JP2014013220A - 軽量繊維の回収方法および軽量繊維の回収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量繊維を含むフレッシュコンクリートやフレッシュモルタル等の軽量繊維含有セメント混練物中の軽量繊維混入率を確認するために該軽量繊維含有セメント混練物から採取した混練物試料から軽量繊維のみを高回収率、低労力で分離回収する軽量繊維の回収方法および軽量繊維の回収装置を提供する。
【解決手段】工程(a)〜(h)からなり、混練物試料21を攪拌分離容器20内の給水ホース18から給水される水22の中に投入し、高圧水供給装置1の先端に設けられた噴射ノズル2を前記水22の中に入れて高圧水を噴射することにより前記混練物試料21を攪拌分離し、水面付近まで分離浮上した軽量繊維23を繊維捕集手段8により捕集して回収することを主体とした軽量繊維の回収方法。
【選択図】 図2

Description

本発明は、軽量繊維含有フレッシュコンクリート、軽量繊維含有フレッシュモルタル等の軽量繊維含有セメント混練物中の軽量繊維混入率を確認するために、該軽量繊維含有セメント混練物から採取した軽量繊維を含むフレッシュコンクリートやフレッシュモルタル等の混練物試料から軽量繊維を効率良く回収する軽量繊維の回収方法および軽量繊維の回収装置に関する。
コンクリートは、耐久性や経済性を兼ね備えた建設工事には欠かすことのできない重要な材料である。しかし、圧縮には強いが曲げや引張には弱く、施工条件や現場の環境条件によっては剥離、剥落、ひび割れといった問題が生ずる。そのため、コンクリートの曲げ、引張、靭性といった力学特性を向上させるために、フレッシュコンクリートに鋼繊維等の金属繊維、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維、合成樹脂製繊維等の有機繊維のいずれか一種以上を混入し、そのコンクリートを打設することが行われている。
また、火災に伴いコンクリート部材が高温に曝された場合にはコンクリートに爆裂が生じたり強度や弾性等の力学特性が低下して構造物が崩壊するおそれが生じたりするので、コンクリートに有機繊維を混入して耐火性を向上させることも行われている。
繊維含有コンクリートや繊維含有モルタルが所定の性能を発揮するには、これらの中に所定量の繊維が混入されている必要がある。そのため、打設前に、フレッシュコンクリートやフレッシュモルタル等のセメント混練物中に所定量の繊維が混入されているか否かを確認することが行われており、幾つかの方法が提示されている。
例えば、土木学会のコンクリート標準示方書には「JSCE−F 554−1999;鋼繊維補強コンクリートの鋼繊維混入試験方法」がある。しかし、この方法は繊維を鋼繊維に限定したものであり有機繊維等の軽量繊維を対象としたものではない。この他、日本コンクリート工学協会のJCI基準集には「JCI−SF7;繊維補強コンクリートの繊維混入率試験方法」があるが、具体的な機器や手順については示されていない。
そのため、繊維混入フレッシュコンクリートからの繊維の回収方法や繊維混入フレッシュコンクリート中の繊維混入率試験方法について、幾つかの方法が提案されてきている。
軽量繊維の一種である有機繊維については、例えば、特許文献1に「コンクリートに骨材と共に補強材として混入されている短繊維を当該コンクリートの中から抽出するコンクリート中の短繊維抽出方法であって、定量のコンクリートをサンプリングするサンプリング工程と、水を収容した容器の中に洗いかごを設置し、該洗いかごの中にサンプリングした前記コンクリートを投入後、前記洗いかごを揺動することにより粗骨材を前記洗いかごの中に残して前記短繊維及び細骨材を前記洗いかごの外にふるい出し、前記洗いかごを取り出すことにより前記コンクリートから前記粗骨材を分離する分離工程と、前記洗いかごを取り出した後の前記短繊維及び細骨材を含む水の中に撹拌羽根を所要深さ位置まで降下させるとともに前記短繊維及び細骨材を含む水の上部位置には短繊維採取用の採取網を設置し、前記撹拌羽根の回転で前記水の中に生じさせた渦巻流により前記短繊維を浮上させて前記採取網に引っ掛け採取する短繊維採取工程とを有することを特徴とするコンクリート中の短繊維抽出方法」が記載されている。
また、特許文献2には、「液体にフレッシュコンクリート又はフレッシュモルタルを投入し、前記液体に微小気泡を発生させながら前記液体を攪拌した後に前記液体を静置することによって、前記フレッシュコンクリート又はフレッシュモルタルを前記液体の底に沈んだ沈殿物と前記液体の表面に浮上した浮上物とに分別することを特徴とするフレッシュコンクリート又はフレッシュモルタルの成分の分別方法」が記載されている。
また、特許文献3には、「有機繊維を混入してなるフレッシュコンクリートの前記有機繊維の混入率を確認する方法であって、採取した所定量の前記フレッシュコンクリートを粗骨材除去用ふるいに移し入れるとともに水を流し入れ、前記粗骨材除去用ふるいで粗骨材を篩い分けるとともに、前記粗骨材除去用ふるいを前記水とともに通過した前記有機繊維、細骨材及びセメント分を洗い用容器に収容し、前記洗い用容器内の細骨材及びセメント分が沈降して前記有機繊維が浮遊する上澄み水を繊維捕集用ふるいに流し入れて、該繊維捕集用ふるいで前記有機繊維を分離収集することを特徴とする有機繊維混入コンクリートの繊維混入率試験方法」が記載されている。
