JP2014011005A - 電力貯蔵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】待機中の二次電池の充電状態を劣化の少ない充電量にすることで二次電池の劣化を抑えること。
【解決手段】充放電制御部は、時刻T1から二次電池の放電を開始させ、22時には完全放電の状態とする(第一の放電工程)。次に、充放電制御部は、夜間時間帯の開始時刻22時から充電を開始させると共に(第一の充電工程)、劣化の少ない最適な充電率に達した時点で充電を停止させて二次電池を待機状態とする(第一の待機工程)。そして充放電制御部は、時刻T2から二次電池の充電を開始させ、8時には満充電の状態とする(第二の充電工程)。しかる後、充放電制御部は、昼間時間帯の開始時刻8時から二次電池を放電させると共に(第二の放電工程)、充電率が劣化の少ない最適な充電率に達した時点で二次電池の放電を停止させて待機状態とする(第二の待機工程)。
【選択図】図3

Description

本発明は、二次電池を用いた電力貯蔵装置の技術に関する。
時間帯や季節ごとの電力需要の格差を縮小するために、電気料金の割安な夜間に二次電池の充電を行い、充電した電力を電力需要の多い昼間に放電する電力貯蔵装置が知られている。このような負荷平準化対策によって、電気料金の削減、二次電池を非常用電源や瞬時電圧低下時の電源として使用できる等の効果がある。特許文献1〜3には、負荷平準化の機能を備えた装置が開示されている。
電力貯蔵装置に用いられる二次電池は、充放電の繰り返しによる劣化や経年劣化により満充電容量が減少する。そこで、二次電池の充電状態を二次電池の劣化を抑えた最適な状態とすることにより、二次電池の寿命を少しでも長くする方法が特許文献4及び5に開示されている。特許文献4には、複数の二次電池を有する主電池ユニットと、主電池ユニットからの電力供給及び主電池ユニットへの電力供給が可能なバッファ電池ユニットとを備え、主電池ユニットの動作停止中において、主電池ユニットの組電池電圧が既定の劣化電圧範囲内である場合に、主電池ユニットとバッファ電池ユニットとの間で充放電を行う蓄電システムが開示されている。
また、特許文献5には、マンガン系正極材料を用いた少なくとも1つのリチウム二次電池を有する組電池と、組電池の充放電を制御する制御装置とを備え、制御装置は目標とする電池劣化率に基づいて設定された低劣化電圧範囲内で充放電を制御する蓄電システムが開示されている。
特開2001−008385号公報 特開2003−125537号公報 特開平8−287958号公報 特開2010−097760号公報 特開2009−070777号公報
二次電池を含む装置やシステムでは、当該二次電池について実質的に充電や放電を行わない待機期間が多く発生する。従って、この待機中における二次電池の充電状態は、当該二次電池の寿命に影響を与える。しかしながら、特許文献1〜5に開示された装置やシステムにおいては、待機中に二次電池をどのような充電状態にしておくかに関し、特段の考慮が払われていない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、待機中の二次電池の充電状態を制御することで二次電池の劣化を抑えた電力貯蔵装置を提供することを目的とする。
本発明の一の局面に係る電力貯蔵装置は、外部電源から供給される電力を蓄える二次電池を備え、当該二次電池に蓄えられた電力を用いて負荷平準化を行う電力貯蔵装置であって、前記二次電池の充放電を制御する制御手段を更に備え、前記制御手段は、前記二次電池の充放電を停止させて保持する待機状態の制御を実行し、前記待機状態における充電量を、電池劣化の少ない充電量として予め定められた待機充電量に設定する。
この構成によれば、二次電池の待機時の充電量を電池劣化の少ない待機充電量とすることで、二次電池の寿命が長期化し、長い期間使用することができる。つまり、一般に電力貯蔵装置においては二次電池に待機状態が不可避的に発生するが、その待機時における充電を、制御手段が電池劣化の少ない待機充電量に設定するので、二次電池の劣化を最小限に抑制することができる。従って、二次電池の交換サイクルが長くなり、交換コストを削減することができる。
