JP2014011911A - 蓄電機の充電方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストを抑え、且つ、手間をかけずに複数の蓄電機を同時に充電する方法を提供する。
【解決手段】各蓄電機1のインバータ4を隣設する蓄電機1の充電器3に一端から他端に向けて直列に接続するとともに、一端の蓄電機1の充電器3を商用電源2に接続する。一端の蓄電機1のバッテリ5を商用電源2で充電するとともに、その他の蓄電機1のバッテリ5を一端側に隣設する蓄電機1のバッテリ5で充電する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の蓄電機を同時に充電する方法に関する。
従来より、例えば、特許文献1では、複数のバッテリを同時に充電するシステムが開示され、該システムは、1つの電源に複数の充電器が並列に接続されている。そして、複数のバッテリを上記各充電器のそれぞれに接続可能となっていて、1つの電源で複数のバッテリを同時に充電できるようになっている。
特開2011−147308号公報(段落0032欄、図4)
ところで、商用電源の無い工事現場等では、複数の蓄電機が使用される。該各蓄電機は、充放電可能なバッテリと、該バッテリを充電する充電器とを内蔵し、使用後には、次の使用に備えて、例えば夜間を利用して充電しておく必要がある。
しかし、これら複数の蓄電機の充電を行う際、蓄電機を商用電源に1台ずつ接続して充電を行うと、手間がかかり煩雑である。
これを回避するために、特許文献1の如きシステムで複数の蓄電機を同時に充電することが考えられる。
しかし、複数の蓄電機を商用電源に並列に接続すると、商用電源の出力が大きくなってしまい、商用電源側の遮断器が作動して各蓄電機の充電が中断されてしまうおそれがある。これに対応するために、大きな出力が可能な充電ステーション等を専用に設けることも考えられるが、費用が嵩むことになる。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コストを抑え、且つ、手間をかけずに複数の蓄電機を同時に充電する方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、複数の蓄電機を直列に接続して充電することを特徴とする。
すなわち、第1の発明では、充放電可能なバッテリ、交流電圧を直流電圧に変換して上記バッテリを充電する充電器、及び直流電圧を交流電圧に変換するインバータを内蔵した蓄電機を複数並べ、該各蓄電機のインバータを隣設する蓄電機の充電器に一端から他端に向けて直列に接続するとともに一端の蓄電機の充電器を商用電源に接続し、上記一端の蓄電機のバッテリを商用電源の電流で充電するとともに、その他の蓄電機のバッテリを一端側に隣設する蓄電機の出力で充電することを特徴とする。
第2の発明では、第1の発明において、上記各蓄電機のバッテリを充電する過程で、一端側の商用電源又は一端側に隣設する蓄電機のバッテリからの充電量が、他端側に隣設する蓄電機のバッテリへの放電量以上になるように設定することを特徴とする。
第3の発明では、第2の発明において、全蓄電機の充電を一斉に開始させることを特徴とする。
第4の発明では、第1の発明において、上記各蓄電機のバッテリを充電する過程で、各蓄電機のバッテリの蓄電量が予め決められた第1閾値以上になると、各蓄電機の他端側に隣設する蓄電機のバッテリの充電を開始させ、所定時間経過後、各蓄電機のバッテリの蓄電量が第1閾値未満であると、各蓄電機の他端側に隣設する蓄電機のバッテリの充電を停止させることを特徴とする。
第5の発明では、第4の発明において、上記各蓄電機のバッテリの充電を開始する際、上記第1閾値を充電開始前の各バッテリの蓄電量と同じか又は接近する値に変更させることを特徴とする。
第6の発明では、第1の発明において、上記各蓄電機のバッテリを充電する過程で、各蓄電機のバッテリの蓄電量が予め決められた第1閾値以上になると、各蓄電機の他端側に隣設する蓄電機のバッテリの充電を開始させ、各蓄電機のバッテリの蓄電量が予め決められた第2閾値以下になると、各蓄電機の他端側に隣設する蓄電機のバッテリの充電を停止させることを特徴とする。
第7の発明では、第6の発明において、上記各蓄電機のバッテリの充電を開始する際、充電開始前の各バッテリの蓄電量が上記第1閾値未満の場合には、上記第2閾値を充電開始前の各バッテリの蓄電量と同じか又は接近する値に変更させ、充電開始前の各バッテリの蓄電量が上記第1閾値以上の場合には、上記第2閾値を充電開始前の各バッテリの蓄電量と同じか又は接近する値に変更させ、さらに上記第1閾値を変更後の第2閾値より大きい値に変更させることを特徴とする。
第8の発明では、第6の発明において、上記各蓄電機のバッテリの充電を開始した直後において、各蓄電機のバッテリの蓄電量が第2閾値より多い場合には、当該各蓄電機のバッテリの蓄電量が第2閾値以下になるまで他端側に隣設する蓄電機のバッテリの充電を行うことを特徴とする。
第9の発明では、第4から第8のいずれか1つの発明において、上記各蓄電機の他端側に隣設する蓄電機の充電器出力をゼロにすることにより、他端側に隣設する蓄電機のバッテリの充電を停止させることを特徴とする。
第10の発明では、第4から第8のいずれか1つの発明において、上記各蓄電機のインバータ出力をゼロにすることにより、他端側に隣設する蓄電機のバッテリの充電を停止させることを特徴とする。
第11の発明では、第1から第10のいずれか1つの発明において、上記各蓄電機のバッテリの充電を開始する直前において、上記各蓄電機は、上記商用電源又は一端側に隣設する蓄電機に向けて所定の確認用信号を送信することを特徴とする。
第12の発明では、第11の発明において、上記各蓄電機は、他端側に隣設する蓄電機から上記確認用信号を受け取ると、他端側に隣設する蓄電機に向けて所定の応答用信号を返信することを特徴とする。
第13の発明では、第1から第12のいずれか1つの発明において、上記各蓄電機は、他端側に隣設する蓄電機が充電を完了した状態で満充電になると電源が切られることを特徴とする。
第1の発明では、複数の蓄電機を同時に充電することができ、蓄電機を1つずつ商用電源に接続して充電する必要がないので手間がかからない。また、充電を行う際に1つの商用電源しか使用しないので、専用の充電ステーション等を設ける必要がなく、コストを抑えることができる。さらに、商用電源には蓄電機を1つしか接続しないので、同時に複数の蓄電機を充電しても商用電源の出力が大きくなり過ぎて商用電源側の遮断器が作動して各蓄電機の充電が中断するといったことを回避できる。
