JP2014014223A - 電力制御システム、サーバ装置、電力需要設備用の制御装置及び電力制御方法 - Google Patents

電力制御システム、サーバ装置、電力需要設備用の制御装置及び電力制御方法 Download PDF

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純一 藤井
Hisayuki Kanai
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Abstract

【課題】各電力需要設備に対する逆潮流の機会が不公平となるのを抑える。
【解決手段】電力制御システムは、電力系統網2へ逆潮流させる電力を発生させる畜エネルギー装置35を有する複数の電力需要設備20と、これら電力需要設備20による逆潮流を制御するサーバ装置10とを備えている。サーバ装置10は、逆潮流を許可する電力需要設備20を決定すると共に、決定した電力需要設備20に対して逆潮流を許可する許可情報を送信するための制御を行うサーバ制御部14を有している。電力需要設備20は、許可情報を受信すると、畜エネルギー装置35から電力を逆潮流させる制御を行う逆潮流制御部36を有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電力系統網に逆潮流させる電力を制御する電力制御システム及び電力制御方法、並びに、この電力制御システムに含まれるサーバ装置及び電力需要設備用の制御装置に関する。
近年、電力系統網側から電力の供給を受ける住宅や工場等(電力需要設備)に、電源機器が設置されるケースが増加している。電源機器としては、太陽光発電装置や、燃料電池発電装置、蓄電池等があり、このような電源機器によって生じる電力は、この電源機器が設置されている住宅等において消費されるだけではなく、電力系統網側へ逆潮流される。
しかし、電力系統網に接続される逆潮流可能な住宅等が増加し、住宅等それぞれが自由に逆潮流を行うと、系統電圧が管理範囲の上限を超えてしまうおそれがあることから、系統電圧が管理範囲の上限を超えるような場合には、住宅等による逆潮流は制限される仕組みとなっている。
つまり、電気事業法施行規則によれば、系統電圧を101V±6vや202V±20Vの範囲内に収める必要がある。そして、前記のような電源機器が設置されている住宅等には、逆潮流を制御するパワーコンディショナも設置されており、このパワーコンディショナには、系統電圧が管理範囲の上限を超えるような場合に、出力を抑制する機能が備えられている。
また、このような逆潮流を制限する制御を行うシステムとして、隣接する住宅等の逆潮流電力を検出する機能を備えているシステム(特許文献1参照)が提案されており、隣接する住宅間で、一斉に、電力系統網側との接続を切り離す解列処理と、電力系統網側と接続する連係処理とを切り替えて行うことにより、系統電圧が管理範囲の上限値を超えることを抑制しようとしている。
特開2006−180660号公報
特許文献1に記載のシステムのように、各住宅において、系統電圧が管理範囲の上限値を超えることを抑制しようとしても、電力系統網に逆潮流を行う住宅が多数接続されていると、変電所に近い側の住宅が逆潮流を行うことによって、変電所から離れる程、系統電圧が上昇し(図8参照)、管理範囲の上限に達しやすくなる。
したがって、変電所から離れている住宅等のパワーコンディショナでは、逆潮流が抑制される制御が頻繁に行われ、このような住宅等では、逆潮流する機会が、変電所に近い住宅と比べると少なくなり、不公平になることがある。
そこで、本発明は、各電力需要設備に対する逆潮流の機会が不公平となるのを抑制することを目的とする。
(1)本発明は、電力系統網へ逆潮流させる電力を発生させる電源部を有する複数の電力需要設備と、これら電力需要設備による逆潮流を制御するサーバ装置とを備えた電力制御システムであって、前記サーバ装置は、逆潮流を許可する電力需要設備を決定すると共に、決定した電力需要設備に対して逆潮流を許可する許可情報を送信するための制御を行うサーバ制御部を有し、前記電力需要設備は、前記許可情報を受信すると、前記電源部から電力を逆潮流させる制御を行う逆潮流制御部を有することを特徴とする。
本発明の電力制御システムによれば、サーバ装置によって、逆潮流を許可する電力需要設備が決定されると、その電力需要設備に対して逆潮流を許可する許可情報が送信され、この許可情報を受けた電力需要設備が逆潮流を行うため、逆潮流の機会が変電所からの距離と関係なくなり、各電力需要設備に対する逆潮流の機会が不公平となるのを抑えることが可能となる。
(2)また、前記逆潮流制御部は、逆潮流を要請するための要請情報を前記サーバ装置に送信するための制御を行い、前記サーバ制御部は、前記要請情報を取得すると、当該要請情報を送信した電力需要設備の中から逆潮流を許可する電力需要設備を決定するのが好ましい。
この場合、複数の電力需要設備それぞれは、逆潮流を要請するための要請情報を送信し、サーバ制御部は、要請信号を送信した電力需要設備の中から逆潮流を許可する電力需要設備を決定し、決定した電力需要設備に逆潮流を許可する。
(3)また、前記逆潮流制御部は、逆潮流可能となる電力量の情報を含む前記要請情報を生成し、前記サーバ制御部は、前記要請情報を取得すると、前記電力量の情報に基づいて、逆潮流を許可する電力需要設備を決定するのが好ましい。
この場合、サーバ制御部は、逆潮流を許可する電力需要設備を決定する際、電力需要設備によって逆潮流可能となる電力量を考慮することができる。
(4)また、前記サーバ制御部は、逆潮流の開始タイミングの情報を含む前記許可情報を生成するのが好ましく、この場合、電力需要設備が行う逆潮流の開始タイミングを指定することができる。
