JP2014014730A - 高温排ガスの冷却装置 - Google Patents

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Hiroaki Monno
広明 門野
Masashige Fujiwara
正成 藤原
Takamasa Ueda
隆昌 植田
Ikuo Fujita
郁夫 藤田
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Abstract

【課題】固化したダストのハンドリング性を向上させた排ガスの冷却装置を提供する。
【解決手段】高温排ガスを抽気する抽気管に、高温排ガス中の揮発性有機化合物を凝集させる凝集手段を設け、凝集手段は、抽気管を流れる高温排ガス流の略中心部に水を噴霧することとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、セメント製造装置の排ガスから塩素等の揮発性化合物を除去する塩素バイパス設備へ導入する高温排ガスの冷却に関する。
従来、セメント製造装置におけるキルン窯尻付近において、高温排ガスの一部を抽気して冷却し、固化した塩素分等のダストを除去する、いわゆる塩素バイパス設備が知られている。
特開2001−278643号公報
一般的に塩素バイパス設備では集塵機により固化したダストを除去するため、ダストの粒径が小さいとフィルタ目詰まりが頻発するおそれがある。しかしながら上記従来技術にあっては、単に排ガスを空気で冷却するのみであり、固化したダストの大径化については記載されていない。
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、固化したダストを大径化させ、フィルタ目詰まりを低減させた排ガスの冷却装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明では、
ロータリーキルンと、
前記ロータリーキルンの高温排ガスを抽気し、集塵機により前記高温排ガス中の揮発性化合物を除去する塩素バイパス設備と
を備えたセメント製造装置において、
前記集塵機はフィルタを備え、
前記高温排ガスを抽気する抽気管に、前記高温排ガス中の揮発性有機化合物を凝集させる凝集手段を設け、
前記凝集手段は、前記抽気管を流れる前記高温排ガス流の略中心部に水を噴霧することを特徴とする。
よって、固化したダストのハンドリング性を向上させた排ガスの冷却装置を提供できる。
本発明における塩素バイパス設備を有するセメント製造装置の模式図である。 抽気管の断面図である。 水噴霧の有無と揮発性化合物の粒径の相関である。
[全体構成]
以下、図面を参照して本発明の実施の一形態について説明する。
図1に示すセメント製造装置1は、セメント製造工程におけるいわゆる焼成工程を行うものであり、セメント原料を予熱・仮焼するためのタワー型のサスペンションプレヒータ10と、クリンカを焼成するためのロータリーキルン30と、ロータリーキルン30の排出側に設けられたクリンカクーラ35と、ロータリーキルン30から排出される高温排ガスの一部を抽気し、塩素分等の揮発性化合物を除去するための塩素バイパス設備50とを備えている。
サスペンションプレヒータ10は、複数のサイクロンC1〜C4と、これらサイクロンC1〜C4の下部付近に配置された仮焼炉21とを有し、ロータリーキルン30からの高温排ガスの熱と仮焼炉21からの熱とを利用してセメント原料の予熱・仮焼を行う。サイクロンC1〜C4は4段に構成されており、ダクトを介して直列に接続されている。上段の2つのサイクロンC3、C4を接続するダクトの途中には原料供給部15が設けられており、ここからセメント原料が投入される。
なお、サスペンションプレヒータは4段に限らず5段のサイクロンC1〜C5を有するものであってもよい。
ロータリーキルン30は、回転窯とも呼ばれるもので、横長円筒状であって僅かに勾配を付けて配置されている。ロータリーキルン30の一端側(相対的に低い側)には、ロータリーキルン30内を加熱するためのキルンバーナ32が設けられている。ロータリーキルン30の他端側(相対的に高い側)の窯尻部30aには、入口フッド41が設けられている。
入口フッド41は、サスペンションプレヒータ10によって予熱された原料(仮焼原料)の受入れ通路として機能するとともに、高温排ガスの通路としても機能する。入口フッド41の上端部には、入口フッド41と仮焼炉21とを連絡し、仮焼炉21を介して高温排ガス(高温排ガス)をサスペンションプレヒータ10内へと供給するためのライジングダクト42が設けられている。
