JP2014003074A - 雪止金具、太陽電池モジュール、並びに太陽電池モジュールの敷設方法 - Google Patents

雪止金具、太陽電池モジュール、並びに太陽電池モジュールの敷設方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多くの部分が外部に露出しないように取り付ける場合であっても、取り付けが容易な雪止金具を提供する。また、このような雪止金具を一体に取り付けた太陽電池モジュール、並びに、当該太陽電池モジュールを含む複数の太陽電池モジュールを屋根上に列にして設置するための太陽電池モジュールの敷設方法を提供する。
【解決手段】雪止金具20に、他部材1bの一部43と係合するための係合突起部61と、移動方向を制限するガイド部64とを設ける。そして、雪止金具20を屋根上に設置する際、雪止金具20の係合突起部61を他部材1bの一部43と係合させた状態で他部材1bを棟側に移動させ、雪止金具20を他部材1bと共に棟方向へ移動させる。このことにより、雪止金具20を所定の位置へと至らせる。
【選択図】図14

Description

本発明は、太陽電池モジュールに一体に取り付けられた状態で屋根上に設置し、屋根上に積もった雪の滑落を防止するための雪止金具に関するものであり、そのような雪止金具を取り付けた太陽電池モジュールに関するものである。また、雪止金具を取り付けた太陽電池モジュールを屋根上に敷設するための敷設方法に関するものである。
近年、一般住宅の屋根上やビルの屋上といった建屋上に太陽電池モジュールを設置し、太陽光発電によりその建屋で使用する電力を賄うと共に、余剰電力を電力会社に売却するといった太陽光発電システムが普及してきている。
ところで、積雪地帯に太陽光発電システムを設置する場合、発電効率を高めるという観点に立つと、屋根上に降り積もる雪は滑落させることが望ましい。つまり、太陽電池モジュール上に積雪し、積雪した部分に太陽光が当たらなくなってしまうと、積雪した部分で発電できなくなってしまうので太陽電池モジュールの発電効率が低下してしまう。
しかしながら、一般住宅等では、屋根上から雪を滑落させることが好ましくない場合がある。例えば、狭小敷地内に建てられた住宅で雪を滑落させてしまうと、滑落させた雪が隣家の敷地内へと落下して問題となってしまうことがある。また、屋根上から雪を落下させると、住宅に近接して駐車した自家用車やテラス等に落雪してしまい、これらを破損させてしまうこともある。
そこで、屋根上に太陽電池モジュールを敷設する際、太陽電池モジュールと共に雪止金具を配する構造が広く知られている。
例えば、特許文献1には、太陽電池モジュールのフレーム上に取り付ける雪止金具として、回転防止部を取付けた雪止金具が開示されている。このような構成によると、雪止金具が積雪した雪から大きな荷重を受けてしまったとき、雪止金具がフレームから外れる方向へ意に反する回動をしてしまうことがない。すなわち、特許文献1の雪止金具によると雪から受ける荷重に強い取付けが可能となる。
また、特許文献2には、軒先から棟側へ向かって延びる1対のフレーム部材の間に太陽電池モジュールを嵌め込んで取り付ける太陽電池モジュールの設置構造において、フレーム部材の間に雪止金具を架け渡す雪止構造が開示されている。
特開2006−278671号公報 特開平11−131729号公報
ところで、屋根上に太陽電池モジュールを設置する際、より多くの発電を可能とするため、多数の太陽電池モジュールを設置したいという要求がある。すなわち、屋根上の限られたスペースにより多くの太陽電池モジュールを設置したいという要求がある。
そこで、太陽電池モジュールの発電を実施する部分(太陽電池パネル部分)が重ならないように、太陽電池モジュールの一部を重ね合わせて屋根に敷き詰めていくという敷設構造を構築することがある。すなわち、軒側に位置する太陽電池モジュールの棟側端部に、棟側で隣接する他の太陽電池モジュールの軒側端部を載置した状態で屋根上に太陽電池モジュールを敷き詰めていく場合がある。この場合、太陽電池モジュールは隙間なく敷き詰められていくので、太陽電池モジュールの周辺部分に余剰空間がない状態となる。
また、太陽電池モジュールの設置した際の屋根上の景観を美しくするため、太陽電池モジュールの取付用金具(以下、単に取付用金具とも称す)は外部に露出しないことが好ましい。
そこで、取付用金具を太陽電池モジュールの下方へ位置させたり、軒側に位置する太陽電池モジュールと棟側に位置する他の太陽電池モジュールとが重なる部分に取付用金具を配する構造がある。この構造では、取付用金具が外部に露出しない、又は僅かしか露出しない状態となる。
このような太陽電池モジュールの周縁部分に余剰空間がない状態や、取付用金具が外部に露出しない状態は、所謂瓦一体型と称される構造でより顕著となる。なお、瓦一体型とは、太陽電池モジュール自体に瓦(屋根部材)の機能を持たせ、屋根下地に瓦に代わって太陽電池モジュールを敷設する構造である。