第2の発明では、各バッテリにおいて充放電を同時に行っても各バッテリの蓄電量が、充電開始前の蓄電量に維持されるか、又は、常に増えるので、各バッテリにおける放電の停止と充電の開始との繰り返し回数が減る。したがって、充放電の繰り返しによるバッテリにかかる負荷を減らすことができ、バッテリの寿命を延ばすことができる。
第3の発明では、第2の発明に比べて充放電の繰り返し回数がさらに減り、バッテリの寿命をさらに延ばすことができる。
第4の発明では、各蓄電機は、同時充電の際に他端側の蓄電機への放電を停止させることができるので、各蓄電機の充電量より放電量の方が大きい場合であっても各蓄電機のバッテリの蓄電量を多くすることができ、同時充電を確実に行うことができる。
第5及び第7の発明では、各蓄電機を直列に接続して同時充電を行っても、各蓄電機のバッテリに予め溜められていた蓄電量を各蓄電機のバッテリに確保しておくことができ、全ての蓄電機が満充電になる前に不意に充電を止める事態になっても、各蓄電機の充電量が充電前より少なくなるといったことがない。
第6の発明では、各蓄電機は、同時充電の際に、各蓄電機のバッテリの蓄電量を所定量確保した状態で他端側の蓄電機への放電を停止させることができるので、各蓄電機のバッテリの蓄電量がゼロになって他端側の蓄電機への放電ができなくなるといったことを防ぎ、同時充電を確実に行うことができる。また、各バッテリの蓄電量が少なくなり過ぎることによるバッテリの寿命の低下を回避することができる。
第8の発明では、第6の発明に比べて、各蓄電機の充電よりも先に他端側の蓄電機の充電が始まるので、他端側の蓄電機の満充電を早めることができる。
第9の発明では、各蓄電機が他端側に隣設する蓄電機への充電を停止する際、各蓄電機のインバータから他端側に隣設する蓄電機の充電器には電圧がかかったままとなるので、他端側に隣設する蓄電機は、一端側の蓄電機と接続がなされたままであることを認識でき、その後の同時充電を確実に継続させることができる。
第10の発明では、各蓄電機が他端側に隣設する蓄電機への充電を停止する際、各蓄電機のインバータから他端側に隣設する蓄電機の充電器には電圧がかからなくなるので、電圧をかけていない分だけ第9の発明より各蓄電機の消費電力を減らすことができる。
第11の発明では、直列に接続された各蓄電機において、他端側が他の蓄電機に接続されているか否かが分かるようになり、各蓄電機は、同時充電の際に、他端側に放電をすべきか否かを判断することができる。
第12の発明では、直列に接続された各蓄電機において、一端側が他の蓄電機に接続されているか商用電源に接続されているかが分かるようになり、同時充電の際に、各蓄電機は、一端側との間で信号の送受信を行う必要があるか否かを判断することができる。
第13の発明では、各蓄電機を他端側から順に満充電にでき、しかも、バッテリが満充電になった後で無駄な消費電力を無くすことができる。
本発明の実施形態1に係る充電方法を行っている各蓄電機の構成を示すブロック図である。 同時充電開始時の制御動作のフローチャートである。 実施形態1の充電方法を行う際の第1蓄電機の制御動作のフローチャートである。 実施形態1の充電方法を行う際の第2蓄電機の制御動作のフローチャートである。 実施形態1の充電方法を行う際の第3蓄電機の制御動作のフローチャートである。 本発明の実施形態2の図3相当図である。 本発明の実施形態2の図4相当図である。 本発明の実施形態2の図5相当図である。 本発明の実施形態3における第1蓄電機の充電開始直後の制御動作のフローチャートである。 本発明の実施形態3における第2蓄電機の充電開始直後の制御動作のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る充電方法で充電を行っている3つの蓄電機1を示す。該蓄電機1は、例えば、工事現場のような場所において電動工具等を作動させるために使用するものであり、ケース7と、充放電可能なバッテリ5と、交流電圧を直流電圧に変換して上記バッテリ5を充電する充電器3と、上記バッテリ5の直流電圧を交流電圧に変換するインバータ4と、上記充電器3及びインバータ4に作動信号を出力する制御部6とを備え、上記ケース7は、上記充電器3、インバータ4、バッテリ5及び制御部6を内蔵している。
上記充電器3の入力側には、一端にプラグ10aを有する電源コード10の他端が接続され、上記プラグ10aを商用電源2に差し込むことにより、上記バッテリ5を充電できるようになっている。
また、上記インバータ4の出力側は、上記ケース7の側面に設けられたコンセント7aに接続され、該コンセント7aに図示しない電動工具等のプラグを差し込むことにより、上記インバータ4から電動工具等に交流電力を出力するようになっている。
そして、上記3つの蓄電機1は、1つの商用電源2で同時に充電できるようになっていて、3つの蓄電機1を同時に充電する際、3つの蓄電機1のうちの1つの蓄電機1のプラグ10aを商用電源2に接続し、且つ、残りの2つの蓄電機1のうちの一方の蓄電機1のプラグ10aを商用電源2に接続した蓄電機1のコンセント7aに接続し、残りの2つの蓄電機1のうちの他方の蓄電機1のプラグ10aを一方の蓄電機1のコンセント7aに接続するようになっている。
すなわち、上記各蓄電機1のインバータ4を隣設する蓄電機1の充電器3に一端から他端に向けて直列に接続するとともに、一端の蓄電機1の充電器3を商用電源2に接続するようになっている。
上記各蓄電機1の制御部6は、当該各蓄電機1のバッテリ5の充電を開始する直前において、上記各蓄電機1の充電器3を作動させて、商用電源2又は一端側に隣設する蓄電機1に向けて接続していることを伝えるための確認用信号Iaを送信させるようになっている。この確認用信号Iaは、例えば、商用電源2又は一端側に隣設する蓄電機1のインバータ4が1秒間の交流電流3A及び1秒間の交流電流1Aを交互に2回繰り返して出力するように各蓄電機1の充電器3の出力電流を制御するものである。
上記各蓄電機1の制御部6は、当該各蓄電機1のインバータ4が他端側から上記確認用信号Iaを受信しない場合には、他端側に蓄電機1が接続されていないと認識でき、上記確認用信号Iaを受信する場合には、他端側に蓄電機1が接続されていると認識できるようになっている。
