス2に接続されている他の車載型通信装置3,3・・・がフレームを送信している間は、送信されているフレームを受信する。
通信バス2に接続されている車載型通信装置3,3・・・のいずれか複数から同時にデータの送信が開始された場合、CANプロトコルに基づき調停によっていずれかが優先的にフレームを送信するようにしてある。詳細には、以下のようにしてフレームの優先/非優先が決定される。フレームは0(ゼロ)ビットと1ビットとで表わされるデジタル信号により送受信される。フレーム先頭のヘッダ部に含まれるメッセージIDがアービトレーションフィールドとして利用され、アービトレーションフィールド内のビット列により通信バス2における調停が行なわれる。CANプロトコルでは、0(ゼロ)ビットがより長く続くアービトレーションフィールドを有するフレームの送信が優先される。つまり、メッセージIDを数値として解釈した場合に、より数値が小さいフレームの優先度が高い。そして優先されるフレームを送信する車載型通信装置3,3・・・のいずれかが調停に勝つ。CANコントローラ33は、通信バス2における調停に勝った場合のみに、フレームの送信を継続することができ、調停に負けた場合、フレームの送信を停止し、他の送信を継続する車載型通信装置3から送信されるフレームの受信に切り替え、他の車載型通信装置3と同時にフレームを受信する。
図3は、車載型通信装置3,3・・・のROM31に記憶されているメッセージID更新プログラム4による機能を示す機能ブロック図である。メッセージID更新プログラム4は、CPU30に読み込まれて実行される処理プログラムであり、更新開始通知処理部41、アルゴリズム演算処理部42、更新処理部43、及び判定処理部44を備える。更新開始通知処理部41は送信処理部41a及び受信処理部41bを備える。送信処理部41aは、メッセージIDの更新を開始することを示す更新開始通知フレームをCANコントローラ33により通信バス2へ送信する処理を実行する。この送信処理部41aによる更新開始通知フレームの送信処理は、フレームを送信する車載型通信装置3側で実行される。受信処理部41bは、通信バス2に送信されている更新開始通知フレームをCANコントローラ33により受信する処理を実行する。受信処理部41bによる更新開始通知フレームの受信処理は、フレームを受信する車載型通信装置3側で実行される。
アルゴリズム演算処理部42は、フレームに係るメッセージIDを所定の規則に基づいて演算する処理を実行する。例えば、所定の規則は次の式によって与えられる。
ID=100+[{(送信回数−1)×3}mod10] ・・・(1)
式(1)により、メッセージIDの初期値を100とし、フレームの送信回数によって、フレームに付されるメッセージIDが順次演算により求まる。具体的には、フレームの送信回数が1回目,2回目,3回目,4回目,5回目・・・と進んでいくと、各回に対応するメッセージIDが「100」,「103」,「106」,「109」,「102」・・・のように演算によって求められる。
フレームの送信側の車載型通信装置3と、該フレームを受信する受信側の車載型通信装置3とは、同一の規則による演算を実行するアルゴリズム演算処理部42を有している。送信側の車載型通信装置3は更新開始通知フレームの送信後、受信側の車載型通信装置3は更新開始通知フレームの受信後から、フレームの送信回数を計数して順次メッセージIDを演算する。尚、受信側の車載型通信装置3は更新開始通知フレームの受信後に送信回
数の計数値を1とし、フレームを受信する度に送信回数の計数値に1を加算していく。
更新処理部43はアルゴリズム演算処理部42により演算したメッセージIDによりフレームに付されるメッセージIDを更新する処理を実行する。具体的には、RAM32に記憶しているメッセージIDをアルゴリズム演算処理部42により演算したメッセージIDで上書きする。フレームの送信側の車載型通信装置3におけるCANコントローラ33は、RAM32に記憶されているメッセージIDを読み出して送信するフレームのヘッダ部に格納する。
判定処理部44は、CANコントローラ33により受信したフレームのヘッダ部に含まれるメッセージIDがRAM32に記憶しているメッセージIDと一致するか否かを判定し、判定結果をCANコントローラ33に通知する処理を実行する。判定処理部44は受信側の車載型通信装置3で実行されるものである。
次に車載型通信装置3,3・・・におけるフレームの送受信時の動作について説明する。まず、送信側となる車載型通信装置3における処理について説明する。図4は送信側の車載型通信装置3における更新処理通知の処理を示すフローチャートであり、図5は送信側の車載型通信装置3におけるフレーム送信時の処理を示すフローチャートである。