このような構造では、太陽電池モジュールと共に配される雪止金具もまた、なるべく外部に露出しない構成であることが好ましい。太陽電池モジュールが隙間なく敷き詰められた状態で雪止金具が必要以上に外部に露出してしまうと、雪止金具によって太陽電池モジュールの表面(受光面)に影が形成されてしまうおそれがある。つまり、太陽電池モジュールの周辺部分に余剰空間がなく、太陽電池モジュールと雪止金具とが極めて近接した位置に配されると、雪止金具の露出した部分によって太陽電池モジュールの表面(受光面)に影が形成されてしまうことがある。このように、太陽電池モジュールの表面(受光面)に影が形成されてしまうと、影が形成された部分で発電できなくなる(又は発電量が減少してしまう)ので好ましくない。
また、上記した取付用金具と同様に、雪止金具が必要以上に外部に露出してしまうと屋根の外観が損なわれてしまうおそれがあるので、この観点からも雪止金具は外部に露出しない構成であることが好ましい。
ところが、雪止金具の大部分が外部に露出しない構成では、雪止金具の取付作業が困難となってしまうという問題がある。すなわち、特許文献1や特許文献2に開示された雪止金具のように、設置位置に配したときに雪止金具の全体とその近傍が目視できる場合、位置合わせ作業やネジ止め作業等の取付作業を比較的容易に実施することができる。しかしながら、多くの部分が外部に露出しない雪止金具によると、このような取付作業が困難になってしまうという問題である。
そこで本発明は、多くの部分が外部に露出しないように取り付ける場合であっても、取り付けが容易な雪止金具を提供することを課題とする。また、このような雪止金具を取り付けた太陽電池モジュール、さらには、当該太陽電池モジュールを含む複数の太陽電池モジュールを屋根上に敷設するための太陽電池モジュールの敷設方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、太陽電池モジュールを屋根に設置する際に、太陽電池モジュールと共に屋根上に設置される雪止金具であって、他部材の一部と係合する係合突起部と、移動方向を制限するガイド部とを備えており、設置の際に、前記係合突起部を前記他部材の一部と係合させて前記他部材を棟側に移動させることにより、前記他部材と共に棟方向へ移動させて所定の位置へ至らせることが可能であることを特徴とする雪止金具である。
本発明の雪止金具は、他部材の一部と係合する係合突起部と、移動方向を制限するガイド部とを備えている。そして、設置の際に、係合突起部を他部材の一部と係合させて他部材を棟側に移動させることにより、他部材と共に棟方向へ移動させて所定の位置へ至らせることが可能となっている。
このことから、屋根上に太陽電池モジュールを敷設していく際、雪止金具の棟側に隣接して配される他部材の設置に伴って雪止金具の位置合わせが可能となっている。より具体的には、雪止金具を仮置きした状態で雪止金具の係合突起部と他部材の一部とを係合させ、そのまま他部材を棟側に移動させることで、他部材と共に雪止金具を移動させることができる。そして、この移動により、雪止金具を所定位置に配することができる。このように、他部材の位置合わせ作業に伴って雪止金具の位置合わせが実施される構成によると、雪止金具の全体を目視しつつ細かく位置合わせしなくてもよいので、雪止金具の多くの部分が外部に露出しない状態であっても位置合わせを簡単に実施可能となる。このことにより、雪止金具の取付作業を容易にできる。
請求項2に記載の発明は、軒方向への移動を阻止するための移動阻止手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の雪止金具である。
かかる構成によると、雪止金具を棟方向に移動させた後に雪止金具の軒方向への移動を阻止することができる。したがって、屋根上に積もった雪等から雪止金具に対して荷重が加わっても、雪止金具が設置位置から軒方向へ位置ずれしてしまうことがない。つまり、かかる構成によると、雪止金具をより強固に取り付けることができる。
請求項3に記載の発明は、前記他部材は、棟側に隣接して配される太陽電池モジュールであることを特徴とする請求項1又は2に記載の雪止金具である。
本発明の雪止金具は、雪止金具を棟側に隣接して配される太陽電池モジュールの下方側に配し、この太陽電池モジュールで覆った状態とする場合において、特に好適に採用することができる。
本発明の雪止金具は、太陽電池モジュールの基台に一体に取り付けられる支持板部と、当該支持板部から上方へ突出する雪止板部から形成されるものであり、前記支持板部に前記係合突起部と前記ガイド部とが一体に設けられていることが好ましい(請求項4)。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の雪止金具を一体に取り付けたことを特徴とする太陽電池モジュールである。
本発明の太陽電池モジュールは、請求項1乃至4のいずれかに記載の雪止金具を一体に取り付けた太陽電池モジュールであり、取り付けた雪止金具を多くの部分が外部に露出しない状態としても、雪止金具の位置合わせ作業を容易に実施可能となっている。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の太陽電池モジュールを少なくとも1つ含んだ複数の太陽電池モジュールを屋根上に列にして敷設するための太陽電池モジュールの敷設方法であって、前記雪止金具を取り付けた太陽電池モジュールを屋根上に配する工程と、前記雪止金具の前記係合突起部と、前記雪止金具を取り付けた太陽電池モジュールの棟側に隣接する他の太陽電池モジュールの一部とを係合させて、当該他の太陽電池モジュールを棟側に移動させる工程とを含むことを特徴とする太陽電池モジュールの敷設方法である。
