JP2014007245A - 成膜装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】MBE装置は、真空容器10と、原料2が充填される坩堝11aと、坩堝11aを加熱するヒータ11bと、被成膜対象1が設置され、被成膜対象1の周囲への原料2の堆積を防止する遮蔽機構12とを有しており、遮蔽機構12は、ドーナツ状の内周縁と外周縁とを結ぶ切込み14bが形成された遮蔽板14が切込み14bの位置を合わせて複数枚積層され、切込み14b内に斜め方向に仕切り板16が設置されており、使用する遮蔽板14を変更自在とされている。
【選択図】図2
Description
MBE装置は、真空排気機構に接続された真空容器(液体窒素シュラウドで内壁を覆い、より真空度を上げる構造もある。)内に、原料が充填される坩堝を有するセル(原料供給源)が設けられており、坩堝と対向するように被成膜対象である基板が設置される。坩堝には充填された原料を加熱するヒータが設けられている。坩堝に充填された原料をヒータで所望の温度に加熱し、基板上に原料(分子線)を供給することで結晶を成長させる。
本実施形態では、成膜装置として、MBE装置を例示する。
図1は、第1の実施形態によるMBE装置の概略構成を示す模式図である。
MBE装置は、真空容器10(液体窒素シュラウドで内壁を覆い、より真空度を上げる構造もある。)内において、原料供給源であるセル11と、セル11の上方に遮蔽機構12及び被成膜対象である基板1を加熱するヒータ13とが配置される。
セル11は、原料2が充填される坩堝11aを有し、坩堝11aの周囲に坩堝11a内の原料2を加熱するヒータ11bが、坩堝11aの上面にシャッタ11cがそれぞれ設けられている。
遮蔽機構12は、被成膜対象である基板1の周囲への原料2の堆積を防止する遮蔽板14が複数枚積層されており、遮蔽板14の保持具15、仕切り板16、遮蔽板14の係合部材である回転用アーム17を備えている。
図3は、遮蔽機構における遮蔽板の変更機能を説明する、遮蔽機構の一部を拡大して示す概略側断面図であり、(a)が変更前、(b)が変更後に対応する。
回転機構3は、回転用アーム17の他端を回転駆動する。回転方向は、例えば図2(a)で反時計回り方向であり、図3(a),(b)で矢印方向となる。回転用アーム17の一端は、複数の遮蔽板14のうち最下層の遮蔽板14の周縁に係合しており、回転用アーム17の回転駆動により、最下層の遮蔽板14のみが仕切り板16に当接しながら回転する。これにより、当該遮蔽板14は、弾性変形しながら仕切り板16上をスライドし、360°の回転により切込み14b位置まで到達すると、図3(b)のように最上層に積層位置が変更される。最下層の遮蔽板14が移動する際に、2段目以降の遮蔽板14が動かないように回転速度を調整する。
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、成膜装置として、MBE装置を例示するが、遮蔽機構に遮蔽板の固定部材が付加される点で第1の実施形態と相違する。なお、第1の実施形態のMBE装置の構成部材等と同じものについては、同符号を付して詳しい説明を省略する。
図4は、第2の実施形態によるMBE装置の遮蔽機構の一部を拡大して示す概略側断面図である。
ストッパ21は、回転用アーム17で最下層の遮蔽板14を移動させる際に、当該遮蔽板14を低速で回転した場合でも最下層の遮蔽板14以外の遮蔽板14が共に動かないように、切込み14b内で最下層の遮蔽板14以外を固定するものである。ストッパ21は、最下層の遮蔽板14は通過できるが、最下層から2段目以上の遮蔽板14は通過できない穴(又は溝)と、2段目以上の遮蔽板14が回転できないようにする回転防止機構とを併せ持った構造とする。上記の穴又は溝は、遮蔽板14の1枚の厚みより深く、遮蔽板14の2枚の厚みよりも浅い。回転用アーム17による回転駆動により、最下層の遮蔽板14は、ストッパ2の穴(又は溝)を通過する。これに対して、2段目以上の遮蔽板14は、ストッパ21の回転防止機構(図4におけるストッパ21の垂直部分)により回転ができない。最下層の遮蔽板14はその後、仕切り板16上をスライドして最上層に移動する。ストッパ21は、上記の動作を行うことができるように、最下層の遮蔽板21の高さ(厚み)に合わせて配置し、回転時の上下動に対応して上下動することのできる構造とする。
ストッパの他の例として、遮蔽板14の切込み14b(最初に仕切り板16に当接する側)にL字状に突起を設け、遮蔽板14ごとに半径方向に積み重ね順に突起をずらして設けることが考えられる。この場合、ストッパも常に2段目の遮蔽板14の突起を押さえるように半径方向に移動できる構造とすることで、ストッパ21と同様の回転抑止が可能となる。
