JP2014008025A - コレステロールエステラーゼを可溶化発現させる方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、コレステロールエステラーゼを効率的に生産する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、可溶化コレステロールエステラーゼの製造方法であって、コレステロールエステラーゼをコードする遺伝子及びシャペロンをコードする遺伝子が導入された形質転換体を培養し、コレステロールエステラーゼを可溶化発現させることを含む、前記方法に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、コレステロールエステラーゼを可溶化発現させる方法、可溶化コレステロールエステラーゼを発現する形質転換体、及び該形質転換体を製造するための組換えベクターに関する。
血中コレステロールは、肝臓や腸管のコレステロール代謝に影響する種々の因子と関連して体内脂質代謝を反映しており、臨床的指標として重要である。コレステロールは、血中では主に低密度リポタンパク質(LDL)及び高密度リポタンパク質(HDL)として存在している。
従来、血中コレステロールを測定する酵素法は、コレステロールオキシダーゼを用いた方法(例えば、非特許文献1参照)と、コレステロール脱水素酵素を用いた方法(例えば特許文献1又は特許文献2参照)が報告されている。
血中のコレステロールは大部分が脂肪酸とのエステルとして存在しているが、コレステロールオキシダーゼ及びコレステロール脱水素酵素は遊離のコレステロールにしか作用しないため、上記酵素法においては、コレステロールエステラーゼによりコレステロールエステルを加水分解してコレステロールを遊離させなければならない。
コレステロールエステラーゼはエステル結合に作用する加水分解酵素の一種であり、具体的には、国際化学分子生物連合(IUBMB)酵素委員会が定めるEC番号3.1.1.13に分類される。コレステロールエステラーゼは、これまでにPseudomonas属(特許文献3参照)、Streptomyces属(特許文献4参照)、Nocardia属(特許文献5参照)、カワラタケ(特許文献6参照)、スエヒロタケ(特許文献7参照)、Burkholderia属(特許文献8参照)、Xanthomonas属(特許文献9参照)などを由来とするものが知られている。
酵素の産業利用上においては、微生物の単位培養当たりの酵素生産量が大きいことが要求されるが、従来知られているコレステロールエステラーゼは天然に存在する微生物を培養することにより取得されており(例えば、非特許文献2)、組換え体により大量発現させた例はない。大腸菌は組換え生産において最も汎用され、組換え操作が簡便で、培養のし易さ、安全性の面などから工業的に多用されている宿主である。したがって、大腸菌を宿主とした組換え体により、コレステロールエステラーゼを効率的に生産する方法が望まれていた。
特公平2−49720号公報 特公平5−176797号公報 特開昭50−157588号公報 特開昭53−109992号公報 特開昭57−43686号公報 特開昭55−114288号公報 特開昭53−9391号公報 特開平10−127278号公報 特開平11−56355号公報
Charles C. Allain, Lucy S. Poon, Cicely S. G. Chan, W. Richmond, C. Fu, Enzymatic Determination of Total Serum Cholesterol, Clin. Chem., Vol.20, 470, 1974 Hongyu Xiang、Naoki Takaya, Takayuki Hoshino, Novel Cholesterol Esterase Secreted by Streptomyces Persists during Aqueous Long-Term Storage, Journal of Bioscience and Bioengineering, Vol.101, 19, 2006
従来の方法でコレステロールエステラーゼを大腸菌で発現させる場合、封入体でしか発現させることができず、大腸菌以外の宿主で発現させざるえない状況であった。したがって、本発明は、形質転換体において、可溶化したコレステロールエステラーゼを効率的に生産する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究を重ね、その結果、コレステロールエステラーゼをコードする遺伝子とシャペロンをコードする遺伝子とを宿主に導入して共発現させることで、コレステロールエステラーゼを可溶性タンパク質として効率的に生産できることを見出した。すなわち、本発明は以下を包含する。
(1)可溶化コレステロールエステラーゼの製造方法であって、コレステロールエステラーゼをコードする遺伝子及びシャペロンをコードする遺伝子が導入された形質転換体を培養し、コレステロールエステラーゼを可溶化発現させることを含む、前記方法。
(2)コレステロールエステラーゼをコードする遺伝子がBurkholderia属微生物に由来する遺伝子である、(1)記載の方法。
(3)シャペロンをコードする遺伝子がLimS遺伝子である、(2)記載の方法。
(4)LimS遺伝子がBurkholderia属微生物に由来する遺伝子である、(3)記載の方法。
