JP2014002474A - サーボ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械の移動方向反転時などに生じる追従誤差を低減するサーボ制御装置を得ること。
【解決手段】実施の形態にかかるサーボ制御装置10は、指令位置に基づいて演算したトルク指令により機械系が接続されたモータを駆動するサーボ制御装置であって、指令位置に対する機械系の機械端位置の応答を模擬したモデル機械端位置と、指令位置に対するモータのモータ端位置の応答を模擬したモデルモータ端位置を演算するモデル位置演算部1と、モデル機械端位置とモデルモータ端位置との差に基づいて、指令位置に対する補正量である位置補正量を演算する位置補正量演算部2と、モデルモータ端位置に基づいてトルク補正量を演算するトルク補正量演算部4と、指令位置に位置補正量を加算して得られる補正後指令位置、機械端位置、およびトルク補正量に基づいて、機械端位置が指令位置に追従するようにトルク指令を演算するサーボ制御部3と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、工作機械などの装置を駆動制御するサーボ制御装置に関するものであり、特に摩擦やバックラッシ、ロストモーションなどの外乱要因によって生じる追従誤差を低減することが可能なサーボ制御装置に関するものである。
工作機械に代表される産業用途の機械では、工具やテーブルが指令値に追従するように機械の駆動制御を行う。特に、加工対象物(ワーク)に対する工具位置が指令された経路(指令軌跡)に正確に追従するように機械を駆動する制御は軌跡制御または輪郭運動制御とよばれ、数値制御装置やそれに付属するサーボ制御装置を用いて精密に行われる。制御対象の機械は複数の軸を持ち、それぞれサーボ制御装置を用いて駆動される。
サーボ制御装置には、機械系に存在する摩擦やバックラッシ、ロストモーションといった外乱要因を抑制するために、フィードバック制御に加えて外乱により生じる誤差(特に軌跡の誤差)を予測して、補正を行う機能が備わっている。特に、送り軸の移動方向の反転時には摩擦やバックラッシ、ロストモーションといった外乱の作用する方向も反転して、その影響が軌跡の誤差に顕著に現れる。典型的なものとしては、円弧軌跡を指令した場合に、円弧軌跡の象限切替り部分において送り軸の移動方向が反転する際に生じる追従誤差がある。この誤差は、半径方向の誤差量を拡大してプロットすると軌跡が外側に突起状に飛び出た形状になることから、象限突起と呼ばれる。象限突起のような軌跡の追従誤差が発生すると、加工結果に筋や傷が発生することになり、好ましくない。
そのため、仮想的な送り機構を内蔵して仮想的な送り機構と実際の送り機構の間のトルク指令信号の差から補正指令を演算して実際のトルク指令に加えたり、送り駆動機構の運動方向反転する前後に発生する摩擦力又は摩擦トルクを推定して、モータトルク誤差を抽出し、その誤差信号によってトルク補償したりといったことが行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−49599号公報
しかしながら、上記従来の技術、例えば特許文献1に記載の技術によれば、実際のトルクとモデルトルクに差が生じてから補正指令の効果が現れるので、補正が遅れて効いてしまう。また、指令位置の方向反転に基づいて摩擦補償信号を生成しているが、フルクローズド制御の場合はモータ端と機械端の間の位置のずれが影響するので、トルクの補償だけでは効果が十分に得られないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、機械の移動方向反転時などに生じる追従誤差を低減するサーボ制御装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、指令位置に基づいて演算したトルク指令により機械系が接続されたモータを駆動するサーボ制御装置であって、前記指令位置に対する前記機械系の機械端位置の応答を模擬したモデル機械端位置と、前記指令位置に対する前記モータのモータ端位置の応答を模擬したモデルモータ端位置を演算するモデル位置演算部と、前記モデル機械端位置と前記モデルモータ端位置との差に基づいて、前記指令位置に対する補正量である位置補正量を演算する位置補正量演算部と、前記モデルモータ端位置に基づいてトルク補正量を演算するトルク補正量演算部と、前記指令位置に前記位置補正量を加算して得られる補正後指令位置、前記機械端位置、および前記トルク補正量に基づいて、前記機械端位置が前記指令位置に追従するように前記トルク指令を演算するサーボ制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、モータ端位置と機械端位置の差の影響によって生じる位置偏差をモデルを用いて求め、その計算結果を用いて位置指令を補正することにより、バックラッシやロストモーションなど、モータ端位置と機械端位置の間の偏差に起因する追従誤差を低減し、特に円弧指令時の象限突起を抑制することができる。