送信側の車載型通信装置3のCPU30は、更新開始通知処理部41の送信処理部41aの実行によって、メッセージIDの更新開始を通知する更新開始通知フレームを通信バス2へ送信する(ステップS1)。更新開始通知フレームは、更新開始を示すメッセージIDをヘッダ部に含み、データ部には、メッセージIDの更新が開始されるフレームのメッセージIDの初期値を含む。データ部に含む情報は更新が開始されるフレームの種別を特定できる情報であれば良く、メッセージIDの初期値に限られるものではない。更新開始通知フレームは、送信側の車載型通信装置3の電源がオンとなり、入出力I/F34を介してセンサ8から取得したデータ(例えば上述の車輪速など)を通信バス2上に送信し始める時点でよい。送信側の車載型通信装置3における更新処理通知処理はステップS1の実行により終了する。
送信側の車載型通信装置3のCPU30は、アルゴリズム演算処理部42の実行によって、送信するフレームに付すべきメッセージIDを所定の規則に基づいて演算する(ステップS2)。演算は例えば式(1)により行う。最初のフレームの送信時には、送信回数は1回目であるので、例えば式(1)に基づき演算するメッセージIDは「100」となる。次に、送信側の車載型通信装置3のCPU30は、更新処理部43の実行によって、アルゴリズム演算処理部42により演算したメッセージIDでRAM32に記憶しているメッセージIDを上書きして更新する(ステップS3)。上述の例ではRAM32に記憶されているメッセージIDは上書きによって「100」になる。次に、送信側の車載型通信装置3のCPU30は、CANコントローラ33により、フレームを生成して通信バス2へ送信する(ステップS4)。具体的には、CANコントローラ33は、RAM32に記憶されているメッセージID(「100」)を読み出してヘッダ部に格納し、データ部にデータ(例えば車輪速等)を格納してフレームを生成して通信バス2へ送信する。フレームの送信によって、1回目の送信時における処理を終え、スタートに戻る。
2回目以降の送信時の処理について簡潔に説明する。送信回数の計数値が「2」に進み、アルゴリズム演算処理部42の実行によって、例えば式(1)で演算されたメッセージIDは「103」となる。RAM32のメッセージIDは「103」に更新され、CANコントローラが送信するフレームにはメッセージID「103」が付される。以降、3回目のフレームの送信ではメッセージIDが「106」、4回目はメッセージIDが「109」、5回目はメッセージIDが「102」となる。いずれのフレームにおけるデータ部
には、リアルタイムで変化する例えば車輪速等のデータが格納されている。
次に、受信側となる車載型通信装置3における処理について説明する。図6は受信側の車載型通信装置3における更新処理通知処理を示すフローチャートであり、図7は受信側の車載型通信装置3におけるフレーム受信時の処理を示すフローチャートである。
受信側の車載型通信装置3のCPU30は、更新開始通知処理部41の受信処理部41bの実行によって、更新開始通知フレームを受信する(ステップS11)。更新開始通知フレームの受信は、ヘッダ部に含まれる更新開始を示すメッセージIDを検出することにより実行される。また、データ部に含まれるデータを読み出して、更新が開始されるフレームの種別が受信しようとしているフレームであるかを確認する。CPU30は、更新開始通知フレームが受信しようとしているフレームに関する通知でなければ処理を終了して通信バス2のモニタに戻り、受信しようとしているフレームに関する通知であれば、次の処理に移行する。受信側の車載型通信装置3のCPU30は、フレームの送信回数を「1」に設定し、アルゴリズム演算処理部42の実行によって、メッセージIDを所定の規則に基づいて演算する(ステップS12)。例えば式(1)に基づき演算するメッセージIDは「100」となる。次に受信側の車載型通信装置3のCPU30は、更新処理部43の実行によって、アルゴリズム演算処理部42により演算したメッセージIDでRAM32に記憶しているメッセージIDを上書きして更新する(ステップS13)。上述の例ではRAM32に記憶されているメッセージIDは上書きにより「100」となる。受信側の車載型通信装置3における更新処理通知処理はステップS13の実行により終了する。