特開2007−240266号公報 特開2008−128852号公報 特開2008−170384号公報
有機繊維含有フレッシュコンクリート、有機繊維含有フレッシュモルタル、中空無機繊維含有フレッシュコンクリート等の有機繊維や中空無機繊維等の軽量繊維を含む軽量繊維含有セメント混練物から軽量繊維のみを分離回収する方法や繊維混入率試験方法については、具体的な基準や手順となるものがなかった。
また、鋼繊維のような高比重の繊維は磁力や比重差等を利用して比較的回収し易く、ドライヤーなどを使用して乾燥しても飛散し難いため高回収率にすることができるが、有機繊維等の軽量繊維は概して比重1前後の低比重であるため飛散し易く、砂の微粉分との分離性が悪いため、軽量繊維含有セメント混練物から軽量繊維のみを高回収率、低労力で分離回収することは容易ではなかった。そのため、軽量繊維含有セメント混練物に対しては、セメント混練物中に所定量の繊維が混入されているか否かを簡便かつ精度良く確認することができなかった。
上記の通り、有機繊維含有セメント混練物からの有機繊維の回収方法や繊維混入率試験方法については、幾つか提案されているが、必ずしも有機繊維のみを高回収率、低労力で分離回収する方法、あるいは簡便かつ精度良く確認する方法であるとはいえない。
例示した特許文献1のものは、洗いかごを設置して揺動することにより粗骨材を分離する工程と洗いかごを取出して短繊維採取用の採取網を設置し短繊維を採取する工程とからなり簡便ではない。また、撹拌羽根の回転で水の中に生じさせた渦巻流により短繊維を浮上させて採取網に引っ掛け採取しているので、短繊維が攪拌羽根に付着して回収に手間がかかる虞もある。
特許文献2のものは、微小気泡を発生させる装置が必要であり、有機繊維含有セメント混練物に消泡剤的なものが含まれているなど、有機繊維含有セメント混練物の構成材料によっては安定した微小気泡が得難くなる虞がある。
特許文献3のものは、粗骨材除去用ふるいで粗骨材を篩分けたあと通過分を洗い用容器に収容しているため手間がかかる。また、単なる沈降分離を用いているので分離が不十分となって有機繊維のみを高回収率で回収できなくなる虞がある。
本発明は、上述のような課題の解決を図ったものであり、有機繊維や中空無機繊維等の軽量繊維(低比重繊維)を含むフレッシュコンクリート、フレッシュモルタル等の軽量繊維含有セメント混練物中の軽量繊維混入率を確認するために該軽量繊維含有セメント混練物から採取した混練物試料から軽量繊維のみを高回収率、低労力で分離回収する軽量繊維の回収方法および軽量繊維の回収装置を提供することを目的とする。
本願の請求項1に係る発明は、軽量繊維含有セメント混練物中の軽量繊維混入率を確認するために該軽量繊維含有セメント混練物から採取した混練物試料から軽量繊維を回収する軽量繊維の回収方法であって、前記混練物試料を給水ホースから給水される水中に投入し、高圧水供給装置の先端に設けられた噴射ノズルを前記水中に入れて高圧水を噴射することにより前記混練物試料を攪拌分離し、水面付近まで分離浮上した軽量繊維を繊維捕集手段により捕集し、捕集した軽量繊維を乾燥させて回収することを特徴とする軽量繊維の回収方法である。
本発明でいう「軽量繊維含有セメント混練物」とは、軽量繊維が混入されているフレッシュコンクリート、軽量繊維が混入されているフレッシュモルタル、軽量繊維が混入されている未硬化の繊維セメント板、軽量繊維が混入されている未硬化のセメント系固化材、軽量繊維が混入されている未硬化のセメント系被覆材などの軽量繊維が混入されている未硬化のセメント混練物である。「セメント混練物」とは、フレッシュコンクリート、フレッシュモルタル等の混練後間もない未硬化のセメント組成物である。
また、「軽量繊維」とは、比重0.9〜1.8程度、繊維長10〜50mm程度の低比重短繊維のことであり、例えば、長さ10〜50mm程度のナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維等の有機繊維、長さ10〜50mm程度の中空炭素繊維、中空無機ガラス繊維等の中空無機繊維などである。軽量繊維含有セメント混練物中の軽量繊維混入率測定に供される混練物試料の採取量は特に限定されないが、2〜10kg程度が好ましい。
軽量繊維を回収するには、まず混練物試料を攪拌分離してフレッシュコンクリートであれば粗骨材、細骨材(砂)、セメント分等の各構成材料に解砕する必要があるが、本発明では、混練物試料を給水ホースから給水される水中に投入し、高圧水供給装置の先端に設けられた噴射ノズルを前記水中に入れて高圧水を噴射することにより前記混練物試料を攪拌分離する。
高圧水供給装置は先端に設けられた噴射ノズルから高圧水が噴射できるものであればよく、例えば、車の洗浄等に使われる市販の高圧洗浄機がある。高圧水は10MPa程度の圧力のものであり、噴射圧力は混練物試料を各構成材料に十分解砕できれば特に限定されない。なお、攪拌分離中も給水ホースから給水し続けることは好ましい。