本発明の太陽電池モジュールの敷設方法は、雪止金具を取り付けた太陽電池モジュールを屋根上に配する工程と、雪止金具の係合突起部と、雪止金具を取り付けた太陽電池モジュールの棟側に隣接する他の太陽電池モジュールの一部とを係合させて、他の太陽電池モジュールを棟側に移動させる工程とを含んでいる。
そのため、軒側に雪止金具を取り付けた太陽電池モジュールを敷設し、この太陽電池モジュールの棟側に他の太陽電池モジュールを敷設するといった具合に太陽電池モジュールを敷設していくとき、棟側の太陽電池モジュールの敷設作業に伴って雪止金具の位置合わせが可能となっている。このような構成によると、雪止金具の全体を目視することなく正確な位置合わせが可能となるので、雪止金具の大部分が外部に露出しない場合であっても、雪止金具の位置合わせを容易に実施可能となる。つまり、軒側の太陽電池モジュールと棟側の太陽電池モジュールとの間に雪止金具を配することで雪止金具の大部分を外部に露出させない構造としても、雪止金具の屋根上へ取付けが困難となることがない。
本発明の雪止金具は、他部材の一部と係合させ、そのまま他部材を棟側に移動させることで、他部材と共に移動可能となっている。このため、雪止金具の全体を目視しなくても雪止金具の正確な位置合わせが可能となり、雪止金具の多くの部分が外部に露出しない状態であっても雪止金具の位置合わせを簡単に実施できるので、雪止金具の取付作業を容易に実施可能であるという効果がある。
また、本発明の太陽電池モジュール、並びに、太陽電池モジュールの敷設方法においても同様に、雪止金具の取付作業を容易に実施できるという効果がある。
本発明の実施形態に係る太陽電池モジュールを示す斜視図である。 図1の太陽電池モジュールを示す分解斜視図である。 図2の土台板部を示す斜視図である。 図2の押え板部を示す斜視図である。 図2のフロントカバーを示す斜視図である。 図2の本発明の実施形態に係る雪止金具を示す斜視図であり、背面側からみた状態を示す。 図6の雪止金具を示す平面図である。 図1の太陽電池モジュールの組み立て手順を示す説明図であり、太陽電池パネルを土台板部に載置する様子を示す。 図8に引き続いて太陽電池モジュールの組み立て手順を示す説明図である。 本実施形態の太陽電池モジュールを建屋上に取り付けていく様子を示す説明図であり、軒側第一段目の太陽電池モジュールを取り付ける様子を示す。 図10に引き続いて太陽電池モジュールを建屋上に取り付けていく様子を示す説明図であり、軒側第一段目の太陽電池モジュールの棟側端部を固定する様子を示す。 図11のA−A断面図である。 図11に引き続いて太陽電池モジュールを建屋上に取り付けていく様子を示す説明図であり、軒側第二段目の太陽電池モジュールを取り付ける様子を示す。 軒側第二段目の太陽電池モジュールの軒側端部側の部分、並びに、軒側第一段目の太陽電池モジュールに取り付けた雪止金具の位置合わせ動作を模式的に示す説明図であって、(a)、(b)の順で軒側第二段目の太陽電池モジュールと雪止金具が移動する。 図14に引き続いて太陽電池モジュールを建屋上に取り付けていく様子を示す説明図であり、軒側第二段目の太陽電池モジュールの棟側端部を固定する様子を示す。 図15のB−B断面図である。 軒側第一段目の太陽電池モジュールに取り付けた雪止金具の桁行方向における位置合わせ動作を模式的に示す説明図であって、(a)、(b)の順で雪止金具が移動する。
以下、本発明の実施形態に係る雪止金具20、この雪止金具20を一体に取り付けた太陽電池モジュール1、並びに、この太陽電池モジュール1を建屋の上面に敷設するための敷設方法(太陽電池モジュールの敷設方法)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、桁行方向(幅方向)、梁間方向(傾斜方向であって上下方向)については、通常の設置状態を基準として説明する。
太陽電池モジュール1は、図1で示されるように、基台2に対し、太陽電池パネル15及び雪止金具20を一体に取り付けて構成される。
基台2は、図2で示されるように、土台板部10に、押さえ板11、フロントカバー12、発泡断熱材13を取り付けて形成されている。
土台板部10は、正面視が略長方形状となる板材であって、1枚あるいは複数枚の金属板を屈曲加工して所定の形状に形成したものである。加工する金属板は特に限定されるものではないが、鋼板、アルミニウム、ステンレス等の金属板を用いることが望ましく、本実施形態ではガルバリウム鋼板が採用されている。
そして、土台板部10には、図3で示されるように、軒側(下方側)から順にカバー取付部30、太陽電池配置部31、押さえ板11を取り付けるための板体取付部32が形成されている。加えて、太陽電池配置部31の一方の側方部分には溝状の樋部33が形成されている。
カバー取付部30は、フロントカバー12を取り付けるための部分であり、土台板部10の軒側端部を裏面側へ略垂直に折り曲げられて形成されている。
太陽電池配置部31は、太陽電池パネル15が載置される長方形平板状の部分であり、太陽電池パネル15よりも梁間方向lの長さが長くなっている。また、太陽電池配置部31の略中央部分には、太陽電池パネル15の端子ボックス49(図2参照)を挿入するための開口31aが設けられている。