(5)また、この(4)に記載の電力制御システムにおいて、前記逆潮流制御部は、前記サーバ装置との時刻のずれを判定すると共に、このずれを解消した開始タイミングで逆潮流を開始するのが好ましい。
複数の電力需要設備間で逆潮流の開始タイミングがばらつくと、系統電圧が不安定となることがあるが、逆潮流を行う電力需要設備がサーバ装置と同期し、逆潮流の開始タイミングが指定されることで、系統電圧が不安定となるのを抑えることができる。
(6)また、前記サーバ制御部は、逆潮流させる電力量を指定する情報を含む前記許可情報を生成し、前記逆潮流制御部は、前記許可情報を取得すると、指定された電力量の逆潮流を実行する制御を行うのが好ましい。
この場合、電力系統網側へ逆潮流させる電力量が制限されている場合に、一つの電力需要設備が独占して多くの電力量を逆潮流させるのではなく、他の電力需要設備に対しても逆潮流させる機会を増やすことができる。
(7)または、前記逆潮流制御部は、予め定められている電力量の逆潮流を実行する制御を行うのが好ましい。
この場合、電力需要設備は、許可情報を受けると、予め定められている電力量の逆潮流を実行することが可能となる。また、この場合、サーバ制御部において、逆潮流させる電力量を定める処理が不要となり、制御は簡単となる。
(8)また、前記サーバ制御部は、前記許可情報を送信した前記電力需要設備については、次回以降、逆潮流を許可する電力需要設備を決定する際、その決定の優先順位を下げるのが好ましく、この場合、逆潮流の機会が与えられる電力需要設備が偏るのを防ぎ、他の電力需要設備に対しても逆潮流の機会が与えられる。
(9)また、前記(2)(3)に記載の電力制御システムにおいて、前記サーバ制御部は、前記要請情報を送信してきた電力需要設備のうち、逆潮流を許可しなかった電力需要設備については、次回以降、逆潮流を許可する電力需要設備を決定する際、その決定の優先順位を上げるのが好ましい。
この場合、逆潮流の機会が与えられる電力需要設備が偏るのを防ぎ、他の電力需要設備に対しても逆潮流の機会が与えられる。
(10)また、前記サーバ制御部は、所定の時刻における電力系統網の電圧位相を計測し、当該所定の時刻と当該電圧位相との情報を含む前記許可情報を生成し、前記逆潮流制御部は、前記サーバ装置と同期する時間を基準とした前記所定の時刻における電力系統網の電圧位相を計測し、この計測した電圧位相と、前記許可情報に含まれている前記電圧位相とを比較し、これら電圧位相の差を解消したタイミングで逆潮流を開始するのが好ましい。
この場合、各電力需要設備において、逆潮流の開始タイミングを微調整することが可能となる。
(11)また、前記電源部は、電力の蓄電及び放電が可能であるキャパシタを含むのが好ましく、この場合、電源部を安価に構成することが可能である。
(12)また、本発明は、電力系統網へ逆潮流させる電力を発生させる電源部を有する複数の電力需要設備それぞれが行う逆潮流を制御するサーバ装置であって、逆潮流を許可する電力需要設備を決定すると共に逆潮流を許可する許可情報を生成するサーバ制御部と、決定された電力需要設備に対して前記許可情報を送信するサーバ通信部とを有していることを特徴とする。
本発明のサーバ装置によれば、サーバ制御部によって、逆潮流を許可する電力需要設備が決定されると、その電力需要設備に対して逆潮流を許可する許可情報が、サーバ通信部によって送信される。これにより、この許可情報を受けた電力需要設備が逆潮流を行うことが可能となり、逆潮流の機会が変電所からの距離と関係なくなり、各電力需要設備に対する逆潮流の機会が不公平となるのを抑えることが可能となる。
(13)また、本発明は、電力系統網へ逆潮流させる電力を発生させる電源部を有する電力需要設備が行う逆潮流を、当該電力系統網側を管理するサーバ装置から送信される情報に基づいて制御する電力需要設備用の制御装置であって、前記サーバ装置から送信された、逆潮流を許可する許可情報を受信する通信部と、前記許可情報が受信されると、前記電源部から電力を逆潮流させる制御を行う逆潮流制御部とを有することを特徴とする。
本発明の電力需要設備用の制御装置によれば、サーバ装置から送信された逆潮流を許可する許可情報を受信すると、電源部から電力を電力系統網へ逆潮流させる制御が行われることから、逆潮流の機会が変電所からの距離と関係なくなり、各電力需要設備に対する逆潮流の機会が不公平となるのを抑えることが可能となる。
(14)また、本発明は、電力系統網へ逆潮流させる電力を発生させる電源部を有する複数の電力需要設備による逆潮流の制御を、当該電力需要設備と通信可能なサーバ装置及び当該電力需要設備が連携して行う電力制御方法であって、前記サーバ装置は、逆潮流を許可する電力需要設備を決定すると共に、決定した電力需要設備に対して逆潮流を許可する許可情報を送信し、前記電力需要設備は、前記許可情報を受信すると、前記電源部から電力を逆潮流させる制御を行うことを特徴とする。
本発明の電力制御方法によれば、サーバ装置によって、逆潮流を許可する電力需要設備が決定されると、その電力需要設備に対して逆潮流を許可する許可情報が送信され、この許可情報受けた電力需要設備が逆潮流を行うため、逆潮流の機会が変電所からの距離と関係なくなり、各電力需要設備に対する逆潮流の機会が不公平となるのを抑えることが可能となる。
本発明によれば、各電力需要設備に対する逆潮流の機会が不公平となるのを抑えることが可能となる。
