JP2014016535A - 筐体 - Google Patents

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大樹 木鋪
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Abstract

【課題】電子機器の外観表面を構成する筐体について内部に組み込んだ部品とともに外観表面に表れる透明パネルをも保護すること。
【解決手段】角部14とその角部14の周囲に連なる平面部15を有する枠体13と、枠体13の内部に設ける補強部17と、枠体13と補強部17との間に設ける緩衝部18と、透明パネル12とを備え、
補強部17の少なくとも一部を透明パネル12の電子機器内部へ向けた投影領域よりも外側で且つ前記角部14の内側に配置するとともに、補強部17の曲げ弾性率を角部14よりも高く形成し、角部14の曲げ弾性率を平面部15よりも低く形成した。
【選択図】図3

Description

本発明は、携帯電話や携帯情報端末等の電子機器の筐体に関する。
携帯電話や携帯情報端末等の電子機器においては、内蔵する部品の高集積度化や高機能化、データ蓄積量の多大化、表示部の大画面化が進んでおり、持ち歩いて利用されることから内蔵する部品や表示部等の外部衝撃からの保護に対する要求が高まっている。
筐体内部の部品等の保護のためには、筐体の外側に緩衝部を付加する技術があり、例えば、特開平11−274746号公報(特許文献1)などに記載がある。しかしながら、外側に緩衝部を取付ける技術は、屋外で主に利用される携帯電子機器の外観品位を損なうことから採用し難い。
また、筐体内に緩衝部を設けその緩衝部を介して回路基板等を配置する技術があり、例えば、特開平09−008470号公報(特許文献2)などに記載がある。しかしながら、保護すべき部品と筐体との間に緩衝部を配置する技術は、筐体内部に設けた回路基板等の部品を保護しても、筐体の一部を構成する透明パネル(ディスプレイパネル)までを保護することはできない。
特開平11−274746号公報 特開平09−008470号公報
すなわち本発明は、内部に組み込んだ部品とともに外観表面に表れる透明パネルをも保護することができる筐体を提供することを目的としてなされたものであり、内蔵する電子部品や外観表面に表れる透明パネルを傷つけにくい筐体を提供するものである。
上記目的を達成すべく以下に示す筐体を提供する。
即ち、電子機器の外観表面を構成する筐体であって、角部とその角部の周囲に連なる平面部を有する枠体と、枠体の内部に設ける補強部と、枠体と補強部との間に設ける緩衝部と、透明パネルとを備え、補強部の少なくとも一部を透明パネルの電子機器内部へ向けた投影領域よりも外側で且つ前記角部の内側に配置するとともに、補強部の曲げ弾性率を角部よりも高く形成し、角部の曲げ弾性率を平面部よりも低く形成した筐体である。
電子機器の外観表面を構成する筐体であって、角部とその角部の周囲に連なる平面部を有する枠体を備えるため、落下等により角部に衝撃を受けやすいため角部での補強が問題になる。そして、枠体の内部に設ける補強部と、枠体と補強部との間に設ける緩衝部と、を備えるため、枠体を通じて伝わる衝撃をこの補強部と緩衝部で効果的に抑制することができる。
そして、透明パネルを備えるため、透明パネルの保護が要求されるが、補強部の少なくとも一部を透明パネルの電子機器内部へ向けた投影領域よりも外側で且つ前記角部の内側に配置したため、角部や平面部から透明パネルに伝達しようとする衝撃も透明パネルに到る前に緩衝部と補強部で吸収させることができる。そのため、外部からの衝撃に対して透明パネルを保護することができる。
加えて、補強部の曲げ弾性率を角部よりも高く形成したため、角部が変形しても補強部が変形し難くく、補強部より内側に配置される透明パネルや表示素子、基板、電子素子などの変形、破損を抑制することができる。さらに、角部の曲げ弾性率を平面部よりも低く形成したため、衝撃が伝わり易い角部が変形し衝撃を効果的に吸収することができる。
