JP2014005871A - シリンダ装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数が少なく、一体的に形成される給排口が安定した状態で確実に保持されるシリンダ装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】作動流体を収容する筒体1と、この筒体内を摺動するピストン2と、これに連結されるピストンロッド3と、これを液密的摺動自在に支持すると共に筒体を閉塞するシール部材4を備え、第1のポート1p及び第2のポートを介して作動流体を給排する。筒体は、金属素材の塑性加工(例えばアルミニウム合金の熱間鍛造)によって第1及び第2のポートが一体的に形成された閉塞端部1aと、同塑性加工によって筒状に延出形成された本体部1bを有する。
【選択図】図1
【解決手段】作動流体を収容する筒体1と、この筒体内を摺動するピストン2と、これに連結されるピストンロッド3と、これを液密的摺動自在に支持すると共に筒体を閉塞するシール部材4を備え、第1のポート1p及び第2のポートを介して作動流体を給排する。筒体は、金属素材の塑性加工(例えばアルミニウム合金の熱間鍛造)によって第1及び第2のポートが一体的に形成された閉塞端部1aと、同塑性加工によって筒状に延出形成された本体部1bを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、シリンダ装置及びその製造方法に関し、特に、自動車用サスペンション装置に供し得るシリンダ装置及びその製造方法に係る。
例えば下記の特許文献1には、自動車用サスペンション装置のスタビライザの剛性制御等に用いることができるシリンダ装置に関し、「配管の簡素化、作動流体の充填の容易化及び製造の容易化を達成することができる複動式の油圧シリンダを提供すること」を目的とし、「シリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌装されて前記シリンダ内を第1室と第2室とに画成するピストンと、該ピストンに連結されたピストンロッドと、前記第1室に作動流体を給排するための第1給排口と、前記第2室に作動流体を給排するための第2給排口とを備えた油圧シリンダにおいて、前記シリンダの外周に外筒を設けて、前記シリンダと前記外筒との間に連通路を形成し、前記外筒に、前記第1給排口及び前記第2給排口を設けて、前記第2給排口と前記第2室とを前記連通路を介して連通させ、さらに、前記外筒に、前記第1室及び前記第2室をそれぞれエア抜きするための第1ブリーダ及び第2ブリーダを設けたことを特徴とする」油圧シリンダが提案されている。
また、下記の特許文献2には、「エア抜きが容易であり、また、シリンダ室内のエアの滞留を解消することができる複動式の油圧シリンダを提供すること」を目的とし、「シリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌装されて前記シリンダ内を2つのシリンダ室に画成するピストンと、該ピストンに連結されたピストンロッドと、前記2つのシリンダ室にそれぞれ連通する2つの給排口とを備えた複動式の油圧シリンダにおいて、前記シリンダの側壁の一部を膨出させて膨出通路部を形成し、前記ピストンが所定のストローク範囲を超えて移動したとき、該ピストンが前記膨出通路部と重なって、これらの間に前記2つのシリンダ室を互いに連通させる連通路が形成されることを特徴とする」油圧シリンダが提案されている。
尚、本願のシリンダ装置は、例えば下記の特許文献3に開示された「車両前後の左右の車輪間に支持されるスタビライザバーに前輪側シリンダ及び後輪側シリンダを配置し、両者間の連通路を弁装置によって断続するスタビライザ制御装置」における、前輪側シリンダ及び後輪側シリンダに供され得る。
上記特許文献1及び2に記載の油圧シリンダにおいては、給排口が形成された部分と外筒が一体的に形成されており、確かに従前に比べ部品点数は少なくなるが、給排口に装着されるパイプに大きな負荷が印加され得ることを考慮すると、外筒の板厚を増大し、あるいは給排口との接合部を強化する等の対策を講ずる必要がある。また、上記特許文献1及び2においては、外筒は鋳造等によって成形される旨記載されている。このため、鋳造後の外筒に対し機械加工等によって内面を研削する必要があるが、鋳造時に内部欠陥が生じると液密的なシールが困難となるので、内面の検査工程が必須となり、工程増となる。
