JP2014004763A - オリゴマー付着異物を低減した引裂直線性を有するガスバリア性二軸延伸ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】従来法では解決できないオリゴマー付着異物を抑制した引裂直線性を有するガスバリア性二軸延伸ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】ポリテトラメチレングリコール単位を含有したポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートとからなるフィルムにPVDCコート層を積層したフィルムであって、フィルムの10000m2あたり、直径0.5mm以上のオリゴマー由来異物が10個以下であり、直径0.2mm以上0.5mm未満のオリゴマー由来異物が50個以下であることを特徴とする、少なくとも長手方向に引裂直線性を有する二軸延伸ポリエステルフィルム。
【選択図】なし
【解決手段】ポリテトラメチレングリコール単位を含有したポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートとからなるフィルムにPVDCコート層を積層したフィルムであって、フィルムの10000m2あたり、直径0.5mm以上のオリゴマー由来異物が10個以下であり、直径0.2mm以上0.5mm未満のオリゴマー由来異物が50個以下であることを特徴とする、少なくとも長手方向に引裂直線性を有する二軸延伸ポリエステルフィルム。
【選択図】なし
Description
本発明は、ガスバリア性を有し、かつ、フィルムの少なくとも長手方向の引裂直線性に優れ、優れた強度、耐熱性、寸法安定性を有し、菓子、漬物、味噌、スープ、ジャム、冷凍、冷蔵、レトルトパウチなどの食品をはじめ、医薬品、日用品、コスメティックスなどの包装材料として有用な二軸延伸ポリエステルフィルムとその製造方法に関するものである。
食品、医薬品、雑貨の包装には、各種のプラスチックフィルムを用いた包装袋が多く使用されており、二軸延伸されたプラスチックフィルムとヒートシール可能な無配向プラスチックを2層あるいは3層以上ラミネートした包装袋が広く使用されている。二軸延伸ポリエステルフィルムは耐久性、防湿性、力学的強度、耐熱性、耐油性が優れており、チューブラー法、フラット式同時二軸延伸法、フラット式逐次二軸延伸法などを用いて製造した二軸延伸ポリエステルフィルムが食品包装分野などにおいて幅広く使用されている。
しかしながら、二軸延伸ポリエステルフィルムを用いた包装袋は、引裂開封性が悪いという問題点を有している。開封性を良くするためにノッチを付与する方法があるが、ノッチから引き裂いた際に直線的に引き裂けない現象がしばしば発生し、内容物が飛散して無駄になるばかりでなく、クッキーなどの軟らかい菓子は、開封時に割れたり、内容物が液体の場合には衣服を汚したりするトラブルが起こる場合がある。
フィルムを引き裂いた際に直線性に優れる易開封性材料としては、一軸延伸ポリオレフィンフィルムを中間層としてラミネートしたものがある。このようなものとしては、たとえば、二軸延伸ポリエステルフィルム/一軸延伸ポリオレフィンフィルム/無延伸ポリオレフィンフィルムの3層ラミネートフィルムがあるが、わざわざ中間層を設けなければならずコスト的に問題があり、用途が限定されていた。
また、一般に二軸延伸ポリエステルフィルムは酸素等のガス透過性が大きいので、これを包装材料としたうえで内容物を長時間保存するうちに、フィルムを透過した酸素等のガスにより内容物に変質が生じることがある。
これらの問題を解決する上で、二軸延伸ポリエステルフィルム自体に引裂直線性を付与する方法として、酸成分が主としてテレフタル酸又はナフタレンジカルボン酸からなる熱可塑性ポリエステル樹脂(イ)と、このポリエステルと相分離形態を呈する熱可塑性ポリエステル樹脂(ロ)の混合物を主原料として用いたポリエステルの表面にポリ塩化ビニリデン(以下、「PVDC」)と略記する。)のエマルジョン等をコーティングすることでガスバリア性の高いPVDC層を形成した二軸延伸ポリエステルフィルムが提案されている(特許文献1)。そして前記公報には、(イ)としてPET、(ロ)としてポリテトラメチレングリコール単位とPBTからなるポリエーテルポリエステルブロック共重合体(以下、変性PBTと呼ぶ。)が用いられることが記載されている。
しかしながら、前記混合物を原料とした用いた二軸延伸ポリエステルフィルムはPET単体のポリエステルフィルム生産時と比較し、フィルムへのオリゴマー付着量が多く、フィルムの品質を低下させる問題があった。特にオリゴマー由来異物の発生しやすいテンター内のオリゴマー濃度が上昇する長期生産でより顕著となる。
フィルムにオリゴマーが付着していると、ラミネートする際に接着剤層との密着が悪くなりデラミを引き起こす原因となる。
従来、オリゴマーなどの異物を防ぐ検討は数多くなされてきた。例えば、延伸フィルムの表面にエアーを吹きつけオリゴマーを吹き飛ばす方法(特許文献2)や、粘着ロールをフィルムに押し当てて取り除く方法(特許文献3)などが挙げられる。