板体取付部32は、土台板部10の棟側端部を階段状に折り曲げて形成される部分であり、軒側に位置する板体載置部35と、棟側に位置する上面形成部36とが棟側に向かうにつれて高くなるように段状に連続して形成されている。
具体的に説明すると、板体載置部35は、太陽電池配置部31の棟側端部を表面側へ略垂直に折り曲げて立上り部35aを形成し、立上り部35aの上方端部を棟側に折り曲げて形成されている。そして、上面形成部36は、板体載置部35の棟側端部を表面側へ略垂直に折り曲げて立上り部36aを形成し、立上り部36aの上方を棟側に折り曲げて形成されている。すなわち、太陽電池配置部31、板体載置部35、上面形成部36の上面は段差を介して連続した状態となっており、太陽電池配置部31の上面、板体載置部35の上面、上面形成部36の上面の順に配された位置が高くなっている。
押さえ板11は、図4で示されるように、正面視が略長方形状となる板体であり、その上面には複数の切り起こし部39と、複数の取付用貫通孔40とが形成されている。
切り起こし部39は、桁行方向w(幅方向)に間隔を空けて列状に配されるものであり、いずれも側面視略L字状で桁行方向wに沿って延びている。より具体的には、切り起こし部39は、押さえ板11の上面を表面側へ略垂直に折り曲げた立上り部39aと、立上り部39aの上端から軒側へ突出する長方形平板状の上板部39bによって形成されている。すなわち、切り起こし部39は、押さえ板11から表面側へ突出する突起状の部分であり、上板部39bの下面側に軒側が開放された空間を形成する鉤状の部分である。
取付用貫通孔40は、押さえ板11を表裏貫通する貫通孔であり、ビス等の締結要素を打ち込むための孔である。そして、この取付用貫通孔40もまた、桁行方向w(幅方向)に間隔を空けて列状に配されている。
なお、締結要素とは、ビス、木ネジ、釘等の上位概念であるものとする。
フロントカバー12は、図5で示されるように、金属性の長尺材であり、断面形状略「コ」字状で延びている。より具体的には、フロントカバー12は、下方に位置する略長方形平板状の係止片形成板部43と、係止片形成板部43の軒側端部から略垂直上方へ突出する立壁状の端面保護部44と、端面保護部44の上端から棟側へ突出する略長方形平板状の軒側固定部45とが一体に形成されている。
発泡断熱材13は、図2で示されるように、太陽電池モジュール1の強度や断熱性を確保するために土台板部10の裏面に取り付けられる発泡樹脂製の部材である。この発泡断熱材13は、土台板部10の棟側の長辺に沿って桁方向に伸びる桁方向補強部13aと、桁方向補強部13aの長手方向の両端部分からそれぞれ軒方向に沿って延びる傾斜方向補強部13bとを有する。
太陽電池パネル15は、図2で示されるように、長方形の面状に形成されている。太陽電池パネル15には、例えばガラス基板に導電膜や半導体膜を積層し、これに複数の溝
を設けて所定数の単体電池(太陽電池セル)を形成し、各太陽電池セルを電気的に直列接
続したものなどを採用することができる。
この太陽電池パネル15には、図2で示されるように、裏面に端子ボックス49が取り付けられ、端子ボックス49からは、二本のケーブル(第一ケーブル50及び第二ケーブル51)が延設されている。この二本のケーブルは、いずれも、太陽電池パネル15の正極に接続される被覆導線であるプラス側芯線と、太陽電池パネル15の負極に接続される被覆導線であるマイナス側芯線からなる2本の被覆導線が束ねられた状態でチューブ内に挿通されて形成されている。そして、第二ケーブル51の長さは、第一ケーブル50の長さよりも長くなっている。また、この二本のケーブルのそれぞれの端部には、第一コネクタ53及び第二コネクタ54が設けられている。この第一コネクタ53と第二コネクタ54とは嵌合可能となっており、嵌合した状態では同極同士が電気的に接続された状態となっている。
雪止金具20は、図6で示されるように、1枚の金属板を折り曲げ加工する等により形成されるものであり、平面視が略長方形平板状の支持板部58と、支持板部58の軒側端部から略垂直上方へと突出する雪止板部59とを有し、これらが一体に連続している。
支持板部58には、図6、図7で示されるように、複数の係合突起61と、摺動溝62とが設けられている。
係合突起61は、支持板部58の一部を切り起こして形成される略長方形平板状の部分であり、軒側上方へ突出している。すなわち、係合突起61は、棟側端部側の部分で上側に折り曲げられた状態となっており、斜め上方へ延出している。このため、係合突起61の下方には、軒側が開放された空間が形成されている。
また、本実施形態では、2つの係合突起61が形成されており、これらが桁行方向w(幅方向)に間隔を空けて配されている。より具体的には、この2つの係合突起61は、支持板部58の梁間方向(前後方向)の中心近傍に形成されるものであり、一方が桁行方向w(幅方向)片側端部よりの位置に、他方が桁行方向w(幅方向)の他方端部よりの位置にそれぞれ形成されている。
摺動溝62は、梁間方向(前後方向)に沿って延びる第1溝部64(ガイド部)と、この第1溝部64の延び方向と交わる方向へ延びる第2溝部65(移動阻止手段)とが一体に連続して形成される溝であり、平面視が略「L」字状となるように延びている。