上記構成において、第一の電気料金単価で電力が供給される第一の時間帯と、前記第一の電気料金単価よりも安価な第二の電気料金単価で電力が供給される第二の時間帯とが設定されている場合において、前記制御手段は、前記第二の時間帯の開始時刻において前記二次電池が所定の放電状態となるように前記第一の時間帯内で前記二次電池を放電させる第一の放電工程、前記第二の時間帯の開始時刻から前記二次電池を充電させる第一の充電工程、前記第一の充電工程において前記二次電池の充電量が前記待機充電量に達した時点で当該充電を停止させると共に当該二次電池を前記待機状態とする第一の待機工程、第一の時間帯の開始時刻において前記二次電池が所定の充電状態となるように前記第二の時間帯内に前記二次電池を充電する第二の充電工程、の順序で前記二次電池の充放電を制御することが好ましい。
この構成によれば、第一の電気料金単価より安価な第二の電気料金単価で電力が供給される第二の時間帯において二次電池を充電し(第一の充電工程及び第二の充電工程)、第一の電気料金単価で電力が供給される第一の時間帯において負荷平準化を行うことで(第一の放電工程)、効率的に電気料金を削減できる。
上記構成において、前記所定の放電状態は完全放電状態であり、前記所定の充電状態は満充電状態であることが望ましい。この構成によれば、二次電池の充放電容量をフル活用することができる。
また、前記第一の時間帯が昼間時間帯であり、前記第二の時間帯が夜間時間帯としてもよい。この構成によれば、現行の電気料金割引システムにマッチした電力貯蔵装置を提供することができる。
上記構成において、前記制御手段は、前記第二の充電工程の後に、前記第一の時間帯の開始時刻から前記二次電池を放電させる第二の放電工程、前記第二の放電工程において前記二次電池の充電量が前記待機充電量に達した時点で当該放電を停止させると共に当該二次電池を前記待機状態とする第二の待機工程、の順序で前記二次電池の充放電を制御することが好ましい。
この構成によれば、第一の電気料金単価で電力が供給される第一の時間帯において負荷平準化を行うことで(第二の放電工程)、効率的に電気料金を削減できる。更に、その後は二次電池を待機充電量で待機させることによって(第二の待機工程)、二次電池の劣化を抑え、寿命を少しでも長くすることができる。
上記構成において、前記制御手段は、前記第二の充電工程の後に、予め定められたピークカット時間帯に負荷平準化を行わせるピークカット工程、前記ピークカット時間帯の終了時刻における前記二次電池の充電量が前記待機充電量より多いとき、前記ピークカット時間帯の終了時刻から前記二次電池を放電させる第二の放電工程、前記第二の放電工程において前記二次電池の充電量が前記待機充電量に達した時点で当該放電を停止させると共に当該二次電池を待機状態とする第二の待機工程、の順序で前記二次電池の充放電を制御することが好ましい。
この構成によれば、ピークカット工程を設けることで、特に負荷に供給される電力量が契約電力を超える時期に節電効果を高めることができ、ピークカット時間帯に使用電力が契約電力を超えた場合でも、必要な電力を供給することができる。そして、ピークカット時間帯の終了時刻における二次電池の充電量が待機充電量より多いときは二次電池を放電させ(第二の放電工程)、待機充電量で待機させることによって(第二の待機工程)、二次電池の劣化を抑え、当該二次電池の寿命を少しでも長くすることができる。
上記構成において、前記制御手段は、前記第一の時間帯の開始時刻から当該第一の時間帯内における予め定められたピークカット時間帯の開始時刻まで前記二次電池を所定の充電状態で保持させる充電保持工程を更に含むことが好ましく、前記所定の充電状態を完全充電状態とすることがより好ましい。
この構成によれば、ピークカット時間帯の開始時刻まで二次電池が所定の充電状態で保持されるため、充分な充電状態で負荷平準化の期間に臨ませることが可能となる。
