JP2014005779A - 内燃機関 - Google Patents

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中村  聡
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匠 須沢
Takanori Sasaki
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Abstract

【課題】この発明は、内燃機関に関し、内燃機関の始動後に冷却水温度が所定温度以下である場合に触媒の早期暖機などのためにウェイストゲートバルブを開弁する制御を行う場合において、凝縮水を被ることによる排気ガスセンサの割れを回避しつつ、排気ガスセンサの早期活性化を図ることを目的とする。
【解決手段】タービン22bをバイパスする排気バイパス通路36を開閉するWGV38を備える。センサ素子を加熱するヒータを備えるA/Fセンサ44をタービン22bの下流に備える。冷間始動時における触媒暖機のためのWGV38の開弁中に、凝縮水によるA/Fセンサ44の被水ストレスSが許容ストレスS0以上となる場合には、WGV38を開閉するWGVアクティブ制御を実行する。
【選択図】図4

Description

この発明は、内燃機関に係り、特に、ターボ過給機と、タービン下流の排気通路にヒータ付き排気ガスセンサとを備える内燃機関に関する。
従来、例えば特許文献1には、ターボ過給機付き内燃機関の制御装置が開示されている。この従来の内燃機関は、タービンをバイパスする排気バイパス通路を開閉するウェイストゲートバルブを備えている。そして、上記制御装置は、内燃機関の低速域においては、タービンの上流側においてタービンに通じる側の排気通路が閉塞し、かつ排気バイパス通路が開放されるように、ウェイストゲートバルブを制御するようにしている。このような手法により、上記特許文献1の内燃機関では、低速域において、タービンの下流に配置される触媒の活性化温度を十分に確保できるようにしている。
特開2004−339942号公報 特開2008−157150号公報 特開2007−303394号公報 特開2003−343273号公報 特開2007−056842号公報 特開2008−208787号公報 特開2008−068745号公報
ところで、ターボ過給機付きの内燃機関においては、タービンの下流側の排気通路を流れる排気ガスの成分(例えば、酸素濃度)を検知するための排気ガスセンサに対し、センサ素子を加熱するためのヒータが備えられることは一般的である。タービンの下流側の排気通路にそのような排気ガスセンサとヒータとを備える場合には、以下のような問題が考えられる。
すなわち、冷間始動時(内燃機関の始動後に冷却水温度が所定温度以下である時)には、排気通路自体や排気通路に備えられる排気系部品(タービンなど)が冷えているため、排気ガス中に含まれている水分が凝縮し、排気通路や排気系部品の各部において凝縮水が発生する。また、ターボ過給機付き内燃機関は、自然吸気式の内燃機関に比べて熱容量の増加により凝縮水が発生し易い。そして、冷間始動時に上記特許文献1に記載のように触媒の早期暖機などの目的でウェイストゲートバルブを開弁するという制御が行われていると、タービンを通過する排気ガス量が少なくなる。その結果、タービンの内部およびその近傍の部位には、凝縮水が溜まり易くなる。そして、このようなタービンの内部およびその近傍の部位には、上記目的でのウェイストゲートバルブの開弁中に排気バイパス通路側の排気ガスが到達しない(もしくは到達しにくい)ため、凝縮水が長時間残留してしまう。
一方、排気ガスセンサでは、センサ素子温度を所定の活性温度に維持するためにヒータによってセンサ素子を加熱する制御が行われる。このような制御が行われる排気ガスセンサが許容量を超える量で被水すると、熱衝撃によりセンサ素子に割れが発生してしまうことが懸念される。このようなセンサ素子の割れを回避するために、上記目的で開いていたウェイストゲートバルブが閉じられる際に排気ガスセンサが被ることになる凝縮水が消失し終えるまで、ヒータの通電を禁止することとすると、排気ガスセンサの早期活性化が阻害されてしまう結果となる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、内燃機関の始動後に冷却水温度が所定温度以下である場合に触媒の早期暖機などのためにウェイストゲートバルブを開弁する制御を行う場合において、凝縮水を被ることによる排気ガスセンサの割れを回避しつつ、排気ガスセンサの早期活性化を図ることのできる内燃機関を提供することを目的とする。
第1の発明は、内燃機関であって、
排気エネルギにより作動するタービンを排気通路に設けるターボ過給機と、
前記タービンの下流側の前記排気通路に配置された排気ガスセンサと、
前記タービンの上流側の前記排気通路から分岐し、前記タービンの下流側の前記排気通路に合流する排気バイパス通路と、
前記排気バイパス通路を開閉するウェイストゲートバルブと、
前記排気ガスセンサのセンサ素子を加熱するヒータと、
前記排気ガスセンサの上流側の前記排気通路内の凝縮水の量を推定する凝縮水量推定手段と、
内燃機関の始動後、冷却水温度が所定温度以下である場合に前記ウェイストゲートバルブを開弁するWGV開弁手段と、
前記WGV開弁手段によって前記ウェイストゲートバルブが開弁している場合であって前記凝縮水の量が第1所定量以上である場合に、前記ウェイストゲートバルブの開度を変更するWGV開度変更手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記WGV開度変更手段による前記ウェイストゲートバルブの開度変更は、当該ウェイストゲートバルブの開度を閉じ側の開度に制御するものであることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記凝縮水の量が前記第1所定量以下に減少した場合に前記ヒータへの通電を開始する、
ことを特徴とする。
また、第4の発明は、第1から第3の発明のいずれか1つにおいて、
前記凝縮水が飛散した場合に前記排気ガスセンサが被ることになる水の量である被水量を推定する被水量推定手段を更に備え、
