JP2014014111A - 光通信システムにおけるサイクルスリップの影響を修正する方法、及びコヒーレント受信機 - Google Patents

光通信システムにおけるサイクルスリップの影響を修正する方法、及びコヒーレント受信機 Download PDF

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Abstract

【課題】
コヒーレント通信システムにおいて、サイクルスリップの影響を修正する。
【解決手段】
予め定められた所定の周期性を有するSYNCバーストと、連続するSYNCバーストの間の予め定められた所定位置に配された複数の既知符号と、で構成される光信号が受信される。受信された信号は、データブロックに分割される。各データブロックは、少なくともデータ符合と、前記信号に含まれる連続するSYNCバーストの各ペア間の所定位置に配された前記複数の既知符号に対応する一組のチェック符号とを含んでいる。各データブロックが処理されて、サイクルスリップが検出される。サイクルスリップが検出されると、そのデータブロックの一組のチェック符号が検査されて第1スリップトチェック符号が特定され、前記第1スリップトチェック符号とそのデータブロックの最後のデータ符合との間にあるデータ符合に対し、位相補正が行われる。
【選択図】図3

Description

本発明は、広く光通信に関し、特に、コヒーレント受信機におけるサイクルスリップの検出とその影響の修正を行うシステム及び方法に関する。
コヒーレント光受信機を用いる光通信システムにおいては、コヒーレント受信機で受信される変調光信号は、狭線幅の局部発信(LO)信号と混合され、当該混合された信号は、一つ又は複数の光検出器に入射される。光検出器の出力に現れる電流の周波数スペクトラムは、実質的には、受信された光信号と局部発振光(LO)との重畳積分値に比例し、中間周波数の位置に、上記受信信号の変調データを含む信号成分を有する。このため、光検出器の出力電流に対し電気的なフィルタリングや処理を行うことで、この「データ成分」を分離して検出することができる。
LO信号は、通常、半導体レーザを用いて生成される。この半導体レーザは、通常、送信機のキャリア信号を生成するレーザの周波数に近い周波数を生成するように設計される。しかしながら、知られているとおり、このような半導体レーザは、線幅が有限であり位相雑音を生じる。その結果、周波数遷移は、通常、50kHzまでのレートで±400MHzにも及ぶ。また、多くの半導体レーザは、最大許容線幅が±2MHzであるため、送信機のレーザとLOレーザとが名目上同じ周波数で動作したとしても、依然として±4MHzもの不整合、即ちオフセットを生じてしまう。送信機レーザ及びLOレーザが持つ短周期の位相雑音が生じれば、周波数不整合量は上記の値を超えて大きく増加する。
受信されるキャリヤ信号(すなわち、送信機レーザ)とLOとの周波数不整合量は、符号検出における位相誤差となって表れ、この位相誤差は時間的に変化する。この位相誤差が、QPSKではπ/4、BPSKではπ/2になると、“サイクルスリップ”が発生する。ここで、サイクルスリップとは、符号が隣の判定領域(decision region)に入り込むことにより誤って解釈されることをいう。これにより、サイクルスリップが生じた後は、各シンボルが(即ち全てのシンボルが)誤って解釈されることとなる。
公知の技術として、サイクルスリップが発生したか否かを判断し、かつ/又は、サイクルスリップの影響を緩和する方法が知られている。例えば、与えられたデータブロック内でサイクルスリップが発生しているかどうかを検出し、その効果を緩和する技術が知られている(特許文献1参照)。特許文献1では、送信機において、光信号に周期的なSYNCバーストが挿入される。符号シーケンスと各SYNCバーストの発生タイミングは既知であるので、各SYNCバーストを使ってデータ符号ブロック内のサイクルスリップを検出し、抽出した位相情報(sample phase)をリセットして、そのサイクルスリップの影響を受ける符号の数を制限することができる。しかしながら、特許文献1に開示されている方法では、データブロック内に存在するサイクルスリップの位置を推定することはできない。
