JP2014010952A - 蓄電装置 - Google Patents

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Kenji Ueda
賢治 上田
Hirohito Matsui
啓仁 松井
Ryuichiro Shinkai
竜一郎 新開
Koji Miura
功嗣 三浦
Kohei Yamaguchi
耕平 山口
Masayuki Takeuchi
雅之 竹内
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Abstract

【課題】電池セル(蓄電素子)の熱を効率よく熱交換できる蓄電装置を提供する。
【解決手段】蓄電装置(10)は、所定の間隔を設けて積層配置され、各々の電極が直列接続される複数の蓄電素子(1)と、板状の主部と前記主部の一端側で曲折して設けられる副部とを有し、積層配置された前記複数の蓄電素子の積層方向両端及び隣り合う蓄電素子間にて前記主部が前記蓄電素子表面に当接するように配置される複数の熱伝導板(2)と、前記各熱伝導板の前記副部に当接するように配置され、前記各熱伝導板との間で熱交換可能に構成される熱交換部材(3)とを備える蓄電装置において、前記各熱伝導板は、前記主部の他端側に設けられ、隣り合う熱伝導板どうしを連結させる連結部を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、蓄電装置に関する。
電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)やプラグインハイブリッド車(PHV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)に積載されるバッテリには、従来のハイブリッド車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)より多くの容量で、且つ長寿命であることが求められる。また、車室空間は従来と同等に確保するため、バッテリはエネルギー密度が高く、寿命も長いリチウムイオン電池が用いられる。
これらの車両では、電気負荷が大きく、一般的にバッテリの発熱量も大きい。そのため、これを冷却するための提案がなされてきた。
特許文献1には、角型に形成された個々の電池セルを、伝熱プレートで仕切られた空間に収め、伝熱プレートに直交するように設けた熱交換部に冷却水を循環させることにより電池セルを冷却する構造が開示されている。
特開平8−148187号公報
しかしながら、リチウムイオン電池のセルを角型に形成する場合、巻回した電極体を筐体に納めるため、面積が広く、強度の弱いセル積層面が太鼓状になり、厚み寸法のバラツキが生じる。このため、従来のように所定間隔で積層配置された伝熱プレート間にセルを挿入する構造では、セルの寸法バラツキを吸収できず、伝熱プレートとセルの密着が不十分となり、効率よく熱を逃がすことはできない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、効率よく電池セルを冷却することができる蓄電装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、所定の間隔を設けて積層配置され、各々の電極が直列接続される複数の蓄電素子と、板状の主部と前記主部の一端側で曲折して設けられる副部とを有し、積層配置された前記複数の蓄電素子の積層方向両端及び隣り合う蓄電素子間にて前記主部が前記蓄電素子表面に当接するように配置される複数の熱伝導板と、前記各熱伝導板の前記副部に当接するように配置され、前記各熱伝導板との間で熱交換可能に構成される熱交換部材とを備える蓄電装置において、前記各熱伝導板は、前記主部の他端側に設けられ、隣り合う熱伝導板どうしを連結させる連結部を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、隣り合う熱伝導板どうしが連結部によって連結されるので、熱伝導板の弾性力により、蓄電素子が両側の熱伝導板の主部を介して押圧挟持され、伝熱経路が確保される。また、熱伝導板どうしを連結する連結部が主部の他端側に設けられているので、熱伝導板の弾性力により、蓄電素子が連結部を介して熱交換部材側へ押圧されて副部に当接し、別の伝熱経路が確保される。よって、蓄電素子に発生した熱を効率よく熱交換部材に伝えることが可能となる。また、蓄電素子の性能が高く発揮される温度に保つことが容易となり、ひいては蓄電素子の寿命を延ばすことができるという効果を奏する。