本発明の電力制御システムの概略構成を示す説明図である。 変電所から延びる電力線に接続され、電力系統網側へ逆潮流を行う電力需要設備の説明図である。 逆潮流の制御方法を説明するフロー図である。 2つの電力需要設備と、サーバ装置との間で行われる処理の説明図である。 各時間スロットにおける畜エネルギー装置の電力量を表している説明図である。 各時間スロットにおける畜エネルギー装置の電力量を表している説明図である。 サーバ装置と電力需要設備との間で行われる信号の送受信を説明する説明図である。 変電所からの距離によって系統電圧が上昇することを示す説明図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
〔1.システムの全体構成〕
図1は、本発明の電力制御システムの概略構成を示す説明図である。この電力制御システムは、複数の電力需要設備20と、これら電力需要設備20を管理するサーバ装置10と、電力線3を有する電力系統網2と、通信線7を有する通信網6とを含む。図1中、破線は通信線7を示し、実線は電力線3を示す。
電力系統網2には、複数の発電所5が発電した電力が供給され、電力系統網2の電力が変電所4を通じて各電力需要設備20に供給される。電力需要設備20には、住宅、ビル及び工場等が含まれる。発電所5は、火力発電所、水力発電所、大規模太陽光発電所、原子力発電所等が含まれる。そして、電力需要設備20それぞれは、電力系統網2へ逆潮流させる電力を発電又は放電することにより生む電源部を有している。この電源部については後に説明する。
そして、通信網6により、発電所5、サーバ装置10及び電力需要設備20間で、各種の情報の通信が行われる。この通信方式は、例えば、光ファイバや電話回線等を利用した通信である。
サーバ装置10は、ワークステーションやパーソナルコンピュータ等のコンピュータからなり、CPUを有する中央処理ユニット11と、通信インタフェースからなる通信部12と、ハードディスク等からなる記憶部13とを備えている。サーバ装置10にインストールされているコンピュータプログラムを中央処理ユニット11が実行することで、この中央処理ユニット11は、後に説明するサーバ制御部14としての機能を有することができる。サーバ装置10(サーバ制御部14)は、複数の電力需要設備20による逆潮流を制御する機能を有している。
各電力需要設備20は、電力系統網2と電力線3を介して接続される分電盤21、パワーコンディショナ30及び発電機を備えている。この発電機としては、例えば、太陽光発電機23、風力発電機24があり、これらは小規模のものである。なお、発電機は、太陽光発電機23と風力発電機24との内の一方であってもよい。
電力需要設備20に設置される電気機器等の負荷22の電力は、分電盤21から供給される。
パワーコンディショナ30は、電力需要設備20用の制御装置であり、通信インタフェースからなる通信部31、CPUを有する中央処理装置32、AC/DC変換器33、DC/DC変換器34及び畜エネルギー装置35を有している。畜エネルギー装置35は、蓄電池とすることが可能であるが、多くの蓄電を必要としない場合は、蓄電池に比べて小容量であるキャパシタ(スーパーキャパシタ)とすることもでき、キャパシタの場合、蓄電池よりも安価にパワーコンディショナ30を構成することができる。
畜エネルギー装置35は、発電機23,24によって発電された電力を一時的に蓄電することができ、また、この畜エネルギー装置35に蓄電されている電力を電力系統網2側へ逆潮流させることができる。また、発電機23,24によって発電された電力を、直接的に、電力系統網2側へ逆潮流させることもできる。このように、畜エネルギー装置35は、逆潮流させる電力を放電することにより生む電源部となり、また、発電機23,24は、逆潮流させる電力を発電することにより生む電源部となる。
そして、このような畜エネルギー装置35、発電機23,24による電力を逆潮流させる制御を、中央処理装置32が実行する。つまり、パワーコンディショナ30にインストールされているコンピュータプログラムを中央処理装置32が実行することで、この中央処理装置32は、逆潮流制御部36としての機能を有することができる。なお、以下では、逆潮流させる電力は、畜エネルギー装置35から供給される電力として説明する。
〔2.電力制御システムによる逆潮流の制御の概略〕
図2は、変電所(配電用変電所)4から延びる電力線3に接続され、電力系統網2側へ逆潮流を行う電力需要設備20の説明図である。
電力系統網2において、変電所4から各電力需要設備20側へと延びる電力線3に、多くの電力需要設備20が接続されており、これら電力需要設備20それぞれが自由に逆潮流を行うと、変電所4から離れた電力線3の系統電圧は、電力系統網2の管理電圧の上限を超えるおそれがあり(図8参照)、この場合、変電所4から離れている電力需要設備20では、変電所4に近い電力需要設備20よりも、逆潮流を行う機会が減ってしまう。そこで、サーバ装置10(図1参照)は、これら逆潮流が可能である電力需要設備20と通信を行い、これら電力需要設備20による逆潮流の実行を、以下のようにして統制する。
すなわち、管理エリア内の多数の電力需要設備20の中から、サーバ制御部14は、逆潮流を許可する電力需要設備20を決定する。そして、逆潮流の許可を決定した電力需要設備20に対して逆潮流を許可する許可情報を生成し、この許可情報を、通信部12を通じて送信するための制御を行う。許可情報を送信するための制御には、例えば、決定した電力需要設備20が許可情報を取得できるように、許可情報の他に決定した電力需要設備20の識別情報を送信信号に含める制御を行う。この識別情報に基づいて、各電力需要設備20は、自身が許可されたことを判定することが可能となる。