攪拌分離は、車の洗浄等に使われる市販の高圧洗浄機による場合は、作業員が該高圧洗浄機を操作し噴射のノズルの位置や噴射方向を変えて手動で行う。時間的には、例えば、混練物試料の量が10kg程度であれば、7分程度で良い。本発明では、攪拌分離に高圧水の噴射を用いるので、攪拌が容易となり低労力かつ短時間での分離作業が可能となる。
また、高圧水を使用することで軽量繊維を水面付近まで巻き上げることができ、攪拌力が弱いことによる軽量繊維の浮上不能状態を回避し、軽量繊維の回収率向上が図れる。更に、高圧水を使用し強い攪拌力で攪拌分離できるため、混練物試料がフレッシュコンクリートである場合でも粗骨材を分離する工程を設ける必要がなく、回収時間の短縮が図れる。
上記攪拌分離により解砕された各構成材料は水中を浮遊し、その後、粗骨材やセメント粒子や砂粒子等の比重の大きいものは沈降するが、軽量繊維は比重が水程度もしくは水より軽いので水面付近まで浮上する。比重が1より少し大きく浮上し難い場合は、水を水溶液にして水の比重を軽量繊維より大きくなるようにすればよい。本発明でいう「水」はこのような水溶液も含む。
水面付近まで分離浮上した軽量繊維を繊維捕集手段により捕集する。繊維捕集手段は、軽量繊維を効率良く捕集できるものであれば特に限定されない。例えば、軽量繊維を含む水面付近の水を吸引濾過して軽量繊維を捕集しても良い。あるいは、魚を取るように水面付近に網体を走らせ捕集しても良い。また、攪拌分離中も給水ホースから給水し続ける場合は溢流水が発生し水面付近に分離浮上した軽量繊維はこの溢流水とともに移動するので、この溢流水を網体に通して軽量繊維を捕集しても良い。
捕集した軽量繊維を乾燥させて回収する。乾燥過程で軽量繊維が飛散しなければ乾燥方法は特に限定されない。例えば、60〜100℃での低温乾燥、シリカゲル等の乾燥剤による乾燥である。
本願の請求項2に係る発明は、軽量繊維含有セメント混練物中の軽量繊維混入率を確認するために該軽量繊維含有セメント混練物から採取した混練物試料から軽量繊維を回収する軽量繊維の回収方法であって、前記混練物試料を、先端に繊維捕集手段が取付けられた排水パイプが側面上部に接続された攪拌分離容器に投入し、給水ホースから前記攪拌分離容器に給水して水を張り、給水を継続しつつ高圧水供給装置の先端に設けられた噴射ノズルを前記水中に入れて高圧水を噴射することにより前記混練物試料を攪拌分離して前記混練物試料における軽量繊維、骨材、セメント分等の構成材料を分離して水中に浮遊させ、その後、水面付近まで浮上した軽量繊維を給水ホースからの給水によって形成される水流により前記排水パイプ付近に導いて排水パイプからの溢流水に乗せ、前記繊維捕集手段により溢流水から軽量繊維を捕集し、捕集した軽量繊維を乾燥させて回収することを特徴とする軽量繊維の回収方法である。
この発明は、上記請求項1に示す発明を一実施形態に限定した発明である。この発明の方法では、上記請求項1に示す発明を達成するために開発した、先端に繊維捕集手段が取付けられた排水パイプが側面上部に接続された攪拌分離容器を用いる。
具体的には、例えば、攪拌分離容器は市販のポリバケツや石油缶やドラム缶であり、排水パイプは市販の塩ビ管であり、繊維捕集手段は市販の篩網やザル篭や網戸の網を支持体に取付けたものである。網目は軽量繊維が捕集できる大きさであればよく、例えば、75μ〜2mmである。
上記攪拌分離容器は、例えば、ポリバケツの側面上部に塩ビ管を接続するための穴をあけて長さ20〜30cm、内径7.5〜15cmの塩ビ管を接続し、該塩ビ管の先端に市販の篩を網が塩ビ管の開口に向くようにして固定バンドで固定することにより作製される。
そして、この発明の方法では、混練物試料を、上記攪拌分離容器に投入し、給水ホースからこの攪拌分離容器に給水して水を張り、給水を継続しつつ前記高圧水供給装置の先端に設けられた噴射ノズルを攪拌分離容器内に張られた水の中に入れて高圧水を噴射することにより前記混練物試料を攪拌分離して前記混練物試料における軽量繊維、骨材、セメント分等の構成材料を分離して水中に浮遊させる。給水の継続は水流と溢流水を発生させるために行う。
その後、比重の小さい軽量繊維は水面付近まで浮上するので、水面付近まで浮上した軽量繊維を給水ホースからの給水によって形成される水流により前記排水パイプ付近に導いて排水パイプからの溢流水に乗せ、前記繊維捕集手段により溢流水から軽量繊維を捕集し、捕集した軽量繊維を乾燥させて回収する。
骨材やセメント分等の比重の大きい構成材料は沈降するので、多くの場合、水面付近に浮上するのは主として軽量繊維であるが、構成材料に砂の微粉分や軽量材が含まれていると、単に水面付近に浮上した軽量繊維を網体で掬う方法や上部水を篩網に通す方法では、軽量繊維のみの回収が不十分となる。上記のように、水流と溢流水を利用することにより、軽量繊維のみの回収がし易くなる。溢流水は循環させて再利用することもできる。
本願の請求項3に係る発明は、前記溢流水から軽量繊維を捕集後、前記攪拌分離容器内の水を繊維回収確認用ネットでネットに軽量繊維の付着が認められなくなるまで全体的にかき回し、付着した軽量繊維も前記記繊維捕集手段により捕集した軽量繊維と合せて乾燥させて回収することを特徴とする請求項2に記載の軽量繊維の回収方法である。
繊維回収確認用ネットは捕集し残した少量の軽量繊維を捕集するために必要に応じて用いるものであり、市販の「おたまザル」のような網体に取っ手がついたものである。網体の網目は、綿状の微細な繊維でも捕集できるものが好ましい。
