JP2014015050A - 液体吐出装置、及び、液体吐出方法 - Google Patents

液体吐出装置、及び、液体吐出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体の吐出を安定化することができる液体吐出装置を提供する。
【解決手段】液体吐出装置は、温度を取得する温度取得部(温度センサー51)と、ノズルに連通された圧力室と、圧力室内の液体に圧力変化を与える動作をする素子と、ノズルから液体を吐出させる動作を素子にさせる先行吐出パルス及び後行吐出パルスを生成し、先行吐出パルスの生成終了から後行吐出パルスの生成開始までのパルス間隔(Pwdis)を、温度センサーによる検出温度に応じて定めるパルス生成部30,60とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体吐出装置、及び、液体吐出方法に関する。
インクジェットプリンター等の液体吐出装置では、液体の吐出量を吐出パルスの波形によって定めるとともに、繰り返し周期内に含まれる吐出パルス同士の間隔をインク滴の着弾位置に基づいて定めることが一般的であった(例えば特許文献1を参照)。そして、この液体吐出装置では、先のインク滴の吐出によるインクの圧力振動(残留振動)が収まってから後のインク滴を吐出させることが行われていた。
特開2002−225250号公報
しかし、液体の高周波吐出への要求は強く、インク滴の吐出周波数を向上させるための試みが行われている。これにより、相前後する吐出パルス同士の間隔を狭めることとなり、強い残留振動が残っている状態で次のインク滴を吐出するための動作を行わざるを得なくなっている。この場合、周囲の温度に応じて液体の吐出安定性が損なわれてしまうことがあった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体の吐出を安定化することにある。
前記目的を達成するための主たる発明は、
温度を取得する温度取得部と、
ノズルに連通された圧力室と、
前記圧力室内の液体に圧力変化を与える動作をする素子と、
前記ノズルから液体を吐出させる動作を前記素子にさせる先行吐出パルス及び後行吐出パルスを生成し、前記先行吐出パルスの生成終了から前記後行吐出パルスの生成開始までのパルス間隔を、前記温度取得部による取得温度に応じて定めるパルス生成部と、
を有する液体吐出装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
図1Aは、印刷システムの構成を説明するブロック図。図1Bは、メモリーに設けられる記憶領域を説明するための概念図。 ヘッドの断面図。 インク流路の構造を模式的に説明する図。 駆動信号生成回路等の構成を説明するブロック図。 駆動信号の一例を説明する図。 1つの吐出パルスでインク滴を吐出させた場合のメニスカスの状態変化であって、温度毎の違いを説明する図。 図6におけるメニスカスの移動速度を説明する図。 温度15℃、パルス間隔30μsのメニスカスの状態変化を示す図。 温度15℃、パルス間隔10μsのメニスカスの状態変化を示す図。 温度15℃、パルス間隔8μsのメニスカスの状態変化を示す図。 温度15℃、パルス間隔5μsのメニスカスの状態変化を示す図。 温度15℃、パルス間隔3μsのメニスカスの状態変化を示す図。 温度15℃、パルス間隔1μsのメニスカスの状態変化を示す図。 温度25℃、パルス間隔30μsのメニスカスの状態変化を示す図。 温度25℃、パルス間隔10μsのメニスカスの状態変化を示す図。 温度25℃、パルス間隔8μsのメニスカスの状態変化を示す図。 温度25℃、パルス間隔5μsのメニスカスの状態変化を示す図。 温度25℃、パルス間隔3μsのメニスカスの状態変化を示す図。 温度25℃、パルス間隔1μsのメニスカスの状態変化を示す図。 温度40℃、パルス間隔30μsのメニスカスの状態変化を示す図。 温度40℃、パルス間隔10μsのメニスカスの状態変化を示す図。 温度40℃、パルス間隔8μsのメニスカスの状態変化を示す図。 温度40℃、パルス間隔5μsのメニスカスの状態変化を示す図。 温度40℃、パルス間隔3μsのメニスカスの状態変化を示す図。 温度40℃、パルス間隔1μsのメニスカスの状態変化を示す図。 図26Aは、駆動信号を温度毎に説明する図。図26Bは、関係式、検出温度、及び、パルス間隔を示す図。 他のヘッドによる、温度15℃のメニスカスの状態変化を示す図。 他のヘッドによる、温度25℃のメニスカスの状態変化を示す図。 他のヘッドによる、温度40℃のメニスカスの状態変化を示す図。 図30Aは、他のヘッドについての駆動信号を温度毎に説明する図。図26Bは、他のヘッドについての関係式、検出温度、及び、パルス間隔を示す図。
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
すなわち、温度を取得する温度取得部と、ノズルに連通された圧力室と、前記圧力室内の液体に圧力変化を与える動作をする素子と、前記ノズルから液体を吐出させる動作を前記素子にさせる先行吐出パルス及び後行吐出パルスを生成し、前記先行吐出パルスの生成終了から前記後行吐出パルスの生成開始までのパルス間隔を、前記温度取得部による取得温度に応じて定めるパルス生成部と、を有する液体吐出装置を実現できることが明らかにされる。