上記構成において、充電のための期間として割り当てられている第三の時間帯と、放電のための期間として割り当てられている第四の時間帯とが設定されている場合において、前記制御手段は、前記第四の時間帯の開始時刻から前記二次電池を放電させる第三の放電工程、前記第三の放電工程において前記二次電池の充電量が前記待機充電量に達した時点で当該放電を停止させると共に当該二次電池を前記待機状態とする第三の待機工程、第三の時間帯の開始時刻において前記二次電池が所定の放電状態となるように前記第四の時間帯内に前記二次電池を放電する第四の放電工程、の順序で前記二次電池の充放電を制御することが好ましい。
この構成によれば、第四の時間帯における第三の放電工程及び第四の放電工程以外の時間(つまり、第三の待機工程)では、二次電池の充電状態を電池劣化の少ない待機充電量とすることで、二次電池の寿命が長期化し、長い期間使用することができる。つまり、二次電池の交換サイクルが長くなり、交換コストを削減することができる。
上記構成において、予め定められた電流値をもって前記二次電池の充放電を行う場合に前記各工程における充放電にかかる時間を算出する算出手段を更に備え、前記制御手段は、前記算出手段が算出した充放電にかかる時間分だけ遡って前記各工程を開始させることが好ましい。
または、予め定められた電力値を持って前記二次電池の充放電を行う場合に前記各工程における充放電にかかる時間を算出する算出手段と、過去に前記各工程における充放電で実際にかかった所要時間を記憶する記憶手段と、を更に備え、前記算出手段は、前記記憶手段が記憶する過去に前記所要時間に基づいて前記各工程における充放電にかかる時間を予測して算出し、前記制御手段は、前記算出手段が算出した充放電にかかる時間分だけ遡って前記各工程を開始させてもよい。
これらの構成によれば、算出手段が各工程にかかる時間を算出することで、制御手段は各時間帯の開始時刻又は終了時刻における二次電池の充電状態を正確に制御することができる。
本発明によれば、劣化の少ない最適な充電量で二次電池を待機させることによって、二次電池の寿命を長くすることができる。従って、二次電池の交換サイクルが長くなり、交換コストを削減することができる。
本発明の実施形態に係る電力貯蔵装置の概略を示すブロック図である。 二次電池としてリチウムイオン電池を用いた場合の、保存特性の一例を示したグラフである。 使用電力が契約電力を超えない時期における、一日の充放電工程について説明するための図である。 使用電力が契約電力を超える時期における、一日の充放電工程について説明するための図である。 充放電時間記憶部のデータ構成の一例を示した図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電力貯蔵装置1の概略を示すブロック図である。電力貯蔵装置1は、外部電源2に接続され、二次電池200及び外部電源2には、負荷3が接続されている。
電力貯蔵装置1は、例えば商用電源である外部電源2から電力の供給を受けて、二次電池200を充電する。電力貯蔵装置1は、制御部100、電流・電圧計130、交流直流変換部150、及び連系リアクトル160を備える。
二次電池200は、充電及び放電のサイクルを繰り返して実行可能な電池である。この二次電池としては、自己放電の少ない電池が望ましく、例えばリチウムイオン電池、ナトリウム硫黄電池等を用いることができる。
電流・電圧計130は、二次電池200の充放電時に、二次電池200が充放電する電力の充放電電流値及び充放電電圧値を測定する。
交流直流変換部150は、二次電池200の充電時には、外部電源2から供給される交流電力を直流電力に変換して二次電池200に供給する整流器として機能する。また、交流直流変換部150は、二次電池200の放電時には、二次電池200から放電される直流電力を、負荷3に応じた電圧値または電流値もしくは電力値の交流電力に変換して負荷3に供給するインバータとして機能する。さらに、交流直流変換部150は、外部電源2から供給される電力を用いて、例えば定電圧・定電流充電方式で二次電池200を充電する。
