JP2014011281A - 導電性パターン形成方法およびそれを用いて製造される電気配線回路基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】解像性、導電性、安定性に優れる導電性パターンを歩留まり良く形成できる方法、そしてそれを用いた安価な電気配線回路基板を提供することにある。
【解決手段】本発明によれば、基材上へ導電性粒子を含んでなる感光性材料の塗膜、続くフォトリソグラフィー(露光、現像)によるパターン形成を行い、そのパターン構造物の空孔および表層に存在する導電性粒子に選択的に無電解ニッケルめっきを行うことを特徴とする導電性パターン形成方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィルムやガラス基板などの基材上に導電性、解像性、および信頼性に優れる導電性パターンを効率良く形成する方法、およびこれによって製造される電気配線回路基板に関するものである。
近年、回路材料やディスプレイにおいて小型化や高密度化、高精細化、高信頼性の要求が高まっており、それに伴ってパターン加工技術も技術向上が望まれている。特に、導電性パターンの微細化は小型化、高密度化には不可欠な要求として各種の方法が提案されている。
高精細な導電性パターンを基材に形成する方法として、感光性材料表面をパターン状に露光し、不溶部を現像により取り除くフォトリソグラフィーを用いた方法が広く知られており、基材上の金属層の不要部分を除去して必要な部分を残して導電性パターンとするサブトラクト法と絶縁基材上に導電性パターンを形成していくアディティブ法に大きく分けられる。
サブトラクト法では、基材全面に金属がスパッタリングされた材料を使用し不要部分を除去するので、材料の利用効率が悪い。また、高精製な導電性パターンにおいてはスパッタリング工程で発生するピンホールによる歩留まりの低下が懸念されている。
アディティブ法の一つに、感光性導電ペーストを使用する特許文献1の方法がある。基材上に導電性を有する粉末を含有するレジストの塗膜を形成し、露光、現像によりパターン形成を行った後、塗膜を加熱することにより導電性パターンを形成している。
しかしながら、導電性パターンの細線化への要求が高まるにつれ、断線や短絡による回路の不良率が高くなり、歩留まりが著しく低下する問題がある。これはアスペクト比(=塗膜厚/細線幅)が大きいほど解像が難しくなるというレジストの特性によるものであり、逆にアスペクト比を小さくしようと塗膜厚を薄くすれば、回路の抵抗が大きくなるというジレンマを生じる。
その他のアディティブ法として、特許文献2に基材上に無電解めっき触媒を含有する感光性材料を塗膜し、露光、現像により所定のパターンに皮膜形成を行い、その皮膜上に無電解めっきにより金属層を形成する方法がある。
上記方法を用いれば塗膜が比較的薄くとも高い導電性を得ることができるため、導電性と解像性を両立することが可能となる。しかしながら、高価な無電解めっき触媒を塗膜表面にあらわれる程度に高充填する必要があるため製造コストが高くなるという問題があった。
特表2005−531679 特開平11−170421
本発明の課題は、解像性、導電性、安定性に優れる導電性パターンを歩留まり良く形成できる方法、そしてそれを用いた安価な電気配線回路基板を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、基材上へ導電性粒子を含んでなる感光性材料の塗膜、続くフォトリソグラフィー(露光、現像)によるパターン形成を行い、そのパターン構造物の空孔および表層に存在する導電性粒子へ選択的に無電解ニッケルめっきを行うことを特徴とする導電性パターン形成方法が上記課題を解決することを見出した。
項1.基材上へ導電性粒子を含んでなる感光性材料の塗膜、続くフォトリソグラフィー(露光、現像)によるパターン形成を行い、そのパターン構造物の空孔および表層に存在する導電性粒子を選択的に無電解ニッケルめっきを行うことを特徴とする導電性パターン形成方法。
項2.前記記載の導電性粒子は、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、およびニッケルから選択される少なくとも一種を含み、それらのメジアン径が5μm以下であることを特徴とする項1記載の導電性パターン形成方法。
項3.前記記載の感光性材料の塗膜によって形成される膜の厚みが、溶剤乾燥後1μm以上10μm以下であることを特徴とする項1又は2記載の導電性パターン形成方法。
項4.項1〜3に係る導電性パターンの形成方法を用いて製造した電気配線回路基板。
本発明によれば、基材上に高解像度の導電性パターンを導電性を損なうことなく安価かつ容易に製造することができる。また、本発明の導電性パターン形成方法を用いて形成される電気配線回路基板は、安定性に優れるため電気機器などに有用に用いることが出来る。
