JP2014008952A - 非空気圧タイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】衝撃吸収性を向上でき、かつ耐久性にも優れる非空気圧タイヤを提供する。
【解決手段】内側環状部1と、その内側環状部1の外側に同心円状に設けられる外側環状部3と、内側環状部1と外側環状部3とを連結する複数の連結部4,5とを備える非空気圧タイヤTであって、外側環状部3は、最外側に配されるトレッド層31と、このトレッド層31の内側に配される発泡体からなるクッション層32とを有する。好ましくは、クッション層32は、独立気泡を有する樹脂発泡体から構成される。
【選択図】図2
【解決手段】内側環状部1と、その内側環状部1の外側に同心円状に設けられる外側環状部3と、内側環状部1と外側環状部3とを連結する複数の連結部4,5とを備える非空気圧タイヤTであって、外側環状部3は、最外側に配されるトレッド層31と、このトレッド層31の内側に配される発泡体からなるクッション層32とを有する。好ましくは、クッション層32は、独立気泡を有する樹脂発泡体から構成される。
【選択図】図2
Description
本発明は、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられる外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結する複数の連結部とを備える非空気圧タイヤ(non−pneumatic tire)に関する。
空気入りタイヤは、荷重の支持機能、接地面からの衝撃吸収能、および動力等の伝達能(加速、停止、方向転換)を有し、このため、多くの車両、特に自転車、オートバイ、自動車、トラックに採用されている。
特に、これらの能力は自動車、その他のモーター車両の発展に大きく貢献した。更に、空気入りタイヤの衝撃吸収能力は、医療機器や電子機器の運搬用カート、その他の用途でも有用である。
従来の非空気圧タイヤとしては、例えばソリッドタイヤ、スプリングタイヤ、クッションタイヤ等が存在するが、空気入りタイヤの優れた性能を有していない。例えば、ソリッドタイヤおよびクッションタイヤは、接地部分の圧縮によって荷重を支持するが、この種のタイヤは重くて、堅く、空気入りタイヤのような衝撃吸収能力はない。また、非空気圧タイヤでは、弾性を高めてクッション性を改善することも可能であるが、空気入りタイヤが有するような荷重支持能または耐久性が悪くなるという問題がある。
下記特許文献1には、ゴム外皮内に独立気泡フォームを収納配置することにより、優れたクッション性を発揮させることができるタイヤが記載されている。しかし、このように薄いゴム外皮内に独立気泡フォームを収納配置する構成は、タイヤの大部分が脆弱な独立気泡フォームとなるため耐久性に劣っていた。
また、下記特許文献2には、乗りインサートと呼ばれる合成樹脂フォームを内側フープに設置して乗り心地を向上させた非空気圧タイヤが記載されている。しかし、合成樹脂フォームをリム直下の内側フープに設置しているため、段差落下時や突起乗り越し時等の衝撃吸収性が十分ではなかった。
そこで、本発明の目的は、衝撃吸収性を向上でき、かつ耐久性にも優れる非空気圧タイヤを提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。
即ち、本発明の非空気圧タイヤは、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられる外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結する複数の連結部とを備える非空気圧タイヤであって、
前記外側環状部は、最外側に配されるトレッド層と、このトレッド層の内側に配される発泡体からなるクッション層とを有することを特徴とする。
即ち、本発明の非空気圧タイヤは、内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられる外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結する複数の連結部とを備える非空気圧タイヤであって、
前記外側環状部は、最外側に配されるトレッド層と、このトレッド層の内側に配される発泡体からなるクッション層とを有することを特徴とする。
内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられる外側環状部と、内側環状部と外側環状部とを連結する複数の連結部とを備える非空気圧タイヤは、接地面側の数本の連結部が圧縮されて荷重を支え、段差落下時等の衝撃もこれら数本の連結部で減衰する傾向がある。本発明の非空気圧タイヤは、外側環状部の最外側に配されるトレッド層と外側環状部に連結される連結部との間にクッション層が設けられており、クッション層でも衝撃を減衰することができるため、衝撃吸収性を向上できる。また、クッション層は、トレッド層の内側に配されるため、路面に接触することはなく、本発明の非空気圧タイヤは耐久性にも優れる。