連系リアクトル160は、交流直流変換部150と外部電源2との間に設けられている。交流直流変換部150は、交流直流変換部150側の交流電力Vの位相を外部電源2側の交流電力Vの位相よりも進ませることで、二次電池200に貯蔵されている電力を負荷3に供給する。二次電池200の充電時に交流直流変換部150は、Vの位相をVの位相よりも遅らせることで、外部電源2の電力を二次電池200に供給する。尚、交流直流変換部150が、Vの位相とVの位相とを等しくした場合は、二次電池200は充電も放電もされない待機状態となる。
制御部100は、充放電制御部101(制御手段)、特性記憶部102、充放電時間算出部103(算出手段)、充放電時間記憶部104(記憶手段)及び計時部105を備える。充放電制御部101は、二次電池200の充放電を制御する。特性記憶部102は、充放電制御部101が二次電池200の充放電を制御するために必要な各種データを記憶する。
充放電時間算出部103は、予め定められた電流値又は電力値をもって二次電池200の充放電を行う場合に、後述する各充放電工程に要する充放電時間を算出する。充放電時間記憶部104は、過去の充放電工程で要した充放電時間を記憶する。計時部105は、後述する第一の放電工程及び第二の充電工程に要する時間を計測する。
図2は、二次電池としてリチウムイオン電池を用いた場合の、保存特性の一例を示したグラフである。当該グラフの横軸は待機時の二次電池の充電率、縦軸は初期満充電量に対する待機後の満充電量の割合(容量比率)を示している。保存特性の測定方法は、まず、充電率40%〜100%の二次電池をそれぞれ用意し、充放電を一切行わない待機状態(放置状態)とする。そして、待機状態にある二次電池の容量比率を所定の経過時間毎に測定する。例えば、グラフG1は、待機状態にして間もない時の容量比率と充電率の関係を示している。
そして経過時間が長くなるに従って各グラフの特性は下がり、グラフG2は、33ヶ月間待機状態としたときの二次電池の容量比率と充電率の関係を示している。グラフG2における測定点Gaは充電率60%で33ヶ月間待機させた時の容量比率、測定点Gbは充電率100%で33ヶ月間待機させた時の容量比率である。充電率100%で33ヶ月間待機させると、二次電池の満充電量は初期値に比べて約10%下落している。しかし、充電率60%で33ヶ月間待機させた場合、二次電池の満充電量の初期値に対する下落率は約6%である。つまり、実験に用いた二次電池の場合、充電率60%で待機させることによって経年変化による容量の下落率を最小限に抑えることができる。
二次電池200の経年変化による容量低下を最小限に抑えられる充電率は二次電池によってバラツキがあるため、二次電池200の設置前に特性試験が行われて待機時の最適な充電率が求められる。そして、特性記憶部102は求められた充電率を記憶する。更に、特性記憶部102は、二次電池200の満充電量も記憶する。次に、二次電池200の劣化を抑えた充放電工程について詳しく説明する。
<負荷の稼働に要する電力が契約電力を超えない時期における充放電工程>
図3は、例えば春や秋など、負荷3を稼働させるのに要する電力が契約電力を超えない時期における、一日の充放電工程について説明するための図である。尚、本実施の形態では、二次電池の待機時の最適な充電率(待機充電量)を60%として説明する。
最初に、図3にて示した各用語について説明する。昼間時間帯とは、第一の電気料金単価で電力が供給される第一の時間帯(第四の時間帯)に相当し、夜間時間帯とは、第一の電気料金単価よりも安価な第二の電気料金単価で電力が供給される第二の時間帯(第三の時間帯)に相当する。本実施の形態において、昼間時間帯は8時〜22時、夜間時間帯は22時〜8時とし、時刻を24時間表示で記す。(第一、第二の)充電工程は二次電池200に充電動作を行わせる時間帯、(第一、第二の)放電工程は二次電池200に放電動作を行わせる時間帯、及び、(第一、第二の)待機工程は二次電池200の充放電を停止させて保持する時間帯を各々意味する。