攪拌分離容器内の水を繊維回収確認用ネットでネットに軽量繊維の付着が認められなくなるまで全体的にかき回すことにより、捕集し残した少量の軽量繊維も捕集でき、目視で容易に軽量繊維の有無を確認することができ、分離作業を中断せずに捕集作業の終了を確認できる。
本願の請求項4に係る発明は、前記乾燥の方法が、捕集した前記軽量繊維を遠心分離して脱水した後、脱水した軽量繊維を二層のネットからなる飛散防止乾燥ネットの前記二層間に挟んだ状態で前記飛散防止乾燥ネットを乾燥槽内に投入して乾燥させるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の軽量繊維の回収方法である。
捕集した軽量繊維の乾燥では、効率良くかつ飛散させずに乾燥することが求められる。これらを満たすため、本発明の方法では、遠心分離による脱水と飛散防止乾燥ネットを用いた乾燥槽での乾燥を行う。
遠心分離の装置や条件は特に限定されない。遠心分離器としては、例えば、野菜の水切りを行うために用いるサラダスピナー、工場などで使用される遠心分離乾燥器などを流用することも可能である。また、飛散防止乾燥ネットは乾燥過程での軽量繊維の飛散を防止するために用い、具体的には、例えば、市販の金属製の網戸の網を二つ折りにして二層とし、開かないよう三辺をクリップで留めたものである。乾燥槽は市販の低温乾燥器、恒温恒湿槽、床にシリカゲル等の乾燥剤を敷き詰めたトレイを置いた密閉容器などである。
捕集した軽量繊維は水分を多く含んでいるため、初めに遠心分離によりある程度脱水してから乾燥槽に入れる。これにより乾燥時間の短縮ができる。また、軽量繊維を飛散防止乾燥ネットの二層間に挟んで乾燥するので、送風があった場合でも飛散して散逸することがない。
本願の請求項5に係る発明は、前記回収方法により捕集した軽量繊維あるいは回収した軽量繊維に不純物の混入が認められる場合、上記方法に加えて更に、前記捕集した軽量繊維あるいは回収した軽量繊維を、前記軽量繊維より比重が重く前記不純物よりも比重が軽い液体の入った沈降分離容器内に投入して分散させ、その後、水面付近まで分離浮上した軽量繊維を含む上部液体を繊維回収確認用ネット上に注いで軽量繊維を捕集し、捕集した軽量繊維を乾燥させて回収することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の軽量繊維の回収方法である。
本発明が対象とする軽量繊維含有セメント混練物には、砂の微粉分やシリカフューム、高炉スラグ微粉末等の無機微粉末が含まれている場合があり、軽量繊維のみを回収しようとすると、上記捕集方法だけではこれらが軽量繊維と分離し難い不純物となって、軽量繊維とともに捕集される場合がある。このような場合に、必要に応じて(例えば、回収精度が要求される場合)上記捕集方法に加えて本発明の方法を用いれば、軽量繊維のみの回収精度を向上させることができる。
追加される本発明の方法は、前記回収方法により一旦捕集した軽量繊維あるいは回収した軽量繊維を、前記軽量繊維より比重が重く前記不純物よりも比重が軽い液体の入った沈降分離容器内投入して分散させ、その後、水面付近まで分離浮上した軽量繊維を含む上部液体を繊維回収確認用ネット上に注いで軽量繊維を再捕集するものである。
「軽量繊維より比重が重く不純物よりも比重が軽い液体」は、具体的には、比重1前後の軽量繊維より重く、砂の微粉分等の比重2.5程度のものより軽い水溶液であり、例えば、食塩水や炭酸カリウム水溶液の濃度を調整することにより簡単に得ることができる。
沈降分離容器は、市販のプラスチック容器、ビーカー、小型のポリバケツ等である。分散は、市販の攪拌棒を用いて手で攪拌することにより行えばよい。繊維回収確認用ネットは上述の通りである。
このように、本発明の方法では、従来は分離し難かった軽量繊維と砂の微粉分やシリカフューム、高炉スラグ微粉末等の無機微粉末などからなる不純物との分離も図ったので、軽量繊維のみの回収精度を向上させることができる。
本願の請求項6に係る発明は、軽量繊維含有セメント混練物中の軽量繊維混入率を確認するために該軽量繊維含有セメント混練物から採取した混練物試料から軽量繊維を回収するのに用いる軽量繊維の回収装置であって、先端に繊維捕集手段が取付けられた排水パイプが側面上部に接続された攪拌分離容器と、前記攪拌分離容器内に給水して水を張るとともに水流を形成するための給水ホースと、先端に設けられた噴射ノズルを前記攪拌分離容器内に張られた水の中に入れて高圧水を噴射することにより前記攪拌分離容器内に投入された前記混練物試料を攪拌分離するための高圧水供給装置と、必要に応じて用いられ、前記攪拌分離容器内の水をかき回して残存軽量繊維を付着させるための繊維回収確認用ネットとを備えていることを特徴とする軽量繊維の回収装置である。
本発明の装置は、上記軽量繊維の回収方法に好適に用いることができる装置であり、上述の攪拌分離容器と上述の給水ホースと上述の高圧水供給装置、もしくは、上述の攪拌分離容器と上述の給水ホースと上述の高圧水供給装置と上述の繊維回収確認用ネットを備えるものである。これらは必ずしも一体化されて存在するものではない。また、本発明の装置は、多くが市販のものを組み合わせて簡便に製作できるので経済的である。