(5)形質転換体が大腸菌である、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)コレステロールエステラーゼをコードする遺伝子及びLimS遺伝子が導入された形質転換体。
(7)コレステロールエステラーゼをコードする遺伝子がBurkholderia属微生物に由来する遺伝子である、(6)記載の形質転換体。
(8)LimS遺伝子がBurkholderia属微生物に由来する遺伝子である、(7)記載の形質転換体。
(9)大腸菌である、(6)〜(8)のいずれかに記載の形質転換体。
(10)(6)〜(9)のいずれかに記載の形質転換体を培養することを含む、可溶化コレステロールエステラーゼの製造方法。
(11)コレステロールエステラーゼをコードする遺伝子及びLimS遺伝子を含む組換えベクター。
(12)コレステロールエステラーゼをコードする遺伝子がBurkholderia属微生物に由来する遺伝子である、(11)記載の組換えベクター。
(13)LimS遺伝子がBurkholderia属微生物に由来する遺伝子である、(12)記載の組換えベクター。
本発明により、コレステロールエステラーゼを可溶性タンパク質として効率的に生産することが可能になる。
プラスミドの構築図を示す。 実施例3で得られた酵素のpH安定性を示すグラフである。 実施例3で得られた酵素の至適pHを示すグラフである。 実施例3で得られた酵素の温度安定性を示すグラフである。 実施例3で得られた酵素の至適温度を示すグラフである。
コレステロールエステラーゼは、多くの生物において脂質代謝に関わる重要な酵素であり、哺乳類や微生物などのコレステロールエステラーゼについて多数報告されている。コレステロールエステラーゼは、エステル型コレステロールを加水分解して、遊離型コレステロール及び脂肪酸を生成する反応を触媒する。コレステロールエステラーゼは、脂質を分解する活性を有することからリパーゼに分類されることもある。具体的には、国際化学分子生物連合(IUBMB)酵素委員会が定めるEC番号3.1.1.13に分類される。
コレステロールエステラーゼをコードする遺伝子(コレステロールエステラーゼ遺伝子)としては、各種微生物由来のものを使用でき、例えば、Burkholderia属微生物、例えば、B. cepacia、B. glumae、B. andropogonis、B. brasilensis、B. caledonica、B. caribensis、B. caryophylli、B. fungorum、B. gladioli、B. glathei、B. graminis、B. hospita、B. kururiensis、B. mallei、B. phenazinium、B. phymatum、B. phytofirmans、B. plantarii、B. sacchari、B. singaporensis、B. sordidicola、B. symbiont of Asellus aquaticus、B. terricola、B. tropica、B. tuberum、B. ubonensis、B. unamae、B. xenovorans、B. cepacia complex: B. ambifaria、B. anthina、B. cenocepacia、B. dolosa、B. multivorans、B. pyrrocinia、B. stabilis及びB. vietnamiensis;Pseudomonas属微生物、例えば、P. aeruginosa、P. abietaniphila、P. agarici、P. agarolyticus、P. alcaliphila、P. alginovora、P. andersonii、P. antarctica、P. asplenii、P. azelaica、P. batumici、P. borealis、P. brassicacearum、P. chloritidismutans、P. cremoricolorata、P. diterpeniphila、P. filiscindens、P. frederiksbergensis、P. gingeri、P. graminis、P. grimontii、P. halodenitrificans、P. halophila、P. hibiscicola、P. hydrogenovora、P. indica、P. japonica、P. jessenii、P. kilonensis、P. koreensis、P. lini、P. lurida、P. lutea、P. marginata、P. meridiana、P. mesoacidophila、P. pachastrellae、P. palleroniana、P. parafulva、P. pavonanceae、P. proteolyica、P. psychrophila、P. psychrotolerans、P. pudica、P. rathonis、P. reactans、P. rhizosphaerae、P. salmononii、P.thermaerum、P. thermocarboxydovorans、P. thermotolerans、P. thivervalensis、P. umsongensis、P. vancouverensis、P. wisconsinensis、P. xanthomarina及びP. xiamenensis;Acinetobacter属微生物、例えば、A. baumannii、A. baylyi、A. bouvetii、A. calcoaceticus及びAcinetobacter sp.;Streptomyces属微生物、例えば、S. lividans、S. albicans、S. griseus及びS. plicatosporus;Candida属微生物、例えば、C. albicans;Xylella属微生物、例えば、X. fastidiosa;ならびにVibrio属微生物、例えば、V. choleraeに由来する遺伝子が挙げられる。