透明パネルには、その外縁に裏側に向かって薄肉になる傾斜面を形成し、この透明パネルの外縁と前記補強部との間に緩衝部を設けることが好ましい。
透明パネルの外縁に裏側に向かって薄肉になる傾斜面を設けたため、傾斜面を通じてスライドするように衝撃が加わるため、透明パネルを破損し難くすることができる。また、衝撃を受けると透明パネルに電子機器の内側に向かう力が働くため、緩衝部や補強部に衝撃が伝わり易くなって他の部品等への衝撃の伝達を抑制することができる。
本発明の筐体によれば、落下衝撃で透明パネルが割れ難く、電子機器の内部に設ける電子部品等の変形や破損を抑制することができる。
一実施形態における筐体の平面図である。 図1の領域R1を拡大した図3のSA−SA線相当断面図である。 図1のSB−SB線断面図である。 筐体が地面に落下するときの模式図である。 一実施形態における筐体の地面に落下する様子を示す模式断面図である。 一実施形態における筐体の地面と接触する様子を示す模式断面図である。 一実施形態における筐体の地面と接触して地面からの衝撃を受ける様子を示す模式断面図である。 別の実施形態による筐体の図3相当断面図である。 さらに別の実施形態による筐体の図3相当断面図である。
本発明について実施形態に基づきさらに詳細に説明する。以下の各実施形態で共通する構成については、同一の符号を付して重複説明を省略する。また、共通する材質、製造方法、作用、効果等についても重複説明を省略する。
第1実施形態〔図1〜図3〕:
図1に本実施形態の筐体11の平面図、図2には角部の拡大横断面図、図3に図1のSB−SB線断面図をそれぞれ示す。筐体11は、図1〜図3で示すように、電子機器1の外観表面を構成する透明パネル12とその透明パネル12を組み込む枠体13とからなり、その枠体13は、角部14と、その角部14の周囲に連なる平面部15とから構成されている。ここで平面部15は表面15aと裏面15b、2つの長手側面15c,15c、2つの短手側面15d,15dに区分されるように枠体13は直方体状となるが、表面15aの面積に比べて厚み(両側面15c,15d)が相対的に薄いため、表面15a側から、または裏面15b側から筐体11を見たときの四隅の部分に角部14,14,14,14を有する外観形状に形成されている。なお、角部14は、4隅の頂点から表裏両面15a,15bや長手短手両側面15c,15dに至るまでの丸みまたは傾斜を帯びた部分を含めた部分である。
枠体13の内部には、補強部17と緩衝部18とを備えている。
補強部17は、図2や図3で示すように、透明パネル12の電子機器1の内部へ向けた投影領域R2(図2参照)よりも外側にその一部が位置し、且つ角部14の内側に配置している。換言すれば、透明パネル12の外縁に囲まれる領域よりも、補強部17の少なくとも一部が外側にはみ出した位置で且つ角部14の内側に配置している。
緩衝部18は、角部14と補強部17との間に設けられ、電子機器1の外部から伝達される振動を和らげ、衝撃を吸収する部位である。
本実施形態では、透明パネル12の外縁と補強部17との間にも緩衝部18を備えており、緩衝部18は図3で示すような断面L字状に形成されている。
こうした筐体11を構成する各部位についてさらに詳細に説明する。
枠体13に用いられる材質は、金属や樹脂が挙げられる。金属は強靭で高級感を表出する点で好ましいが、材料費や加工費が高い。一方、樹脂は、金属よりも強度で劣るものの、成形性が良く低コストで製造できる利点がある。金属材料としては、アルミニウム合金、ステンレス、マグネシウム合金など、樹脂材料としては、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびこららの樹脂のアロイ樹脂などを挙げることができる。これらの中でも、機械的強度などの物性および信頼性、価格の点からポリカーボネート/ABSアロイ樹脂が好適である。
