JP2014004257A - 使い捨て着用物品 - Google Patents

Abstract

【課題】クロッチ域を構成するクロッチパネルの両側縁部がその内側に巻き込まれ難く、着用者に密着することができる使い捨て着用物品の提供。
【解決手段】おむつ１は、前後ウエスト域１２，１３を画定する前後ウエストパネル２０，３０と、クロッチ域１４を画定するクロッチパネル４０と、クロッチパネル４０の内側に配置され縦方向Ｙへ延びる吸収体５０とを含む。クロッチパネル４０は、ベースシート４１と、ベースシート４１の両側縁部に固定された一対のレッグ弾性化シート４２とを有する。クロッチパネル４０の前後端縁部４０Ａ，４０Ｂ近傍には、ベースシート４１からレッグ弾性化シート４２の外側縁部４２Ｃ外側へと横方向Ｘへ延びる第１接合領域が形成され、クロッチパネル４０が前後ウエストパネル２０，３０に接合される。クロッチパネル４０の内面シート４３には、前後端縁部４０Ａ，４０Ｂを覆うカバーシート６１，６２が第２接合領域を介して接着される。カバーシート６１，６２は、第１接合領域よりも横方向Ｘ外側に延出する。
【選択図】図２

Description

本発明は、使い捨て着用物品に関し、より詳しくは、クロッチパネルを前後ウエストパネルの内側に接合したパンツ型の使い捨ておむつ、使い捨てのトイレット・トレーニングパンツ、使い捨て失禁パンツ等の使い捨て着用物品に関する。

従来、クロッチパネルを前後ウエストパネルに接合した使い捨て着用物品は公知である。例えば、特許文献１には、クロッチ域を構成する吸収性本体の前後端領域を、前後ウエスト域を構成する環状弾性ベルトに接合したプルオンおむつが開示される。

特開２００８−５０８０８２号公報

特許文献１に開示された使い捨て着用物品によれば、吸収性本体の前後端領域が、環状弾性ベルトに接着剤によって接合されるが、通常接着剤は吸収性本体からはみ出ないようにその端縁部および側縁部近傍には塗布されず、いわゆるドライエッジとされる。しかし、ドライエッジを設けることによって、特に、吸収体本体の側縁部が環状弾性ベルトから離間可能となって、着用時において内側へと巻き込まれやすくなる。このように側縁部がおむつの内側へと巻き込まれると、着用者の肌への密着性が低下して、排泄物の漏れ等を誘発しやすい。

本発明の目的は、従来の使い捨て着用物品の改良にあり、クロッチ域を構成するクロッチパネルの両側縁部がその内側に巻き込まれ難く、着用者に密着することができる使い捨て着用物品の提供にある。

本発明は、縦方向およびそれに直交する横方向を有し、肌対向面およびその反対側に位置する非肌対向面と、前後ウエスト域を画定する前後ウエストパネルと、前記前後ウエスト域の間に位置するクロッチ域を画定するクロッチパネルと、少なくとも前記クロッチパネルに位置し前記縦方向へ延びる吸収体とを含む使い捨て着用物品に関する。

本発明に係る使い捨て着用物品は、前記クロッチパネルは、前記横方向へ延びる前後端縁部と、前記縦方向へ延びるとともに前記吸収体から前記横方向Ｘ外側へ延出する両側縁部とを有し、前記前後端縁部が、第１接合領域を介して前記前後ウエストパネルに接合されるとともに、少なくとも前記後ウエストパネルの前記第１接合領域は、前記クロッチパネルの前記両側縁部に重なり、少なくとも前記後ウエストパネルには、前記クロッチパネルの前記後端縁部および前記第１接合領域を覆うカバーシートが接合されることを特徴とする。

本発明に係る使い捨て着用物品は、少なくとも後ウエスト域において、クロッチパネルの両側縁部が後ウエストパネルに第１接合領域を介して接合されるので、両側縁部にドライエッジが形成されず、この両側縁部が着用物品の内側へと巻き込まれにくくすることができ、これを着用者に密着させることができる。また、第１接合領域に重なるカバーシートを後ウエストパネルに接合するので、両側縁部からその横方向外側へと第１接合領域を形成する接着剤が延出したとしても、その接着剤が着用者の肌に付着して肌トラブルの原因となるのを防ぐことができる。