これらのコレステロールエステラーゼ遺伝子は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、Burkholderia属微生物、特に、Burkholderia cepaciaに由来するコレステロールエステラーゼ遺伝子が好ましい。
コレステロールエステラーゼ遺伝子としては、LipA遺伝子が好ましく、特にBurkholderia cepaciaに由来するLipA遺伝子が好ましい。Burkholderia cepaciaに由来するLipA遺伝子として、配列番号1の塩基配列からなる遺伝子が挙げられる。配列番号1の塩基配列からなる遺伝子と機能的に同等の遺伝子も使用できる。ある遺伝子と機能的に同等の遺伝子を調製する当業者によく知られた方法としては、ハイブリダイゼーション技術(Sambrook, J et al., Molecular Cloning 2nd ed., 9.47-9.58, Cold Spring Harbor Lab. press(1989))を利用する方法が挙げられる。
配列番号1の塩基配列からなる遺伝子と機能的に同等の遺伝子には、配列番号1の塩基配列において、1又は数個の塩基が欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列からなり、かつコレステロールエステラーゼ活性を有する遺伝子が含まれる。ここで数個とは、通常2〜10個、好ましくは2〜5個、より好ましくは2〜3個を意味する。
配列番号1の塩基配列からなる遺伝子と機能的に同等の遺伝子には、配列番号1の塩基配列からなる遺伝子と相補的な塩基配列からなる遺伝子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつコレステロールエステラーゼ活性を有する遺伝子が含まれる。ストリンジェントな条件とは、特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいい、低ストリンジェントな条件及び高ストリンジェントな条件が挙げられるが、高ストリンジェントな条件が好ましい。低ストリンジェントな条件とは、ハイブリダイゼーション後の洗浄において、例えば42℃、5×SSC、0.1% SDSで洗浄する条件であり、好ましくは50℃、5×SSC、0.1% SDSで洗浄する条件である。高ストリンジェントな条件とは、ハイブリダイゼーション後の洗浄において、例えば65℃、0.1×SSC及び0.1% SDSで洗浄する条件である。上記のようなストリンジェントな条件下では、配列番号1の塩基配列と高い相同性(相同性が80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上)を有する塩基配列からなる遺伝子が、該遺伝子と相補的な塩基配列からなる遺伝子とハイブリダイズすることができる。
配列番号1の塩基配列からなるコレステロールエステラーゼ遺伝子によってコードされるコレステロールエステラーゼのアミノ酸配列は、配列番号2で表される。配列番号2のアミノ酸配列からなるコレステロールエステラーゼと機能的に同等のタンパク質も本発明に包含される。配列番号2のアミノ酸配列からなるコレステロールエステラーゼと機能的に同等のタンパク質には、配列番号2のアミノ酸配列と80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、コレステロールエステラーゼ活性を有するタンパク質が包含される。
シャペロンは、他のタンパク質分子が正しい折りたたみ(フォールディング)をして機能を獲得するのを助けるタンパク質の総称である。分子シャペロン、タンパク質シャペロンと称される場合もある。多くのシャペロンは熱ショックタンパク質、つまり温度が上昇したときに発現されるタンパク質である。
シャペロンをコードする遺伝子(シャペロン遺伝子)としては、LifO遺伝子、LimA遺伝子、LimS遺伝子、LimL遺伝子、LipB遺伝子、LipR遺伝子、LipH遺伝子、PA2863遺伝子、XF_1182遺伝子、ACIAD3308遺伝子、VC_A0222遺伝子などが挙げられる。