サイクルスリップが存在するということは、サイクルスリップと次のSYNCバーストとの間にある各データ符号が誤って復号されるということを意味する。特許文献1に示されているように、これは、サイクルスリップを含むデータブロックの中で誤りを生ずる符号の数が、平均として、そのデータブロック内に含まれるデータ符号の数の半分に達することを意味する。サイクルスリップにより生ずるビットエラーを誤り訂正符号(Forward Error Correction:FEC)技術により訂正しようとする場合、失われるデータブロックの数を制限しようとすれば、FECは、連続発生する誤り符号を、少なくとも上記の数だけは訂正できる程度に強力なものでなければならない。特許文献1には、前方及び後方復号技術を組み合わせて、誤り符号の平均数を、連続するSYNCバーストに挟まれた符号の数の平均1/4まで減少させることのできる技術が示されているが、この技術においても、依然として誤り符号を訂正できる強力なFECが必要とされている。
知られているように、既存の誤り訂正符号(FEC)では、受信機において所定の最大数までの誤りビット(符号)を訂正することができる。この訂正可能な誤り符号の最大数は“FECバジェット”と称され、ノイズやサイクルスリップによって生じる誤り符号を、当該最大数まで訂正することを保証する。通常、FECバジェットの一部がサイクルスリップに割り当てられると、ノイズにより発生する誤り符号の訂正に使用できるFECバジェットの残り部分が減少する。一方、光通信システムの符号伝送速度は増加しているため、ノイズが伝送性能に与える影響は大きくなっており、その結果、FECバジェットのうちできるだけ多くの部分をノイズ補償に割り当てたいという要求が高まっている。
米国特許出願公開第2007/0092260号明細書
すなわち、誤り訂正符号(FEC)にあまり頼ることなく、サイクルスリップの検出と影響緩和を行うことのできる技術の実現が、依然として強く望まれている。
以下に、光通信システムにおけるサイクルスリップの影響を修正する方法及び技術について説明する。
本発明の一つの態様では、予め定められた所定の周期性を持つSYNCバーストと、連続する前記SYNCバースト間の、予め定められた所定位置に配された複数の既知符号とを含む信号を、受信する。受信された信号は、データブロックに分割される。各データブロックは、少なくともデータ符号と、前記信号において連続するSYNCバーストの各対に挟まれた所定位置にある、前記複数の既知符号に対応する一組のチェック符号とを含む。
各データブロックは処理され、サイクルスリップが検出される。サイクルスリップが検出されると、そのデータブロック内の一組のチェック符号が検査されて第1スリップトチェック符号が特定される。そして、前記第1スリップトチェック符号と、そのデータブロックの末端との間にある、当該データブロック内のデータ符号に対し、位相補正が行われる。
本発明の一つの形態では、各チェック符号の検査は、次のSYNCバーストに隣接するチェック符号から開始し、第1のSYNCバーストに向かって継続する。検査された各チェック符号は、その符号に対応する既知符号と比べて誤っているときは、位相滑りを生じたチェック符号(以下、「スリップトチェック符号」)として特定される。位相滑りを生じたチェック符号として特定されなかった最初のチェック符号は、サイクルスリップに先行する符号として特定される。サイクルスリップに先行するチェック符号が次のSYNCバーストに隣接している場合、そのチェック符号は、第1スリップトチェック符号として特定され、そうでないときは、その前に検査されたチェック符号が第1スリップトチェック符号として特定される。
本発明の他の形態では、各チェック符号は、対応する既知符号と比較して誤りを生じているか否かが検査され、誤りを生じているときは、そのチェック符号の位置が位相滑り位置(slip location)の候補として特定される。次に、各位相滑り位置候補について、当該位置候補の符号及び、当該符号と次のSYNCバーストとの間の全ての符号に対して、共通の補正処理(common correction)が行われる。そして、その補正処理の後に、誤り率が算出される。次に、最も小さい誤り率を持つ位相滑り位置候補の符号が、第1スリップトチェック符号として特定される。
要するに、本発明は、特許文献1に示された技術に基づき、2つの連続するSYNCバースト間における、サイクルスリップのおおよその発生位置を検出する効果的な方法を提供し、そのサイクルスリップにより影響を受ける符号の数を減少させるための補正処理を行うものである。この補正処理後に補正されないまま残された誤り符号は、誤り訂正符号(FEC)を用いて訂正することとなるが、サイクルスリップの補正に割り当てなければならないFECバジェットは大幅に減少する。