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、成膜装置として、MBE装置を例示するが、遮蔽機構の仕切り板が若干異なる点で第1の実施形態と相違する。なお、第1の実施形態のMBE装置の構成部材等と同じものについては、同符号を付して詳しい説明を省略する。
図5は、第3の実施形態によるMBE装置の遮蔽機構の一部である仕切り板を示す概略側断面図である。
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、成膜装置として、MBE装置を例示するが、遮蔽機構における遮蔽板の保持具に最下層の遮蔽板と当接する回転体(ボール)が付加されている点で第1の実施形態と相違する。なお、第1の実施形態のMBE装置の構成部材等と同じものについては、同符号を付して詳しい説明を省略する。
図6は、第4の実施形態によるMBE装置の遮蔽機構を示す概略側断面図である。
ボール23aは、遮蔽板14の全周に亘って配設しなくても良く、例えば120度間隔で3箇所に配置しても良い。遮蔽板14の回転対称な突起は、前後の段の遮蔽板14と重ならないように、異なる位置に配置する必要がある。
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、成膜装置として、MBE装置を例示するが、遮蔽機構の遮蔽板が若干異なる点で第1の実施形態と相違する。なお、第1の実施形態のMBE装置の構成部材等と同じものについては、同符号を付して詳しい説明を省略する。
図7は、第5の実施形態によるMBE装置の遮蔽機構を示す概略側断面図であり、(a)が一部を拡大して示す一方向(円の接線方向)からの図、(b)が一部を拡大して示す他方向(円の直径方向)からの図である。
仕切り板16,22の配置は、MBE装置の上方から見て、セル11とセル11との中間に配置された構造とする。これにより、万一、遮蔽板14の回転時に仕切り板16,22の近辺でフレークが落下しても、下方に加熱源であるセル11がないため、真空度の悪化が防止される。
本例では、第1の実施形態によるMBE装置の具体例を開示する。例えば、サイズが4インチの基板を成長可能なMBE装置について述べる。
遮蔽板は、外径がΦ360mm程度、内径がΦ110mm程度、厚み1mm程度とする。切込み(内周縁と外周縁を結び、円の半径方向で切断)を10mm程度幅で設ける。更に、切込みを合わせて5枚の遮蔽板を重ね、切込みに水平に対して斜め30°程度に仕切り板(固定)を差し込んだ構造とする。ここで、遮蔽板の内周縁と外周縁(又は内周縁のみ、或いは外周縁のみ)に接した遮蔽板の保持具(断面下部がL字型の円筒状)に遮蔽板を載置することにより、真空容器内に固定される。
本例では、第2の実施形態によるMBE装置の具体例を開示する。
本例においては、更に、最下層の遮蔽板以外が共に動かないように、最下層の遮蔽板以外を止めるストッパを設ける。
ストッパは、例えば最下層の遮蔽板は通過できるが、2段目以上の遮蔽板は通過できないような1.5mm程度(遮蔽板の1枚の厚みより大きく、遮蔽板の2枚の厚みより薄い)の高さとなるように保持具の側面に縦溝を加工する。ストッパは、この縦溝から20mm程度、遮蔽板側に突出した構造とする。なお、ストッパは保持具の縦溝を上下できるようにしておく。通常、ストッパは、自重で遮蔽板の最下層から1.5mm程度の位置にあるが、遮蔽板の回転時には10mm程度まで上に移動できるようにする。ストッパ自身の高さは50mm程度、厚み5mm程度の楔状とする。
ストッパも、遮蔽板の内周縁から外周縁まで全ての範囲にある必要はなく、例えば外周縁と内周縁のみ、或いは外周縁のみに設けても良い。
実施例2によるストッパの他の例として、遮蔽板の切込み(最初に仕切り板に当接する側)のL字状の上に凸状の高さ10mm程度、幅5mm程度のL字状突起を設ける。遮蔽板ごとに半径方向に積み重ね、順次に突起をずらして配置する。
ここで、最下層の遮蔽板のL字状突起は、外周から30mm程度〜35mm程度に設ける。2段目のL字状突起は、外周から37mm程度〜42mm程度に設ける。3段目のL字状突起は、外周から44mm程度〜49mm程度に設ける。4段目のL字状突起は、外周から51mm程度〜56mm程度で設ける。5段目のL字状突起は、外周から58mm程度〜63mm程度で設ける。
本例では、第3の実施形態によるMBE装置の具体例を開示する。
本例においては、仕切り板にフレーク落下防止の屈曲部を設ける。屈曲部は、遮蔽板の内周縁から外周縁まで、全ての範囲にある必要がある。実施例1では、仕切り板は水平に対して斜め30°程度、斜面部長さ12mm程度、厚み1.5mm程度であった。本例では、仕切り板の下面に水平に対して各々斜め45°のV字状の屈曲部を追加する。基本的に、フレークが剥落しなければ良いので、V字状の代わりにU字状の屈曲部としても良い。