シャペロン遺伝子としては、各種微生物由来のものを使用でき、例えば、Burkholderia属微生物、例えば、B. cepacia、B. glumae、B. andropogonis、B. brasilensis、B. caledonica、B. caribensis、B. caryophylli、B. fungorum、B. gladioli、B. glathei、B. graminis、B. hospita、B. kururiensis、B. mallei、B. phenazinium、B. phymatum、B. phytofirmans、B. plantarii、B. sacchari、B. singaporensis、B. sordidicola、B. symbiont of Asellus aquaticus、B. terricola、B. tropica、B. tuberum、B. ubonensis、B. unamae、B. xenovorans、B. cepacia complex: B. ambifaria、B. anthina、B. cenocepacia、B. dolosa、B. multivorans、B. pyrrocinia、B. stabilis及びB. vietnamiensis;Pseudomonas属微生物、例えば、P. aeruginosa、P. abietaniphila、P. agarici、P. agarolyticus、P. alcaliphila、P. alginovora、P. andersonii、P. antarctica、P. asplenii、P. azelaica、P. batumici、P. borealis、P. brassicacearum、P. chloritidismutans、P. cremoricolorata、P. diterpeniphila、P. filiscindens、P. frederiksbergensis、P. gingeri、P. graminis、P. grimontii、P. halodenitrificans、P. halophila、P. hibiscicola、P. hydrogenovora、P. indica、P. japonica、P. jessenii、P. kilonensis、P. koreensis、P. lini、P. lurida、P. lutea、P. marginata、P. meridiana、P. mesoacidophila、P. pachastrellae、P. palleroniana、P. parafulva、P. pavonanceae、P. proteolyica、P. psychrophila、P. psychrotolerans、P. pudica、P. rathonis、P. reactans、P. rhizosphaerae、P. salmononii、P.thermaerum、P. thermocarboxydovorans、P. thermotolerans、P. thivervalensis、P. umsongensis、P. vancouverensis、P. wisconsinensis、P. xanthomarina及びP. xiamenensis;Acinetobacter属微生物、例えば、A. baumannii、A. baylyi、A. bouvetii、A. calcoaceticus及びAcinetobacter sp.;Streptomyces属微生物、例えば、S. lividans、S. albicans、S. griseus及びS. plicatosporus;Candida属微生物、例えば、C. albicans;Xylella属微生物、例えば、X. fastidiosa;ならびにVibrio属微生物、例えば、V. choleraeに由来する遺伝子が挙げられる。
これらのシャペロン遺伝子は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
コレステロールエステラーゼ遺伝子が由来する微生物と同じ属の微生物に由来するシャペロン遺伝子を用いるのが好ましい。より好ましくは、コレステロールエステラーゼ遺伝子が由来する微生物と同じ種の微生物に由来するシャペロン遺伝子を用いる。例えば、Burkholderia属微生物由来のコレステロールエステラーゼ遺伝子を用いる場合は、Burkholderia属微生物由来のシャペロン遺伝子を用いるのが好ましい。また、Burkholderia cepacia由来のコレステロールエステラーゼ遺伝子を用いる場合は、Burkholderia cepacia由来のシャペロン遺伝子を用いるのが好ましい。
コレステロールエステラーゼ(CE)遺伝子とシャペロン遺伝子の好ましい組み合わせを、以下の表1に示す。
Figure 2014008025
本発明においては、コレステロールエステラーゼ遺伝子としてBurkholderia cepaciaに由来するLipA遺伝子とBurkholderia cepaciaに由来するLimS遺伝子の組み合わせが特に好ましい。
Burkholderia cepaciaに由来するLimS遺伝子として、配列番号3の塩基配列からなる遺伝子が挙げられる。配列番号3の塩基配列からなる遺伝子と機能的に同等の遺伝子も使用できる。配列番号3の塩基配列からなる遺伝子と機能的に同等の遺伝子には、配列番号3の塩基配列において、1又は数個の塩基が欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列からなり、かつ配列番号3の塩基配列からなる遺伝子と実質的に同一のフォールディング機能を有する遺伝子が含まれる。ここで数個とは、通常2〜10個、好ましくは2〜5個、より好ましくは2〜3個を意味する。フォールディング機能とは、タンパク質折りたたみ機能とも称され、本発明においては、コレステロールエステラーゼに対するフォールディング機能をさし、特に大腸菌においてコレステロールエステラーゼをフォールディングする機能をさす。