ロータリーキルン30や、入口フッド41およびライジングダクト42などの構成自体は従来公知であるのでここでは詳細な説明は省略するが、クリンカは概略次のようにして製造される。すなわち、ロータリーキルン30をゆっくりと回転させながら、サスペンションプレヒータ10側から予熱されたセメント原料をキルン内へと供給すると、それらのセメント原料はロータリーキルン30内をクリンカクーラ35側へと移動していく。
セメント原料はこの移動の間に焼成され、所定の化学変化を伴ってクリンカとなり、クリンカクーラ35へと排出され、クリンカクーラ35において急冷されて所望のクリンカが得られる。
塩素バイパス設備50は、ロータリーキルン30から排出される高温排ガスの一部を抽気する抽気管51と、集塵機58と、排気ファン59を備えている。抽気管51は入口フッド41の側壁部に接続され、この抽気管51内を流れる高温排ガスを冷却することにより、高温排ガス中の塩素等の揮発性化合物等を凝集・固化させ、集塵機58内のフィルタ58aにおいて捕集・除去するものである。本願においては、高温排ガスは冷却ファン52からの冷却空気により冷却される。なお、フィルタ58aにより捕集された粗粒、および排気ファン59から排出される塩素バイパス排ガスは、それぞれ別途処理される。
図2は、抽気管51の詳細である。抽気管51には、この抽気管51の略中心部に延在する噴霧器53(凝集手段)が設けられている。噴霧器53の先端にはノズル54が設けられており、これにより供給された冷却用水をノズル54から噴霧する。この抽気管51内において、ロータリーキルン30からの高温排ガス流の略中心部に水噴霧が行われることにより、高温排ガス中の塩素が水滴内に溶け込み、塩化物の結晶を大きくする。
これにより、微細な塩化物の結晶が減少し、集塵機58におけるフィルタ58aの目詰まり等を低減させることができる。
図3では水噴霧の有無と揮発性化合物の粒径の相関を示す。ここでの粒径は、塩素バイパス設備50のフィルタ58によって捕集されたダストの粒径であり、水噴霧によって揮発性化合物のダストが大径化していることを示している。
なお、噴霧される水滴径は、20μm〜80μmであり、好ましくは40μm〜60μmである。噴霧される水滴には塩素等の揮発性化合物が溶け込むが、水滴径が小さすぎると揮発性化合物が十分凝集する前に水分が蒸発してしまい、ダストの大径化が阻害される。逆に水滴径が大きすぎると、揮発性化合物が溶け込んだ水滴が抽気管51の内面に付着し、揮発性化合物が装置内部に固着する原因となってしまう。
[効果]
ロータリーキルン30と、
ロータリーキルン30の高温排ガスを抽気し、集塵機58により高温排ガス中の揮発性化合物を除去する塩素バイパス設備50と
を備えたセメント製造装置において、
集塵機58はフィルタ58aを備え、
高温排ガスを抽気する抽気管51に、高温排ガス中の揮発性有機化合物を凝集させる噴霧器53(凝集手段)を設け、
噴霧器53は、抽気管51を流れる高温排ガス流の略中心部に水を噴霧することとした。
これにより、固化したダストを大径化させ、フィルタ58aの目詰まり等を低減させることができる。
1 セメント製造装置
10 サスペンションプレヒータ
21 仮焼炉
30 ロータリーキルン
32 キルンバーナ
35 クリンカクーラ
41 入口フッド
42 ライジングダクト
50 塩素バイパス設備
51 抽気管
52 冷却ファン
53 噴霧器(凝集手段)
54 ノズル
58 集塵機
58a フィルタ
59 排気ファン
C1〜C4 サイクロン

Claims (1)

  1. ロータリーキルンと、
    前記ロータリーキルンの高温排ガスを抽気し、集塵機により前記高温排ガス中の揮発性化合物を除去する塩素バイパス設備と
    を備えたセメント製造装置において、
    前記集塵機はフィルタを備え、
    前記高温排ガスを抽気する抽気管に、前記高温排ガス中の揮発性有機化合物を凝集させる凝集手段を設け、
    前記凝集手段は、前記抽気管を流れる前記高温排ガス流の略中心部に水を噴霧すること を特徴とする高温排ガスの冷却装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015067497A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 太平洋セメント株式会社 セメントキルン抽気ガスの処理方法及び塩素バイパスシステム
JP2017119587A (ja) * 2015-12-28 2017-07-06 宇部興産株式会社 抽気装置及び抽気方法
JP2020023439A (ja) * 2015-12-28 2020-02-13 宇部興産株式会社 抽気装置及び抽気方法
JP2021127287A (ja) * 2019-10-24 2021-09-02 宇部興産株式会社 抽気装置及び抽気方法

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