この摺動溝62は、支持板部58の棟側端部近傍であって、桁行方向w(幅方向)の中心からやや片側端部よりの位置に形成されている。そして、その軒側の一部が2つの係合突起61の間に位置している。
第1溝部64は、延び方向の一方端である軒側端部で第2溝部65と連続しており、他方端である棟側端部では開口が丸みを帯びた形状となっている。すなわち、棟側端部における平面視した開口形状が、棟側に丸みを帯びて凸となっている。
この第1溝部64は、桁行方向w(幅方向)の中心からやや片側端部よりの部分に形成され、梁間方向に沿って延びる縦溝となっている。
第2溝部65は、桁行方向w(幅方向)に沿って延びており、桁行方向w(幅方向)の中心からやや片側端部よりの部分で第1溝部64と連続している。つまり、第2溝部65は桁行方向w(幅方向)の中心からやや片側端部よりの部分から、桁行方向w(幅方向)の中心近傍まで延びる横溝となっている。
なお、桁行方向w(幅方向)の中心近傍に位置する端部の平面視した開口形状は、桁行方向w(幅方向)の他方端部側に丸みを帯びて凸となっている。
続いて、太陽電池モジュール1の組み立て構造について手順に沿って説明する。
なお、多くの場合、雪止金具20を除いた部分の組み立ては工場で実施するものであり、雪止金具20の太陽電池モジュール1への取り付けは太陽電池モジュール1の敷設現場で実施する。
図8で示されるように、土台板部10の裏面に発泡断熱材13を一体に取り付けた状態とする。また、土台板部10のカバー取付部30にフロントカバー12の端面保護部44を重ね合わせ、これらをビス等の締結要素を介して一体に取り付けた状態とする。
土台板部10にフロントカバー12が取り付けられると、土台板部10の上面とフロントカバー12の軒側固定部45との間に隙間が形成された状態となる。また、土台板部10の下面とフロントカバー12の係止片形成板部43との間にも隙間が形成された状態となる。
さらに、太陽電池パネル15を土台板部10へ載置した状態とする。
具体的には、まず、太陽電池パネル15にスペーサ70を取り付けた状態とする。このスペーサ70は、太陽電池パネル15の棟側の縁部分と、軒側の縁部分とにそれぞれ複数(本実施形態では3つ)取り付けられるものであり、いずれの部分においても桁行方向wで間隔を空けて列状に配された状態となっている。また、このスペーサ70は、外形が断面略コ字状で延びる形状となっており、太陽電池パネル15の縁部分を表裏方向で挟み込んで取り付ける構造となっている。
そして、土台板部10の上面と軒側固定部45との間に形成される隙間に、太陽電池パネル15の軒側端部を挿通し、太陽電池パネル15を土台板部10の太陽電池配置部31に載置する。ここで、太陽電池パネル15の端子ボックス49と、第一ケーブル50及び第二ケーブル51は、太陽電池配置部31の開口31aを挿通し、土台板部10の裏面側に配した状態とする。
そして、図9で示されるように、太陽電池パネル15が太陽電池配置部31に載置された状態で、押さえ板11を板体載置部35に載置し、ビス等の締結要素により土台板部10に一体に取り付ける。さらにその状態において、押さえ板11の上側に雪止金具20を配し、雪止金具20をビス等の締結要素により太陽電池モジュール1に一体に取り付ける。なお、このとき、雪止金具20を取り付けるためのビス等の締結要素は、雪止金具20、押さえ板11、土台板部10を貫通した状態で、屋根上(後述する横桟木82)に固定される。
この雪止金具20を取り付けるためのビス等の締結要素は、雪止金具20の摺動溝62に挿通するものとする。また、この締結要素の軸径と摺動溝62の溝幅とは略同一となっている。このことにより、雪止金具20は押さえ板11の上方に移動可能な状態で取り付けられる。詳細には、締結要素の軸部が摺動溝62のうち第1溝部64(図6参照)の内側に位置する状態では、雪止金具20は梁間方向l(前後方向)に沿って移動可能となっており、締結要素の軸部が摺動溝62のうち第2溝部65(図6参照)の内側に位置する状態では、雪止金具20は桁行方向w(幅方向であって左右方向)に沿って移動可能となっている。
すなわち、雪止金具20を取り付けるめのビス等の締結要素を摺動溝62に挿通した状態とすることで、雪止金具20が水平方向にスライド移動可能となっている。そして、雪止金具20を移動させると、雪止金具20が固定された締結要素に対して相対的に移動し、結果、雪止金具20が摺動溝62の形状に沿う方向へとスライド移動する状態となっている。
このように雪止金具20が取り付けられることにより、図1で示されるように、太陽電池モジュール1が組み立てられる。
なお、この状態では、押さえ板11の軒側端部が太陽電池パネル15の表面の一部を覆い、太陽電池パネル15の表面に上方から押圧力を作用させた状態となる。すなわち、押さえ板11は、太陽電池パネル15の棟側端部近傍を押さえつけた状態となる。
また、押さえ板11の上面と上面形成部36の上面とは、略同一の平面を形成した状態となる。
またさらに、図1で示されるように、雪止金具20の桁行方向の長さL1は、太陽電池モジュール1の桁行方向の長さL2の5パーセント程度の長さとなっている。別言すると、本実施形態では、1つの太陽電池モジュール1に対して2つの雪止金具20が取り付けられており、2つの雪止金具20の桁行方向の長さの合計(L1+L1)は、太陽電池モジュール1の桁行方向の長さ(L2)の1割程度となっている。