各光信号を示す図である。 各光信号を示す図である。 光通信システムのブロック図である。 サイクルスリップの影響を修正する方法の、一つの形態を表わす図である。 サイクルスリップの影響を修正する方法の、他の形態を表わす図である。
本発明の代表的な実施形態を、一例として添付図面と共に示す。
全ての図を通じ、同じものは同じ番号により表わすものとする。
図1aは、光伝送路を伝搬する2つのデジタル・データストリームを示す図である。各データストリーム100は、それぞれ、伝搬光信号のX偏光成分及びY偏光成分に変調されている。SYNCバースト102は、所定の符号シーケンスを持ち、各データストリーム内に一定間隔で挿入される。図1bは、別の信号構成を示しており、伝搬光の各偏光成分のそれぞれに、それぞれ直交するビット・シーケンスが割り当てられたI成分とQ成分とが含まれている。上記いずれの場合も、連続するSYNCバースト間のデータ符号ブロック内における所定位置に、既知のビット又は既知の符号104が、埋め込まれている。
SYNCバースト102のフォーマット、内容、及び繰り返し周波数は、特許文献1に詳述された考察に従って選択するのが望ましい。その内容については、ここでは割愛する。
特許文献1に示されているように、受信機における各SYNCバースト202のタイミング検出は、自己相関法により行うことができる。
自己相関法は、サイクルスリップの正負や大きさの推定にも用いることができる。たとえば、SYNCバースト102の既知符号シーケンスを用いて、それぞれ−2、−1、+1、+2判定領域のサイクルスリップに対応する“誤りを生じたSYNCバースト”を算出することができる。それぞれの“誤りを生じたSYNCバースト”と、これに対応する受信信号光の符号値との間の相関を用いて、そのサイクルスリップの正負及び大きさについての確度の高い推定を行うことができる。他の方法を用いてサイクルスリップを検出することもできる。
例えば、特許文献1には、“前方及び後方”復号手法が記述されている。この方法では、データ符号の重なり合ったブロック(overlapping blocks of data symbols)を複数のチャネルに分散する。一つのチャネル内では、直前のSYNCバーストにより把握された検出器位相(detector phase)を用いて前方復号操作が実行され、隣のチャネルでは、直後のSYNCバーストにより把握された検出器位相を用いて後方復号操作が実行される。サイクルスリップが発生していなければ、重なり合い領域にある符号の復号結果は、2つのチャネルにおいて同一となるはずであるので、各チャネルにおける復号結果が異なった場合は、そのデータブロック内でサイクルスリップが発生していることが判る。ただし、そのサイクルスリップの発生位置については、知ることができない。
既知符号104のフォーマット、内容、及び繰り返し周波数は、サイクルスリップの検出及び修正による効果と、これを行うために必要となるオーバヘッドとのバランスを考えて選択することが望ましい。いくつかの形態では、既知符号104は、必要に応じて、それぞれが1ビットで構成されていてもよく、複数ビットで構成されていてもよい。また、既知符号104は、すべてが同じ値(例えば2進値の“1”)を持つものとすることもできるが、符号のシーケンスが既知であれば同様に使用することができる。図1a及び1bに示す形態では、既知符号104が伝搬光の2つの偏光成分に挿入されるが、これは必須ではない。必要であれば、既知符号104は、一方の偏光成分にのみ挿入するものとし、これを用いて2つの偏光成分に影響を及ぼすサイクルスリップを補正してもよい。
図2は、上述した光信号フォーマットを用いてサイクルスリップの発生位置の特定と補正処理を安定に行うことのできる、代表的なコヒーレント光受信機の構成を示す図である。
図2のコヒーレント光受信機では、伝送されて来た光信号が光伝送路2から入射され、偏光ビームスプリッタ4により直交偏光光に分離される。その後、分離された各直交偏光光は、一般的な90度光ハイブリッド8により局部発振器(LO)信号6と混合される。光信号は、例えば、上述した図1bのタイプの高速光信号とすることができる。光ハイブリッド8から出力された混合光信号は、それぞれ個別の光検出器10に入射し、当該光信号に対応するアナログ信号を発生する。光検出器の出力信号は、それぞれ対応するアナログデジタル(Analog-to-Digital:A/D)変換器34によりサンプリングされ、受信された各偏光光の同相成分(I)と直交成分(Q)に対応する複数ビットのサンプルストリームが生成される。なお、図2では、A/D変換器のそれぞれについて2つの光検出器が示されているが、各A/D変換器に対し光検出器を一つだけ使用するものとしてもよく、そのようにしても良好な性能を得ることができる。
