JP2014009234A - プラスチゾル用接着性付与剤及びこれを用いたプラスチゾル - Google Patents

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Abstract

【課題】 塗装外観、耐チッピング性、耐温水性、貯蔵安定性、金属塗装面に対する密着性及び低温硬化性のいずれにも優れるプラスチゾルを得ることができる接着性付与剤を提供する。
【解決手段】 ポリオール(a1)及びブロック化剤(a2)を含有する活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させて得られるブロック化ウレタンプレポリマー(C)を含有してなるプラスチゾルに用いる接着性付与剤用の主剤において、前記(a1)が水酸基当量が250〜3,000のポリエステルポリオールを含有し、前記(a2)が炭素数2〜20の第二級アミンを含有し、前記(B)が炭素数8〜18の脂環式イソシアネートを含有することを特徴とする接着性付与剤用の主剤(M)及び硬化剤(H)を含有してなるプラスチゾル用接着性付与剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、プラスチゾルに使用される接着性付与剤に関する。更に詳しくは、特に自動車の外板に塗装され、車体鋼板の腐食を防止するプラスチゾルの配合成分として使用される接着性付与剤及びそれを用いたプラスチゾルに関する。
従来、各種の塗装用プラスチゾルには、被塗物への接着性を向上させるために通常接着性付与剤が配合されている。自動車用鋼板に塗装されるプラスチゾル用の接着性付与剤は、基剤となる主剤と硬化剤を含有しており、主剤としては、ポリオールと有機ポリイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーのブロック化物(例えば特許文献1参照)が知られている。しかしながら、特許文献1記載の接着性付与剤を用いた場合、金属塗装面に対する塗装性(塗装外観)、耐チッピング性及び耐温水性は優れるものの、塗料の貯蔵安定性、金属塗装面に対する密着性及び低温硬化性については充分満足できるものではなかった。
特開昭59−78279号公報
本発明の目的は、塗装外観、耐チッピング性、耐温水性、貯蔵安定性、金属塗装面に対する密着性及び低温硬化性のいずれにも優れるプラスチゾルを得ることができる接着性付与剤を提供することにある。
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、ポリオール(a1)及びブロック化剤(a2)を含有する活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させて得られるブロック化ウレタンプレポリマー(C)を含有してなるプラスチゾルに用いる接着性付与剤用の主剤において、前記(a1)が水酸基当量が250〜3,000のポリエステルポリオールを含有し、前記(a2)が炭素数2〜20の第二級アミンを含有し、前記(B)が炭素数8〜18の脂環式イソシアネートを含有することを特徴とする接着性付与剤用の主剤(M);前記主剤(M)及び硬化剤(H)を含有してなるプラスチゾル用接着性付与剤;アクリル重合体又は塩化ビニル重合体と、前記接着性付与剤と、可塑剤とを含有してなるプラスチゾル;前記プラスチゾルの硬化物を鋼板表面の少なくとも一部に有するチッピング防止鋼板;である。
本発明の接着性付与剤を用いることにより、塗装外観、耐チッピング性、耐温水性、貯蔵安定性、金属塗装面に対する密着性及び低温硬化性のいずれにも優れるプラスチゾルを得ることができる。
本発明のプラスチゾル用接着性付与剤は、主剤(M)と硬化剤(H)とを構成成分として有する。 主剤(M)は、水酸基当量が250〜3,000のポリエステルポリオールを必須成分とするポリオール(a1)及び炭素数2〜20の第二級脂肪族アミンを必須成分とするブロック化剤(a2)を含有する活性水素成分(A)と、炭素数8〜18の脂環式イソシアネートを必須成分とする有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させて得られるブロック化ウレタンプレポリマー(C)を含有する。
ポリオール(a1)としては、例えば水酸基当量(水酸基1個当りの分子量)が31以上250未満の低分子ポリオール、水酸基当量が250〜3,000の高分子ポリオール及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
水酸基当量が31以上250未満の低分子ポリオールとしては、多価アルコール及び後述の水酸基当量250〜3,000の高分子ポリオールと同一組成で水酸基当量が31以上250未満のもの等が挙げられる。
多価アルコールとしては、2価アルコール、3価〜8価又はそれ以上の多価アルコール、含窒素ポリオール及びスルホ基含有ポリオール等が挙げられる。