本発明に係る使い捨て着用物品の一例として示す使い捨ておむつの斜視図。 各弾性体の最大伸長時まで縦方向および横方向に伸展したおむつの一部破断展開平面図。 おむつの分解斜視図。 図２のＩＶ−ＩＶ線断面図。 図２と同様の図であって、第１接合領域を説明するための図。 図２のＶＩ−ＶＩ線断面の拡大図。

図１を参照すると、本発明に係る使い捨て着用物品の一例である使い捨ておむつ１は、縦方向Ｙおよび横方向Ｘとを有し、肌対向面およびその反対側に位置する非肌対向面と、横方向Ｘの寸法を二等分する仮想縦中心線２−２と、縦方向Ｙの寸法を二等分する仮想横中心線３−３と、前ウエスト域１２および後ウエスト域１３と、前後ウエスト域１２，１３間に位置するクロッチ域１４と、前後ウエスト域１２，１３を画定する弾性の前後ウエストパネル２０，３０と、クロッチ域１４を画定し前後ウエストパネル２０，３０の肌対向面側に取り付けられたクロッチパネル４０と、クロッチパネル４０の内側に配置され縦方向Ｙへ延びる吸収体５０とを含む。

前後ウエストパネル２０，３０は、それぞれ内端縁２０Ａ，３０Ａと、外端縁２０Ｂ，３０Ｂと、両側縁２０Ｃ，３０Ｃとによって画定される。両側縁２０Ｃおよび３０Ｃが、互いに重ね合わされて、縦方向Ｙへ断続的に並ぶシーム部１５において公知の手段、例えば、熱エンボス／デボス加工、ソニック加工などによる熱溶着手段によって連結され、環状の弾性ウエストパネルを形成するとともに、ウエスト開口１６と一対のレッグ開口１７とが画定される。

図２〜４を参照すると、前後ウエストパネル２０，３０は、それぞれ、肌対向面側に位置する内層シート２１，３１と、非肌対向面側に位置する外層シート２２，３２とを有する。外層シート２２，３２は内層シート２１，３１よりも縦方向Ｙの幅寸法が大きく、内層シート２１，３１の内外端縁からさらに縦方向Ｙの外側にそれぞれ延出する。内層シート２１，３１と外層シート２２，３２とは、少なくとも一方の内面に塗布されたホットメルト接着剤または公知の熱溶着手段によって接着される。

外層シート２２，３２には、質量約１０〜３０ｇ／ｍ^２のＳＭＳ（スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド）繊維不織布、スパンボンド繊維不織布、エアスルー繊維不織布、プラスチックシート、または、前記いずれかの繊維不織布とプラスチックシートとのラミネートシートなどを用いることができる。

内層シート２１，３１には、弾性繊維不織布を用いることができ、例えば、スパンボンド繊維不織布、メルトブローン繊維不織布、ヒートロール繊維不織布、ＳＭＳ繊維不織布、エアレイド繊維不織布およびエアスルー繊維不織布など公知の弾性を有する繊維不織布を単独またはそれらを組み合わせたものから形成することができる。弾性不織布は、例えば、ポリエチレン系、ポリウレタン系等からなるエラストマー樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、アクリル等からなる熱可塑性樹脂などから形成することができる。内層シート２１，３１としては、非弾性繊維不織布を用いることもできる。

外層シート２２，３２は、内層シート２１，３１の外端縁部からさらに縦方向Ｙの外側へ延出し、縦方向Ｙ内側へ向かって折り返される折曲部位２２Ａ，３２Ａと、内層シート２１，３１の内端縁部から仮想横中心線３−３へ向かって延出する延出部位２２Ｂ，３２Ｂとを有する。折曲部位２２Ａ，３２Ａ内には、複数条のストランド状又はストリング状の第１および第２弾性体２４，３４がホットメルト接着剤を介して伸長下に収縮可能に固定される。第１および第２弾性体２４，３４は、横方向Ｘにおいてそのほぼ全域に延びる。第１および第２弾性体２４，３４を配置することによって、特に、おむつ１のウエスト開口１６を着用者に密着させることができ、ウエストからの尿等の排泄物の漏れを予防することができる。