まず、充放電時間算出部103は、昼間時間帯の第二の待機工程において、夜間時間帯の開始時刻22時に二次電池200を完全放電状態とするために要する時間t1を算出する。そして、充放電制御部101は、夜間時間帯の開始時刻である22時より充放電時間算出部103が算出した時間t1だけ遡った時刻T1から二次電池200の放電を開始させ、22時には完全放電の状態とする(第一の放電工程)。この第一の放電工程において放電された電力は、負荷3に供給される。尚、本実施の形態においては、第一の放電工程において二次電池200を完全放電することとして説明するが、完全放電まで至らない所定の充電率まで放電させることとしてもよい。
次に、充放電制御部101は、夜間時間帯の開始時刻22時から充電を開始させると共に(第一の充電工程)、第一の充電工程の間、電流・電圧計130が測定する電流値を所定の間隔でサンプリングし、当該電流値を積分することで二次電池200の充電量(単位はAh)を算出する。充放電制御部101は、算出した充電量から二次電池200の充電率を求め、充電率が60%に達した時点で充電停止の指示を交流直流変換部150に出力し、二次電池200を待機状態とする(第一の待機工程)。尚、二次電池200の充電量は、例えば電流・電圧計130が測定する二次電池200の放電電圧値に基づいて算出してもよい。
その後、充放電時間算出部103は、第一の待機工程の時間内において、昼間時間帯の開始時刻の8時に二次電池200を満充電状態とするために要する時間t2を算出する。そして、充放電制御部101は、昼間時間帯の開始時刻の8時より充放電時間算出部103が算出した時間t2だけ遡った時刻T2から二次電池200の充電を開始させ、8時には満充電の状態とする(第二の充電工程)。尚、本実施の形態においては、第二の充電工程において二次電池200を満充電することとして説明するが、満充電より低い所定の充電率まで充電させることとしてもよい。
次に、充放電制御部101は、昼間時間帯の開始時刻の8時から二次電池200を放電させると共に(第二の放電工程)、第二の放電工程の間、電流・電圧計130が測定する電流値を所定の間隔でサンプリングし、当該電流値を積分することで二次電池200の放電量を算出する。更に、充放電制御部101は、特性記憶部102に記憶されている満充電容量から算出した放電量を差し引いて、二次電池200の充電量(残容量)を算出する。充放電制御部101は、算出した充電量から二次電池200の充電率を求め、充電率が60%に達した時点で放電停止の指示を交流直流変換部150に出力して、二次電池200を待機状態とする(第二の待機工程)。尚、第二の放電工程において放電された電力は、負荷3に供給される。
しかる後、上述したように、充放電時間算出部103は、昼間時間帯の第二の待機工程において、夜間時間帯の開始時刻22時に二次電池200を完全放電状態とするために要する時間t1を算出する。そして、充放電制御部101は、夜間時間帯の開始時刻の22時より充放電時間算出部103が算出した時間t1だけ遡った時刻T1から二次電池200の放電を開始させ、22時には完全放電の状態とする(第一の放電工程)。
このように、負荷3の稼働に要する電力が契約電力を超えない時期においては、各充放電工程以外の時間を二次電池200の劣化を最も抑えられる充電率で待機させることで、二次電池200の寿命を少しでも長くすることができる。そして、二次電池200が長持ちすることで、二次電池200の交換サイクルが長くなるため、交換コストを抑えることができる。
また、昼間時間帯より電気料金の割安な夜間時間帯に充電を行い(第一の充電工程、第二の充電工程)、昼間時間帯に放電して負荷3に電力を供給することで(第一の放電工程、第二の放電工程)、効率的に電気料金を削減することができる。
<負荷の稼働に要する電力が契約電力を超える時期における充放電工程>
図4は、例えば夏や冬など、負荷3を稼働させるために要する電力が契約電力を超える時期における、一日の充放電工程について説明するための図である。まず、充放電時間算出部103は、昼間時間帯の第二の待機工程において、夜間時間帯の開始時刻である22時に二次電池200を完全放電状態とするために要する時間t1を算出する。そして、充放電制御部101は、夜間時間帯の開始時刻22時より充放電時間算出部103が算出した時間t1だけ遡った時刻T1から二次電池200の放電を開始させ、22時には完全放電の状態とする(第一の放電工程)。この第一の放電工程において放電された電力は、負荷3に供給される。
