JP2014012465A - 車載電源制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車載蓄電池の利用効率を向上させる。
【解決手段】本発明に係る車載電源制御装置は、スタータモータへ電力を供給する第1蓄電池と、電気負荷へ電力を供給する第2蓄電池との間であって、かつ第1蓄電池と電気負荷との間に配置される第1スイッチング素子を含むとともに、第1スイッチング素子と第1蓄電池との間であって、かつオルタネータと第1蓄電池との間に配置される第2スイッチング素子を含む電力融通回路と、車速が回生下限車速以上であって、かつ第1蓄電池の第1電圧が放電下限電圧よりも大きいとき、第1蓄電池の電力が第2蓄電池に充電されるようにするために、電力融通回路に対して、第1スイッチング素子の第1接点と第2スイッチング素子の第2接点とがともに閉じる制御を行う制御回路とを有する。
【選択図】図11

Description

本発明は、車載電源制御装置に関する。
自動車のエンジン始動にはスタータモータに代表される電動機が用いられており、電動機は自動車に搭載された蓄電池からの電力により駆動されている。スタータモータがエンジンを始動する際には瞬間的な大電力が必要であり、エンジンの始動用電源としての蓄電池は大電流による放電を要求される。特許文献1には、キャパシタをエンジンの始動用電源として用いる例が示されている。
特開2005―80466号公報
特許文献1はキャパシタによるエンジンの始動性をより高めるために、始動電力を供給しない他の蓄電池から電力供給を受け、来たるエンジン始動の機会のために、キャパシタを高電圧に充電しておく技術が開示されている。しかしながら、キャパシタへ常に電力を蓄えた状態を維持していると、回生時に回収できる電力エネルギが大幅に減少しまうという問題がある。
請求項1に記載の車載電源制御装置は、車両に搭載され、エンジンの始動に必要なトルクをエンジンへ伝達するスタータモータへ電力を供給する第1蓄電池と、車両に搭載され、車両内の補機類を含む電気負荷へ電力を供給する第2蓄電池との間であって、かつ第1蓄電池と電気負荷との間に配置される第1スイッチング素子を含むとともに、第1スイッチング素子と第1蓄電池との間であって、かつオルタネータと第1蓄電池との間に配置される第2スイッチング素子を含む電力融通回路と、車両の車速が回生下限車速以上であって、かつ第1蓄電池の第1電圧が放電下限電圧よりも大きいとき、放電された第1蓄電池の電力が第2蓄電池に充電されるようにするために、電力融通回路に対して、第1電圧が放電下限電圧に等しくなるまで、第1スイッチング素子の第1接点と第2スイッチング素子の第2接点とがともに閉じる制御を行う制御回路とを備え、車両のアクセルペダルが踏み込まれず、かつ車両のブレーキペダルが踏み込まれているとき、 制御回路は、オルタネータが発電する電力が第1蓄電池に充電されるようにするために、電力融通回路に対して、第1スイッチング素子の第1接点が開くとともに第2スイッチング素子の第2接点が閉じる制御を行うことを特徴とする。
本発明によれば、車載蓄電池の利用効率が向上する。
本発明の一実施の形態における車載電源制御装置及び周辺装置の接続構成を示した概念図である。 車載電源制御装置に含まれる電力融通回路の構成の一例を示した図である。 車載電源制御装置に含まれる電力融通回路の構成の一例を示した図である。 車載電源制御装置に含まれる電力融通回路の構成の一例を示した図である。 電力融通回路の回路特性を例示する図である。 電力融通回路の回路特性を例示する図である。 エンジン始動モードにおいて電力を供給する電流の動きを示した概念図である。 セーフモードにおいて電力を供給する電流の動きを示した概念図である。 充電モード(1)において電力を供給する電流の動きを示した概念図である。 充電モード(2)において電力を供給する電流の動きを示した概念図である。 融通モード(1)において電力を供給する電流の動きを示した概念図である。 放電下限電圧の設定例を示した図である。 融通モード(2)において電力を供給する電流の動きを示した概念図である。 充電モード(3)において電力を供給する電流の動きを示した概念図である。 車載電源制御装置に含まれるコントローラによる制御の状態遷移図である。 コントローラによる制御が、エンジン停止中処理を行う状態からエンジン駆動中処理を行う状態へ遷移する際の判定処理を示したフローチャートである。 コントローラによる制御が、エンジン駆動中処理を行う状態からエンジン停止中処理を行う状態へ遷移する際の判定処理を示したフローチャートである。
図1を用いて、本発明の一実施の形態における車載電源制御装置及び周辺装置の接続構成を説明する。車載電源制御装置及び周辺装置は車両100に含まれる。図1において、車載電源制御装置はコントローラ115及び電力融通回路109を含み、周辺装置はコントローラ115及び電力融通回路109以外の装置を含む。車両100には、エンジン101の駆動力を伝達するベルト102によって回転駆動される発電機であるオルタネータ103が含まれる。エンジン101の始動時には、始動機であるスタータモータ104によって、エンジン始動に必要なトルクがエンジン101へ伝達される。
エンジン101には変速機105及びディファレンシャル106が接続される。車軸107が車輪108を駆動する。オルタネータ103によって発電された電力は、電力融通回路109を介して第1蓄電池110、第2蓄電池111、及び車内電気負荷112へ分配される。
第1蓄電池110及び第2蓄電池111には、それぞれ充電状態監視装置113及び114が組みつけられる。充電状態監視装置113及び114は、それぞれ第1蓄電池110及び第2蓄電池111の充電状態を監視し、充電状態の診断結果をコントローラ115へ送信する。アクセルペダル121の踏み込み量を検出するアクセルペダル踏み込み量検出装置116及びブレーキペダル122の踏み込み量を検出するブレーキペダル踏み込み量検出装置117も同様に、コントローラ115へ、それぞれアクセルペダル踏み込み量及びブレーキペダル踏み込み量の検出結果を送信する。車速検出装置118は、自動車の車速を計測し、コントローラ115へ車速の測定結果を送信する。
コントローラ115は、上述した各装置から得た診断結果、検出結果、及び測定結果といった情報に基づき、オルタネータ103、スタータモータ104、及び電力融通装置109へ制御信号を送信することによって、オルタネータ103、スタータモータ104、及び電力融通装置109を制御する。コントローラ115は、プログラムや演算処理を実行するCPU、CPUが実行するプログラム等を記憶するROM、一時的に情報を記憶するRAM、及び情報の送受信に用いる入出力ポート等を含む。RAMに一時的に記憶される情報は、コントローラ115のCPUによる演算結果と、上述した各装置によってコントローラ115へ送信された診断結果、検出結果、及び測定結果とを含む。
第1蓄電池110はスタータモータ104へ電力を供給し、第2蓄電池111は車両100内の補機類を含む車内電気負荷112へ電力を供給する。
第1蓄電池110は、電気二重層キャパシタ、及び非対称キャパシタのうちの少なくとも一方を含む組電池であることが好ましい。電気二重層キャパシタは、電池内の電極界面で生じる物理現象である電気二重層を応用した蓄電池であればよい。活性炭、カーボンナノチューブ等の炭素材料や金属などが、電極として好適に用いられる。電極間には、水溶液や有機溶媒等が充填される。
非対称キャパシタは、一方の電極として、前述の電気二重層を応用した電極を有し、かつ他方の電極として、インターカレーション型電極、または溶解析出型電極を有する蓄電池であればよい。非対称キャパシタとして、例えばリチウムイオンキャパシタを好適に用いることができる。