受信された各偏光成分のI及びQのサンプルストリーム(sample stream)は、A/D変換器34のブロックから、それぞれ対応する分散補償器36に供給される。分散補償器36は、サンプルストリームに作用して、光伝送路の色分散を補償する。この機能を実現する方法としては、種々の方法が知られており、例えば、有限インパルス応答(Finite Impulse Response:FIR)フィルタを用いることができる。分散補償器36は、ハードウェアとソフトウェアを適宜組み合わせることにより構成することができる。いくつかの形態では、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いることができる。
分散補償器36から出力された分散補償後のサンプルストリームは、次に、1:M分配ユニット38に入力される。分配ユニット38は、分散補償器36から出力された一群のサンプルストリームを、M個の光経路のいずれかに選択的に導くことにより、その信号経路を分割する。各経路内では、偏光補償器40により、分散補償されたサンプルストリームから、各偏光成分に含まれたI信号成分とQ信号成分とが抽出される。各偏光補償器40から出力された歪補正後のサンプルストリームは、次に、それぞれ対応する復号器42に入力され、データ符号の検出と、データの再生が行われる。分配ユニット38、偏光補償器40、及び復号器40は、分散補償器36と同様に、ハードウェアとソフトウェアとを適宜組み合わせることにより、(それぞれ個別に、又は、一緒に)構成することができる。いくつかの形態では、ASICやFPGAを用いることができる。
上述したように、受信した光信号とLO6との間には周波数の不整合が生じており、この不整合は、偏光補償器40から出力される符号推定結果についての、時間的に変化する位相誤差を発生させる。これが原因となり、周期的なサイクルスリップが発生することがある。サイクルスリップが発生すると、復号器42では、その位相滑り(slip)に続く各符号の解釈に誤りが生じることとなる。この符号解釈の誤りは、例えば復号器が次のSYNCバーストの受信時に位相情報(sample phase)をリセットし、正しい符号位相(symbol phase)を再取得するまで、続くこととなる。上述したように、特許文献1には、復号器42がデータブロック内におけるサイクルスリップ発生を検出するための種々の方法が示されているが、これらの方法を用いても、サイクルスリップの発生位置を特定することはできない。
サイクルスリップが検出されると、そのサイクルスリップが発生しているデータブロックは、ポストプロセッサ44に与えられる。そして、そのデータブロック内における位相滑り(slip)の位置が推定され、当該サイクルスリップに起因する誤りビットの数が減るように補正処理が行われる。ポストプロセッサ44は、ハードウェアとソフトウェアを適宜組み合わせて構成することができる。いくつかの形態では、ASICやFPGAを用いることができる。
次に、データブロック内のサイクルスリップの位置を推定して補正処理を行う代表的な方法を、図3及び図4を参照して説明する。説明を容易にするため、以下では、伝送されたデータブロック内の各既知符号104に対応する、そのデータブロック内の一連の復号された符号を、「チェック符号」と称するものとする。各データブロック内の一連のチェック符号は、それぞれ対応する既知符号と比較され、どのチェック符号に誤りを生じているかが特定される。都合のよいことに、ノイズはチェック符号の誤りをランダムに生じさせ、一方、サイクルスリップでは、誤りのあるチェック符号が連続して生ずる。この誤りのある符号は、サイクルスリップ発生後の最初のチェック符号から始まって、そのデータブロック内の最後のチェック符号まで続く。便宜のため、サイクルスリップ発生後の最初のチェック符号を、ここでは、“第1スリップトチェック符号”と称するものとする。第1スリップトチェック符号を特定して訂正処理を行う方法の一例を、図3に示す。