2価アルコールとしては、炭素数2〜20又はそれ以上のもの、例えば炭素数2〜12の脂肪族2価アルコール[(ジ)アルキレングリコール、例えばエチレングリコール(以下、EGと略記)、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−、2,3−、1,3−又は1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール及び3−メチルペンタンジオール、ドデカンジオール等]、炭素数6〜10の脂環式2価アルコール[1,4−シクロヘキサンジオール及びシクロヘキサンジメタノール等]及び炭素数8〜20の芳香脂肪族2価アルコール[キシリレングリコール及びビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等]が挙げられる。
3価〜8価又はそれ以上の多価アルコールとしては、例えば(シクロ)アルカンポリオール及びそれらの分子内又は分子間脱水物[グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール及びジペンタエリスリトール、1,2,6−ヘキサントリオール、エリスリトール、シクロヘキサントリオール、マンニトール、キシリトール、ソルビタン及びジグリセリンその他のポリグリセリン等]並びに糖類及びその誘導体[例えばショ糖、グルコース、フラクトース、マンノース、ラクトース及びグルコシド(メチルグルコシド等)]が挙げられる。
含窒素ポリオールとしては、3級アミノ基含有ポリオール及び4級アンモニウム基含有ポリオール等が挙げられ、具体的には含窒素ジオール、例えば炭素数1〜12の脂肪族、脂環式又は芳香族1級モノアミン[メチルアミン、エチルアミン、1−又は2−プロピルアミン、(イソ)アミルアミン、ヘキシルアミン、1,3−ジメチルブチルアミン、3,3−ジメチルブチルアミン、1−,2−又は3−アミノヘプタン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、シクロプロピルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン及びベンジルアミン等]のビスヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)化物[ビス(2−ヒドロキシエチル)化物及びビス(ヒドロキシプロピル)化物等、例えば米国特許第4,271,217号明細書に記載の3級窒素原子含有ポリオール]及びこれらの4級化物[上記米国特許明細書に記載の4級化剤又はジアルキルカーボネートによる4級化物];上記米国特許明細書に記載の4級窒素原子含有ポリオール;3価〜8価又はそれ以上の含窒素ポリオール、例えばトリアルカノール(炭素数2〜4)アミン(トリエタノールアミン等)及び炭素数2〜12の脂肪族、脂環式、芳香族及び複素環ポリアミン(例えばエチレンジアミン、トリレンジアミン及びアミノエチルピペラジン)のポリヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)化物[ポリ(2−ヒドロキシエチル)化物、ビス(ヒドロキシプロピル)化物等:例えばテトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン及びペンタキス(2−ヒドロキシプロピル)ジエチレントリアミン]及びこれらの上記と同様の4級化物;が挙げられる。
スルホ基含有ポリオールとしては、上記2価アルコール及び3価〜8価又はそれ以上の多価アルコールにスルホ基を導入してなるもの、例えばスルホグリセリン、スルホエリスリトール、スルホジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン、スルホジ(ヒドロキシエチル)ベンゼン、スルホジ(ヒドロキシプロピル)ベンゼン、スルホヒドロキシメチルヒドロキシエチルベンゼン、及びこれらの塩〔金属塩[アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)塩、アルカリ土類金属(カルシウム及びマグネシウム等)塩、IIB族金属(亜鉛等)塩等]、アンモニウム塩、アミン(炭素数1〜20)塩及び4級アンモニウム塩等]が挙げられる。
後述の水酸基当量250〜3,000の高分子ポリオールと同一組成で水酸基当量が31以上250未満のものには、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリウレタンポリオールで水酸基当量が31以上250未満ものが含まれ、例えば低重合度のアルキレンオキシド(以下、AOと略記:詳細は後述)開環重合物及び活性水素原子含有多官能化合物の低モルAO付加物[例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン及びビスフェノールAのエチレンオキシド2〜4モル付加物]、低縮合度の縮合ポリエステルポリオール及びポリオールの低モルラクトン付加物[ポリカルボン酸と過剰(カルボキシル基1個当り1モル)の多価アルコールとの縮合物(例えばジヒドロキシエチルアジペート)及びEGのカプロラクトン1モル付加物]、並びに低重合度のポリウレタンポリオール[イソシアネート化合物と過剰(イソシアネート基1個当り1モル)の多価アルコールとの反応生成物(例えば2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート1モルとEG2モルとの反応生成物)]が挙げられる。