サーバ装置10の通信部12から送信された許可情報を、許可が決定された電力需要設備20の通信部31が受信すると、逆潮流制御部36は、畜エネルギー装置35、発電機23,24のいずれかにより発生させた電力を逆潮流させるための制御を行う。
本実施形態では、逆潮流を許可する電力需要設備20の決定は、以下のようにして行われる。
各電力需要設備20の逆潮流制御部36は、自己の畜エネルギー装置35の蓄電量(電力量)を監視し、電力量に余剰がある場合、畜エネルギー装置35が逆潮流可能な状態にあると判定する。このように、畜エネルギー装置35が逆潮流可能な状態にあると判定した場合、逆潮流制御部36は、逆潮流を要請するための要請情報を生成し、この要請情報をサーバ装置10に送信するための制御を行う。要請情報を送信するための制御には、例えば、自己(電力需要設備20)の識別情報を送信信号(要請情報)に含める制御を行う。この識別情報に基づいて、サーバ装置10のサーバ制御部14は、逆潮流が可能な状態にある電力需要設備20を判別することが可能となる。
そして、電力需要設備20の通信部31から送信された要請情報は、サーバ装置10の通信部12が受信する。なお、このように要請情報を送信する電力需要設備20は、同時間帯に複数存在すると考えられる。
要請情報を受信したサーバ装置10のサーバ制御部14は、この要請情報を取得すると、この要請情報を送信した電力需要設備20の中から逆潮流を許可する電力需要設備20を決定する。なお、サーバ制御部14は、電力系統網2が受け入れ可能な逆潮流電力量を監視する処理を繰り返し行っており、この受け入れ可能な逆潮流電力量に基づいて、逆潮流を許可する電力需要設備20及びその逆潮流電力量を決定する。
以上のように、複数の電力需要設備20それぞれは、畜エネルギー装置35が逆潮流可能な状態にあると、要請情報を送信する。そして、要請情報を受信したサーバ制御部14は、この要請信号を送信した複数の電力需要設備20の中から、逆潮流を許可する電力需要設備20を決定し、決定した電力需要設備20に逆潮流を許可する。
〔3.電力制御システムによる逆潮流の制御の具体例〕
図3は、逆潮流の制御方法を説明するフロー図であり、各電力需要設備20による処理を示している。逆潮流制御部36は、畜エネルギー装置35の蓄電量を監視し(ステップS1)、畜エネルギー装置35において逆潮流可能な電力量が存在しているか否かを判定する(ステップS2)。逆潮流可能な電力量が有ると判定すると、逆潮流制御部36は、要請情報を含む信号(以下、要請信号という)を通信部31からサーバ装置10へ送信する(ステップS3)。
逆潮流制御部36は、サーバ装置10から許可情報を受信したか否かについて判定する(ステップS4)。逆潮流制御部36は、この判定を、予め設定されている時間(タイムアウト時間)について、繰り返し行う(ステップS5)。つまり、逆潮流制御部36は、タイマー機能を有しており、予め設定されている時間(タイムアウト時間)内に許可情報を受信できなかった場合(ステップS5でYESの場合)、タイムアウト処理として、本実施形態では、ステップS1に戻る処理を、逆潮流制御部36は行う。
なお、サーバ装置10側において、要請信号(要請情報)を受信すると、サーバ制御部14は、逆潮流を許可する電力需要設備20を決定すると共に、逆潮流を許可することを示す許可情報を含む信号(以下、許可信号という)を、決定した電力需要設備20へ送信する。また、本実施形態では、サーバ制御部14は、逆潮流の開始タイミングの情報を含む許可情報を生成する。逆潮流の開始タイミングの情報とは、逆潮流を開始させる時刻の情報である。さらに、許可信号には、許可信号を送信する時刻(予定時刻)の情報を含ませる。
そして、前記タイムアウト時間に到達する前に、許可信号(許可情報)を受信することができた場合(ステップS4でYESの場合)、逆潮流制御部36は、許可されている所定の電力量分の逆潮流を実行する制御を行う。これにより、許可信号を受信した電力需要設備20では、畜エネルギー装置35から所定の電力量の逆潮流が実行される(ステップS7)。
図4は、サーバ装置10と、2つの電力需要設備20−1,20−2との間で行われる処理の説明図である。
第1の電力需要設備20−1において、逆潮流制御部36は、自己の畜エネルギー装置35の電力量(残量)を監視し(図4のB1)、逆潮流可能な電力量が有ると判定できた場合(図4のB2)、要請信号をサーバ装置10へ送信する(図4のB3)。なお、本実施形態では、逆潮流制御部36は、逆潮流可能となる電力量の情報を含む要請情報を生成し、この要請情報を含む要請信号をサーバ装置10へ送信する。
また、別の第2の電力需要設備20−2おいて、逆潮流制御部36は、自己の畜エネルギー装置35の電力量(残量)を監視し(図4のB101)、逆潮流可能な電力量が有ると判定できた場合(図4のB102)、逆潮流可能となる電力量の情報を含む要請情報を生成し、この要請情報を含む要請信号をサーバ装置10へ送信する(図4のB103)。
このようにして、複数の電力需要設備20−1,20−2から要請信号が送信され、サーバ装置10において、この信号に含まれている要請情報が収集される。そして、これら要請情報に基づいて、サーバ制御部14は、既定の割当方式により、逆潮流を許可する電力需要設備を決定し、その電力需要設備に対して許可信号を送信する(図4のB4、B104)。なお、図4の場合、双方の電力需要設備20−1,20−2に対して許可信号が送信されている。また、前記「既定の割当方式」については、後に説明する。
第1の電力需要設備20−1において、逆潮流制御部36は、許可信号中の許可情報を取得すると、許可された電力量分を逆潮流するための制御を実行する(図4のB5)。なお、前記「逆潮流するための制御」には、後に説明するが、逆潮流を開始するタイミングを設定する制御が含まれる。そして、電力需要設備20−1の畜エネルギー装置35から、所定のタイミングで、許可された電力量分の逆潮流が開始される(図4のB6)。