導電性、および解像性(Line/Space=50/50μm)評価用のパターンを示す。1.基板(透明フィルム)、2.導電性粒子を含んでなる感光性材料によって形成されたパターン構造物、W.線幅、D.膜厚、L.長さ
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における導電性パターン形成方法は基材上へ導電性粒子を含んでなる感光性材料の塗膜、続くフォトリソグラフィー(露光、現像)によるパターン形成を行い、そのパターン構造物の空孔および表層に存在する導電性粒子に選択的に無電解ニッケルめっきを行うことを特徴とする。
本発明において使用できる基材は、導電性粒子を含んでなる感光性材料を塗膜できるものであれば特に限定されないが、一般に使用される基材として、ガラス、セラミックス、PET或いはPEN等の樹脂フィルムなどを例示することが出来る。また、それらの基材に金属酸化物や無機物などを蒸着処理したものを用いることができる。
導電性粒子
導電性粒子の種類は、特に制限なく用いることができる。例えば、金、銀、銅、白金族金属などの貴金属粒子、又は亜鉛、ニッケル、アルミニウムなど導電性の高い単体の金属粒子、又はこれらの合金の金属粒子を例示することができる。これらの導電性粒子は単体で用いても、2種類以上組み合わせて用いても良い。導電性と価格を考慮すると、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケルから選択される少なくとも一種が好ましく用いられる。また、これら導電性粒子は市販品、又は製造したもののいずれを用いてもよい。市販品以外の導電性粒子としては、例えば、気相法や液相化学還元法によって製造されたものを用いてもよい。また、導電性粒子の具体的な製造方法としては、特公昭63−31522号公報に記載されている噴霧熱分解法や、特開2011−12290に記載されている金属酸化物、または金属水酸化物にマイクロ波を照射して加熱、還元する方法、特開2010−265543に記載されている金属錯体化合物を熱分解し還元体を得る方法、特開2010-77472に記載されている金属イオンを多価アルコールで還元する方法、その他にも特開2002−20809号公報や特開2004−99992号公報に記載されている製造方法を例示することができ、上記記載の方法によって製造された導電性粒子を用いることができる。
導電性粒子の大きさは、解像性の点で問題の無い範囲で特に制限なく用いることが出来るが、メジアン径5μm以下の導電性粒子が好ましく使用することができる。メジアン径の下限も特に限定しないが、導電性の点で0.1μm以上であることが好ましい。尚、メジアン径とは、粉体をある粒子径から2つに分けたとき、大きい側と小さい側が等量となる径のことであり、50%平均粒径とも言われる。メジアン径の測定方法は、一般的にマイクロトラック法(レーザー回折・散乱法)によって測定することができる。感光性材料中の導電性粒子の含有量は、特に規定されるものではないが、溶剤100重量部に対して、350〜550重量部の範囲が好ましい。
感光性材料
感光性材料としては、一般に市販されているネガ型あるいはポジ型のフォトレジストを用いても良い。また市販品以外では、例えばネガ型のフォトレジストの場合、バインダー、光反応性化合物、光重合開始剤、および溶剤などを調合して用いてもよい。
バインダーとして、(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリスチレン、酢酸ビニルポリマー、アクリルポリマー、ポリアミド、塩化ビニル―酢酸ビニル共重合体、セルロースジアセテート、ポリクロロエチレン、ニトロセルロース、ポリエステルなどの構造を有するものが例示できる。感光性材料におけるバインダーの使用量は、特に規定されるものではないが、溶剤100重量部に対して、10〜100重量部の範囲であることが好ましい。
光反応性化合物としては、ラジカル重合性化合物を例示することができ、中でも反応性が高く感度を高められる点で、多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましい。具体的には、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレン基の数が2〜14のもの)、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレングリコール付加物トリアクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(プロピレン基の数が2〜14のもの)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどを例示することができ、これらは単独であるいは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。感光性材料に含まれる光反応性化合物の使用量は、特に規定されるものではないが、溶剤100重量部に対して、10〜50重量部の範囲であることが好ましい。