第2蓄電池111は、リザーブ型蓄電池、またはロッキングチェア型蓄電池であることが好ましい。リザーブ型蓄電池は、主に金属の溶解析出反応によって電荷が交換されることで充放電を可能にした蓄電池である。リザーブ型蓄電池として、例えば鉛酸蓄電池を好適に用いることができる。ロッキングチェア型蓄電池は、正極及び負極としてインターカレーション型電極が用いられ、かつイオンが充放電によって正極と負極との間を往復することで電荷が交換される蓄電池であればよい。ロッキングチェア型蓄電池として、例えばリチウムイオン二次電池、及びニッケル水素二次電池などが挙げられる。
第1蓄電池110、及び第2蓄電池111は、それぞれ最小構成の単位セルが直列及び並列に接続されて構成される。例えば、第1蓄電池110において、リチウムイオンキャパシタと電気二重層キャパシタとが組み合わされて用いられるなど、複数種類の蓄電池を組み合わせた組電池が使用されることとしても良い。同様に、第2蓄電池111において、複数種類の蓄電池を組み合わせた組電池が使用されることとしても良い。
第1蓄電池110は、電気二重層キャパシタ、及び非対称キャパシタのうちの少なくとも一方を含む組電池であり、第2蓄電池111は、リザーブ型蓄電池、及びロッキングチェア型蓄電池のうちの少なくとも一方を含む組電池であればよい。このようにすることで、第1蓄電池110は、スタータモータがエンジンを始動する際に必要な瞬間的な大電流による放電が可能であり、かつ急速充電が可能であるとともに、第2蓄電池111の電池寿命を延ばすことができる。
第2蓄電池111の電池容量を第1蓄電池110の電池容量で除算して得られた商の値が、10以上200以下であることが好ましい。「III.充電モード(1)」において後述するように、充電モード(1)においては第2電池111よりも第1蓄電池110が優先的に充電される。第2蓄電池111の電池容量を第1蓄電池110の電池容量で除算して得られた商の値が10以上の場合は、第1蓄電池110の電池容量が第2蓄電池111の電池容量に対して大きくなり過ぎないため、充電モード(1)において、第1蓄電池110の優先的な充電に要する時間が抑えられ、車速の減速による回生時に第2蓄電池111が充分に充電されない可能性が抑えられる。第1蓄電池110の優先的な充電に要する時間が抑えられるため、第1蓄電池110を大量に搭載する必要が無く、安価に車載電源を提供することができる。
第2蓄電池111の電池容量を第1蓄電池110の電池容量で除算して得られた商の値が200以下の場合は、第1蓄電池110の電池容量が小さ過ぎないため、スタータモータ104が第1蓄電池110からの供給電力のみを使ってエンジン101を始動できる可能性が高く、アイドリングストップ回数の減少を抑止して燃費低減を図ることができる。すなわち、第2蓄電池111の電池容量を第1蓄電池110の電池容量で除算して得られた商の値が10以上200以下であれば、良好な電力分配が可能となるため、第2蓄電池111へも充電が行われ、大量に第1蓄電池110を車両100に搭載することも必要無いため、安価に車載電源を提供することが可能である。
図2は、電力融通回路109の構成の一例を示す。電力融通回路109は、少なくとも、第1蓄電池110の正極端子と第2蓄電池111の正極端子とを短絡することを可能にする第1スイッチング素子202と、電力融通回路109に対して第1蓄電池110を電気的に接続したり切断したりすることが可能な第2スイッチング素子203とを含む。第1スイッチング素子202は、第1蓄電池110と第2蓄電池111との間であって、かつ第1蓄電池110と車内電気負荷112との間に配置される。第2スイッチング素子203は、第1スイッチング素子202と第1蓄電池110との間であって、かつオルタネータ103と第1蓄電池110との間に配置される。
電力融通回路109は、さらに、第2蓄電池111から第1蓄電池110へ向かう方向D1の電圧または電流を制限する第1整流素子201を含むことが好ましい。第1整流素子201は、第2スイッチング素子203と第2蓄電池111及び車内電気負荷112との間に、第1スイッチング素子202と並列に配置される。電力融通回路109は、さらに、第1蓄電池110から第2蓄電池111へ向かう方向D2の電圧または電流を制限する第2整流素子200を含むことが好ましい。第2整流素子200は、第2スイッチング素子203と第2蓄電池111及び車内電気負荷112との間に、第1スイッチング素子202及び第1整流素子201と並列に配置される。
第1整流素子201及び第2整流素子200は、それぞれ、図2に示すように1つまたは複数のダイオード204を直列に接続することで構成できる。ダイオード204の1つの順方向降下電圧はおよそ0.5V〜1.5Vであるため、第1整流素子201による電圧制御及び第2整流素子200による電圧制御は、ダイオード204の直列接続数によって任意かつ好適に提供可能である。図2は、3個のダイオード204が直列に接続されることによって構成された第2整流素子200と、1個のダイオード204で構成された第1整流素子200とを示しているが、第1整流素子201及び第2整流素子200において、接続するダイオード204の個数は、図2に示す例に特に限定されるものではない。第1整流素子201及び第2整流素子200として、それぞれ任意かつ好適な個数のダイオード204を用いることができる。
図2に示した電力融通回路109において、第1整流素子201及び第2整流素子200は、ダイオード204を用いた電圧制御式の整流素子である。第1整流素子201及び第2整流素子200は、それぞれスイッチング素子を用いた電流制御式の整流素子であってもよい。このような電流制御式の整流素子として、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor,IGBT)や、サイリスタ、MOS−FET(Metal Oxide Semiconductor − Field Effect Transister)などの半導体スイッチを用いることが好ましい。
第1スイッチング素子202及び第2スイッチング素子203として、それぞれマグネットスイッチや半導体リレーが用いられることとしてもよい。第1スイッチング素子202として半導体スイッチが用いられる場合、電力融通回路109での半導体スイッチの配置方向に依存して順方向電流制御となる場合や逆方向電流制御となる場合がある。したがって、図3に示すように、第1整流素子201及び第2整流素子200と並列に配置されたスイッチング素子202a及び202bが、互いに逆の配置方向に並列して配置されることで、制御される電流の両方向を考慮した目標特性が得られるようにしてもよい。なお、スイッチング素子202a及び202bが第1スイッチング素子202を構成する。
電圧制御式または電流制御式の第1整流素子201及び第2整流素子200が、図3に示した第1スイッチング素子202を兼ねることとしてもよい。図4に示すように電流制御式の整流素子によって第1の整流素子201及び第2の整流素子200がそれぞれスイッチング素子202a及び202bの機能を兼ねることで、回路の簡略化を図ることができる。なお、半導体スイッチであるスイッチング素子202a及び202bが第1スイッチング素子202を構成する。このような場合には、充電状態監視装置113及び114によって計測される電池の電圧をコントローラ115が比較する。コントローラ115は、充電状態監視装置113及び114によって計測される電池の電圧差が所定値となるように、第1整流素子201及び第2整流素子200を制御する。例えば、コントローラ115からパルス状のスイッチング信号を出力する際のデューティ比を変更することにより電力融通回路109を流れる電流値を調節することができる。なお、デューティ比は、パルス一周期間に対するパルス立ち上がり時間の割合である。
第2スイッチング素子203の付近には、急峻な電力入力を緩和するために、図3に示すような大きなリアクタンス205が挿入されてもよいし、抵抗器206が含まれてもよいし、スナバ回路207が第2スイッチング素子203と並列に実装されてもよい。このような回路を保護するために適当な任意の回路素子がこの回路に実装されていてもよい。