このような液体吐出装置によれば、後行吐出パルスの印加開始時点における液体の状態がパルス間隔に応じて定められ、適当な状態の時点で後行吐出パルスの印加を開始できる。これにより、液体の吐出を安定化できる。
かかる液体吐出装置であって、前記パルス生成部は、前記先行吐出パルスの生成終了から、前記圧力室における液体の固有振動周期の1周期以内に、前記後行吐出パルスの生成を開始することが好ましい。
このような液体吐出装置によれば、大きな残留振動が生じていても、液体の状態が適正な時点から後行吐出パルスの素子への印加を開始できる。これにより、液体滴を高い周波数で吐出する場合において、液体の吐出を安定化できる。
かかる液体吐出装置であって、前記パルス生成部は、前記検出温度と前記パルス間隔の関係を示す関係式を記憶する関係式記憶部を有することが好ましい。
このような液体吐出装置によれば、パルス間隔を精度良く設定できる。
かかる液体吐出装置であって、前記関係式記憶部は、前記関係式を、前記圧力室における液体の固有振動周期に応じた複数種類記憶することが好ましい。
このような液体吐出装置によれば、圧力室における液体の固有振動周期が異なる仕様に対して容易に対応できる。
かかる液体吐出装置であって、前記パルス生成部は、前記先行吐出パルスの電圧情報、及び、前記後行吐出パルスの電圧情報を記憶する電圧情報記憶部を有し、これらの電圧情報を用いて前記先行吐出パルス及び前記後行吐出パルスを生成することが好ましい。
このような液体吐出装置によれば、電圧波形が精度良く定められた吐出パルスを生成できる。
また、次の液体吐出方法を実現できることも明らかにされる。
すなわち、温度を取得する温度取得部、ノズルに連通された圧力室、前記圧力室内の液体に圧力変化を与える動作をする素子、及び、前記素子を動作させるパルスを生成するパルス生成部を有する液体吐出装置を用い、前記ノズルから前記液体を吐出させる液体吐出方法であって、前記温度取得部から温度を取得すること、前記素子を動作させる先行吐出パルスを生成すること、前記先行吐出パルスによって前記素子を動作させ、前記ノズルから前記液体を吐出させること、前記先行吐出パルスの生成終了から前記取得温度に応じて定めたパルス間隔の経過後に後行吐出パルスを生成すること、前記後行吐出パルスによって前記素子を動作させ、前記ノズルから前記液体を吐出させること、を有する液体吐出方法を実現できることも明らかにされる。
===第1実施形態===
<印刷システムについて>
図1Aに例示した印刷システムは、プリンター1と、コンピューターCPとを有する。プリンター1は液体吐出装置に相当し、用紙、布、フィルム等の媒体に向けて、液体の一種であるインクを吐出する。媒体は、液体が吐出される対象となる対象物である。コンピューターCPは、プリンター1と通信可能に接続されている。プリンター1に画像を印刷させるため、コンピューターCPは、その画像に応じた印刷データをプリンター1に送信する。
===プリンター1の概要===
プリンター1は、用紙搬送機構10、キャリッジ移動機構20、駆動信号生成回路30、ヘッドユニット40、検出器群50、及び、主制御部60を有する。
用紙搬送機構10は媒体搬送部に相当し、媒体としての用紙を搬送方向に搬送させる。キャリッジ移動機構20はヘッド移動部に相当し、ヘッドユニット40が取り付けられたキャリッジを所定の移動方向(例えば紙幅方向(搬送方向と交差する交差方向に相当する))へ移動させる。駆動信号生成回路30は、駆動信号COMを生成する。この駆動信号COMは、用紙への印刷時にヘッド(ピエゾ素子45,図2を参照)へ印加されるものであり、図5に一例を示すように、吐出パルスPSを含む一連の信号である。ここで、吐出パルスPSとは、ヘッドHDが有するノズル44(図2を参照)から滴状のインクを吐出させるため、ピエゾ素子45に所定の動作を行わせる電圧の変化パターン、すなわち電圧波形である。駆動信号COMが吐出パルスPSを含むことから、駆動信号生成回路30及び制御信号(DACデータ)を出力する主制御部60は、パルス生成部に相当する。なお、駆動信号生成回路30の構成や吐出パルスPSについては、後で説明する。
ヘッドユニット40は、ヘッドHDとヘッド制御部HCとを有する。ヘッドHDは液体吐出ヘッドの一種であり、インクを用紙に向けて吐出させる。ヘッド制御部HCは、主制御部60からのヘッド制御信号に基づき、ヘッドHDを制御する。なお、ヘッドHDについては後で説明する。検出器群50は、プリンター1の状況を監視する複数の検出器によって構成される。これらの検出器の中には、温度センサー51が含まれる。温度センサー51は、温度取得部の一種であり、ヘッドユニット40に設けられてヘッドHDの周辺温度を検出する。なお、温度センサー51は、プリンター1が使用されている環境の温度を検出できればよいので、必ずしもヘッドユニット40に設けられている必要はない。例えば、温度センサー51をハウジングに配置して、プリンター1の機内温度を検出するように構成してもよい。また、温度センサー51をキャリッジに配置してもよい。これらの検出器による検出結果は、主制御部60に出力される。主制御部60は、プリンター1における全体的な制御を行う。この主制御部60についても後で説明する。
===プリンター1の要部===
<ヘッドHDについて>