前記WGV開弁変更手段は、前記WGV開弁手段によって前記ウェイストゲートバルブが開弁している場合であって前記被水量が前記第2所定量以上である場合に、前記ウェイストゲートバルブの開度を変更する、
ことを特徴とする。
また、第5の発明は、第4の発明において、
前記WGV開度変更手段による前記ウェイストゲートバルブの開度変更は、当該ウェイストゲートバルブの開度を閉じ側の開度に制御するものであることを特徴とする。
また、第6の発明は、第4または第5の発明において、
前記被水量が前記第2所定量以下に減少した場合に前記ヒータへの通電を開始する、
ことを特徴とする。
また、第7の発明は、第4から第6の発明のいずれか1つにおいて、
前記WGV開弁変更手段は、前記被水量と予め設定された前記排気ガスセンサの許容被水量との差分が第3所定量以下となるまで、前記ウェイストゲートバルブの開度の変更を実行する、
ことを特徴とする。
また、第8の発明は、第1から第7の発明のいずれか1つにおいて、
前記WGV開弁変更手段は、吸気圧力が所定値以上である場合に、前記ウェイストゲートバルブの開度の変更を禁止する、
ことを特徴とする。
また、第9の発明は、第1から第8の発明のいずれか1つにおいて、
前記内燃機関は、動力伝達部にクラッチ機構を備える車両に搭載されており、
前記WGV開度変更手段は、前記クラッチ機構が切り離された場合に前記ウェイストゲートバルブの開度を変更する、
ことを特徴とする。
第1の発明によれば、内燃機関の始動後に冷却水温度が所定温度以下であるとき(冷間始動時)においてウェイストゲートバルブを開弁している場合であって、上記凝縮水の量が第1所定量以上である場合には、ウェイストゲートバルブの開度変更が実行される。これにより、タービンの周囲の排気ガスの流れを変更させることができるので、タービンの内部およびその近傍に滞留する凝縮水を積極的に排除することができる。このため、何らの配慮なしに排気通路に滞留する凝縮水が十分に消失するのを待ったうえでヒータへの通電を実施する場合と比べ、ヒータへの通電を早期に開始できるようになる。このように、本発明によれば、冷間始動時に触媒の早期暖機などのためにウェイストゲートバルブを開弁する制御を行う場合において、凝縮水を被ることによる排気ガスセンサの割れを回避しつつ、排気ガスセンサの早期活性化を図れるようになる。
第2の発明によれば、タービンを通過する排気ガス量を多くすることで、タービンの内部およびその近傍に滞留する凝縮水を効果的に排除することができる。
第3の発明によれば、ウェイストゲートバルブの開度変更による積極的な凝縮水の排除によって凝縮水の量が第2所定量以下に減少したことを確認したうえでヒータへの通電が開始される。これにより、凝縮水を被ることによる排気ガスセンサの割れを回避しつつ、排気ガスセンサの早期活性化を図れるようになる。
第4の発明によれば、上記凝縮水の飛散に伴う排気ガスセンサの被水量が多い状況下においてウェイストゲートバルブの開度変更を実行することにより、積極的な凝縮水の排除が行われる。これにより、凝縮水を被ることによる排気ガスセンサの割れを回避しつつ、排気ガスセンサの早期活性化を図れるようになる。
第5の発明によれば、タービンを通過する排気ガス量を多くすることで、タービンの内部およびその近傍に滞留する凝縮水を効果的に排除することができる。
第6の発明によれば、上述した積極的な凝縮水の排除によって上記被水量が第2所定量以下に減少したことを確認したうえでヒータへの通電が開始される。これにより、凝縮水を被ることによる排気ガスセンサの割れを回避しつつ、排気ガスセンサの早期活性化を図れるようになる。
第7の発明によれば、上記の被水量と許容被水量との差分が第3所定量以下となったことで排気ガスセンサの被水量が少なくなった状況下において、ウェイストゲートバルブの開度変更による内燃機関のトルクショックが生ずるのを防止することができる。
吸気圧力が高いと、排気ガス流量が多くなるので、ウェイストゲートバルブの開度変更が内燃機関のトルクに与える影響が大きくなる。このため、第8の発明によれば、吸気圧力が所定値以上である場合にはウェイストゲートバルブの開度変更を禁止することにより、ウェイストゲートバルブの開度変更によるトルクショックの発生を抑制することができる。
第9の発明によれば、クラッチ機構が切り離された場合にウェイストゲートバルブの開度を変更することにより、ウェイストゲートバルブの開度変更によるトルクショックが内燃機関から車両に伝達されないようにすることができる。
本発明の実施の形態1の内燃機関のシステム構成を説明するための模式図である。 冷間始動時に排気通路に発生する凝縮水の挙動を表した図である。 冷間始動時の凝縮水の飛散形態を吸入空気流量を異ならせた状態で比較して表した図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態1の制御の効果を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施の形態1のWGVアクティブ制御の実施に関する変形例に相当する制御ルーチンを示すフローチャートである。 WGVの閉弁による滞留水量の時間変化を表した図である。 被水によるセンサ素子の割れ危険度をWGVアクティブ制御の実行の有無で比較して表した図である。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1の内燃機関10のシステム構成を説明するための模式図である。本実施形態のシステムは、内燃機関(ここでは、一例として火花点火式のガソリンエンジンであるものとする)10を備えている。内燃機関10の各気筒には、吸気通路12および排気通路14が連通している。
吸気通路12の入口近傍には、エアクリーナ16が取り付けられている。エアクリーナ16の下流近傍には、吸気通路12に吸入される空気(吸気)の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ18と、吸気の温度を検知するための吸気温度センサ20とが設けられている。エアフローメータ18の下流には、ターボ過給機22のコンプレッサ22aが設置されている。コンプレッサ22aは、排気通路14に配置されたタービン22bと連結軸を介して一体的に連結されている。