なお、上記において、「必要に応じて用いられ」とは、攪拌分離容器内に未回収の軽量繊維が残存しており、かつ、回収精度が要求される場合に用いられることを示す。
本発明の軽量繊維の回収方法を用いれば、軽量繊維を含むフレッシュコンクリートやフレッシュモルタル等の軽量繊維含有セメント混練物中の軽量繊維混入率を確認するために該軽量繊維含有セメント混練物から採取した混練物試料から軽量繊維のみを高回収率、低労力で分離回収することができる。
また、本発明の軽量繊維の回収装置は、多くのものが廉価な市販品を流用し、それらを組み合わせて製作でき、大きな動力を必要としないので低コストな装置である。そして、上記本発明の軽量繊維の回収方法に好適に用いることができるので、本発明の軽量繊維の回収装置を用いれば、上記混練物試料から軽量繊維のみを高回収率、低労力で分離回収することができる。
本発明の軽量繊維の回収装置の一例の概略を示す図である。(A)は高圧水供給装置の例、(B)は繊維捕集手段の例、(C)は繊維回収確認用ネットの例、(D−1)先端に繊維捕集手段が取付けられた排水パイプが側面上部に接続された攪拌分離容器の例の正面図、(D−2)は該攪拌分離容器の平面図、(D−3)は固定バンドを取付けた繊維捕集手段の底面図である。 本発明の軽量繊維の回収方法における軽量繊維の捕集工程の一例の概略を示す図である。(a)は組立てた攪拌分離容器に混練物試料を投入する工程を、(b)は攪拌容器に水を張る工程を、(c)は高圧水供給装置により水中の混練物試料を攪拌分離する工程を、(d)は分離した軽量繊維が水面付近まで浮上する工程を、(e、f)は浮上した軽量繊維を水流により排水パイプの方に流し溢流水に乗せて攪拌分離容器本体から排出する工程を、(g)は繊維捕集手段を攪拌分離容器から外す工程を、(h)は捕集した繊維捕集手段内の軽量繊維を、各々示す図である。 本発明の軽量繊維の回収方法における軽量繊維と不純物との分離工程の一例の概略を示す図である。(a)は不純物を含む軽量繊維の入った繊維捕集手段を、(b)は攪拌して不純物を含む軽量繊維を軽量繊維より比重が重く不純物よりも比重が軽い液体中に分散させる工程を、(c)は軽量繊維と不純物とを沈降分離する工程を、(d)は分離した軽量繊維を繊維回収確認用ネットで捕集する工程を、(e)は容器内の捕集した不純物を含まない軽量繊維を、各々示す図である。 本発明の軽量繊維の回収方法における軽量繊維の乾燥工程の一例の概略を示す図である。(a)は捕集した軽量繊維の遠心分離機への投入を、(b)は捕集した軽量繊維の遠心分離機による脱水を、(c)は脱水した軽量繊維の飛散防止乾燥ネット上への載置を、(d)は脱水した軽量繊維を入れた飛散防止乾燥ネットを、(e)は脱水した軽量繊維を入れた飛散防止乾燥ネットの乾燥槽への投入を、(f)は乾燥槽で乾燥した軽量繊維の入った飛散防止乾燥ネットからの軽量繊維の取出しを、各々示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
〔軽量繊維の回収装置〕
図1は、本発明の軽量繊維の回収装置の一例の概略を示す図である。(A)は高圧水供給装置の例、(B)は繊維捕集手段の例、(C)は繊維回収確認用ネットの例、(D−1)先端に繊維捕集手段が取付けられた排水パイプが側面上部に接続された攪拌分離容器の例の正面図、(D−2)は該攪拌分離容器の平面図、(D−3)は固定バンドを取付けた繊維捕集手段の底面図である。
本発明の軽量繊維の回収装置は、高圧水供給装置1、攪拌分離容器(本体)15、繊維捕集手段8、排水パイプ16、給水ホース18を備える。
図1(A)の高圧水供給装置1は、軽量繊維含有セメント混練物中の軽量繊維混入率を確認するために該軽量繊維含有セメント混練物から採取した混練物試料を攪拌分離容器(本体)15に張られた水(もしくは水溶液)の中で攪拌分離(試料を攪拌し解砕して各構成材料に分離する)のに用いられ、本例では、車の洗浄に用いられる市販の高圧洗浄機である。この他、木などに農薬を噴霧するのに用いる市販の噴霧機などでもよい。
高圧水発生器3からの高圧水がホース6と送管7を通って作業員による操作グリップ4の操作により噴射ノズル2から噴射される。噴射ノズル2は攪拌分離容器(本体)15に張られた水(もしくは水溶液)の中に挿入して用いられる。ハンディータイプなので操作がし易く、また、噴射ノズル2の位置や噴射方向を自由に変えられるなど自由度が高い。
攪拌分離に高圧水供給装置1による高圧水の噴射を用いるので、攪拌が容易となり低労力かつ短時間での分離作業が可能となる。また、高圧水を使用することで軽量繊維を水面付近まで巻き上げることができ、攪拌力が弱いことによる軽量繊維の浮上不能状態を回避し、軽量繊維の回収率向上が図れる。更に、高圧水を使用し強い攪拌力で攪拌分離できるため、混練物試料がフレッシュコンクリートである場合でも粗骨材を分離する工程を設ける必要がなく、回収時間の短縮が図れる。
図1(B)の繊維捕集手段8は、攪拌分離した水中の軽量繊維をある程度水と分離(濾過)して軽量繊維を捕集するために用いられ、図1(D−1)、図1(D−2)に示すように排水パイプ16の先端に固定バンド17により取付けて用いられる。繊維捕集手段8は、本例では、市販の篩網である。支持枠10に網体9が取付けられている。網体9の網目寸法は、軽量繊維を効率良く捕集できる寸法であれば特に限定されない。例えば、75μ〜2mmである。