本発明にかかる非空気圧タイヤにおいて、前記クッション層は、独立気泡を有する樹脂発泡体からなることが好ましい。独立気泡を有する樹脂発泡体でクッション層を構成することで、衝撃吸収性を効果的に向上できる。
本発明にかかる非空気圧タイヤにおいて、前記クッション層は、比重が0.3〜0.9であることが好ましい。比重をこの範囲とすることで、クッション層は適度に気泡を含むため、衝撃吸収性を効果的に向上できる。
本発明にかかる非空気圧タイヤにおいて、前記クッション層は、タイヤ幅方向の両端部が非露出の状態で設けられていることが好ましい。発泡体からなるクッション層をタイヤ幅方向の両端部が非露出の状態で設けることで、耐久性をさらに高めることができる。
本発明にかかる非空気圧タイヤにおいて、前記クッション層の幅は、タイヤ幅の20〜90%であることが好ましい。クッション層の幅をこの範囲とすることで、衝撃吸収性を適切に向上でき、かつクッション層のタイヤ幅方向の両端部が非露出の状態となるため耐久性も良好となる。
本発明にかかる非空気圧タイヤにおいて、前記トレッド層は引張弾性率が3〜50MPaであり、前記連結部の引張弾性率が5〜30MPaであることが好ましい。トレッド層と連結部の引張弾性率をこの範囲とすることで、クッション層と相俟って非空気圧タイヤの衝撃吸収性を効果的に向上できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の非空気圧タイヤの一例を示す正面図である。図2は、本発明の非空気圧タイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図であって、図1のI−I断面図である。ここで、Oは軸芯を、WDはタイヤ幅方向を、Wはタイヤ幅を、Hはタイヤ断面高さを、それぞれ示している。
本実施形態の非空気圧タイヤTは、内側環状部1と、その外側に同心円状に設けられる中間環状部2と、その外側に同心円状に設けられる外側環状部3と、内側環状部1と中間環状部2とを連結する複数の内側連結部4と、外側環状部3と中間環状部2とを連結する複数の外側連結部5とを備えている。本実施形態の非空気圧タイヤTは中間環状部2を備えているが、中間環状部2は必ずしも必要ではなく、中間環状部2を設けず、内側連結部4と外側連結部5とが連続して1本の連結部を構成してもよい。この場合、非空気圧タイヤTは、内側環状部1と、その内側環状部1の外側に同心円状に設けられる外側環状部3と、内側環状部1と外側環状部3とを連結する複数の連結部とを備える構成となる。
内側環状部1は、ユニフォミティを向上させる観点から、厚みが一定の円筒形状であることが好ましい。また、内側環状部1の内周面には、車軸やリムとの装着のために、嵌合性を保持するための凹凸等を設けるのが好ましい。
内側環状部1の厚みは、内側連結部4に力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上を図る観点から、タイヤ断面高さHの6〜30%が好ましく、10〜20%がより好ましい。
内側環状部1の内径は、非空気圧タイヤTを装着するリムや車軸の寸法などに併せて適宜決定されるが、本実施形態では中間環状部2を備えるために、内側環状部1の内径をより小さくすることが可能である。内側環状部1の内径は、50〜560mmが好ましく、80〜200mmがより好ましい。
内側環状部1のタイヤ幅方向WDの幅は、用途、車軸の長さ等に応じて適宜決定されるが、30〜100mmが好ましく、40〜80mmがより好ましい。
内側環状部1の引張モジュラスは、内側連結部4に力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上、装着性を図る観点から、1〜180000MPaが好ましく、1〜50000MPaがより好ましい。なお、本実施形態における引張モジュラスは、JIS K7312に準じて引張試験を行い、10%伸び時の引張応力の値である。
中間環状部2は、ユニフォミティを向上させる観点から、厚みが一定の円筒形状であることが好ましいが、多角形筒状などでもよい。
中間環状部2の厚みは、内側連結部4と外側連結部5とを十分補強しつつ、軽量化や耐久性の向上を図る観点から、タイヤ断面高さHの3〜10%が好ましく、4〜9%がより好ましい。