第1の実施形態の蓄電装置の側面図である。 第1の実施形態の熱伝導板の正面図(a)と概略図(b)である。 冷却水の循環を示す概略図である。 絶縁部材の概略図である。 第1の実施形態の組立方法を示す模式図である。 力のはたらき方を示す模式図である。 実験方法を説明する模式図である。 電池セルの正面図とA−A断面図である。 実験結果を示すグラフである。 第2の実施形態の熱伝導板の概略図(a)と蓄電装置の側面図(b)である。 変形例を示す概略図である。 別の変形例の熱伝導板の正面図(a)と概略図(b)である。
以下、本発明の蓄電装置の具体的な各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
<第1の実施形態>
(構成)
本発明の第1の実施形態の蓄電装置の構成について、図1〜図4を参照しつつ説明する。本実施形態に係る蓄電装置10は、図1に示すように、複数の電池セル1と、個々の電池セル1を取り囲むように設けられた熱伝導板2と、熱交換器3と、絶縁部材4とからなる。
電池セル1は、よく知られたリチウムイオン電池であり、隣接する電池セル1の正極、負極の位置は交互に異なるものとされ、短いバスバー(不図示)で直列接続されて集合型の組電池として構成される。組電池は、電気自動車等において、車両用駆動モータ等の電源となるものである。図1では電池セル1は5個であるが、必要な電圧に応じて所定数を結合するものとする。
なお、各図では、熱伝導板2を強調して、寸法関係は無視して描いてある。本実施形態では、図1で、電池セル1の上下方向が92mm、左右方向(連結方向)が13.5mmに対し、熱伝導板の厚さは3mmであった。電池セル1の奥行き方向は111mmであった。
また、一般に、このように電池セルを横に並べて直列接続することを、積層する、といったり、その構造を積層構造と呼んだりするが、電池セル内の電極素子の積層構造とまぎらわしいため、説明では、「連結」、「結合」等の他の言葉を用いて表現する。
熱伝導板2は、図2に示すように、電池セル1表面に当接するように配置される板状の主部2aと、主部2aの一端側で曲折して設けられる副部2bと、主部2aの他端側に副部2bとは異なる向きに突出して設けられる連結部2cを備えている。さらに主部2aは、電池セル1の奥行き寸法より外側に位置する部分に、位置決め用の通し穴2fを4個有し、連結部2cは、係合用の長方形の穴2dと、係合用の突起部2eを有している。材質はアルミ製であり、熱伝導性のよいA1100を用いて、プレス成形にて一体に形成した。
熱伝導板2は、電池セル1の熱を熱交換器3に伝える作用を有するものであり、図1とから明らかなように、一方の電池セル1の上面と、もっとも面積の大きな側面とに、絶縁部材4を介して接し、他方の電池セル1の下面と、もっとも面積の大きな側面とに、絶縁部材4を介して接する。言い換えると、連結方向の両端部を除いて、一つの熱伝導板2は2つの電池セル1に共有されている。すなわち、1つの電池セル1は、2つの熱伝導板2に4つの面を囲まれる。
図1に示すように、連結方向の両端部の2つの熱伝導板2は、ボルト6等により熱交換器3に固定される。両端部の熱伝導板2は、副部2bに取付用の穴を設けたり、主部2aの下端付近に別途取付脚を設けたりした、異なった形状のものとする。両端部を除いた中間部の熱伝導板2は、同形状のもので構成できる。図1では、5個の電池セル1を連結しているが、計6個の熱伝導板2を使用し、うち4個は同型である。すなわち、3個以上のN個の電池セル1が連結されるとき、熱伝導板の総数は(N+1)個であり、そのうち、(N−1)個は同型とすることができるため、組立は容易である。