図2に示すように、ヘッドHDは、共通インク室41と、インク供給口42と、圧力室43と、ノズル44とを有する。そして、共通インク室41から圧力室43を通ってノズル44に至る一連のインク流路(液体で満たされる液体流路に相当する)をノズル44に対応する複数有している。共通インク室41は、インクカートリッジ(図示せず)からのインクが貯留される部分であり、共通液室に相当する。インク供給口42は、共通インク室41に溜められたインクを圧力室43に供給するための絞り流路であり、液体供給部の一種である。圧力室43は、インク流路内のインクに圧力変化を与えるための部分である。ノズル44は、インクが吐出される部分であり、圧力室43と連通している。
このヘッドHDにおいて、圧力室43の容積はピエゾ素子45の動作によって変化される。すなわち、圧力室43の一部は振動板46によって区画され、圧力室43とは反対側となる振動板46の表面にはピエゾ素子45が設けられている。ピエゾ素子45はそれぞれの圧力室43に対応して設けられている。各ピエゾ素子45は、例えば圧電体を上電極と下電極とで挟んだ構成であり(何れも図示せず。)、これらの電極間に電位差を与えることにより変形する。この例では、上電極の電位を上昇させると圧電体が充電される。これに伴って、ピエゾ素子45は圧力室43側に凸となるように撓んで圧力室43を収縮させる。また、上電極の電位を下降させると圧電体が放電され、撓みの度合いが緩やかになる。このため、その分だけ圧力室43の容積が拡がる。
このヘッドHDでは、振動板46における圧力室43を区画している部分が区画部に相当し、ピエゾ素子45の変形に伴って変形して圧力室43内のインクに圧力変化を与える。このヘッドHDでは、圧力室43内のインクに圧力変化を与え、この圧力変化を利用してインク滴を吐出させている。
<インク流路について>
前述したように、このヘッドHDにはインク流路がノズル44毎に設けられている。このインク流路では、圧力室43に対してノズル44及びインク供給口42がそれぞれ連通している。このため、インクの流れなどの特性を解析する場合、ヘルムホルツの共鳴器の考え方が適用される。図3は、この考え方に基づくインク流路の構造を模式的に説明する図である。模式的に示している関係から、図3ではインク流路を実際とは異なる形状で示している。
このインク流路では、圧力室43内のインクに圧力変化を与えることで、ノズル44からインクを吐出させる。このとき、圧力室43、インク供給口42、及び、ノズル44は、ヘルムホルツの共鳴器のように機能する。このため、圧力室43内のインクに圧力が加わると、この圧力の大きさはヘルムホルツ周期Tcと呼ばれる固有の周期で変化する。すなわち、インクには圧力振動が生じる。
ここで、ヘルムホルツ周期Tc(圧力室43内におけるインクの固有振動周期)は、一般的には次式(1)で表すことができる。
Tc=1/f
f=1/2π√〔(Mn+Ms)/(Mn×Ms×(Cc+Ci))〕・・・(1)
式(1)において、Mnはノズル44のイナータンス(単位断面積あたりのインクの質量)、Msはインク供給口42のイナータンス、Ccは圧力室43のコンプライアンス(単位圧力あたりの容積変化、柔らかさの度合いを示す。)、Ciはインクのコンプライアンス(Ci=体積V/〔密度ρ×音速c2〕)である。
この圧力振動の振幅は、インク流路をインクが流れることで次第に小さくなる。例えば、ノズル44やインク供給口42における損失、及び、圧力室43を区画する壁部等における損失により、圧力振動は減衰する。
一般的なヘッドHDにおいて、圧力室43におけるヘルムホルツ周期Tcは5μsから10μsの範囲内に定められる。なお、このヘルムホルツ周期Tcは、隣り合う圧力室43同士を区画する壁部の厚さ、振動板46の厚さやコンプライアンス、ノズルプレートの素材や厚さによっても変化する。
<主制御部60について>
主制御部60(メインコントローラー)は、プリンター1における全体的な制御を行う。例えば、コンピューターCPから受け取った印刷データや各検出器からの検出結果に基づいて制御対象部を制御し、用紙に画像を印刷させる。図1Aに示すように、主制御部60は、インタフェース部61と、CPU62と、メモリー63とを有する。インタフェース部61は、コンピューターCPとの間でデータの受け渡しを行う。CPU62は、プリンター1の全体的な制御を行う。メモリー63は、コンピュータープログラムを記憶する領域や作業領域等を確保する。例えば、図1Bに示すように、メモリー63の一部領域は、ファームウェアを記憶するファームウェア記憶領域、DACデータ(駆動信号COMを生成させるための制御信号)を記憶するDACデータ記憶領域、駆動信号COMに含まれる吐出パルスPS,PS同士の間隔と温度センサー51による検出温度との関係を定める関係式(後述する)を記憶するための関係式記憶領域とを有する。この関係式記憶領域は、パルス間隔Pwdis(図5等を参照)を示すパルス間隔情報を記憶したパルス間隔情報記憶領域に相当する。そして、関係式記憶領域を有するメモリー63は、関係式記憶部に相当する。また、この関係式は、ヘッドHD毎に定められるヘルムホルツ周期Tcに応じた複数種類記憶される。
CPU62は、メモリー63に記憶されているコンピュータープログラムに従い、各制御対象部を制御する。例えば、CPU62は、用紙搬送機構10やキャリッジ移動機構20を制御する。また、CPU62は、ヘッドHDの動作を制御するためのヘッド制御信号をヘッド制御部HCに送信したり、DACデータを駆動信号生成回路30に送信したりする。DACデータは、生成される駆動信号COMにおける電圧の時系列での変化を定めるものであり、駆動信号COMの生成時に読み出されて駆動信号生成回路30へ出力される。このようなDACデータは、駆動信号COM(吐出パルスPS)の電圧を示す電圧情報ともいえる。そして、DACデータ記憶領域は電圧情報記憶領域に相当し、メモリー63は電圧情報記憶部に相当する。