第1整流素子201及び第2整流素子200に電圧制御式の整流素子が用いられた場合、第1整流素子201及び第2整流素子200の両端の電圧差に対する電流の特性は、図5及び図6に示される。第1整流素子201及び第2整流素子200の両端の電圧差に対する電流の特性は、第1スイッチング素子202の接点が開いているときは図5に示され、第1スイッチング素子202の接点が閉じているときは図6に示される。図5及び図6のいずれにおいても、第1整流素子201及び第2整流素子200の両端の電圧差は、その両端のうちの一方に対応する第2蓄電池111側を基準とし、方向D2に流れる電流が正の値をとり、方向D1に流れる電流が負の値とることとする。コントローラ115によって第1スイッチング素子202が駆動されていない場合、すなわち第1スイッチング素子202の接点が開いている場合は、図5に示すように、第1蓄電池110及び第2蓄電池111の間に、第1整流素子201及び第2整流素子200のそれぞれの順方向降下電圧が印加されるまでは電流が流れないので、第1整流素子201及び第2整流素子200の両端の電圧差は保持され、すなわち第1蓄電池110及び第2蓄電池111の間の電圧差は保持される。
コントローラ115が第1スイッチング素子202を駆動することで第1スイッチング素子202の接点が閉じるため、第1整流素子201及び第2整流素子200の両端の電圧差にほぼ関係なく電流を流すことができるようになる。すなわち、第1整流素子201及び第2整流素子200のそれぞれの順方向降下電圧に関わらず、第1蓄電池110及び第2蓄電池111のうち、より電圧の高い電池から優先的に放電させることや、第1蓄電池110及び第2蓄電池111のうちの一方の電池の放電電力で電圧の低い他方の電池を充電することも可能になる。第1整流素子201及び第2整流素子200として、電圧制御式の整流素子及び電流制御式の整流素子のうちのいずれか一方のみが用いられてもよいし、第1整流素子201及び第2整流素子200のうちの一方に電圧制御式の整流素子が用いられて、かつ他方に電流制御式の整流素子が用いられてもよい。
第1蓄電池110は直列に接続されたn1個の単独セルを含む組電池であり、それらn1個の単電池セルの各々は、完全放電時に電圧V11、満充電時に電圧V11よりも大きい電圧V12となる。したがって、第1蓄電池110の最低放電下限電圧VLは各単電池セルの電圧V11のn1倍に等しく、第1蓄電池110の最低放電下限電圧VLよりも大きい充電上限電圧VUは各単電池セルの電圧V12のn1倍に等しい。第2蓄電池111は、直列に接続されたn2個の単電池セルを含む組電池であり、第2蓄電池111の定格電圧Cは、各単電池セルの定格電圧C0のn2倍に等しい。
第2蓄電池111の充電上限電圧Vuは、定格電圧Cよりも大きく、かつ第1蓄電池110の充電上限電圧VUよりも小さいことが好ましい。第2蓄電池111の最低放電下限電圧Vlは、定格電圧Cよりも小さく、かつ第1蓄電池110の最低放電下限電圧VLよりも大きいことが好ましい。すなわち、VL<Vl<Vu<VUという関係が成り立つことが好ましい。このとき、第1蓄電池110と第2蓄電池111との間が電気的に接続されると、第1蓄電池110及び第2蓄電池111の充電電圧が大きいときは第1蓄電池110から第2電池111への電力融通が自動的に行われ得るとともに、第1蓄電池110及び第2蓄電池111の充電電圧が小さいときは第2蓄電池111から第1電池110への電力融通が自動的に行われ得る。
電力融通回路109に含まれる第1整流素子201は、例えば、直列に接続されたn3個のダイオード204を含み、第1整流素子201の順方向降下電圧V31は、各ダイオード204の順方向降下電圧V40のn3倍に等しい。電力融通回路109に含まれる第2整流素子200は、例えば、直列に接続されたn4個のダイオード204を含み、第2整流素子200の順方向降下電圧V32は、各ダイオード204の順方向降下電圧V40のn4倍に等しい。このとき、0≦V31<V32であって、かつVL<C−V31<C<C+V32<VUという関係が成り立つことが好ましい。その場合、電力融通回路109により、第2蓄電池111の定格電圧Cに対する電圧差が保持されるため、第1蓄電池110を、C−V31からC+V32までの電圧範囲で充放電に用いることが可能となる。
上述したVL<C<VUという関係に加えて、(VU−VL)÷2+VL≧Cという関係が成り立つことが好ましい。すなわち、第2蓄電池111の定格電圧Cは、第1蓄電池110の充電上限電圧VUよりも小さく、第1蓄電池110の最低放電下限電圧VLよりも大きく、第1蓄電池110の充電上限電圧VUから最低放電下限電圧VLを引いた差を2で除算して得られた商(VU−VL)÷2と、第1蓄電池110の最低放電下限電圧VLとの和以下であることが好ましい。例えばリチウムイオンキャパシタである第1蓄電池110は、例えば鉛酸蓄電池である第2蓄電池111と比較して大電力の入出力に適しているため、VL<C<VU、かつ(VU−VL)÷2+VL≧Cという関係が成り立つと、第1蓄電池110の利用率が向上する。
例えばリチウムイオンキャパシタである第1蓄電池110は、充電電圧と電池容量とがほぼ比例関係にあり、(VU−VL)÷2+VLという計算の結果として得られる電圧は、リチウムイオンキャパシタの電池容量のうちの充放電が可能な電圧範囲のほぼ50%に対応する電圧である。第1蓄電池110の構成が、(VU−VL)÷2+VL≧Cという関係を満足する構成であれば、第1蓄電池110が蓄積及び消費可能な電力のうちの少なくとも50%以上を、後述する「V.融通モード(1)」で第1蓄電池110が第2蓄電池111に向けて放電可能な電力、あるいは第1蓄電池110が車内電気負荷112に対して供給可能な電力とすることが、可能である。すなわち、第1蓄電池110の利用率を大きくすることができる。
一例として、第1蓄電池110に含まれる単電池セルの個数n1=4、その単電池セルの完全放電時の電圧V11=2.2[V]、その単電池セルの満充電時の電圧V12=3.8[V]、第1蓄電池110の最低放電下限電圧VL=8.8[V]、第1蓄電池110の充電上限電圧VU=15.2[V]、第2蓄電池111に含まれる単電池セルの個数n2=6、その単電池セルの定格電圧C0=2[V]、第2蓄電池111の定格電圧C=12[V]、第2蓄電池111の最低放電下限電圧Vl=10[V]、第2蓄電池111の充電上限電圧Vu=13.8[V]、第1整流素子201及び第2整流素子200に含まれるダイオード204の順方向降下電圧V40=0.6[V]、第1整流素子201に含まれるダイオード204の個数n3=2、第2整流素子200に含まれるダイオード204の個数n4=5、第1整流素子201の順方向降下電圧V31=1.2[V]、及び第2整流素子200の順方向降下電圧V32=3.0[V]は、上述した関係を満たす。しかし、この例は一例であり、本発明はこの例に限られない。
電力融通回路109及びコントローラ115によって提供される車載電源制御装置の電力融通処理時における駆動モードについて詳述する。
−−−I.エンジン始動モード−−−
図7は、通常のエンジン始動時における電力供給形態を、電流の動きで示している。第1蓄電池110の充電電圧V1が十分に高い場合は、コントローラ115は、第2スイッチング素子203の接点が開放されるように、電力融通回路109を制御する。その結果、第1蓄電池110を含む第1電源系と、第2蓄電池111を含む第2電源系とが電気的に切り離される。このように第1電源系が、第2電源系から切り離されることで、エンジン101始動時のスタータモータ104への電力供給に必要な大電力の放電が、すべて第1蓄電池110によって行われるため、第2電源系に干渉しないエンジン始動が可能になる。第2蓄電池111は大電力を放電する必要が無いので、エンジン始動に伴う電圧変動が第2蓄電池111では起こらず、第2蓄電池111によって車内電気負荷112へ安定的に電力が供給されるとともに、急速な放電による第2蓄電池111の劣化が抑制される。