内層シート２１，３１から仮想横中心線３−３へ向かって延出する外層シート２２，３２の延出部位２２Ｂ，３２Ｂには、繊維不織布から形成された細長状の固定シート２５，３５が配置され、固定シート２５，３５と延出部位２２Ｂ，３２Ｂとの間において、ストランド状又はストリング状の第３および第４弾性体２６，３６がホットメルト接着剤を介して伸長下に収縮可能に固定される。第３および第４弾性体２６，３６は、仮想縦中心線２−２近傍では非連続であって、非弾性域を形成する。非弾性域を形成する方法としては、例えば、外層シート２２，３２の中央部分に接着剤を塗布せず、その両側にのみ接着剤を塗布し、接着剤を塗布した領域と塗布しない領域にわたって一連の第３および第４弾性体２６，３６を伸長下で供給して接着剤の塗布域に固定し、その状態において接着剤の非塗布領域に位置する第３および第４弾性体２６，３６を切断することによって、第３および第４弾性体２６，３６の長さ方向内端部が収縮（スナップバック）して、非弾性域を形成することができる。また、例えば、非弾性域に位置すべき第３および第４弾性体２６，３６を伸長させないことによって非弾性域を形成することもできる。また、例えば、非弾性域に位置し伸長している第３および第４弾性体２６，３６の収縮性を喪失または抑制させることで、非弾性域を形成することもできる。非弾性域を形成することによって、仮想縦中心線２−２上に配置された吸収体５０に皺が生じるのを予防することができ、かつ、第３および第４弾性体２６，３６の収縮力によって、レッグ開口１７を着用者に密着させ、尿等の漏れを防止することができる。
第１〜第４弾性体には、例えば、太さ約３１０〜９４０ｄｔｅｘ、伸長倍率２．０〜３．５倍の弾性糸を用いることができる。

内層シート２１，３１と外層シート２２，３２との間には、前後ウエスト域１２，１３の横方向Ｘの中央部において、プラスチック材料から形成されたグラフィック表示フィルム２３，３３が配置される。グラフィック表示フィルム２３，３３には、非肌対向面に外部から視認可能なグラフィック（図示せず）などが印刷される。

クロッチパネル４０は、横方向Ｘへ延びるとともに前後ウエストパネル２０，３０に重なる前後端縁部４０Ａ，４０Ｂと、縦方向Ｙへ延びる両側縁部４０Ｃとを有し、横方向Ｘの中央部に位置するベースシート４１と、ベースシート４１の両側縁部に固定された一対のレッグ弾性化シート４２とを有する。前後端縁部４０Ａ，４０Ｂは、ベースシート４１およびレッグ弾性化シート４２の前後端縁部によって構成され、両側縁部４０Ｃはレッグ弾性化シート４２の外側縁部４２Ｃによって構成される。クロッチパネル４０の縦方向Ｙにおける寸法は、吸収体５０の縦方向Ｙにおける寸法よりも小さくされ、吸収体５０の前後端縁部５０Ａ，５０Ｂは、クロッチパネル４０の前後端縁部４０Ａ，４０Ｂの縦方向Ｙ外側に位置する。

クロッチパネル４０の縦方向Ｙにおける寸法が小さくされるから、おむつ１の着用時において、内層シート２１，３１がより広い範囲で着用者の肌に直接接触する。すなわち、クロッチパネル４０の縦方向Ｙにおける寸法が大きく、前後ウエストパネル２０，３０に重なる面積が広くなれば、着用者の肌に接触するクロッチパネル４０の面積が広くなるが、この実施形態では内層シート２１，３１が、より広い範囲で着用者の肌に接触する。内層シート２１，３１は、弾性繊維不織布によって構成されているから、おむつ１の前後ウエスト域１２，１３を広い範囲で着用者の肌に密着させることができるとともに、肌触りを向上させることもできる。

ベースシート４１は、肌対向面側に位置する内面シート４３と、非肌対向面側に位置する外面シート４４とから構成される。内外面シート４３，４４には、各種公知の繊維不織布またはプラスチックフィルムを用いることができるが、内面シート４３は、防漏性のプラスチックフィルムから形成することが好ましく、外面シート４４は、おむつ１０の外面の一部を構成するので、プラスチックフィルムに比して肌触りの良い繊維不織布から形成することが好ましい。レッグ弾性化シート４２は、その内側縁部が内外面シート４３，４４の間に固定される。