中間環状部2の内径は、内側環状部1の内径を超えて、外側環状部3の内径未満となる。但し、中間環状部2の内径としては、内側連結部4と外側連結部5との補強効果を向上させる観点から、外側環状部3の内径から内側環状部1の内径を差し引いた値の20〜80%の値を、内側環状部1の内径に加えた内径とすることが好ましく、30〜60%の値を、内側環状部1の内径に加えた内径とすることがより好ましい。
中間環状部2のタイヤ幅方向WDの幅は、用途等に応じて適宜決定されるが、30〜100mmが好ましく、40〜80mmがより好ましい。
中間環状部2の引張モジュラスは、1〜180000MPaが好ましく、1〜50000MPaがより好ましい。
外側環状部3は、タイヤ幅方向WDに厚みが変化する円筒形状である。外側環状部3は、最外側に配されるトレッド層31と、このトレッド層31の内側に配される発泡体からなるクッション層32とを有する。さらに、外側環状部3は、クッション層32の内側に、外側連結部5と同一の材料で形成される結合層33を有するのが好ましい。これにより、外側環状部3と外側連結部5の結合部での強度が高まり、耐久性が向上する。
本実施形態にかかるトレッド層31のトレッド面は、図2に示されるように、タイヤ子午線断面において、タイヤ径方向外側へ向かって凸となる曲率が設けられており、タイヤ幅方向WDの中央部から両側端へ向かって外径が徐々に小さくなった円弧状をしている。トレッド層31のトレッド面に曲率が設けられていることで、キャンバーを付けてコーナリングする車両に用いられる際にも接地面積が小さくなりすぎず、直進走行時とコーナリング時との間の接地面積の変動が少なくなる。トレッド層31のトレッド面の曲率半径Rは、40〜100mmが好ましく、40〜65mmがより好ましい。曲率半径Rが40mmより小さい場合、キャンバー時の接地面積が過大となり、グリップ性能が急激に増加するため、急停止に近い状況となってしまう。また、曲率半径Rが100mmよりも大きい場合、キャンバー時の接地面積が過小となり、グリップ性能が急激に低下するため、滑りが発生してしまう。トレッド層31のトレッド面には、トレッドパターンとして、従来の空気入りタイヤと同様のパターンを設けることが可能である。
本実施形態のクッション層32は、タイヤ子午線断面において、長方形状をしている。このクッション層32は、タイヤ幅方向WDの全体に亘って一定の厚みで設けられている。クッション層32のタイヤ径方向の厚みtは、衝撃吸収性及び耐久性を向上させる観点から、2〜20mmが好ましく、4〜15mmがより好ましい。
また、クッション層32の厚みtは、外側環状部3の外周面が全てトレッド層31となるように、外側環状部3のタイヤ幅方向両端の厚み以下とするのが好ましい。また、結合層33を設ける場合、結合層33のタイヤ径方向の厚みは、クッション層32との接着強度を高める観点から、1mm以上が好ましい。
トレッド層31の引張弾性率は、3〜50MPaであり、好ましくは5〜25MPaである。なお、本発明における引張弾性率は、JIS K7312に準じて引張試験を行い、5〜10%伸び時の応力と伸びの間の比例定数である。
クッション層32の圧縮弾性率は、0.3〜5MPaであり、好ましくは0.5〜2MPaである。なお、本発明における圧縮弾性率は、JIS K7220に準じて圧縮試験を行い、10%変形時の応力と変形の間の比例定数である。
クッション層32は、独立気泡を有する樹脂発泡体からなることが好ましい。クッション層32を構成する樹脂発泡体は、具体的にはポリウレタンフォーム、ポリオレフィンフォーム等が例示される。
また、クッション層32は、比重が0.3〜0.9であることが好ましい。比重が0.3よりも小さいと、気泡が多すぎてクッション層32の強度が不足して、その内側の連結部が座屈するおそれがある。比重が0.9より大きいと、気泡が少なすぎてクッション層32のクッション性が発揮されず、衝撃吸収性が向上しない。
外側環状部3の内径は、その用途等に応じて適宜決定されるが、例えば、100〜600mmが好ましく、120〜300mmがより好ましい。
外側環状部3のタイヤ幅方向WDの幅は、用途等に応じて適宜決定されるが、30〜100mmが好ましく、40〜80mmがより好ましい。
外側環状部3の引張モジュラスは、1〜180000MPaが好ましく、1〜50000MPaがより好ましい。
内側連結部4は、内側環状部1と中間環状部2とを連結するものであり、両者の間に適当な間隔を開けるなどして、タイヤ周方向に各々が独立するように複数設けられる。内側連結部4は、ユニフォミティを向上させる観点から、タイヤ周方向に規則的に設けることが好ましい。
内側連結部4を全周に渡って設ける際の数(タイヤ幅方向WDに複数設ける場合は1個として数える)としては、車両からの荷重を十分支持しつつ、軽量化、動力伝達の向上、耐久性の向上を図る観点から、20〜60個が好ましく、20〜50個がより好ましい。図1には、内側連結部4を30個設けた例を示す。