−−−II.セーフモード−−−
図8は、セーフモードでのエンジン始動時における電力供給形態を、電流の動きで示している。第1蓄電池110の充電電圧V1が、十分に高くない場合が想定される。このような場合には、コントローラ115は、第2スイッチング素子203の接点が閉じられるように、電力融通回路109を制御する。その結果、第1電源系と第2電源系との電気的な接続が確保される。この場合、第1整流素子201の順方向降下電圧V31を上回る電圧差が、第1蓄電池110と第2蓄電池111との間に発生するまでは、第1蓄電池110のみによってスタータモータ104へ電力が供給される。第1蓄電池110の充電電圧V1がさらに低下すると、第1蓄電池110と第2蓄電池111との間の電圧差が第1整流素子201の順方向降下電圧V31を上回るため、第2蓄電池111による車内電気負荷112への電力供給用の放電に加えてスタータモータ104への電力供給用の放電が開始される。これにより、第1蓄電池110の充電電圧V1が万が一低下した場合においても、エンジン101を確実に始動することができる。
−−−III.充電モード(1)−−−
図9は、車両100のアクセルペダル121が踏み込まれず、かつブレーキペダル122が踏み込まれているために、車速が減速する時の電力分配形態を、電流の動きで示している。このとき、オルタネータ103によって電力が発電される。第1蓄電池110の電圧と第2蓄電池111との間の電圧差が、第1整流素子201の順方向降下電圧V31以下であって、かつ第2整流素子200の順方向降下電圧V32以下の場合、コントローラ115は、第1スイッチング素子202の接点が開き、かつ第2スイッチング素子203の接点が閉じるように、電力融通回路109を制御する。こうすることによって、オルタネータ103によって発電された電力が、まず第1蓄電池110に優先的に充電される。
第1蓄電池110の充電が進み、第1蓄電池110と第2蓄電池111との間の電圧差が第2整流素子200の順方向降下電圧V32を上回った際に、引き続き、第2スイッチング素子203を通じて、オルタネータ103によって発電された電力が第1蓄電池110に充電されるとともに、第2整流素子200を通じて、オルタネータ103によって発電された電力が第2蓄電池111へ充電される。すなわち、第2整流素子200の順方向降下電圧V32が設けられていることで、第1蓄電池110の電圧が小さいときは第1蓄電池110を優先的に充電することが可能となる。それとともに、第2整流素子200が作動する際の第1蓄電池110の電圧が、第2蓄電池111の充電電圧に応じて自動的に調整されるため、第2蓄電池111の充電電圧が極端に低下した状態が維持されることを防止できる。オルタネータ103によって発電された電力が、第2整流素子200を通じて、第2蓄電池111へ充電されるとともに、車内電気負荷112に対して給電されることとしてもよい。
−−−IV.充電モード(2)−−−
図10は、車両100のアクセルペダル121が踏み込まれず、かつブレーキペダル122もほとんど踏み込まれないために、惰性走行の状態で車速が減速する時または低速走行時の第2蓄電池111のみへの充電形態を、電流の動きで示している。このようにオルタネータ103の発電電力の第2蓄電池111のみへの充電が必要となる場合は、コントローラ115は、第2スイッチング素子203の接点が開くように電力融通回路109を制御する。これにより、第1電源系と第2電源系との間の電気的な接続が切り離される。加えて第1スイッチング素子202の接点が閉じるように、コントローラ115によって電力融通回路109が制御されることで、第2整流素子200を経由することなくオルタネータ103から第2蓄電池111へ充電電流を流すことが可能となる。そのため、充電電流が第2整流素子200を流れることによる電圧低下や電流損失を防止し、第2蓄電池111に対する損失の少ない充電を行うことが可能となる。オルタネータ103の発電電力が車内電気負荷112へ直接供給される場合、及び電力融通回路109が待機状態となる場合の、第1スイッチング素子202及び第2スイッチング素子203の開閉状態も、同様の状態となる。エンジン自動停止条件を満足してエンジン101が自動停止する際にも、同様の状態へ遷移した後に、エンジンが自動停止する。
−−−V.融通モード(1)−−−
図11は、第1蓄電池110から第2蓄電池111及び車内電気負荷112への電力融通の形態を、電流の動きで示している。車両100の速度が後述する回生下限車速va以上となった場合であって、かつ第1蓄電池110の充電電圧V1が後述する放電下限電圧Vdよりも大きい場合には、コントローラ115は、第1スイッチング素子の接点及び第2スイッチング素子203の接点がともに閉じるように、電力融通回路109を制御する。こうすることで、第1蓄電池110の電力が放電され、放電された第1蓄電池110の電力が、第2蓄電池111に充電されたり、車内電気負荷112へ供給されたりする。このようにして第1蓄電池110の電力が放電されることで、第1蓄電池110の充電電圧V1を低下させることができる。
車両100の車速情報に基づき、第1蓄電池の放電下限電圧Vdが定まるのが好ましい。車速が大きいときは、第1蓄電池の放電下限電圧Vdを小さくすることで、アイドリングストップ回数を減少させることなく減速回生時の電力回収量を増加させることができる。すなわち、車速が大きくなるほど運動エネルギも増大するため、減速回生によって得られる電力が上昇する。そのため、第1蓄電池110が、より多くの電力を放電しておくことで、第1蓄電池110が回生電力を受け入れられる余裕を増やすことができる。こうして減速回生時の電力回収量が増加する。
車速があまり大きくない場合に、第1蓄電池110が過度に放電を行うと、減速回生時に回収できる電力が十分でないために、アイドリングストップ回数が減少する可能性が有る。したがって、車速が小さいときは、第1蓄電池の放電下限電圧Vdを大きくする。このように、車速に合わせて放電下限電圧Vdを設定することで、アイドリングストップ回数を減少させることなく回生電力の回収量を増大させることができる。
図12は、第1蓄電池の放電下限電圧Vdと車両100の車速との関係の一例を示す。図12に示すように、回生下限車速vaよりも車速が小さい場合、放電下限電圧Vdは、第1蓄電池110の充電上限電圧VUに等しい。車速が回生下限車速vaよりも大きくなるにつれて、放電下限電圧Vdは小さくなる。上述したように、車速に合わせて放電下限値Vdを設定することで、アイドリングストップ回数を減少させることなく回生電力の回収量を増大させることができる。
回生下限車速vaは、車軸107からエンジン101が連れまわされる状態でフューエルカット(エンジン101への燃料供給停止)を実施してもエンジン101のドライバビリティが損なわれない車速の下限値である。車軸107からエンジン101が連れまわされる状態は、例えば、ロックアップ機構によるクラッチ締結時の車輪108の回転によってエンジン101が駆動している状態である。エンジン101のドライバビリティが損なわれない車速は、例えば、エンジン101においてエンジンストールが発生しない車速である。
回生下限車速vaは、変速機の種別及び変速比、ならびにクラッチの締結状態等により種々の値に変更される。したがって、回生下限車速vaは、ほぼ時速10km/hから40km/hまでの範囲に含まれることが好ましい。回生下限車速vaが小さくなるほど、得られる回生電力量が大きくなる。そのため、回生下限車速vaは、上述したほぼ時速10km/hから40km/hまでの範囲のうちの、より低車速側、すなわち時速10km/hから20km/hまでの間に含まれる値で設定されることが、より好ましい。回生下限車速vaは、時速10km/hから15km/hまでの間に含まれる値に設定されると、最も好ましい。