各レッグ弾性化シート４２は、外側縁部４２Ｃにおいて横方向Ｘへ折り返された折曲部位４５を有し、折曲部位４５によって形成されたスリーブ内部に縦方向Ｙへ延びる複数条のストランド状又はストリング状の弾性体４６が固定される。弾性体４６は、太さ約３１０〜６２０ｄｔｅｘ、伸長倍率約２．０〜３．０倍の弾性糸を用いることができ、ホットメルト接着剤を介して伸長下に収縮可能に固定される。弾性体４６は、最も仮想縦中心線２−２に近接し、すなわち、横方向Ｘ内側に位置する内側弾性体４６Ａと、最も横方向Ｘ外側に位置する外側弾性体４６Ｂと、これらの間に位置する中間弾性体４６Ｃとを有する。この実施形態において、内側弾性体４６Ａおよび外側弾性体４６Ｂは各１本、中間弾性体４６Ｃとして４本の弾性糸を用いる。外側弾性体４６Ｂは、レッグ弾性化シート４２の外側縁部４２Ｃに位置し、折曲部位４５は外側弾性体４６Ｂに沿って折り曲げられる。

内側弾性体４６Ａは、外側弾性体４６Ｂおよび中間弾性体４６Ｃよりも伸張応力が大きい。例えば、内側弾性体４６Ａとして太さ約４７０ｄｔｅｘ、伸長倍率約２．４５倍の弾性糸を用い、外側弾性体４６Ｂおよび中間弾性体４６Ｃとして太さ約３１０ｄｔｅｘ、伸長倍率約２．４５倍の弾性糸を用いることができる。

前ウエストパネル２０において、内側弾性体４６Ａ、外側弾性体４６Ｂおよび中間弾性体４６Ｃの全てに、横方向Ｘへ延びる第３弾性体２６が交差する。したがって、第３弾性体２６の収縮力によって吸収体５０が着用者の身体にフィットし、着用者の大腿部の動きによっても体液の漏れを誘発するような隙間が身体と吸収体５０との間に形成されるおそれはない。後ウエストパネル３０において、横方向Ｘへ延びる第４弾性体３６は、外側弾性体４６Ｂおよび中間弾性体４６Ｃの一部に交差し、その余の中間弾性体４６Ｃおよび内側弾性体４６Ａには交差しない。したがって、後ウエスト域１３において、その収縮力が吸収体５０に作用して体液の漏れの原因となるようなひび割れや皺を生じさせるおそれはない。

ここで、本発明において、弾性体４６と第３および第４弾性体２６，３６とが「交差する」とは、第３および第４弾性体２６，３６が伸縮可能な状態で固定された固定シート２５，３５と、弾性体４６が伸縮可能な状態で固定されたレッグ弾性化シート４２とが互いに接合されることによって、弾性体４６の有効伸長部分と第３および第４弾性体２６，３６の有効伸長部分とが実質的に連動する状態にあることを意味する。

クロッチパネル４０のベースシート４１の肌対向面には、吸液性の吸収体５０が配置される。吸収体５０は、縦長のパッド形状を有し、前後端縁部５０Ａ，５０Ｂと、両側縁部５０Ｃと、少なくともクロッチ域１４において縦方向Ｙへ延びる吸収性コア５１と、吸収性コア５１の吸収面に位置する身体側ライナー５２とを含む。前端縁部５０Ａは、ホットメルト接着剤を介して前ウエストパネル２０の内層シート２１に固定される。後端縁部５０Ｂは、ホットメルト接着剤を介して後ウエストパネル３０の内層シート３１と外層シート３２との間、より詳細には内層シート３１と固定シート３５との間に固定される。前後端縁部５０Ａ，５０Ｂの中間部はホットメルト接着剤を介してクロッチパネル４０の内面シート４３に固定される。吸収体５０の前端縁部５０Ａが内層シート２１の肌対向面に固定されることによって、着用者の肌には、伸縮弾性を有する比較的に柔軟な内層シート２１が直接触れるので、肌触りが向上する。また、後端縁部５０Ｂが内層シート３１と外層シート３２との間に固定されることから、排泄された体液が拡散してクロッチ域１４から後ウエスト域１３に位置する吸収体５０まで拡散しても、体液が直接着用者の肌に触れるのを防止することができる。吸収体５０の前後端縁部５０Ａ，５０Ｂは、レッグ弾性化シート４２の前後端縁部よりも縦方向Ｙの外側に位置しており、レッグ弾性化シート４２の縦方向Ｙにおける寸法は、吸収体５０の縦方向Ｙにおける寸法よりも小さい。