個々の内側連結部4の形状としては、板状体、柱状体などが挙げられるが、本実施形態では板状体の例を示す。これらの内側連結部4は、正面視断面において、タイヤ径方向又はタイヤ径方向から傾斜した方向に延びている。本発明では、ブレークポイントを高くして剛性変動を生じにくくすると共に、耐久性を向上させる観点から、正面視断面において、内側連結部4の延設方向が、タイヤ径方向±30°以内が好ましく、タイヤ径方向±15°以内がより好ましい。図1では、内側連結部4が、タイヤ径方向に延設されている例を示す。
内側連結部4の厚みは、内側環状部1からの力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上、横剛性の向上を図る観点から、タイヤ断面高さHの3〜12%が好ましく、4〜10%がより好ましい。
内側連結部4の引張モジュラスは、内側環状部1からの力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上、横剛性の向上を図る観点から、1〜50MPaが好ましく、1〜30MPaがより好ましい。
内側連結部4の引張弾性率は、衝撃吸収性の向上を図る観点から、5〜30MPaが好ましく、10〜25MPaがより好ましい。
外側連結部5は、外側環状部3と中間環状部2とを連結するものであり、両者の間に適当な間隔を開けるなどして、タイヤ周方向に各々が独立するように複数設けられる。外側連結部5は、ユニフォミティを向上させる観点から、タイヤ周方向に規則的に設けることが好ましい。
なお、外側連結部5と内側連結部4とは全周の同じ位置に設けてもよく、異なる位置に設けてもよい。すなわち、外側連結部5と内側連結部4は、必ずしも図1のように同じ方向に連続するように延設する必要はない。
外側連結部5を全周に渡って設ける際の数(タイヤ幅方向WDに複数設ける場合は1個として数える)としては、車両からの荷重を十分支持しつつ、軽量化、動力伝達の向上、耐久性の向上を図る観点から、20〜60個が好ましく、20〜50個がより好ましい。図1には、外側連結部5を内側連結部4と同じく30個設けた例を示す。なお、外側連結部5の数と内側連結部4の数は、必ずしも同じとする必要はなく、例えば外側連結部5を内側連結部4よりも多く設けてもよい。
個々の外側連結部5の形状としては、板状体、柱状体などが挙げられるが、本実施形態では板状体の例を示す。これらの外側連結部5は、正面視断面において、タイヤ径方向又はタイヤ径方向から傾斜した方向に延びている。本発明では、ブレークポイントを高くして剛性変動を生じにくくすると共に、耐久性を向上させる観点から、正面視断面において、外側連結部5の延設方向が、タイヤ径方向±30°以内が好ましく、タイヤ径方向±15°以内がより好ましい。図1では、外側連結部5が、タイヤ径方向に延設されている例を示す。
外側連結部5の厚みは、内側環状部1からの力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上、横剛性の向上を図る観点から、タイヤ断面高さHの3〜12%が好ましく、4〜10%がより好ましい。
外側連結部5の引張モジュラスは、内側環状部1からの力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上、横剛性の向上を図る観点から、1〜50MPaが好ましく、1〜30MPaがより好ましい。
外側連結部5の引張弾性率は、衝撃吸収性の向上を図る観点から、5〜30MPaが好ましく、10〜25MPaがより好ましい。
非空気圧タイヤTは、弾性材料で成形される。本発明における弾性材料とは、JIS K7312に準じて引張試験を行い、10%伸び時の引張応力から算出した引張モジュラスが、100MPa以下のものを指す。本発明の弾性材料としては、十分な耐久性を得ながら、適度な剛性を付与する観点から、好ましくは引張モジュラスが0.1〜100MPaであり、より好ましくは0.1〜50MPaである。母材として用いられる弾性材料としては、熱可塑性エラストマー、架橋ゴム、その他の樹脂が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステルエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリスチレンエラストマー、ポリ塩化ビニルエラストマー、ポリウレタンエラストマー等が例示される。架橋ゴム材料を構成するゴム材料としては、天然ゴムの他、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(水添NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、フッ素ゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム等の合成ゴムが例示される。これらのゴム材料は必要に応じて2種以上を併用してもよい。