また、上記各蓄電機1の制御部6は、他端側に隣設する蓄電機1から上記確認用信号Iaを受信すると、上記各蓄電機1のインバータ4を作動させて、他端側に隣設する蓄電機1に向けて応答用信号Ibを返信させるようになっている。この応答用信号Ibは、例えば、1秒間の交流電圧100V(ON状態)及び1秒間の交流電圧0V(OFF状態)を交互に2回繰り返すものである。尚、応答用信号Ibの信号パターンを変更することにより、他端側の蓄電機1に様々な情報(例えば、商用電源から何番目に接続されている蓄電機1かなど)を伝えることができる。
上記各蓄電機1の制御部6は、当該各蓄電機1の充電器3が一端側から上記応答用信号Ibを受信する場合には、商用電源2に接続されていないと認識でき、上記応答用信号Ibを受信しない場合には、商用電源2に接続されていると認識できるようになっている。
また、上記各蓄電機1の制御部6は、電源が入っている状態でプラグ10aを商用電源2又は一端側に隣設する蓄電機1から抜くと、各蓄電機1の充電器3を作動させないようにする誤操作防止機能が設けられている。
尚、商用電源2に接続されている蓄電機1を第1蓄電機1aと呼び、該第1蓄電機1aに接続されている蓄電機1を第2蓄電機1bと呼び、該第2蓄電機1bに接続されている蓄電機1を第3蓄電機1cと呼ぶ。
上記第1蓄電機1aの制御部6は、第2蓄電機1bの充電器3から確認用信号Iaを受信すると、第1蓄電機1aの充電器3に作動信号を出力して、第1蓄電機1aのバッテリ5を商用電源2の出力で充電させるようになっている。
また、上記第1蓄電機1aの制御部6は、予め決められた第1閾値R1aを記憶していて、上記第1蓄電機1aのバッテリ5を充電する過程で、当該バッテリ5の蓄電量が上記第1閾値R1a以上になると、上記インバータ4を作動させて、第2蓄電機1bに向けて放電開始信号Icを送信させるようになっている。この放電開始信号Icは、例えば、1秒間の交流電圧100V(ON状態)及び1秒間の交流電圧0V(OFF状態)を交互に3回繰り返すものである。尚、各蓄電機1の制御部6は、放電開始信号Icの信号パターンに対応する電流値のテーブルを予め記憶していて、放電開始信号Icの信号パターンを変更することにより、他端側の蓄電機1の充電器3に対して充電の際の電流値を指示できるようになっている。
さらに、上記第1蓄電機1aの制御部6は、予め決められた第2閾値R2aを記憶していて、上記第1蓄電機1aのバッテリ5を充電する過程で、当該バッテリ5の蓄電量が上記第2閾値R2a以下になると、上記インバータ4を作動させて、第2蓄電機1bに向けて放電停止信号Idを送信させるようになっている。この放電停止信号Idは、例えば、1秒間の交流電圧100V(ON状態)及び1秒間の交流電圧0V(OFF状態)を交互に3回繰り返すものである。
それに加えて、上記第1蓄電機1aの制御部6は、上記第1蓄電機1aのインバータ4が第2蓄電機1bの充電器3から充電完了信号Igを受信すると、上記第1蓄電機1aのインバータ4を作動させて、第1蓄電機1aの出力による第2蓄電機1bのバッテリ5の充電を停止させるようになっている。
また、上記第1蓄電機1aの制御部6は、上記第1蓄電機1aのバッテリ5が満充電の状態で上記第1蓄電機1aのインバータ4が第2蓄電機1bの充電器3から充電完了信号Igを受信すると、上記第1蓄電機1aの電源を切る制御を行うようになっている。
上記第2蓄電機1bの制御部6は、当該第2蓄電機1bの充電器3が第1蓄電機1aのインバータ4から放電開始信号Icを受信すると、第2蓄電機1bの充電器3を作動させて、第2蓄電機1bのバッテリ5を第1蓄電機1aの出力で充電を開始させるようになっている。
また、上記第2蓄電機1bの制御部6は、当該第2蓄電機1bの充電器3が第1蓄電機1aのインバータ4から放電停止信号Idを受信すると、第2蓄電機1bの充電器3を作動させて、当該充電器3の出力をゼロにすることにより、第2蓄電機1bのバッテリ5の充電を停止させるようになっている。
さらに、上記第2蓄電機1bの制御部6は、予め決められた第1閾値R1bを記憶していて、上記第2蓄電機1bのバッテリ5を充電する過程で、当該バッテリ5の蓄電量が上記第1閾値R1b以上になると、上記第2蓄電機1bのインバータ4を作動させて、第3蓄電機1cに向けて放電開始信号Ieを送信させるようになっている。この放電開始信号Ieは、例えば、1秒間の交流電圧100V(ON状態)及び1秒間の交流電圧0V(OFF状態)を交互に2回繰り返すものである。尚、各蓄電機1の制御部6は、放電開始信号Ieの信号パターンに対応する電流値のテーブルを予め記憶していて、放電開始信号Ieの信号パターンを変更することにより、他端側の蓄電機1の充電器3に対して充電の際の電流値を指示できるようになっている。
それに加えて、上記第2蓄電機1bの制御部6は、予め決められた第2閾値R2bを記憶していて、上記第2蓄電機1bのバッテリ5を充電する過程で、当該バッテリ5の蓄電量が上記第2閾値R2b以下になると、上記第2蓄電機1bのインバータ4を作動させて、第3蓄電機1cに向けて放電停止信号Ifを送信させるようになっている。この放電停止信号Ifは、例えば、1秒間の交流電圧100V(ON状態)及び1秒間の交流電圧0V(OFF状態)を交互に2回繰り返すものである。
そして、上記第2蓄電機1bの制御部6は、当該第2蓄電機1bのバッテリ5が満充電になると、第2蓄電機1bの充電器3を作動させて、上記第1蓄電機1aに向けて充電完了信号Igを送信させるようになっている。この充電完了信号Igは、例えば、第1蓄電機1aのインバータ4が1秒間の交流電流2Aを1秒間おきに2回繰り返して出力するように第2蓄電機1bの充電器3の出力電流を制御するものである。
また、上記第2蓄電機1bの制御部6は、当該第2蓄電機1bのインバータ4が第3蓄電機1cの充電器3から充電完了信号Ihを受信すると、上記第2蓄電機1bのインバータ4を作動させて、第2蓄電機1bの出力による第3蓄電機1cのバッテリ5の充電を停止させるようになっている。
さらに、上記第2蓄電機1bの制御部6は、上記第2蓄電機1bのバッテリ5が満充電の状態で上記第2蓄電機1bのインバータ4が第3蓄電機1cの充電器3から充電完了信号Ihを受信すると、上記第1蓄電機1aに向けて充電完了信号Igを送信した後で第2蓄電機1bの電源を切る制御を行うようになっている。
上記第3蓄電機1cの制御部6は、当該第3蓄電機1cの充電器3が第2蓄電機1bのインバータ4から放電開始信号Ieを受信すると、第3蓄電機1cの充電器3を作動させて、第3蓄電機1cのバッテリ5を第2蓄電機1bの出力で充電を開始させるようになっている。
また、上記第3蓄電機1cの制御部6は、当該第3蓄電機1cの充電器3が第2蓄電機1bのインバータ4から放電停止信号Ifを受信すると、第3蓄電機1cの充電器3を作動させて、当該充電器3の出力をゼロにすることにより、第3蓄電機1cのバッテリ5の充電を停止させるようになっている。