図1(C)の繊維回収確認用ネット11は、捕集し残した水中に浮遊する少量の軽量繊維を作業員が手動で捕集するため必要に応じて、あるいは、捕集した軽量繊維あるいは回収した軽量繊維に不純物の混入が認められる場合に、不純物と分離した軽量繊維を作業員が手動で再捕集するのに用いられる。本例では、市販のおたまザルであり、ネット12と取っ手13とを備える。この他、お風呂の湯垢採り、洗濯の際のネット、茶漉しなども適宜加工することにより用いることができる。
図1(D−1)〜(D−3)は、攪拌分離容器(本体)15と排水パイプ16と繊維捕集手段8とを組立ててなる攪拌分離容器20の図である。本発明の軽量繊維の回収装置は、上記高圧水供給装置1と上記繊維回収確認用ネット11は、作業員が手動で用いるため各々独立して存在するが、攪拌分離容器20は攪拌分離容器(本体)15と排水パイプ16と繊維捕集手段8とは図に示すように組立てて用いる。
本例では、攪拌分離容器(本体)15は市販のポリバケツであり、排水パイプ16は市販の塩ビ管であり、繊維捕集手段8は市販の篩網であり、固定バンド17は市販のフラットバーを曲げ加工したものである。
攪拌分離容器20は、攪拌分離容器(本体)15の上部側面に排水パイプ16が接続され、排水パイプ16の先端には繊維捕集手段8が固定バンド17により取付けられている。また、図1(D−2)に示すように、攪拌分離容器(本体)15の上部内面には、給水ホース18の先端部が留具19により取付けられている。繊維捕集手段8である篩網は、図1(D−1)〜(D−3)に示すような形態で固定バンド17により排水パイプ16の先端に固定されている。攪拌分離容器(本体)15は深さが50〜100cmで容量が70〜100L程度のものが好ましい。深さが浅すぎると攪拌分離がうまくいかなくなる虞がある。また、排水パイプ16は、内径75〜150mm、軸長20〜30cm程度のものが好ましい。
〔軽量繊維の回収方法〕
(1)軽量繊維の捕集
図2は、本発明の軽量繊維の回収方法における軽量繊維の捕集工程の一例の概略を示す図である。(a)は組立てた攪拌分離容器に混練物試料を投入する工程を、(b)は攪拌容器に水を張る工程を、(c)は高圧水供給装置により水中の混練物試料を攪拌分離する工程を、(d)は分離した軽量繊維が水面付近まで浮上する工程を、(e、f)は浮上した軽量繊維を水流により排水パイプの方に流し溢流水に乗せて攪拌分離容器本体から排出する工程を、(g)は繊維捕集手段を攪拌分離容器から外す工程を、(h)は捕集した繊維捕集手段内の軽量繊維を、各々示す図である。
本発明の軽量繊維の回収方法は、まず、攪拌分離容器(本体)15と排水パイプ16と繊維捕集手段8を固定バンド17を用いて組立てた攪拌分離容器20内に所定量の混練物試料21を投入する。<図2(a)>
混練物試料21は、軽量繊維含有セメント混練物の一つである軽量繊維含有フレッシュコンクリートからの採取試料である。軽量繊維含有フレッシュコンクリートは、本例では、軽量繊維として、比重1.16、直径15μmmで長さ12mm程度の寸法のナイロン短繊維を0.026体積%含む繊維コンクリートである。
次に、給水ホース18により混練物試料21の入った攪拌分離容器20内に給水26をする。混練物試料21は重いので底部に沈殿するが加水により少し解砕される。<図2(b)>
次に、作業員の手動操作により、高圧水供給装置(市販の高圧洗浄機)1の噴出ノズル2を水中(混練物試料21〜水22)に入れ、給水26を継続しながら噴射水で混練物試料21の攪拌分離を行う。すると、溢流水25が発生する。<図2(c)>
すると、混練物試料21は解砕され、各構成材料(軽量繊維、骨材、セメント分等)は分離して水中を浮遊し、その後、比重の小さい軽量繊維23は水面付近まで浮上するが、比重の大きい骨材27やセメント分28は水面までは舞い上がらず、すぐに沈降する。<図2(d)>
攪拌分離に高圧水の噴射(噴射水)を用いるので、攪拌が容易となり低労力かつ短時間での分離作業が可能となる。また、高圧水を使用することで軽量繊維を水面付近まで巻き上げることができ、攪拌力が弱いことによる軽量繊維の浮上不能状態を回避し、軽量繊維の回収率向上が図れる。更に、高圧水を使用し強い攪拌力で攪拌分離できるため、混練物試料がフレッシュコンクリートである場合でも粗骨材を分離する工程を設ける必要がなく、回収時間の短縮が図れる。
水面付近に浮上した軽量繊維23は給水ホース18からの水流24を調整することにより、該水流24によって溢流水25とともに排水パイプ16の方に運ばれる。<図2(e)>
溢流水25に乗って排水パイプ16に運ばれた軽量繊維23は、先端に固定バンド17で取付けられた繊維捕集手段(篩網)8で濾され網体9上に堆積する。溢流水25は循環させて再利用される。
また、水面付近を目視することにより、水22の中に取り残した残存軽量繊維29が見られる場合は、作業員が繊維回収確認用ネット11により掬い採り、水22の中を見渡して取り残した残存軽量繊維29が見られなくなった時点、または作業員が繊維回収確認用ネット11により水22の中をかき回して、繊維回収確認用ネット11に残存軽量繊維29の付着が認められなくなった時点で軽量繊維の捕集作業を完了する。<図2(f)>