配列番号3の塩基配列からなる遺伝子と機能的に同等の遺伝子には、配列番号3の塩基配列からなる遺伝子と相補的な塩基配列からなる遺伝子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ配列番号3の塩基配列からなる遺伝子と実質的に同一のフォールディング機能を有する遺伝子が含まれる。ストリンジェントな条件としては、特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいい、低ストリンジェントな条件及び高ストリンジェントな条件が挙げられるが、高ストリンジェントな条件が好ましい。上記のようなストリンジェントな条件下では、配列番号3の塩基配列と高い相同性(相同性が80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上)を有する塩基配列からなる遺伝子が、該遺伝子と相補的な塩基配列からなる遺伝子とハイブリダイズすることができる。
目的の遺伝子の塩基配列は公共のデータベースより検索可能であり、配列情報未知の微生物に由来する遺伝子は、配列が既知の類縁微生物の遺伝子情報を利用し、クローニングにより取得することができる。所望の遺伝子をクローニングにより取得する方法は、分子生物学の分野において周知である。例えば、遺伝子配列が既知の場合、制限エンドヌクレアーゼ消化により適したゲノムライブラリを作り、所望の遺伝子配列に相補的なプローブを用いてスクリーニングすることができる。配列が単離されたら、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような標準的増幅法を用いてDNAを増幅し、形質転換(遺伝子導入)に適した量のDNAを得ることができる。遺伝子配列が未知の場合は、既知の遺伝子配列に基づいて適当に設計された合成プライマーを鋳型として用いたハイブリダイゼーション法やPCR法などにより取得することができる。
遺伝子のクローニングに用いるゲノムDNAライブラリーの作製、ハイブリダイゼーション、PCR、プラスミドの調製、DNAの切断及び連結、形質転換等の方法は、例えば、Sambrook, J et al., Molecular Cloning 2nd ed., 9.47-9.58, Cold Spring Harbor Lab. press(1989)に記載されている。
コレステロールエステラーゼ遺伝子及びシャペロン遺伝子が導入された形質転換体は、当技術分野で公知の方法で製造できる。本発明において、遺伝子の導入は、遺伝子の機能を有するポリヌクレオチドを組換え核酸として宿主に導入する全ての場合を含む。ポリヌクレオチドは、核酸、及び1本鎖、2本鎖又は3本鎖のDNA又はRNAを包含する。遺伝子の導入には、組換えベクターによって導入する場合や、PCR等で合成した核酸を用いて相同組換えによって導入する場合が含まれる。
遺伝子を導入する宿主の種類は限定されず、細菌、真菌、各種の酵母などの単細胞真核生物、又は動物若しくは植物の生細胞を任意に選択できるが、本発明においては、微生物が好ましく、特に大腸菌が好ましい。宿主大腸菌は通常遺伝子工学に用いられる大腸菌K−12株の中から適切なものを選択する。代表的なものとしてJM105やJM109が挙げられるが、DH5あるいは誘導型の発現系に用いられるBL21、N99cI+などを使用してもよい。
ベクターとしては、限定はされないが、大腸菌を宿主とする場合によく利用されるプラスミド、pUC18、pUC19、pUC118、pUC119、pSC101、pBR322、pHSG298、pVC18、pVC19、pTrc99A、pMal−c2、pGEX2T、pTV118N、pTV119N、pTRP等を好ましく使用でき、その他にもSaccharomyces cerevisiaeを宿主とする場合によく利用されるYEp13、YEp24、YCp50、pRS414、pRS415、pRS404、pAUR101、pKG1等も利用でき、枯草菌を宿主とする場合によく利用されるプラスミドpUB110、pC194等も利用できる。更に、pBI122、pBI1101その他の各種のものも限定なく使用できる。
遺伝子は、より好ましくは、遺伝子の発現を強化する発現ベクターによって導入される。コレステロールエステラーゼ遺伝子とシャペロン遺伝子は、同一のベクターに含まれた状態で宿主に導入してもよいし、別々のベクターに含まれた状態でそれぞれ宿主に導入してもよい。
発現ベクターは、導入しようとする遺伝子を、その発現を強化する種々のDNA断片又はRNA断片と融合させたものである。好ましくは、発現ベクターは、遺伝子を恒常的又は誘導的に発現させるための転写プロモーター、転写ターミネーター、選択マーカーを含み得る。所望によりエンハンサーなどのシスエレメント、オペレーター、プロモーターを制御する遺伝子が含まれていてもよい。
大腸菌での発現用の転写プロモーターとして、例えばトリプトファン合成酵素(trp)、ラクトースオペロン(lac)、あるいはこれらを融合したtac及びtrcプロモーター、λファージPL及びPRプロモーター、T7ファージのプロモーター等が例として挙げられる。しかし、プロモーターが強力すぎると目的タンパク質の大腸菌内における発現が過多となり、その結果、目的タンパク質が封入体を形成しやすくなり、その後の分離及び精製工程が困難となる。ゆえに可溶性画分への発現あるいは培養上清中へのタンパク質の分泌を可能にすべく最適なプロモーターを選択する必要があり、このような点を考慮するとトリプトファンプロモーター(trp)が望ましい。トリプトファンプロモーター(trp)を有する発現ベクターとしては、pTRP(Clinica Chimica Acta 237, 43-58(1995))等が挙げられる。