次に、充放電制御部101は、夜間時間帯の開始時刻の22時から充電を開始させると共に(第一の充電工程)、第一の充電工程の間、電流・電圧計130が測定する電流値を所定の間隔でサンプリングし、当該電流値を積分することで二次電池200の充電量を算出する。充放電制御部101は、算出した充電量から二次電池200の充電率を求め、充電率が60%に達した時点で充電停止の指示を交流直流変換部150に出力し、二次電池200を待機状態とする(第一の待機工程)。
その後、充放電時間算出部103は、第一の待機工程の時間内において、昼間時間帯の開始時刻の8時に二次電池200を満充電状態とするために要する時間t2を算出する。そして、充放電制御部101は、昼間時間帯の開始時刻の8時より充放電時間算出部103が算出した時間t2だけ遡った時刻T2から二次電池200の充電を開始させる(第二の充電工程)。
続いて、充放電制御部101は、予め設定されたピークカット時間帯の開始時刻P1まで、二次電池200を満充電状態に保持する(充電保持工程)。これは、二次電池200を充分な充電状態でピークカット時間帯に臨ませるためである。その後、充放電制御部101は、ピークカット時間帯(時刻P1〜P2)において負荷平準化を行う(ピークカット工程)。
そして、ピークカット時間帯の終了時刻P2において二次電池200の充電量が60%を超えているか否かが判定される。図4の例では、充電量が60%を超過している。この場合、充放電制御部101は、二次電池200を放電させる(第二の放電工程)。この放電と共に、電流・電圧計130が測定する電流値を所定の間隔でサンプリングし、当該電流値を積分することで、二次電池200の放電量を算出する。更に、充放電制御部101は、記憶部102に記憶されている満充電容量から算出した放電量を差し引いて、二次電池200の充電量(残容量)を算出する。充放電制御部101は、算出した充電量から二次電池200の充電率を求め、充電率が60%に達した時点で放電停止の指示を交流直流変換部150に出力し、二次電池200を待機状態とする(第二の待機工程)。尚、第二の放電工程において放電された電力は、負荷3に供給される。
一方、ピークカット時間帯の終了時刻P2において二次電池200の充電量が60%以下である場合、充放電制御部101は二次電池200の充放電を行わず(つまり、第二の放電工程を行わず)、充電量をそのまま保持する(第二の待機工程)。
しかる後、上述したように、充放電時間算出部103は、昼間時間帯の第二の待機工程において、夜間時間帯の開始時刻の22時に二次電池200を完全放電状態とするために要する時間t1を算出する。そして、充放電制御部101は、夜間時間帯の開始時刻22時より充放電時間算出部103が算出した時間t1だけ遡った時刻T1から二次電池200の放電を開始させ、22時には完全放電の状態とする(第一の放電工程)。
<時間t1、t2の決定方法>
図3及び図4を用いて説明したように、充放電時間算出部103は、夜間時間帯の開始時刻である22時に二次電池200を完全放電状態とするために要する時間t1と、昼間時間帯の開始時刻である8時に二次電池200を満充電状態とするために要する時間t2とを算出する。各時間の算出方法として(1)一定電流で充放電を行う場合、(2)一定電力で充放電を行う場合についてそれぞれ説明する。
(1)一定電流で充放電を行う場合
時間t1及びt2は、二次電池200の放電レートを用いて算出することができる。例えば、二次電池200の放電レートが0.2C(1時間で充電率20%まで充放電できる)の場合、第一の放電工程では60%放電するため、放電には3時間を要することになる。従って、時間t1=3時間であり、充放電制御部101は22時の3時間前の19時に第一の放電工程を開始させる。
また、第二の充電工程では40%充電するため、充電には2時間を要することになる。従って、時間t2=2時間であり、充放電制御部101は8時の2時間前の6時に第二の充電工程を開始させる。
(2)一定電力で充放電を行う場合
