JP2014010038A - 生体試料のためのリチウムイオン濃度測定キットおよびそれを用いた生体試料中のリチウムイオン濃度の測定方法 - Google Patents

生体試料のためのリチウムイオン濃度測定キットおよびそれを用いた生体試料中のリチウムイオン濃度の測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 オクタブロモポルフィリンを用いるリチウムイオン濃度測定キットにおいて、共存し得る亜鉛イオンの影響なく測定誤差が抑えられたリチウムイオン濃度測定キットおよびリチウムイオン濃度測定方法を提供すること。
【解決手段】 生体試料のためのリチウムイオン濃度測定キットおよびそれを用いた生体試料中のリチウムイオン濃度の測定方法を開示する。本発明の生体試料のためのリチウムイオン濃度測定キットは、オクタブロモポルフィリンを含有する発色液と、界面活性剤とを含有する。本発明のキットによれば、オクタブロモポルフィリンを用いて生体試料中のリチウムイオンを測定する際の懸案であった、共存する亜鉛イオンによる測定誤差を抑え、かつ当該測定自体の汎用性を高めることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、生体試料のためのリチウムイオン濃度測定キットおよびそれを用いた生体試料中のリチウムイオン濃度の測定方法に関する。
炭酸リチウム、クエン酸リチウム等のリチウム塩は躁うつ病(両極性障害)に有効な治療薬として知られている。リチウム塩は、躁うつ患者が服用すると、約70%の患者で気分の変調傾向を抑える働きを示す。しかし、リチウム塩の治療濃度域(0.4〜1.2mmol/L)と中毒域(1.5mmol/L以上)は非常に近く、過剰投与された場合、リチウム中毒に陥ることがある。適正なリチウム血中濃度が保たれる必要がある。リチウム中毒には、ふるえ、軽い筋肉のけいれん、吐き気、嘔吐、下痢、のどの渇き、多尿、体重増加といった症例がある。また、稀ではあるが、長期使用により腎機能に影響を及ぼすことがある。さらに、血液中のリチウム濃度が非常に高くなると、慢性的な頭痛、錯乱、眠気、発作、不整脈が起こることがある。しかも、投与対象が妊娠した女性である場合、発達中の胎児に心臓の異常を引き起こすこともある。
このように、躁うつ病患者の血中のリチウムイオン濃度を測定することは非常に重要である。しかし、血中のリチウムイオンの測定は、原子吸光法または専用機による比色測定が主流であり、汎用性があるものとはいえない。
一方で、オクタブロモポルフィリンは生体試料中のリチウムイオンを測定するためのキレート化合物として有用であることが知られている(非特許文献1)。
しかし、オクタブロモポルフィリンを用いて生体試料中のリチウムイオンを測定する際、不純物として共存する亜鉛イオンの影響を受けて測定誤差が生じやすいという問題がある。
したがって、当該測定の汎用性を高めるために、汎用生化学自動分析装置に適用可能な、オクタブロモポルフィリンを用いるリチウムイオン濃度測定キットにおいて亜鉛イオンの影響を抑えた新たなキットの提供が所望されている。
日本分析化学会年会講演要旨集 55巻 255頁
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、オクタブロモポルフィリンを用いるリチウムイオン濃度測定キットにおいて、共存し得る亜鉛イオンの影響なく測定誤差が抑えられたリチウムイオン濃度測定キットおよびリチウムイオン濃度測定方法を提供することにある。
本発明者らは、オクタブロモポルフィリンを用いるリチウムイオン濃度測定キットにおいて、界面活性剤をさらに含むことにより、亜鉛イオンの影響を抑制できることを見いだした。
本発明は、オクタブロモポルフィリンを含有する発色液と界面活性剤とを含む、生体試料のためのリチウムイオン濃度測定キットである。
1つの実施態様では、本発明のリチウムイオン濃度測定キットは、さらに生体試料を希釈するための希釈液を含む。
1つの実施態様では、上記界面活性剤は上記発色液中に含有されている。
1つの実施態様では、上記界面活性剤は上記希釈液中に含有されている。
1つの実施態様では、上記界面活性剤は非イオン性界面活性剤である。
さらなる実施態様では、上記非イオン性界面活性剤は、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテル、ポリエチレングリコールラウリルエーテルおよびジエチレングリコールモノヘキサデシルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種である。
本発明はまた、生体試料中のリチウムイオン濃度を測定するための方法であって:
生体試料を、界面活性剤の存在下にて発色液と混合することにより測定混合液を調製する工程;および
該測定混合液中の該オクタブロモポルフィリンの色調変化の量を測定する工程;
を包含する、方法である。