しかしながら、上述のような従来の提案においては、オリゴマー由来の付着異物を抑制できたが、十分とは言えなかった。生産工程において、これらの従来法を試みても解決できないオリゴマー付着異物が存在するからである。
また、異物検査機によって、付着異物を含むフィルムロールを検知して、これを製品化しない方法も採られているが、PETフィルムと比較するとオリゴマー量が多く、生産性の観点から好ましくなかった。
本発明の課題は、従来法では解決できないオリゴマー由来異物を抑制し、品質の向上した引裂直線性を有するガスバリア性二軸延伸ポリエステルフィルムを提供することである。
本発明者らは鋭意研究の結果、変性PBTに含まれるPBT成分由来のオリゴマーが目視で確認できないミクロ単位でPVDCコート層に融着していることを突き止めた。このため、PETでは効果のあった、従来法のエアシャワーや粘着ロールでは除去しきれないことが判明した。これは、変性PBTのオリゴマーはPETのオリゴマーと比較し耐熱性が低いため、テンター式延伸機内の延伸ゾーンで溶融してしまうことに由来する。すなわち、変性PBTとPETの混合物特有の問題である。また、このミクロ単位でコート層を汚染するオリゴマー量は目視で確認できるオリゴマー由来異物量と相関していることも突き止めた。
そこで、本発明者らは、二軸延伸ポリエステルフィルムの製造において、テンター延伸時のオリゴマーガス濃度を制御することで前記課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
(1)ポリテトラメチレングリコール単位を含有したポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートとからなるフィルムの少なくとも一方の面にポリ塩化ビニリデン系共重合体であるガスバリアコート層を積層したフィルムであって、フィルムの10000m2あたり、直径0.5mm以上のオリゴマー由来異物が10個以下であり、直径0.2mm以上0.5mm未満のオリゴマー由来異物が50個以下であることを特徴とする、少なくとも長手方向に引裂直線性を有する二軸延伸ポリエステルフィルム。
(2)少なくとも1層に(1)記載の二軸延伸ポリエステルフィルムを使用した積層フィルム。
(3)(2)記載の積層フィルムを使用し、引裂直線性を示す方向が袋の引裂方向となるように製袋した易開封性包装袋。
(4)(1)記載の二軸延伸ポリエステルフィルムを製造する方法であって、ポリテトラメチレングリコール単位を含有したポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートの混合物から得られた未延伸シートを、テンター式延伸機によって延伸するに際して、テンター式延伸機内の延伸ゾーンにおけるオリゴマーガス濃度が0.2mg/m3以下となるように制御して延伸することを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
そこで、本発明者らは、二軸延伸ポリエステルフィルムの製造において、テンター延伸時のオリゴマーガス濃度を制御することで前記課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
(1)ポリテトラメチレングリコール単位を含有したポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートとからなるフィルムの少なくとも一方の面にポリ塩化ビニリデン系共重合体であるガスバリアコート層を積層したフィルムであって、フィルムの10000m2あたり、直径0.5mm以上のオリゴマー由来異物が10個以下であり、直径0.2mm以上0.5mm未満のオリゴマー由来異物が50個以下であることを特徴とする、少なくとも長手方向に引裂直線性を有する二軸延伸ポリエステルフィルム。
(2)少なくとも1層に(1)記載の二軸延伸ポリエステルフィルムを使用した積層フィルム。
(3)(2)記載の積層フィルムを使用し、引裂直線性を示す方向が袋の引裂方向となるように製袋した易開封性包装袋。
(4)(1)記載の二軸延伸ポリエステルフィルムを製造する方法であって、ポリテトラメチレングリコール単位を含有したポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートの混合物から得られた未延伸シートを、テンター式延伸機によって延伸するに際して、テンター式延伸機内の延伸ゾーンにおけるオリゴマーガス濃度が0.2mg/m3以下となるように制御して延伸することを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
本発明によれば、オリゴマーの付着量が低減され、ラミネート後もデラミが発生しない密着性に優れた、高品位の引裂直線性を有するガスバリア性ポリエステルフィルムを得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の引裂直線性を有するガスバリア性二軸延伸ポリエステルフィルムは、フィルムの10000m2あたり、直径0.5mm以上のオリゴマー由来異物が10個以下であり、直径0.2mm以上0.5mm未満のオリゴマー由来異物が50個以下であることを特徴とする。オリゴマー由来異物の測定方法については後述する。