また、別である第2の電力需要設備20−2おいて、逆潮流制御部36は、許可信号中の許可情報を取得すると、許可された電力量分を逆潮流するための制御を実行する(図4のB105)。そして、電力需要設備20−2の畜エネルギー装置35から、所定のタイミングで、許可された電力量分の逆潮流が開始される(図4のB106)。
〔4.「既定の割当方式」(その1)について〕
図5は、横軸を時間スロット(t0〜t5)とし、各時間スロットにおける畜エネルギー装置35の電力量を表している説明図である。なお、この時間スロットは、図3のステップS1からS7が実行可能となる時間として設定している。
図5中のクロスハッチは、各時間スロットに逆潮流を実行した電力量を示しており、シングルハッチは、時間スロット毎で畜エネルギー装置35が蓄積している電力量であって、逆潮流していない残り電力量を示している。
また、この図5では、説明を容易とするために、逆潮流する電力量及び蓄積される電力量を、ブロックとして表示しており、ブロックの一つを、逆潮流する電力量の基本単位及び蓄積する電力量の基本単位としている。以下、一個のブロックを「1電力量」とし、二個のブロックを「2電力量」・・・n個のブロックを「n電力量」と定義する。時刻t0では、電力需要設備20−1の畜エネルギー装置35は「1電力量」を蓄積している。
さらに、図5では、時間スロット毎の、新たな電力の蓄積量を「蓄積0」「蓄積1」「蓄積2」・・・「蓄積m」等として示している。mは自然数であり、このmはブロックの数である。電力需要設備20それぞれでは、不定期に様々な量の電力量が蓄積される。
また、この実施形態では、畜エネルギー装置35に少なくとも「2電力量」の蓄積がある場合、逆潮流制御部36は、逆潮流可能な電力量が有ると判定することができる(図3のS2でYES、図4のB2,B102)。
図5において、時間スロットt1では、電力需要設備20−1,20−2それぞれにおいて、畜エネルギー装置35に少なくとも「2電力量」の蓄積があることから、電力需要設備20−1,20−2それぞれからサーバ装置10へ要請信号が送信される。また、この要請信号の要請情報には、逆潮流可能となる電力量の情報を含ませる。電力需要設備20−1からの要請情報には「3電力量」の情報が含まれ、電力需要設備20−2からの要請情報には「2電力量」の情報が含まれる。
そして、サーバ制御部14は、電力需要設備20−1,20−2それぞれから要請信号を受けるが、電力需要設備20−1に対してのみ逆潮流を許可し、許可情報を生成し、送信し、この電力需要設備20−1は、許可情報を受信して「2電力量」について逆潮流を行っている。これは、例えば、要請情報に含まれている逆潮流可能となる電力量の情報に基づくことができる。つまり、逆潮流可能となる電力量が多い電力需要設備(20−1)を優先させることができる。このように、サーバ制御部14は、逆潮流可能となる電力量の情報を含む要請情報を取得すると、その電力量の情報に基づいて、逆潮流を許可する電力需要設備を決定することができる。
なお、要請信号を送信した全ての電力需要設備(20−1,20−2)に対して許可信号を送信しない理由は、電力需要設備(20−1,20−2)からの逆潮流電力量が、電力系統網2が受け入れ可能となる総逆潮流電力量を超えないように、サーバ制御部14が管理しているためである。
図5の実施形態では、逆潮流させる電力量が予め設定されている。つまり、各電力需要設備20に逆潮流させる電力量は一定である。本実施形態では、各電力需要設備20が逆潮流させる電力量は(最大で)常に「2電力量」であり、逆潮流制御部36は、予め定められている電力量である「2電力量」の逆潮流を実行する制御を行う。この場合、許可情報を受けると、予め定められている電力量(「2電力量」)の逆潮流を各電力需要設備20は実行することから、サーバ制御部14において、逆潮流させる電力量を定める処理が不要となり、制御は簡単となる。
次の時間スロットt2では、電力需要設備20−2において、畜エネルギー装置35に少なくとも「2電力量」の蓄積があることから、電力需要設備20−2から要請信号がサーバ装置10へ送信される。サーバ制御部14は、この電力需要設備20−2に対して逆潮流を許可し、許可情報を生成し、送信し、電力需要設備20−2は、「2電力量」について逆潮流を行っている。
さらに次の時間スロットt3では、電力需要設備20−1,20−3それぞれにおいて、畜エネルギー装置35に「2電力量」の蓄積があることから、電力需要設備20−1,20−3それぞれから要請信号がサーバ装置10へ送信される。サーバ制御部14は、電力需要設備20−1,20−3それぞれから要請信号を受けたが、電力需要設備20−3に対してのみ逆潮流を許可し、許可情報を生成し、送信し、この電力需要設備20−3は、「2電力量」について逆潮流を行っている。
このように電力需要設備20−1ではなく、電力需要設備20−3のみに対して、逆潮流を許可する割当を行っている。つまり、サーバ制御部14は、時間スロットt1において既に逆潮流を許可し許可情報を送信した電力需要設備20−1については、次回以降である時間スロットt3において、逆潮流を許可する電力需要設備を決定する際、その決定の優先順位を下げる処理を行う。この処理によれば、逆潮流の機会が与えられる電力需要設備が偏るのを防ぎ、他の電力需要設備にも逆潮流の機会が与えられる。
〔5.「既定の割当方式」(その2)について〕
図6は、図5により説明した逆潮流の割当方式と異なる他の割当方式を説明する図であるが、図6の各表示項目等は、図5と同様である。