受信側の車載型通信装置3のCPU30は、CANコントローラ33により通信バス2上に送信されているフレームを検出する(ステップS14)。CANコントローラ33は、検出したフレームのヘッダ部に含まれているメッセージIDをCPU30へ通知する(ステップS15)。この通知を受けたCPU30は、判定処理部44の実行によって、CANコントローラ33により受信したフレームのヘッダ部に含まれるメッセージIDがRAM32に記憶しているメッセージIDと一致するか否かを判定する(ステップS16)。判定の結果、一致していない場合には(S16:NO)、処理を終え、スタートに戻り、一致するとの判定結果である場合には(S16:YES)、受信したフレームのデータ部に含まれているデータを取得する(ステップS17)。上述の例では1回目の受信時に、受信側の車載型通信装置3のRAM32に記憶しているメッセージIDは「100」となっており、送信側の車載型通信装置3から1回目のフレーム(メッセージID「100」)が送信されていれば、ステップS16では、一致するとの判定結果となり、フレームのデータ部に格納されたデータが受信される。
次に受信側の車載型通信装置3のCPU30は、1回目の受信が完了したので、フレームの送信回数の計数値に1を加算して「2」とし、アルゴリズム演算処理部42の実行によって、メッセージIDを所定の規則に基づいて演算する(ステップS18)。例えば、式(1)に基づき演算するメッセージIDは「103」となる。次に受信側の車載型通信装置3のCPU30は、更新処理部43の実行によって、アルゴリズム演算処理部42により演算したメッセージIDでRAM32に記憶しているメッセージIDを上書きして更新する(ステップS19)。上述の例ではRAM32に記憶されているメッセージIDは上書きにより「103」となる。更新処理部43によるRAM32の上書きにより1回目の受信時における処理を終え、スタートに戻る。
2回目以降の受信時の処理について簡潔に説明する。受信側の車載型通信装置3のCPU30は、通信バス2をモニタしてフレームを検出し、検出したフレームのメッセージIDを読み出して、RAM32に記憶しているメッセージIDと比較し、一致していればフレームのデータ部に含まれるデータを取得する。上述の例では、2回目の受信時、RAM
32に記憶しているメッセージIDは「103」であり、送信側の車載型通信装置3から2回目のフレーム(メッセージID「103」)が送信されていれば、ステップS16にて一致するとの判定結果となり、フレームのデータ部に含まれるデータ(例えば車輪速等)が取得される。受信側の車載型通信装置3のCPU30は、送信回数の計数値を「3」に進め、アルゴリズム演算処理部42の実行によって、例えば式(1)で演算されたメッセージIDは「106」となる。RAM32のメッセージIDは「106」に更新されて2回目の受信時の処理を終える。以降、3回目の受信はメッセージID「106」、4回目はメッセージIDが「109」、5回目はメッセージIDが「102」のフレームが受信の対象となる。送信側の車載型通信装置3が、3回目にメッセージID「106」のフレームを、4回目にメッセージID「109」のフレームを、5回目にメッセージID「102」のフレームを順次送信すれば、受信側の車載型通信装置3は、これらのフレームを順次受信することができ、送信側の車載型通信装置3がリアルタイムに送信する例えば車輪速等のデータを受信することができる。
次に、通信バス2に非正規又は悪意のある車載型通信装置9が接続されたときに、非正規又は悪意のある車載型通信装置9による盗聴、なりすましが防止されることについて説明する。図8は盗聴、なりすましの防止について説明するための模式図である。通信バス2に接続されている正規の車載型通信装置3,3・・・の間では、上述のようにメッセージIDを変化させて、種別が本来的に同じであるフレームを送受信している。この送信と受信が成立するのは、所定の規則に基づくメッセージIDの演算アルゴリズムが送信側の車載型通信装置3aと受信側の車載型通信装置3bとで同一であり、図8に示すように、双方ともフレームのメッセージIDを「100」、「103」、「106」、「109」、「102」・・・と同じように変化させているからである。
所定の規則に基づくメッセージIDの演算アルゴリズムが、正規の車載型通信装置3,3・・・で共有されているが、秘密の状態に置かれており、非正規又は悪意のある車載型通信装置9が知り得ない限り、非正規又は悪意のある車載型通信装置9はメッセージIDの変化を予測できず、完全な盗聴をすることができない。より詳細に説明すると、非正規又は悪意のある車載型通信装置9は、例えば一定のメッセージIDを持つフレームを受信できるものの、全てのフレームを受信することができない。例えば上述の例でいえば、非正規又は悪意のある車載型通信装置9は、初期値のメッセージID「100」のフレームをモニタしていれば、10回に1度の割合で、フレームに含まれる車輪速のデータを取得できるが後の9回分のデータは取得できない。例えば、所定の規則に基づくアルゴリズムがメッセージIDの初期値をスキップすることを規定していれば、非正規又は悪意のある車載型通信装置9が特定のフレームを盗聴することをより効果的に防止できる。