枠体13の角部14は、長手側面15cや短手側面15dを構成する平面部15よりも曲げ弾性率を低く形成している。具体的には図2で示すように、角部14に両側面15c,15dよりも肉厚を薄くした薄肉部14aを形成している。
曲げ弾性率を低くしたため、衝撃が加わった際に両側面15c,15dよりも角部14の方が曲げ変形を起こしやすい。そして、この曲げ変形が起こる過程で衝撃を緩和するので、筐体11内部への衝撃の伝達を少なくすることができる。また、角部14の内側に緩衝部18を設けることで角部14の変形が緩衝部18に伝わり、緩衝部18の変形をもたらすため衝撃を吸収し易い。
角部14の形状はその断面が円弧状となるような丸みを帯びた形状とすることが好ましい。断面円弧状であると、落とした際の衝撃が内部に直接的に伝わり難く、角部14の形状による弾性反発を発揮しやすいためである。
補強部17に用いられる材質も金属や樹脂が挙げられる。金属は強靭であり筐体11の補強のためには良い材料である。樹脂は金属よりも強度で劣るが、成形性が良く軽量である点で好ましい。
この補強部17の曲げ弾性率は、枠体13の角部14よりも高く形成している。補強部17の曲げ弾性率を角部14より高くするために、補強部の材質には角部14に用いる材質よりも曲げ弾性率の高い材質を用いることができる。また、角部14に比べて補強部17の厚さを厚くすることで曲げ弾性率を高くすることができる。
図3で示した補強部17は、枠体13の裏面15bから壁状に突出させた突出部を設けて裏面15bと一体に形成しており、この突出部の裏面15bに沿う方向の厚みを薄肉部14aの裏面15bに沿う方向の厚みよりも厚くしている。
補強部17の曲げ弾性率が角部14よりも高いため、落下による衝撃を受けても補強部17の変形を起こし難くすることができる。すなわち、角部14が変形したとしても補強部17が変形し難いため、角部14と補強部17とに挟まれた緩衝部18が十分に変形して衝撃を吸収する一方で、補強部17が内側に変形することなく、補強部17より内側に配置される表示素子や基板、電子素子などの変形や破損を防止することができる。また、補強部17の少なくとも一部は透明パネル12の外縁よりも外側に位置するため、補強部17よりも内側に位置する透明パネル12の破損を起こし難くすることができる。
緩衝部18の材質としては、ゴム、熱可塑性エラストマー、ゲル等を挙げることができる。より具体的には、ゴムとしてはブチルゴムやアクリルゴムなど、熱可塑性エラストマーとしてはスチレン系エラストマーなど、ゲルとしてはシリコーンゲルなどである。これらの中では緩衝特性の点からブチルゴム、アクリルゴム、スチレン系エラストマーを用いることが好ましい。また、価格を考慮するとスチレン系エラストマーを用いることが特に好ましい。
緩衝部18の硬さは、JIS K6253規定のゴム硬さでA10〜A70であることが好ましい。A10より柔らかいと、弱い衝撃で潰れきってしまうため十分な緩衝性を発揮できないおそれがある。A70よりも硬いと変形し難いため衝撃が内部に伝わりやすくなり緩衝吸収性が低くなる。
本実施形態での緩衝部18は、図2で示すように角部14と補強部17との間に挟まれる位置に設けられる一方で、図3で示すように補強部17と透明パネル12との間に挟まる位置で、かつ透明パネル12の外縁の真下よりも外側に張り出すように収容されるため、透明パネル12に直接的に加わる衝撃を緩和することができる。
透明パネル12は、典型的にはディスプレイパネルであり、筐体11の少なくとも1つの面において液晶等の表示素子の外側に配置される部材である。表示素子の保護カバーとして表示素子とは別に透明パネル12を設けることができるが、表示素子自体が筐体の外部に表出するような場合には、表示素子の最外面に設けた透明素材が透明パネル12となり得る。透明パネル12には、高級感、透明性および耐傷付き性などが要求され、こうした特性を備えた材質として、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ガラスなどが用いられるが、特に高級感と耐傷付き性に優れるガラスが好適である。