車速がさらに大きくなって最大放電車速vbに達すると、放電下限電圧Vdが第2蓄電池111の電圧V2に等しくなる。放電下限電圧Vdが第2蓄電池111の電圧V2に等しくなると、車速が最大放電車速vbよりもさらに大きくなっても、放電下限電圧Vdは第2蓄電池111の電圧V2を下回らず、図12では放電下限電圧Vdは第2蓄電池111の電圧V2に等しいままである。車速が最大放電車速vbから回生下限車速vaに減速した際に、オルタネータ103が発電することによって得られる電力が第1蓄電池110に充電されると、第1蓄電池110の充電電圧V1が、第1蓄電池110の電池容量のうちの充放電が可能な電圧範囲の所定割合の範囲、例えば50%から100%までの範囲に含まれることとなるように、最大放電車速vbが予め決定される。換言すると、第1蓄電池110において、減速回生によって十分な電力量の電力が回復されることとなる車速が最大放電車速vbである。
最大放電車速vbは、少なくとも回生下限車速vaを上回る必要がある。また、最大放電車速vbは、来たる減速回生の機会に第1電池110が充電上限電圧VU付近まで充電可能となるように設定されることが好ましい。したがって、最大放電車速vbは、時速40km/hから時速100km/hまでの間の値に設定されることが好ましい。より好ましくは、最大放電車速vbは時速50km/hから80km/hの間の値である。ほぼ時速60km/hが、最大放電車速として設定されることが、最も好ましい。
このようにして最大放電車速vbが決定されることにより、減速回生によって十分な電力量の電力が回復される。車速が最大放電車速vbであるときの放電下限電圧Vdが第2蓄電池111の電圧V2で表される座標位置と、車速が回生下限車速vaであるときの放電下限電圧Vdが第1蓄電池110の充電上限電圧VUで表される座標位置とを、直線または曲線で結んだ線で、車速が回生下限車速vaと最大放電車速vbとの間に含まれるときの放電下限電圧Vdを表すことができる。この場合、放電下限電圧Vdは車速情報に応じて変化する。
−−−VI.融通モード(2)−−−
図13は、第1蓄電池110の充電電圧V1が、エンジン101が始動するためのスタータモータ104の駆動に必要な電圧よりも小さい場合であって、かつエンジン101が始動前で駆動していない場合に、第2蓄電池111によって放電された電力の一部が第1蓄電池110へ充電される様子を、電流の動きで示した図である。第2蓄電池111によって放電された電力の残部は車内電気負荷112に供給される。コントローラ115は、第1スイッチング素子202の接点と第2スイッチング素子203の接点とがともに閉じるように電力融通回路109を制御する。こうすることで放電された第2蓄電池111の電力が、第1スイッチング素子202及び第2スイッチング素子203を介して第1蓄電池110に充電される。これにより、第1蓄電池110の充電電圧V1がスタータモータ104の駆動に必要な電圧に回復した充電状態が得られる。第1蓄電池110の充電電圧V1がスタータモータ104の駆動に必要な電圧に回復した充電状態が得られると、第1蓄電池110の充電は終了する。充電終了後、電力融通回路109及びコントローラ115で構成される車載電源制御装置は、エンジン101の始動に備えて、上述したセーフモードで待機する。
第1蓄電池110が、エンジン101が始動するためのスタータモータ104の駆動に必要な電力を有する充電状態にあるときでも、その第1蓄電池110の充電電圧V1が第2蓄電池111の電圧V2より低い場合が考えられる。この場合において、第1蓄電池110の電圧V1と第2蓄電池111の電圧V2との電圧差が、第1整流素子201の順方向降下電圧を上回るときは、コントローラ115は、第1蓄電池110がスタータモータ104を駆動できる充電状態では無いと判定する。このように判定されると、第1蓄電池110の電圧V1と第2蓄電池111の電圧V2との電圧差が、0以上であって第1整流素子201の順方向降下電圧以下の電圧範囲に含まれるようになるまで、コントローラ115は、電力融通回路109に対して、第1スイッチング素子202の接点が開く制御、かつ第2スイッチング素子203の接点が閉じる制御を行う。これにより、放電された第2蓄電池111の電力が、第1整流素子201及び第2スイッチング素子203を介して第1蓄電池110に充電される。これにより、車両100のエンジン101始動後の低速走行時におけるアイドリングストップ回数の減少を抑制することができる。
−−−VII.充電モード(3)−−−
図14は、第1蓄電池110及び第2蓄電池111が同じ電圧になるように、オルタネータ103の発電電力が第1蓄電池110及び第2蓄電池111に充電される場合の電力分配形態を、電流の動きで示している。上述した「IV.充電モード(2)」で説明したように、車両100のアクセルペダル121が踏み込まれず、かつブレーキペダル122もほとんど踏み込まれていないときは、オルタネータ103が発電した電力は第2蓄電池111のみへ充電される。上述した「III.充電モード(1)」で説明したように、車両100のアクセルペダル121が踏み込まれず、かつブレーキペダル122が踏み込まれているときは、第1蓄電池110と第2蓄電池111との間の電圧差が第2整流素子200の順方向降下電圧V32を上回るまでの間、オルタネータ103が発電した電力は第1蓄電池110に優先的に充電される。車両100が都市部や渋滞区間を走行するような場合には、アイドリングストップが頻繁に生じることによって第1蓄電池110の電力が消費されるとともに、補機類の長時間使用によって第2蓄電池111の電力も消費される。このような場合、すなわち第1蓄電池110の電圧V1及び第2蓄電池111の電圧V2がそれぞれ下限値を下回る場合には、第1蓄電池110の電圧V1及び第2蓄電池111の電圧V2が均等に上昇することが好ましい。
オルタネータ103が発電しているときであって、かつ第1蓄電池110の電圧V1が第1下限値を下回るとともに第2蓄電池111の電圧V2が第2下限値を下回るとき、コントローラ115は、電力融通回路109に対して、第1スイッチング素子202の接点が開くとともに第2スイッチング素子203の接点が閉じる制御を行う。第1蓄電池110の電圧V1が、第2蓄電池111以上の電圧V2になるまでオルタネータ103が駆動して得られる発電電力が、第1蓄電池110に充電される。第1蓄電池110の電圧V1が第2蓄電池111の電圧V2よりも大きくなると、コントローラ115は、第2スイッチング素子203の接点とともに第1スイッチング素子202の接点が閉じるように電力融通回路109を制御する。このようにして、第1蓄電池110の電圧V1及び第2蓄電池111の電圧V2が、互いに等しい電圧を保ちながら、ともに第2蓄電池111の定格電圧Cに達するまで、オルタネータ103が発電する電力が、第1蓄電池110及び第2蓄電池111に充電されるとともに、車内負荷112にも供給される。これにより、第1蓄電池110の電圧V1及び第2蓄電池111の電圧V2を均等に上昇させることができる。
上述した車載電源制御装置の電力融通処理時における駆動モードにおいて、コントローラ115による電力融通回路109の制御は、コントローラ115によって電力融通回路109へ制御信号が送信されることによって行われる。以下においては、コントローラ115による上述した各駆動モードの選択条件について詳述する。
図15は、コントローラ115による各駆動モードの決定制御に際しての状態遷移図を示している。コントローラ115は、アイドリングストップなどで車両100のエンジン101が自動停止した状態では、エンジン停止中処理S100を実施することによってエンジン始動に備える。