光重合開始剤としては、ベンゾイン、アセトフェノン、2−メチルアントラキノン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、2,4−ジイソプロピルキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホニル)フェニル]−1−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)などを例示することができる。感光性材料における光重合開始剤の使用量は、特に規定されるものではないが、溶剤100重量部に対して、0.5〜10重量部の範囲が好ましい。
溶剤として、例えば、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2−ブチルアルコール、ヘキサノール、エチレングリコールなどの直鎖、分岐、2級あるいは多価のアルコール類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、スワゾールシリーズ(丸善石油化学社製)、ソルベッソシリーズ(エクソン・ケミカル社製)などの石油系芳香族系混合溶剤、セロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類、カルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトールなどのカルビトール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテルなどのプロピレングリコールアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのポリプロピレングリコールアルキルエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの酢酸エステル類、N−メチルピロリドン、およびジアルキルグリコールエーテル類などを例示することができる。なお、これらはそれぞれを単独であるいは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
市販品以外のポジ型レジストでは、紫外線照射によって導電性パターンを形成できるものとして、ノボラック樹脂に感光性物質のナフトキノンアジドを加えた物を例示できる。また、電子線によて導電性パターンを形成する場合は、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)を用いることが出来る。
導電性粒子の感光性材料への混合方法
導電性粒子を含んでなる感光性材料の調製方法は、導電性粒子が感光性材料中に均一に分散・混合でき、混合中に硬化するなどの問題を生じなければ特に限定しない。具体的な混合機としては、メカニカルスターラー、マグネティックスターラー、超音波分散機、遊星ミル、ボールミル、3本ロールなどを例示することができる。これら2つ以上の方法を組合わせて混練を行ってもよい。導電性粒子が凝集しているような場合、強いシェアをかけられる3本ロール処理で一次粒子にまで解すことが好ましい。
塗膜方法
導電性粒子を含んでなる感光性材料の塗膜方法は、特に制限されないが、材料の利用効率の点からスクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、平版印刷などの印刷法により必要最小限の材料を基材上の必要な部分に均一に塗膜することが材料利用効率の点から好ましい。簡易な方法としては、バーコーター、ブレードコーターなどの塗布方法を用いてもよい。基材上の塗膜の厚みについて特に制限はないが、溶剤乾燥後に1μm以上10μm以下の範囲で好ましく用いられ、更には2μm以上6μm以下の範囲がより好ましい。乾燥温度、乾燥時間は特に限定されないが、一般に60〜120℃、乾燥時間は5〜60分程度で行われる。
導電性パターン形成方法
導電性パターン形成方法は、基材上へ導電性粒子を含んでなる感光性材料の塗膜、続くフォトリソグラフィー(露光、現像)によるパターン形成を行い、そのパターン構造物の空孔および表層に存在する導電性粒子に選択的に無電解ニッケルめっきを行うことで得られる。
露光方法