その他の樹脂としては、熱可塑性樹脂、又は熱硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられ、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。
なお、弾性材料としては、発泡材料を使用してもよく、上記の熱可塑性エラストマー、架橋ゴム、その他の樹脂を発泡させたものも使用可能である。
上記の弾性材料のうち、成形・加工性やコストの観点から、クッション層32以外の部分はポリウレタン樹脂で成形されるのが好ましく、クッション層32はポリウレタンフォームで成形されるのが好ましい。
弾性材料で成形された内側環状部1、中間環状部2、外側環状部3、内側連結部4、及び外側連結部5は、補強繊維により補強されていることが好ましい。
補強繊維としては、長繊維、短繊維、織布、不織布などの補強繊維が挙げられるが、長繊維を使用する形態として、タイヤ幅方向WDに配列される繊維とタイヤ周方向に配列される繊維とから構成されるネット状繊維集合体を使用するのが好ましい。
補強繊維の種類としては、例えば、レーヨンコード、ナイロン−6,6等のポリアミドコード、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルコード、アラミドコード、ガラス繊維コード、カーボンファイバー、スチールコード等が挙げられる。
本発明では、補強繊維を用いる補強の他、粒状フィラーによる補強や、金属リング等による補強を行うことが可能である。粒状フィラーとしては、カーボンブラック、シリカ、アルミナ等のセラミックス、その他の無機フィラーなどが挙げられる。
本発明における非空気圧タイヤTは弾性材料で成形されるが、非空気圧タイヤTを製造する際に、一体成形が可能となる観点から、内側環状部1、中間環状部2、外側環状部3、内側連結部4、及び外側連結部5は、補強構造を除いて基本的に同じ材質とすることが好ましい。
[他の実施形態]
(1)前述の実施形態では、クッション層32がタイヤ幅方向WDの全体に亘って設けられているが、必ずしも全体に亘って設けられる必要はない。図3に示すように、クッション層32は、タイヤ幅方向の中央部のみに設けられてもよい。すなわち、クッション層32は、タイヤ幅方向の両端部が非露出の状態で設けられてもよい。クッション層32の両端部は、トレッド層31で覆われている。これにより、トレッド層31と結合層33とが強固に結合されるため、耐久性をさらに高めることができる。クッション層32の幅W1は、衝撃吸収性及び耐久性を向上させる観点から、タイヤ幅Wの20〜90%であることが好ましい。
(1)前述の実施形態では、クッション層32がタイヤ幅方向WDの全体に亘って設けられているが、必ずしも全体に亘って設けられる必要はない。図3に示すように、クッション層32は、タイヤ幅方向の中央部のみに設けられてもよい。すなわち、クッション層32は、タイヤ幅方向の両端部が非露出の状態で設けられてもよい。クッション層32の両端部は、トレッド層31で覆われている。これにより、トレッド層31と結合層33とが強固に結合されるため、耐久性をさらに高めることができる。クッション層32の幅W1は、衝撃吸収性及び耐久性を向上させる観点から、タイヤ幅Wの20〜90%であることが好ましい。
(2)クッション層32の断面形状は、前述の長方形状に限定されず、例えば、図4に示すようなタイヤ幅方向WDの中央部をトレッド層31側へ突出させた三角形状、五角形状、台形状、蒲鉾状等にしてもよい。クッション層32のタイヤ幅方向WDの中央部の厚みを大きくすることで、トレッド層31のトレッド面に曲率が設けられ、タイヤ幅方向中央部で主に接地する場合であっても、衝撃吸収性が良好となる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。尚、実施例等における評価項目は、下記のようにして測定を行った。
衝撃吸収性
試験タイヤに50kgの錘を載せ、50mmの高さから自由落下させて、タイヤ着地時のホイール中心部にかかる上下方向の衝撃加速度を測定した。一つのサンプルにつき5回測定し、平均値を結果とする。表1に衝撃加速度の測定結果を示す。衝撃加速度が小さいほど、衝撃吸収性に優れていることを示す。
試験タイヤに50kgの錘を載せ、50mmの高さから自由落下させて、タイヤ着地時のホイール中心部にかかる上下方向の衝撃加速度を測定した。一つのサンプルにつき5回測定し、平均値を結果とする。表1に衝撃加速度の測定結果を示す。衝撃加速度が小さいほど、衝撃吸収性に優れていることを示す。