熱交換器3は、図3に示すように、別に設けたラジエータ5から冷却水を循環させ、熱交換を行う。熱交換器3は、内部に冷却配管を蛇行させて配置したり、冷却配管中に多数の穴が開けられたパンチングメタルを設けたりして、冷却水との接触面積を多くしたものである。電池セル1より発生した熱は、熱伝導板2を通り、熱交換器3で冷却水に伝わり、ラジエータ5で外気により冷却される。
絶縁部材4は、たとえば、図4に示すような形状でよく、電池セル1が熱伝導板2に接する4つの面に設けられ、電池セル1と熱伝導板2とを電気的に絶縁する。材質については特に限定しない。ゴム製の絶縁部材や、不織布系のものやスポンジ等、絶縁性が確保でき、耐熱上の問題がなければ利用できる。熱伝導の観点からは、絶縁部材は薄い方がよいため、極力薄いもので、絶縁性が確保できるような部材を選定する。
(組立方法)
図5に基づいて組立方法について述べる。まず、連結方向端部となる熱伝導板21をボルト6により熱交換器に固定する。つぎに絶縁部材4を装着したセル11を熱伝導板21の底部に載せる。別の熱伝導板22の突起部2eを、熱伝導板21の穴2dに通し係合させる。
熱伝導板22は電池セル1と絶縁部材4との合計寸法より、わずかに小さな寸法とし組立状態で両者を押圧する寸法関係を有している。したがって、突起部2eを別の熱伝導板の穴2dに通して係合させた状態では、熱伝導板22は反力を受け、底部が浮き上がった状態となる。そこで、組付治具7としてボルトを用いて、熱伝導板21、22のそれぞれ4個ある通し穴2fで、仮固定していく。
熱伝導板22は、電池セル11を下方に押し下げることで、絶縁部材4を通して反力を受けるとともに、電池セル11は下方向に押圧される。同時に電池セル1の連結方向には、絶縁部材4を通して反力を受けるとともに熱伝導板21と熱伝導板22とは互いに引き合う力が働き、電池セル11は連結方向に押圧される。熱伝導板21、22と電池セル11とは垂直方向、および連結方向の両方に密着でき、且つ、熱伝導板21の電池セル11の下方の部分を熱交換器3に押圧することができる。
同様に、絶縁部材4を装着した電池セル12を、熱伝導板22の底部に載せ、別の熱伝導板23の突起部2eを、熱伝導板22の穴2dに通し、係合させる。組付治具7を通し穴2fで仮固定する。熱伝導板23は、電池セル12を下方に押し下げることで、絶縁部材4を通して反力を受けるとともに、セル12は下方向に押圧される。このとき、熱伝導板22は、個別にボルト等で固定することなく、熱交換器3方向に押圧され、密着する。
以上のことを順次くり返すことにより、複数の電池セル1を同時に垂直方向と連結方向とに押圧し、熱伝導板2とすき間なく密着させることができる。熱伝導板2は熱交換器3に押圧固定される。すべての電池セル1をセットし終えた後、端部には固定用の取付穴を有した熱伝導板2を係合させ、熱交換器3にボルト6で固定し、組付治具7を取り去り、図1に示した形になる。ボルト6等による固定は両端部の熱伝導板2だけでよく、中間部の熱伝導板2を特別に固定する必要がないため、組立工数を少なくすることができる。
(作用)
図6に模式的に示したように、電池セル1は熱伝導板2により、垂直方向と連結方向とに力を受ける。また、熱伝導板2は熱交換器に取り付けられているから、電池セル1は、熱交換器3の方向に押圧されているということができる。
これは以下の様な実験の結果によるものである。電池セル1を用意し、2つの熱伝導板で挟んだときの電池セル1の位置と電極素子の温度との関係、および水平方向と、垂直方向の荷重と電極素子の温度との関係を調べた。
図7(a)は断熱部材4を装着し、図中に示した伝熱経路Aと伝熱経路Bが確保されるよう設定したものである。伝熱経路Aとは、熱伝導板により発熱部の熱が熱交換器に導かれる経路である。伝熱経路Bとは、発熱部の熱が電池セル1の筐体を通じて熱伝導板の底部に導かれる経路である。
これに対して図7(b)では、伝熱経路Aのみが確保されるよう設定されている。具体的には、目視により、電池セル1と熱伝導板の底部との間にすき間が形成されるよう電池セル1を固定した。