コンプレッサ22aの下流には、圧縮された空気を冷却するインタークーラ24が設けられている。インタークーラ24の下流には、電子制御式のスロットルバルブ26が設けられている。スロットルバルブ26の下流(吸気マニホールド12a)には、吸気圧力を検知するための吸気圧力センサ28が配置されている。
内燃機関10の各気筒には、吸気ポートに燃料を噴射するための燃料噴射弁30が設けられている。また、内燃機関10の各気筒には、混合気に点火するための点火プラグ32が設けられている。更に、内燃機関10は、吸気弁(図示省略)および排気弁(図示省略)の開閉時期を調整するための可変バルブタイミング機構(VVT機構)34を備えている。
排気通路14には、タービン22bよりも上流側の部位において排気通路14から分岐し、タービン22bよりも下流側の部位において排気通路14と合流するように構成された排気バイパス通路36が接続されている。排気バイパス通路36の途中には、排気バイパス通路36の開閉を切り替え可能なウェイストゲートバルブ(WGV)38が設けられている。WGV38は、ここでは、調圧式もしくは電動式のアクチュエータ(図示省略)によって任意の開度に調整可能に構成されているものとする。
タービン22bの下流側における排気バイパス通路36との接続部位よりも更に下流側の排気通路14には、排気ガスを浄化するための排気浄化触媒(以下、単に「触媒」と称する)40が配置されている。また、タービン22bの上流側における排気バイパス通路36との接続部位よりも上流側の排気通路14には、筒内から排出された排気ガスの温度を取得するための排気温度センサ42が取り付けられている。
更に、触媒40の上流側の排気通路14には、触媒40に流入する排気ガスの空燃比に対してほぼリニアな出力を発する(メイン)A/Fセンサ44が配置されている。A/Fセンサ44には、センサ素子(図示省略)を加熱するためのヒータ(図示省略)が備えられている。触媒40の下流側の排気通路14には、触媒40から流出してくる排気ガスが理論空燃比に対してリッチである場合にリッチ出力を発生し、また、その排気ガスが理論空燃比に対してリーンである場合にリーン出力を発生する(サブ)Oセンサ46が配置されている。クランクシャフトの近傍には、エンジン回転数を検出するためのクランク角センサ48が設けられている。
更に、図1に示すシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50の入力部には、上述したエアフローメータ18、吸気温度センサ20、吸気圧力センサ28、排気温度センサ42、A/Fセンサ44、Oセンサ46およびクランク角センサ48に加え、エンジン冷却水温度を検知するための水温センサ52等の内燃機関10の運転状態を検知するための各種センサが接続されている。また、ECU50には、内燃機関10と、内燃機関10に組み合わされる変速機(図示省略)との間に設けられるクラッチ機構(図示省略)の係合状態を検知するためのクラッチセンサ54が接続されている。また、ECU50の出力部には、上述したスロットルバルブ26、燃料噴射弁30、点火プラグ32、VVT機構34、およびWGV38等の内燃機関10の運転状態を制御するための各種アクチュエータが接続されている。ECU50は、上述した各種センサの出力と所定のプログラムに従って各種アクチュエータを作動させることにより、内燃機関10の運転状態を制御するものである。
(触媒暖機制御)
上述した構成を有する本実施形態のシステムでは、触媒40が所定の活性状態に達していない冷間始動時に、速やかに活性状態となるように触媒40の暖機を促す触媒暖機制御が実行される。本実施形態の触媒暖機制御では、WGV38が所定開度(例えば、制御上の最大開度)に開かれるようになっている。WGV38を開いた場合には、WGV38を閉じた場合と比べ、タービン22bやそのハウジング等の昇温に排気熱が費やされにくくなるため、下流側の触媒40に対して、より高温の排気ガスを供給できるようになる。このため、触媒40の早期暖機化を図ることができる。
(A/Fセンサのヒータ制御)
また、本実施形態のシステムでは、内燃機関10の運転中に、A/Fセンサ44の素子温度が所定の活性温度で維持されるように、ヒータへの通電が制御されるようになっている。
[ターボ過給機付き内燃機関における冷間始動時の凝縮水の発生に伴う課題]
冷間始動時には、排気通路および排気バイパス通路自体やこれらに備えられる排気系部品(タービン22bなど)が冷えているため、排気ガス中に含まれている水分が凝縮し、排気通路および排気バイパス通路や排気系部品の各部において凝縮水が発生する。また、本実施形態の内燃機関10のようにターボ過給機付き内燃機関は、自然吸気式の内燃機関に比べて熱容量の増加により凝縮水が発生し易い。そして、上述したように冷間始動時に触媒40の早期暖機のためにWGV38を開弁するという制御が行われていると、タービン22bを通過する排気ガス量が少なくなる。その結果、タービン22bの内部およびその近傍には、凝縮水が溜まり易くなる。
図2は、冷間始動時に排気通路に発生する凝縮水の挙動を表した図である。より具体的には、図2(A)は、A/Fセンサ44の上流側の排気通路14および排気バイパス通路36に発生する凝縮水全体についての飛散液滴数を示す波形(図2(B)〜図2(E)において示す飛散液滴数の合計値を示す波形)である。また、図2(B)は、排気バイパス通路36側で発生した凝縮水がWGV38から出てくる際の飛散液滴数を示す波形であり、図2(C)は、タービン22b側で発生した凝縮水がタービン22bから出てくる際の飛散液滴数を示す波形であり、図2(D)は、排気通路14および排気バイパス通路36内において発生した後にタービン22bの近傍(タービン22bのハウジングのくぼみ部など)において溜まった凝縮水(以下、特に「滞留水」と称する場合がある)が飛散する際の液滴数を示す波形であり、図2(E)は、「その他」の凝縮水(すなわち、A/Fセンサ44の上流側に発生する凝縮水のうちで上記図2(B)〜図2(D)に示す各凝縮水と明確に切り分けることが難しい残りの凝縮水)が飛散する際の液滴数を示す波形である。
