JP2014008729A - 液滴吐出ヘッド及びこの液滴吐出ヘッドを有する液体カートリッジ及びこの液滴吐出ヘッドを有する画像記録装置及び液滴吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液滴吐出ヘッド及びこの液滴吐出ヘッドを有する液体カートリッジ及びこの液滴吐出ヘッドを有する画像記録装置及び液滴吐出ヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】検査対象の動的特性の検査をその検査対象を作り込んだ直後の工程で行うことが可能な液滴吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】本発明に係る液滴吐出ヘッド1は、振動板4と加圧用圧電体素子18とからなるアクチュエータと、アクチュエータの直下に設けられた加圧液室6と、加圧液室6に流入する液体の流入量を規定する流体抵抗部7とを少なくとも有し、アクチュエータを駆動することにより液滴を吐出する。
その液滴吐出ヘッド1を製造する途中工程のシリコン単結晶基板2’の加圧液室形成領域及び流体抵抗部形成領域以外の空き領域でかつ振動板構成膜4’の直下には、振動板構成膜4’の撓み変位を許容する検査用空隙23が形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出ヘッドを有する液体カートリッジ及びこの液滴吐出ヘッドを有する画像記録装置及び液滴吐出ヘッドの改良に関する。
従来から、画像記録装置等のインクジェット記録装置には、液滴吐出ヘッド(液体噴射ヘッド)を設けたものが知られている。その液滴吐出ヘッドは、PZT(チタン酸ジルコン酸亜鉛)等の強誘電体材料を用いた加圧用圧電体素子と振動板とからなるアクチュエータにより、インクが充満された加圧液室の圧力を変化させることにより、ノズル孔から液滴を吐出させる構成とされている(特許文献1参照)。
この特許文献1の液滴吐出ヘッドには、加圧用圧電体素子の圧電特性を検査する検査用圧電体素子が形成されている。また、液滴吐出ヘッドの加圧用圧電体素子の動的特性を評価する評価方法に関する技術も知られている(特許文献2参照)。
更に、液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)の異常を検知する異常検知手段を搭載したインクジェット記録装置も知られている(特許文献3参照)。
その特許文献1に開示のものでは、加圧用圧電体素子の形成後に検査用圧電体素子に電圧を印加して圧電特性を測定しているので、液滴吐出ヘッドの製造工程途中であって、検査対象としての加圧用圧電体素子を製造した直後に、加圧用圧電体素子の良否判定検査を行うことができる。
しかしながら、その特許文献1に開示のものでは、加圧用圧電体素子の形成直後の工程で加圧用圧電体素子の良否の判定検査を行うことができるといっても、振動板を含んだ加圧用圧電体素子の特性、すなわち、動的特性を検査できないという不都合がある。
その特許文献2に開示のものでは、検査用圧電体素子の反り量を検査することにより加圧用圧電体素子の動的特性を評価することはできるが、液滴吐出ヘッドの完成後に検査を行う評価方法であるので、生産効率の低下を招く。特許文献3に開示の技術も同様である。
一般に、製造効率の向上の観点から、最終的に不良品となることが見込まれる未完成品は、後工程に流れる前に除去するのが望ましい。また、検査対象物の動的特性をその検査対象物を作り込んだ直後の工程で検査を行うことが望ましい。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、その目的は、検査対象の動的特性の検査を、その検査対象を作り込んだ直後の工程で行うことが可能な液滴吐出ヘッドを提供することにある。
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、振動板と加圧用圧電体素子とからなるアクチュエータと、該アクチュエータの直下に設けられた加圧液室と、該加圧液室に流入する液体の流入量を規定する流体抵抗部とを少なくとも有してかつ前記アクチュエータを駆動することにより液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの製造途中工程において、シリコン単結晶基板の空き領域に、振動板構成膜の撓み変位を許容する検査用空隙が形成されている。