水酸基当量が250〜3,000の高分子ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリマーポリオール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば上記低分子ポリオールのAO付加物等が挙げられる。
低分子ポリオールに付加させるAOとしては、炭素数2〜12又はそれ以上(好ましくは炭素数2〜4)のAO、例えばエチレンオキシド、1,2−又は1,3−プロピレンオキシド(以下、POと略記)、1,2−、1,3−又は2,3−ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン及び3−メチル−テトラヒドロフラン、イソブチレンオキシド、炭素数5〜12のα−オレフィンオキシド、置換AO、例えばスチレンオキシド及びエピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)、並びにこれらの2種以上の併用(ランダム付加及び/又はブロック付加)が挙げられる。
これらの内で好ましいのはエチレンオキシド、PO、1,2−、1,3−又は2,3−ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン及びこれらの2種以上の混合物であり、更に好ましいのはテトラヒドロフランである。
ポリエステルポリオールとしては、縮合型ポリエステルポリオール、ポリラクトンポリオール、ヒマシ油系ポリオール及びポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
縮合型ポリエステルポリオールとしては、上記低分子ポリオール及び/又は上記ポリエーテルポリオールの内の水酸基当量が500以下のものと、ポリカルボン酸(ジカルボン酸及び必要により3価以上のポリカルボン酸)及び/又はそのエステル形成性誘導体との重縮合物等が挙げられる。
ポリカルボン酸としては、ジカルボン酸、及びジカルボン酸と少割合(例えば10当量%以下)の3価〜4価又はそれ以上のポリカルボン酸が使用できる。それらの例としては、炭素数2〜12の脂肪族ポリカルボン酸[ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸等)及びトリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸等)等]、炭素数8〜15の芳香族ポリカルボン酸[ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸及びフタル酸等)、トリ又はテトラカルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸等)等]及び炭素数6〜40の脂環式ポリカルボン酸(ダイマー酸等)が挙げられる。エステル形成性誘導体としては、酸無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル及び酸ハライド(酸クロライド等)等が挙げられる。
ポリカルボン酸の内でアクリルプラスチゾルの粘度の観点から好ましいのはジカルボン酸、更に好ましいのは炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸、特に好ましいのはアジピン酸である。
ポリラクトンポリオールとしては、上記低分子ポリオール及び/又は上記ポリエーテルポリオールの内の水酸基当量が500以下のものを開始剤として、ラクトン(炭素数4〜15、例えばε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン及びγ−バレロラクトン)を開環重合させたものが挙げられる。
ヒマシ油系ポリオールとしては、ヒマシ油(リシノール酸トリグリセリド)及びそのエステル交換物が挙げられる。当該エステル交換物は、例えばヒマシ油と上記低分子ポリオール及び/又はポリエーテルポリオールとのエステル交換により得られる。
ポリカーボネートポリオールとしては、上記低分子ポリオールを開始剤とするアルキレンカーボネートの開環付加/重縮合、上記低分子ポリオールとジフェニル又はジアルキルカーボネートの重縮合(エステル交換)、又は上記低分子ポリオール又は2価フェノール(ビスフェノールA等)のホスゲン化により得られるものが挙げられる。アルキレンカーボネートとしては、炭素数2〜6のアルキレン基を有するもの、例えばエチレン又はプロピレンカーボネートが挙げられ、ジアルキルカーボネートとしては、炭素数1〜4のアルキル基を有するもの、例えばジメチル、ジエチル又はジ−i−プロピルカーボネートが挙げられる。