<駆動信号生成回路30について>
駆動信号生成回路30は、主制御部60とともにパルス生成部として機能し、DACデータに基づき、吐出パルスPSを含んだ駆動信号COMを生成する。図4に示すように、駆動信号生成回路30は、DAC回路31と、電圧増幅回路32と、電流増幅回路33とを有する。DAC回路31は、デジタルのDACデータをアナログ信号に変換する。電圧増幅回路32は、DAC回路31で変換されたアナログ信号の電圧を、ピエゾ素子45を駆動できるレベルまで増幅し、波形信号として出力する。電流増幅回路33は、電圧増幅回路32からの波形信号について電流の増幅をし、駆動信号COMとして出力する。この電流増幅回路33は、例えば、プッシュプル接続されたトランジスタ対によって構成される。
<ヘッド制御部HCについて>
ヘッド制御部HCは、駆動信号生成回路30で生成された駆動信号COMの必要部分をヘッド制御信号に基づいて選択し、ピエゾ素子45へ印加する。このため、ヘッド制御部HCは、図4に示すように、駆動信号COMの供給線の途中に、ピエゾ素子45毎に設けられた複数のスイッチ47を有する。ヘッド制御部HCは、ヘッド制御信号からスイッチ制御信号を生成する。このスイッチ制御信号によって各スイッチ47を制御することで、駆動信号COMの必要部分、例えば吐出パルスPSがピエゾ素子45へ印加される。このとき、必要部分の選択の仕方次第で、ノズル44からのインクの吐出を制御できる。例えば、ドット階調に応じて必要な吐出パルスPSを選択し、ピエゾ素子45へ印加できる。このようなヘッド制御部HCは、駆動信号COMに含まれる吐出パルスPSを主制御部60からのヘッド制御信号に応じて選択し、ピエゾ素子45へ印加するパルス印加部に相当する。
<駆動信号COMについて>
次に、駆動信号生成回路30によって生成される駆動信号COMの概略について説明する。図5に示すように、駆動信号COMには、繰り返し生成される複数の吐出パルスPSが含まれている。例示した吐出パルスPSは、いずれも同じ波形をしている。すなわち、電圧の変化パターンが同じである。前述したように、この駆動信号COMは、ピエゾ素子45が有する上電極に印加される。これにより、固定電位とされた共通電極との間に波形に応じた電位差が生じる。その結果、ピエゾ素子45は波形に応じて変形し、圧力室43の容積を変化させる。例示した吐出パルスPSは、第1減圧部分Pd1と第1ホールド部分Ph1と加圧部分Pc1と第2ホールド部分Ph2と第2減圧部分Pd2とを有している。
この駆動信号COMでは、各吐出パルスPS同士の間に定電圧部分Piを生成している。そして、各吐出パルスPSがピエゾ素子45へ印加されるインターバルは、定電圧部分Piの生成期間(パルス間隔Pwdis)に応じて定まる。すなわち、インク滴の吐出周波数は、吐出パルスPSの生成期間と定電圧部分Piの生成期間とを加算した期間によって定まる。
<プリンター1の特徴について>
このプリンター1では、印刷の高速化が求められている。印刷を高速化するためには、インク滴の吐出周波数を高める必要がある。ここで、インク供給口42から圧力室43を経てノズル44に至る一連のインク流路は、前述したようにヘルムホルツの共鳴器のように動作をする。このため、インク滴を吐出した後に圧力室43のインクには圧力振動が残る。この圧力振動(残留振動)は時間の経過とともに減衰するが、吐出周波数を高めた場合には残留振動が減衰されない状態で次の吐出パルスPS(後行吐出パルスPS)の印加を開始せざるを得ない。従って、インク滴の吐出を安定化させるためには、後行吐出パルスPSの印加開始タイミング、言い換えれば相前後する吐出パルスPS同士のパルス間隔Pwdisを精度よく定める必要がある。
ところで、高い周波数でインク滴を吐出させた場合、或る温度では吐出が安定的に行われていたが、別の温度では吐出の安定性が損なわれてしまうことがあった。図6は、この種のプリンター1で用いられるインクを用いた場合のインク滴の吐出動作をシュミレーションした結果である。図6において、縦軸はメニスカス(ノズル44で露出しているインクの自由表面)の状態をインクの量で示しており、横軸は吐出パルスPSの印加開始からの経過時間を示す。インク量に関し、数値[0]は定常状態(大気圧とバランスしている状態)におけるメニスカスの位置を示している。そして、数値が正側(+側)に大きくなると、その分メニスカスが吐出側へ移動していることを意味し、負側(−側)に大きくなると、その分メニスカスが圧力室43側へ移動していることを意味する。
図6において、実線は、ヘッドHDの周辺温度が25℃の場合のシミュレーションデータである。同様に、一点鎖線は周辺温度が15℃の場合、破線は周辺温度が40℃の場合のシュミレーションデータである。ここで、25℃は、プリンター1の使用温度として想定される基準温度である。15℃は、プリンター1の低温側の保証温度として想定される温度であり、40℃は、プリンター1の高温側の保証温度として想定される温度である。
まず、吐出パルスPSをピエゾ素子45へ印加した場合におけるインクの挙動について説明する。吐出パルスPSの第1減圧部分Pd1がピエゾ素子45へ印加されると、圧力室43は基準容積から最大容積まで膨張する。この膨張に伴い圧力室43内のインクが負圧となり、インクがインク供給口42を通じて圧力室43側に流入する。また、インクが負圧になったことに伴って、メニスカスがノズル44内で圧力室43側(−側)に引き込まれる。