しかし、この図6に示す実施形態では、畜エネルギー装置35に少なくとも「1電力量」の蓄積がある場合、逆潮流制御部36は、逆潮流可能な電力量が有ると判定することができる(図3のS2でYES、図4のB2,B102)。また、図6に示す実施形態では、各電力需要設備20も逆潮流させる電力量は、予め設定されておらず、サーバ装置10によって指定される。つまり、逆潮流させる電力量は可変である。ただし、逆潮流させる電力量の最大値は制限されており、この例では「2電力量」を最大としている。
図6の時間スロットt1では、電力需要設備20−1,20−2,20−3それぞれにおいて、畜エネルギー装置35に少なくとも「1電力量」の蓄積があることから、電力需要設備20−1,20−2,20−3それぞれから要請信号がサーバ装置10へ送信される。サーバ制御部14は、電力需要設備20−1,20−2,20−3それぞれから要請信号を受けるが、電力需要設備20−1,20−2に対してのみ逆潮流を許可し、許可情報を生成し、送信し、電力需要設備20−1,20−2それぞれは、「1電力量」について逆潮流を行っている。
なお、このサーバ制御部14は、逆潮流させる電力量を指定する情報を含む許可情報を生成し、送信している。この例では、電力需要設備20−1,20−2それぞれに対して、逆潮流させる電力量を「1電力量」と指定している。そして、この許可情報を受信した電力需要設備20−1,20−2それぞれの逆潮流制御部36は、許可情報を取得すると、指定された「1電力量」の逆潮流を実行する制御を行う。
この制御によれば、電力系統網2側へ逆潮流させる電力量の最大値が制限されている場合、例えば、「2電力量」を最大値として制限している場合、一つの電力需要設備(例えば設備20−1)が独占して多くの電力量を逆潮流させるのではなく、他の電力需要設備(例えば20−2)も分散させて逆潮流させることができ、できるだけ多くの電力需要設備に対して逆潮流させる機会を増やすことが可能となる。
なお、要請信号を送信した全ての電力需要設備(20−1,20−2,20−3)に対して許可信号を送信しない理由は、電力需要設備(20−1,20−2,20−3)からの逆潮流電力量が、電力系統網2が受け入れ可能となる総逆潮流電力量を超えないように、サーバ制御部14が管理しているためである。
時間スロットt1において電力需要設備20−3は要請信号を送信したにもかかわらず、許可情報を取得することができなかったため(図3のステップS5のYES)、この後の時間スロットt2では、電力需要設備20−3は優先される。
つまり、時間スロットt2では、電力需要設備20−1,20−2,20−3それぞれから要請信号が送信されているが、サーバ制御部14は、時間スロットt1において要請情報を送信してきた電力需要設備20−1,20−2,20−3のうち、逆潮流を許可しなかった電力需要設備20−3については、次回以降である時間スロットt2において、逆潮流を許可する電力需要設備を決定する際、その決定の優先順位を上げる処理を行う。
そこで、時間スロットt2では、サーバ制御部14は、優先される電力需要設備20−3の他に、電力需要設備20−1に対してのみ逆潮流を許可し、許可情報を生成し、送信し、電力需要設備20−1,20−3それぞれは、指定された「1電力量」について逆潮流を行っている。この処理によれば、逆潮流の機会が与えられる電力需要設備(20−1,20−2)が偏るのを防ぎ、他の電力需要設備(20−3)にも逆潮流の機会が与えられる。
なお、この時間スロットt2において電力需要設備20−2は要請信号を送信したにもかかわらず、許可情報を取得することができなかったため(図3のステップS5のYES)、この後の時間スロットt3では、電力需要設備20−2は優先される。
時間スロットt3では、電力需要設備20−1,20−2,20−3それぞれにおいて、畜エネルギー装置35に少なくとも「1電力量」の蓄積があることから、電力需要設備20−1,20−2,20−3それぞれから要請信号がサーバ装置10へ送信される。サーバ制御部14は、優先される電力需要設備20−2の他、電力需要設備20−3に対して逆潮流を許可し、許可情報を生成し、送信し、電力需要設備20−2,20−3それぞれは、「1電力量」について逆潮流を行う。
〔6.「逆潮流するための制御」について〕
前記のとおり、逆潮流制御部36が行う「逆潮流するための制御」には、逆潮流を開始するタイミングを設定する制御が含まれる。この制御の具体例を説明する。図7は、サーバ装置10と電力需要設備20との間で行われる要請信号及び許可信号の送受信を説明する説明図である。
電力需要設備20が要請信号を送信した時刻tsは「9時14分58秒00」であり、許可信号を受信した時刻trは「9時15分02秒00」であったとする。なお、これら時刻ts、trは、電力需要設備20の時計に基づく時刻である。
これに対して、サーバ装置10が要請信号を受信した時刻Trは「9時15分01秒00」であり、許可信号を送信した時刻Tsは「9時15分02秒00」であったとする。なお、これら時刻Tr、Tsは、サーバ装置10の時計に基づく時刻である。
そして、サーバ装置10の時計と電力需要設備20の時計とはそれぞれ独立しているため、両者間には時刻のズレが生じていることがある。
そこで、逆潮流制御部36は、サーバ装置10と電力需要設備20との間の信号の送受信の遅延時間σを、次の式(1)により求める。
σ=(tr−ts)−(Ts−Tr) ・・・ (1)
図7の場合、遅延時間σは、以下のとおりとなる。
σ=(9時15分02秒00−9時14分58秒00)
−(9時15分02秒00−9時15分01秒00)
=3秒