次に、本実施形態の太陽電池モジュール1を建屋の上面に敷設するための敷設方法について説明する。
まず、太陽電池モジュール1の取り付けに先立って、屋根上に基礎屋根構造を構築する工程を実施する。
具体的には、太陽電池モジュール1を敷設する場合、まず敷設対象である建物の上面に軒先水切りや所定のルーフィング材が取り付けられ、作業の進行に必要な線や形、寸法を建物の上面に表示する墨出しが行われる。そして、図10で示されるように、縦桟木80が所定の間隔で取り付けられ、広小舞81や横桟木82が取り付けられる。なお、横桟木82は、所定の登り間隔で取り付けられる。また、敷設される太陽電池モジュール1の吹き上がりを防止する吹上防止金具83が所定位置に取り付けられる。
続いて、太陽電池モジュール1を、軒先側から順次棟側に向けて取り付けていく。より具体的には、複数の太陽電池モジュール1の短辺同士を隣り合わせて列状のモジュール段を形成し、ビス等の締結部材を介して各太陽電池モジュール1を建物の上面に固定する。本実施形態では、建物の上面の軒先に沿って1段目のモジュール段が形成された後、棟側に向けて複数段のモジュール段が順次形成されていく。
さらに、隣接する太陽電池モジュール1のうち、一方側の太陽電池モジュール1の第一ケーブル50と、他方の太陽電池モジュール1の第二ケーブル51とを接続し、これらを電気的に接続していく。このことにより、各太陽電池モジュール1が並列に接続された状態となる。また、いくつかの所定の太陽電池モジュール1から延びるケーブル(第一ケーブル50又は第二ケーブル51)は、引き込みケーブル等に接続され、建屋内へと引き込まれる。そして、屋内でパワーコンディショナー等の機器に接続され、太陽電池モジュール1が発電した電気を建屋内に供給可能な構造となっている。
具体的に説明すると、基礎屋根構造を構築する工程に続いて、最も軒側に位置するモジュール段を形成する太陽電池モジュール1を屋根上に取り付ける工程を実施する。
このとき、図10、図11で示されるように、フロントカバー12の下方に位置する係止片形成板部43を吹上防止金具83の軒側端部に引っ掛けた状態とする。そして、太陽電池モジュール1を棟側へと引き上げた状態とし、図11、図12で示されるように、太陽電池モジュール1の棟側端部をビス等の締結部材によって屋根(横桟木82)に固定する。
このとき、太陽電池モジュール1の雪止金具20が取り付けられている部分では、図12で示されるように、ビス等の締結部材が雪止金具20の摺動溝62、押さえ板11、土台板部10を貫通し、屋根上の横桟木82に打ち込まれて固定される。すなわち、雪止金具20の太陽電池モジュール1への取り付けと、太陽電池モジュール1の屋根上への固定とを一度に実施する構造となっている。
このとき、ビス等の締結部材の軸部分100は、摺動溝62の第1溝部64(図6参照)の棟側端部に挿通した状態とする。
そして、最も軒側に位置するモジュール段を形成する太陽電池モジュール1を屋根上に取り付ける工程に続いて、最も軒側に位置するモジュール段を形成する太陽電池モジュール1のケーブル(第一ケーブル50又は第二ケーブル51)を接続していく工程を実施する。
すなわち、最も軒側に位置するモジュール段を形成する太陽電池モジュール1を全て屋根上に取り付けた状態で、ケーブル(第一ケーブル50又は第二ケーブル51)の接続作業を実施する。すなわち、最も軒側に位置するモジュール段を形成する太陽電池モジュール1のうち、隣接する2つの太陽電池モジュール1を電気的に接続していく。
続いて、図13で示されるように、2段目に位置するモジュール段を形成する太陽電池モジュール1を屋根上に取り付ける工程を実施する。この工程では、太陽電池モジュール1の軒側部分の位置決めを実施する工程を行った後、太陽電池モジュール1の棟側部分を固定する工程を行う。
詳説すると、2段目に位置するモジュール段を形成する太陽電池モジュール1bを屋根上に取り付ける際、図14(a)で示されるように、2段目に位置する太陽電池モジュール1bのフロントカバー12の下方に位置する係止片形成板部43を、1段目に位置する太陽電池モジュール1に取り付けた雪止金具20の係合突起61に引っ掛けた状態とする。そして、その状態で、2段目に位置する太陽電池モジュール1bを棟側へと引き上げる。すると、2段目に位置する太陽電池モジュール1bの棟側への移動に伴って雪止金具20が棟側へと移動する。そして、雪止金具20が所定の位置まで移動すると、太陽電池モジュール1bと雪止金具20の軒側への移動が完了する。このとき、図14(b)で示されるように、雪止金具20の軒側端部の位置が、押さえ板11の軒側端部の位置と梁間方向l(前後方向)の位置が略同一となる。すなわち、雪止金具20の軒側部分と押さえ板11とが上下方向で重なった状態となる。
また、太陽電池モジュール1b及び雪止金具20の棟側への移動が完了した状態では、太陽電池モジュール1bの係止片形成板部43が雪止金具20の係合突起61だけでなく、押さえ板11の切り起こし部39(図13等参照)とも係合した状態となる。すなわち、太陽電池モジュール1bが棟側へと移動することにより、太陽電池モジュール1bの係止片形成板部43もまた棟側へと移動し、係止片形成板部43と切り起こし部39(図13等参照)とが係合した状態となる。このことにより、太陽電池モジュール1bの軒側部分の位置決めが完了する。