比較例1
クッション層を設けない非空気圧タイヤを比較例1とした。連結部の引張弾性率は12MPaとした。トレッド層の引張弾性率は6MPaとし、その他の比較例及び実施例も同じとした。
クッション層を設けない非空気圧タイヤを比較例1とした。連結部の引張弾性率は12MPaとした。トレッド層の引張弾性率は6MPaとし、その他の比較例及び実施例も同じとした。
実施例1
図2のようなクッション層を設けた非空気圧タイヤを実施例1とした。クッション層の比重は0.9、厚みは2mmとした。
図2のようなクッション層を設けた非空気圧タイヤを実施例1とした。クッション層の比重は0.9、厚みは2mmとした。
実施例2
図2のようなクッション層を設けた非空気圧タイヤを実施例2とした。クッション層の比重は0.55、厚みは2mmとした。
図2のようなクッション層を設けた非空気圧タイヤを実施例2とした。クッション層の比重は0.55、厚みは2mmとした。
実施例3
図2のようなクッション層を設けた非空気圧タイヤを実施例3とした。クッション層の比重は0.3、厚みは2mmとした。
図2のようなクッション層を設けた非空気圧タイヤを実施例3とした。クッション層の比重は0.3、厚みは2mmとした。
実施例4
図2のようなクッション層を設けた非空気圧タイヤを実施例4とした。クッション層の比重は0.55、厚みは4mmとした。
図2のようなクッション層を設けた非空気圧タイヤを実施例4とした。クッション層の比重は0.55、厚みは4mmとした。
実施例5
図2のようなクッション層を設けた非空気圧タイヤを実施例5とした。クッション層の比重は0.55、厚みは6mmとした。
図2のようなクッション層を設けた非空気圧タイヤを実施例5とした。クッション層の比重は0.55、厚みは6mmとした。
実施例6
図3のようなクッション層を設けた非空気圧タイヤを実施例6とした。クッション層の幅は、タイヤ幅の80%とした。クッション層の比重は0.55、厚みは6mmとした。
図3のようなクッション層を設けた非空気圧タイヤを実施例6とした。クッション層の幅は、タイヤ幅の80%とした。クッション層の比重は0.55、厚みは6mmとした。
実施例7
図2のようなクッション層を設けた非空気圧タイヤを実施例7とした。クッション層の比重は0.55、厚みは15mmとした。
図2のようなクッション層を設けた非空気圧タイヤを実施例7とした。クッション層の比重は0.55、厚みは15mmとした。
表1のように、実施例1〜7は、クッション層を設けたために、比較例1に比べ衝撃加速度が小さくなっている。また、実施例1〜3から、クッション層の比重を小さくするほど衝撃吸収性が向上することが分かる。さらに、実施例2,4,5,7から、クッション層の厚みを大きくするほど衝撃吸収性が向上することが分かる。実施例6は、実施例5に比べてクッション層の幅が狭くなったために衝撃加速度が大きくなったが、クッション層のタイヤ幅方向両端部が非露出の状態であるため、耐久性の観点からは好ましい。
1 内側環状部
2 中間環状部
3 外側環状部
4 内側連結部
5 外側連結部
31 トレッド層
32 クッション層
T 非空気圧タイヤ
W タイヤ幅
W1 クッション層の幅
WD タイヤ幅方向
2 中間環状部
3 外側環状部
4 内側連結部
5 外側連結部
31 トレッド層
32 クッション層
T 非空気圧タイヤ
W タイヤ幅
W1 クッション層の幅
WD タイヤ幅方向
Claims (6)
- 内側環状部と、その内側環状部の外側に同心円状に設けられる外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結する複数の連結部とを備える非空気圧タイヤであって、
前記外側環状部は、最外側に配されるトレッド層と、このトレッド層の内側に配される発泡体からなるクッション層とを有することを特徴とする非空気圧タイヤ。 - 前記クッション層は、独立気泡を有する樹脂発泡体からなることを特徴とする請求項1に記載の非空気圧タイヤ。
- 前記クッション層は、比重が0.3〜0.9であることを特徴とする請求項1又は2に記載の非空気圧タイヤ。
- 前記クッション層は、タイヤ幅方向の両端部が非露出の状態で設けられていることを特徴とする請求項1〜3に記載の非空気圧タイヤ。
- 前記クッション層の幅は、タイヤ幅の20〜90%であることを特徴とする請求項4に記載の非空気圧タイヤ。
- 前記トレッド層は引張弾性率が3〜50MPaであり、前記連結部の引張弾性率が5〜30MPaであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の非空気圧タイヤ。
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