一定電力で充放電を行う場合、二次電池200の温度や劣化状態(内部抵抗)によって充放電に要する時間が変化する。そこで、充放電時間記憶部104が過去の充放電時間を記憶し、充放電制御部101が次回の充放電時間を予測することで時間t1及びt2を決定する。
図5は、充放電時間記憶部104のデータ構成の一例を示した図である。充放電時間記憶部104は、第一の放電工程に要した時間t1と第二の充電工程に要した時間t2について、例えば3日前までのデータを記憶する。第一の放電工程に要した時間t1に着目すると、一日ごとに0.1時間ずつ短くなっている。従って、充放電制御部101は、次の第一の放電工程は1日前の時間t1より0.1時間短い時間で終了すると予測し、時間t1=2.7時間−α(αは制御マージン)とする。従って、充放電制御部101は、22時から2.7時間−αだけ遡った時刻から第一の放電工程を開始させる。
そして、計時部105は、第一の放電工程に要した時間を計測し、制御部100は実際に要した時間を記憶部104に更新して記憶させる。
また、第二の充電工程に着目すると、一日ごとに0.1時間ずつ長くなっている。従って、充放電制御部101は、次の第二の充電工程は1日前の時間t2より0.1時間長く要すると予測し、時間t2=2.3時間+αとする。従って、充放電制御部101は、8時から2.3時間+αだけ遡った時刻から第二の充電工程を開始させる。
そして、計時部105は、第二の充電工程に要した時間を計測し、制御部100は実際に要した時間を記憶部104に更新して記憶させる。
このように、充放電制御部101は、充放電時間記憶部104に記憶された過去の時間t1及びt2の変化の仕方から、次の第一の放電工程に要する時間t1、第二の充電工程に要する時間t2を予測して、時刻T1及びT2を決定する。こうすることで、充放電制御部101は、夜間時間帯の開始時間に完全放電の状態とし、昼間時間帯の開始時間に満充電状態とする制御を正確に行うことができる。
1 電力貯蔵装置
2 外部電源
3 負荷
100 制御部
101 充放電制御部
102 特性記憶部
103 充放電時間算出部
104 充放電時間記憶部
105 計時部
130 電流・電圧計
150 交流直流変換部
160 連系リアクトル160
200 二次電池

Claims (11)

  1. 外部電源から供給される電力を蓄える二次電池を備え、当該二次電池に蓄えられた電力を用いて負荷平準化を行う電力貯蔵装置であって、
    前記二次電池の充放電を制御する制御手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記二次電池の充放電を停止させて保持する待機状態の制御を実行し、前記待機状態における充電量を、電池劣化の少ない充電量として予め定められた待機充電量に設定する電力貯蔵装置。
  2. 第一の電気料金単価で電力が供給される第一の時間帯と、前記第一の電気料金単価よりも安価な第二の電気料金単価で電力が供給される第二の時間帯とが設定されている場合において、
    前記制御手段は、
    前記第二の時間帯の開始時刻において前記二次電池が所定の放電状態となるように前記第一の時間帯内で前記二次電池を放電させる第一の放電工程、
    前記第二の時間帯の開始時刻から前記二次電池を充電させる第一の充電工程、
    前記第一の充電工程において前記二次電池の充電量が前記待機充電量に達した時点で当該充電を停止させると共に当該二次電池を前記待機状態とする第一の待機工程、
    第一の時間帯の開始時刻において前記二次電池が所定の充電状態となるように前記第二の時間帯内に前記二次電池を充電する第二の充電工程、
    の順序で前記二次電池の充放電を制御する請求項1に記載の電力貯蔵装置。
  3. 前記所定の放電状態は完全放電状態であり、
    前記所定の充電状態は満充電状態である、請求項2に記載の電力貯蔵装置。
  4. 前記第一の時間帯が昼間時間帯であり、
    前記第二の時間帯が夜間時間帯である、請求項2及び3に記載の電力貯蔵装置。
  5. 前記制御手段は、前記第二の充電工程の後に、
    前記第一の時間帯の開始時刻から前記二次電池を放電させる第二の放電工程、