実際にはトラフィック状態によって送信と受信とに要する時間は同じとはならないが、ここでは、送信と受信とに要するそれぞれの時間は等しいとすると、片道の遅延時間はσの半分である1.5秒となる。なお、前記のとおり、トラフィック状態によって送受信に要する時間は変化することから、この遅延時間σについては、複数回計測し、平均値を採用するのが好ましい。
また、サーバ装置10が送信する許可信号には、この許可信号を送信する時刻Ts(予定時刻)の情報「9時15分02秒00」が含まれている。
そこで、逆潮流制御部36は、受信した許可信号に含まれる情報の中から許可信号の送信時刻Tsを取得し、この送信時刻Tsに前記片道の遅延時間を加算することにより、サーバ装置10と時刻を同期させる処理を行うことができる。
つまり、図7の場合、送信時刻Ts「9時15分02秒00」に片道の遅延時間である「1.5秒」を加算すると「9時15分03秒50」となる。この算出した時刻「9時15分03秒50」(期待値)と、実際に電力需要設備20が許可信号を受信した時刻tr「9時15分02秒00」(実測値)とを比較すると、電力需要設備20(逆潮流制御部36)は、自己の時計が、サーバ装置10の時計と比べて、1.5秒遅れていることの判断が可能となる。
そして、逆潮流制御部36は、この1.5秒遅れている時間のずれを解消する処理を行い、サーバ装置10と同期させる。
そして、サーバ制御部14によって生成され送信された許可情報には、逆潮流の開始タイミングの情報(逆潮流を開始させる時刻の情報)が含まれていることから、サーバ装置10と同期させた時計に基づいて、許可情報で指示されている開始タイミングで、逆潮流制御部36は、逆潮流を開始させる。例えば、逆潮流の開始タイミングとして「9時15分05秒00」とする情報が、許可情報に含まれている場合、逆潮流が許可された電力需要設備20は、サーバ装置10と同期させた時計を基準として、この「9時15分05秒00」に逆潮流を実際に開始する。
このように、逆潮流制御部36は、サーバ装置10との時刻のずれを判定すると共に、このずれを解消した開始タイミングで逆潮流を開始する制御を行う。
以上より、電力需要設備20からの逆潮流により、電力系統網2の系統電圧が不安定とならないように、サーバ制御部14は、所定のタイミングで、複数の電力需要設備20それぞれから逆潮流が行われるように制御を行う必要があるが、前記のとおり、サーバ装置10と各電力需要設備20との間で同期しておらず、複数の電力需要設備間で逆潮流の開始タイミングがばらつくと、系統電圧が不安定となるおそれがある。そこで、本実施形態のように、各電力需要設備20がサーバ装置10と同期し、許可情報により指定された逆潮流の開始タイミングに基づいて逆潮流を行うことで、系統電圧が不安定となるのを抑えることができる。
また、前記のような逆潮流制御部36が有する同期機能によって同期される時刻を更に微調整する機能、つまり、逆潮流の開始タイミングを微調整する機能も、逆潮流制御部36は有している。
ここで、電力系統網2の周波数を50Hzとする場合、1秒間に50回の正弦波が波打つこととなる。つまり、1つの正弦波で見ると、180°の電圧位相がずれた場合、これを時間に換算すると0.01秒のずれに相当する。
サーバ制御部14は、許可情報に、この許可信号を送信する時刻Ts(予定時刻)の情報「9時15分02秒00」の他に、この時刻Tsにおける系統電圧(電力線3)の位相の情報も含めて生成し、送信する。
これに対して、電力需要設備20においても、系統電圧(電力線3)の位相を計測することができる。そして、逆潮流制御部36は、許可信号を取得し、片道の遅延時間(1.5秒)を算出すると、この遅延時間(1.5秒)を解消する時刻における位相、つまり、遅延時間(1.5秒)前の時刻における位相を求め、この求めた位相と、許可情報に含まれていた系統電圧の位相とを比較する。
そして、この比較した位相に応じて、電力需要設備20の時計を補正する。例えば、比較した結果、位相が180°遅れていた場合、0.01秒早く逆潮流を開始する。つまり、逆潮流の開始タイミングとして「9時15分05秒00」とする情報が許可情報に含まれているが、サーバ装置10と同期させた時計に基づいて、0.01秒早い「9時15分04秒99」に逆潮流を開始する制御を逆潮流制御部36は行う。
このように、サーバ制御部14は、許可信号を送信する時刻Ts(所定の時刻)における電力系統網2の電圧位相を計測し、この時刻Ts及び計測した電圧位相の情報を含む許可情報を生成する。そして、逆潮流制御部36は、サーバ装置10と同期する時間を基準とした時刻Ts(所定の時刻)における電力系統網2の電圧位相を計測し、この計測した電圧位相と、許可情報に含まれている電圧位相とを比較し、これら電圧位相の差を解消したタイミングで逆潮流を開始する制御を行う。この制御により、電力需要設備20において、逆潮流の開始タイミングを微調整することが可能となる。
〔7.本実施形態に係る電力制御システム〕
以上の構成を備えている電力制御システムによれば、サーバ装置10によって、逆潮流を許可する電力需要設備20が決定されると、その電力需要設備20に対して逆潮流を許可する許可情報が送信され、この許可情報を受けた電力需要設備20が逆潮流を行うため、例えば、逆潮流の機会が変電所4からの距離と関係なくなり、各電力需要設備20に対する逆潮流の機会が不公平となるのを抑えることが可能となる(不公平が是正される)。
そして、電力系統網2に逆潮流可能となる電力需要設備20をサーバ装置10が管理していることで、電力系統網2の電力系統の安定化を図ることができ、また、系統電圧を管理範囲内に抑えるために、電力系統網2側に例えば揚水発電所やNAS電池等の大型の電力貯蔵設備を設置する必要がなくなる。