1つの実施態様では、上記生体試料は、ヒトから採取された、血液、尿、汗、および骨髄液からなる群より選択される試料である。
1つの実施態様では、上記非イオン性界面活性剤は、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテル、ポリエチレングリコールラウリルエーテルおよびジエチレングリコールモノヘキサデシルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種である。
本発明のキットによれば、オクタブロモポルフィリンを用いて生体試料中のリチウムイオンを測定する際の懸案であった、共存する亜鉛イオンによる測定誤差を抑えることができる。さらに測定にあたっては、特殊な測定装置を必要とすることなく、例えば、汎用の生化学自動分析装置を用いてより簡易に、所望のリチウムイオン濃度を測定することができる。
実施例1〜4および比較例1で得られたリチウムイオン濃度測定キットを用いてそれぞれ測定された、試料液中のリチウムイオン濃度の測定誤差(%)を示すグラフであって、試験例1で調製した試料液群に含まれる各亜鉛濃度(μg/dL)と各試料液中のリチウムイオン濃度の測定誤差との関係を示すグラフである。 実施例5〜8および比較例1で得られたリチウムイオン濃度測定キットを用いてそれぞれ測定された、試料液中のリチウムイオン濃度の測定誤差(%)を示すグラフであって、試験例1で調製した試料液群に含まれる各亜鉛濃度(μg/dL)と各試料液中のリチウムイオン濃度の測定誤差との関係を示すグラフである。 実施例9〜12および比較例1で得られたリチウムイオン濃度測定キットを用いてそれぞれ測定された、試料液中のリチウムイオン濃度の測定誤差(%)を示すグラフであって、試験例1で調製した試料液群に含まれる各亜鉛濃度(μg/dL)と各試料液中のリチウムイオン濃度の測定誤差との関係を示すグラフである。 実施例13および比較例1で得られたリチウムイオン濃度測定キットを用いてそれぞれ測定された、試料液中のリチウムイオン濃度の測定誤差(%)を示すグラフであって、試験例2または1で調製した試料液群に含まれる各亜鉛濃度(μg/dL)と各試料液中のリチウムイオン濃度の測定誤差との関係を示すグラフである。
本発明の測定キットは、生体試料中におけるリチウムイオンの濃度を測定する試薬である。
本発明の測定キットにおいて測定対象となる生体試料としては、例えば、血液、尿、汗、骨髄液等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。例えば、躁うつ病患者に対する治療薬(炭酸リチウム)のモニタリングに利用する場合、当該生体試料としては血液である。
本発明の測定キットは発色液を含む。ここで、本明細書中に用いられる用語「発色液」とは、当該発色液中に含まれる有効成分が、混合される生体試料中のリチウムイオンと反応することにより、特定の波長領域で呈色する液を包含していう。
本発明において発色液は、主成分としてオクタブロモポルフィリンを含有する。オクタブロモポルフィリンは、2,3,7,8,12,13,17,18位がそれぞれブロモ化したポルフィリンである。さらに、本発明におけるオクタブロモポルフィリンは、水溶性を示すように特定の官能基で改変または修飾されているものであることが好ましい。このような特定の官能基で改変または修飾されたものとしては、例えば、ポリフィリン骨格の5,10,15,20位にカルボキシル基、アミノ基、スルホ基、スルホナトフェニル基等の官能基の少なくとも1種が導入されたものが挙げられる。本発明において特に有用なオクタブロモポルフィリンとしては、2,3,7,8,12,13,17,18‐オクタブロモ−5,10,15,20−テトラキス(4−スルホナトフェニル)−21H,23H−ポルフィリンが挙げられる。
オクタブロモポルフィリンは、特異的にリチウムに配位する化合物である。オクタブロモポルフィリンは、リチウムに配位することにより色調変化を起こす。この色調変化を測定(比色分析)することにより、生体試料中に含まれるリチウムイオンの濃度を測定することができる。
発色液に含有されるオクタブロモポリフィリンの濃度は、例えば、測定対象の生体試料の種類(例えば、生体試料に含まれるリチウムイオンの濃度範囲)、生体試料の量(例えば、生体試料を後述する希釈液で希釈して測定を行う場合は、希釈倍率および希釈後に使用する生体試料と希釈液の混合液の量)などによって、当業者が適宜選択することができる。
生体試料として血液のリチウムイオン濃度を測定する場合の当該発色液におけるオクタブロモポルフィリンの含有濃度の一例について説明すると、以下の手順を経由して、その濃度が設定される。
まず、生体から採取された、0.9μL〜90μLの血液が希釈液にて、例えば2倍〜210倍に希釈した混合液が調製される。次いで、この得られた混合液0.3μL〜30μLについて、例えば、0.0025g/L〜0.25g/Lのオクタブロモポルフィリンを含有する発色液18μL〜1800μLを使用することができる。