このような比較は、電池セル1の構造を考察したことによるものである。電池セル1は、リチウムイオン電池であり、図8に示すように、内部の電極素子は積層構造を有している。すなわち、電流容量を向上させるため、一対の活物質を塗布された正極及び負極がシート状に形成され、同じくシート状に形成されたセパレータを介して、渦巻き状に巻き回されて接着された状態で、ケース内に納められている。本実施例のように角型のリチウムイオン電池の場合、接着剤の乾燥、硬化時には荷重をかけながら真空乾燥を行うが、精密な寸法が得られるものではない。ケースは厚さ0.5mm程度のアルミ缶であるため、内容物により、図8のA−A断面図での左右方向、図1等での連結方向の面の形状は、中凸の太鼓状となる。したがって、外形寸法や形状は個々の電池セルにおいてばらつくことになる。熱伝導板を所定間隔に形成した後、電池セルを挿入する構造では、このようなばらつきを吸収しきれず、熱伝導板と電池セルが密着していない場合があることがわかった。
図9(a)のグラフは、電池セル1の下端にすき間がある場合と、ない場合、および連結方向の押圧力を振った場合の2つの結果を示す。この結果から2つのことがわかる。1つ目は、電池セル1の下端にすき間があると電極素子の温度が高いということである。グラフ中で、白丸でプロットした伝熱経路がAのみの場合の電極素子温度は、黒丸でプロットした伝熱経路がA+Bの場合に比べ、高い温度を示している。
2つ目は、垂直方向に比べて水平方向の押圧力は、垂直方向のすき間の有無にかかわらず、電極素子温度への影響が小さいことである。グラフ中の白丸および黒丸は、連結方向の押圧力の変化に対してほとんど変化しない。このことは、電池セルの連結方向の押圧力は、振動等に対する強度を維持するための押圧力でよいことを意味する。なお、電池セルと熱伝導板にすき間がある場合は、温度が上昇することがわかっている。
図9(b)は電池セル下端にすき間がない場合、すなわち、伝熱経路Aと伝熱経路Bとが確保されている場合において、電池セルに垂直方向の押圧力を与えて、値を変化させた場合の結果を示す。このグラフから、垂直方向の押圧力と電極素子温度は相関関係があり、押圧力が高いほど電極素子温度が低いことがわかる。少なくとも垂直方向に押圧される構造とすれば、効率よく冷却できることを意味する。ここでは、少なくとも熱交換器方向に押圧されていればよいこととする。押圧の上限については、電池セル1の仕様等に応じて余裕をもった値を適宜定めるものとする。
図9(a)、(b)で押圧力に対する結果が異なる理由については、接触面積の違いによるものと推察できる。単純に投影面積だけで比較すると、両者の比は13倍以上である((熱伝導板(2個)と接する側面の面積)/(電池セル下面の面積)=(111×92×2)/(111×13.5)=13.6)。
以上のような実験結果を元に、本実施形態では、あらかじめ枠体と伝熱板等により一体の容器を構成するのではなく、電池セル1と熱伝導板2とを1つずつ係合させて連結方向に組み上げる構造として、各電池セル1が確実に連結方向および垂直方向(熱交換器方向)に押圧される構造とした。
以上、詳述したことから明らかなように、本実施形態によれば、蓄電装置10は、所定の間隔を設けて積層配置され、各々の電極が直列接続される複数の電池セル(蓄電素子)1と、板状の主部2aと主部2aの一端側で曲折して設けられる副部2bとを有し、積層配置された複数の電池セル1の積層方向両端及び隣り合う電池セル1間にて主部2aが電池セル1の表面に当接するように配置される複数の熱伝導板2と、各熱伝導板2の副部2bに当接するように配置され、各熱伝導板2との間で熱交換可能に構成される熱交換器(熱交換部材)3とを備えた蓄電装置であって、各熱伝導板2は、主部2aの他端側に設けられ、隣り合う熱伝導板どうしを連結させる連結部2cを備えている。
これにより、電池セル1が両側の熱伝導板の主部2aを介して押圧挟持され、伝熱経路が確保される。また、熱伝導板2どうしを連結する連結部2cが主部2aの他端側に設けられているので、熱伝導板2の弾性力により、電池セル1が連結部2cを介して熱交換器3側へ押圧されて副部2bに当接し、別の伝熱経路が確保される。よって、電池セル1に発生した熱を効率よく熱交換器3に伝えることが可能となる。また、電池セル1の性能が高く発揮される温度に保つことが容易となり、ひいては電池セル1の寿命を延ばすことが可能となる。