吸収性コア５１は、質量約２００〜８００ｇ／ｍ^２であって、フラッフパルプと、超吸収性ポリマー粒子（ＳＡＰ）と、オプションとして含まれる熱溶着性ステープル繊維との混合から形成された芯材と、芯材を被包する液透過性の繊維不織布とから構成される。身体側ライナー５２には、質量約１０〜３０ｇ／ｍ^２の透液性のスパンボンド不織布やＳＭＳ不織布等の各種公知の繊維不織布を用いることができる。

図５を参照すると、クロッチパネル４０の前後端縁部４０Ａ，４０Ｂ近傍には、ベースシート４１からレッグ弾性化シート４２へと横方向Ｘへ延びる第１接合領域２７，３７が形成され、第１接合領域２７，３７を介してクロッチパネル４０が前後ウエストパネル２０，３０に接合される。具体的には、第１接合領域２７，３７は固定シート２５，３５に塗布されたホットメルト接着剤によって形成され、その両側縁部２７Ｃ，３７Ｃは、レッグ弾性化シート４２の外側縁部４２Ｃから横方向Ｘ外側へと延出する。したがって、第１接合領域２７，３７の一部は、外側縁部４２Ｃに重なり、外側縁部４２Ｃが確実に前後ウエストパネル２０，３０に接合される。

図６を参照すると、クロッチパネル４０の内面シート４３には、後端縁部４０Ｂを覆うカバーシート６２がホットメルト接着剤によって形成された第２接合領域６４を介して接着される。この図では後ウエストパネル３０のみが示されるが、前ウエストパネル２０においても同様に、クロッチパネル４０の前端縁部４０Ａを覆うカバーシート６１がホットメルト接着剤によって形成された第２接合領域６３を介して接着される。カバーシート６１，６２は、例えば、質量約１０〜３０ｇ／ｍ^２のＳＭＳ繊維不織布、スパンボンド繊維不織布等を用いることができる。カバーシート６１，６２は、第１接合領域２７，３７よりも横方向Ｘ外側に延出し、この実施形態では外層シート３２と横方向Ｘにおける寸法がほぼ等しく、第１接合領域２７，３７よりも横方向Ｘへ延出する。カバーシート６１，６２によって、第１接合領域２７，３７のホットメルト接着剤が着用者の肌に付着するのを防止することができ、肌トラブルを未然に回避することができる。カバーシート６１，６２の接着剤は、それら前後端縁部および両側縁部よりも内側に塗布され、内面シート４３に接合された際に、これら前後端縁部および両側縁部からはみ出さないようにされる。

上記のようなおむつ１において、レッグ弾性化シート４２の外側縁部４２Ｃを越えて第１接合領域２７，３７が形成されるから、外側縁部４２Ｃは確実に前後ウエストパネル２０，３０に接合される。したがって、おむつ１のレッグ開口１７に着用者の足を通すときやその着用中において、外側縁部４２Ｃがおむつ１の内側へと巻き込まれ、密着性が低下するのを防止することができる。また、外側縁部４２Ｃには、外側弾性体４６Ｂが位置するから、弾性体の収縮力によってより着用者に密着しやすい。仮に、外側縁部４２Ｃに弾性体が位置し、これが前後ウエストパネル２０，３０に接合されていなかった場合には、より一層内側へと巻き込まれやすくなるが、本発明ではこれを確実に予防することができる。

レッグ弾性化シート４２の内側弾性体４６Ａの伸張応力が、外側弾性体４６Ｂおよび中間弾性体４６Ｃよりも大きいので、クロッチパネル４０が吸収体５０により近い位置で着用者に密着することができ、排泄物がもれるのを予防することができる。また、外側弾性体４６Ｂおよび中間弾性体４６Ｃの伸張応力を相対的に小さくしたので、レッグ弾性化シート４２が内側に入り込むのを防ぎ、かつ、レッグ弾性化シート４２を着用者の脚の付け根に密着させることができる。