本発明において、発色液は、pH緩衝液、キレート剤(例えば、EDTA)、アルカリ(水酸化ナトリウム)などの他の成分が含まれていてもよい。発色液中のこのような他の成分の濃度もまた当業者によって適宜選択され得る。
本発明の測定キットには、上記発色液以外に、測定対象となる生体試料の種類に応じて、予め生体試料を適切な濃度にまで希釈するための希釈液が含まれていてもよい。
希釈液は、例えば、ナトリウムイオンを含まない緩衝液で構成される。具体的な例としてはトリス−塩酸緩衝液が挙げられる。ナトリウムイオンは、上記オクタブロモポルフィリンと別途反応するおそれがある。このため、生体試料中のリチウムイオン濃度の測定誤差を生じにくくするためにこのような緩衝液を用いることが好ましい。
本発明において、このような希釈液を含む場合、実際の生体試料中のリチウムイオン濃度の測定にあたっては、生体試料は予めこの希釈液と混合され、混合液が調製される。
希釈液による生体試料の希釈倍率および希釈後に使用する生体試料と希釈液の混合液の量は、例えば、生体試料の種類(例えば、当該生体試料に含まれるリチウムイオンの濃度範囲)、生体試料の量、ならびに発色液に含有されるオクタブロモポルフィリンの濃度および発色液の量等によって当業者により適宜選択され得る。より具体的な例を用いて説明すると、例えば、0.9μL〜90μLの血液をこの希釈液により希釈して当該血液中のリチウムイオン濃度を測定する場合であって、例えば、0.0025g/L〜0.25g/Lの上記オクタブロモポルフィリンを含有する発色液18μL〜1800μLを用いる場合、この希釈液による希釈倍率は例えば2倍〜210倍であり、希釈後に使用する生体試料と希釈液の混合液の量は例えば0.3μL〜30μLである。
本発明の測定キットはまた、界面活性剤を含有する。界面活性剤としては、例えば、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、および両性界面活性剤、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。水に溶解してもイオン性を発しないという理由から、非イオン性界面活性剤が好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、以下のもの等を挙げることができる:
(a) ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、またはポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレンエーテル化合物;
(b) グリセリン脂肪酸部分エステル、ソルビタン脂肪酸部分エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、またはショ糖脂肪酸部分エステルなどの多価アルコール部分エステル化合物;
(c) ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル、またはポリオキシエチレン化ひまし油などのポリオキシエチレン化多価アルコール脂肪酸エステル;
(d) 脂肪酸ジエタノールアミド、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、またはトリアルキルアミンオキシドなどのアミドまたはアミン化合物。
あるいは、上記非イオン性界面活性剤のより具体的な例としては、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテル、ポリエチレングリコールラウリルエーテルおよびジエチレングリコールモノヘキサデシルエーテルが挙げられる。このような非イオン性界面活性剤は、それぞれTween(登録商標)20(東京化成工業株式会社製)、Tween(登録商標)80(東京化成工業株式会社製)、Triton(登録商標)X−100(ロシュ・アプライド・サイエンス社製)、BT−9(日光ケミカルズ株式会社製)、Brij(登録商標)35(メルク株式会社製)、Brij(登録商標)52(メルク株式会社製)として市販されている。
本発明の測定キットにおいて、界面活性剤は、上記発色液または希釈液のいずれかまたは両方に含有させてもよい。あるいは、本発明の測定キットは、界面活性剤を予めこのような発色液および希釈液とは分離した状態で構成していてもよい。そのような場合は、使用の際に界面活性剤が発色液または希釈液のいずれかと混合して使用することもできる。
なお、界面活性剤は、生体試料および発色液、必要に応じて希釈液を混合した後の最終濃度が混合した全体量を基準として0.05w/v%〜5w/v%となるように希釈液または発色液に含有、あるいは別途構成させておくことが好ましい。より好ましくは、全体量を基準として0.2w/v%〜1w/v%である。
本発明の測定キットを用いて、生体試料中のリチウムイオン濃度は、例えば以下のようにして測定される。
まず、生体試料を、界面活性剤の存在下にて発色液と混合することにより測定混合液が調製される。