つまり、本実施形態では、棟側の太陽電池モジュール1b(2段目に位置するモジュール段を形成する太陽電池モジュール1)の軒側部分の位置決めを実施する工程を行うだけで、軒側に隣接する太陽電池モジュール1a(1段目に位置するモジュール段を形成する太陽電池モジュール1)に取り付けた雪止金具20の梁間方向における位置決めが実施される構造となっている。このことにより、雪止金具20の支持板部58を軒側の太陽電池モジュール1aと棟側の太陽電池モジュール1bの重なった部分の間に配し、雪止金具20の支持板部58の大部分が外部に露出されない状態であっても、雪止金具20の梁間方向における位置合わせを簡単に実施することができる。
そして、図15、図16で示されるように、2段目に位置するモジュール段を形成する
太陽電池モジュール1の棟側端部をビス等の締結部材によって屋根(横桟木82)に固定する。2段目に位置するモジュール段を形成する太陽電池モジュール1を取り付ける場合もまた、図16で示されるように、太陽電池モジュール1の雪止金具20が取り付けられている部分では、ビス等の締結部材が雪止金具20の摺動溝62、押さえ板11、土台板部10を貫通し、屋根上の横桟木82に打ち込まれて固定される。すなわち、雪止金具20の太陽電池モジュール1への取り付けと、太陽電池モジュール1の屋根上への固定とを一度に実施する構造となっている。
このとき、ビス等の締結部材の軸部分100は、摺動溝62の第1溝部64(図6参照)の棟側端部に挿通した状態とする。
2段目に位置するモジュール段を形成する太陽電池モジュール1bを屋根上に取り付ける工程が完了すると、この太陽電池モジュール1bの軒側に隣接する太陽電池モジュール1a(1段目に位置するモジュール段を形成する太陽電池モジュール1)に取り付けた雪止金具20aの桁行方向wの位置合わせを実施する工程を行う(図15参照)。
より具体的には、図17の左図で示されるように、雪止金具20aを桁行方向wに沿ってスライド移動させる。すると、図17の右図で示されるように、締結要素の軸部分100が第2溝部65に対して相対的に移動する。すなわち、第2溝部65の桁行方向w(長手方向)の端部のうち、第1溝部64と隣接する端部に締結要素の軸部分100が位置している状態(図17(a)右図参照)から、他方側の端部に締結要素の軸部分100が位置している状態(図17(b)右図参照)へ移行する。すなわち、第2溝部65の延び方向の端部のうちで第1溝部64と離間した位置にある端部に、締結要素の軸部分100が位置している状態となる。そして、締結要素の軸部分100が第2溝部65うち、第1溝部64との境界部分から離れた位置に配されると、雪止金具20aは梁間方向lへの移動ができない状態となる。
このように、第2溝部65のうちで第1溝部64と離れた位置に締結要素の軸部分100を嵌め込んだ状態とし、雪止金具20aを梁間方向lへの移動ができない状態とすると、雪止金具20aの意図しない位置ずれを防止することができる。
具体的に説明すると、屋根上への積雪量が多く、雪止金具20に対して雪から荷重がかかると、雪止金具20aには軒側へ向かう方向へ力が加わることとなる。このとき、雪止金具20aが梁間方向lへ移動できない状態で取り付けられていると、雪止金具20aが雪からの荷重で梁間方向lへ位置ずれしてしまうことがなく、所定の位置での雪止めが可能となる。
そして、2段目に位置するモジュール段を形成する太陽電池モジュール1のケーブル(第一ケーブル50又は第二ケーブル51)を接続していく工程を実施する。すなわち、2段目に位置するモジュール段を形成する太陽電池モジュール1を全て屋根上に取り付けた状態で、ケーブル(第一ケーブル50又は第二ケーブル51)の接続作業を実施し、隣接する2つの太陽電池モジュール1を電気的に接続した状態とする。
以下同様に、3段目以降のモジュール段を形成する太陽電池モジュール1を必要に応じて屋根上に取り付けていく。
そして、所定の段数だけモジュール段が形成されると、最も上段部の太陽電池モジュール1の棟側端部に雨仕舞い板(図示せず)等の所定の部材を必要に応じて設置する。さらに、上記したようにケーブルの建屋内への引き込み作業等を実施し、太陽電池モジュール1の敷設作業が完了する。
このように、太陽電池モジュール1を敷設すると、図17で示されるように、雪止金具20の支持板部58の大部分が、軒側の太陽電池モジュール1aと棟側の太陽電池モジュール1bとの間に挟まれた状態となる。より具体的には、支持板部58の棟側部分58bが、2つの太陽電池モジュール1に挟まれた状態となる。このようにすることで、雪止金具20を必要以上に外部に露出しない状態で取り付けることができるので、太陽電池モジュール1を敷設した屋根の外観をよくすることができる。さらにまた、雪止金具20が必要以上に露出しない構造によると、不用に露出した部分が太陽電池モジュール1の表面(受光面)に影を形成してしまうことがなく、好ましい。