カバーシート６１，６２の内面シート４３と対向する面のほぼ全域にホットメルト接着剤を塗布し第２接合領域６３，６４を設けることによって、第１接合領域２７，３７と直接重なる部分においては、接着剤が重なり剛性が大きくなる。このように剛性が大きくなることによって、より一層外側縁部４２Ｃが内側へと巻き込まれるのを防止することができる。また、外側縁部４２Ｃに位置する外側弾性体４６Ｂに第３および第４弾性体２６，３６が交差しているので、第３および第４弾性体２６，３６の収縮によって、外側弾性体４６Ｂが位置する外側縁部４２Ｃが横方向Ｘ外側へと引っ張られ、外側縁部４２Ｃが内側へと巻き込まれるのを予防する。

この実施形態において、前後ウエストパネル２０，３０に位置する第１接合領域２７，３７のいずれもレッグ弾性化シート４２の外側縁部４２Ｃに重なって位置するようにされているが、少なくとも後ウエストパネル３０における第１接合領域３７が外側縁部４２Ｃに重なればよい。おむつ１の着用時において、臀部に接触する後ウエストパネル３０のほうが、外側縁部４２Ｃが巻き込まれやすいからである。また、第１接合領域２７，３７は、外側縁部４２Ｃの横方向Ｘ外側へと延出しているが、外側縁部４２Ｃに重なれば、必ずしもその横方向Ｘ外側へと延出する必要はない。

カバーシート６１，６２は、前後ウエストパネル２０，３０の両側縁２０Ｃ，３０Ｃ間に延びるが、第１接合領域２７，３７を覆うことができれば、両側縁２０Ｃ，３０Ｃにまで必ずしも位置する必要はない。この実施形態において、内外層シート２１，３１および２２，３２と別体のカバーシート６１，６２を用いているが、例えば、内層シート２１，３１を縦方向Ｙへ延長し第１接合領域２７，３７を覆うこととした場合には、内層シート２１，３１がカバーシートを兼ねることができる。同様に外層シート２２，３２を縦方向Ｙへ延長し第１接合領域２７，３７を覆うことでカバーシートを兼ねることもできる。

使い捨ておむつ１を構成する各構成部材には、特に明記されていない限りにおいて、本明細書に記載されている材料のほかに、この種の分野において通常用いられている、各種公知の材料を制限なく用いることができる。また、本明細書および特許請求の範囲において使用されている「第１」、「第２」、「第３」及び「第４」の用語は、同様の要素、位置等を単に区別するために用いられている。

以上に記載したこの発明に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
使い捨て着用物品１は、縦方向Ｙおよびそれに直交する横方向Ｘを有し、肌対向面およびその反対側に位置する非肌対向面と、前後ウエスト域１２，１３を画定する前後ウエストパネル２０，３０と、前記前後ウエスト域１１，１２の間に位置するクロッチ域１４を画定するクロッチパネル４０と、少なくとも前記クロッチパネル４０に位置し前記縦方向Ｙへ延びる吸収体５０とを含む。

この発明は、上記使い捨て着用物品１において、以下の点を含むことを特徴とする。
前記クロッチパネル４０は、前記横方向Ｘへ延びる前後端縁部４０Ａ，４０Ｂと、前記縦方向Ｙへ延びるとともに前記吸収体５０から前記横方向Ｘ外側へ延出する両側縁部４０Ｃとを有し、前記前後端縁部４０Ａ，４０Ｂが、第１接合領域２７，３７を介して前記前後ウエストパネル２０，３０に接合されるとともに、少なくとも前記後ウエストパネル３０の前記第１接合領域３７は、前記クロッチパネル４０の前記両側縁部４０Ｃに重なり、
少なくとも前記後ウエストパネル３０には、前記クロッチパネル４０の前記後端縁部４０Ｂおよび前記第１接合領域３７を覆うカバーシート６２が接合される。