ポリマーポリオールは、ポリオール[例えば上記高分子ポリオール(ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオール等)及びこれらと前記低分子ポリオールの混合物]中でビニルモノマー[アクリル系モノマー、例えば(メタ)アクリロニトリル、アルキル(炭素数1〜20)(メタ)アクリレート(メチルメタクリレート等)、芳香族炭化水素モノマー(炭素数8〜20、例えばスチレン)、脂肪族炭化水素モノマー(炭素数2〜20、例えばα−オレフィン及びブタジエン)等及びこれらの2種以上の混合物(アクリロニトリルとスチレンとの混合物等)]を重合させることにより得られ(重合体含量は例えば5〜70重量%)、例えば特開昭55−118948号公報記載のものが挙げられる。
本発明におけるポリオール(a1)は、上述の水酸基当量が250〜3,000のポリエステルポリオールを必須成分として含有し、上述のその他のポリオールを併用することができるが、水酸基当量が250〜3,000のポリエステルポリオールを単独で用いることが好ましい。
水酸基当量が250〜3,000のポリエステルポリオールの内、プラスチゾルの粘度の観点から好ましいのは水酸基当量が250〜3,000のポリカプロラクトンポリオール、更に好ましいのは水酸基当量が250〜3,000のポリカプロラクトンジオールとポリカプロラクトントリオールとの混合物である。
活性水素成分(A)が含有するブロック化剤(a2)としては、炭素数4〜10のラクタム(例えばε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム及びγ−ブチロラクタム)、炭素数3〜10のオキシム[例えばアセトオキシム、メチルエチルケトオキシム(MEKオキシム)及びメチルイソブチルケトオキシム(MIBKオキシム)]、炭素数2〜20の第二級アミン[例えば脂肪族アミン(ジメチルアミン及びジイソプロピルアミン等)、脂環式アミン(メチルヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等)及び芳香族アミン(ジフェニルアミン等)]、炭素数7〜20のアルキルフェノール[例えばクレゾール、ノニルフェノール、キシレノール及びジ−t−ブチルフェノール]、特許公開2002−309217号公報及び特許公開2008−239890号公報に記載のブロック化剤、並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
本発明におけるブロック化剤(a2)は、上述の炭素数2〜20の第二級アミンを必須成分として含有し、上述のその他のブロック化剤を併用することができるが、炭素数2〜20の第二級アミンを単独で用いることが好ましい。
炭素数2〜20の第二級アミンの内、プラスチゾルの密着性の観点から好ましいのは脂肪族アミン、更に好ましいのはジイソプロピルアミンである。
有機ポリイソシアネート成分(B)としては、例えば芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート及びこれらの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基及びオキサゾリドン基含有変性物等)が挙げられる。有機ポリイソシアネート成分(B)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
芳香族ポリイソシアネートとしては、炭素数が8〜18の芳香族ジイソシアネート、炭素数9〜24の芳香族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネートの粗製物等が挙げられる。具体例としては、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(粗製MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート及びトリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数4〜12の脂肪族ジイソシアネート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及びリジンジイソシアネート等)等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数8〜18の脂環式ジイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート及びノルボルナンジイソシアネート等)等が挙げられる。
芳香脂肪族イソシアネートとしては、炭素数10〜14の芳香脂肪族ジイソシアネート(キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等)等が挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、カルボジイミド変性MDI等が挙げられる。
本発明における有機ポリイソシアネート成分(B)は、上述の炭素数8〜18の脂環式イソシアネートを必須成分として含有し、上述のその他の有機ポリイソシアネートを併用することができるが、炭素数8〜18の脂環式イソシアネートを単独で用いることが好ましい。