また、連結部2cは、係合穴2dと、前記積層方向に突設された係合突起2eとを有し、一の熱伝導板の係合突起が、隣り合う他の熱伝導板の係合穴に係合することにより、隣り合う熱伝導板どうしを連結させる。
これにより、隣り合う熱伝導板どうしは、ねじの締結等を行うことなく少ない工数で、電池セル1に弾性力を与えつつ固定されるよう構成できる。また、熱伝導板は、板状の材料から一体のものとして形成できる。
また、電池セル1を角型とし、互いに最も面積の大きい面が対向するよう並んで配置される。これにより、蓄電装置全体のスペース効率が向上した。
<第2の実施形態>
図10(a)に示すように、熱伝導板には穴ではなく、4箇所の凹部(溝部)2gを設け、図10(b)に示すように組付治具7として、ボルトではなく角型の棒を用いて位置決めをしてもよい。なお、第1の実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
<変形例>
各実施形態では、両端部の熱伝導板2を直接、熱交換器3に固定したが、図11に示すように、熱交換器を伝熱プレート8を有する熱交換部材3とし、電池セル1と熱伝導板2とを、いったん伝熱プレート8に固定し、アッセンブリとしてから伝熱プレート8を熱交換器に固定するようにしてもよい。こうすることにより熱交換器3に1つずつ電池セル1等を配置していく必要がなくなる。
伝熱プレート8を使用しない場合、熱交換器3を車両に設置した後、電池セル1等を1つずつ取り付ける方法があるが、周囲に他の構造物があるため作業性が悪い。また、熱交換器3に電池セル1等を取り付けた後で、車両に設置する方法では、大型で重いユニットとなるため、作業性が悪くなる。また、設置時に電池セル1を傷つける可能性や、熱交換器3の配管の接続時に電池セル1を傷つける可能性がある。
電池セル1と熱伝導板2とを、いったん伝熱プレート8に固定し、アッセンブリとしてから熱交換器3に固定することにより、電池セル1と熱伝導板2とを1つずつ係合させて連結方向に組み上げる作業がしやすくなり、また電池セル1を傷つける可能性が減少する。
本変形例によれば、蓄電装置10は、所定の間隔を設けて積層配置され、熱交換部材3は、伝熱プレート8を有する。これにより、電池セル1を、蓄電装置の車両への取付方法や、蓄電装置自体の組立工程に関して、車両の構造や、熱交換器の大きさ、電池セルの数等の条件に応じた、種々の工程設定が可能となり効率的な生産が可能となる。
<その他の変形例>
本発明は上述した実施形態等に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能であることは云うまでもない。また、各実施例や変形例は種々の組み合わせが可能である。
絶縁部材4を使用したが、各電池セル1のアルミ製の容器表面に、絶縁塗装を施したり、樹脂のインサート成形として絶縁層が形成されたものであれば、絶縁部材4を省略した構成も可能である。
実施形態では冷却水としたが、エチレングリコール等の不凍液を水で希釈して凍結を防止したものや、オイル等であってもよい。
また、ラジエータを用いて冷却水を循環させるのではなく、エアーコンディショナーと同様に、コンプレッサやコンデンサを設け、熱交換器に冷媒を循環させるようにしてもよい。この場合、熱交換器はエバポレータとして機能することになり、冷媒は液化された状態で熱交換器に入り、内部で循環する過程で沸騰して気化することにより、熱交換が行われる。つづいて、コンプレッサで圧縮されコンデンサで再び液化され循環する。
ラジエータ等の冷却系統は、インバータや昇圧回路を内蔵するパワーコントロールユニットや、モータ等の他のユニットの冷却系統と兼ねたものであってもよい。