図2に示す運転状態は、冷間始動直後のファーストアイドリング状態であり、触媒暖機のためにWGV38が開かれており、かつ、始動から60秒経過後に吸入空気流量が所定値(一例として9g/s)に高められた場合のものである。図2に示す冷間始動の初期には、WGV38が開かれていることで、A/Fセンサ44が設けられている部位には排気バイパス通路36を介して排気ガスが導入されることになり、タービン22bは回転していない。このため、この場合には、図2(B)に示すように、WGV38側からの飛散液滴数が多くなる。また、この場合には、図2(E)に示すように、「その他」と定義した部位からも凝縮水が多く飛散することが分かる。
一方、図2に示す例では、冷間始動から60秒経過後に吸入空気流量が増やされることで、それに応じてタービン22bが回転し始めている。その結果、タービン22bの周辺の排気ガスの流れが変化する。これにより、図2(C)および図2(D)に示すように、タービン22b側から飛散する液滴(タービン22bの内部から出てくる凝縮水およびタービン22bの近傍の上記「滞留水」が飛散する際の液滴)の数が多くなる。また、図2(E)より、「その他」と定義した部位からの飛散液滴数も多くなることが分かる。
以上のように、図2に示す結果からも、冷間始動時に触媒暖機のためにWGV38の開弁が行われると、始動初期には、タービン22b側からの液滴の飛散が少ないことが分かる。すなわち、タービン22b側(タービン22b内部およびその近傍)に生じた凝縮水は、WGV38の開弁中には長時間消失せずに残留し、その後の吸入空気流量の増加に伴う積極的なタービン22bの回転開始に伴って液滴となって多量に飛散することが分かる。
図3は、冷間始動時の凝縮水の飛散形態を吸入空気流量を異ならせた状態で比較して表した図である。より具体的には、図3は、冷間始動後60秒の時点において、凝縮水が存在する各部(図2で定義した部位と同じ)の飛散液滴比率を、所定の吸入空気流量毎に表したものである。尚、図3において「成り行き」と称する状態は、始動から60秒経過した後の吸入空気流量を積極的に所定値に合わせる制御を行っていない状態(吸入空気流量Ga<8g/s)のものである。
図3より、冷間始動時の吸入空気流量が多いほど、タービン22b側を流れる排気ガス流量が増えることで、WGV38開弁中にタービン22b側(タービン22b内部およびその近傍)に残存していた凝縮水の飛散比率が高まることが分かる。
一方、上述したように、A/Fセンサ44では、センサ素子温度を所定の活性温度に維持するためにヒータによってセンサ素子を加熱する制御が行われる。このような制御が行われるA/Fセンサ44が許容量を超える量で被水すると、熱衝撃によりセンサ素子に割れが発生してしまうことが懸念される。このようなセンサ素子の割れを回避するために、触媒暖機制御の完了に伴うWGV38の閉弁時にA/Fセンサ44が被ることになる凝縮水が消失し終えるまで、ヒータの通電を禁止することとすると、A/Fセンサ44の早期活性化が阻害されてしまう結果となる。
[実施の形態1における特徴的な制御]
そこで、冷間始動時(内燃機関10の始動後に冷却水温度が所定温度以上である時)にA/Fセンサ44の上流側において排気ガスが流れる通路内(タービン22bのハウジングを含む排気通路14の内部および排気バイパス通路36の内部)に存在する凝縮水の量を推定するようにした。具体的には、冷間始動時に触媒暖機制御が完了するまでWGV38が開かれた状態とされた場合における凝縮水の量(後述の凝縮水量W1と滞留水量W2との和に相当)を推定するようにした。そして、この凝縮水の量に基づいて、当該凝縮水が飛散した場合にA/Fセンサ44が被ることになる水の量である被水量の推定値(以下、「推定被水量」と称する)Sを被水ストレスとして算出するようにした。
そして、算出された推定被水量(被水ストレス)Sが所定の許容被水量(許容ストレス)S0以上となる場合に、WGV38を所定回数だけ開閉する動作(以下、「WGVアクティブ制御」と称する)を実行するようにした。そして、そのようなWGVアクティブ制御を行った後に、A/Fセンサ44の上流側に存在する凝縮水が所定量飛散したか否かを判定するようにした。そのうえで、凝縮水が所定量飛散したと判定された場合に、A/Fセンサ44が備えるヒータへの通電を許可するようにした。
また、本実施形態では、凝縮水の飛散の程度を判定する上記所定量として、推定被水量Sと許容被水量S0との差(要求飛散量)Fを用いるようにした。すなわち、ここでは、上記WGVアクティブ制御において低減しなければならない被水ストレスSとして、この要求飛散量Fを用いるようにした。そして、推定被水量Sと許容被水量S1との差である要求飛散量F以上の量の凝縮水が飛散したと判定されるまで、WGVアクティブ制御を実行するようにした。
また、本実施形態では、吸気圧力に基づいて、WGVアクティブ制御の実行の可否を判定するようにした。具体的には、吸気圧力が所定値よりも低い場合には、WGVアクティブ制御の実行を許可するようにした。更に、本実施形態では、上記クラッチ機構が切り離されているか否かに基づいて、WGVアクティブ制御の実行の可否を判定するようにした。具体的には、クラッチ機構が切り離された際にWGVアクティブ制御の実行を許可するようにした。
図4は、本発明の実施の形態1における制御を実現するために、ECU50が実行する制御ルーチンを示すフローチャートである。尚、本ルーチンは、エンジン水温が所定値よりも低い状態からの始動(冷間始動)が開始後の所定のタイミングにおいて起動されるものとする。
図4に示すルーチンでは、先ず、内燃機関10の運転状態を示すENG運転情報が取得される(ステップ100)。具体的には、以下の凝縮水量W1、滞留水量W2、飛散量W3の算出に必要なENG運転情報として、既述した各種センサを利用して、吸気温度、エンジン水温、排気温度および吸入空気量等が取得される。
次に、凝縮水量W1が算出される(ステップ102)。具体的には、ECU50には、排気温度、吸入空気量および始動時の水温との関係で、内燃機関10の暖機が完了するまでに発生し得る凝縮水量W1を定めたマップ(図示省略)を記憶している。本ステップ102では、そのようなマップを参照して、上記ステップ100において取得された排気温度、吸入空気量および始動時の水温に基づいて凝縮水量W1が算出される。