そして、上記第3蓄電機1cの制御部6は、当該第3蓄電機1cのバッテリ5が満充電になると、第3蓄電機1cの充電器3を作動させて、上記第2蓄電機1bに充電完了信号Ihを送信させるようになっている。この充電完了信号Ihは、例えば、第2蓄電機1bのインバータ4が1秒間の交流電流2Aを1秒間おきに2回繰り返して出力するように第3蓄電機1cの充電器3の出力電流を制御するものである。
それに加えて、上記第3蓄電機1cの制御部6は、当該第3蓄電機1cのバッテリ5が満充電になると、当該第3蓄電機1cの電源を切る制御を行うようになっている。
次に、同時充電開始時の具体的な制御動作を図2に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、3つの蓄電機1を商用電源2に直列に接続した後、各蓄電機1の電源をONにする。
すなわち、各蓄電機1に設けられた図示しないスイッチを押し、直列接続による同時充電をスタートさせ、図2のフローチャートのステップSA1に進む。このステップSA1では、各蓄電機1の充電器3が一端側に接続された商用電源2又は蓄電機1に向けて確認用信号Iaを送信して、その後、ステップSA2に進む。
このステップSA2では、各蓄電機1において一端側から応答用信号Ibが返信されたか否かを判定する。このステップSA2の判定がNOであるとき、すなわち、一端側から応答用信号Ibが返信されないときにはステップSA3に進み、確認用信号Iaの送信後、時間T経過したか否かを判定する。
確認用信号Iaの送信後、時間T経過すると、ステップSA4に進み、他端側から確認用信号Iaを受信したか否か、すなわち、他端側に蓄電機1が接続されているか否かを判定する。
このステップSA4の判定がNOのとき、すなわち、他端側から確認用信号Iaを受信しないときにはステップSA10に進み、蓄電機1は通常充電モード(単独の充電)になる。
一方、ステップSA4の判定がYESのときには、ステップSA5に進み、蓄電機1は商用電源2に接続されていると認識し(第1蓄電機1aであると認識し)、ステップSA6に進んで同時充電モードになる。
また、上記ステップSA2の判定がYESであるとき、すなわち、一端側から応答用信号Ibが返信されるとステップSA7に進み、各蓄電機1において他端側から確認用信号Iaが送信されたか否かを判定する。
このステップSA7の判定がYESであるとき、すなわち、他端側から確認用信号Iaが送信されるとステップSA8に進み、蓄電機1は商用電源2に接続されておらず、しかも、他端側に蓄電機1が接続されていると認識して(第2蓄電機1bであると認識して)ステップSA6に進み同時充電モードになる。
一方、ステップSA7の判定がNOのときには、蓄電機1は商用電源2に接続されておらず、しかも、他端側に何も接続されていないと認識して(第3蓄電機1cであると認識して)ステップSA6に進み同時充電モードになる。
次に、同時充電における第1蓄電機1aの具体的な制御動作を図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、第1蓄電機1aは、ステップSB1で充電を開始した後、ステップSB2に進み、第1蓄電機1aのバッテリ5の蓄電量が第1閾値R1a以上であるか否かを判定する。そして、このステップSB2の判定がNOであるときには、そのまま充電を継続する。
一方、ステップSB2の判定がYESであるときにはステップSB3に進み、第1蓄電機1aの制御部6は、上記第1蓄電機1aのインバータ4を作動させて第2蓄電機1bに向けて放電開始信号Icを送信させ、その後、ステップSB4に進む。
このステップSB4では、第1蓄電機1aのバッテリ5の蓄電量が第2閾値R2a以下であるか否かを判定する。
このステップSB4の判定がYESであるときにはステップSB5に進み、第1蓄電機1aの制御部6は、上記第1蓄電機1aのインバータ4を作動させて第2蓄電機1bに向けて放電停止信号Idを送信させ、その後、ステップSB2に戻る。
一方、ステップSB4の判定がNOであるときにはステップSB6に進み、第1蓄電機1aのバッテリ5が満充電か否かを判定する。
このステップSB6の判定がNOであるとき、すなわち、第1蓄電機1aのバッテリ5が満充電でないときには、ステップSB4に戻って第1蓄電機1aのバッテリ5の充電を継続させる。
一方、ステップSB6の判定がYESであるときにはステップSB7に進み、第1蓄電機1aのインバータ4から第2蓄電機1bへの出力が所定時間ゼロであるか否かを判定する。
このステップSB7の判定がYESであるとき、すなわち、第1蓄電機1aのインバータ4から第2蓄電機1bへの出力が所定時間ゼロであるときには、充電を終了して第1蓄電機1aの電源を切る。
一方、ステップSB7の判定がNOのときには、ステップSB8に進み、第2蓄電機1bから充電完了信号Igの受信があったか否かを判定し、その判定がYESのとき、すなわち、第2蓄電機1bから充電完了信号Igの受信があったときには充電を終了して第1蓄電機1aの電源を切り、ステップSB8の判定がNOのときには、ステップSB6に戻る。
次に、同時充電における第2蓄電機1bの具体的な制御動作を図4に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、第2蓄電機1bは、同時充電モードになると、ステップSC1において充電待機状態になってステップSC2に進み、第2蓄電機1bの充電器3が第1蓄電機1aのインバータ4から放電開始信号Icを受信したか否かを判定する。
このステップSC2の判定がNOであるとき、すなわち、第2蓄電機1bの充電器3が第1蓄電機1aのインバータ4から放電開始信号Icを受信しないときには、ステップSC1に戻って充電待機状態になる。
一方、ステップSC2の判定がYESであるときには、ステップSC3に進み、第2蓄電機1bのバッテリ5を第1蓄電機1aの出力で充電を開始させてステップSC4に進む。
このステップSC4では、第2蓄電機1bの充電器3が第1蓄電機1aのインバータ4から放電停止信号Idを受信したか否かを判定する。
このステップSC4の判定がYESであるとき、すなわち、第2蓄電機1bの充電器3が第1蓄電機1aのインバータ4から放電停止信号Idを受信したときには、第2蓄電機1bは充電を停止した後、ステップSC1に戻って充電待機状態になる。
一方、ステップSC4の判定がNOであるときには、ステップSC5に進み、第2蓄電機1bのバッテリ5の蓄電量が第1閾値R1b以上であるか否かを判定する。