実施形態では、主に走行中や駐車して充電中の蓄電池を冷却するものとして説明したが、本発明の構成では、寒冷地での駐車時や、充電を兼ねた駐車時のような場合において、別途加熱手段により冷却水の温度を維持し、蓄電池を低温による性能低下等の不都合から避けるよう、電池セル1の性能が高く発揮される温度、たとえば10〜40℃になるよう保温するようにしてもよい。なお、この場合、熱の流れる方向は図1等とは正反対となるが、たとえば配管途中に加熱手段を設け、弁によりラジエータ5への循環を行わないよう配管を閉じて循環させればよい。また、より発熱量の高い他のユニットのラジエータから温度の高い冷却水を導入して循環させてもよい。
熱交換器3は水冷としたが、蓄電池からの熱伝導の高い構成であるから、発熱の少ないタイプの蓄電池を用いた場合等では、熱交換装置は空冷のものであってもよい。
また、電池セル1の垂直方向への押圧に関して、確実に押圧できるよう、図12に示すように熱伝導板2の連結部2cの電池セル上部に当接する部分に、ドーム状や、断面が三角状等の凸部2hを設け加圧できるようにしてもよい。
熱伝導板2はアルミ材のA1100としたが、その他のアルミ材や、銅やその他熱伝導性のよい材料が利用できる。
電池セル1はリチウムイオン電池としたが、ニッケル水素電池等にも適用が可能である。
1、11、12 電池セル(蓄電素子)
2、21、22、23 熱伝導板
2a 主部
2b 副部
2c 連結部
3 熱交換器(熱交換部材)
10 蓄電装置

Claims (9)

  1. 所定の間隔を設けて積層配置され、各々の電極が直列接続される複数の蓄電素子(1)と、
    板状の主部(2a)と前記主部の一端側で曲折して設けられる副部(2b)とを有し、積層配置された前記複数の蓄電素子の積層方向両端及び隣り合う蓄電素子間にて前記主部が前記蓄電素子表面に当接するように配置される複数の熱伝導板(2)と、
    前記各熱伝導板の前記副部に当接するように配置され、前記各熱伝導板との間で熱交換可能に構成される熱交換部材(3)とを備える蓄電装置(10)において、
    前記各熱伝導板は、前記主部の他端側に設けられ、隣り合う熱伝導板どうしを連結させる連結部(2c)を備えたことを特徴とする蓄電装置。
  2. 前記連結部(2c)は、係合穴(2d)と、前記積層方向に突設された係合突起(2e)とを有し、一の熱伝導板の係合突起が、隣り合う他の熱伝導板の係合穴に係合することにより、隣り合う熱伝導板どうしを連結させることを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
  3. 前記蓄電素子は角型に形成され、互いに最も面積の大きい面が対向するよう並んで配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄電装置。
  4. 前記熱交換部材は、伝熱プレート(8)を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の蓄電装置。
  5. 前記蓄電素子と前記熱伝導板との間に絶縁性部材(4)が介在することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の蓄電装置。
  6. 前記蓄電素子は表面に絶縁性部材を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の蓄電装置。
  7. 複数並んだ前記蓄電素子の積層方向の両端部の熱伝導板は前記熱交換部材に固定されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の蓄電装置。
  8. 前記蓄電素子は少なくとも2つの熱伝導板にて挟持されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の蓄電装置。
  9. 3個以上のN個の蓄電素子が積層されるとき、熱伝導板の総数は(N+1)個であり、そのうち、2個以上(N−1)個以下の熱伝導板は同型であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の蓄電装置。
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