次に、滞留水量W2が算出される(ステップ104)。具体的には、滞留水量W2は、上記凝縮水量W1に所定の比率k2を乗じて得られる値(k2×W1)として算出される。この比率k2は、排気通路14(排気管部分)やタービン22bのハウジングの形状に基づいて予め設定された値である。尚、滞留水W2は、排気管部分やタービン22bのハウジングのくぼみ部等に溜まっていき、やがて飽和するものであるため、(後述の図5に示すように)最大値を有する。
次に、被水ストレス(推定被水量)Sが算出される(ステップ106)。具体的には、この被水ストレス(推定被水量)Sは、上記のように算出される凝縮水量W1と滞留水量W2との和(W1+W2)として算出される。次いで、被水によるA/Fセンサ44の割れ発生の危険度を判定する処理が実行される(ステップ108)。具体的には、上記ステップ106において算出された被水ストレス(推定被水量)Sが所定の許容ストレス(許容被水量)S0以上であるか否かが判定される。許容ストレス(許容被水量)S0は、A/Fセンサ44の被水強度に基づいて予め設定された値である。
上記ステップ108の判定が成立する場合、すなわち、被水ストレス(推定被水量)Sが許容ストレス(許容被水量)S0以上であることによりセンサ素子の割れの防止のために被水ストレスを低減させる必要があると判断できる場合には、要求飛散量Fが算出される(ステップ110)。要求飛散量Fは、被水ストレス(推定被水量)Sと許容ストレス(許容被水量)S0との差として算出される。
次に、WGVアクティブ制御の実行可否を判定する処理が実行される(ステップ112)。具体的には、吸気圧力が所定値より低くなっているか否か、または、クラッチ機構が切り離されたか否かが判定される。その結果、本ステップ112の判定が成立する場合には、WGVアクティブ制御が実行される(ステップ114)。WGVアクティブ制御は、所定回数WGV38を開閉する制御である。本実施形態では、その一例として、触媒暖機のために開弁状態にあるWGV38を所定時間だけ閉弁状態とする制御が行われるものとする(後述の図5参照)。尚、このようなWGVアクティブ制御が実行されるときには、内燃機関10のトルク変動が生じないようにするための吸入空気量の要求値が得られるように、スロットルバルブ26およびVVT機構34が制御される。
次に、飛散量W3が算出される(ステップ116)。具体的には、飛散量W3は、排気通路14等の壁面等に存在する凝縮水に働く排気ガスからのせん断力に比例するものである。このため、ここでは、飛散量W3は、上記滞留水量W2に、所定の比率k3と吸入空気量をそれぞれ乗じて得られる値(W2×k3×吸入空気量)として算出されるようになっている。尚、この比率k3は、排気管部分やタービン22bのハウジングの形状に基づいて予め設定された値である。また、飛散量W3は、WGV38の開度に対する感度が高いため、上記比率k3の設定値は、図示省略するマップ等を利用して、所定WGV開度毎に与えられている。
次に、飛散量判定が実行される(ステップ118)。具体的には、上記ステップ116において算出された飛散量W3が、上記ステップ110において算出された要求飛散量F以上であるか否かが判定される。その結果、本ステップ118の判定が成立する場合には、A/Fセンサ44のヒータへの通電が許可される(ステップ120)。これにより、他にヒータへの通電を禁止する条件が成立していなければ、ヒータへの通電が直ちに開始される。
図5は、上述した本発明の実施の形態1の制御の効果を説明するためのタイムチャートである。尚、図5において、破線で示す波形は、「従来制御」、すなわち、本実施形態の制御が行われない場合のものであり、実線で示す波形は、本実施形態の制御が実行される場合のものである。
図5に示された冷間始動後の期間は、触媒暖機制御が行われている期間を示している。このため、この場合には、図5(G)および図5(H)に示すように、本実施形態の制御によってWGVアクティブ制御が実行されない限り、WGV38が開弁状態とされることになる。
図5(A)に示すように、排気温度(排気温度センサ42が配置された部位の温度)は、冷間始動後に排気通路14の暖機が進むにつれ上昇していく。図5(B)に示すように、積算空気量は、冷間始動後の時間経過とともに増えていく。
図5(C)に示すように、冷間始動時にA/Fセンサ44の上流側において排気ガスが流れる通路内(タービン22bのハウジングを含む排気通路14の内部および排気バイパス通路36の内部)に発生する凝縮水の量は、冷間始動初期においては積算空気量の増加に伴って増加していき、その後、上記通路の各部の壁面温度の上昇に伴って減少していく。尚、上記凝縮水量W1は、冷間始動時に触媒暖機制御が完了するまでWGV38が開かれた状態とされた場合における凝縮水の量であるので、触媒暖機制御が完了するまでに発生する凝縮水の量の積算値に相当するものである。
既述した理由により、滞留水量は図5(D)に示すように最大値を有する。上記滞留水量W2は、この最大値に相当するものである。滞留水は、冷間始動後の上記通路の各部の壁面温度の上昇に伴って蒸発していくとともに、排気ガスの流れによって液滴として飛散していく。
WGVアクティブ制御が行われない場合には、図5(D)中に破線で示すように、滞留水量は、飽和した後に緩やかに減少していく。また、WGVアクティブ制御が行われない場合(タービン22b付近の排気ガスの流れに大きな変化がない場合)の凝縮水の飛散は、図5(E)中に破線で示すように、緩やかに行われる。この場合の被水ストレスは、図5(F)中に破線で示すように、図5(D)に示す滞留水量の変化に応じて変化していく。そして、飛散による滞留水の減少によって、被水ストレスが許容ストレスS0未満にまで下がった場合に、図5(I)中に破線で示すように、ヒータへの通電が許可されることになる。
これに対し、本実施形態では、被水ストレスSが許容ストレスS0以上となる場合には、WGVアクティブ制御の可否判定(上記ステップ112参照)が成立することを条件として、図5(G)および図5(H)中に実線で示すように、WGVアクティブ制御が実行される。これにより、図5(D)および図5(E)中に実線で示すように、飛散による滞留水の減少が促される。より具体的には、WGV38を閉じ側に制御することによって、タービン22bを通過する排気ガス量を多くすることで、タービン22bの内部およびその近傍に滞留する凝縮水を効果的に排除することができる。WGVアクティブ制御自体は、図5(F)および図5(G)中に実線で示すように、滞留水の飛散によって被水ストレスSが許容ストレスS0未満に下がるまで(すなわち、飛散量W3が要求飛散量Fに達するまで)実行される。そして、被水ストレスSが許容ストレスS0未満にまで下がった場合に、図5(I)中に実線で示すように、ヒータ通電許可フラグがONとされる。これにより、他にヒータへの通電を禁止する条件が成立していなければ、ヒータへの通電が直ちに開始されることになる。