本例では、第4の実施形態によるMBE装置の具体例を開示する。
本例においては、遮蔽板の内周縁と外周縁に遮蔽板の保持具(厚み2mm程度)を設ける。保持具の底部断面をL字状の5mm程度の突起を加工し、ボールを保持できるように折り返しを3mm程度だけ設け、保持具の下部にベアリング状にΦ5mm程度のボールを配置する。且つ、厚み1mm程度の遮蔽板に回転対称な突起(高さ0.5mm程度)を設け、遮蔽板間の接触抵抗を低減する。ボールは、全周にある必要はなく、例えば120°間隔で3箇所に配置しても良い。
本例では、第5の実施形態によるMBE装置の具体例を開示する。
本例においては、厚み1mm程度の遮蔽板を360°回転させるため、外周縁に回転用アームを取り付け、遮蔽板に設けた係合溝(係合穴)に引掛けて回転させる。係合溝(係合穴)は、例えば径方向5mm程度、幅3mm程度とし、前後の段の遮蔽板と円周方向で重ならないように、遮蔽板下段から順に回転方向に対して5mm程度だけ後部(係合溝間の間隔は2mm程度)に位置するように配置される。
原料が充填される坩堝と、
前記坩堝を加熱するヒータと、
被成膜対象が設置され、前記被成膜対象の周囲への前記原料の堆積を防止する遮蔽機構と
を含み、
前記遮蔽機構は、ドーナツ状の内周縁と外周縁とを結ぶ切込みが形成された遮蔽板が前記切込みの位置を合わせて複数枚積層され、前記切込み内に斜め方向に仕切り板が設置されており、使用する前記遮蔽板を変更自在とされていることを特徴とする成膜装置。
前記係合部材は、係合した前記遮蔽板を前記仕切り板に当接させて回転させ、当該遮蔽板の積層位置を変更することを特徴とする付記1に記載の成膜装置。
前記係合部材は、被変更対象の前記遮蔽板の係合溝のみに係合し、当該遮蔽板を回転させることを特徴とする付記2に記載の成膜装置。
2 原料
3 回転機構
10 真空容器
10a 真空排気機構
11 セル
11a 坩堝
11b,13 ヒータ
11c シャッタ
12 遮蔽機構
14 遮蔽板
14a 基板設置穴
14b 切込み
14c 内周縁
14d 外周縁
14e 係合溝
15,23 保持具
16,22 仕切り板
17 回転用アーム
21 ストッパ
22a 屈曲部
23a ボール
Claims (5)
- 真空容器と、
原料が充填される坩堝と、
前記坩堝を加熱するヒータと、
被成膜対象が設置され、前記被成膜対象の周囲への前記原料の堆積を防止する遮蔽機構と
を含み、
前記遮蔽機構は、ドーナツ状の内周縁と外周縁とを結ぶ切込みが形成された遮蔽板が前記切込みの位置を合わせて複数枚積層され、前記切込み内に斜め方向に仕切り板が設置されており、使用する前記遮蔽板を変更自在とされていることを特徴とする成膜装置。 - 複数枚の前記遮蔽板のうちで被変更対象の前記遮蔽板と係合する係合部材を更に含み、
前記係合部材は、係合した前記遮蔽板を前記仕切り板に当接させて回転させ、当該遮蔽板の積層位置を変更することを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。 - 前記各遮蔽板には係合溝が形成されており、
前記係合部材は、被変更対象の前記遮蔽板の係合溝のみに係合し、当該遮蔽板を回転させることを特徴とする請求項2に記載の成膜装置。 - 前記遮蔽機構は、被変更対象以外の前記遮蔽板を固定する固定部材を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の成膜装置。
- 前記仕切り板は、その下端部分に前記遮蔽板から剥脱した堆積物を貯留する屈曲部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の成膜装置。
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JPH06206795A (ja) * | 1993-01-13 | 1994-07-26 | Hitachi Ltd | 分子線エピタキシ装置 |
JPH10226594A (ja) * | 1997-02-13 | 1998-08-25 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 分子線エピタキシャル成長装置 |
JP2001254167A (ja) * | 2000-03-10 | 2001-09-18 | Ricoh Co Ltd | スパッタ装置の防着面清掃方法及び防着板 |
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