このステップSC5の判定がNOであるとき、すなわち、第2蓄電機1bのバッテリ5の蓄電量が第1閾値R1b以上でないときには、ステップSC4に戻る。
一方、ステップSC5の判定がYESであるときにはステップSC6に進み、第2蓄電機1bの制御部6は、上記第2蓄電機1bのインバータ4を作動させて第3蓄電機1cに向けて放電開始信号Ieを送信させ、その後、ステップSC7に進む。
このステップSC7では、第2蓄電機1bのバッテリ5の蓄電量が第2閾値R2b以下であるか否かを判定する。
このステップSC7の判定がYESであるとき、すなわち、第2蓄電機1bのバッテリ5の蓄電量が第2閾値R2b以下であるときには、ステップSC8に進み、第2蓄電機1bの制御部6は、上記第2蓄電機1bのインバータ4から第3蓄電機1cに向けて放電停止信号Ifを送信させてステップSC4に戻る。
一方、ステップSC7の判定がNOであるときにはステップSC9に進み、第2蓄電機1bのバッテリ5が満充電か否かを判定する。
このステップSC9の判定がYESであるとき、すなわち、第2蓄電機1bのバッテリ5が満充電であるときには、ステップSC10に進み、第2蓄電機1bのインバータ4から第3蓄電機1cへの出力が所定時間ゼロであるか否かを判定する。
このステップSC10の判定がYESであるとき、すなわち、第2蓄電機1bのインバータ4から第3蓄電機1cへの出力が所定時間ゼロであるときには、ステップSC12に進み、第2蓄電機1bの制御部6が、上記第2蓄電機1bの充電器3を作動させて第1蓄電機1aに向けて充電完了信号Igを送信させる。その後、ステップSC13に進み、第1蓄電機1aから第2蓄電機1bへの放電を停止させた後、第2蓄電機1bの電源を切る。
一方、ステップSC10の判定がNOであるときには、ステップSC11に進み、第3蓄電機1cから充電完了信号Ihの受信があったか否かを判定する。
このステップSC11の判定がYESのとき、すなわち、第3蓄電機1cから充電完了信号Ihの受信があったときには、ステップSC12に進む一方、ステップSC11の判定がNOであるときには、ステップSC9に戻る。
また、上記ステップSC9の判定がNOであるとき、すなわち、第2蓄電機1bのバッテリ5が満充電でないときには、ステップSC14に進み、第2蓄電機1bの充電器3が第1蓄電機1aのインバータ4から放電停止信号Idを受信したか否かを判定する。
このステップSC14の判定がYESのとき、すなわち、第2蓄電機1bの充電器3が第1蓄電機1aのインバータ4から放電停止信号Idを受信すると、第2蓄電機1bは充電を停止した後、ステップSC1に戻って充電待機状態になる一方、ステップSC14の判定がNOのときには、ステップSC7に戻って充電を継続する。
次に、同時充電における第3蓄電機1cの具体的な制御動作を図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、第3蓄電機1cは、同時充電モードになると、ステップSD1において充電待機状態になってステップSD2に進み、第3蓄電機1cの充電器3が第2蓄電機1bのインバータ4から放電開始信号Ieを受信したか否かを判定する。
このステップSD2の判定がNOであるとき、すなわち、第3蓄電機1cの充電器3が第2蓄電機1bのインバータ4から放電開始信号Ieを受信しないときには、第3蓄電機1cはそのままの状態で待機する。
一方、ステップSD2の判定がYESであるときには、ステップSD3に進み、第3蓄電機1cのバッテリ5を第2蓄電機1bの出力で充電を開始させてステップSD4に進む。
このステップSD4では、第3蓄電機1cの充電器3が第2蓄電機1bのインバータ4から放電停止信号Ifを受信したか否かを判定する。
このステップSD4の判定がYESであるとき、すなわち、第3蓄電機1cの充電器3が第2蓄電機1bのインバータ4から放電停止信号Ifを受信すると、第3蓄電機1cは充電を停止した後、ステップSD1に戻って充電待機状態になる。
一方、ステップSD4の判定がNOであるときには、ステップSD5に進み、第3蓄電機1cのバッテリ5が満充電か否かを判定する。
このステップSD5の判定がNOのとき、すなわち、第3蓄電機1cが満充電でないときには、ステップSD4に戻る。
一方、ステップSD5の判定がYESのときには、ステップSD6に進み、第3蓄電機1cの制御部6は、上記第3蓄電機1cの充電器3を作動させて第2蓄電機1bに向けて充電完了信号Ihを送信させる。
その後、ステップSD7に進み、第2蓄電機1bから第3蓄電機1cへの放電を停止させた後、第3蓄電機1cの電源を切る。
以上より、本発明の実施形態1によると、3つの蓄電機1を同時に充電することができ、蓄電機1を1つずつ商用電源2に接続して充電する必要がないので手間がかからない。また、充電を行う際に1つの商用電源2しか使用しないので、専用の充電ステーション等を設ける必要がなく、コストを抑えることができる。さらに、商用電源2には蓄電機1を1つしか接続しないので、同時に3つの蓄電機を充電しても商用電源2の出力が大きくなり過ぎて商用電源2側の遮断器が作動して各蓄電機1の充電が中断するといったことを回避できる。
また、各蓄電機1は、同時充電の際に、各蓄電機1のバッテリ5の蓄電量を所定量確保した状態で他端側の蓄電機1への放電を停止させることができるので、各蓄電機1のバッテリ5の蓄電量がゼロになって他端側の蓄電機1への放電ができなくなるといったことを防ぎ、同時充電を確実に行うことができる。また、各蓄電機1のバッテリ5の蓄電量が少なくなり過ぎることによるバッテリ5の寿命の低下を回避することができる。
さらに、各蓄電機1が他端側に隣設する蓄電機1への充電を停止する際、各蓄電機1のインバータ4から他端側に隣設する蓄電機1の充電器3には電圧がかかったままとなるので、他端側に隣設する蓄電機1が、一端側の蓄電機1と接続がなされたままであることを認識でき、その後の同時充電を確実に継続させることができる。
それに加えて、各蓄電機1は、商用電源2又は一端側に隣設する蓄電機1に向けて確認用信号Iaを送信するので、他端側が他の蓄電機1に接続されているか否かが分かるようになり、各蓄電機1は、同時充電の際に、各蓄電機1は、他端側に放電をすべきか否かを判断することができる。
また、各蓄電機1は、他端側に隣設する蓄電機1に向けて応答用信号Ibを送信するので、一端側が他の蓄電機1に接続されているか商用電源2に接続されているかが分かるようになり、同時充電の際に、各蓄電機1は、一端側との間で信号の送受信を行う必要があるか否かを判断することができる。