以上のように、本実施形態の制御によれば、冷間始動時における触媒暖機促進のためのWGV38の開弁中に被水ストレスSが許容ストレスS0以上であると判定された場合には、WGV38の開閉動作を行うWGVアクティブ制御によってタービン22bの周囲の排気ガスの流れが変更させられる。これにより、タービン22bの内部およびその近傍に滞留する凝縮水が積極的に排除されるので、A/Fセンサ44の被水ストレスSを軽減させることができる。このため、図5(I)に示すように、滞留水が十分に消失するのを待ったうえでヒータ通電許可フラグがONとなる従来制御(破線)と比べ、ヒータ通電許可フラグが早期にONとされる(実線)。これにより、ヒータへの早期通電開始により、A/Fセンサ44の早期活性化を図れるようになる。また、WGVアクティブ制御によってタービン22b側に排気ガスを供給することは、WGV38の開弁による触媒暖機制御が行われていることによって遅れることになるターボ過給機22の暖機を促進することにも繋がるものである。
また、本実施形態の制御では、吸気圧力が所定値より低い場合(アイドル時や低負荷時など)に限ってWGVアクティブ制御の実行が許可され、吸気圧力が上記所定値以上である状況下では、WGVアクティブ制御の実行が禁止されるようになっている。吸気圧力が高いと、排気ガス流量が多くなるので、WGV38の開度変更が内燃機関10のトルクに与える影響が大きくなる。従って、吸気圧力が上記所定値以上である場合にはWGVアクティブ制御の実行を禁止することにより、WGV38の開閉によるトルクショックの発生を抑制することができる。
また、本実施形態の制御では、クラッチ機構が切り離された際にWGVアクティブ制御の実行が許可されるようになっている。これにより、WGVアクティブ制御の実行によるトルクショックが内燃機関10から車両に伝達されないようにすることができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、滞留水を積極的に排除するために、WGVアクティブ制御(図5においては、1回のWGV38の開閉を行うものを例示)を行うようにしている。しかしながら、本発明におけるウェイストゲートバルブの開度の変更は、上記の態様で実行されるWGVアクティブ制御に限定されるものではない。すなわち、本発明の制御は、ウェイストゲートバルブの開度を変更することによってタービンの周囲の排気ガスの流れを変更できればよく、所定回数(少なくとも1回)でWGVを開閉するものに限られず、例えば、WGV開度を任意の開度に向けて所定回数(少なくとも1回)変更するものであってもよい。
また、上述した実施の形態1においては、触媒40の上流に配置されたA/Fセンサ44を対象としたWGV38の制御およびヒータ制御を例に挙げて説明を行った。しかしながら、本発明は、A/Fセンサ44を対象とした制御に限定されるものではなく、Oセンサ46(システムによってはA/Fセンサ)のように触媒40の下流に配置される排気ガスセンサを対象としたウェイストゲートバルブの制御およびヒータ制御であってもよい。更に、上述した実施の形態1においては、ヒータを備えるA/Fセンサ44を例に挙げて説明を行った。しかしながら、本発明の対象となる排気ガスセンサは、そのセンサ素子を加熱するヒータとともに備えられるものであれば、A/Fセンサに限られるものではなく、排気ガスの任意の成分を検出するための各種センサ(例えば、Oセンサ、NOxセンサ、PMセンサ)であってもよい。
また、上述した実施の形態1においては、内燃機関10の始動後に冷却水温度が所定温度以下である時(冷間始動時)に触媒40の早期暖機のためにWGV38を開弁する制御が前提として実施される内燃機関10を例に挙げて説明を行った。しかしながら、本発明におけるWGV開弁手段が冷間始動時にウェイストゲートバルブを開弁する目的は、触媒の早期暖機以外のものであってもよい。
また、上述した実施の形態1においては、冷間始動時のWGV38の開弁中に被水ストレスSが許容ストレスS0以上であると判定された場合には、WGVアクティブ制御の可否判定が成立することを条件として、WGVアクティブ制御を行うようにしている。しかしながら、冷間始動時におけるWGVアクティブ制御の実施は上記態様によるものに限らず、例えば、以下の図6に示すルーチンの処理に基づくものであってもよい。
図6は、本発明の実施の形態1のWGVアクティブ制御の実施に関する変形例に相当する制御ルーチンを示すフローチャートである。尚、本ルーチンは、冷間始動時に所定の制御周期毎に繰り返し実行されるものとする。
図6に示すルーチンでは、先ず、内燃機関10の冷間始動時にA/Fセンサ44の上流側において排気ガスが流れる通路内(タービン22bのハウジングを含む排気通路14の内部および排気バイパス通路36の内部)における凝縮水残留量(滞留水量)の推定値(前回値)Qが読み込まれる(ステップ200)。
次に、エンジン回転数、燃料噴射量、エンジン水温、エンジン油温および外気温度等の滞留水量Qの推定に必要な各種情報が取得される(ステップ202)。次いで、滞留水変化量ΔQの推定値が算出される(ステップ204)。具体的には、ステップ204では、上記ステップ202において取得された情報に基づいて、凝縮水の最新の変化(発生、または乾燥や流出)を考慮して滞留水変化量ΔQが算出される。
次に、上記ステップ200において取得された凝縮水残留量の推定値Qに対して上記ステップ204において算出された滞留水変化量ΔQを加算することによって、凝縮水残留量の最新値Qの推定値が算出される(ステップ206)。次いで、被水によるA/Fセンサ44の割れ発生の危険度を判定する処理が実行される(ステップ208)。具体的には、上記ステップ206において算出された凝縮水残留量の最新値Qが所定の閾値α以上であるか否かが判定される。この閾値αは、A/Fセンサ44の被水強度等に基づいて予め設定された値である。