メニスカスの圧力室43側への移動は、第1減圧部分Pd1の印加終了後も継続される。すなわち、圧力室43を区画する壁部や振動板46のコンプライアンス等により、メニスカスは第1ホールド部分Ph1の印加期間中も圧力室43側へ移動する。その後、メニスカスの移動方向が反転する。このとき、加圧部分Pc1の印加に伴う圧力室43の収縮も加わる。このため、圧力室43内のインク圧力が高くなり、メニスカスは吐出側(+側)へ高速で移動する。加圧部分Pc1の印加に伴って移動したメニスカスは柱状になる。そして、加圧部分Pc1のピエゾ素子45への印加終了後(第2ホールド部分Ph2の印加中)のタイミングt3にて、ノズル44からインク滴が吐出される。すなわち、柱状になったメニスカスの先端側の一部分が切れ、滴状になって吐出される。
吐出の反動で、メニスカスは圧力室43側に速い速度で戻る。その際に、第2減圧部分Pd2がピエゾ素子45へ印加されて圧力室43は基準容積に戻る。このときの容積変化によってメニスカスの移動速度を緩やかにする。そして、圧力室43側に十分引き込まれたら、メニスカスは、移動方向を吐出側に切り替える。その後、メニスカスは、移動方向を圧力室43側と吐出側とに切り替えながら移動し、定常状態に近付く。このように、メニスカスが圧力室43側と吐出側と移動するのは、前述したように、インク滴吐出後の残留振動による。従って、圧力室43内のインクの圧力は、ヘルムホルツ周期Tcで変化する。
このシミュレーションデータにおいて、10μsにおけるピーク値がインク滴の吐出量を示す。各温度での吐出量が揃っていることから、吐出パルスPSの駆動電圧、すなわち図5に示す最高電圧と最低電圧の差を、温度に応じて調整していることが判る。また、このシミュレーションデータより、インク滴が吐出されるまでの期間において、各温度でメニスカスの動きに大きな違いはないことが判る。しかし、インク滴が吐出された後において、各温度でメニスカスの動きに違いが見られる。
インク滴吐出後のピーク値を25℃のインク量X2を基準にして比較する。15℃ではメニスカスの振幅が25℃よりも小さく、インク滴の吐出後に圧力室43側へ引き込まれたメニスカスが、定常状態の位置へ向けて緩やかに(ノズル44内を少しずつ吐出方向へ移動しながら)戻っていることが判る。そして、45μs経過時点のピーク値(インク量X3)はインク量X2よりも十分に少なく、インク量0に近い値になっている。40℃ではメニスカスの振幅が25℃よりも大きく、メニスカスが定常状態よりも吐出側へ大きく盛り上がった後に定常状態へ戻っていることが判る。40μs経過時点のピーク値(インク量X1)はインク量X2の2倍以上となっており、この分だけメニスカスが吐出側に盛り上がっていることが判る。そして、このようなメニスカスの盛り上がりが、インク滴の吐出を不安定にしていると考えられる。
このようなメニスカスの状態の違いを生じさせる要因の一つに、インクの粘度が温度によって変化することが考えられる。ノズル44やインク供給口42等のように、断面が円形状の流路における流路抵抗は、次式(2)で表すことができる。また、圧力室43のように、断面が矩形状の流路における流路抵抗は、次式(3)で表すことができる。
流路抵抗R=(8×μ×L)/(π×r) ・・・ (2)
流路抵抗R=(12×μ×L)/(W×H) ・・・ (3)
これらの式(2),(3)において、μはインクの粘度、Lは流路の長さ、πは円周率、rは流路の半径、Wは流路の幅、Hは流路の高さである。
これらの式(2),(3)から、インクの粘度が低くなれば流路抵抗は小さくなり、インクの粘度が高くなれば流路抵抗が大きくなることが判る。また、図7は、メニスカスの移動速度を温度毎に示す図である。この図7において、縦軸はメニスカスの移動速度を示し、速度[0]はメニスカスが吐出側にも圧力室43側にも移動していない状態を示す。そして、正側に値が大きくなるほど、メニスカスが吐出側に高速で移動していることを示し、負側に値が大きくなるほど、メニスカスが圧力室43側に高速で移動していることを示す。図7から周辺温度が高いほど、速度の変化幅が大きくなっていることが判る。これは、流路抵抗が小さくなっていることから残留振動の減衰度合いも小さくなっているからと考えられる。このように、インク滴の吐出後におけるメニスカスの振動状態が異なるため、吐出安定性に影響を与えていると考えられる。
以上のことを踏まえて、このプリンター1では、相前後して生成される吐出パルスPS同士のパルス間隔Pwdisを周辺温度に応じて変えている。このため、先行吐出パルスPSの生成終了から後行吐出パルスPSの生成開始までのパルス間隔Pwdisとメニスカスの状態を温度毎に取得し、周辺温度とパルス間隔Pwdisの関係を示す関係式を求める。そして、求めた関係式を予めメモリー63に記憶させる。主制御部60は、温度センサー51による検出結果に応じてパルス間隔Pwdisを取得し、DACデータの生成時にこのパルス間隔Pwdisを使用する。これにより、インク滴の吐出を安定化させている。以下、これらのことについて詳しく説明する。
<パルス間隔Pwdisとメニスカスの動きについて>
まず、パルス間隔Pwdisとインクの吐出量との関係について説明する。ここで、図8から図13は、温度15℃におけるパルス間隔Pwdisとメニスカスの動きの関係を説明する図である。これらの図において、縦軸及び横軸は図6と同じであるので、説明は省略する。