エンジン停止中処理S100では、コントローラ115は、充電状態判定処理S101を実行しエンジン始動要求が有るまで待機する。コントローラ115は、充電状態判定S101で、第1蓄電池110の充電電圧V1がスタータモータ104を駆動可能な電圧より低下していると判断した場合、「VI.融通モード(2)」の処理S102を実行する。コントローラ115は、エンジン自動停止中に第2蓄電池111が車内電気負荷112への電力供給によって電力を消費し、第2蓄電池111の充電電圧が低下した場合には、エンジン101を再始動させる(処理S105及びS106)とともに、オルタネータ103によって第2蓄電池111を充電することが可能な状態に遷移し、オルタネータ103に第2蓄電池111を充電させる(処理S111)。エンジン停止中処理S100において、キーオフ操作処理S103が実施された場合には、本制御は終了する(処理S109)。
エンジン停止中処理S100の間にエンジン始動要求があった場合、または、キーオン操作S104によってエンジン始動が実施された際には、エンジン始動判定処理S105へ状態が遷移する。エンジン始動判定処理S105では、コントローラ115は、第1蓄電池110及び第2蓄電池111の充電状態に応じて、「I.エンジン始動モード」の処理S106及び「II.セーフモード」の処理S107のいずれにおいてエンジン始動が行われるかについて判定する。「I.エンジン始動モード」の処理S106でエンジン始動が失敗した場合は、「II.セーフモード」の処理S107によるエンジン始動が試みられる。エンジン始動が成功した場合は、エンジン駆動中処理S110へ状態が遷移する。「II.セーフモード」の処理S107でエンジン始動が失敗した場合、コントローラ115は、エラー処理S108を通じてエンジン始動エラーをユーザへ通知し、本制御は終了する(処理S109)。
エンジン駆動中処理S110では、コントローラ115は、電力融通回路109の待機モードとして、「IV.充電モード(2)」の処理S111を選択して実行する。「IV.充電モード(2)」の処理S111が実行される状態から、「V.融通モード(1)」の処理S112、「III.充電モード(1)」の処理S113、「VII.充電モード(3)」の処理S114、及びエンジン自動停止処理S115の各処理が実行される各状態への遷移が可能である。エンジン駆動中処理S110では、第1蓄電池110及び第2蓄電池111の充電状態監視装置113及び114から提供される情報と、アクセルペダル踏み込み量検出装置116から提供される情報と、ブレーキペダル踏み込み量検出装置117から提供される情報と、車速検出装置118から提供される情報と、エンジン101のエンジン回転数に関する情報と、車内電気負荷112の稼働状況に関する情報とのうちの少なくとも一つの情報に基づき、「IV.充電モード(2)」の処理S111が実行される状態から上述した他の運転状態へ遷移するように、割り込み処理が行われる。
「IV.充電モード(2)」の処理S111が実行される待機状態で車両100が加速し、車速が回生下限車速を上回ると、「V.融通モード(1)」の処理S112を実施可能な状態へ遷移する。「V.融通モード(1)」の処理S112の状態で、踏み込まれていたアクセルペダル121が戻され、車両100が惰性走行を始めると、「IV.充電モード(2)」の処理S111が実行される状態へ遷移し、惰性走行の状態ではオルタネータ103の発電電力の第2蓄電池111への充電が実施される。
車両100の車速が回生下限車速vaを上回った状態でブレーキペダル122が踏み込まれ、車両100の車速が減速し始めると、「III.充電モード(1)」の処理S113が実行される状態へ遷移し、第1蓄電池110及び第2蓄電池111への充電が実施される。「III.充電モード(1)」の処理S113の状態で車両100の車速が回生下限車速を下回ると、「IV.充電モード(2)」の処理S111が実行される状態へ遷移する。「III.充電モード(1)」の処理S113の状態で、踏み込まれていたブレーキペダル122が戻され、車速が再び加速され、かつその車速が回生下限車速vaを上回っていれば、「V.融通モード(1)」の処理S112が実行される状態へ遷移し、第1蓄電池110に蓄えられた電力が放電される。
アイドリングストップが多用されるような低速走行や、補機類が長時間使用されるような渋滞路走行においては、充電状態監視装置113及び114によって検出された第1蓄電池110及び第2蓄電池111の充電状態情報に基づき、第1蓄電池110の電圧V1が第1下限値を下回るとともに第2蓄電池111の電圧V2が第2下限値を下回ることが検出される場合がある。その場合、第1蓄電池110の電圧V1がさらに低下して最低放電下限電圧VLに達しないように、かつ第2蓄電池111の電圧V2がさらに低下して最低放電下限電圧Vlに達しないように、第1蓄電池110及び第2蓄電池111への充電が均等に行われることが好ましい。したがって、「IV.充電モード(2)」の処理S111の状態で車両100が惰性走行または低速走行を行っていて、オルタネータ103が発電している場合、第1蓄電池110の電圧V1が第1下限値を下回るとともに第2蓄電池111の電圧V2が第2下限値を下回るとき、「VII.充電モード(3)」の処理S114が実行される状態へ遷移し、第1蓄電池110及び第2蓄電池111への充電が行われる。「IV.充電モード(2)」の処理S111の状態において、エンジン自動停止処理S115が実行された場合には、エンジン停止中処理S100へ状態が遷移する。
以上のように、それぞれの状態から他の異なる状態への遷移は、充電状態監視装置113、充電状態監視装置114、アクセルペダル踏み込み量検出装置116、ブレーキペダル踏み込み量検出装置117、及び車速検出装置118のうちの少なくとも1つからコントローラ115へ送信される情報に基づいて行われる。車速検出装置118から送信される情報は車速情報である。アクセルペダル踏み込み量検出装置116から送信される情報は、アクセルペダル121の踏み込み量に関する情報である。ブレーキペダル踏み込み量検出装置117から送信される情報は、ブレーキペダル122の踏み込み量に関する情報である。充電状態監視装置113から送信される情報は、第1蓄電池110の充電状態に関する情報である。充電状態監視装置114から送信される情報は、第2蓄電池111の充電状態に関する情報である。上述した状態遷移は、コントローラ115によって提供される不図示のタイマ等によって計測される時間経過に応じて行われる場合もある。
図16及び図17を用いて、状態遷移における各駆動モードの決定処理について詳述する。
図16は、エンジン停止中処理S100からエンジン駆動中処理S101までの状態遷移において、コントローラ115によって実行される判定制御のフローチャートを示している。ステップS200で本制御が開始されると、コントローラ115は、ステップS201において、第1蓄電池110の充電状態がスタータモータを駆動できる充電状態であると判定し、ステップS202でエンジン始動要求があると判定すれば、ステップS205において、「I.エンジン始動モード」の処理を実行することを決定する。コントローラ115は、ステップS202でエンジン始動要求が無いと判定すれば、本制御はステップS201に戻る。ステップS205で「I.エンジン始動モード」の処理が実行されると、コントローラ115は、ステップS207でエンジン始動ができたか否かを判定し、エンジン始動に成功した場合は、ステップS210で本制御は終了し、エンジン駆動中処理S101へ状態が遷移する。ステップS207でエンジン始動に失敗した場合は、後述するステップS206が行われる。
コントローラ115は、ステップS201において、第1蓄電池110の充電状態がスタータモータを駆動できる充電状態ではないと判定すると、ステップS203において、「VI.融通モード(2)」を実行することを決定する。コントローラ115は、ステップS204でエンジン始動要求が無いと判定すれば、エンジン始動要求があるまで待機し、エンジン始動要求があれば、ステップS206が行われる。ステップS206では、「II.セーフモード」の処理が実行される際、エンジン始動が実施される。コントローラ115は、ステップS208でエンジン始動ができたか否かを判定し、エンジン始動に成功すれば、ステップS210で本制御は終了し、エンジン駆動中処理S101へ状態が遷移する。ステップS208でエンジン始動に失敗した場合、ステップS209において、コントローラ115はユーザへエンジン始動エラーを通知し、ステップS210で本制御は終了し、エンジン駆動中処理S101へ状態が遷移する。