また、前述のモデルを用いて求めたモータ端位置の移動方向反転時にトルク指令を補正することで、モータに生じる摩擦が移動方向反転時に変化することに起因して生じる追従誤差を低減して象限突起を抑制することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態にかかるサーボ制御システムの構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施の形態にかかるサーボ制御部の構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の実施の形態1にかかるモデル位置演算部の構成を示すブロック図である。 図4は、本発明の実施の形態2にかかるモデル位置演算部の構成を示すブロック図である。 図5は、本発明の実施の形態3にかかるモデル位置演算部の構成を示すブロック図である。 図6は、本発明の実施の形態1にかかるモータと機械系の構造を示す図である。 図7は、本発明の実施の形態2にかかるモータ・機械系模擬部の構成を示すブロック図である。 図8は、本発明の実施の形態4にかかるサーボ制御システムの構成を示すブロック図である。
以下に、本発明にかかるサーボ制御装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかるサーボ制御システムの構成を示すブロック図である。サーボ制御システムは、モータ5、機械系6、およびサーボ制御装置10を有している。また、図6は、本実施の形態1で制御の対象としているモータ5と機械系6の構造を示す図である。図6に示すように、サーボモータ51にはモータ端位置検出器52が取り付けられており、モータ端位置を検出する。モータ端位置検出器52としては、通常はロータリーエンコーダなどが用いられる。また、サーボモータ51にはボールねじ61、ナット62、テーブル63からなる機械系6が接続されている。さらに、テーブル63には、機械端位置であるテーブル63の位置を検出するための機械端位置検出器64が取り付けられている。機械端位置検出器64としては、通常はリニアスケールなどが用いられる。なお、モータ端位置検出器52において直接検出される位置はモータの回転角度であるが、この角度にモータ1回転あたりのテーブル移動距離であるボールねじリードを乗じてモータ1周の角度2π(rad)で除することで、テーブルの移動方向の長さに換算することができる。以降では、モータ端位置は、テーブル移動方向の長さに換算した値を用いることとする。
サーボ制御装置10には、指令位置が入力されるとともに機械端位置検出器64で検出された機械端位置とモータ端位置検出器52で検出されたモータ端位置がフィードバック信号として入力され、機械端位置が指令位置に追従するようにサーボ制御が行われる。サーボ制御装置10によるサーボ制御の結果、演算されたトルク指令値にしたがってモータ5が駆動される。
サーボ制御装置10の内部には、指令位置に対する機械端位置とモータ端位置の挙動を模擬し、それぞれモデル機械端位置およびモデルモータ端位置として出力するモデル位置演算部1が備えられている。モデル位置演算部1から出力されたモデルモータ端位置とモデル機械端位置の差が位置補正量演算部2へ入力され、位置補正量が出力される。位置補正量は指令位置と加算され、その和が補正後指令位置としてサーボ制御部3に入力される。サーボ制御部3では、後述するような位置制御および速度制御が行われる。一方、モデルモータ端位置はトルク補正量演算部4に入力されて、トルク補正量が出力される。サーボ制御部3の出力である補正前トルク指令とトルク補正量の和がトルク指令としてモータ5へ出力される。
図2は、サーボ制御部3の構成を示すブロック図である。補正後指令位置と機械端位置の差を位置偏差として、この位置偏差が位置制御部31に入力される。位置制御部31では、比例制御などの所定の位置制御演算による位置制御処理が行われる。また、モータ端位置は微分演算部33において微分される。なお、この微分処理は離散時間系においては差分処理におきかえられる。すなわち、現在のモータ端位置と1サンプル前のモータ端位置の差を制御処理周期で除した値が、近似的な微分値として使用される。次に、位置制御部31と微分演算部33の出力との差が速度制御部32に入力される。速度制御部32では、比例・積分制御などの所定の速度制御演算による速度制御処理が行われ、補正前トルク指令が出力される。このように、位置偏差を抑制するようにフィードバック制御を行うことにより、機械端位置が指令位置に追従するように制御することができる。
図3は、図1のモデル位置演算部1の一例として本実施の形態1において用いるモデル位置演算部11の構成を示すブロック図である。モデル位置演算部11は、前述したサーボ制御部3と同一の入力および出力をもち、内部においてはサーボ制御部3と同一の演算処理を行うサーボ制御模擬部12が備えられている。ただし、サーボ制御模擬部12では、機械端位置とモータ端位置のかわりに後述するモデル機械端位置およびモデルモータ端位置が入力として用いられるとともに、トルク指令のかわりにモデルトルク指令が出力される。サーボ制御模擬部12において演算されたモデルトルク指令はモータ模擬部13に入力され、モータ5の特性を模擬する演算によってモデルモータ端位置が出力される。さらに、モデルモータ端位置は機械系模擬部14に入力され、機械系6の特性を模擬する演算によってモデル機械端位置が出力される。
モデル位置演算部11におけるモータ模擬部13および機械系模擬部14の演算は、以下のように行われる。まず、モータ模擬部13では、モデルトルク指令を機械系イナーシャで除することでモデル加速度を求める。さらに、モデル加速度を2回積分することによりモデルモータ端位置が演算される。さらに、機械系模擬部14では、ボールねじに存在するバックラッシ量の分だけシフトさせた位置をモデル機械端位置として出力する。なお、シフトする方向は、モータ端位置の移動方向とは反対の方向とする。ここで必要となる、機械系イナーシャおよびボールねじのバックラッシ量などのモータ5および機械系6の特性パラメータは、別途パラメータ入力部80からモデル位置演算部11のパラメータとしてあらかじめ設定しておいたものを用いる。これにより、機械系のバックラッシが原因で移動方向反転時に追従誤差が生じる場合に、追従誤差を低減することができる。