そして、各蓄電機1は他端側から順に満充電にでき、しかも、満充電になると電源が切れるので、バッテリ5が満充電になった後で無駄な消費電力を無くすことができる。
尚、本発明の実施形態1では、3つの蓄電機1を直列に接続して同時充電を行っているが、これに限らず、複数の蓄電機1を直列に接続して同時充電を行うことができる。その際、商用電源2に接続されている蓄電機1は、図3のフローチャートのように制御され、一端側及び他端側の両方に蓄電機1が接続されている蓄電機1は、図4のフローチャートのように制御され、他端に位置する蓄電機1は、図5のフローチャートのように制御される。
また、本発明の実施形態1では、第1閾値R1a、R1b及び第2閾値R2a、R2bは予め決められた値を使用しているが、これに限らず、例えば、各蓄電機1の各バッテリ5の充電を開始する際、充電開始前の各バッテリ5の蓄電量が上記第1閾値R1a、R1b未満の場合には、上記第2閾値R2a、R2bを充電開始前の各バッテリ5の蓄電量と同じか又は接近する値に変更させ、充電開始前の各バッテリ5の蓄電量が上記第1閾値R1a、R1b以上の場合には、上記第2閾値R2a、R2bを充電開始前の各バッテリ5の蓄電量と同じか又は接近する値に変更させ、さらに上記第1閾値R1a、R1bを変更後の第2閾値R2a、R2bより大きい値に変更させるようにしてもよい。このようにすると、各蓄電機1を直列に接続して同時充電を行っても、各蓄電機1のバッテリ5に予め溜められていた蓄電量を各蓄電機1のバッテリ5に確保しておくことができ、全ての蓄電機1が満充電になる前に不意に充電を止める事態になっても、各蓄電機1の充電量が充電前より少なくなるといったことがない。
また、本発明の実施形態1では、各蓄電機1のバッテリ5の蓄電量が第2閾値R2a、R2b以下になると、他端側に隣設する蓄電機1のバッテリ5の充電を停止させるようにしているが、これに限らず、各蓄電機1のバッテリ5の蓄電量が第1閾値R1a、R1b以上になって各蓄電機1の他端側に隣設する蓄電機1のバッテリ5の充電を開始させた後、所定時間経過後に各蓄電機1のバッテリ5の蓄電量が第1閾値R1a、R1b未満であると、その充電を停止させるようにしてもよい。このようにすると、各蓄電機1は、同時充電の際に他端側の蓄電機1への放電を停止させることができるので、各蓄電機1の充電量より放電量の方が大きい場合であっても各蓄電機1のバッテリ5の蓄電量を多くすることができ、同時充電を確実に行うことができる。
また、上述の如き第2閾値R2a、R2bを設けない場合において、各蓄電機1のバッテリ5の充電を開始する際に、上記第1閾値R1a、R1bを充電開始前の各蓄電機1の蓄電量と同じか又は接近する値に変更させてもよい。このようにすると、各蓄電機1を直列に接続して同時充電を行っても、各蓄電機1のバッテリ5に予め溜められていた蓄電量を各蓄電機1のバッテリ5に確保しておくことができ、全ての蓄電機1が満充電になる前に不意に充電を止める事態になっても、各蓄電機1の充電量が充電前より少なくなるといったことがない。
また、本発明の実施形態1では、他端側に隣設する蓄電機1の充電器3の出力をゼロにすることにより、当該他端側に隣設する蓄電機1のバッテリ5の充電を停止させるようにしているが、これに限らず、各蓄電機1のインバータ4の出力をゼロにすることにより、他端側に隣設する蓄電機1のバッテリ5の充電を停止させるようにしてもよい。この場合、各蓄電機1のインバータ4から他端側に隣設する蓄電機1の充電器3には電圧がかからなくなるので、電圧をかけていない分だけ上述の充電器3の出力をゼロにする方法より各蓄電機1の消費電力を減らすことができる。
《発明の実施形態2》
図6乃至図8は、本発明の実施形態2に係る充電方法で充電を行っている3つの蓄電機1の各々の制御動作を示すフローチャートである。この実施形態2では、各蓄電機1の制御部6の制御の一部が実施形態1と異なるだけで、その他は実施形態1と同じであるため、以下、実施形態1と異なる部分のみを説明する。
実施形態2の各蓄電機1の制御部6は、各蓄電機1のバッテリ5を充電する過程で、一端側の商用電源2又は一端側に隣設する蓄電機1のバッテリ5からの充電量が、他端側に隣設する蓄電機1のバッテリ5への放電量以上になるように設定を行っている。
また、実施形態2の各蓄電機1の制御部6は、全蓄電機1の充電を一斉に開始させる制御を行っている。
次に、同時充電における第1蓄電機1aの具体的な制御動作を図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、第1蓄電機1aは、ステップSB1で充電を開始してステップSB3に進み、第1蓄電機1aの制御部6は、上記第1蓄電機1aのインバータ4を作動させて第2蓄電機1bに向けて放電開始信号Icを送信させ、その後、ステップSB6に進み、第1蓄電機1aのバッテリ5が満充電か否かを判定する。
このステップSB6の判定がNOであるとき、すなわち、第1蓄電機1aのバッテリ5が満充電でないときには、満充電になるまで充電を継続させる。
一方、ステップSB6の判定がYESであるときにはステップSB7に進み、第1蓄電機1aのインバータ4から第2蓄電機1bへの出力が所定時間ゼロであるか否かを判定する。
このステップSB7の判定がYESであるとき、すなわち、第1蓄電機1aのインバータ4から第2蓄電機1bへの出力が所定時間ゼロであるときには、充電を終了して第1蓄電機1aの電源を切る。
一方、ステップSB7の判定がNOのときには、ステップSB8に進み、第2蓄電機1bから充電完了信号Igの受信があったか否かを判定し、その判定がYESのとき、すなわち、第2蓄電機1bから充電完了信号Igの受信があったときには充電を終了して第1蓄電機1aの電源を切り、ステップSB8の判定がNOのときには、ステップSB6に戻って充電を継続する。
次に、同時充電における第2蓄電機1bの具体的な制御動作を図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、第2蓄電機1bは、同時充電モードになると、ステップSC1において充電待機状態になってステップSC2に進み、第2蓄電機1bの充電器3が第1蓄電機1aのインバータ4から放電開始信号Icを受信したか否かを判定する。
このステップSC2の判定がNOであるとき、すなわち、第2蓄電機1bの充電器3が第1蓄電機1aのインバータ4から放電開始信号Icを受信しないときには、ステップSC1に戻って充電待機状態になる。
一方、ステップSC2の判定がYESであるときには、ステップSC3に進み、第2蓄電機1bのバッテリ5を第1蓄電機1aのバッテリ5で充電を開始させ、ステップSC6に進む。