その後、固定バンド17を外して、軽量繊維23の入った繊維捕集手段8を排水パイプ16から外し該繊維捕集手段8を回収する。<図2(g)〜(h)>
(2)軽量繊維と不純物との分離
図3は、本発明の軽量繊維の回収方法における軽量繊維と不純物との分離工程の一例の概略を示す図である。(a)は不純物を含む軽量繊維の入った繊維捕集手段を、(b)は攪拌して不純物を含む軽量繊維を軽量繊維より比重が重く不純物よりも比重が軽い液体中に分散させる工程を、(c)は軽量繊維と不純物とを沈降分離する工程を、(d)は分離した軽量繊維を繊維回収確認用ネットで捕集する工程を、(e)は容器内の捕集した不純物を含まない軽量繊維を、各々示す図である。
上記方法により捕集した軽量繊維を目視観察すると、軽量繊維は不純物を含む軽量繊維30となっていることがある。<図3(a)>
軽量繊維のみの回収精度が求められる場合は、以下の工程で軽量繊維と不純物との分離を行う。なお、不純物となるのは、砂の微粉分、シリカフュームや高炉スラグ微粉末等のセメント混和材混和材である場合が多い。
本発明の軽量繊維の回収方法における軽量繊維と不純物との分離方法は、まず、沈降分離容器31に軽量繊維23より比重が重く不純物34よりも比重が軽い液体(本例では、濃度30%程度の炭酸カリウム水溶液)33を入れ、そこに不純物を含む軽量繊維30を投入する。そして、作業員が撹拌棒32により手動で十分に攪拌した後、静置する。<図3(b)>
すると、液体33より比重の大きい(重い)不純物34は沈降分離され底に沈殿し、液体より比重の小さい(軽い)軽量繊維23は水面付近まで浮上する。<図3(c)>
その後、軽量繊維23のみを含む上部水を繊維回収確認用ネット11上に注いで繊維回収確認用ネット11で軽量繊維23を捕集(再捕集)し、不純物34を含まない軽量繊維36を得る。<図3(d)〜(e)>
上記方法を用いれば、従来は分離し難かった軽量繊維と砂の微粉分やシリカフューム、高炉スラグ微粉末等の無機微粉末などからなる不純物とが容易に分離されるので、軽量繊維のみの回収精度を向上させることができる。
なお、不純物として超軽量骨材やフライアッシュ等の軽量繊維より更に比重の小さい軽いものが含まれている場合は上記方法だけでは軽量繊維とこれらとは分離できないので、更に、軽量繊維より比重が軽く(小さく)不純物よりも比重が重い(大きい)液体を用いて同様の操作を行い、軽量繊維のみを捕集すればよい。
(3)軽量繊維の乾燥
図4は、本発明の軽量繊維の回収方法における軽量繊維の乾燥工程の一例の概略を示す図である。(a)は捕集した軽量繊維の遠心分離器への投入を、(b)は捕集した軽量繊維の遠心分離器による脱水を、(c)は脱水した軽量繊維の飛散防止乾燥ネット上への載置を、(d)は脱水した軽量繊維を入れた飛散防止乾燥ネットを、(e)は脱水した軽量繊維を入れた飛散防止乾燥ネットの乾燥槽への投入を、(f)は乾燥槽で乾燥した軽量繊維の入った飛散防止乾燥ネットからの軽量繊維の取出しを、各々示す図である。
本発明の方法は、大別して、遠心分離機で脱水工程(図4(a)〜(b))と乾燥槽での乾燥工程(図4(c)〜(f))とからなる。
本発明の軽量繊維の回収方法における軽量繊維の乾燥は、まず、捕集した濡れ状態の軽量繊維38を遠心分離器39に投入する。<図4(a)>
遠心分離器39は、本例では野菜の水切りを行うために用いる市販のサラダスピナーである。十分に脱水して脱水した軽量繊維40を得る。<図4(b)>
次に、遠心分離器39から脱水した軽量繊維40を取出し、飛散防止乾燥ネット41上に広げる<図4(c)>
飛散防止乾燥ネット41は、例えば、市販の金属製の網戸の網、メッシュ、多孔板、ろ紙などを図のように二つ折りにしてなるものである。飛散防止乾燥ネット41は乾燥処理過程での軽量繊維の飛散を防止するために用いる。
図のように、網を二つ折りにして二層とし、その間に脱水した軽量繊維40を載置し、開かないよう三辺をクリップ42で留めて脱水した軽量繊維40を網で挟む。<図4(d)>
このようにして脱水した軽量繊維40を挟んで固定した飛散防止乾燥ネット41を乾燥槽43に投入し乾燥する。<図4(e)>
乾燥槽は市販の乾燥器であり、槽内にはトレイに敷き詰められたシリカゲルがセツトしてある。
乾燥後、乾燥された軽量繊維44を挟んだ飛散防止乾燥ネット41を乾燥槽43から取出し、クリップ42を外して乾燥された軽量繊維44を取出し計量する。<図4(f)>
捕集した軽量繊維は水分を多く含んでいるが、本発明における乾燥方法では遠心分離による脱水と乾燥槽による乾燥とを組み合わせて乾燥しているので、乾燥時間の短縮ができる。また、脱水して軽くなった軽量繊維を乾燥槽で乾燥する際には、該軽量繊維を飛散防止乾燥ネットの二層間に挟んで乾燥するので、送風があるような飛散し易い条件下での乾燥の場合でも飛散して散逸することがない。
以上の通り、上記のような軽量繊維の捕集方法、軽量繊維と不純物との分離方法、軽量繊維の乾燥方法を含む本発明の軽量繊維の回収方法を用いれば、軽量繊維の捕集時間、乾燥時間が短くて済み繰り返し作業がないため、従来の方法に比べて短時間での繊維の回収が可能であるからして、フレッシュコンクリートやフレッシュモルタル等の軽量繊維含有セメント混練物中の軽量繊維混入率を確認するために該軽量繊維含有セメント混練物から採取した混練物試料から軽量繊維のみを高回収率、低労力で分離回収することができる。