本発明によれば、検査対象を作り込んだ直後の直近の工程で、検査対象の動的特性の検査を行うことができる。従って、最終的に不良品と判定される液滴吐出ヘッドを最終工程に流す前に除去できることになって、生産効率の向上、コスト低減効果を期待できる。
図1は本発明の実施例に係る液滴吐出ヘッドの概要を部分的に断面して示した斜視図である。 図2は図1に示すX−X線に沿って液滴吐出ヘッドを断面して拡大した図である。 図3は本発明の実施例1に係る液滴吐出ヘッドの詳細構成を示す断面図である。 図4Aは本発明の実施例1に係る液滴吐出ヘッドの製造工程の説明図であって、シリコン単結晶基板に振動板構成膜と隔壁とを形成した状態を示す説明図である。 図4Bは図4Aに示す振動板構成膜の表面に圧電体構成膜と振動板構成膜とを形成した後パターニングした状態を示す説明図である。 図4Cは図4Bに示す振動板構成膜と圧電体構成膜とを用いて加圧用圧電体素子と検査用圧電体素子とからなるアクチュエータを形成すると共に、検査用圧電体素子の直下に検査用空隙を形成した状態を示す説明図である。 図4Dは図4Cに示す振動板構成膜の表面に絶縁膜を形成した状態を示す説明図である。 図4Eは図4Dに示す絶縁膜の表面に保護基板を接合した状態を示す説明図である。 図4Fは図4Eに示す示すシリコン単結晶基板を研磨すると共に共通液室を形成した状態を示す説明図である。 図4Gは図4Eに示すシリコン単結晶基板にノズル基板を接合した状態を示す説明図である。 図5は本発明の実施例1に係る液滴吐出ヘッドの検査工程を説明するための平面図である。 図6Aは本発明の実施例2に係る液滴吐出ヘッドの製造工程の説明図であって、振動板構成膜に空隙形成孔と検査用空隙とを形成した直後の状態を示す断面図である。 図6Bはこの実施例2に係る液滴吐出ヘッドの完成状態を示す断面図である。 図7は本発明の実施例1に係る液滴吐出ヘッドの検査工程を説明するための平面図であって、(a)は検査パターンの振動板構成膜が円形の場合を示し、(b)は検査パターンの振動板構成膜が正方形状の場合を示している。 図8は本発明の実施例3の説明図であって、液体吐出ヘッドを一体に有するインクカートリッジの概略構成を示す斜視図である。 図9は本発明の実施例4の説明図であって、本発明に係る液滴吐出ヘッドが搭載されたインクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。 図10は図9に示すインクジェット記録装置の内部構造の概略構成を示す説明図である。
以下に、本発明に係る液滴吐出ヘッド及び液体カートリッジ及び画像記録装置及び液滴吐出ヘッドの製造方法の実施例を図面を参照しつつ説明する。
(液滴吐出ヘッドの概略構成)
図1は、この発明に係る液滴吐出ヘッドを部分的に断面して示した斜視図である。
図2は、図1に示すX−X線に沿って液滴吐出ヘッドを断面して拡大した図である。
その図1、図2において、符合1は液滴吐出ヘッドを示す。その液滴吐出ヘッド1は後述するノズル孔から液滴を吐出するサイドシュータータイプのものである。その液滴吐出ヘッド1は第1基板としての流路形成基板2を有する。
流路形成基板2には、図1に示すように、加圧用圧電体素子3、振動板4、加圧液室隔壁5、加圧液室6、流体抵抗部7、共通液室8が形成されている。加圧液室6は加圧液室隔壁5によって仕切られている。
その流路形成基板2の上部には、第2基板としての保護基板10が設けられている。その保護基板10は、インク供給口11、共通インク流路12を有する。
その保護基板10には、図2に示すように、振動板4の撓みを許容する空間13が形成されている。その流路形成基板2の下部には第3基板としてのノズル基板14が設けられている。そのノズル基板14には加圧液室6に対応する位置にノズル孔15が形成されている。
その液滴吐出ヘッド1は、流路形成基板2と、保護基板10と、ノズル基板14とによって構成される。加圧液室6と空間13とは振動板4を介して隔絶され、加圧用圧電体素子3は振動板4を挟んで加圧液室6に対向する空間13に配置されている。
その振動板4には共通インク流路12に連通する共通インク供給路12’が形成され、インクは外部からインク供給口11、共通インク流路12、共通インク供給路12’を経て共通液室8に供給される。
その加圧用圧電体素子3は、図2に示すように、共通電極16と個別電極17と加圧用圧電体18とから構成されている。この液滴吐出ヘッド1には、アクチュエータの動的特性を検査する検査パターンとしての検査用圧電体素子20が設けられている。