炭素数8〜18の脂環式イソシアネートの内、プラスチゾルの密着性の観点から好ましいのは、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート及びノルボルナンジイソシアネートであり、更に好ましいのは、イソホロンジイソシアネート及び4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートであり、最も好ましいものは4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートである。有機ポリイソシアネート成分(B)全体としてのイソシアネート基含有量(NCO%)は25〜45重量%が好ましい。
本発明におけるブロック化ウレタンプレポリマー(C)は、ポリオール(a1)及びブロック化剤(a2)を含有する活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させて得られ、通常のブロック化ウレタンプレポリマーと同様にして製造することができる。
ブロック化剤(a2)は、ウレタンプレポリマー化反応の任意の段階で添加して反応させることができる。即ち、添加の方法には、(1)予め(A)に全量添加する方法、(2)ウレタンプレポリマー生成反応の初期に全量添加する方法、(3)ウレタンプレポリマー反応初期又は反応途中に一部添加し、反応終了時に残部を添加する方法、及び(4)末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造後に全量添加する方法が含まれる。これらの内、反応の再現性の観点から好ましいのは、(4)の方法である。
(a2)の添加量は、上記(1)〜(3)の方法の場合は、プラスチゾルの貯蔵安定性の観点から原料有機ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基の当量数から(a2)以外の活性水素成分(A)の活性水素含有基当量数を差し引いたものとほぼ同じ当量使用するのが好ましく、(4)の方法の場合は、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基に対して貯蔵安定性の観点から好ましくは1〜2当量、更に好ましくは1.05〜1.5当量となる量である。
前記(4)の方法における(a2)以外の(A)と(B)との反応で得られるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの製造に際しては、(a2)以外の(A)の活性水素含有基と(B)のイソシアネート基(NCO基)との反応における当量比(活性水素含有基/NCO基)は、接着性付与用主剤(M)の粘度の観点から好ましくは1/1.3〜1/3、更に好ましくは1/1.5〜1/2.2である。
前記(1)〜(4)の方法における反応温度は、副反応抑制の観点から好ましくは20〜120℃、更に好ましくは60〜110℃である。反応時間は副反応抑制の観点から好ましくは3〜10時間、更に好ましくは5〜8時間である。
前記反応を促進させるために公知のウレタン化触媒を使用することも可能である。ウレタン化触媒としては、金属触媒[錫系(トリメチルチンラウレート、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート及びジブチルチンマレエート等)、鉛系(オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、ナフテン酸鉛及びオクテン酸鉛等)、コバルト系(ナフテン酸コバルト等)、ビスマス系{ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート等}及び水銀系(フェニル水銀プロピオン酸塩等)等]、アミン触媒[トリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルヘキシレンジアミン、ジアザビシクロアルケン類{1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン}等;ジアルキルアミノアルキルアミン類{ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノオクチルアミン及びジプロピルアミノプロピルアミン等]又は複素環式アミノアルキルアミン類[2−(1−アジリジニル)エチルアミン及び4−(1−ピペリジニル)−2−ヘキシルアミン等]の炭酸塩又は有機酸塩(ギ酸塩等)等;N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、トリエチルアミン、ジエチルエタノールアミン及びジメチルエタノールアミン等]、並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ウレタン化触媒の使用量は、得られるウレタンプレポリマーの重量に基づいて、通常1%以下、好ましくは0.001〜0.1%である。
前記方法(4)におけるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーのイソシアネート基含有量[NCO%(固形分換算重量%)]は、プラスチゾルの密着性の観点から好ましくは1〜20%、更に好ましくは2〜15%である。NCO%は滴定法や赤外線吸収スペクトル法により測定できる。