また、本発明の軽量繊維の回収装置は、簡単な構造のコンパクトな装置であるからして、必要な資機材が少なくて済み、運搬の際の負担も少ない。従来の装置では、混練物試料に含まれる硬質な粗骨材が攪拌翼や微小気泡発生装置に当たったりして機材の損耗が激しかったが、本発明の軽量繊維の回収装置では攪拌分離容器中の混練物試料に噴射高圧水を当てるだけなので、含まれる粗骨材が機材(高圧水供給装置)に触れることはなく機材の損耗が少ない。
1…高圧水供給装置、2…噴射ノズル、3…高圧水発生器、4…操作グリップ、5…支持棒、6…ホース、7…送管、8…繊維捕集手段、9…網体、10…支持枠、11…繊維回収確認用ネット、12…ネット、13…取っ手、14…先端に繊維捕集手段が取付けられた排水パイプが側面上部に接続された攪拌分離容器、15…攪拌分離容器(本体)、
16…排水パイプ、17…固定バンド、18…給水ホース、19…留具、20…攪拌分離容器、21…混練物試料、22…水、23…軽量繊維、24…水流、25…溢流水、26…給水、27…骨材、28…セメント分、29…残存軽量繊維、30…不純物を含む軽量繊維、31…沈降分離容器、32…撹拌棒、33…軽量繊維より比重が重く不純物よりも比重が軽い液体(濃度30%程度の炭酸カリウム水溶液)、34…不純物、35…注ぎ液、36…不純物を含まない軽量繊維、37…容器、38…捕集した濡れ状態の軽量繊維、
39…遠心分離器、40…脱水した軽量繊維、41…飛散防止乾燥ネット、42…クリップ、43…乾燥槽、44…乾燥された軽量繊維

Claims (6)

  1. 軽量繊維含有セメント混練物中の軽量繊維混入率を確認するために該軽量繊維含有セメント混練物から採取した混練物試料から軽量繊維を回収する軽量繊維の回収方法であって、前記混練物試料を給水ホースから給水される水中に投入し、高圧水供給装置の先端に設けられた噴射ノズルを前記水中に入れて高圧水を噴射することにより前記混練物試料を攪拌分離し、水面付近まで分離浮上した軽量繊維を繊維捕集手段により捕集し、捕集した軽量繊維を乾燥させて回収することを特徴とする軽量繊維の回収方法。
  2. 軽量繊維含有セメント混練物中の軽量繊維混入率を確認するために該軽量繊維含有セメント混練物から採取した混練物試料から軽量繊維を回収する軽量繊維の回収方法であって、前記混練物試料を、先端に繊維捕集手段が取付けられた排水パイプが側面上部に接続された攪拌分離容器に投入し、給水ホースから前記攪拌分離容器に給水して水を張り、給水を継続しつつ高圧水供給装置の先端に設けられた噴射ノズルを前記水中に入れて高圧水を噴射することにより前記混練物試料を攪拌分離して前記混練物試料における軽量繊維、骨材、セメント分等の構成材料を分離して水中に浮遊させ、その後、水面付近まで浮上した軽量繊維を給水ホースからの給水によって形成される水流により前記排水パイプ付近に導いて排水パイプからの溢流水に乗せ、前記繊維捕集手段により溢流水から軽量繊維を捕集し、捕集した軽量繊維を乾燥させて回収することを特徴とする軽量繊維の回収方法。
  3. 前記溢流水から軽量繊維を捕集後、前記攪拌分離容器内の水を繊維回収確認用ネットでネットに軽量繊維の付着が認められなくなるまで全体的にかき回し、付着した軽量繊維も前記繊維捕集手段により捕集した軽量繊維と合せて乾燥させて回収することを特徴とする請求項2に記載の軽量繊維の回収方法。
  4. 前記乾燥の方法が、捕集した前記軽量繊維を遠心分離して脱水した後、脱水した軽量繊維を二層のネットからなる飛散防止乾燥ネットの前記二層間に挟んだ状態で前記飛散防止乾燥ネットを乾燥槽内に投入して乾燥させるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の軽量繊維の回収方法。
  5. 前記回収方法により捕集した軽量繊維あるいは回収した軽量繊維に不純物の混入が認められる場合、上記方法に加えて更に、前記捕集した軽量繊維あるいは回収した軽量繊維を、前記軽量繊維より比重が重く前記不純物よりも比重が軽い液体の入った沈降分離容器内投入して分散させ、その後、水面付近まで分離浮上した軽量繊維を含む上部液体を繊維回収確認用ネット上に注いで軽量繊維を捕集し、捕集した軽量繊維を乾燥させて回収することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の軽量繊維の回収方法。
  6. 軽量繊維含有セメント混練物中の軽量繊維混入率を確認するために該軽量繊維含有セメント混練物から採取した混練物試料から軽量繊維を回収するのに用いる軽量繊維の回収装置であって、先端に繊維捕集手段が取付けられた排水パイプが側面上部に接続された攪拌分離容器と、前記攪拌分離容器内に給水して水を張るとともに水流を形成するための給水ホースと、先端に設けられた噴射ノズルを前記攪拌分離容器内に張られた水の中に入れて高圧水を噴射することにより前記攪拌分離容器内に投入された前記混練物試料を攪拌分離するための高圧水供給装置と、必要に応じて用いられ、前記攪拌分離容器内の水をかき回して残存軽量繊維を付着させるための繊維回収確認用ネットとを備えていることを特徴とする軽量繊維の回収装置。
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