本実施形態では、透明パネル12の外縁に裏側に向かって薄肉になる傾斜面S1を設けている。そして、この傾斜面S1に対応するように、枠体13の表面15aを形成する部位も傾斜面S2としている。
電子機器1が地面Gに落下する際(図4、図5参照)、地面Gから角部14に伝わる衝撃を角部14の変形や緩衝部18の変形により吸収する(図6参照)一方で、透明パネル12の傾斜面S1を有するため、傾斜面S1は表面15aの傾斜面S2に対してスライドし、落下方向の法線方向にスライドする(図7参照)。本実施形態では透明パネル12の外縁が緩衝部18に接しているため、緩衝部18の柔軟性によりスライド移動がし易くなっている。
こうした構造をしているため、透明パネル12の外周側、即ち、角部14や側面15c,15dから透明パネル12に衝撃が伝わっても、スライドによって透明パネル12に対する圧縮方向の応力を緩和し、緩衝部18を圧縮することで衝撃を吸収することができる。即ち、角部14とその角部14に隣接する緩衝部18の変形、および透明パネル12のスライドといった2段階に亘る緩衝機構により、透明パネル12の割れ防止に機能し、筐体11は落下衝撃に対して極めて高い緩衝性を発揮する。
変形例〔図8〕:
上記実施形態において補強部17は、枠体13の一部として形成しているが、図8で示す筐体11aのように、枠体13とは別部材として製造した補強部17aを取付けてもよい。別部材とすることで、枠体13には樹脂を用い、補強部17aには金属を用いるなどのように材質を変えて曲げ弾性率を変化させることができる。枠体13と補強部17aとの固定は、接着剤による他、ネジ止め、カシメ等種々の固定方法を採用することができる。また、その形状も図8で示した形状は一例であり、角部14に対向する面を備える形状とすることができる。
第2実施形態〔図9〕:
本実施形態の筐体21は、透明パネル12の外縁を傾斜面とせずに枠体13の表面15aに固着している。また、補強部17と透明パネル12の間には緩衝部18を配置せず、補強部17が枠体13の表面15aと透明パネル12の双方を受けるように構成した点で、前記実施形態の筐体11と異なる。
筐体21では、透明パネル12のスライドは起こらないが、角部14や緩衝部18の変形によって落下衝撃を緩和して、透明パネル12を衝撃から守ることができる。また、透明パネル12を筐体21に確実に固着することができるため、落下衝撃を受けても透明パネル12を枠体13から外れ難くすることができる。
上記実施形態で説明した各部の形状、原料等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更すること、例えば上記以外の公知の原料の使用等ができ、こうした変更も本発明の技術的思想の範囲に含まれるものである。
1 電子機器
11,11a,21 筐体
12 透明パネル
13 枠体
14 角部
14a 薄肉部
15 平面部
15a 表面
15b 裏面
15c 長手側面
15d 短手側面
17,17a 補強部
18 緩衝部
S1,S2 傾斜面
G 地面

Claims (2)

  1. 電子機器の外観表面を構成する筐体であって、
    角部とその角部の周囲に連なる平面部を有する枠体と、枠体の内部に設ける補強部と、枠体と補強部との間に設ける緩衝部と、透明パネルとを備え、
    補強部の少なくとも一部を透明パネルの電子機器内部へ向けた投影領域よりも外側で且つ前記角部の内側に配置するとともに、補強部の曲げ弾性率を角部よりも高く形成し、角部の曲げ弾性率を平面部よりも低く形成した筐体。
  2. 透明パネルには、その外縁に裏側に向かって薄肉になる傾斜面を形成し、この透明パネルの外縁と前記補強部との間に緩衝部を設ける請求項1記載の筐体。
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