上記ステップ208の判定が成立する場合には、WGVアクティブ制御の実行可否判定が実行される(ステップ210)。具体的には、本ステップ210では、アイドル運転中であって、A/Fセンサ44への通電が行われていない場合に、WGVアクティブ制御が実行可能であると判定される。この場合には、WGVアクティブ制御(開閉制御)が実行される(ステップ212)。一方、上記ステップ208の判定が不成立となる場合には、WGV38を強制的に所定回数だけ開閉する制御(WGVアクティブ制御)が実行可能となる状況が到来するまで、滞留水量の最新値Qが繰り返し推定される。
図7は、WGV38の閉弁による滞留水量の時間変化を表した図である。
WGVアクティブ制御によってWGV38を開閉することにより、滞留位置(タービン22bの内部やその近傍)における排気ガスの流速が変化する。一般に、流速が速くなると、滞留水が飛散し易くなる。従って、それまで開弁状態にあったWGV38が閉じられることによって、タービン22b側を通過する排気ガスの流量が増えて流速も増えるため、図7に示すように、滞留水量が減少する。また、流速が遅くなる場合であっても、WGV38の開閉を繰り返すと滞留水の液面が波打ち、飛散が生じ易くなる。このため、WGVアクティブ制御によって滞留水量を減少させることができるといえる。
更に、WGVアクティブ制御は、数秒間の実行によって効果が得られるため、内燃機関10のドライバビリティへの影響は少ないといえる。図8は、被水によるセンサ素子の割れ危険度をWGVアクティブ制御の実行の有無で比較して表した図である。図8に示す被水割れ危険度とは、センサ素子への水滴の付着によって素子割れが発生する確率の指標である。図8に示すように、WGVアクティブ制御(開閉制御)を行うことによって、被水割れ危険度を効果的に下げることができる。これにより、A/Fセンサ44の保護を図ることができる。そして、図6に示すルーチンを利用する場合においても、WGVアクティブ制御の実行後に上記図4に示すルーチンにおけるステップ116〜120相当の処理を行うようにすることで、ヒータの早期通電が可能となり、A/Fセンサ44の早期活性化を図れるようになる。
また、上述した実施の形態1においては、WGVアクティブ制御の実施に伴う滞留水の飛散によって被水ストレスSが許容ストレスS0未満に下がった場合(すなわち、飛散量W3が要求飛散量Fに達した場合)に、図5(I)中に実線で示すように、ヒータ通電許可フラグをONとし、他にヒータへの通電を禁止する条件が成立していないことを条件として、ヒータへの通電を直ちに開始するようにしている。しかしながら、本発明において制御されるヒータ通電の開始タイミングは、上記のものに限らない。
すなわち、例えば、排気ガスセンサの上流側の排気通路内の凝縮水の推定量が第1所定量以上である場合にWGVアクティブ制御を実施している構成において、当該凝縮水の量が上記第1所定量以下に減少した場合にヒータへの通電を開始するものであってもよい。また、このような構成におけるヒータへの通電の開始タイミングは、より好ましくは、上記凝縮水の量が上記第1所定量よりも小さな閾値以下に減少した時であってもよい。これにより、センサ素子の割れをより確実に回避できるようになる。
或いは、例えば、上記凝縮水が飛散した場合に排気ガスセンサが被ることになる水の量である被水量が第2所定量以上である場合にWGVアクティブ制御を実施している構成において、当該被水量が上記第2所定量以下に減少した場合にヒータへの通電を開始するものであってもよい。また、このような構成におけるヒータへの通電の開始タイミングは、より好ましくは、上記被水量が上記第2所定量よりも小さな閾値以下に減少した時であってもよい。これにより、センサ素子の割れをより確実に回避できるようになる。
また、上述した実施の形態1においては、滞留水の飛散によって被水ストレスSが許容ストレスS0未満に下がった時(すなわち、飛散量W3が要求飛散量Fに達した時)にWGVアクティブ制御を終了するようにしている。しかしながら、本発明におけるウェイストゲートバルブの開度変更動作の終了タイミングは、上記のものに限らない。
すなわち、例えば、排気ガスセンサの上流側の排気通路内の凝縮水の推定量が第1所定量以上である場合にWGVアクティブ制御を実施している構成において、当該凝縮水の量が上記第1所定量以下に減少した時に上記開度変更動作(WGVアクティブ制御)を終了するようにしてもよい。また、このような構成における上記開度変更動作の終了タイミングは、より好ましくは、上記凝縮水の量が上記第1所定量よりも小さな閾値以下に減少した時であってもよい。これにより、センサ素子の割れをより確実に回避できるようになる。
或いは、例えば、上記凝縮水が飛散した場合に排気ガスセンサが被ることになる水の量である被水量が第2所定量以上である場合にWGVアクティブ制御を実施している構成において、当該被水量が上記第2所定量以下に減少した時に上記開度変更動作(WGVアクティブ制御)を終了するようにしてもよい。また、このような構成における上記開度変更動作の終了タイミングは、より好ましくは、上記被水量が上記第2所定量よりも小さな閾値以下に減少した時であってもよい。これにより、センサ素子の割れをより確実に回避できるようになる。
また、上述した実施の形態1においては、滞留水の飛散によって被水ストレスSが許容ストレスS0未満に下がった時(すなわち、飛散量W3が要求飛散量Fに達した時)にWGVアクティブ制御を終了するようにしている。しかしながら、本発明におけるウェイストゲートバルブの開度変更動作の実施態様は、上記のものに限らない。すなわち、例えば、上記凝縮水が飛散した場合に排気ガスセンサが被ることになる水の量である被水量が第2所定量以上である場合にWGVアクティブ制御を実施している構成において、上記被水量と予め設定された排気ガスセンサの許容被水量との差分(例えば、上記要求飛散量Fが相当)が第3所定量以下となるまでWGVアクティブ制御を実行するものであってもよい。