図17は、エンジン駆動中処理S101からエンジン停止中処理S100までの状態遷移において、コントローラ115によって実行される判定制御のフローチャートを示している。ステップS300で本制御が開始されると、コントローラ115は、ステップS301において、エンジン駆動中に、第2蓄電池111の充電状態監視装置114によって得られた第2蓄電池111の充電電圧V2が第2下限値を下回るか否かを判定する。肯定判定された場合、コントローラ115は、ステップS302において、エンジン駆動中に、第1蓄電池110の充電状態監視装置113によって得られた第1蓄電池110の充電電圧V1が第1下限値を下回るか否かを判定する。ステップS301またはS302で否定判定された場合、コントローラ115は、ステップS303で「VII.充電モード(3)」を実行することを決定し、第1蓄電池110及び第2蓄電池へ111への充電が行われ、ステップS307に示すように本制御はステップS300へ戻る。
ステップS301において第1蓄電池110の電圧V1が第1下限値以上であって、かつステップS302において第2蓄電池111の電圧V2が第2下限値以上であれば、コントローラ115は、ステップS304において、エンジン自動停止条件が満たされているか否かを判定する。ステップS304において、エンジン自動停止条件が満たされていればエンジン自動停止処理が行われ、ステップS305において、本制御が終了し、エンジン停止中処理S100へ状態が遷移する。このように、コントローラ115がエンジン停止条件を判定する前のステップS301およびS302において第1蓄電池及び第2蓄電池の充電状態を判定することで、車内電気負荷112へ電力を供給する第2蓄電池の充電電圧V2及びエンジン始動を実施するスタータモータ04へ電力を供給する第1蓄電池の充電電圧V1が著しく低下することを防止することができる。
ステップS304においてエンジン停止条件が満足されていないと判定された場合であって、エンジン101が駆動し、車両100が走行中または走行可能な状態であるときは、ステップS306で、コントローラ115は、車両100の車速が回生下限車速va以上であるか否かを判定する。ステップS306で肯定判定されると、ステップS308において、コントローラ115は、車速が回生下限車速va以上であり、かつアクセルペダル121が踏み込まれる加速状態にあるか否かを判定する。ステップS308で肯定判定されると、コントローラ115は、ステップS309において、第1蓄電池110の充電電圧V1が放電下限電圧Vdよりも大きいと判定した場合には、ステップS310において、「V.融通モード(1)」を実行することを決定する。「V.融通モード(1)」においては、第1蓄電池110の放電電力が、第2蓄電池111へ充電されるとともに、車内電気負荷112へ給電される。こうして、第1蓄電池110の充電電圧V1を低下させることで、後述するステップS312における「III.充電モード(1)」において、減速回生時の回収電力量を増加させることができる。
コントローラ115は、ステップS308においてアクセルペダル121が戻されたと判定し、かつステップS311においてブレーキペダル122が踏まれていないと判定した場合、すなわち車両100が惰性走行している場合には、「IV.充電モード(2)」を実行することを決定する。「IV.充電モード(2)」においては、第2蓄電池111のみに対して充電が行われる。コントローラ115は、ステップS311において、ブレーキペダル122が踏み込まれ、強力な減速回生が可能となったと判定した場合には、ステップS313において、「III.充電モード(1)」を実行することを決定する。このようにブレーキ操作によって減速回生の強さを変更することで、ドライバーに急峻な減速を感じさせることが無く、乗り心地の向上を図ることができる。
オルタネータ103によって変動する減速の度合いに対して、他のブレーキ機構のブレーキ力を協調制御させることで、ドライバーに対して違和感のないブレーキフィーリングを提供し、乗り心地をさらに向上させることも可能である。
上述した車載電源制御装置は、電力融通回路109とコントローラ115とを含む。電力融通回路109は、第1スイッチング素子202を含む。第1スイッチング素子202は、第1蓄電池110と第2蓄電池111との間であって、かつ第1蓄電池110と車内電気負荷112との間に配置される。第1蓄電池110は、車両100に搭載され、エンジン101の始動に必要なトルクをエンジン101へ伝達するスタータモータ104へ電力を供給する。第2蓄電池111は、車両100に搭載され、車両100内の補機類を含む車内電気負荷112へ電力を供給する。電力融通回路109は、第1スイッチング素子202とともに、第2スイッチング素子203を含む。第2スイッチング素子203は、第1スイッチング素子202と第1蓄電池110との間であって、かつオルタネータ103と第1蓄電池110との間に配置される。コントローラ115は、車両100の車速が回生下限車速va以上であって、かつ第1蓄電池110の電圧V1が放電下限電圧Vdよりも大きいとき、放電された第1蓄電池110の電力が第2蓄電池111に充電されるようにするために、電力融通回路109に対して、第1蓄電池110の電圧V1が放電下限電圧Vdに等しくなるまで、第1スイッチング素子202の接点と第2スイッチング素子203の接点とがともに閉じる制御を行う。車両100のアクセルペダル121が踏み込まれず、かつ車両100のブレーキペダル122が踏み込まれているとき、コントローラ115は、オルタネータ103が発電する電力が第1蓄電池110に充電されるようにするために、電力融通回路109に対して、第1スイッチング素子202の接点が開くとともに第2スイッチング素子203の接点が閉じる制御を行う。これにより、大きな回生電力を回収することが可能となって、第1蓄電池110の利用効率が向上する。
上述した実施形態において、車載電源制御装置の制御は、第1蓄電池110の充電電圧V1、充電上限電圧VU、最低放電下限電圧VL、及び放電下限電圧Vd、ならびに第2蓄電池111の充電電圧V2、充電上限電圧Vu、最低放電下限電圧Vl、及び定格電圧Cといった電圧で規定されているが、電圧の代わりに電流または電気量で規定されることとしてもよい。
上述した実施形態では、車両100の駆動力にエンジン101の出力を用いたが、車両100の動力源として、エンジン及びモータを併用するハイブリッド電気自動車の車載電源制御装置に対しても本発明を適用できる。
上述した実施形態では、オルタネータ103及びスタータモータ104を搭載した車両の例を示したが、オルタネータ103及びスタータモータ104が一体となった電動発電機を搭載した車両の車載電源制御装置に対しても本発明を適用できる。
上述した実施形態で用いられる変速機105として、自動変速機を使用することも、手動変速機を用いることも可能である。
上述した実施形態で行われるエンジン停止や再始動の判定に、クラッチペダルの踏み込み量やシフトポジションなどを用いてもよい。車両が完全に停止する前にエンジンが停止する車両の車載電源制御装置に対しても本発明を適用できる。
本発明は上記に示した実施形態に限定されるものではなく、その思想の範囲内において種々の変更をなし得る。
100 車両
101 エンジン
102 ベルト
103 オルタネータ
104 スタータモータ
105 変速機
106 ディファレンシャル
107 車軸
108 車輪
109 電力融通回路
110 第1蓄電池
111 第2蓄電池
112 車内電気負荷
113 充電状態監視装置
114 充電状態監視装置
115 コントローラ
116 アクセルペダル踏み込み量検出装置
117 ブレーキペダル踏み込み量検出装置