また、所定の規則に基づくメッセージIDの演算アルゴリズムを、非正規又は悪意のある車載型通信装置9が知り得ない限り、正規の送信側の車載型通信装置3aになりすましてフレームを送信し、正規の受信側の車載型通信装置3bに似せのフレームを受信させることも防止することができる。
図9は、非正規又は悪意のある車載型通信装置9のなりすましの一例について説明するための模式図である。図9に示す例では、非正規又は悪意のある車載型通信装置9は、適当なメッセージIDをフレームのヘッダ部に格納して送信している。具体的に説明すると、正規の送信側の車載型通信装置3aと正規の受信側の車載型通信装置3bは、フレームに付されるメッセージIDが、上述の例と同様に、「100」、「103」、「106」、「109」、「102」・・・と変化する規則に基づいてフレームの送受信を実行している。このとき、非正規又は悪意のある車載型通信装置9が送信AによりメッセージID「100」のフレームを送信したとき、正規の受信側の車載型通信装置3bは正規の送信元から送信されたフレームと誤認し受信してしまう。
正規の送信側の車載型通信装置3aが、送信Aに遅れて送信BでメッセージID「100」のフレームを送信したとき、この時点で、正規の受信側の車載型通信装置3bはメッセージID「103」のフレームを待っているため、送信Bに係るフレームは非正規の送信元から送信されたフレームと誤認し受信しない。
非正規又は悪意のある車載型通信装置9が送信Cにより適当にメッセージIDを付けたメッセージID「110」のフレームを送信したとする。このとき、正規の受信側の車載型通信装置3bはメッセージID「103」のフレームを待っているため、送信Cに係るフレームは、非正規の送信元から送信されたフレームであると適切に判断し受信しない。
正規の送信側の車載型通信装置3aが送信DによりメッセージID「103」のフレームを送信する。このとき、正規の受信側の車載型通信装置3bはメッセージID「103」のフレームを待っているため、送信Dに係るフレームは、正規の送信元から送信されたフレームであると適切に判断し受信する。
このように、送信A及び送信Bについては、受信側の車載型通信装置3bは誤認して受信動作するが、誤認の影響は限定的であり、その後の送信C及び送信Dには影響せずに送信側の車載型通信装置3aが送信したフレームを受信することができ、非正規又は悪意のある車載型通信装置9によるなりすましを防止することができる。
所定の規則については、上述の式(1)に限られず、例えば擬似乱数列を生成するアルゴリズムであってもよい。具体的には、擬似乱数のシードを基に線形合同法などによって擬似乱数を生成する式を用いる。即ち、n番目の擬似乱数をX(n)としたとき、n+1番目の擬似乱数X(n+1)を、次式により演算する規則とする。
X(n+1)={A×X(n)+B}modM ・・・・・(2)
式(2)においてA、B、Mは正の定数とし、X(0)は擬似乱数のシードとする。送信側の車載型通信装置3aと受信側の車載型通信装置3bとの間で、所定の規則として、式(2)のような生成式に基づく擬似乱数生成アルゴリズムを有し、式(2)に基づき演算される擬似乱数列X(1)、X(2)、X(3)・・・を用いて、フレームのメッセージIDを更新するようにする。更新開始通知フレームの送受信によって、擬似乱数列による更新を開始するようにする。また、更新開始通知フレームのデータ部に擬似乱数のシードを含めておき、更新開始通知フレームによって、送信側の車載型通信装置3aと受信側の車載型通信装置3bとの間で、擬似乱数のシードを共有するようにしてもよい。また、更新開始通知フレームのデータ部に擬似乱数列の開始位置を含めておき、更新開始通知フレームによって、送信側の車載型通信装置3aと受信側の車載型通信装置3bとの間で、擬似乱数列を開始する位置、例えばX(4)から開始することを共有するようにしてもよい。
所定の規則として、シードに基づき擬似乱数列を生成するアルゴリズムを用いることによって、ある時点のフレームに付されたメッセージIDに基づき、次のフレームに付されるメッセージIDが決まるので、メッセージIDの予測が複雑となり、盗聴やなりすましをより効果的に防止することができる。
また、擬似乱数のシード、擬似乱数の生成開始位置等の数値を更新開始通知フレームのデータ部に含ませることによって、所定の規則に基づく演算アルゴリズムが変化し、更新されるメッセージIDの各値がさらに複雑に変化するので、盗聴やなりすましをより効果的に防止することができる。
(実施の形態2)