導電性粒子を含んでなる感光性材料の塗膜に、形成すべき導電性パターンに対応するフィルムやマスクを介して露光を行う。露光に用いる光源としては、感光性材料を光硬化、または光分解させうるものであれば特に限定されず用いることができるが、一般に低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、ブラックライトなどを用いることができる。また、露光方式としては、マスクとの密着露光、プロキシミティ露光、あるいは投影露光などを例示することができる。
現像方法
現像は、現像液を用いてネガ型の感光性材料であれば硬化されていない未露光部分を、ポジ型の感光材料であれば光分解された露光部分を、溶解、除去することで、目的とする導電性パターンを得ることができる。現像液としては、導電性粒子を含んでなる感光性材料塗膜の被溶解部分を選択的に溶解させることができるものであれば、特に制限なく用いることができる。用いる現像液は、水性、油性いずれでもよく、液のpHは問わない。例えば、感光性材料中に酸性基を持つ化合物が存在する場合、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムなどの金属アルカリ水溶液の他、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの有機アルカリ水溶液を用いることができる。
現像方式としては、通常用いられる現像方式であれば、特に制限無く用いることができる。具体的には、現像液に浸すディップ方式、液を基板全面に噴霧するスプレー方式、容器内に現像液を入れて処理するバレル方式などを例示することができる。これらの方式は、使用する導電性粒子を含んでなる感光性材料の性質に応じて適宜決定すればよい。また、回路を形成する基板の形状などにより現像方式は異なるが、基板上の不用な塗膜を除去する場合、スプレー方式により塗膜付着面を均一な圧力で洗い流す方法が、解像度を向上できる点で好ましい。不要な現像液の除去のため導電性パターンの水洗や酸中和を行う。無電解ニッケルめっき処理を行う前に、必要に応じて導電性パターンの乾燥を行っても良い。乾燥温度は通常40〜150℃、乾燥時間は5〜30分間で行う。
無電解ニッケルめっき方法
基材に形成されたパターンに、無電解ニッケルめっき液で処理することよりにパターン構造物の空孔、および表面に存在する導電性粒子へ選択的にニッケル膜を形成することにより導電性パターンが形成される。またこのようにして基材上に導電性パターンが形成されておれば、電気配線回路基板の製造方法は特に限定されることはない。
フォトリソグラフィーによって形成されたパターンへの無電解ニッケルめっき処理の前処理として、脱脂処理、および触媒成分を付与する活性化処理を行うことでニッケルの析出速度を速くできる。脱脂処理、活性化処理、無電解ニッケルめっきの様式としては、ディップ方式、スプレー方式、バレル方式などいずれの方法を用いても構わない。
無電解ニッケルめっき処理後は水洗により、不要な無電解ニッケルめっき液を除去し、その後導電性パターンを乾燥する。この際乾燥条件は状況に応じて、40〜80℃程度で5〜30分間で行う。
活性化処理の様式としてはディップとスプレー方式の組み合わせが好ましい。無電解ニッケルめっき被膜の厚さは特に限定されないが、通常0.5〜10μmが好ましい。
脱脂処理に使用する脱脂剤としては、無電解ニッケルめっきに合わせて市販されているものであれば制限なく用いることが出来るが、導電性粒子を含んでなる感光性材料が浸食される場合もあるので、接触時間は必要最短時間とすることが望ましく、具体的には1分以下であることが好ましい。比較的導電性粒子を含んでなる感光性材料が浸食されにくい脱脂剤としては中性脱脂剤が挙げられる。
活性化処理の触媒としては、無電解ニッケルめっきに合わせて市販されているものものであれば制限なく用いることが出来るが、例えば、水溶性パラジウム化合物が金属の析出速度に優れるため広く用いられており、具体例としては、塩化パラジウム、硫酸パラジウム、酸化パラジウム、ヨウ化パラジウム、臭化パラジウム、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、テトラアミンパラジウムクロライド、ジニトロジアミンパラジウム、ジクロロジエチレンジアミンパラジウムなどを挙げられる。これらは1種単独または2種以上混合して用いても良い。
無電解ニッケルめっき液は、ニッケルの硫酸塩、塩酸塩などの水溶性の金属塩と、次亜リン酸、水酸化ほう素ナトリウム、ヒドラジン、ホルマリンなどの還元剤、無機酸、有機酸などのpH調整剤、および錯化剤、安定剤、界面活性剤などの水溶液からなるものが使用される。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に実施例および比較例に用いた化合物を示す。
導電性粒子
導電性粒子M1:銀粒子(メジアン径0.7μm、タップ密度1.4g/cm、BET比表面積1.3m/g)
導電性粒子M2:銀粒子(メジアン径0.4μm、タップ密度1.8g/cm、BET比表面積0.9m/g)