118 車速検出装置
121 アクセルペダル
122 ブレーキペダル
200 第2整流素子
201 第1整流素子
202 第1スイッチング素子
203 第2スイッチング素子
204 ダイオード
205 リアクタンス
206 抵抗器
207 スナバ回路

Claims (12)

  1. 車両に搭載され、エンジンの始動に必要なトルクを前記エンジンへ伝達するスタータモータへ電力を供給する第1蓄電池と、前記車両に搭載され、前記車両内の補機類を含む電気負荷へ電力を供給する第2蓄電池との間であって、かつ前記第1蓄電池と前記電気負荷との間に配置される第1スイッチング素子を含むとともに、前記第1スイッチング素子と前記第1蓄電池との間であって、かつオルタネータと前記第1蓄電池との間に配置される第2スイッチング素子を含む電力融通回路と、
    前記車両の車速が回生下限車速以上であって、かつ前記第1蓄電池の第1電圧が放電下限電圧よりも大きいとき、放電された前記第1蓄電池の電力が前記第2蓄電池に充電されるようにするために、前記電力融通回路に対して、前記第1電圧が前記放電下限電圧に等しくなるまで、前記第1スイッチング素子の第1接点と前記第2スイッチング素子の第2接点とがともに閉じる制御を行う制御回路とを備え、
    前記車両のアクセルペダルが踏み込まれず、かつ前記車両のブレーキペダルが踏み込まれているとき、前記制御回路は、前記オルタネータが発電する電力が前記第1蓄電池に充電されるようにするために、前記電力融通回路に対して、前記第1スイッチング素子の前記第1接点が開くとともに前記第2スイッチング素子の前記第2接点が閉じる制御を行うことを特徴とする車載電源制御装置。
  2. 請求項1に記載の車載電源制御装置において、
    前記車両の前記車速が前記回生下限車速よりも小さいとき、前記放電下限電圧は前記第1蓄電池の充電による上限電圧を表す第1充電上限電圧に等しく、前記車両の前記車速が前記回生下限車速よりも大きくなるにつれて前記放電下限電圧は小さくなることを特徴とする車載電源制御装置。
  3. 請求項2に記載の車載電源制御装置において、
    前記車両の前記車速が大きくなるにつれて前記放電下限電圧が小さくなって前記第2蓄電池の第2電圧に等しくなると、前記車両の前記車速がさらに大きくなっても前記放電下限電圧は前記第2電圧を下回らず、
    前記車両の前記車速が大きくなるにつれて前記放電下限電圧が小さくなって前記第2電圧に等しくなったときの前記車両の前記車速である最大放電車速は、前記車両の前記車速が前記最大放電車速から前記回生下限車速まで小さくなることによって前記オルタネータが発電する電力が前記第1蓄電池に充電された場合に、前記第1電圧が前記第1充電上限電圧の所定割合の範囲に含まれるようにするために、予め決定されることを特徴とする車載電源制御装置。
  4. 請求項3に記載の車載電源制御装置において、
    前記エンジンが始動していないときであって、かつ前記エンジンが始動するための前記スタータモータの駆動に必要な電圧よりも前記第1電圧が小さいとき、前記制御回路は、前記第1スイッチング素子の前記第1接点及び前記第2スイッチング素子の前記第2接点が閉じるように前記電力融通回路を制御することによって、放電された前記第2蓄電池の電力が、前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子を介して前記第1蓄電池に充電されることを特徴とする車載電源制御装置。
  5. 請求項4に記載の車載電源制御装置において、
    前記電力融通回路は、前記第2スイッチング素子と前記第2蓄電池及び前記電気負荷との間に、前記第1スイッチング素子と並列に配置される第1整流素子をさらに含み、
    前記第1蓄電池が前記エンジンの始動に必要な電力を有しているとき、
    放電された前記第2蓄電池の電力が、前記第1整流素子及び前記第2スイッチング素子を介して前記第1蓄電池に充電されるようにするために、前記制御回路は、前記電力融通回路に対して、前記第1スイッチング素子の前記第1接点が開く制御、かつ前記第2スイッチング素子の前記第2接点が閉じる制御を行うことを特徴とする車載電源制御装置。
  6. 請求項5に記載の車載電源制御装置において、
    前記オルタネータが発電しているときであって、かつ前記第1電圧が第1下限値を下回るとともに前記第2電圧が第2下限値を下回るとき、前記オルタネータが発電する電力が前記第1蓄電池に充電されるようにするために、前記制御回路は、前記電力融通回路に対して、前記第1スイッチング素子の前記第1接点が開く制御、かつ前記第2スイッチング素子の前記第2接点が閉じる制御を行い、
    前記第1電圧が前記第2蓄電池の第2電圧よりも大きくなると、前記第1電圧と前記第2電圧とが互いに等しい電圧を保ちながら、前記オルタネータが発電する電力が前記第1蓄電池及び前記第2蓄電池に充電されるようにするために、前記制御回路は、前記電力融通回路に対して、前記第1スイッチング素子の前記第1接点が閉じる制御を行うことを特徴とする車載電源制御装置。
  7. 請求項6に記載の車載電源制御装置において、
    前記電力融通回路は、前記第2スイッチング素子と前記第2蓄電池及び前記電気負荷との間に、前記第1スイッチング素子及び前記第1整流素子と並列に配置される第2整流素子をさらに含み、
    前記オルタネータが発電しているとき、前記オルタネータが発電する電力が、前記第2スイッチング素子を介して前記第1蓄電池に充電されるとともに、前記第2整流素子を介して前記第2蓄電池に充電されるようにするために、前記制御回路は、前記電力融通回路に対して、前記第1スイッチング素子の前記第1接点が開くとともに前記第2スイッチング素子の前記第2接点が閉じる制御を行うことを特徴とする車載電源制御装置。
  8. 請求項7に記載の車載電源制御装置において、
    前記第1充電上限電圧は、前記第2蓄電池の充電による上限電圧を表す第2充電上限電圧よりも大きく、
    前記第1蓄電池の放電による下限電圧を表す第1最低放電下限電圧は、前記第2蓄電池の放電による下限電圧を表す第2最低放電下限電圧よりも小さく、
    前記第1充電上限電圧は前記第1最低放電下限電圧よりも大きく、
    前記第2充電上限電圧は前記第2最低放電下限電圧よりも大きいことを特徴とする車載電源制御装置。
  9. 請求項8に記載の車載電源制御装置において、
    前記第1整流素子の第1順方向降下電圧は、0以上であって、かつ前記第2整流素子の第2順方向降下電圧よりも小さく、
    前記第1充電上限電圧は、前記第2蓄電池の定格電圧と前記第2順方向降下電圧との和よりも大きく、
    前記第1最低放電下限電圧は、前記第2蓄電池の前記定格電圧から前記第1順方向降下電圧を引いた差よりも小さいことを特徴とする車載電源制御装置。
  10. 請求項9に記載の車載電源制御装置において、
    前記第2蓄電池の前記定格電圧は、前記第1充電上限電圧よりも小さく、前記第1最低放電下限電圧よりも大きく、前記第1充電上限電圧から前記第1最低放電下限電圧を引いた差を2で除算して得られた商と前記第1最低放電下限電圧との和以下であることを特徴とする車載電源制御装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の車載電源制御装置において、
    前記第1蓄電池は、電気二重層キャパシタ及び非対称キャパシタのうちの少なくとも一方を含むとともに、
    前記第2蓄電池は、リザーブ型蓄電池及びロッキングチェア型蓄電池のうちの少なくとも一方を含むことを特徴とする車載電源制御装置。
  12. 請求項11に記載の車載電源制御装置において、
    前記第2蓄電池の電池容量を前記第1蓄電池の電池容量で除算して得られた商が、10以上200以下であることを特徴とする車載電源制御装置。
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