    前記第二の放電工程において前記二次電池の充電量が前記待機充電量に達した時点で当該放電を停止させると共に当該二次電池を前記待機状態とする第二の待機工程、
    の順序で前記二次電池の充放電を制御する請求項2〜4の何れか一項に記載の電力貯蔵装置。
  6. 前記制御手段は、前記第二の充電工程の後に、
    予め定められたピークカット時間帯に負荷平準化を行わせるピークカット工程、
    前記ピークカット時間帯の終了時刻における前記二次電池の充電量が前記待機充電量より多いとき、前記ピークカット時間帯の終了時刻から前記二次電池を放電させる第二の放電工程、
    前記第二の放電工程において前記二次電池の充電量が前記待機充電量に達した時点で当該放電を停止させると共に当該二次電池を待機状態とする第二の待機工程、
    の順序で前記二次電池の充放電を制御する請求項2〜4の何れか一項に記載の電力貯蔵装置。
  7. 前記制御手段は、
    前記第一の時間帯の開始時刻から当該第一の時間帯内における予め定められたピークカット時間帯の開始時刻まで前記二次電池を所定の充電状態で保持させる充電保持工程を更に含む請求項6に記載の電力貯蔵装置。
  8. 前記所定の充電状態は満充電状態である、請求項7に記載の電力貯蔵装置。
  9. 充電のための期間として割り当てられている第三の時間帯と、放電のための期間として割り当てられている第四の時間帯とが設定されている場合において、
    前記制御手段は、
    前記第四の時間帯の開始時刻から前記二次電池を放電させる第三の放電工程、
    前記第三の放電工程において前記二次電池の充電量が前記待機充電量に達した時点で当該放電を停止させると共に当該二次電池を前記待機状態とする第三の待機工程、
    第三の時間帯の開始時刻において前記二次電池が所定の放電状態となるように前記第四の時間帯内に前記二次電池を放電する第四の放電工程、
    の順序で前記二次電池の充放電を制御する請求項1に記載の電力貯蔵装置。
  10. 予め定められた電流値をもって前記二次電池の充放電を行う場合に前記各工程における充放電にかかる時間を算出する算出手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記算出手段が算出した充放電にかかる時間分だけ遡って前記各工程を開始させる請求項2〜9の何れか一項に記載の電力貯蔵装置。
  11. 予め定められた電力値を持って前記二次電池の充放電を行う場合に前記各工程における充放電にかかる時間を算出する算出手段と、
    過去に前記各工程における充放電で実際にかかった所要時間を記憶する記憶手段と、
    を更に備え、前記算出手段は、前記記憶手段が記憶する過去に前記所要時間に基づいて前記各工程における充放電にかかる時間を予測して算出し、前記制御手段は、前記算出手段が算出した充放電にかかる時間分だけ遡って前記各工程を開始させる請求項2〜9の何れか一項に記載の電力貯蔵装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101633754B1 (ko) * 2016-01-11 2016-06-28 에디슨솔라이텍(주) 무정전 기능을 갖는 부하 평준화용 전력 저장 시스템
KR101649815B1 (ko) * 2015-02-24 2016-08-19 엘에스산전 주식회사 배터리 관리 시스템 및 방법
JP2018170901A (ja) * 2017-03-30 2018-11-01 株式会社ダイヘン 電力システム
EP3207585B2 (de) 2014-10-13 2021-11-03 ThyssenKrupp Marine Systems GmbH Verfahren zum betrieb eines stromnetzes, insbesondere eines stromnetzes eines wasserfahrzeugs

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