選択マーカーの例としては、ホルムアルデヒド耐性マーカー、カナマイシン、アンピシリン、テトラサイクリン、クロラムフェニコールなどの薬剤耐性マーカー、ロイシン、ヒスチジン、リジン、メチオニン、アルギニン、トリプトファン、ウラシルなどの栄養要求性マーカーが挙げられるがこれに限定されない。
一般的な組換えベクターの構築方法としては、例えば、PCR法等で調製した遺伝子断片を、適当な制限酵素とリガーゼを用いて組換えベクターに組み込む方法が挙げられる。好ましくは市販のライゲーションキット、例えばLigation high(東洋紡株式会社製)を用いて、規定の条件にてライゲーション反応を行うことにより組換えベクターを得ることができる。また、これらのベクターを、必要であればボイル法、アルカリSDS法、磁性ビーズ法及びそれらの原理を使用した市販されているキット等により精製し、さらにエタノール沈殿法、ポリエチレングリコール沈殿法などの濃縮手段により濃縮することができる。
遺伝子の導入方法としては、特に制限されないが、例えば、電気パルス法、カルシウムイオン法、プロトプラスト法、パーティクルガン法、エレクトロポレーション法等を挙げることができる。具体的には、大腸菌への遺伝子の導入には、ハナハンの方法等を利用でき、酵母への遺伝子の導入には、リチウムイオン法等を利用できる。
相同組換えによってゲノム上の任意の位置に目的の遺伝子を挿入する方法は、ゲノム上の配列と相同な配列に目的遺伝子をプロモーターとともに挿入し、このDNA断片をエレクトロポレーションによって細胞内に導入して相同組換えを起こさせることにより実施できる。ゲノムへの導入の際には目的遺伝子と選択マーカー遺伝子を連結したDNA断片を用いると容易に相同組換えが起こった株を選抜することができる。また、薬剤耐性遺伝子と特定の条件下で致死的になる遺伝子を連結した遺伝子をゲノム上に上記の方法で相同組換えによって挿入し、その後、薬剤耐性遺伝子と特定の条件下で致死的になる遺伝子を置き換える形で目的遺伝子を相同組換えを利用して導入することもできる。
一般的に形質転換体を利用する目的物の生産方法において認められることであるが、本発明の可溶化コレステロールエステラーゼの製造方法においても、導入遺伝子の選択、導入すべき宿主の選択、発現ベクターの導入手段とそれに適したDNA又はRNAの構築方法の選択、培地若しくはこれに対する添加物の種類や濃度の選択、形質転換体の培養条件又は生育条件の選択等の要因が、コレステロールエステラーゼの生産量に影響する場合がある。
上記形質転換体を培地で培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。大腸菌や酵母菌等の微生物を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、微生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行うことができる培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。
炭素源としては資化可能な炭素化合物であればよく、例えば、グリセリンなどのポリオール類、又はピルビン酸、コハク酸若しくはクエン酸等の有機酸類を使用することができる。また、窒素源としては利用可能な窒素化合物であればよく、例えば、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、カゼイン加水分解物、大豆粕アルカリ抽出物、又はアンモニア若しくはその塩などを使用することができる。その他、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、マグネシウム、カルシウム、カリウム、鉄、マンガン、亜鉛などの塩類、特定のアミノ酸、特定のビタミン、消泡剤なども必要に応じて使用してもよい。また、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシドなどのタンパク質発現誘導剤を必要に応じて培地に添加してもよい。
培養は、通常、振盪培養又は通気攪拌培養などの好気的条件下、好ましくは0〜40℃、より好ましくは10〜37℃、特に好ましくは15〜37℃で培養を行う。培養期間中、培地のpHは宿主の発育が可能で、生産されたコレステロールエステラーゼの活性が損なわれない範囲で適宜変更することができるが、好ましくはpH4〜8程度の範囲である。pHの調整は、無機又は有機酸、アルカリ溶液等を用いて行う。培養中は必要に応じてアンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
続いて、形質転換体の培養により可溶化発現したコレステロールエステラーゼを、培養物から採取する。培養物には、培養液、培養上清、培養細胞、培養菌体、細胞又は菌体の破砕物が包含される。採取方法は、通常行われる細胞又は菌体の破砕物からの抽出だけでなく、場合によっては、適当な抽出溶媒を用いて培養液からも直接抽出できる。利用する宿主の種類によっては、コレステロールエステラーゼの少なくとも一部が宿主細胞内又は細胞表面に止まる場合があるが、細胞膜又は細胞壁の破壊や、適宜な抽出溶媒による抽出等の公知の各種操作を経て、採取することができる。