オリゴマー由来異物は、ラミネートの際に密着性を阻害することから少ないことが好まれる。密着性を阻害するミクロ単位のオリゴマー由来異物を抑制すると言う観点から、フィルムの10000m2あたり、直径0.5mm以上のオリゴマー由来異物が10個以下である必要があり、5個以下であることが好ましく、2個以下がより好ましく、この大きさの異物が存在しないことが最も好ましい。
また、直径2mm以上5mm未満のオリゴマー由来異物については、フィルムの10000m2あたり、50個以下である必要があり、30個以下が好ましく、15個以下が最も好ましい。
なお、オリゴマー由来異物が直径0.2mm未満の大きさであれば、密着性に問題がは生じない。
また、直径2mm以上5mm未満のオリゴマー由来異物については、フィルムの10000m2あたり、50個以下である必要があり、30個以下が好ましく、15個以下が最も好ましい。
なお、オリゴマー由来異物が直径0.2mm未満の大きさであれば、密着性に問題がは生じない。
本発明においては、テンター式延伸機内の熱処理ゾーン以前の段階で、延伸フィルムとテンター内で発生する変性PBT由来のオリゴマーが接触する機会をできるだけ低減することが重要である。そのため、ポリエステルの低分子量物であるオリゴマーガス濃度を、テンター内の延伸ゾーンにおいて一定値以下となるように低減させることが必要である。具体的には、オリゴマーガス濃度を0.2mg/m3以下にする必要があり、好ましくは、0.1mg/m3以下にすることであり、最も好ましくは0.05mg/m3以下にすることである。
テンター内の延伸ゾーンにおけるオリゴマーガス濃度が0.2mg/m3を超えると変性PBT由来のオリゴマーが発生しやすい環境となり、ミクロ単位のオリゴマーが多く付着してしまい、ラミネート時に密着不良となる。
オリゴマーガス濃度の下限は特に制限されないが、必ずしも0.03mg/m3以下に低減する必要はない。オリゴマーガス濃度をこれ以上低減させても、変性PBT由来のオリゴマーの低減には影響が小さく、また、これ以上薄い濃度を測定することが技術的に困難であるためである。
テンター内の延伸ゾーンにおけるオリゴマーガス濃度が0.2mg/m3を超えると変性PBT由来のオリゴマーが発生しやすい環境となり、ミクロ単位のオリゴマーが多く付着してしまい、ラミネート時に密着不良となる。
オリゴマーガス濃度の下限は特に制限されないが、必ずしも0.03mg/m3以下に低減する必要はない。オリゴマーガス濃度をこれ以上低減させても、変性PBT由来のオリゴマーの低減には影響が小さく、また、これ以上薄い濃度を測定することが技術的に困難であるためである。
本発明においては、二軸延伸ポリエステルフィルム製造の全工程中、最もオリゴマーガス濃度の高いテンター式延伸機内の延伸ゾーンにおけるオリゴマーガス濃度を測定して所定の範囲内に制御することで、結果として、フィルム上に付着するオリゴマー量を制御する。
本発明において、テンター内の延伸ゾーンにおけるオリゴマーガス濃度を低減させるための方法は特に限定されないが、一例として、溶融ポリマー押出工程でTダイより未延伸フィルムを得て、これをロール式縦延伸工程で縦延伸して、次いでテンター横延伸工程で横延伸を行う二軸延伸フィルムの生産方式の場合について説明する。上記二軸延伸フィルムの生産工程では、溶融ポリマー押出工程とロール式縦延伸工程とテンター式横延伸工程の3つの各工程において、オリゴマーガスの発生を低減させるための手段を講じることが好ましい。なお、本発明において、二軸延伸方法としては、ロールとテンターによる逐次二軸延伸法、テンター同時二軸延伸法のいずれでもよい。
溶融ポリマー押出工程では、オリゴマーガス発生の抑制に有利となる固相重合を施した樹脂を用いることが好ましい。また、Tダイから押出した高温の溶融ポリマーからオリゴマーが発生しやすいので、Tダイ付近に排気ダクトを設けることが好ましい。
ロール式縦延伸工程では、未延伸フィルムをTg以上に温調するためフィルム中のオリゴマーがブリードしてロールを汚染しやすい。したがって、延伸ロールに粘着ロールをニップするなどして生産と同時にロールを洗浄する手段を設けることが好ましい。さらに、昇華したオリゴマーが縦延伸工程の上部に堆積しやすいので、天井部に排気ダクトを設置することが有効である。
テンター横延伸工程では、テンター内のいずれの場所でオリゴマーが発生しても、テンタークリップに付着してテンター入口まで運ばれたり、テンター内の気流がフィルムの上流方向になるとオリゴマーがテンター入口に流れて、テンター横延伸工程に入るフィルム表面にオリゴマーが付着する危険があるので、テンター内の全ての空間でオリゴマーを軽減する必要がある。テンター内においてオリゴマーは、熱処理ゾーンでフィルムからオリゴマーが昇華しやすいので、熱処理ゾーンに給気と排気を積極的に行い、オリゴマーガス濃度を低下させる方法や循環熱風系に白金触媒を通してオリゴマーを酸化分解させる方法が考えられる。また、テンタークリップの汚染を防ぐため、テンタークリップの表面温度を90℃以上に管理する方法が有効である。