図8は、先行吐出パルスPSの印加(生成)終了から後行吐出パルスPSの印加(生成)開始までのパルス間隔Pwdisが30μsのときのメニスカスの動きを説明する図である。パルス間隔Pwdisが30μsの場合、先行吐出パルスPSのピエゾ素子45への印加後、メニスカスがほぼ定常状態に戻った状態から後行吐出パルスPSの印加が開始されている。このため、先行吐出パルスPSによる吐出量Xaと後行吐出パルスPSによる吐出量Xbとはほぼ一致している。また、パルス間隔Pwdisが十分に空いているので、後行吐出パルスPSによるインク滴の吐出後におけるメニスカスの最大インク量(メニスカスの盛り上がり)は、1発目の吐出パルスPSを印加した場合のインク量Xcと同レベルになる。インク滴の吐出後における許容最大インク量は、先に説明した温度40℃の場合の最大インク量X1(図6参照)に基づいて定められる。すなわち、この最大インク量X1程度であれば、インク滴を連続的に吐出させても吐出に支障はないとして許容される。この条件では、インク量Xcが最大インク量X1よりも十分に少ないので、インク滴を連続的に吐出してもインク滴の吐出に支障はないと考えられる。
図9はパルス間隔Pwdisが10μsの場合、図10はパルス間隔Pwdisが8μsの場合、図11はパルス間隔Pwdisが5μsの場合におけるメニスカスの動きを説明する図である。これらの条件ではいずれも、後行吐出パルスPSによるインク滴の吐出量Xbが先行吐出パルスPSによるインク滴の吐出量Xaよりも多少少なくなっている。そして、インク滴吐出後におけるメニスカスの最大インク量Xcは、いずれの場合も定常状態よりもわずかに多い程度である。このため、これらの条件でも、インク滴を連続的に印加した場合においてインク滴の吐出に支障はない。
図12はパルス間隔Pwdisが3μsの場合、図13はパルス間隔Pwdisが1μsの場合におけるメニスカスの動きを説明する図である。これらの条件ではいずれも、後行吐出パルスPSによるインク滴の吐出量Xbが先行吐出パルスPSによるインク滴の吐出量Xaよりも少なくなっている。おおむね80%〜75%程度になっている。しかし、インク滴吐出後におけるメニスカスの最大インク量Xcは、いずれの場合も定常状態よりも多少盛り上がっている程度である。これらの条件では、2発目以降におけるインク滴の吐出量の減少はあるが、インク滴の吐出後におけるメニスカスの盛り上がりが少ない。このため、インク滴を連続的に吐出させた場合であっても、インク滴の吐出に支障はない。
図14から図19は、温度25℃におけるパルス間隔Pwdisとメニスカスの動きの関係を説明する図である。すなわち、温度15℃と同様にパルス間隔Pwdis30μs(図14)、10μs(図15)、8μs(図16)、5μs(図17)、3μs(図18)、1μs(図19)の場合について行ったシミュレーションデータである。これらの図においても、縦軸及び横軸は図6と同じであるので、説明は省略する。
温度25℃では、後行吐出パルスPSによるインク量Xbが先行吐出パルスPSによるインク量Xaに対して多少のばらつきはあるが、温度15℃の3μs(図12)や1μs(図13)の場合よりも差は小さい。そして、インク滴吐出後の最大インク量Xcは、許容最大インク量X1よりも十分に少ないので、これらの条件においても連続的なインク滴の吐出に支障はない。
図20から図25は、温度40℃におけるパルス間隔Pwdisとメニスカスの動きとの関係を説明する図である。すなわち、温度15℃等と同様に、パルス間隔Pwdis30μs(図20)、10μs(図21)、8μs(図22)、5μs(図23)、3μs(図24)、1μs(図25)の場合について行ったシミュレーションデータである。これらの図においても、縦軸及び横軸は図6と同じであるので、説明は省略する。
40℃では、後行吐出パルスPSによるインク量Xbが先行吐出パルスPSによるインク量Xaに対して20%程度増えているが、インク量については駆動電圧で調整ができるので支障はない。そして、インク滴吐出後の最大インク量Xcに関し、パルス間隔Pwdisが30μs〜5μsの条件では、許容最大インク量X1と同レベルであるため、インク滴の吐出に支障はないといえる。しかし、パルス間隔Pwdisが3μs,1μsの条件では、インク滴吐出後における最大インク量Xcが許容最大インク量X1を超えてしまっているので、インク滴の吐出が不安定になると考えられる。すなわち、インク滴の吐出方向が正規の方向から過度にずれてしまったり、不測のタイミングでインク滴が吐出されてしまったりする可能性が高いといえる。
<周辺温度による駆動信号COMの調整について>
次に、周辺温度による駆動信号COMの調整について説明する。図26Aは、温度15℃、25℃、40℃の各温度における駆動信号COMを説明する図である。図26Bは、メモリー63に記憶させる関係式と各温度におけるパルス間隔Pwdisの関係を説明する図である。このプリンター1では、先のシミュレーションデータを踏まえて、次式(4)の関係式をメモリー63に記憶させている。
Pwdis=2.60+0.16×(周辺温度T−25) ・・・ (4)