図3に示すように、各チェック符号が、データブロック内の最後のチェック符号(n=N)からそのデータブロック内の最初のチェック符号に向かって、順番に検査される(ステップ302)。対応する既知符号と比較して(ステップ304)、不正な値を持つチェック符号は、それぞれ、サイクルスリップの影響を受けたものとされ、位相滑りを生じたチェック符号として特定される(ステップ306)。(ステップ304において)正しい値を持つものとして検出された最初のチェック符号は、サイクルスリップに先行するチェック符号と考えられるので、サイクルスリップの発生位置は、その(正しい)チェック符号S(n)と、そのデータブロック内にあるその直後のチェック符号S(n+1)との間にあると考えることができる。このため、チェック符号S(n+1)は、第1スリップトチェック符号となる(ステップ308)。第1スリップトチェック符号が発見されれば、位相補正を第1スリップトチェック符号から開始し、そのデータブロックの末端まで継続して、そのデータブロック内のすべてのデータ符号を位相補正することができる(ステップ310)。
この処理は、位相滑りを生じたデータ符号のいくつかを補正しないまま残すこととなるが、都合の良いことに、それらは、第1スリップトチェック符号に先行する位置に残される。これらの残留する、位相滑りを生じたチェック符号は、他の方法、例えば訂正符号により訂正すべきものとなる。しかし、本発明による方法の利点は、位相滑りを生じたデータ符号のうち補正されないまま残される符号の数が、平均すれば、いずれか2つの既知(チェック)符号間にあるデータ符号の数の半分になるという点にある。この数は、通常、連続するSYNCバースト間のデータ符号の総数より、はるかに少ない。
上記においては、第1スリップトチェック符号は、そのデータブロック内の最後のチェック符号まで繋がった、誤りを生じているチェック符号列の、最初(又は先頭)の符号として特定される。多くの場合、このアプローチは良好に機能する。しかしながら、いくつかの場合には、光チャネル内のノイズがチェック符号に誤りを生じさせ、それによって、第1スリップトチェック符号の特定に誤りを生じさせることがある。チャネルのノイズに対しより安定な、他の方法を、図4に示す。
図4に示す形態では、各チェック符号が(ステップ402において)順番に選択され、その選択されたチェック符号に続くデータブロック内の各チェック符号に対し、共通の位相回転(common phase rotation)が行われる(ステップ404)。次に、少なくとも位相回転が行われたチェック符号を用いて一つのビット誤り率が算出され(ステップ406)、算出されたビット誤り率は、上記選択されたチェック符号に対応付けられる。いくつかの形態では、誤り率は、そのデータブロック内のすべてのチェック符号を用いて算出されるものとしてもよい。すなわち、検査中のチェック符号と、そのデータブロック内において当該チェック符号に先行するチェック符号との間にある、位相回転が行われていないチェック符号も含めて、誤り率を算出してもよい。他の形態では、位相回転されたチェック符号のみを、誤り率計算の対象としてもよい。各チェック符号についてのそれぞれの誤り率が算出されたら、算出された誤り率の中で最小のものが特定され(ステップ408)、その最小の誤り率に対応付けられているチェック符号が、第1スリップトチェック符号として特定される(ステップ410)。最後に、第1スリップトチェック符号からそのデータブロック内の末端まで、そのデータブロック内のすべてのデータ符号について位相補正が行われる(ステップ412)。
本発明は、特定の実施形態について記載しているが、添付の特許請求の範囲に示された本発明の思想及び範囲から逸脱しない範囲において、本発明の種々の変形が可能であることは、当業者にとり明らかである。
2・・・光伝送路、4・・・偏光ビームスプリッタ、6・・・局部発振器(LO)、8・・・90度光ハイブリッド、10・・・光検出器、34・・・A/D変換器、36・・・分散補償器、38・・・1:M分配ユニット、40・・・偏光補償器、42・・・復号器、44・・・ポストプロセッサ。

Claims (8)

  1. 光通信システムにおける、サイクルスリップの影響を補正する方法であって、
    予め定められた所定の周期性を持つSYNCバーストと、連続する前記SYNCバースト間の、予め定められた所定位置に配された複数の既知符号とを含む光信号を、前記通信システムを介して受信するステップと、
    受信した前記光信号を、少なくともデータ符号と、前記光信号において連続するSYNCバーストの各対に挟まれた所定位置にある、前記複数の既知符号に対応する一組のチェック符号とを含む、データブロックに分割するステップと、
    各データブロックを処理してサイクルスリップを検出するステップと、
    サイクルスリップが検出されたときに、