(易引裂性二軸延伸フィルム)
本発明のフィルムに用いるPETは、公知の製法、すなわち、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとからのエステル交換反応法、あるいは、テレフタル酸とエチレングリコールとからの直接エステル化法によりオリゴマーを得た後、溶融重合、あるいはさらに固相重合して得られるが、本発明の効果を損ねない範囲であれば他の成分を共重合することができる。
本発明のフィルムに用いるPETは、公知の製法、すなわち、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとからのエステル交換反応法、あるいは、テレフタル酸とエチレングリコールとからの直接エステル化法によりオリゴマーを得た後、溶融重合、あるいはさらに固相重合して得られるが、本発明の効果を損ねない範囲であれば他の成分を共重合することができる。
他の共重合成分としては、イソフタル酸、フタル酸、2,6 −ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などのジカルボン酸、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトン、乳酸などのオキシカルボン酸、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのグリコールや、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの多官能化合物が挙げられる。
本発明において用いられるポリテトラメチレングリコール(以下、PTMGと呼ぶ)単位の分子量は、600〜4000の範囲が好ましく、より好ましくは1000〜30000、さらに好ましくは1000〜2000である。分子量が600未満の場合には引裂直線性が発現しにくく、4000を超える場合には、機械的強度、寸法安定性、ヘーズなどの性能が低下することがある。
本発明のフィルムにおいて、変性PBTを構成するPTMG単位の含有量は、引裂直線性と機械的強度などのバランスから5〜20質量%とすることが好ましく、より好ましくは10〜20質量%、さらに好ましくは10〜15質量%である。
本発明のフィルムにおいて、PETと変性PBTの混合比率は、引裂直線性と機械的強度のバランスから、PET/変性PBT=70/30〜95/5(質量比)とすることが好ましく、より好ましくは80/20〜90/10(質量比)、さらに好ましくは85/15〜90/10(質量比)である。
本発明に用いる変性PBTは、PBTの重合工程においてPTMGを添加して重縮合して得ることができるが、より簡便な方法としては、PBTとPTMGを押出機で溶融混練することによっても得ることができる。
なお、本発明における原料樹脂には、本発明の効果を損ねない範囲であれば、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートなどの他のポリマーを混合することができる。
本発明のフィルムを製造するには、まず、たとえば、変性PBTとPETを混合したものを押出機に投入し、加熱溶融した後、Tダイのダイオリフィスからシート状に押出し、未延伸シートを製造する。Tダイのダイオリフィスから押出されたシートは、静電印加キャスト法などにより冷却ドラムに密着して巻きつけて冷却し、次に、温度90〜140℃で、縦横にそれぞれ3.0〜5.0倍の倍率で延伸し、さらに温度210〜245℃で熱処理し、二軸延伸フィルムとする。
延伸温度が90℃未満の場合には、均質な延伸フィルムを得ることができない場合があり、140℃を超えると、PETの結晶化が促進されて、透明性が悪くなる場合がある。延伸倍率が3.0倍未満の場合には、得られる延伸フィルムの強度が低く、袋にしたときにピンホールが発生しやすくなり、延伸倍率が5.0倍を超えると延伸が困難となる場合がある。また、熱処理温度が210℃より低いと、得られる延伸フィルムの熱収縮率が大きくなり、製袋後の袋が変形する場合があり、また、熱処理温度が245℃より高いとフィルムの溶断が発生する場合がある。
上記のようにして得られる本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは、少なくとも長手方向(MD)に引裂直線性を発現する。この二軸延伸ポリエステルフィルムは他のフィルムと積層して積層フィルムとして使用することができる。また、この積層フィルムを使用し、引裂直線性を示す方向を袋の引裂方向となるように製袋して、易開封性包装袋を作成することができる。
また、本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムには、コロナ放電処理、表面硬化処理、メッキ処理、着色処理、あるいは各種のコーティング処理による表面処理を付与することができる。
(ガスバリアコート層)
以下、ガスバリアコート層を形成するPVDCについて記述する。
以下、ガスバリアコート層を形成するPVDCについて記述する。