その検査用圧電体素子20は、加圧液室6とは異なる空き領域に形成されている。この検査用圧電素子体20も、共通電極16と個別電極17’と検査用圧電体18’とから構成されているが、検査用圧電体素子20の詳細については、液滴吐出ヘッド1の製造工程を説明しつつ説明することにし、先に液滴吐出ヘッド1の作用を説明する。
(図1、図2に示す液滴吐出ヘッドの作用)
この図1、図2に示す液滴吐出ヘッド1においては、各加圧液室6内に液体としての例えばインク(記録液)が満たされた状態で、図示を略す制御部から画像データに基づいて、記録液の吐出を行わせるべきノズル孔15に対応する個別電極17に例えば20Vのパルス電圧を印加する。
この個別電極17へのパルス電圧の印加によって、加圧用圧電体18がその電歪効果により振動板4と平行な方向に縮む。これにより、振動板4がその厚さ方向に撓んで、加圧液室6内の圧力が急激に上昇し、そのノズル孔15からインクが液滴として吐出される。
その縮んだ個別電極17は、パルス電圧の印加解除後、元の状態に戻るため、撓んだ振動板4も元の状態に戻り、その加圧液室6が負圧となり、インクがインク供給口11、共通インク流路12、共通インク供給路12’、共通液室8、流体抵抗部7を経て、矢印で示すように加圧液室6に供給される。
その画像データに対応して、その液滴吐出ヘッド1の各個別電極17へのパルス電圧印加を繰り返し行うことによって、液滴がノズル孔15から吐出され、画像又は文字が液滴吐出ヘッド1に臨んで位置する記録媒体としての用紙に記録形成される。
(実施例1)
図3は本発明に係る液滴吐出ヘッド1の詳細構成を示す断面図である。その図3において、図2に示す構成要素と同一構成要素については、同一符合を付してその詳細な説明は省略することとし、異なる構成要素についてのみ説明することとする。
検査用圧電素子体20は、液滴吐出ヘッド1の空き領域に配置される。その検査用圧電素子体20をウエハレベルで作成する場合、ウエハの空き領域(加圧液室6、共通液室8等の形成領域以外の領域)に検査パターンとして複数個形成することにより、アクチュエータの動的特性をウエハ面における面分布情報として得ることができる。
以下、この実施例1に係る液滴吐出ヘッド1の製造工程を図4を参照しつつ説明する。
まず、図4Aに示すように、流路形成基板2として用いる面方位(110)のシリコン単結晶基板(例えば、板厚400マイクロメートル(μm))2’にリソエッチ法(リソグラフィー・エッチング法)によって、後述する隔壁を形成するための隔壁用溝21’を形成する。
この隔壁用溝21’の深さは10μm程度とする。また、この隔壁用溝21’の溝幅は、振動板4として用いる振動板構成膜4’で埋積されるように振動板構成膜4’の厚さの1/2以下とする。
ついで、振動板構成膜4’をシリコン単結晶基板2’の表面に形成する。その振動板構成膜4’は、例えば、LP−CVD(ロープレッシャーケミカルベーパーディポジション)法を用いて、シリコン酸化膜、ポリシリコン膜、アモルファスシリコン膜、シリコン窒化膜等をシリコン単結晶基板2’の表面に成膜することにより形成される。
その成膜は、後工程においてのプロセス整合性、振動板4としての剛性及びその機能を確保できれば、単層により成膜形成しても良いし、積層により成膜形成しても良い。この振動板構成膜4’の成膜により、隔壁21が同時に形成される。
その隔壁21(21a〜21c)は、例えば、図5に示すように、輪環状でかつ同心円状に二重に形成されている。また、内側の隔壁21aと外側の隔壁21bとは放射状壁21cにより連結されている。その内側の隔壁21aには、連通孔21”が放射状に形成されている。
また、内側の隔壁21aと外側の隔壁21bとの間には、後述する空隙形成孔22が円周方向に間隔を開けて適宜個数形成されるものである。
ついで、図4Bに示すように、振動板構成膜4’の表面にチタン金属物質(Ti)とプラチナ金属物質(Pt)とからなる共通電極16として用いる共通電極構成膜16’をスパッタリング法により成膜する。
そのチタン金属物質(Ti)の膜厚は、例えば、30ナノメートル(30nm)であり、プラチナ金属物質(Pt)の膜厚は100(nm)である。次に、この共通電極構成膜16’の上面に加圧用圧電体18、検査用圧電体18’として用いる圧電体構成膜18”をスパッタリング法により成膜形成する。
その圧電体構成膜18”の材料には、PZT(チタン酸ジルコン酸亜鉛)等の強誘電体材料を用いる。その圧電体構成膜18”の膜厚は、例えば、2μmである。ついで、その圧電体構成膜18”の表面に、プラチナ金属物質(Pt)からなる上部電極としての個別電極17として用いる個別電極構成膜17”を成膜する。その個別電極構成膜17”の膜厚は、例えば、100nmである。