その後、タンパク質の単離精製に用いられる一般的な生化学的方法、例えば硫安分画法、有機溶媒沈殿法、イオン交換体などによる吸着処理法、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、電気泳動法等を単独で又は適宜組み合わせて用いることにより、前記培養物中からコレステロールエステラーゼを単離精製することができる。コレステロールエステラーゼが得られたか否かは、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動等により確認することができる。
次に本発明を、実施例を参照することにより説明する。本発明の技術的範囲は、以下の実施例によって限定されない。実施例では、本発明によって得られる可溶化コレステロールエステラーゼを「可溶化CE」と称する。
〔実施例1:可溶化CE発現系の構築〕
まず、Burkholderia cepacia由来の可溶化CEを大腸菌で発現させるためにプラスミドを構築し、可溶化CE及びシャペロンの遺伝子配列を設計した。
可溶化CEを挿入したプラスミドpTRP−SS−CE−LimSを、図1に示す構築図にしたがって作製した。まず、Burkholderia cepaciaの染色体DNAを鋳型にして、下記のプライマーを用いてPCRを行い、コレステロールエステラーゼ遺伝子及びシャペロン遺伝子を増幅させ、アガロース電気泳動により約1.1kbのコレステロールエステラーゼ及び1.0kbのシャペロン遺伝子のDNA断片を確認した。
コレステロールエステラーゼ遺伝子を増幅するためのプライマーとして、センスプライマー(EcoRI−CE)(配列番号4)及びアンチセンスプライマー(CE−KpnI)(配列番号5)を用いた。シャペロン遺伝子を増幅するためのプライマーとして、センスプライマー(kpnI−SD−LimS)(配列番号6)及びアンチセンスプライマー(LimS−XbaI)(配列番号7)を用いた。
PCR反応組成(50μLあたり)は、1U KOD plus polymerase(東洋紡績社製)、10pg 鋳型DNA、0.3μM センスプライマー、0.3μM アンチセンスプライマー、0.2mM dNTP Mix、1mM MgSO、10×バッファーにて行った。PCR反応は、94℃/2分(変性)、55℃/30秒(アニーリング)、68℃/1分30秒(伸長)を30サイクル繰り返した。
得られたコレステロールエステラーゼ遺伝子及びシャペロン遺伝子のPCR産物をそれぞれ制限酵素EcoRI及びKpnI、KpnI及びXbaI(タカラバイオ社製)で処理し、アガロース電気泳動後、GFXTM PCR DNA and Gel Band Purification Kit(GEヘルスケア・ジャパン社製)により回収した。回収した断片は、LigaFastTM Rapid DNA Ligation System(プロメガ社製)を用いて、予め制限酵素EcoRI及びXbaI(タカラバイオ社製)で処理した発現ベクターpTRP(2.9kb)に導入した。次いで、大腸菌JM109株に形質転換し、組換え体pTRP−CE−LimS/JM109を得た。このBurkholderia cepacia由来の可溶化CEの塩基配列及びアミノ酸配列を配列表の配列番号1に示し、そのアミノ酸配列を配列番号2に示す。
〔実施例2:形質転換体の培養〕
形質転換体のバッチ培養によるBurkholderia cepacia由来の可溶化CEの生産を以下の方法で実施した。
プラスミドpTRP−SS−CE−LimSを形質転換した大腸菌JM109株について、50μg/mLのアンピシリンを含むLB培地25mLを用いて35℃、160rpmで9時間バッチ培養を行った。菌体の増殖は、培養液の600nmでの吸光度を測定して調べた。その結果、プラスミドpTRP−CE−LimSで形質転換した大腸菌JM109株のバッチ培養菌体を得ることができた。
発現量を確認するため、この培養液を遠心分離(8,000rpm、15分、4℃、BECKMAN社製 Model HP−26XP Centrifuge)して湿菌体を回収した。そして、得られた湿菌体5gを3mLの抽出バッファー(10mM トリスバッファー pH8.0、5mM 塩化カルシウム)で懸濁し、超音波破砕後(MISONIX社製 astrason ULTRASONIC PROCESSOTR XL)、遠心分離し(18,000×g、15分、4℃、BECKMAN社製 Model HP−26XP Centrifuge)粗抽出液を調製した。
可溶化CEの活性測定は次のような方法で行った。リン酸バッファー(0.1M、pH7.0)、リノレン酸コレステロール(0.2mM、東京化成社製)、4−アミノアンチピリン(1.5mM、和光純薬工業社製)、フェノール溶液(22mM、和光純薬工業社製)、ペルオキシダーゼ(5U、オリエンタル酵母工業社製)から構成される反応液にコレステロールオキシダーゼ(10U、オリエンタル酵母工業社製)を添加したのち、37℃で500nmの吸光度変化を測定し、可溶化CE活性を算出した。また、この反応条件における1分間あたりの1μmolのコレステロールエステルを加水分解する酵素量を1単位(1U)とした。得られた酵素液のCE活性を測定したところ、培地1mLあたり0.07U(0.07U/mL)の活性が確認できた。