本発明において用いられるPVDCとしては、塩化ビニリデンホモポリマーや、塩化ビニリデンにアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、塩化ビニル、グリシジルメタクリレート、メチロールメタクリレートなどの成分を一種以上共重合したものが用いられる。
本発明におけるPVDCは、塩化ビニリデン単位を60質量%以上、好ましくは70〜97質量%含む重合体であり、ラテックスの形で用いられる。ラテックス中のPVDCの平均粒径は0.05〜0.5μm、好ましくは0.07〜0.3μmである。
また、PVDCには本発明の効果を損なわない範囲で、例えばアンチブロッキング剤、架橋剤、撥水剤、帯電防止剤などの各種添加剤を併用しても良い。
コートの方法は特に限定されるものではなく、例えば、グラビアロール法、リバースロール法、エアーナイフ法、リバースグラビア法、マイヤーバー法、インバースロール法、またはこれらの組み合わせによる各種コート方式や、各種噴霧方式などを採用することができる。
ポリエステルフィルムには、コート層を積層する前に、コロナ放電処理やアンカーコート層形成が行われても良い。
本発明におけるPVDCからなる層を形成する方法としては、PVDCの有機溶剤溶液又は水性分散液に、必要により滑剤や帯電防止剤を配合したものを、コート厚みで0.5μm〜3.5μm、さらに好ましくは0.7μm〜3.0μm、さらに好ましくは1.0μm〜2.5μmの範囲でコーティングする方法がある。このコート厚みが0.5μmよりも薄いと十分なガスバリア性が発現せず、一方多すぎると効果が飽和するばかりでなく、フィルムの物性が損なわれることがある。コーティング方法としては、本発明におけるポリエステル樹脂フィルムにPVDCの有機溶剤溶液又は水性分散液をコーティングするポストコート法、あるいは、ポリエステルフィルムにコーティングした後延伸するプリコート法がある。プリコート法としては、未延伸ポリエステルフィルムにPVDCの有機溶剤溶液又は水性分散液をコーティングしてから二軸延伸してもよいし、あるいは、1軸方向に延伸されたポリエステルフィルムに前記有機溶剤溶液又は水性分散液をコーティングした後、前記1軸方向と直交する方向に延伸することによって二軸延伸ポリエステルフィルムとしてもよい。
本発明のポリエステルフィルムは、プリコート法を用いて製造することにより、ベースのポリエステルフィルムとPVDC層との密着性を高めることができる。また、プリコート法はポストコート法に比べて生産性が良く、経済性に優れている。
実施例および比較例における評価方法は次の通りである。
(オリゴマー由来異物の測定方法)
延伸フィルムを光学式異物検査装置に通してフィルム幅方向に1m、フィルム長手方向に10000mの範囲を検査した。検知された直径0.1mm以上の異物を全てサンプリングした。異物の直径は、この光学式異物検査装置が算出した面積平均径とした。得られた異物のうち、白色かつ粉状であるものをPBT由来のオリゴマーと判定し、これをオリゴマー由来異物として計数した。
延伸フィルムを光学式異物検査装置に通してフィルム幅方向に1m、フィルム長手方向に10000mの範囲を検査した。検知された直径0.1mm以上の異物を全てサンプリングした。異物の直径は、この光学式異物検査装置が算出した面積平均径とした。得られた異物のうち、白色かつ粉状であるものをPBT由来のオリゴマーと判定し、これをオリゴマー由来異物として計数した。
(オリゴマーガス濃度測定方法)
テンター内の延伸ゾーンのオリゴマーガス濃度測定は、以下に示すように行った。
(1)テンター内の延伸ゾーンの壁に穴を空け、その中にステンレスパイプを通した。そのステンレスパイプの一端を熱風循環系の給気口付近にセットし、他端はテンター外に設置したガス洗浄瓶(ムエンケ式)に接続した。ガス洗浄瓶には、オリゴマー成分を溶解するためのエチレングリコールを満たした。
(2)流量計付き吸引ポンプにより、ガス洗浄瓶に一定時間エアーを通過させた。
(3)ガス洗浄瓶をはずし、ガス洗浄瓶ならびにステンレスパイプ内部をエチレングリコールで洗った。
(4)洗い流したエチレングリコールとガス洗浄瓶内のエチレングリコールをUV分光光度計にかけ吸光度を測定した。
(5)予め作成しておいた検量線を用いて、測定された吸光度をオリゴマーガス濃度に換算した。
テンター内の延伸ゾーンのオリゴマーガス濃度測定は、以下に示すように行った。
(1)テンター内の延伸ゾーンの壁に穴を空け、その中にステンレスパイプを通した。そのステンレスパイプの一端を熱風循環系の給気口付近にセットし、他端はテンター外に設置したガス洗浄瓶(ムエンケ式)に接続した。ガス洗浄瓶には、オリゴマー成分を溶解するためのエチレングリコールを満たした。
(2)流量計付き吸引ポンプにより、ガス洗浄瓶に一定時間エアーを通過させた。
(3)ガス洗浄瓶をはずし、ガス洗浄瓶ならびにステンレスパイプ内部をエチレングリコールで洗った。
(4)洗い流したエチレングリコールとガス洗浄瓶内のエチレングリコールをUV分光光度計にかけ吸光度を測定した。
(5)予め作成しておいた検量線を用いて、測定された吸光度をオリゴマーガス濃度に換算した。