そこで、本発明は、自動車用サスペンション装置に供し得るシリンダ装置において、部品点数が少なく、一体的に形成される給排口が安定した状態で確実に保持されるシリンダ装置を提供することを課題とする。また、当該シリンダ装置を容易に製造し得るシリンダ装置の製造方法を提供することを別の課題とする。
上記の課題を達成するため、本発明は、作動流体を収容する筒体と、該筒体内に第1の流体室及び第2の流体室を形成し当該筒体内を摺動するピストンと、該ピストンに連結されるピストンロッドと、該ピストンロッドを液密的摺動自在に支持すると共に前記筒体を閉塞するシール部材とを備え、前記第1の流体室及び前記第2の流体室に夫々開口する第1のポート及び第2のポートを介して作動流体を給排するシリンダ装置において、前記筒体は、金属素材の塑性加工によって前記第1のポート及び前記第2のポートが一体的に形成された閉塞端部と、当該塑性加工によって前記閉塞端部から筒状に延出形成された本体部とを備えることとしたものである。
上記のシリンダ装置において、前記筒体内に所定の空隙を以って収容される内筒を備えたものとし、該内筒内に前記ピストンを収容し、当該内筒内の前記ピストンと前記閉塞端部との間を前記第1の流体室とし、当該内筒内の前記ピストンと前記シール部材との間及び前記空隙を前記第2の流体室とするように構成するとよい。上記の筒体は、アルミニウム合金の塑性加工、例えば熱間鍛造によって一体成形されたものとするとよい。
また、作動流体を収容する筒体と、該筒体内に第1の流体室及び第2の流体室を形成し当該筒体内を摺動するピストンと、該ピストンに連結されるピストンロッドと、該ピストンロッドを液密的摺動自在に支持すると共に前記筒体を閉塞するシール部材とを備え、前記第1の流体室及び前記第2の流体室に夫々開口する第1のポート及び第2のポートを介して作動流体を給排するシリンダ装置の製造方法において、金属素材の塑性加工によって、前記第1のポート及び前記第2のポートを有する閉塞端部を形成した後、前記閉塞端部から筒状に延出する本体部を形成し、少なくとも前記閉塞端部及び前記本体部を備えた前記筒体を一体的に成形するものである。特に、前記金属素材としてアルミニウム合金を用い、該アルミニウム合金の連続した塑性加工、例えば熱間鍛造によって前記筒体を一体成形するとよい。
本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。即ち、本発明のシリンダ装置においては、筒体は、金属素材の塑性加工によって第1のポート及び第2のポートが一体的に形成された閉塞端部と、当該塑性加工によって閉塞端部から筒状に延出形成された本体部とを備えたものであるので、少ない部品点数で構成することができる。特に、第1のポート及び第2のポートが閉塞端部に一体的に形成されているので、両ポートが安定した状態で確実に閉塞端部に保持され、十分な強度が確保される。
上記のシリンダ装置において、例えば、筒体内に所定の空隙を以って収容される内筒を備えたものとすれば、内筒内にピストンを収容し、内筒内のピストンと閉塞端部との間を第1の流体室とし、内筒内のピストンとシール部材との間及び空隙を第2の流体室とすることができ、容易に第1及び第2の流体室を形成することができる。
また、本発明のシリンダ装置の製造方法においては、金属素材の塑性加工によって、第1のポート及び第2のポートを有する閉塞端部を形成した後、閉塞端部から筒状に延出する本体部を形成することにより、少なくとも閉塞端部及び本体部を備えた筒体を一体的に成形することとしているので、容易にシリンダ装置を製造することができる。しかも、第1のポート及び第2のポートが閉塞端部に一体的に形成されるので、両ポートが安定した状態で確実に閉塞端部に保持される。特に、アルミニウム合金の塑性加工、例えば熱間鍛造によって筒体を形成することとすれば、鉄系素材で鋳造された筒体に比べ延性に優れるので、容易に本体部を形成することができ、内部欠陥を生ずることなく良好なシール性を確保することができる。