〔実施例3:可溶化CEの精製〕
大量精製を行うため、6Lの培養液から得られた湿菌体を10mM トリスバッファー(pH8.0、5mM 塩化カルシウム)に懸濁したのち、超音波破砕にて菌体破砕を行い、得られた破砕画分を遠心分離し(18,000×g、15分、4℃ BECKMAN社製 Model HP−26XP Centrifuge)粗抽出液を調製した。得られた粗抽出液を用いて以下の方法で精製を行った。
粗抽出液を、バッファーA(10mM トリスバッファー pH9.0、5mM 塩化カルシウム)で平衡化したQ−Cellulofine(チッソ社製)に通じ、バッファーAで洗浄し、目的タンパク質を溶出させた。次いで、液量を減らすためQ−Cellulofine洗浄画分をUF膜モジュール(SIP−1013、旭化成社製)にて濃縮した。得られた濃縮液に終濃度1%になるようにトリトンX−100を添加し可溶化したのち、バッファーB(10mM トリスバッファー pH9.0、5mM 塩化カルシウム、0.05% トリトンX−100)で平衡化したQ−Cellulofine(チッソ社製)に通じ、バッファーBで洗浄後、0−0.5M NaClのリニア・グラジエントで目的タンパク質を溶出させた。得られた目的画分をSephadex G−25(GEヘルスケア・ジャパン社製)に通じ、最終的に比活性5.2U/mgタンパク質である可溶化CEの精製標品を得た。
〔実施例4:可溶化CEの酵素学的基礎性能評価〕
実施例3で得られた可溶化CEの酵素学的基礎性能を評価した。コレステロールエステラーゼ活性は、特に記載した条件以外は、実施例2と同様の方法で測定した。
pH安定性:
以下のバッファーに酵素を添加し、37℃、14日後の残存活性を測定した。
pH4.5〜6.0:0.1M クエン酸バッファー
pH5.5〜6.5:0.1M MESバッファー
pH6.5〜7.0:0.1M PIPESバッファー
pH7.0〜8.0:0.1M HEPESバッファー
pH8.5〜9.5:0.1M グリシン−NaOHバッファー
結果を図2に示す。各バッファーにおける0日の活性を100とし、相対活性として表した。
至適pH:
以下のバッファーを用い、コレステロールエステラーゼ活性を測定した。
pH4.5〜6.0:0.1M クエン酸バッファー
pH5.5〜6.5:0.1M MESバッファー
pH6.5〜7.0:0.1M PIPESバッファー
pH7.0〜8.0:0.1M HEPESバッファー
pH8.5〜9.5:0.1M グリシン−NaOHバッファー
結果を図3に示す。0.1M MESバッファー(pH6.5)での活性を100とし、相対活性として表した。
温度安定性:
4、25、30、37、40、45、50、55、60、60、70℃の温度で10分間インキュベートしたのち、コレステロールエステラーゼ活性を測定した。結果を図4に示す。4℃での活性を100とし、相対活性として表した。
至適温度:
25、30、37、40、45、50、55、60℃の温度でコレステロールエステラーゼ活性を測定した。結果を図5に示す。37℃での活性を100とし、相対活性として表した。
本発明により、大腸菌において、効率よくコレステロールエステラーゼを生産することが可能になる。また、本発明により製造されたコレステロールエステラーゼはコレステロール測定試薬として利用できる。

Claims (13)

  1. 可溶化コレステロールエステラーゼの製造方法であって、コレステロールエステラーゼをコードする遺伝子及びシャペロンをコードする遺伝子が導入された形質転換体を培養し、コレステロールエステラーゼを可溶化発現させることを含む、前記方法。
  2. コレステロールエステラーゼをコードする遺伝子がBurkholderia属微生物に由来する遺伝子である、請求項1記載の方法。
  3. シャペロンをコードする遺伝子がLimS遺伝子である、請求項2記載の方法。
  4. LimS遺伝子がBurkholderia属微生物に由来する遺伝子である、請求項3記載の方法。
  5. 形質転換体が大腸菌である、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. コレステロールエステラーゼをコードする遺伝子及びLimS遺伝子が導入された形質転換体。
  7. コレステロールエステラーゼをコードする遺伝子がBurkholderia属微生物に由来する遺伝子である、請求項6記載の形質転換体。
  8. LimS遺伝子がBurkholderia属微生物に由来する遺伝子である、請求項7記載の形質転換体。
  9. 大腸菌である、請求項6〜8のいずれか1項記載の形質転換体。
  10. 請求項6〜9のいずれか1項記載の形質転換体を培養することを含む、可溶化コレステロールエステラーゼの製造方法。
  11. コレステロールエステラーゼをコードする遺伝子及びLimS遺伝子を含む組換えベクター。
  12. コレステロールエステラーゼをコードする遺伝子がBurkholderia属微生物に由来する遺伝子である、請求項11記載の組換えベクター。
  13. LimS遺伝子がBurkholderia属微生物に由来する遺伝子である、請求項12記載の組換えベクター。
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