また、上述した実施の形態1においては、タービン22bの下流側における排気バイパス通路36の合流部位よりも下流側の排気通路14にA/Fセンサ44が配置された内燃機関10を例に挙げて説明を行った。しかしながら、本発明の対象となる排気ガスセンサの配置部位は、上記のものに限定されるものではなく、タービンの下流側の排気通路であれば、排気バイパス通路の上記合流部位よりも上流側の部位であってもよい。そして、このような配置が採用されている場合であっても、本発明のウェイストゲートバルブの制御を適用することにより、実施の形態1の配置の場合と同様に、冷間始動時におけるウェイストゲートバルブの開弁制御(例えば、触媒暖機目的)が終了してウェイストゲートバルブを閉じたときの排気ガスセンサの被水量を低減し、センサ素子の割れを好適に防止することができる。
尚、上述した実施の形態1およびその変形例においては、A/Fセンサ44が前記第1の発明における「排気ガスセンサ」に相当している。また、ECU50が上記ステップ100〜106の処理または上記ステップ200〜206の処理を実行することにより前記第1の発明における「凝縮水量推定手段」が実現されている。また、ECU50が冷間始動時に触媒40の暖機が完了するまでWGV38を開弁状態とすることにより前記第1の発明における「WGV開弁手段」が実現されている。また、ECU50が、上記ステップ108の判定が成立する場合に上記ステップ112および114の処理を実行することにより、または、上記ステップ208および210の判定が成立する場合に上記ステップ212の処理を実行することにより前記第1の発明における「WGV開度変更手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU50が上記ステップ102〜106の処理を実行することにより前記第4の発明における「被水量推定手段」が実現されている。また、ECU50が、上記ステップ108の判定が成立する場合に上記ステップ112および114の処理を実行することにより前記第4の発明における「WGV開度変更手段」が実現されている。
10 内燃機関
12 吸気通路
12a 吸気マニホールド
14 排気通路
16 エアクリーナ
18 エアフローメータ
20 吸気温度センサ
22 ターボ過給機
22a コンプレッサ
22b タービン
24 インタークーラ
26 スロットルバルブ
28 吸気圧力センサ
30 燃料噴射弁
32 点火プラグ
34 可変バルブタイミング(VVT)機構
36 排気バイパス通路
38 ウェイストゲートバルブ(WGV)
40 触媒
42 排気温度センサ
44 A/Fセンサ
46 Oセンサ
48 クランク角センサ
50 ECU(Electronic Control Unit)
52 水温センサ
54 クラッチセンサ

Claims (9)

  1. 排気エネルギにより作動するタービンを排気通路に設けるターボ過給機と、
    前記タービンの下流側の前記排気通路に配置された排気ガスセンサと、
    前記タービンの上流側の前記排気通路から分岐し、前記タービンの下流側の前記排気通路に合流する排気バイパス通路と、
    前記排気バイパス通路を開閉するウェイストゲートバルブと、
    前記排気ガスセンサのセンサ素子を加熱するヒータと、
    前記排気ガスセンサの上流側の前記排気通路内の凝縮水の量を推定する凝縮水量推定手段と、
    内燃機関の始動後、冷却水温度が所定温度以下である場合に前記ウェイストゲートバルブを開弁するWGV開弁手段と、
    前記WGV開弁手段によって前記ウェイストゲートバルブが開弁している場合であって前記凝縮水の量が第1所定量以上である場合に、前記ウェイストゲートバルブの開度を変更するWGV開度変更手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関。
  2. 前記WGV開度変更手段による前記ウェイストゲートバルブの開度変更は、当該ウェイストゲートバルブの開度を閉じ側の開度に制御するものであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記凝縮水の量が前記第1所定量以下に減少した場合に前記ヒータへの通電を開始する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関。
  4. 前記凝縮水が飛散した場合に前記排気ガスセンサが被ることになる水の量である被水量を推定する被水量推定手段を更に備え、
    前記WGV開弁変更手段は、前記WGV開弁手段によって前記ウェイストゲートバルブが開弁している場合であって前記被水量が前記第2所定量以上である場合に、前記ウェイストゲートバルブの開度を変更する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の内燃機関。
  5. 前記WGV開度変更手段による前記ウェイストゲートバルブの開度変更は、当該ウェイストゲートバルブの開度を閉じ側の開度に制御するものであることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関。
  6. 前記被水量が前記第2所定量以下に減少した場合に前記ヒータへの通電を開始する、
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の内燃機関。
  7. 前記WGV開弁変更手段は、前記被水量と予め設定された前記排気ガスセンサの許容被水量との差分が第3所定量以下となるまで、前記ウェイストゲートバルブの開度の変更を実行する、
    ことを特徴とする請求項4から6のいずれか1つに記載の内燃機関。
  8. 前記WGV開弁変更手段は、吸気圧力が所定値以上である場合に、前記ウェイストゲートバルブの開度の変更を禁止する、
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の内燃機関。
  9. 前記内燃機関は、動力伝達部にクラッチ機構を備える車両に搭載されており、
    前記WGV開度変更手段は、前記クラッチ機構が切り離された場合に前記ウェイストゲートバルブの開度を変更する、
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の内燃機関。
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