上述の実施の形態1においては、通信バス2に接続された車載型通信装置3,3・・・間でメッセージIDを更新しながら通信を行う。実施の形態2における車載通信システム1は、実施の形態1における車載通信システムにおける車載型通信装置3,3・・・のうちの1つが中継装置として機能し、前記通信バス2以外に、複数の通信バス6a,6bが該中継装置に接続され、複数の車載型通信装置7,7・・・が前記複数の通信バス6a,6bのいずれかに接続されている構成としたものである。
図10は、本発明の実施の形態2に係る車載通信システム1の構成を示すブロック図である。実施の形態2に係る車載通信システム1は、通信バス2によって接続された車載型通信装置3,3・・・と、通信バス2に接続されるとともに、他の複数の通信バス6a,6bにも接続されている中継装置5と、通信バス6a,6bのいずれかに接続される車載型通信装置7,7・・・とを備える。車載型通信装置3,3・・・及び中継装置5は、実施の形態1における車載型通信装置3,3・・・と同様にメッセージID更新ブログラム4を有しており、メッセージIDを更新してフレームを送受信することにより、非正規又は悪意のある車載型通信装置9による盗聴及びなりすましを防止する。
車載型通信装置7,7・・・は、メッセージID更新ブログラム4を有しておらず、車載型通信装置7,7・・・間で送受信するフレームはフレームの種別毎に固定のメッセージIDを付されている。この実施の形態2に係る車載通信システム1は、通信バス6a,6bによって車載型通信装置7,7・・・が中継装置5によって接続された車内側のネットワークに、通信バス2による車外側のネットワークが中継装置5により更に接続されているような構成となっている。通信バス6a,6bによる車内側のネットワークには、非正規又は悪意のある車載型通信装置9が接続されることはなく、このため、車載型通信装置7,7・・・は、種別毎に固定のメッセージIDを持つフレームにより送受信を行う。通信バス2では、非正規又は悪意のある車載型通信装置9が外部機器として接続される可能性があるため、メッセージID更新ブログラム4に基づいて、フレームのメッセージIDを更新する通信を行う。
中継装置5は、各構成部の動作を制御するCPU50と、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性メモリを利用したROM51と、DRAM、SRAM等のメモリを利用したRAM52と、CANプロトコルに準拠したネットワークコントローラを利用したCANコントローラ53と、内部バス54とを備える。CPU50、ROM51、RAM52、及びCANコントローラ53はいずれも内部バス54に接続されており相互に通信が可能である。CPU50、ROM51、RAM52、CANコントローラ53、及び内部バス54でマイクロコンピュータを構成してもよい。CPU50は、図示しない車輌のオルタネータ、バッテリ等の電力供給装置から電力の供給を受け、ROM51から各種情報をRAM52へ読み出し、CANコントローラ53を制御し、フレームを送受信する。
ROM51には、CPU50が読み出して実行する制御プログラムが記憶されている。また、CPU50が参照する中継情報テーブル55及びメッセージID更新プログラム4が記憶されている。中継情報テーブル55については後述にて詳細を説明する。また、メッセージID更新プログラム4は、実施の形態1において説明したとおりであるため説明を省略する。RAM52には、CPU50の処理の過程で発生する情報が一時的に記憶される。
CANコントローラ53は、通信制御部56と、バッファ57と、第1送受信部58aと、第2送受信部58bと、外部送受信部59とを備え、CANプロトコルに準じ通信バス6a,6b,2を介した通信を実現する。
通信制御部56は、第1送受信部58a、第2送受信部58b又は外部送受信部59によりフレームを受信した場合にこれをCPU50へ通知する。そして通信制御部56は、受信したフレームを受信順にバッファ57に記憶する。通信制御部56は、CPU50からの指示に基づいてフレームを中継する。詳細には、通信制御部56はCPU50からの指示に基づき、バッファ57に記憶されているフレームを抽出し、中継先の通信バス6a,6b,2と接続する第1送受信部58a、第2送受信部58b又は外部送受信部59へ抽出したメッセージを受け渡して送信されるようにする。バッファ57は、SRAM、DRAM等のRAMを利用し、受信したメッセージを一時的に記憶する。