以下、本発明の望ましい実施形態を図面を参照して説明する。図1及び図2は本発明の一実施形態に係るシリンダ装置の全体構成を示すもので、例えば前掲の特許文献3に記載のスタビライザ制御装置における、前輪側シリンダ及び後輪側シリンダに供される。本実施形態のシリンダ装置は、図1に示すように、作動流体を収容する筒体1と、この筒体1内を摺動するピストン2と、ピストン2に連結されるピストンロッド3と、ピストンロッド3を液密的摺動自在に支持すると共に筒体1を閉塞するシール部材4を備え、第1のポート1p及び第2のポート(図4に1qで示す)を介して作動流体を給排するように構成されている。尚、図1は図3のA−A線断面を示し、図4は図3のB−B線断面を示す。
本実施形態の筒体1は、アルミニウム合金の塑性加工(例えば熱間鍛造)によって第1及び第2のポート1p,1qが一体的に形成された閉塞端部1aと、同塑性加工によって閉塞端部1aから筒状に延出形成された本体部1bとを有し、この本体部1bの開口端部が中心軸方向に屈曲形成されて係止部1cが形成され、これによってシール部材4が係止されている。筒体1内には所定の空隙13を以って内筒10が収容されており、この内筒10内にピストン2が収容され、内筒10内のピストン2と閉塞端部1aとの間の上室11によって第1の流体室が形成されている。一方、内筒10内のピストン2とシール部材4との間の下室12と、これに連通路14を介して連通する空隙13によって第2の流体室が形成されている。これら第1及び第2の流体室に対し、夫々第1及び第2のポート1p,1qが図2及び図4に示すように開口している。即ち、本実施形態においては、第1及び第2のポート1p,1qの両ポートが閉塞端部1aに形成されている。尚、シール部材4はOリング、低圧シール、ダストシール等で構成されているが、従前と同様であるので各部品の図示説明は省略する。
上記の構成になるシリンダ装置は、例えば前掲の特許文献3に記載のスタビライザ制御装置における、前輪側シリンダ及び後輪側シリンダに供される。本願では図示を省略するが、前輪側スタビライザマウント(図示せず)と車体(図示せず)との間に前輪側シリンダ(図示せず)が介装され、後輪側スタビライザマウント(図示せず)と車体(図示せず)との間に後輪側シリンダ(図示せず)が介装され、これら前輪側シリンダ及び後輪側シリンダが弁装置(図示せず)に連通接続され、弁装置はアキュムレータ(図示せず)に連通接続される。
次に、上記のシリンダ装置の製造方法を、図5を参照して説明する。先ず、図5の(A)において、アルミニウム合金の素材ALが金型D内に収容される。続いて、図5の(B)に進み、パンチPNを下降させ、金型D内の素材ALに対し熱間鍛造が行われ、図4に(B)で示す閉塞端部1aが形成される。このとき、閉塞端部1aには第1及び第2のポート1p,1qの両ポートが形成される。更に、図5の(C)に進み、パンチPNを下降させ、熱間鍛造が行われる。この結果、閉塞端部1aの開放端側が筒状に延出形成され、図4に(C)で示す本体部1bが形成される。
以上のように、筒体1は金属素材の塑性加工、具体的にはアルミニウム合金の熱間鍛造によって形成され、従前の筒体に比べ延性に優れるので、内部欠陥を生ずることなく良好なシール性を確保することができる。特に、第1及び第2のポート1p,1qの何れも閉塞端部1aに一体的に形成されているので、強固な接合状態が維持される。
1 筒体
2 ピストン
3 ピストンロッド
1a 閉塞端部
1b 本体部
1c 係止部
10 内筒
11 上室(第1の流体室)
12 下室(第2の流体室)
13 空隙(第2の流体室)
14 連通路
1p,1q ポート
2 ピストン
3 ピストンロッド
1a 閉塞端部
1b 本体部
1c 係止部
10 内筒
11 上室(第1の流体室)
12 下室(第2の流体室)
13 空隙(第2の流体室)
14 連通路
1p,1q ポート
Claims (5)
- 作動流体を収容する筒体と、該筒体内に第1の流体室及び第2の流体室を形成し当該筒体内を摺動するピストンと、該ピストンに連結されるピストンロッドと、該ピストンロッドを液密的摺動自在に支持すると共に前記筒体を閉塞するシール部材とを備え、前記第1の流体室及び前記第2の流体室に夫々開口する第1のポート及び第2のポートを介して作動流体を給排するシリンダ装置において、前記筒体は、金属素材の塑性加工によって前記第1のポート及び前記第2のポートが一体的に形成された閉塞端部と、当該塑性加工によって前記閉塞端部から筒状に延出形成された本体部とを備えたことを特徴とするシリンダ装置。