    そのデータブロック内の一組のチェック符号を検査して、第1スリップトチェック符号を特定するステップと、
    前記第1スリップトチェック符号と、そのデータブロックの末端との間にある、当該データブロック内のデータ符号に対し、位相補正を実行するステップと、
    を有する方法。
  2. 前記第1スリップトチェック符号は、前記第1スリップトチェック符号からそのデータブロックの最後のチェック符号まで続く、一連の誤りを生じたチェック符号列の最初のチェック符号である、請求項1に記載の方法。
  3. データブロック内の一組のチェック符号を検査して前記第1スリップトチェック符号を特定する前記ステップは、
    データブロック内の最後のチェック符号から先頭のチェック符号に向かって、誤りを生じていない最初のチェック符号を発見するまで、各チェック符号を順番に検査するステップと、
    前記誤りを生じていない最初のチェック符号の直後のチェック符号を、前記第1スリップトチェック符号として特定するステップと、
    を有する、請求項2に記載の方法
  4. データブロック内の一組のチェック符号を検査して前記第1スリップトチェック符号を特定する前記ステップは、
    各チェック符号について、
    当該チェック符号を先頭に、そのデータブロックの末端まで、当該データブロック内のチェック符号に対し、共通の位相回転を実行するステップと、
    少なくとも前記位相回転を行ったチェック符号についての誤り率を算出し、当該算出した誤り率を、前記先頭のチェック符号と関連付けるステップと、
    最小の前記誤り率に関連付けられたチェック符号として、前記第1スリップトチェック符号を特定するステップと、
    を有する、請求項1に記載の方法。
  5. 光通信システムを介して光信号を受信するコヒーレント受信機であって、
    予め定められた所定の周期性を持つSYNCバーストと、連続する前記SYNCバースト間の、予め定められた所定位置に配された複数の既知符号とを含む光信号を受信する検出器と、
    受信した前記光信号を、少なくともデータ符号と、前記光信号において連続するSYNCバーストの各対に挟まれた所定位置にある、前記複数の既知符号に対応する一組のチェック符号とを含む、データブロックに分割するフレーマと、
    前記各データブロックを処理してサイクルスリップを検出する復号器と、
    前記デコーダの動作に応答して動作し、サイクルスリップの影響を受けているデータブロックを処理するポストプロセッサと、
    を有し、
    前記ポストプロセッサは、
    前記影響を受けているデータブロック内の一組のチェック符号を検査して、第1スリップトチェック符号を特定するステップと、
    前記第1スリップトチェック符号と、前記影響を受けているデータブロックの末端との間にある、当該影響を受けているデータブロック内のデータ符合に対し、位相補正を実行するステップと、
    を実行する、コヒーレント受信機。
  6. 前記第1スリップトチェック符号は、前記第1スリップトチェック符号からそのデータブロックの最後のチェック符号まで続く、一連の誤りを生じたチェック符号列の最初のチェック符号である、請求項5に記載のコヒーレント受信機。
  7. データブロック内の一組のチェック符号を検査して前記第1スリップトチェック符号を特定する前記ステップは、
    データブロック内の最後のチェック符号から先頭のチェック符号に向かって、誤りを生じていない最初のチェック符号を発見するまで、各チェック符号を順番に検査することと、
    前記誤りを生じていない最初のチェック符号の直後のチェック符号を、前記第1スリップトチェック符号として特定することと、
    を含む、請求項6に記載のコヒーレント受信機。
  8. データブロック内の一組のチェック符号を検査して前記第1スリップトチェック符号を特定する前記ステップは、
    各チェック符号について、
    当該チェック符号を先頭に、そのデータブロックの末端まで、当該データブロック内のチェック符号に対し、共通の位相回転を実行するステップと、
    少なくとも前記位相回転を行ったチェック符号についての誤り率を算出し、当該算出した誤り率を、前記先頭のチェック符号と関連付けるステップと、
    最小の前記誤り率に関連付けられたチェック符号として、前記第1スリップトチェック符号を特定するステップと、
    を有する、請求項5に記載のコヒーレント受信機。
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