図11は、中継装置5のROM51に記憶されている中継情報テーブル55の内容例を示す説明図である。中継情報テーブル55には、フレームが夫々メッセージIDで区別して記憶されている。また、フレームの送信元の車載型通信装置7又は車載型通信装置3が接続されている通信バス6a,6b,2を識別する情報と、中継先の通信バス6a,6b,2を識別する情報とがメッセージIDに対応付けて記憶されている。具体的には、「1」は第1送受信部58aが接続されている通信バス6aを、「2」は第2送受信部58bが接続されている通信バス6bを、「3」は外部送受信部59が接続されている通信バス2を表わす。更に、フレームを送信する送信元の車載型通信装置7、車載型通信装置3を識別する情報もメッセージIDに対応付けて記憶されている。
図11の説明図の内容例では、メッセージIDが「100」であるフレームは、通信バス6a(バスID:1)に接続されている車載型通信装置7(ID:001)を送信元とし、通信バス6b(バスID:2)を中継先とする。メッセージIDが「110」であるフレームは、通信バス6a(バスID:1)に接続されている車載型通信装置7(ID:001)を送信元とし、通信バス6b(バスID:2)及び通信バス2(バスID:3)を中継先とする。また、メッセージIDが「400」であるフレームは、通信バス2(バスID:3)に接続されている車載型通信装置3(ID:400)を送信元とし、通信バス6a(バスID:1)を中継先とする。
CPU50は、第1送受信部58aからフレーム(メッセージID:100)を受信したことを通信制御部56からの通知により検知した場合、ROM51の中継情報テーブル55を参照し、受信したフレームのメッセージIDに基づいて中継先の通信バス6b(バスID:2)を特定する。CPU50は、通信制御部56により、特定した通信バス6bに接続している第2送受信部58bからフレーム(メッセージID:100)を送信する。このとき、フレームの中継が車内ネットワーク内であるので、中継装置5が受信したフレームのメッセージIDと、中継装置5が中継先へ送信するフレームのメッセージIDは同じとしている。
CPU50が、第1送受信部58aからフレーム(メッセージID:110)を受信したことを通信制御部56からの通知により検知した場合、ROM51の中継情報テーブル55を参照し、受信したフレームのメッセージIDに基づいて中継先の通信バス6b(バスID:2)、通信バス2(バスID:3)を特定する。CPU50は、通信制御部56により、特定した通信バス6bに接続している第2送受信部58bからフレーム(メッセージID:110)を送信する。このとき、フレームの中継が車内ネットワーク内であるので、中継装置5が受信したフレームのメッセージIDと、中継装置5が中継先(通信バス6b)へ送信するフレームのメッセージIDは同じとしている。また、中継装置5のCPU50は、通信制御部56により、特定した通信バス2に接続している外部送受信部59からも中継するフレームを送信するが、この際には、メッセージID更新プログラム4を用いて、送信するフレームに付すメッセージIDをフレームの送信毎に更新していく。
また、CPU50が、外部送受信部59からフレーム(メッセージID:400)を受信したことを通信制御部56からの通知により検知した場合、ROM51の中継情報テーブル55を参照し、受信したフレームのメッセージIDに基づいて中継先の通信バス6a(バスID:1)を特定する。中継装置5は、通信バス2に接続された車載型通信装置3との間では、メッセージID更新プログラム4を用いて、フレーム(メッセージID:400)のメッセージIDを更新しながら受信しているが、更新しているフレームの種別をメッセージIDの初期値である「400」等で認識することができる。
CPU50は、通信制御部56により、特定した通信バス6aに接続している第1送受信部58aからフレーム(メッセージID:400)を送信する。このとき、中継装置5のCPU50は、通信バス6aへ送信するフレームに付すメッセージIDを「400」に固定して送信する。
以上のように、通信バス6a、6bに車載型通信装置7,7・・・が接続された車内側ネットワークでは、フレームに付すメッセージIDをフレームの種別毎に固定したものとする一方、通信バス2に車載型通信装置3,3・・・が接続された車外側ネットワークは、メッセージID更新プログラム4により、メッセージIDを更新しながらフレームの送受信を行う。車内側ネットワークでは、フレームの種別毎にメッセージIDが固定されており、フレームの送受信を簡便に行うことができるとともに、車外側とのフレームの送受信では、メッセージIDを更新することで、非正規又は悪意のある車載型通信装置9による盗聴及びなりすましを防止することができる。
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 車載通信システム(通信システム)