上記にて説明したとおり、1つの実施態様では、生体試料は予め希釈液で希釈した混合液の状態で発色液と混合して測定混合液を調製してもよい。あるいは他の実施態様では、生体試料を、希釈液による希釈を行うことなく、そのまま界面活性剤を含有する発色液と一緒に混合することにより測定混合液を調製してもよい。
次いで、該測定混合液中の該オクタブロモポルフィリンの色調変化の量が測定される。
オクタブロモポルフィリンの色調変化の測定には、汎用の生化学自動分析装置を用いることができる。汎用の生化学自動分析装置は、特に限定されるものではないが、例えば、株式会社日立製作所製の7180型生化学自動分析装置、古野電気株式会社製の生化学自動分析装置CA270およびCA400、株式会社東芝製の120FR型自動分析装置などが挙げられる。オクタブロモポルフィリンの色調変化の測定条件は、オクタブロモポルフィリンに修飾された官能基により変化するが、例えば、オクタブロモポルフィリンが2,3,7,8,12,13,17,18−オクタブロモ−5,10,15,20−テトラキス(4−スルホナトフェニル)−21H,23H‐ポルフィリンである場合、主波長476nmおよび副波長444nmもしくは524nmの測定波長が採用される。
本発明においては、このような測定波長を測定することにより、生体試料内に共存し得る亜鉛イオンによる測定誤差を抑えたまま、当該オクタブロモポルフィリンの色調変化を通じて、生体試料中のリチウムイオン濃度を測定することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
以下の(1)および(2)に従って、リチウムイオン濃度測定キットを調製した。
(1)生体試料の希釈液として、25mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)に非イオン性界面活性剤としてTriton(登録商標)X−100(ロシュ・アプライド・サイエンス社製)を0.5w/v%(希釈液調製後の濃度)含有させた液を調製した。
(2)オクタブロモポルフィリン(2,3,7,8,12,13,17,18−オクタブロモ−5,10,15,20−テトラキス(4−スルホナトフェニル)−21H,23H−ポルフィリン:発色液調製後の濃度20μM)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA:発色液調製後の濃度2.5mM)および水酸化ナトリウム(発色液調製後の濃度0.5N)を精製水にて混合・溶解することにより、発色液を調製した。
これにより、上記(1)の希釈液および(2)発色液で構成される測定キットを得た。なお、この測定キットでは、生体試料10mLを希釈液で10倍に希釈した後、混合液10mLを発色液160mLと混合して測定する態様として各希釈液および発色液を調製した。
(実施例2)
Triton(登録商標)X−100を、希釈液調製後の希釈液中の濃度が0.5w/v%に代えて1.0w/v%となる量で添加したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン濃度測定キットを作製した。
(実施例3)
Triton(登録商標)X−100を、実施例1における希釈液調製後の希釈液中の濃度が0.5w/v%に代えて1.5w/v%となる量で添加したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン濃度測定キットを作製した。
(実施例4)
Triton(登録商標)X−100を、希釈液調製後の希釈液中の濃度が0.5w/v%に代えて2.0w/v%となる量で添加したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン濃度測定キットを作製した。
(実施例5)
Triton(登録商標)X−100の代わりに、非イオン性界面活性剤としてBT−9(日光ケミカルズ株式会社製)を0.5w/v%(希釈液調製後の濃度)含有させた希釈液を調製したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン濃度測定キットを作製した。
(実施例6)
Triton(登録商標)X−100の代わりに、非イオン性界面活性剤としてBT−9(日光ケミカルズ株式会社製)を1.0w/v%(希釈液調製後の濃度)含有させた希釈液を調製したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン濃度測定キットを作製した。
(実施例7)
Triton(登録商標)X−100の代わりに、非イオン性界面活性剤としてBT−9(日光ケミカルズ株式会社製)を1.5w/v%(希釈液調製後の濃度)含有させた希釈液を調製したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン濃度測定キットを作製した。
(実施例8)