なお、圧電体構成膜18”の成膜方法は、スパッタリング法に限られるものではなく、イオンプレーティング法、エアーゾル法、ゾルゲル法、インクジェット法等の成膜方法を用いても良い。
ついで、加圧液室6に対応する位置と検査パターンを形成する空き領域に対応する位置とに、それぞれ加圧用圧電体素子3、検査用圧電体素子20を形成するために、図4Bに示すように、リソエッチ法により、個別電極構成膜17”、圧電体構成膜18”をパターニングする。
その後、図4Cに示すように、その検査パターンを形成する領域に存在する振動板構成膜4’の直下に後述する検査用空隙を形成するために、リソエッチ法により空隙形成孔22を形成する。
ついで、この空隙形成孔22のレジストマスクをそのまま使って、等方性エッチングによって検査用空隙23を、シリコン単結晶基板2’に形成する。その検査用空隙23の深さは、隔壁用溝21’の深さよりも浅い。また、検査用空隙23の深さは、検査用振動板4”としての振動板構成膜4’の最大変位量よりも深いのが望ましい。なお、検査用空隙23のエッチングをドライエッチングにより行う場合には、SF6ガスを用いる。
その内側の隔壁21aにより、検査用振動板4”の撓み領域部が規定されると共にこの撓み領域部と検査用圧電体素子20とが支持される。この検査用振動板4”と検査用圧電体素子20とから検査用アクチュエータが構成される。
ついで、検査パターンの形成領域に、図5に示す電極パッド23’を形成し、検査用圧電体素子20の個別電極構成膜17”と電極パッド23’とを接続線路23”により接続する。
このようにして形成された検査パターンの電極パッド23’と共通電極16とに検査用の駆動信号を印加すれば、そのアクチュエータの動的特性を検査でき、ウエハレベルでアクチュエータの良否判定を行うことができる。
このアクチュエータの動的検査によって、不良品と判定された製造工程途中の液滴吐出ヘッド1は廃棄され、不良品が後工程に流れるのを未然に防止できる。従って、生産効率の向上、ひいては、コスト低減につながる。
ついで、良品と判定された製造工程途中の液滴吐出ヘッド1には、図4Dに示すように、電極の外部への引き出し配線(図示を略す)と、共通電極16、個別電極17の絶縁性とを確保するため、絶縁膜としてのSiO2膜24がプラズマCVD法により成膜される。その膜厚は例えば500nmである。
その後、引き出し配線(図示を略す)と、共通電極16、個別電極17とをコンタクトするコンタクトホール(図示を略す)を形成する。ついで、引き出し配線としての例えばTiN/Al物質をスパッタリング法により成膜し、所望のパターン形状にリソエッチ法により加工する。なお、TiN/Al物質の膜厚は例えば30nm/1μmである。
次に、パッシベーション膜として、プラズマCVD法により、SiN膜25を成膜する。その膜厚は例えば1μmである。その後、加圧液室6の直上方の領域、検査用空隙23の直上方の領域、共通液室8等を形成すべき直上方の領域のSiO2膜24、SiN膜25を、リソエッチ法により除去する。
その後、図4Eに示すように、共通液室8を形成すべき領域の振動板構成膜4’を、リソエッチング法により除去する。次に、インク供給口11、共通インク流路12、振動板4の撓みを許容する空間13が形成されたガラス材料製の保護基板10を流路形成基板2に接合する。その接合には、接着剤を用いても良いが、直接接合が望ましい。
ここでは、その保護基板10には、ガラス製の材料を用いることにしたが、シリコン単結晶基板を用いても良い。
なお、シリコン単結晶基板を保護基板10に用いる場合には、流路形成基板2に加圧液室6等を形成する際に、この形成に用いるエッチング法によってそのシリコン単結晶基板がエッチングされないように、そのエッチングに対して耐性を有する膜、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜を共通インク供給路の内壁(図示を略す)及びそのシリコン単結晶基板の表面にあらかじめ形成しておく必要がある。
ついで、シリコン単結晶基板2’を、図4Eに示すように、公知の技術による研磨又はエッチングにより所望の厚さtとなるように加工する。例えば、その厚さは80μmである。