上記した実施形態では、棟側の太陽電池モジュール1bと軒側の太陽電池モジュール1aの間、すなわち、2段目に位置するモジュール段を形成する太陽電池モジュール1と1段目に位置するモジュール段を形成する太陽電池モジュール1の間に雪止金具20を配置する例について詳細に説明した。すなわち、2つの太陽電池モジュール1の間に雪止金具20を配置する例について詳細に説明したが、本発明の雪止金具20の配置位置はこれに限るものでない。
例えば、太陽電池モジュールと、この太陽電池モジュールの棟側に配される所定部材(例えば雨仕舞板等)との間に雪止金具20が配されてもよい。すなわち、所定部材の軒側端部を雪止金具20の係合突起61に係合させた状態で、所定部材を棟側へと引き上げ、所定部材と雪止金具20の梁間方向の位置合わせを同時に実施してもよい。
また、雪止金具20は太陽電池モジュールに限らず、瓦等の屋根部材に直接又は間接的に取り付けてもよい。すなわち、屋根部材と、この屋根部材の棟側に配される太陽電池モジュールとの間に雪止金具20が配されてもよい。すなわち、屋根部材に取り付けられた雪止金具20の係合突起61に太陽電池モジュールの軒側端部(係止片形成板部43)を係合させた状態で、太陽電池モジュールを棟側へと引き上げ、太陽電池モジュールと雪止金具20の梁間方向の位置合わせを同時に実施してもよい。
つまり、雪止金具20の係合突起61は軒側で隣接する他部材の一部と係合できればよく、この他部材の位置合わせと雪止金具20の位置合わせとが同時に実施できればよい。また、雪止金具20は屋根上の適宜の場所に取り付けてもよく、必ずしも太陽電池モジュール1と一体に取り付けなくてもよい。
上記した実施形態では、屋根上面の軒先端部に吹上防止金具83を取り付け、軒先端部から太陽電池モジュール1を取り付けたが、太陽電池モジュール1の敷設方法はこれに限るものではない。例えば、屋根上面の軒先端部に金具付きの瓦(屋根部材)を設置し、設置した瓦より棟側の部分に太陽電池モジュール1を敷設してもよい。すなわち、最も軒側に位置する太陽電池モジュール1を瓦の上部側に取り付ける敷設方法であってもよい。
上記した実施形態では、1つの太陽電池モジュール1に2つの雪止金具20を取り付ける例を示したが、雪止金具20の太陽電池モジュール1への取り付けはこれに限るものではない。1つの太陽電池モジュール1には、雪止金具20を1つだけ取り付けてもよく、雪止金具20を3つ以上(複数)取り付けてもよい。
また、屋根上に複数の太陽電池モジュール1を敷設していくとき、必ずしもすべての太陽電池モジュール1に雪止金具20を取り付ける必要はなく、雪止金具20を一体に取り付ける太陽電池モジュール1と、雪止金具20を取り付けない太陽電池モジュールとが混在してもよい。なお、この場合、雪止金具20を取り付ける太陽電池モジュール1が配される位置と、雪止金具20を取り付けない太陽電池モジュールが配される位置とは適宜変更してよい。
上記した実施形態では、モジュール段を複数段形成した例を示したがモジュール段の段数はこれに限るものではなく、適宜変更してよい。すなわち、モジュール段は1段だけ形成してもよく、上記したように2段以上(複数段)形成してもよい。
1 太陽電池モジュール
20 雪止金具
58 支持板部
59 雪止板部
61 係合突起(係合突起部)
64 第1溝部(ガイド部)
65 第2溝部(移動阻止手段)

Claims (6)

  1. 太陽電池モジュールを屋根に設置する際に、太陽電池モジュールと共に屋根上に設置される雪止金具であって、
    他部材の一部と係合する係合突起部と、移動方向を制限するガイド部とを備えており、
    設置の際に、前記係合突起部を前記他部材の一部と係合させて前記他部材を棟側に移動させることにより、前記他部材と共に棟方向へ移動させて所定の位置へ至らせることが可能であることを特徴とする雪止金具。
  2. 軒方向への移動を阻止するための移動阻止手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の雪止金具。
  3. 前記他部材は、棟側に隣接して配される太陽電池モジュールであることを特徴とする請求項1又は2に記載の雪止金具。
  4. 太陽電池モジュールの基台に一体に取り付けられる支持板部と、当該支持板部から上方へ突出する雪止板部から形成されるものであり、
    前記支持板部に前記係合突起部と前記ガイド部とが一体に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の雪止金具。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の雪止金具を一体に取り付けたことを特徴とする太陽電池モジュール。
  6. 請求項5に記載の太陽電池モジュールを少なくとも1つ含んだ複数の太陽電池モジュールを屋根上に列にして敷設するための太陽電池モジュールの敷設方法であって、
    前記雪止金具を取り付けた太陽電池モジュールを屋根上に配する工程と、
    前記雪止金具の前記係合突起部と、前記雪止金具を取り付けた太陽電池モジュールの棟側に隣接する他の太陽電池モジュールの一部とを係合させて、当該他の太陽電池モジュールを棟側に移動させる工程とを含むことを特徴とする太陽電池モジュールの敷設方法。
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