Triton(登録商標)X−100の代わりに、非イオン性界面活性剤としてBT−9(日光ケミカルズ株式会社製)を2.0w/v%(希釈液調製後の濃度)含有させた希釈液を調製したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン濃度測定キットを作製した。
(実施例9)
Triton(登録商標)X−100の代わりに、非イオン性界面活性剤としてBrij(登録商標)35(メルク株式会社製)を0.5w/v%(希釈液調製後の濃度)含有させた希釈液を調製したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン濃度測定キットを作製した。
(実施例10)
Triton(登録商標)X−100の代わりに、非イオン性界面活性剤としてBrij(登録商標)35(メルク株式会社製)を1.0w/v%(希釈液調製後の濃度)含有させた希釈液を調製したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン濃度測定キットを作製した。
(実施例11)
Triton(登録商標)X−100の代わりに、非イオン性界面活性剤としてBrij(登録商標)35(メルク株式会社製)を1.5w/v%(希釈液調製後の濃度)含有させた希釈液を調製したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン濃度測定キットを作製した。
(実施例12)
Triton(登録商標)X−100の代わりに、非イオン性界面活性剤としてBrij(登録商標)35(メルク株式会社製)を2.0w/v%(希釈液調製後の濃度)含有させた希釈液を調製したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン濃度測定キットを作製した。
(比較例1)
Triton(登録商標)X−100の代わりに、いずれの非イオン性界面活性剤も添加せず希釈液を調製したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン濃度測定キットを作製した。
(試験例1)
実施例1〜12および比較例1で作製した測定キットを用いて、リチウムイオン濃度の測定を行った。
生体試料の代替として、予め1.1mMにリチウム濃度を調製した精度管理血清(ニプロ株式会社製、製品名:ニプロコンロールL)(この塩化リチウム/管理血清の濃度は、例えば、躁うつ病患者の血中のリチウムイオン濃度を測定する際の検出濃度範囲に含まれる、一般的な濃度として採用した)を小分けし、それぞれに、亜鉛濃度が0μg/dL、50μg/dL、100μg/dL、150μg/dL、200μg/dL、250μg/dL、300μg/dL、350μg/dL、400μg/dL、450μg/dL、500μg/dLとなるようにそれぞれ硝酸亜鉛六水和物を添加して試料液を作製した。
次いで、各試料液10mLを、実施例1〜12および比較例1で調製した各希釈液90mLと混合し、試料液を10倍に希釈した混合液を得た。これらの混合液10mLに発色液160mLを添加しかつ混合し試料混合液を得た。得られた試料混合液について、汎用の生化学自動分析装置(株式会社東芝製120FR型自動分析装置)にて、主波長476nmおよび副波長444nmの測定波長条件でのオクタブロモポルフィリンの色調変化から、各試料液中のリチウムイオン濃度(実測値)を測定した。その後、この測定結果に基づいて亜鉛濃度0μg/dLの測定値を基準とし、亜鉛濃度0μg/dLとの測定誤差(%)を算出した。
これを、試料液に含まれる各亜鉛濃度(μg/dL)とリチウムイオン濃度の測定誤差との関係を示すグラフとしてプロットした。その結果を図1〜3に示す。
図1〜3に示すように、界面活性剤を含有させなかった比較例1の測定キットでは、試料液中に含有させた亜鉛濃度(亜鉛イオン濃度)が高くなるほど、リチウムイオン濃度の測定誤差はプラス側に生じており、亜鉛イオンの共存によってその測定誤差が大きくなることがわかる。これに対し、実施例1〜12で作製された測定キットでは、比較例1と比較して、共存する亜鉛濃度(亜鉛イオン濃度)の高低に関わらず、リチウムイオン濃度の測定誤差が低く抑えられていることがわかる。また、実施例1〜12で使用した非イオン性界面活性剤の種類および添加濃度に関わらず、この傾向が保持されていることもわかる。
(実施例13)
実施例6において非イオン性界面活性剤(Brij(登録商標)35)を希釈液ではなく、発色液に含有させたこと以外は、実施例6と同様にリチウムイオン濃度測定キットを調製した。
具体的には、以下の(1)および(2)に従って、リチウムイオン濃度測定キットを作製した。
(1)生体試料の希釈液として、25mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)をそのまま用いた。