次に、加圧液室6、共通液室8、流体抵抗部7を形成すべき箇所以外の領域及び隔壁をリソ法によりレジストを用いて被覆する。その後、図7Fに示すように、アルカリ溶液(KOH溶液、又はTMHA)を用いて、異方性ウエットエッチングを行い、加圧液室6、共通液室8、流体抵抗部7を形成する。
その後、図4Gに示すように、加圧液室6に対応する箇所にノズル孔15を有するノズル基板14を流路形成基板2に接合する。これにより、液滴吐出ヘッド1が完成する。
この実施例1によれば、アクチュエータを形成した直後の図4Cに示す製造工程で、アクチュエータの動的特性の良否判定を行うことができる。
従って、生産効率の向上、ひいては、高精度、高密度で信頼性の高い安定した液滴吐出ヘッド1を提供できる。また、この液滴吐出ヘッド1を一体化したインクカートリッジやこの液滴吐出ヘッド1が搭載された画像記録装置の信頼性向上も図ることができる。
なお、この実施例1によれば、検査用パターンが完成後もそのまま液滴吐出ヘッド1に形成されたままであるから、液滴吐出ヘッド1の完成後においても、必要に応じて、アクチュエータの動的特性の検査を行うことができる。
(実施例2)
この実施例2は、振動板4の剛性を評価するための検査パターンを空き領域に形成したものである。
図4Aに示すように、実施例1と同様に、シリコン単結晶基板2’に隔壁用溝21’を形成した後、振動板構成膜4’をシリコン単結晶基板2’の表面に形成することにより、隔壁21を形成する。
その後、図6Aに示すように、その検査パターンの形成領域に存在する振動板構成膜4’の直下に後述する空隙を形成するために、リソエッチ法により空隙形成孔22を形成する。
ついで、空隙形成孔22のレジストをそのまま使って、等方性エッチングによって、空隙23を、シリコン単結晶基板2’に形成する。その空隙23の深さは、隔壁用溝21’の深さよりも浅い。
検査パターンは、図7(a)に示すように、円板形状でも良いし、図7(b)に示すように、正方形状であっても良い。
この実施例2の場合、触針検査装置のプローブ(図示を略す)を用いて、図7(a)、図7(b)に示す検査パターン形成領域の振動板構成膜4’に任意の荷重を加えて、振動板構成膜4’を撓ませ、加えた荷重の大きさと振動板構成膜4’のたわみ量とから、振動板4の剛性を測定する。なお、検査パターンの形状は、図7(a)に示す円盤形状、図7(b)に示す正方形状以外の形状を採用することもできる。
その後、図4Dないし図4Gと同様の手順を経て、図6Bに示す液滴吐出ヘッド1を完成させる。
このように、この実施例2によれば、振動板構成膜4’の形成直後に、振動板4の動的特性(剛性、強度)を検査でき、実施例1と同様に、液滴吐出ヘッド1を製造する工程の早い段階で、不良品を振り分けて、不良品となる液滴吐出ヘッド1を除去できるので、液滴吐出ヘッド1の生産効率が向上する。
その結果、高精度、高密度で信頼性の高い安定した液滴吐出ヘッド1の歩留まりが向上する。
(実施例3)
図8は、実施例に係る液滴吐出ヘッド1を一体的に有する液体カートリッジとしてのインクカートリッジの概略構成を示す斜視図である。
その図8において、30はインクカートリッジを示している。このインクカートリッジ30はインクタンク31を有する。このインクタンク31には液滴吐出ヘッド1が一体に形成されている。
そのインクタンク31に液滴吐出ヘッド1を一体化して形成する場合、アクチュエータが高精度化、高密度化、高信頼化するので、インクカートリッジ30の歩留まりや信頼性の向上を図ることができ、ひいては、インクカートリッジ30の低コスト化を図ることができる。
(実施例4)
図9は図に示す液滴吐出ヘッド1を搭載したインクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
その図9において、41はインクジェット記録装置である。このインクジェット記録装置41の本体の内部には、印字機構部42、用紙搬送機構部43が設けられている。
そのインクジェット記録装置41には、その本体の下部に給紙カセット(又は給紙トレイ)41’が抜き差し可能に装着される。その給紙カセット41’には複数枚の用紙42’が積載可能である。その本体には、排紙トレイ43’が設けられている側を手前側として、その本体の背面側に、手差しトレイ44’が設けられている。
用紙42’は給紙カセット(又は給紙トレイ)41’或いは手差しトレイ44’から印字機構部42に給送され、この印字機構部42を経由して排紙トレイ43’に向けて排出される。