これにより、パルス間隔Pwdisは、温度15℃で1μsに、温度25℃で2.6μsに、温度40℃で5μsにそれぞれ設定される。すなわち、図13や図23から判るように、先行吐出パルスPSの生成終了(タイミングte)から圧力振動における1周期(液体の固有振動周期の1周期)以内に、後行吐出パルスPSの生成を開始している。このように後行吐出パルスPSの生成を開始する期間を設定し、この期間内における開始タイミングを関係式によって定めているので、インク滴の吐出後において大きな圧力振動が残っている状態であっても、インク滴の吐出を安定化できる。
<他のヘッドHDについて>
図27から図29はヘルムホルツ周期Tcが異なる他のヘッドHDについて、パルス間隔Pwdisと吐出量の関係を説明する図である。すなわち、図27は、温度15度においてパルス間隔Pwdisを5μs(一点鎖線)、3μs(破線)、1μs(実線)に定めた場合を説明する図である。図28は、温度25度においてパルス間隔Pwdisを5μs(一点鎖線)、3μs(破線)、1μs(実線)に定めた場合、図29は、温度40度においてパルス間隔Pwdisを5μs(一点鎖線)、3μs(破線)、1μs(実線)に定めた場合を説明する図である。
このヘッドHDでは、温度40℃にてパルス間隔Pwdisを3μsに定めても、吐出後のインク量が許容最大インク量X1を超えてしまう。このため、前述のヘッドHDよりもパルス間隔Pwdisを短く設定する。すなわち、図30A,図30Bに示すように、このヘッドHDを用いた場合には、次式(5)の関係式をメモリー63に記憶させる。
Pwdis=1.40+0.04×(周辺温度T−25) ・・・ (5)
これにより、パルス間隔Pwdisは、温度15℃で1μsに、温度25℃で1.4μsに、温度40℃で2μsにそれぞれ設定される。この場合も、後行吐出パルスPSの生成は、先行吐出パルスPSの生成終了(タイミングte)から圧力振動における1周期(液体の固有振動周期の1周期)以内に開始される。このように後行吐出パルスPSの生成を開始する期間を設定し、この期間内における開始タイミングを関係式によって定めているので、インク滴の吐出後において大きな圧力振動が残っている状態であっても、インク滴の吐出を安定化できる。
<まとめ>
以上説明したように、このプリンター1では、駆動信号生成回路30及び主制御部60が、温度センサー51による検出温度に応じて先行吐出パルスPSの生成終了から後行吐出パルスPSの生成開始までのパルス間隔Pwdisを、温度センサーによる検出温度に応じて定めている。これにより、インク滴吐出後における残留振動の大きさを適切に管理でき、連続的なインク滴の吐出を安定化できる。
また、駆動信号生成回路30及び主制御部60は、先行吐出パルスPSの生成終了から圧力室43におけるインクの固有振動周期の1周期分以内に、後行吐出パルスPSの生成を開始している。これにより、インク滴の高周波吐出においてインク滴の吐出を安定化できる。すなわち、残留振動が大きくてもインク滴の吐出を安定化できる。
また、主制御部60のメモリー63には、温度センサー51による検出結果とパルス間隔Pwdisの関係を規定する関係式を記憶している。これにより、パルス間隔Pwdisを精度良く定めることができる。加えて、必要なメモリーの容量を少なくすることができる。
さらに、このメモリー63には、圧力室43におけるインクの固有振動周期(ヘルムホルツ周期Tc)毎に、複数種類の関係式を記憶させている。これにより、ヘッドHDを取り替えた際、あるいは、固有振動周期の異なる複数のヘッドHDを用いたプリンター1において、そのヘッドHDの固有振動周期に応じた関係式を記憶させることで、パルス間隔PwdisをそれぞれのヘッドHDに応じて調整できる。すなわち、対応が容易になる。この例では式(4)と式(5)の2種類の関係式を記憶させているが、さらに多くの種類を記憶させてもよい。
===その他の実施形態について===
前述の実施形態は、主として、液体吐出装置としてのプリンター1を有する印刷システムについて記載されているが、その中には、液体吐出方法や液体吐出システムの開示が含まれている。また、液体吐出ヘッドや液体吐出ヘッドの制御方法の開示も含まれている。また、この実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<温度取得部について>
前述の実施形態では、プリンター1に備えられた温度センサー51を用いたが、温度計にて別途取得した温度を、ユーザーインタフェースを通じて入力するようにしてもよい。ユーザーインタフェースとしては、例えばプリンター1に備えられるディスプレイや操作ボタンが該当する。また、コンピューターCPの入力装置や表示装置であってもよい。
また、温度取得部は、温度センサー51のように温度を直接検出するものに限らず、温度を間接的に取得するものであってもよい。温度を間接的に表すものとしては、例えば、印字データやインクの吐出量データがある。印字データはピエゾ素子45の動作を示し、ピエゾ素子45は動作に応じて熱を発生するので、ヘッドHDの周辺温度を推定するための情報になり得る。吐出量データは、ピエゾ素子45の動作結果を示すので、やはりヘッドHDの周辺温度を推定するための情報になり得る。
<圧力室43のインクに圧力変化を与える素子について>
前述の実施形態では、圧力室43のインクに圧力変化を与える素子としてピエゾ素子45を例示したが、他の電気機械変換素子(例えば磁歪素子)であってもよい。
<駆動信号COM等について>