導電性粒子M3:銅粒子(メジアン径2.4μm、タップ密度2.1g/cm、BET比表面積1.5m/g)
上記導電性粒子のメジアン径はマイクロトラック法にて測定した値を記した。
感光性材料
バインダーP1:アクリルポリマーAA−6(数平均分子量6,000、東亜合成社製)
バインダーP2:アクリルポリマーAS−6(数平均分子量6,000、東亜合成社製)
光反応性化合物R:ライトアクリレートPE3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学製)
光重合開始剤I:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(BASF社製)
溶剤S:プロピレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬工業社製)
実施例で用いた導電性粒子を含んでなる感光性材料の配合を表1に示す。なお、表1中の数値は組成物中にしめる各成分の比率(重量%)を示す。
Figure 2014011281
(実施例1)
表1に示した配合例1の導電性粒子を含んでなる感光性材料を用いて、以下(1)〜(6)に示す方法で導電性パターンを形成した。
(1)導電性粒子を含んでなる感光性材料の調製工程
導電性粒子を含んでなる感光性材料の重量の合計が50gとなるように各成分をそれぞれ秤量し、これをまず遊星ミル(シンキー製あわとり練太郎AR−100)を用いて合計5分間混練を行った。この際、1分おきに混練を停止し、導電性粒子を含んでなる感光性材料が熱を持ち過ぎないようにした。続いて、これを三本ロールを用いて混練し、ペースト状の導電性粒子を含んでなる感光性材料を調製した。
(2)塗膜
厚さ100μmの片面易接着処理済みPETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製O3)を基材とし、この処理面側の表面に上記の導電性粒子含んでなる感光性材料をスクリーン印刷法により均一に塗膜し、80℃で10分間の乾燥を行い、厚さ5μmの塗膜を得た。
(3)露光
上記塗膜に、Line/Spaceを50/50(μm)のパターンの描かれたフォトマスクを密着させ、メタルハライドランプを用いて紫外線を300mJ/cm照射し、導電性粒子を含んでなる感光性材料を硬化させた。
(4)現像
次いで、0.5%炭酸ナトリウム水溶液(液温35℃)を現像液に用いて、塗膜に60秒間スプレーすることで未露光部分を除去し、水洗により不要な現像液を除去した。
(5)脱脂処理と活性化処理
続いて、脱脂処理に奥野製薬工業株式会社製NNPクリーナー水溶液(濃度:30g/L、液温:30℃)を導電性パターンに30秒間スプレーした後、脱脂処理薬剤を水で洗い流した。次に活性化処理では、奥野製薬工業株式会社製NNPアクセラB水溶液(濃度:200g/L、液温:30℃)に30秒間ディップした後、NNPアクセラA水溶液(濃度:30mL/L、液温:30℃)とNNPアクセラB水溶液(濃度:200g/L、液温:30℃)の混合液を30秒間スプレーした。その後30秒間スプレーで水洗を行った。
(6)無電解ニッケルめっき
脱脂処理と活性化処理を終えた導電性パターンに、奥野製薬工業株式会社製NNPニコロンLTC−M水溶液(濃度:500mL/L、液温:80℃)とNNPニコロンLTC−AD水溶液(濃度:10mL/L、液温:80℃)とNNPニコロンLTC−1水溶液(濃度:50mL/L、液温:80℃)の混合液を60秒間スプレーし、その後30秒間スプレーで水洗を行った。
導電性パターンの評価
導電性パターンの評価については、導電性は図1記載のパターンの抵抗値を測定し、比抵抗を算出して評価する。解像性は図1記載のパターンに断線、および短絡がないか外観を目視で確認し評価する。導電性パターンの安定性については、塩水噴霧試験を行い、導電性パターンの外観評価と抵抗値より算出される比抵抗の評価を行う。評価方法の詳細については、以下に記載する。
比抵抗の算出
導電性パターンの比抵抗は、図1記載のパターン(線幅50μm、膜厚5μm、長さ50mm)をもとに形成された導電性パターンの抵抗値をデジタルマルチメータ(型番:KU−2608、カイセ株式会社製)を用いて測定し、線幅はワイド・スタンド・マイクロスコープ40倍(型番:No.2054−40EIM、ピーク社製)を用いて、膜厚はデジマチックマイクロメーター(型番:MDC−SB、ミツトヨ社製)を用いて測定し、これらの測定値を以下の数式(1)に代入して算出した。
但し、比抵抗をρ[Ω・cm]、抵抗をR[Ω]、線幅をW[μm]、膜厚をD[μm]、長さをL[mm]とする。
ρ[Ω・cm]=R[Ω]×W[μm]×D[μm]÷L[mm]×10−7 ・・・(1)
外観評価