そのインクジェット記録装置41の用紙搬送機構部43は、給紙ローラ51、フリクションパッド52、ガイド部材53、搬送ローラ54、搬送コロ55、先端コロ56、印写受け部材57、搬送コロ58、拍車59、排紙ローラ60、拍車61、排紙経路を構成するガイド部材62、63から大略構成されている。
給紙ローラ51はフリクションパッド52と協働して用紙42’を分離し、ガイド部材53は用紙42’を搬送ローラ54に向けて案内する。搬送ローラ54は図示を略す副走査モータと図示を略すギヤ列とにより回転駆動される。
その搬送ローラ54は搬送コロ58と協働して用紙42’を反転させて搬送する。先端コロ56は、用紙42’の送り出し角度を規定する。印写受け部材57は、用紙42’を液滴吐出ヘッド1の下方に向けて案内する。
搬送コロ58と拍車59とは、用紙42’の搬送方向下流側に配置されて回転駆動される。用紙42’はこの搬送コロ58と拍車59とによってガイド部材62、63に移送され、排紙ローラ70、拍車71によって排紙トレイ43’に向けて排出される。
印字機構部42は、主ガイドロッド83、従ガイドロッド84、主走査モータ85、駆動プーリ86、従動プーリ87、タイミングベルト88、キャリッジ89から大略構成されている。従ガイドロッド84は用紙搬送方向の上流側に位置し、主ガイドロッド83は用紙搬送方向の下流側に位置している。
駆動プーリ86は、主走査モータ85の出力軸に固定され、従動プーリ87は本体内部の適宜箇所に配設されている。タイミングベルト88は駆動プーリ86と受動プーリ87とに張架されている。
キャリッジ89は、タイミングベルト88に固定されると共に、主ガイドロッド83、従ガイドロッド84に長手方向(主走査方向)に摺動可能に載置されている。ここでは、キャリッジ89には、液滴吐出ヘッド1が下方に向けて形成されている。そのキャリッジ89はその主走査モータ85、駆動プーリ86、従動プーリ87、タイミングベルト88によって、主ガイドロッド83の長手方向に沿って往復駆動される。
その液滴吐出ヘッド1には、ノズル孔15としての複数個のインク吐出口が主走査方向と交差する方向に配列形成され、そのインク吐出口からインク滴が下方に向けて吐出される。そのキャリッジ89には、液滴吐出ヘッド1にインクを供給するための複数個のインクカートリッジ30が交換可能かつ装着されている。
そのインクカートリッジ30の内部には多孔質体が設けられ、この多孔質体にはインクが充填されている。そのインクはそれぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色からなる。その各色のインクカートリッジ30は、主走査方向に配列してキャリッジ89に装着される。
そのインクカートリッジ30は、その上方には大気に連通する大気連通孔を有し、その下方には液滴吐出ヘッド1にインクを供給する供給口を有する。その多孔質体は、液滴吐出ヘッド1に供給されるインクを毛管現象によりわずかな負圧に維持する。
なお、この実施例では、液滴吐出ヘッド1をインクの各色に対応させて設ける構成として説明しているが、各色の液滴を吐出するノズル孔15を有する1個の液滴吐出ヘッド1をキャリッジ89に設ける構成としても良い。
このインクジェット記録装置41では、その記録時には、用紙42’を所定位置に停止させた状態で、キャリッジ89を主走査方向に移動させながら、画像信号に応じて液滴吐出ヘッド1を駆動することにより、用紙42’にインクを吐出させ、1行分の印字を実行し、1行分の印字終了後、所定量副走査方向に用紙42’を搬送して用紙42’を停止させ、次の行の印字を実行する。
この印字処理を例えば記録終了信号を受け取るまで実行し、1枚分の用紙42’の印字が終了すると、用紙42’を排出トレイ43’に排出する。
そのインクジェット記録装置41の内部には、キャリッジ89の主走査方向の記録領域から外れた位置に、回復装置90が設けられている。この回復装置90は、液滴吐出ヘッド1の吐出不具合を回復するのに用いる。
回復装置90は、キャッピング手段と、吸引手段と、クリーニング手段とを有する。そのキャリッジ89は、印字待機中には、回復装置90に位置されて、液滴吐出ヘッド1はキャッピング手段によりキャッピングされている。これにより、液滴吐出ヘッド1のノズル孔15が湿潤状態に保たれ、インクの乾燥に起因する吐出不具合の発生が防止される。
また、回復装置90は、記録途中等では、記録に無関係のインクを吐出させることにより、全てのノズル孔15のインク粘度を一定化させ、ノズル孔15から安定して液滴が吐出されるように処理する。