(引裂直線性の評価方法)
二軸延伸フィルムより長手方向(MD)に205mm、幅方向(TD)に40mmの短冊状のフィルム片を切り出し、このフィルム片の一方の短辺の中央部に長さ5mmの切込みを入れた試料を10本作製した。次に、切込みよりMDに手で引き裂き、引裂伝播端が切込みを入れた辺に向かい合う短辺に到達した試料本数をMDの引裂直線性の評価値とし、評価値8以上を合格とした。
なお、評価は、延伸熱処理後巻き取ったフィルムの左端部、中央部及び右端部それぞれについて実施した。結果を表2に示す。
二軸延伸フィルムより長手方向(MD)に205mm、幅方向(TD)に40mmの短冊状のフィルム片を切り出し、このフィルム片の一方の短辺の中央部に長さ5mmの切込みを入れた試料を10本作製した。次に、切込みよりMDに手で引き裂き、引裂伝播端が切込みを入れた辺に向かい合う短辺に到達した試料本数をMDの引裂直線性の評価値とし、評価値8以上を合格とした。
なお、評価は、延伸熱処理後巻き取ったフィルムの左端部、中央部及び右端部それぞれについて実施した。結果を表2に示す。
(ラミネート強力の評価方法)
まず、二軸延伸フィルムのPVDC層にドライラミネート接着剤(DIC社製ディックドライLX401/KR60)を用いて未延伸ポリエチレンフィルム(東セロ(株)社製、TUX−FCS50、50μm)とドライラミネートした。接着剤推奨のエージングを施し、ラミネートフィルムを得た。
ラミネート強力の測定は、ラミネートフィルムから巾15mmの試験片を採取し、20℃、65%RH雰囲気中で、試験片の端部から、未延伸ポリエチレンフィルムと二軸延伸フィルムのPVDC層との界面を剥離し、引張試験機(島津製作所社製 AGS−100B型)を用いて、常態T型法にて、引張速度300mm/minの条件で剥離強力を測定し、これをラミネート強力とした。
まず、二軸延伸フィルムのPVDC層にドライラミネート接着剤(DIC社製ディックドライLX401/KR60)を用いて未延伸ポリエチレンフィルム(東セロ(株)社製、TUX−FCS50、50μm)とドライラミネートした。接着剤推奨のエージングを施し、ラミネートフィルムを得た。
ラミネート強力の測定は、ラミネートフィルムから巾15mmの試験片を採取し、20℃、65%RH雰囲気中で、試験片の端部から、未延伸ポリエチレンフィルムと二軸延伸フィルムのPVDC層との界面を剥離し、引張試験機(島津製作所社製 AGS−100B型)を用いて、常態T型法にて、引張速度300mm/minの条件で剥離強力を測定し、これをラミネート強力とした。
(酸素透過度の測定方法)
JIS K−7126に記載の方法に準じて、モコン社製酸素バリア測定器(OX−TRAN 2/20)を用いて、温度20℃、65%RHの雰囲気下における酸素透過度を測定した。単位はml/(m2・day・MPa)。
JIS K−7126に記載の方法に準じて、モコン社製酸素バリア測定器(OX−TRAN 2/20)を用いて、温度20℃、65%RHの雰囲気下における酸素透過度を測定した。単位はml/(m2・day・MPa)。
(酸素透過度の測定方法)
JIS K−7129に記載の方法に準じて、モコン社製水蒸気バリア装置器(PERMATRAN−W 3/33)を用いて、温度40℃、90%RHの雰囲気かにおける水蒸気透過度を測定した。単位はg/(m2・day)。
JIS K−7129に記載の方法に準じて、モコン社製水蒸気バリア装置器(PERMATRAN−W 3/33)を用いて、温度40℃、90%RHの雰囲気かにおける水蒸気透過度を測定した。単位はg/(m2・day)。
実施例1
ジメチルテレフタレート194質量部、1,4−ブタンジオール108質量部、及びテトラブチルチタネート80ppm(ポリマーに対するチタン金属の質量に換算した数値)を加え、150℃から210℃に加熱昇温しながら2.5時間エステル交換反応を行った。得られたエステル交換反応生成物90質量部を重合缶に移送し、テトラブチルチタネートを40ppm添加した後、分子量1100のPTMGを10質量部添加して減圧を開始し、最終的に1hPaの減圧下、210℃から昇温し最終的に245℃の温度で2時間溶融重合し、相対粘度1.60の変性PBTを得た。
ジメチルテレフタレート194質量部、1,4−ブタンジオール108質量部、及びテトラブチルチタネート80ppm(ポリマーに対するチタン金属の質量に換算した数値)を加え、150℃から210℃に加熱昇温しながら2.5時間エステル交換反応を行った。得られたエステル交換反応生成物90質量部を重合缶に移送し、テトラブチルチタネートを40ppm添加した後、分子量1100のPTMGを10質量部添加して減圧を開始し、最終的に1hPaの減圧下、210℃から昇温し最終的に245℃の温度で2時間溶融重合し、相対粘度1.60の変性PBTを得た。
PETと変性PBTとを質量比85/15で単純チップ混合したものを押出機にて溶融したのち、Tダイより押し出し、表面温度を20℃に温調した冷却ドラム上に静電印加法で密着させて急冷して厚さ190μmの未延伸フィルムを得た。この際、Tダイと冷却ドラムの間に排気装置を設置し、発生したガスを吸引した。