(2)オクタブロモポルフィリン(2,3,7,8,12,13,17,18‐オクタブロモ‐5,10,15,20‐テトラキス(4−スルホナトフェニル)‐21H,23H‐ポルフィリン:発色液調製後の濃度20μM)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA:発色液調製後の濃度2.5mM)、水酸化ナトリウム(発色液調製後の濃度0.5N)および非イオン性界面活性剤としてのBT−9(日光ケミカルズ株式会社製)を1.0w/v%(発色液調製後の濃度)の割合で精製水にて混合・溶解することにより、発色液を調製した。
これにより、上記(1)の希釈液および(2)発色液で構成される測定キットを得た。なお、この測定キットでは、生体試料10mLを希釈液で10倍に希釈した後、混合液10mLを発色液160mLと混合して測定する態様として各希釈液および発色液を調製した。
(試験例2)
実施例13で作製した測定キットを用いて、リチウムイオン濃度の測定を行った。
生体試料の代替として、予め1.1mMにリチウム濃度を調製した精度管理血清(ニプロ株式会社製、製品名:ニプロコンロールL)を小分けし、それぞれに、亜鉛濃度が0μg/dL、100μg/dL、200μg/dL、300μg/dL、400μg/dL、500μg/dLとなるようにそれぞれ硝酸亜鉛六水和物を添加して試料液を作製した。
次いで、各試料液10mLを、実施例13で調製した各希釈液90mLと混合し、試料液を10倍に希釈した混合液を得た。これらの混合液10mLに発色液160mLを添加しかつ混合し、試料混合液を得た。得られた試料混合液について、汎用の生化学自動分析装置(株式会社東芝製120FR型自動分析装置)にて、主波長476nmおよび副波長444nmの測定波長条件でのオクタブロモポルフィリンの色調変化から、各試料液中のリチウムイオン濃度(実測値)を測定した。その後、この測定結果に基づいて亜鉛濃度0μg/dLの試料液を基準とし、亜鉛濃度0μg/dLとの測定誤差(%)を算出した。
これを、試料液に含まれる各亜鉛濃度(μg/dL)とリチウムイオン濃度の測定誤差との関係を示すグラフとしてプロットした。その結果を図4に示す。
図4に示すように、界面活性剤を希釈液側に含有させず、発色液側に含有させた実施例13の測定キットもまた、比較例1と比較して、共存する亜鉛濃度(亜鉛イオン濃度)の高低に関わらず、リチウムイオン濃度の測定誤差が低く抑えられていることがわかる。
本発明によれば、オクタブロモポルフィリンを用いるリチウムイオン濃度測定キットにおいて、亜鉛イオンの影響を抑制したリチウムイオン濃度測定キットおよびリチウムイオン測定方法を提供することができる。本発明の測定キットは、種々の生体試料(例えば、血液、尿、汗、骨髄液等)において利用することができる。特にクエン酸リチウム等のリチウム塩を摂取した躁うつ病(両極性障害)の血中リチウムイオン濃度のモニタリングにおいて有用である。

Claims (9)

  1. オクタブロモポルフィリンを含有する発色液と界面活性剤とを含む、生体試料のためのリチウムイオン濃度測定キット。
  2. さらに、生体試料を希釈するための希釈液を含む、請求項1に記載のリチウムイオン濃度測定キット。
  3. 前記界面活性剤が前記発色液中に含有されている、請求項1または2に記載のリチウムイオン濃度測定キット。
  4. 前記界面活性剤が前記希釈液中に含有されている、請求項2に記載のリチウムイオン濃度測定キット。
  5. 前記界面活性剤が非イオン性界面活性剤である、請求項1から4のいずれかに記載のリチウムイオン濃度測定キット。
  6. 前記非イオン性界面活性剤が、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテル、ポリエチレングリコールラウリルエーテルおよびジエチレングリコールモノヘキサデシルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項5に記載のリチウムイオン濃度測定キット。
  7. 生体試料中のリチウムイオン濃度を測定するための方法であって:
    生体試料を、界面活性剤の存在下にて発色液と混合することにより測定混合液を調製する工程;および
    該測定混合液中の該オクタブロモポルフィリンの色調変化の量を測定する工程;
    を包含する、方法。
  8. 前記生体試料が、ヒトから採取された、血液、尿、汗、および骨髄液からなる群より選択される試料である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記非イオン性界面活性剤が、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテル、ポリエチレングリコールラウリルエーテルおよびジエチレングリコールモノヘキサデシルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項7または8に記載の方法。
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