更に、ノズル孔15からの液滴の吐出不具合が発生した場合には、キャッピング手段により液滴吐出ヘッド1のノズル孔15を密封し、チューブ(図示を略す)を通じて吸引手段によりノズル孔15からインクと共に気泡等を吸い出し、ノズル面に付着したインクやゴミ等をクリーニング手段により除去する。これにより、ノズル孔15からの液滴の吐出不具合が解消される。
なお、吸い出されたインクは、インクジェット記録装置41の下部の廃インク溜まり部(図示を略す)に向けて排出され、廃インク溜まり部のインク吸収体に吸収される。
このように、このインクジェット記録装置41では、この実施例1ないし実施例3に係る液滴吐出ヘッド1を搭載しているので、安定したインク吐出特性が得られ、画像品質が向上する。
この実施例では、インクジェット記録装置41に液滴吐出ヘッド1を適用した場合について説明したが、インク以外の液滴、例えば、パターンニング用の液体レジストを吐出する装置に液滴吐出ヘッド1を適用する構成とすることもできる。
1…液滴吐出ヘッド
2…流路形成基板
2’…シリコン単結晶基板
4…振動板
6…加圧液室
7…流体抵抗部
4’…振動板構成膜
18…加圧用圧電体素子
23…検査用空隙
特開2009−126020号公報 特開2010−143169号公報 特開2011−178152号公報

Claims (7)

  1. 振動板と加圧用圧電体素子とからなるアクチュエータと、該アクチュエータの直下に設けられた加圧液室と、該加圧液室に流入する液体の流入量を規定する流体抵抗部とを少なくとも有してかつ前記アクチュエータを駆動することにより液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを製造する途中工程のシリコン単結晶基板の加圧液室形成領域及び流体抵抗部形成領域以外の空き領域でかつ振動板構成膜の直下に該振動板構成膜の撓み変位を許容する検査用空隙が形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 前記検査用空隙が形成されている領域に対応する振動板構成膜を挟んで前記検査用空隙と対応する位置に検査用圧電体素子が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
  3. 前記振動板構成膜の検査時の最大変位量よりも、前記検査用空隙の深さが深いことを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出ヘッド。
  4. 前記検査用空隙内に前記検査のために前記振動板構成膜の撓み領域部を規定して該撓み領域部を支持する隔壁が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッド。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッドをインクタンクと一体に有する液体カートリッジ。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッド又は請求項5に記載の液体カートリッジが搭載されている画像記録装置。
  7. 加圧用圧電体素子の変位を振動板に伝えて該振動板を撓ませ、該振動板の撓みにより加圧液室の圧力を変化させることにより、該加圧液室内の液体を液滴としてノズル孔から吐出させる液滴吐出ヘッドの製造方法において、
    前記加圧液室と流体抵抗部と共通液室とが少なくとも形成される流路形成基板に用いるシリコン単結晶基板の表面に振動板構成膜を形成する工程と、
    前記振動板構成膜の表面に前記加圧液室に対向して前記加圧用圧電体素子を形成すると同時に前記加圧液室と前記流体抵抗部と前記共通液室とが形成される領域以外の空き領域に検査用圧電体素子を形成する工程と、
    前記検査用圧電体素子を形成後に該検査用圧電体素子形成領域の直下の領域の前記シリコン単結晶基板に前記振動板構成膜の撓みを許容する検査用空隙を形成する工程と、
    前記検査用圧電体素子に駆動信号を印加して前記加圧用圧電体素子と前記振動板構成膜とからなるアクチュエータの動的特性を評価する検査工程と、
    前記検査工程において規格外と判定された製造途中の液滴吐出ヘッドを除去して完成品としての液滴吐出ヘッドを製造する工程と、
    を含むことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
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