今回開示した各実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上述の実施形態では、電力需要設備20が備えている発電機を、太陽光発電機及び風力発電機として説明したが、これ以外であってもよい。
また、サーバ装置と各電力需要設備との間における情報の通信方式に関して、本実施形態では、光ファイバや電話回線等を利用する場合を説明したが、この通信方式は、インターネットを用いた通信等、その他の方式を採用することができ、電力線通信や無線通信を用いても良い。
2:電力系統網 10:サーバ装置 12:通信部(サーバ通信部) 14:サーバ制御部 20:電力需要設備 23:太陽光発電機(電源部) 24:風力発電機(電源部) 30:パワーコンディショナ(電力需要設備用の制御装置) 31:通信部 35:畜エネルギー装置(電源部) 36:逆潮流制御部

Claims (14)

  1. 電力系統網へ逆潮流させる電力を発生させる電源部を有する複数の電力需要設備と、これら電力需要設備による逆潮流を制御するサーバ装置とを備えた電力制御システムであって、
    前記サーバ装置は、逆潮流を許可する電力需要設備を決定すると共に、決定した電力需要設備に対して逆潮流を許可する許可情報を送信するための制御を行うサーバ制御部を有し、
    前記電力需要設備は、前記許可情報を受信すると、前記電源部から電力を逆潮流させる制御を行う逆潮流制御部を有することを特徴とする電力制御システム。
  2. 前記逆潮流制御部は、逆潮流を要請するための要請情報を前記サーバ装置に送信するための制御を行い、
    前記サーバ制御部は、前記要請情報を取得すると、当該要請情報を送信した電力需要設備の中から逆潮流を許可する電力需要設備を決定する請求項1に記載の電力制御システム。
  3. 前記逆潮流制御部は、逆潮流可能となる電力量の情報を含む前記要請情報を生成し、
    前記サーバ制御部は、前記要請情報を取得すると、前記電力量の情報に基づいて、逆潮流を許可する電力需要設備を決定する請求項2に記載の電力制御システム。
  4. 前記サーバ制御部は、逆潮流の開始タイミングの情報を含む前記許可情報を生成する請求項1〜3のいずれか一項に記載の電力制御システム。
  5. 前記逆潮流制御部は、前記サーバ装置との時刻のずれを判定すると共に、このずれを解消した開始タイミングで逆潮流を開始する請求項4に記載の電力制御システム。
  6. 前記サーバ制御部は、逆潮流させる電力量を指定する情報を含む前記許可情報を生成し、
    前記逆潮流制御部は、前記許可情報を取得すると、指定された電力量の逆潮流を実行する制御を行う請求項1〜5のいずれか一項に記載の電力制御システム。
  7. 前記逆潮流制御部は、予め定められている電力量の逆潮流を実行する制御を行う請求項1〜5のいずれか一項に記載の電力制御システム。
  8. 前記サーバ制御部は、前記許可情報を送信した前記電力需要設備については、次回以降、逆潮流を許可する電力需要設備を決定する際、その決定の優先順位を下げる請求項1〜7のいずれか一項に記載の電力制御システム。
  9. 前記サーバ制御部は、前記要請情報を送信してきた電力需要設備のうち、逆潮流を許可しなかった電力需要設備については、次回以降、逆潮流を許可する電力需要設備を決定する際、その決定の優先順位を上げる請求項2又は3に記載の電力制御システム。
  10. 前記サーバ制御部は、所定の時刻における電力系統網の電圧位相を計測し、当該所定の時刻と当該電圧位相との情報を含む前記許可情報を生成し、
    前記逆潮流制御部は、前記サーバ装置と同期する時間を基準とした前記所定の時刻における電力系統網の電圧位相を計測し、この計測した電圧位相と、前記許可情報に含まれている前記電圧位相とを比較し、これら電圧位相の差を解消したタイミングで逆潮流を開始する請求項1〜9のいずれか一項に記載の電力制御システム。
  11. 前記電源部は、電力の蓄電及び放電が可能であるキャパシタを含む請求項1〜10のいずれか一項に記載の電力制御システム。
  12. 電力系統網へ逆潮流させる電力を発生させる電源部を有する複数の電力需要設備それぞれが行う逆潮流を制御するサーバ装置であって、
    逆潮流を許可する電力需要設備を決定すると共に逆潮流を許可する許可情報を生成するサーバ制御部と、
    決定された電力需要設備に対して前記許可情報を送信するサーバ通信部と、を有していることを特徴とするサーバ装置。
  13. 電力系統網へ逆潮流させる電力を発生させる電源部を有する電力需要設備が行う逆潮流を、当該電力系統網側を管理するサーバ装置から送信される情報に基づいて制御する電力需要設備用の制御装置であって、
    前記サーバ装置から送信された、逆潮流を許可する許可情報を受信する通信部と、
    前記許可情報が受信されると、前記電源部から電力を逆潮流させる制御を行う逆潮流制御部と、を有することを特徴とする電力需要設備用の制御装置。
  14. 電力系統網へ逆潮流させる電力を発生させる電源部を有する複数の電力需要設備による逆潮流の制御を、当該電力需要設備と通信可能なサーバ装置及び当該電力需要設備が連携して行う電力制御方法であって、
    前記サーバ装置は、逆潮流を許可する電力需要設備を決定すると共に、決定した電力需要設備に対して逆潮流を許可する許可情報を送信し、
    前記電力需要設備は、前記許可情報を受信すると、前記電源部から電力を逆潮流させる制御を行うことを特徴とする電力制御方法。
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