このとき、第1蓄電機1aの制御部6は、第1蓄電機1aのバッテリ5に対する商用電源2からの充電量が第2蓄電機1bのバッテリ5への放電量以上になるように制御する。
そしてステップSC6において、第2蓄電機1bの制御部6が、上記第2蓄電機1bのインバータ4を作動させて第3蓄電機1cに向けて放電開始信号Ieを送信させ、その後、ステップSC9に進む。
このステップSC9では、第2蓄電機1bのバッテリ5が満充電か否かを判定する。上記ステップSC9がNOであるとき、すなわち、第2蓄電機1bのバッテリ5が満充電でないときには、第2蓄電機1bのバッテリ5が満充電になるまで充電を継続させる。
一方、上記ステップSC9がYESであるときには、ステップSC10に進み、第2蓄電機1bのインバータ4から第3蓄電機1cへの出力が所定時間ゼロであるか否かを判定する。
このステップSC10の判定がYESであるとき、すなわち、第2蓄電機1bのインバータ4から第3蓄電機1cへの出力が所定時間ゼロであるときには、ステップSC12に進み、第2蓄電機1bの制御部6が、上記第2蓄電機1bの充電器3を作動させて第1蓄電機1aに向けて充電完了信号Igを送信させる。その後、ステップSC13に進み、第1蓄電機1aから第2蓄電機1bへの放電を停止させた後、第2蓄電機1bの電源を切る。
一方、ステップSC10の判定がNOであるときには、ステップSC11に進み、第3蓄電機1cから充電完了信号Ihの受信があったか否かを判定する。
このステップSC11の判定がYESのとき、すなわち、第3蓄電機1cから充電完了信号Ihの受信があったときには、ステップSC12に進む一方、ステップSC11の判定がNOであるときには、ステップSC9に戻り、充電を継続する。
次に、同時充電における第3蓄電機1cの具体的な制御動作を図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、第3蓄電機1cは、同時充電モードになると、ステップSD1において充電待機状態になってステップSD2に進み、第3蓄電機1cの充電器3が第2蓄電機1bのインバータ4から放電開始信号Ieを受信したか否かを判定する。
このステップSD2の判定がNOであるとき、すなわち、第3蓄電機1cの充電器3が第2蓄電機1bのインバータ4から放電開始信号Ieを受信しないときには、ステップSD1に戻ってそのままの状態で待機する。
一方、ステップSD2の判定がYESであるときには、ステップSD3に進み、第3蓄電機1cのバッテリ5を第2蓄電機1bのバッテリ5で充電を開始させてステップSD5に進む。
このとき、第2蓄電機1bの制御部6は、第2蓄電機1bのバッテリ5に対する第1蓄電機1aのバッテリ5からの充電量が第3蓄電機1cのバッテリ5への放電量以上となるように制御する。
そして、ステップSD5において、第3蓄電機1cのバッテリ5が満充電か否かを判定し、このステップSD5の判定がNOのとき、すなわち、第3蓄電機1cが満充電でないときには、第3蓄電機1cのバッテリ5が満充電になるまで充電を継続させる。
一方、ステップSD5の判定がYESのときには、ステップSD6に進み、第3蓄電機1cの制御部6が、上記第3蓄電機1cの充電器3を作動させて第2蓄電機1bに向けて充電完了信号Ihを送信させる。
その後、ステップSD7に進み、第2蓄電機1bから第3蓄電機1cへの放電を停止させた後、第3蓄電機1cの電源を切る。
以上より、本発明の実施形態2によると、各バッテリ5において充放電を同時に行っても各バッテリ5の蓄電量が、充電開始前の蓄電量に維持されるか、又は、常に増えるので、各バッテリ5における放電の停止と充電の開始との繰り返し回数が減る。したがって、充放電の繰り返しによるバッテリ5にかかる負荷を減らすことができ、バッテリ5の寿命を延ばすことができる。
また、第1蓄電機1a、第2蓄電機1b及び第3蓄電機1cを一斉に充電し始めるので、充放電の繰り返し回数がさらに減り、バッテリ5の寿命をさらに延ばすことができる。
尚、本発明の実施形態2では、各蓄電機1の制御部6は、全蓄電機1の充電を一斉に開始させる制御を行っているが、これに限らず、例えば、第1蓄電機1aは、実施形態1のように第1閾値R1a以上になると放電を行う構成とし、第1蓄電機1aのバッテリ5の蓄電量が第1閾値R1a以上になると、実施形態2のように第2蓄電機1b及び第3蓄電機1cの各バッテリ5の充電を一斉に開始させるようにしてもよい。
《発明の実施形態3》
図9及び図10は、本発明の実施形態3に係る充電方法で充電を行っている3つの蓄電機1のうちの第1蓄電機1a及び第2蓄電機1bの充電開始直後の制御動作を示すフローチャートである。この実施形態3では、各蓄電機1の制御部6の制御の一部が実施形態1と異なるだけで、その他は実施形態1と同じであるため、以下、実施形態1と異なる部分のみを説明する。
実施形態3の第1蓄電機1aの制御部6は、第1蓄電機1aのバッテリ5の充電を開始した直後において、第1蓄電機1aのバッテリ5の蓄電量が第2閾値R2aより多い場合には、当該第1蓄電機1aのバッテリ5の蓄電量が第2閾値R2a以下になるまで第2蓄電機1bのバッテリ5の充電を行うようになっている。
また、実施形態3の第2蓄電機1bの制御部6は、第2蓄電機1bのバッテリ5の充電を開始した直後において、第2蓄電機1bのバッテリ5の蓄電量が第2閾値R2bより多い場合には、当該第2蓄電機1bのバッテリ5の蓄電量が第2閾値R2b以下になるまで第3蓄電機1cのバッテリ5の充電を行うようになっている。
次に、実施形態3の同時充電時における第1蓄電機1aの充電開始直後の具体的な制御動作を図9に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、第1蓄電機1aは、充電を開始すると、ステップSE1において、第1蓄電機1aのバッテリ5の蓄電量が第2閾値R2a以下であるか否かを判定し、その判定がYESであるときにはそのまま第1蓄電機1aの充電を継続する。
一方、ステップSE1の判定がNOであるとき、すなわち、第2閾値R2a以下でないときには、ステップSE2に進み、第1蓄電機1aの制御部6は、上記第1蓄電機1aのインバータ4を作動させて第2蓄電機1bに向けて放電開始信号Icを送信させ、その後、ステップSE3に進む。
このステップSE3では、第1蓄電機1aのバッテリ5の蓄電量が第2閾値R2a以下であるか否かを判定し、その判定がNOであるときにはそのまま第2蓄電機1bの充電を継続する。