前記方法(4)におけるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの数平均分子量(以下、Mnと略記)は、好ましくは500〜8,000、更に好ましくは700〜5,000である。Mnが500以上であると樹脂が軟らかく耐チッピング性に好ましい影響を与え、8,000以下であるとプラスチルゾルの塗装時の微粒子化(霧化)がより良好となり、塗膜外観(特に平滑性)がより良好となる。
イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーのMnは、プレポリマーが有するイソシアネート基とメタノールを反応させた後、テトラヒドロフランを溶媒として用い、ポリスチレンを分子量標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される。
本発明の接着性付与剤用の主剤(M)は、その粘度調整を目的として、更に可塑剤を含有することができる。
可塑剤としては、芳香族カルボン酸エステル[ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジラウリルフタレ−ト、ジステアリルフタレート及びジイソノニルフタレート(DINP)等のフタル酸エステル等]、脂肪族カルボン酸エステル[メチルアセチルリシノレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート(DOA)、ジ−2−エチルヘキシルセバケート(DOS)、アジピン酸−プロピレングリコールポリエステル及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート等]、リン酸エステル[トリフェニルホスフェート及びトリクレジルホスフェート等]及びこれら2種以上の混合物が挙げられる。これらの内、(C)との相溶性の観点から好ましいのは芳香族カルボン酸エステル、更に好ましいのはDOP及びDINPである。
本発明の接着性付与剤を構成する硬化剤(H)としては、公知のもの、例えば特開昭59−78279号公報に記載の窒素含有ポリオール、アミノアルコール、脂肪酸アルカノールアミド、活性アミノ基含有モノ又はポリアミド系化合物及びアミン類等、並びに特開2010−1321号公報に記載の1級アミノ基及び/若しくは2級アミノ基含有モノ又はポリアミド化合物等が使用できる。
本発明の接着性付与剤における主剤中のブロック化ウレタンプレポリマー(C)と硬化剤(H)の重量比率は、硬化性の観点から、好ましくは20/80〜95/5、更に好ましくは25/75〜90/10である。
本発明のプラスチゾルは、前記接着性付与剤と、前記可塑剤と、アクリル重合体又は塩化ビニル重合体とを含有してなる。
アクリル重合体としては、プラスチゾルに通常用いられるものを使用することができ、例えば特開2007−39659号公報に記載のものが挙げられる。アクリル重合体の内、耐チッピング性の観点から好ましいものは(メタ)アクリル酸メチルの単独重合体及び(メタ)アクリル酸メチルとそれ以外のモノマーとの共重合体、更に好ましいものは(メタ)アクリル酸メチルの単独重合体及び(メタ)アクリル酸メチルと(メタ)アクリル酸ブチルの共重合体である。アクリル重合体は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
アクリル重合体のMnは特に限定はないが、耐チッピング性の観点から好ましくは10万〜500万、更に好ましくは30万〜300万である。
アクリル重合体のMnは、テトラヒドロフランを溶媒として用い、ポリスチレンを分子量標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される。
アクリル重合体の形態は、通常微粒子の粉体であり、この微粒子の体積平均粒径は、好ましくは0.1〜50μm、更に好ましくは0.2〜10μmである。微粒子の体積平均粒径は、例えば、レーザー回析/散乱式粒度分布測定装置を用い動的光散乱法により測定できる。
塩化ビニル重合体としては、プラスチゾルに通常用いられるものを使用することができ、例えば塩化ビニル単独重合体及び塩化ビニルモノマーと共重合し得る他のビニルモノマー(酢酸ビニル、無水マレイン酸、マレイン酸エステル及びビニルエーテル等)との共重合体が挙げられる。
塩化ビニル重合体の重合度は通常1000〜1700である。塩化ビニル重合体の市販品としては、「カネビニルPSL−10」、「カネビニルPSH−10」及び「カネビニルPCH−12」[以上(株)カネカ製]、「ゼオン121」及び「ゼオン135J」[以上日本ゼオン(株)製]、並びに「デンカビニルPA−100」及び「デンカビニルME−180」[以上電気化学工業(株)製]が挙げられる。これらは2種以上混合して使用することも可能である。
本発明のプラスチゾルにおける接着性付与剤、可塑剤、アクリル重合体及び塩化ビニル重合の合計重量に基づく各成分の含有量は、特に制限されないが、処方の一例を示せば下記の通りである。接着性付与剤の含有量は、金属塗装面に対するプラスチゾルの密着性の観点から、好ましくは1〜40重量%、更に好ましくは2〜30重量%である。可塑剤の含有量は、耐チッピング性の観点から、好ましくは5〜50重量%、更に好ましくは10〜45重量%である。アクリル重合体又は塩化ビニル重合体の含有量は、プラスチゾルの粘度の観点から、好ましくは10〜80重量%、更に好ましくは25〜60重量%である。