- 前記筒体内に所定の空隙を以って収容される内筒を備え、該内筒内に前記ピストンを収容し、当該内筒内の前記ピストンと前記閉塞端部との間を前記第1の流体室とし、当該内筒内の前記ピストンと前記シール部材との間及び前記空隙を前記第2の流体室とするように構成したことを特徴とする請求項1記載のシリンダ装置。
- 前記筒体は、アルミニウム合金の塑性加工によって一体成形されたものであることを特徴とする請求項1又は2記載のシリンダ装置。
- 作動流体を収容する筒体と、該筒体内に第1の流体室及び第2の流体室を形成し当該筒体内を摺動するピストンと、該ピストンに連結されるピストンロッドと、該ピストンロッドを液密的摺動自在に支持すると共に前記筒体を閉塞するシール部材とを備え、前記第1の流体室及び前記第2の流体室に夫々開口する第1のポート及び第2のポートを介して作動流体を給排するシリンダ装置の製造方法において、金属素材の塑性加工によって、前記第1のポート及び前記第2のポートを有する閉塞端部を形成した後、前記閉塞端部から筒状に延出する本体部を形成し、少なくとも前記閉塞端部及び前記本体部を備えた前記筒体を一体的に成形することを特徴とするシリンダ装置の製造方法。
- 前記金属素材としてアルミニウム合金を用い、該アルミニウム合金の連続した塑性加工によって前記筒体を一体成形することを特徴とする請求項4記載のシリンダ装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012141592A JP2014005871A (ja) | 2012-06-25 | 2012-06-25 | シリンダ装置及びその製造方法 |
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Publications (1)
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JP2014005871A true JP2014005871A (ja) | 2014-01-16 |
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ID=50103785
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JP2012141592A Pending JP2014005871A (ja) | 2012-06-25 | 2012-06-25 | シリンダ装置及びその製造方法 |
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JP (1) | JP2014005871A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105485084A (zh) * | 2016-01-04 | 2016-04-13 | 广州市诚臻电子科技有限公司 | 一种用于电磁兼容测试的非金属气缸、旋转角度可调天线装置及系统 |
CN105572506A (zh) * | 2016-01-04 | 2016-05-11 | 广州市诚臻电子科技有限公司 | 一种用于电磁兼容测试的非金属位置传感器、天线自动定位装置及系统 |
-
2012
- 2012-06-25 JP JP2012141592A patent/JP2014005871A/ja active Pending
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CN105572506A (zh) * | 2016-01-04 | 2016-05-11 | 广州市诚臻电子科技有限公司 | 一种用于电磁兼容测试的非金属位置传感器、天线自动定位装置及系统 |
CN105572506B (zh) * | 2016-01-04 | 2018-11-23 | 广州市诚臻电子科技有限公司 | 一种用于电磁兼容测试的非金属位置传感器、天线自动定位装置及系统 |
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