ワイド・スタンド・マイクロスコープ40倍(型番:No.2054−40EIM、ピーク社製)を用いて断線、短絡の有無を調べた。断線や短絡が無ければ○、有れば×と評価した。下記に記す塩水噴霧試験後の状態に関しては、目視で表面状態と色の状態を評価した。表面状態が安定しており変化が無ければ○、剥がれが有れば×とした。色の状態に関しては、変化が無ければ○、黄色みがかった曇りが生じたものを×とした。
塩水噴霧試験
5%NaCl水溶液を導電性パターン表面にムラ無く噴霧後、室温23℃湿度RH60%環境下で10日間乾燥させた。外観に関しては、表面状態と外観の色を目視で観察した。比抵抗の評価は上記の比抵抗の算出に従った。
実施例2では配合2、実施例3では配合3の導電性粒子を含んでなる感光性材料を用い、実施例1と同様に(1)〜(6)までの操作に従って導電性パターンを形成し、その後評価を行った。
比較例1においては、配合1を用いて(1)〜(4)までの操作を行った後、120℃10分間の加熱を行い、実施例1と同様に評価を行った。
比較例2においては、配合2を用いた以外は比較例1と同様の操作、および評価を行った。
比較例3においては、配合3を用いた以外は比較例1と同様の操作、および評価を行った。
比較例4においては、配合1を用いて塗膜厚さを12μmとした以外は比較例1と同様の操作、および評価を行った。
比較例5においては、配合1を用いて(6)の無電解ニッケルめっきに替えて無電解銅めっきを行った以外は実施例1と同様の操作、および評価を行った。なお、無電解銅めっき液には、奥野製薬工業株式会社製ATSアドカッパーIWA(濃度:50mL/L、液温:45℃)とATSアドカッパーIW−M(濃度:80mL/L、液温:45℃)とATSアドカッパーC(濃度:15mL/L、液温:45℃)と無電解銅R−N(濃度:3mL/L、液温:45℃)の混合水溶液を用い、120秒間スプレーし、その後30秒間スプレーで水洗を行った。
各実施例の評価結果を表2に、各比較例の評価結果を表3に示す。
Figure 2014011281
Figure 2014011281
実施例1〜3では無電解ニッケルめっきを行うことにより、導電性パターンより算出される比抵抗が低く良好な導電性を示すと共に、解像性に関しても断線や短絡は見られなかった。また、塩水噴霧試験後においても比抵抗の変化はいずれも20%以下と小さく、表面の剥がれや色の変化も見られず、塩水腐食に対する優れた安定性を示した。本方法によって形成された導電性パターンは、高い導電性、解像性、そして安定性を有することから、これらを用いて作製される電気配線回路基板は充分な安定性(信頼性)を有し、実用に耐えうることが示唆された。この結果は、導電性粒子上に析出したニッケルによって導電性パターンが保護されたことによると考えられる。更には導電性粒子がニッケルに保護されることによって、銀や銅を用いた場合に懸念されるイオンマイグレーションを抑制する効果を持つと推測される。
比較例1〜4では、無電解ニッケルめっきを施していないため比抵抗が高く導電性に乏しい。また、比較例4では、膜厚を厚くした結果、解像性が不十分で断線や短絡が生じており、パターンの導電性の低さを膜厚を厚くすることで補うことが困難であることが示された。
一方比較例5では、無電解銅めっきを施しているので、導電性に関しては良好な結果が得られている。しかしながら、塩水噴霧試験後の状態に関しては、比較例1〜5全てにおいて比抵抗の値の変化が大きく、これらを用いて電気配線回路基板を作製しても安定性(信頼性)に乏しいため実用的に用いることが出来ないことが示された。また、表面が剥がれたり、色が黄色く変色したりしており腐食が進んでいることが示唆されている。
本発明は、各種電気配線回路基板の製造分野において、有効に利用することができる。

Claims (4)

  1. 基材上へ導電性粒子を含んでなる感光性材料の塗膜、続くフォトリソグラフィー(露光、現像)によるパターン形成を行い、そのパターン構造物の空孔および表層に存在する導電性粒子に選択的に無電解ニッケルめっきを行うことを特徴とする導電性パターン形成方法。
  2. 前記記載の導電性粒子は、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、およびニッケルから選択される少なくとも一種を含み、それらのメジアン径が5μm以下であることを特徴とする請求項1記載の導電性パターン形成方法。
  3. 前記記載の感光性材料の塗膜によって形成される膜の厚みが、溶剤乾燥後に1μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の導電性パターン形成方法。
  4. 請求項1〜3に係る導電性パターンの形成方法を用いて製造した電気配線回路基板。
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