前述の実施形態における駆動信号COMは一例であり、種々の態様が考えられる。例えば、吐出パルスPSに関し、波形が異なる複数種類の吐出パルスPSを駆動信号COMに含ませてもよい。そして、駆動信号生成回路30に関し、前述の実施形態で説明したDAC回路31によって波形信号を生成する形態に限られない。例えば、アナログ回路で駆動信号COMを生成するものであってもよい。要するに、駆動信号COMを生成するものであればよい。そして、前述の実施形態のように、DAC回路31によって波形信号を生成するようにすると、電圧波形が精度良く定められた駆動信号COM(各吐出パルスPS)を生成できる。
<関係式の定め方について>
前述の実施形態では、シミュレーションデータに基づいて関係式を定めたが、ストロボ写真を用いた観察によって関係式を定めてもよい。要するに、吐出の安定性を測定し、測定結果に応じて関係式を定めればよい。
<周辺温度とパルス間隔Pwdisについて>
前述の実施形態では、周辺温度からパルス間隔Pwdisを関係式に応じて定めていたが、これに限られない。温度とパルス間隔Pwdisの関係を示すテーブル情報をメモリー63に記憶させるようにしてもよい。
<他の応用例について>
前述の実施形態では、液体吐出装置としてプリンター1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の液体吐出装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
1 プリンター,10 用紙搬送機構,20 キャリッジ移動機構,30 駆動信号生成回路,31 DAC回路,32 電圧増幅回路,33 電流増幅回路,40 ヘッドユニット,41 共通インク室,42 インク供給口,43 圧力室,44 ノズル,45 ピエゾ素子,46 振動板,47 スイッチ,50 検出器群,51 温度センサー,60 主制御部,61 インタフェース部,62 CPU,63 メモリー,CP コンピューター,HD ヘッド,HC ヘッド制御部,COM 駆動信号,PS 吐出パルス,Pd1 第1減圧部分,Ph1 第1ホールド部分,Pc1 加圧部分,Ph2 第2ホールド部分,Pd2 第2減圧部分,Pi 定電圧部分,Pwdis パルス間隔
前記目的を達成するための主たる発明は、
ノズルに連通された圧力室と、
前記圧力室内の液体に圧力変化を与える動作をする素子と、
前記ノズルから液体を吐出させる動作を前記素子にさせる先行吐出パルス及び後行吐出パルスを生成する駆動波形生成部と、
前記駆動波形生成部を制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、第1温度における先行吐出パルスの生成終了から後行吐出パルスの生成開始までの第1パルス間隔は、前記第1温度よりも低い第2温度における先行吐出パルスの生成終了から後行吐出パルスの生成開始までの第2パルス間隔より長くするように前記駆動波形生成部を制御することを特徴とする液体吐出装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。

Claims (6)

  1. 温度を取得する温度取得部と、
    ノズルに連通された圧力室と、
    前記圧力室内の液体に圧力変化を与える動作をする素子と、
    前記ノズルから液体を吐出させる動作を前記素子にさせる先行吐出パルス及び後行吐出パルスを生成し、前記先行吐出パルスの生成終了から前記後行吐出パルスの生成開始までのパルス間隔を、前記温度取得部による取得温度に応じて定めるパルス生成部と、
    を有する液体吐出装置。
  2. 前記パルス生成部は、
    前記先行吐出パルスの生成終了から、前記圧力室における液体の固有振動周期の1周期以内に、前記後行吐出パルスの生成を開始する、請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記パルス生成部は、
    前記取得温度と前記パルス間隔の関係を示す関係式を記憶する関係式記憶部を有する、請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記関係式記憶部は、
    前記関係式を、前記圧力室における液体の固有振動周期に応じた複数種類記憶する、請求項3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記パルス生成部は、
    前記先行吐出パルスの電圧情報、及び、前記後行吐出パルスの電圧情報を記憶する電圧情報記憶部を有し、これらの電圧情報を用いて前記先行吐出パルス及び前記後行吐出パルスを生成する、請求項1から4の何れか1項に記載の液体吐出装置。
  6. 温度を取得する温度取得部、ノズルに連通された圧力室、前記圧力室内の液体に圧力変化を与える動作をする素子、及び、前記素子を動作させるパルスを生成するパルス生成部を有する液体吐出装置を用い、前記ノズルから前記液体を吐出させる液体吐出方法であって、
    前記温度取得部から温度を取得すること、
    前記素子を動作させる先行吐出パルスを生成すること、
    前記先行吐出パルスによって前記素子を動作させ、前記ノズルから前記液体を吐出させること、
    前記先行吐出パルスの生成終了から前記取得温度に応じて定めたパルス間隔の経過後に後行吐出パルスを生成すること、
    前記後行吐出パルスによって前記素子を動作させ、前記ノズルから前記液体を吐出させること、
    を有する液体吐出方法。
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