一方、ステップSE3の判定がYESであるときには、ステップSE4に進み、第1蓄電機1aの制御部6は、上記第1蓄電機1aのインバータ4を作動させて第2蓄電機1bに向けて放電停止信号Idを送信させる。
そして、その後は、本発明の実施形態1の図3のフローチャートの制御動作が行われる。
次に、実施形態3の同時充電時における第2蓄電機1bの充電開始直後の具体的な制御動作を図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、第2蓄電機1bは、充電を開始すると、ステップSF1において、第2蓄電機1bのバッテリ5の蓄電量が第2閾値R2b以下であるか否かを判定し、その判定がYESであるときにはそのまま第2蓄電機1bの充電を継続する。
一方、ステップSF1の判定がNOであるとき、すなわち、第2閾値R2b以下でないときには、ステップSF2に進み、第2蓄電機1bの制御部6は、上記第2蓄電機1bのインバータ4を作動させて第3蓄電機1cに向けて放電開始信号Ieを送信させ、その後、ステップSF3に進む。
このステップSF3では、第2蓄電機1bのバッテリ5の蓄電量が第2閾値R2b以下であるか否かを判定し、その判定がNOであるときにはそのまま第3蓄電機1cの充電を継続する。
一方、ステップSF3の判定がYESであるときには、ステップSF4に進み、第2蓄電機1bの制御部6は、上記第2蓄電機1bのインバータ4を作動させて第3蓄電機1cに向けて放電停止信号Ifを送信させる。
そして、その後は、本発明の実施形態1の図4のフローチャートの制御動作が行われる。
以上より、本発明の実施形態3によると、第1蓄電機1aの充電よりも第2蓄電機1bの充電を優先し、第2蓄電機1bの充電よりも第3蓄電機1cの充電を優先するので、第2蓄電機1b及び第3蓄電機1cの満充電を早めることができる。
本発明は、複数の蓄電機を同時に充電する方法に適している。
1 蓄電機
2 商用電源
3 充電器
4 インバータ
5 バッテリ
R1a、R1b 第1閾値
R2a、R2b 第2閾値
Ia 確認用信号
Ib 応答用信号

Claims (13)

  1. 充放電可能なバッテリ、交流電圧を直流電圧に変換して上記バッテリを充電する充電器、及び直流電圧を交流電圧に変換するインバータを内蔵した蓄電機を複数並べ、
    該各蓄電機のインバータを隣設する蓄電機の充電器に一端から他端に向けて直列に接続するとともに一端の蓄電機の充電器を商用電源に接続し、
    上記一端の蓄電機のバッテリを商用電源の電流で充電するとともに、その他の蓄電機のバッテリを一端側に隣設する蓄電機の出力で充電することを特徴とする蓄電機の充電方法。
  2. 請求項1に記載の蓄電機の充電方法において、
    上記各蓄電機のバッテリを充電する過程で、一端側の商用電源又は一端側に隣設する蓄電機のバッテリからの充電量が、他端側に隣設する蓄電機のバッテリへの放電量以上になるように設定することを特徴とする蓄電機の充電方法。
  3. 請求項2に記載の蓄電機の充電方法において、
    全蓄電機の充電を一斉に開始させることを特徴とする蓄電機の充電方法。
  4. 請求項1に記載の蓄電機の充電方法において、
    上記各蓄電機のバッテリを充電する過程で、各蓄電機のバッテリの蓄電量が予め決められた第1閾値以上になると、各蓄電機の他端側に隣設する蓄電機のバッテリの充電を開始させ、所定時間経過後、各蓄電機のバッテリの蓄電量が第1閾値未満であると、各蓄電機の他端側に隣設する蓄電機のバッテリの充電を停止させることを特徴とする蓄電機の充電方法。
  5. 請求項4に記載の蓄電機の充電方法において、
    上記各蓄電機のバッテリの充電を開始する際、上記第1閾値を充電開始前の各バッテリの蓄電量と同じか又は接近する値に変更させることを特徴とする蓄電機の充電方法。
  6. 請求項1に記載の蓄電機の充電方法において、
    上記各蓄電機のバッテリを充電する過程で、各蓄電機のバッテリの蓄電量が予め決められた第1閾値以上になると、各蓄電機の他端側に隣設する蓄電機のバッテリの充電を開始させ、各蓄電機のバッテリの蓄電量が予め決められた第2閾値以下になると、各蓄電機の他端側に隣設する蓄電機のバッテリの充電を停止させることを特徴とする蓄電機の充電方法。
  7. 請求項6に記載の蓄電機の充電方法において、
    上記各蓄電機のバッテリの充電を開始する際、充電開始前の各バッテリの蓄電量が上記第1閾値未満の場合には、上記第2閾値を充電開始前の各バッテリの蓄電量と同じか又は接近する値に変更させ、充電開始前の各バッテリの蓄電量が上記第1閾値以上の場合には、上記第2閾値を充電開始前の各バッテリの蓄電量と同じか又は接近する値に変更させ、さらに上記第1閾値を変更後の第2閾値より大きい値に変更させることを特徴とする蓄電機の充電方法。
  8. 請求項6に記載の充電方法において、
    上記各蓄電機のバッテリの充電を開始した直後において、各蓄電機のバッテリの蓄電量が第2閾値より多い場合には、当該各蓄電機のバッテリの蓄電量が第2閾値以下になるまで他端側に隣設する蓄電機のバッテリの充電を行うことを特徴とする蓄電機の充電方法。
  9. 請求項4から8のいずれか1つに記載の蓄電機の充電方法において、
    上記各蓄電機の他端側に隣設する蓄電機の充電器出力をゼロにすることにより、他端側に隣設する蓄電機のバッテリの充電を停止させることを特徴とする蓄電機の充電方法。
  10. 請求項4から8のいずれか1つに記載の蓄電機の充電方法において、
    上記各蓄電機のインバータ出力をゼロにすることにより、他端側に隣設する蓄電機のバッテリの充電を停止させることを特徴とする蓄電機の充電方法。
  11. 請求項1から10のいずれか1つに記載の蓄電機の充電方法において、
    上記各蓄電機のバッテリの充電を開始する直前において、上記各蓄電機は、上記商用電源又は一端側に隣設する蓄電機に向けて所定の確認用信号を送信することを特徴とする蓄電機の充電方法。
  12. 請求項11に記載の蓄電機の充電方法において、
    上記各蓄電機は、他端側に隣設する蓄電機から上記確認用信号を受け取ると、他端側に隣設する蓄電機に向けて所定の応答用信号を返信することを特徴とする蓄電機の充電方法。
  13. 請求項1から12のいずれか1つに記載の蓄電機の充電方法において、
    上記各蓄電機は、他端側に蓄電機が隣接しない状態か、又は、他端側に隣設する蓄電機が充電を完了した状態で満充電になると電源が切られることを特徴とする蓄電機の充電方法。
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