2 通信バス(通信線)
3 車載型通信装置
33 CANコントローラ(送信手段、受信手段)
42 アルゴリズム演算処理部(演算手段)
43 更新処理部(更新手段)
5 中継装置
53 CANコントローラ(送信手段、受信手段)
6a,6b 通信バス(複数の通信線)

Claims (9)

  1. 複数の通信装置が接続された通信線上に複数種類のフレームが送信され、前記複数の通信装置夫々は、フレームに付された該フレームに係る種別を識別する種別識別情報に基づいてフレームを識別して受信する通信システムにおいて、
    一の通信装置は、フレームを前記通信線に送信する送信手段、該送信手段により送信するフレームに係る種別識別情報を所定の規則に基づいて演算する演算手段、及び該演算手段が演算した種別識別情報によりフレームの送信毎に該フレームに付す種別識別情報を更新する更新手段を有し、
    他の通信装置は、前記一の通信装置が送信するフレームに係る種別識別情報を前記所定の規則に基づいて演算する演算手段、フレームの識別に用いる種別識別情報をフレームの受信毎に前記演算手段が演算した種別識別情報により更新する第2更新手段、及び該第2更新手段により更新された種別識別情報に基づき前記一の通信装置が送信するフレームを識別して受信する受信手段を有する
    ことを特徴とする通信システム。
  2. 前記所定の規則は、送信回数に基づいて演算値が変化する演算アルゴリズムであることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記所定の規則は、シードに基づき擬似乱数列を生成するアルゴリズムであることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  4. 前記一の通信装置は、前記更新手段による種別識別情報の更新を開始することを通知する通知フレームを前記送信手段により送信することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の通信システム。
  5. 前記通知フレームは前記所定の規則に基づく演算に用いる数値を含むことを特徴とする請求項4に記載の通信システム。
  6. 前記他の通信装置は、前記通信線以外に、複数の通信線が接続されており、前記他の通信装置を介して、固定の種別識別情報によって識別されるフレームを送受信する複数の通信装置が前記複数の通信線のいずれかに接続されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の通信システム。
  7. 通信線に接続されており、フレームに該フレームの種別を識別する種別識別情報を付して前記通信線に送信する通信装置において、
    フレームを前記通信線に送信する送信手段と、
    該送信手段により送信するフレームに係る種別識別情報を所定の規則に基づいて演算する演算手段と、
    該演算手段が演算した種別識別情報によりフレームの送信毎に該フレームに付す種別識別情報を更新する更新手段と
    を備えることを特徴とする通信装置。
  8. 通信線に接続されており、フレームに付された該フレームに係る種別を識別する種別識別情報に基づいて前記通信線に送信されたフレームを識別して受信する通信装置において、
    前記通信線上に送信されるフレームに係る種別識別情報を所定の規則に基づいて演算する演算手段と、
    フレームの識別に用いる種別識別情報をフレームの受信毎に前記演算手段が演算した種別識別情報により更新する更新手段と、
    該更新手段により更新された種別識別情報に基づきフレームを識別して受信する受信手段と
    を備えることを特徴とする通信装置。
  9. 一の通信線に接続されて、該一の通信線に送信されるフレームを該フレームに係る種別を識別する種別識別情報に基づいて識別して受信するとともに、他の複数の通信線に接続されて、該他の複数の通信線に送信されるフレームを中継する中継装置において、
    前記一の通信線に送信されるフレームに係る種別識別情報を所定の規則に基づいて演算する演算手段と、
    前記一の通信線に送信されるフレームの識別に用いる種別識別情報をフレームの受信毎に前記演算手段が演算した種別識別情報により更新する更新手段と、
    該更新手段により更新された種別識別情報に基づきフレームを識別して受信する受信手段とを備え、
    前記他の複数の通信線に送信されるフレームを該フレームに付された固定の種別識別情報によって識別することを特徴とする中継装置。
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