上記の発明は、少なくとも下記の実施の形態を含むことができる。
（１）前記クロッチパネル４０の前記吸収体５０から前記横方向Ｘ外側へ延出した領域には、前記縦方向Ｙへ延びる弾性体４６が伸縮可能に取り付けられ、前記弾性体４６は、前記第１接合領域２７，３７に重なる。
（２）前記弾性体４６の少なくとも一部は、前記クロッチパネル４０の前記両側縁部４０Ｃに沿って配置される。
（３）前記弾性体４６は、前記横方向Ｘへ離間して複数設けられ、前記横方向Ｘの最も内側に位置する内側弾性体４６Ａは、それよりも前記横方向Ｘ外側に位置するものよりも伸張応力が大きい。
（４）前記カバーシート６２は、前記クロッチパネル４０の前記両側縁部４０Ｃを越えて前記横方向Ｘ外側へ延出する。
（５）前記第１接合領域２７，３７は、前記クロッチパネル４０の前記両側縁部４０Ｃを越えて前記横方向Ｘ外側へ延出するとともに、その両側縁部４０Ｃは前記カバーシート６２の側縁よりも内側に位置する。
（６）前記クロッチパネル４０は、ベースシート４１と、前記ベースシート４１の両側に接合されたレッグ弾性化シート４２とを含み、前記レッグ弾性化シート４２が前記吸収体５０から前記横方向Ｘ外側へ延出する。
（７）前記カバーシート６２は、第２接合領域６４を介して前記後ウエストパネル３０に接合され、前記第２接合領域６４と、前記第１接合領域３７との少なくとも一部が直接重なる。

１ おむつ（使い捨て着用物品）
１２ 前ウエスト域
１３ 後ウエスト域
１４ クロッチ域
２０ 前ウエストパネル
２７ 第１接合領域
３０ 後ウエストパネル
３７ 第１接合領域
４０ クロッチパネル
４０Ａ 前端縁部
４０Ｂ 後端縁部
４０Ｃ 両側縁部
４１ ベースシート
４２ レッグ弾性化シート
４６ 弾性体
４６Ａ 内側弾性体
４６Ｂ 外側弾性体
４６Ｃ 中間弾性体
５０ 吸収体
６２ カバーシート
６４ 第２接合領域
Ｘ 横方向
Ｙ 縦方向

Claims (8)

1. 縦方向およびそれに直交する横方向を有し、肌対向面およびその反対側に位置する非肌対向面と、前後ウエスト域を画定する前後ウエストパネルと、前記前後ウエスト域の間に位置するクロッチ域を画定するクロッチパネルと、少なくとも前記クロッチパネルに位置し前記縦方向へ延びる吸収体とを含む使い捨て着用物品において、
   前記クロッチパネルは、前記横方向へ延びる前後端縁部と、前記縦方向へ延びるとともに前記吸収体から前記横方向外側へ延出する両側縁部とを有し、前記前後端縁部が、第１接合領域を介して前記前後ウエストパネルに接合されるとともに、少なくとも前記後ウエストパネルの前記第１接合領域は、前記クロッチパネルの前記両側縁部に重なり、
   少なくとも前記後ウエストパネルには、前記クロッチパネルの前記後端縁部および前記第１接合領域を覆うカバーシートが接合されることを特徴とする前記使い捨て着用物品。
2. 前記クロッチパネルの前記吸収体から前記横方向外側へ延出した領域には、前記縦方向へ延びる弾性体が伸縮可能に取り付けられ、前記弾性体は、前記第１接合領域に重なる請求項１記載の使い捨て着用物品。
3. 前記弾性体の少なくとも一部は、前記クロッチパネルの前記側縁部に沿って配置される請求項１または２記載の使い捨て着用物品。
4. 前記弾性体は、前記横方向へ離間して複数設けられ、前記横方向の最も内側に位置する内側弾性体は、それよりも前記横方向外側に位置するものよりも伸張応力が大きい請求項１〜３のいずれかに記載の使い捨て着用物品。
5. 前記カバーシートは、前記クロッチパネルの前記両側縁部を越えて前記横方向外側へ延出する請求項１〜４のいずれかに記載の使い捨て着用物品。
6. 前記第１接合領域は、前記クロッチパネルの前記両側縁部を越えて前記横方向外側へ延出するとともに、その両側縁部は前記カバーシートの側縁よりも内側に位置する請求項５記載の使い捨て着用物品。
7. 前記クロッチパネルは、ベースシートと、前記ベースシートの両側に接合されたレッグ弾性化シートとを含み、前記レッグ弾性化シートが前記吸収体から前記横方向外側へ延出する請求項１〜６のいずれかに記載の使い捨て着用物品。
8. 前記カバーシートは、第２接合領域を介して前記後ウエストパネルに接合され、前記第２接合領域と、前記第１接合領域との少なくとも一部が直接重なる請求項１〜７のいずれかに記載の使い捨て着用物品。

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