プラスチゾルには、必要により本発明の効果を阻害しない範囲で、その他の添加剤(充填剤、発泡剤、着色剤、安定剤及び希釈剤等)を配合することができる。その他の添加剤全体の添加量は、プラスチゾルの全重量に基づいて通常50重量%以下、好ましく1〜40重量%である。
充填剤としては、無機充填剤(炭酸カルシウム、タルク、クレー、ケイ藻土、けい酸、けい酸塩、カオリン、アスベスト、マイカ、ガラス繊維、ガラスバルーン、カーボン繊維、金属繊維、セラミックウィスカ及びチタンウィスカ等)及び有機充填剤[セルロース粉、粉末ゴム、有機架橋微粒子(エポキシ及びウレタン等)及び尿素等]が挙げられる。充填剤の使用量は、プラスチゾルの全体量に基づいて、プラスチゾルの粘度の観点から通常5重量%以下、好ましくは0.1〜2重量%である。
着色剤としては、無機顔料、有機顔料及び染料が挙げられる。無機顔料としては、白色顔料、コバルト化合物、鉄化合物(酸化鉄及び紺青等)、クロム化合物及び硫化物が挙げられる。有機顔料としては、アゾ顔料及び多環式顔料が挙げられる。染料としては、アゾ系化合物、アントラキノン系化合物、インジゴイド系化合物、硫化系化合物、トリフェニルメタン系化合物、ピラゾロン系化合物、スチルベン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、キサンテン系化合物、アリザリン系化合物、アクリジン系化合物、キノンイミン系化合物、チアゾール系化合物、メチン系化合物、ニトロ系化合物、ニトロソ系化合物及びアニリン系化合物が挙げられる。着色剤の使用量は、プラスチゾルの全重量に基づいて通常5重量%以下、好ましくは0.1〜2重量%である。
安定剤としては、金属石ケン(ステアリル酸カルシウム及びステアリル酸アルミニウム等)、無機酸塩(二塩基性亜リン酸塩及び二塩基性硫酸塩等)及び有機金属化合物(ジブチルチンジラウレート及びジブチルチンマレエート等)等が挙げられる。安定剤の使用量は、プラスチゾルの全重量に基づいて通常10重量%以下、好ましくは、0.2〜5重量%である。
本発発明のプラスチゾルを各種金属(特に鋼材)面に塗装して熱処理することにより、塗装外観、耐チッピング性、耐温水性及び金属塗装面に対する密着性のいずれにも優れる硬化物を得ることができる。本発明のプラスチゾルは各種下塗り塗装面に適用できるが、プラスチゾルの密着性の観点から特にカチオン電着塗装面に有利に適用できる。
プラスチゾルの塗布量は、耐チッピング性の観点から好ましくは100〜3,000g/m2、塗布膜厚は、耐チッピング性の観点から好ましくは0.1〜3mmである。塗布方法としては、刷毛塗り、ヘラ塗り、ローラーコート及びエアレススプレー塗装等が挙げられ、塗装効率及び高粘度塗料の塗装が可能という観点から好ましいのはエアレススプレー塗装である。また、塗布後熱処理されるが、熱処理温度はプラスチゾルの密着性及び硬化性の観点から好ましくは100〜180℃、更に好ましくは110〜160℃であり、熱処理時間は同様の観点から好ましくは10〜50分、更に好ましくは15〜40分である。
本発明のプラスチゾルを鋼板表面の少なくとも一部に塗布して、プラスチゾルを熱処理により硬化させたチッピング防止鋼板は、塗装外観、耐チッピング性、耐温水性及び金属塗装面に対する密着性のいずれにも優れるため、主に自動車のボディ下面、サイドシル及びタイヤハウス等のチッピングが生じやすい部分の鋼板として使用でき、チッピングによる発錆及び腐食を防ぐことが可能である。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の記載において「部」は重量部を示す。
<実施例1〜4及び比較例1〜4>
撹拌機及び温度計を備えた反応容器に、表1に示す部数の活性水素成分(A)の内のポリオール(a1)、有機ポリイソシアネート成分(B)及び可塑剤を仕込み、乾燥窒素雰囲気下、80℃で5時間反応させて、冷却後、50℃でブロック化剤(a2)を仕込んで、同温度で2時間末端ブロック化反応を行い、本発明の主剤(M−1)〜(M−4)及び比較用の主剤(M’−1)〜(M’−4)を得た。
Figure 2014009234
<実施例5〜8及び比較例5〜8>
実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた主剤100部と、硬化剤としてのポリアミド樹脂「ケミオックス KC−547」[三洋化成工業(株)製]13.2部との混合物に対して「ゼオンF−320」[日本ゼオン(株)製、メタクリル酸メチル重合体(Mn300万、体積平均粒径1μmのパウダー)]169部、「白艶華CC−R」[白石工業(株)製、表面処理極微細炭酸カルシウム(体積平均粒径0.08μm)]188部及びジイソノニルフタレート189部を添加しディスパーで均一に混練して、本発明のプラスチゾル(P−1)〜(P−4)及び比較用のプラスチゾル(P’−1)〜(P’−4)を作製し、各プラスゾルについて、以下の方法により初期粘度、貯蔵後の粘度、貯蔵安定性、低温硬化性、密着性、耐水性及び耐チッピング性を測定又は評価した結果を表2に示す。