続いて90℃に温調した予熱ロール群で予熱した後、90℃に温調した延伸ロール間で周速を変化させて3.5倍に縦延伸し、縦延伸フィルムを得た。この際、予熱ロール、延伸ロールはアルコールによる拭き掃除を徹底しロールに付着したオリゴマーを完全に除去した。製造中にロールに析出するオリゴマーを除去するため粘着ロールを予熱ロール、延伸ロールにニップした。さらに、空気中で冷却されたオリゴマーの落下を防ぐため縦延伸装置の上空に排気ダクトを設けた。
続いて縦延伸フィルムにPVDCラテックス(旭化成ケミカルズ社製 L529B)を延伸後のコート厚みが1.6μmとなるようにコーティングした。
続いてコート後のフィルムを延伸温度120℃で4.5倍に横延伸し、続いて横方向の弛緩率を3%とし、235℃で熱処理を施し、厚さ12μmの延伸フィルムを得た。この際、熱処理ゾーンの給気と排気の量を増やし、テンタークリップ表面のアルコールによる拭き掃除を徹底しテンタークリップに付着したオリゴマーを完全に除去した。さらに、テンタークリップの表面温度を90℃以上に管理し、オリゴマーの析出を防いだ。得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの評価結果を表1に示した。
実施例2
テンター式延伸機の循環熱風系に白金触媒を設置したことを除いて、実施例1と同様に二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの評価結果を表1に示した。
テンター式延伸機の循環熱風系に白金触媒を設置したことを除いて、実施例1と同様に二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの評価結果を表1に示した。
実施例3
同時二軸延伸したことを除いて、実施例2と同様に二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。具体的には、コートされた未延伸フィルムを、同時二軸延伸機に導き、予熱温度107℃、予熱時間5秒、延伸温度86℃、延伸時間3秒の条件で、縦方向3.3倍、横方向3.0倍に同時二軸延伸し、さらに熱固定温度215℃、熱固定時間5秒の条件で熱処理を施し、二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの評価結果を表1に示した。
同時二軸延伸したことを除いて、実施例2と同様に二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。具体的には、コートされた未延伸フィルムを、同時二軸延伸機に導き、予熱温度107℃、予熱時間5秒、延伸温度86℃、延伸時間3秒の条件で、縦方向3.3倍、横方向3.0倍に同時二軸延伸し、さらに熱固定温度215℃、熱固定時間5秒の条件で熱処理を施し、二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの評価結果を表1に示した。
比較例1
Tダイと冷却ドラムの間の排気を実施せず、予熱ロールと延伸ロールの粘着ロールのニップを取り外し、縦延伸装置の上空の排気ダクトの運転を行わず、テンタークリップの表面温度は特に制御せず、テンター式延伸機の熱処理ゾーンの給排気量を増やさなかったことを除いて、実施例1と同様に二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの評価結果を表1に示した。
Tダイと冷却ドラムの間の排気を実施せず、予熱ロールと延伸ロールの粘着ロールのニップを取り外し、縦延伸装置の上空の排気ダクトの運転を行わず、テンタークリップの表面温度は特に制御せず、テンター式延伸機の熱処理ゾーンの給排気量を増やさなかったことを除いて、実施例1と同様に二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの評価結果を表1に示した。
比較例2
テンター式延伸機に入る直前の未延伸フィルムにあらかじめ採取していたオリゴマーを散布することによりオリゴマーで故意に汚染させたことを除いて、比較例1と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの評価を行った結果、異物検知数が多量となったため、フィルム幅方向に1m、フィルム長手方向に5000mの範囲に対して評価を行い10000m2あたりの異物数に換算した結果を表1に示した。
テンター式延伸機に入る直前の未延伸フィルムにあらかじめ採取していたオリゴマーを散布することによりオリゴマーで故意に汚染させたことを除いて、比較例1と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの評価を行った結果、異物検知数が多量となったため、フィルム幅方向に1m、フィルム長手方向に5000mの範囲に対して評価を行い10000m2あたりの異物数に換算した結果を表1に示した。
比較例3
比較例1において、さらに、テンター出口にてフィルム表面にエアシャワーを当てて異物を吹き飛ばすことを行って二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの評価結果を表1に示した。
比較例1において、さらに、テンター出口にてフィルム表面にエアシャワーを当てて異物を吹き飛ばすことを行って二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸延伸ポリエステルフィルムの評価結果を表1に示した。
参考例
二軸延伸ポリエステルフィルムの原料としてPETのみ使用したことを除いて、比較例3と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの評価結果を表1に示した。
二軸延伸ポリエステルフィルムの原料としてPETのみ使用したことを除いて、比較例3と同様に二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの評価結果を表1に示した。
表1の各実施例では、オリゴマー由来異物が本発明で規定する範囲を満たしたことによって、良好なラミネート強力を有する、クリーンな引裂直線性を有するガスバリア性二軸延伸ポリエステルフィルムが作成できた。
これに対し、比較例1〜2ではオリゴマーの付着量が多く、ラミネート強力が低下している。
また、比較例3ではオリゴマー由来異物の量は抑えられたもののラミネート強力も完全ではない。
参考例ではPBT含有オリゴマーが含まれないため従来法で十分効果的であり、オリゴマー付着量は少なく、ラミネート強力も十分であるが、引裂直進性やガスバリア性は有していない。
Claims (5)
- ポリテトラメチレングリコール単位を含有したポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートとからなるフィルムの少なくとも一方の面にポリ塩化ビニリデン系共重合体であるガスバリアコート層を積層したフィルムであって、フィルムの10000m2あたり、直径0.5mm以上のオリゴマー由来異物が10個以下であり、直径0.2mm以上0.5mm未満のオリゴマー由来異物が50個以下であることを特徴とする、少なくとも長手方向に引裂直線性を有する二軸延伸ポリエステルフィルム。
- 少なくとも1層に請求項1記載の二軸延伸ポリエステルフィルムを使用した積層フィルム。
- 請求項2記載の積層フィルムを使用し、引裂直線性を示す方向が袋の引裂方向となるように製袋した易開封性包装袋。
- 請求項1記載の二軸延伸ポリエステルフィルムを製造する方法であって、ポリテトラメチレングリコール単位を含有したポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートの混合物から得られた未延伸シートを縦延伸した後、前記縦延伸されたフィルムにポリ塩化ビニリデン系共重合体を含有する有機溶剤溶液又は水性分散液を塗布し、その後、テンター式延伸機によって横延伸するに際して、テンター式延伸機内の延伸ゾーンにおけるオリゴマーガス濃度が0.2mg/m3以下となるように制御して延伸することを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
- 請求項1記載の二軸延伸ポリエステルフィルムを製造する方法であって、ポリテトラメチレングリコール単位を含有したポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートの混合物から得られた未延伸シートにポリ塩化ビニリデン系共重合体を含有する有機溶剤溶液又は水性分散液を塗布し、その後、テンター式延伸機によって同時二軸延伸するに際して、テンター式延伸機内の延伸ゾーンにおけるオリゴマーガス濃度が0.2mg/m3以下となるように制御して延伸することを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法。
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Citations (3)
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---|---|---|---|---|
JPS61263727A (ja) * | 1985-05-20 | 1986-11-21 | Diafoil Co Ltd | フイルムの横延伸方法 |
JPH11300916A (ja) * | 1998-04-16 | 1999-11-02 | Unitika Ltd | 易引裂性ポリエステルフィルム及びその製造方法 |
JP2012016924A (ja) * | 2010-07-09 | 2012-01-26 | Unitika Ltd | 延伸ポリエステルフィルムおよびその製造方法 |
-
2012
- 2012-06-25 JP JP2012142028A patent/JP2014004763A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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