[プラスチゾルの性能評価の試験方法]
(1)初期粘度
プラスチゾル作製直後の25℃での粘度をBH型粘度計[東京計器(株)製]を用いて測定する。
(2)貯蔵後の粘度
プラスチゾル作製直後に、内径約4cm、高さ約8cmのガラス製の密栓付き円筒容器にプラスチゾル90g入れて、35℃10日密閉保存後の粘度を前記(1)と同様に測定する。
(3)貯蔵安定性
プラスチゾル作製時の初期粘度に対する貯蔵後の粘度増加率(%)を下記式から算出する。値が小さい程、貯蔵安定性が良好であることを示す。
貯蔵後の粘度増加率(%)=(貯蔵後の粘度−初期粘度)/初期粘度×100
(4)低温硬化性
エポキシ樹脂系カチオン型電着塗料[商品名:コナック/No.3500、日本油脂(株)製]が塗装された塗装鋼板(以下、電着塗装鋼板と略記)の塗装面に、内容績が50×20×1mmとなるように枠を取り付け、その中にプラスチゾルを膜厚が1mmとなるようにヘラ塗りして、120℃×20分熱処理後、指触により塗膜の硬化程度を下記基準で判定した。
◎:タックがなく、硬化性良好
○:ややタックがあるが実用上差し支えない程度の硬化性
△:タックがあり、硬化性不十分
×:全く硬化が認められない
(5)密着性
縦100mm×横25mm×厚さ1mmの電着塗装鋼板の塗装面の端部(面積約2×2cm2)にプラスチゾルをヘラ塗りし、圧着後の膜厚が1mmとなるように、もう一枚の電着塗装鋼板の端部を圧着した。その状態で120℃×20分焼き付け熱処理した後、2枚の電着塗装鋼板の端部を引張速度50mm/分で引っ張り、その破壊状態から電着塗装鋼板の塗装面に対する剪断密着性を以下の判定基準に基づいて評価した。
○:凝集破壊
△:凝集破壊と界面剥離が共存
×:界面剥離
(6)耐温水性
前記(5)と同様に試験片を作製し、120℃で20分焼き付け処理後、40℃温水中に3日間浸漬した後の電着塗装鋼板の塗装面に対する剪断密着性を(5)と同様の基準で評価した。
(7)耐チッピング性
縦100mm×横100mm×厚さ0.8mmの電着塗装鋼板の塗装面に膜厚が400μmになるようにプラスチゾルを塗布し、120℃×20分焼付け処理した試験片をナット落下装置に取り付け、JIS B 1181に規定する3種−M−4形状の真鍮六角ナットを2mの高さから管径20mmの筒を通してナットの落下方向に対して45°の角度を有する試験片上に落下させ、塗膜のキズが金属面に達するまでナットの落下操作を繰り返し、ナットの重量(単位:kg)に落下回数を乗じた数値を算出して耐チッピング性の尺度とした。この数値が大きい程、耐チッピング性に優れる。
Figure 2014009234
本発明の接着性付与剤を用いたプラスチゾルは、塗装外観、耐チッピング性、耐温水性、貯蔵安定性、金属塗装面に対する密着性及び低温硬化性が優れているため自動車用外板の製造に特に有用である。

Claims (8)

  1. ポリオール(a1)及びブロック化剤(a2)を含有する活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させて得られるブロック化ウレタンプレポリマー(C)を含有してなるプラスチゾルに用いる接着性付与剤用の主剤において、前記(a1)が水酸基当量が250〜3,000のポリエステルポリオールを含有し、前記(a2)が炭素数2〜20の第二級アミンを含有し、前記(B)が炭素数8〜18の脂環式イソシアネートを含有することを特徴とする接着性付与剤用の主剤(M)。
  2. 前記ポリオール(a1)が水酸基当量が250〜3,000のポリカプロラクトンポリオールであり、前記ブロック化剤(a2)が炭素数2〜20の第二級脂肪族アミンである請求項1記載のプラスチゾルに用いる接着性付与剤用の主剤。
  3. 前記ポリオール(a1)が、ポリカプロラクトンジオールとポリカプロラクトントリオールとの混合物である請求項1又は2記載のプラスチゾルに用いる接着性付与剤用の主剤。
  4. 前記前記ブロック化剤(a2)がジイソプロピルアミンである請求項1〜3のいずれか記載のプラスチゾルに用いる接着性付与剤用の主剤。
  5. 前記有機ポリイソシアネート成分(B)が、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート及びノルボルナンジイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機ジイソシアンートである請求項1〜4のいずれか記載のプラスチゾルに用いる接着性付与剤用の主剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の主剤(M)及び硬化剤(H)を含有してなるプラスチゾル用接着性付与剤。
  7. アクリル重合体又は塩化ビニル重合体と、請求項6記載の接着性付与剤と、可塑剤とを含有してなるプラスチゾル。
  8. 請求項7記載のプラスチゾルの硬化物を鋼板表面の少なくとも一部に有するチッピング防止鋼板。
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