位置補正量演算部2では、モデルモータ端位置とモデル機械端位置の差に対して、上記した指令位置から位置偏差までの特性をモデル化した伝達関数の特性を有するフィルタ処理を行って位置補正量を演算する。指令位置から位置偏差までの特性は、一般的にはハイパスフィルタの特性となる。また、指令位置から機械端位置までの関係をモデル化した伝達関数をG(s)とすると、指令位置から位置偏差までの伝達関数は1−G(s)で表される。ここで、sはラプラス演算子である。特に、位置制御の比例制御ゲインがKの場合、最も簡単なモデルでは、指令位置から位置偏差までの伝達関数は、s/(s+K)で表すことができる。
機械端の位置をフィードバック信号として用いるフルクローズド制御系では、機械端の位置は定常的には指令位置に追従する。機械系6にバックラッシがある場合、モータ端位置と機械端位置の間にバックラッシ量と同じ大きさの偏差が存在する。したがって、同一方向に移動するような定常状態においては、モータ端位置は指令位置からバックラッシ量に相当する一定の量だけずれて追従することになる。一方、移動方向が反転すると、バックラッシにより生じる偏差の方向が反転するので、モータ端と機械端の間の偏差は急峻に変化する。この変化にフィードバック制御系がすぐに追従できないため、機械端位置には過渡的な位置の偏差である追従誤差が生じる。この追従誤差は、モータ端位置と機械端位置の偏差が指令として与えられた場合の位置偏差に相当する。したがって、モデル位置演算部1においてモータ端位置と機械端位置を推定し、その差に対して指令位置から位置偏差までの伝達関数と同じ特性をもつフィルタ演算を行うことで、補正すべき位置の偏差を推定できる。つまり、位置補正量演算部2において求めた位置補正量は補正すべき位置の偏差に相当するので、これを指令位置に加算することで移動方向反転時に生じるバックラッシに起因する追従誤差を補正することが可能となる。即ち、モータ端位置と機械端位置の間の偏差によって生じる位置偏差を計算した結果を用いて指令位置を補正することにより、バックラッシや後述するロストモーションなど、モータ端位置と機械端位置の間の偏差に起因する追従誤差を低減することができる。
トルク補正量演算部4では、モデルモータ端位置の移動方向が反転したタイミングで、モータ端位置の移動方向が反転した際に生じる摩擦トルクの変化量を推定し、それに基づいてトルク補正量を演算して出力する。トルク補正量の演算は、移動方向反転時にモータ5に生じる摩擦トルクをあらかじめモデル化しておき、そのモデルに基づいて演算される。即ち、モデルモータ端位置の移動方向反転を検出してトルク指令に加算するトルク補正量を演算する。このモデルは、例えばクーロン摩擦のように移動方向と反対方向に一定の摩擦トルクが発生するものでもよいし、特開平05−40521号公報に示すように、トルク指令に加算するかわりに速度制御部32の積分項に加算するものであってもよい。
移動方向反転時には、モータ5に作用する摩擦力の方向が反転する。この摩擦力の方向反転が制御系に外乱として作用し、過渡的な位置の追従誤差を発生させる。そこで、トルク補正量演算部4においてこのモータ5に作用する摩擦力の変化を推定してトルク指令に補正を行うことで、移動方向反転時の摩擦力変化に起因する追従誤差を補正することが可能となる。このようにしてトルク指令を演算することにより、サーボ制御装置10により機械端位置が指令位置に追従するような制御がなされる。即ち、モータ端位置と機械端位置の差の影響によって生じる位置偏差をモデルを用いて求め、その計算結果を用いて位置指令を補正することにより、バックラッシなど、モータ端位置と機械端位置の間の偏差に起因する追従誤差を低減し、特に円弧指令時の象限突起を抑制することができる。また、前述のモデルを用いて求めたモータ端位置の移動方向反転時にトルク指令を補正することで、モータに生じる摩擦が移動方向反転時に変化することに起因して生じる追従誤差を低減して象限突起を抑制することができる。
以上のように、実施の形態1によれば、モデル位置演算部1および位置補正量演算部2を備えることにより、機械系のバックラッシに起因する移動方向反転時の追従誤差を低減することができる。また、モデル位置演算部1の出力を利用してさらにトルク補正量演算部4を設けることにより、モータの移動方向反転の際に発生するモータ摩擦トルク変化に起因する追従誤差を低減することができる。
実施の形態2.
実施の形態2にかかるサーボ制御システムの構成は、実施の形態1の図1に示したものと概ね同一の構成であるが、モデル位置演算部1の構成が異なる。図4は、モデル位置演算部1の一例として本実施の形態2において用いるモデル位置演算部15の構成を示すブロック図である。実施の形態1のモデル位置演算部11と異なる点は、モータ模擬部13および機械系模擬部14のかわりに、モータ・機械系模擬部16を設けた点である。
本実施の形態2では、機械系6にはバックラッシは存在せず、そのかわりに弾性変形によるロストモーションが生じる場合を想定している。すなわち、リニアガイドなどの機械の負荷側に生じる摩擦によって、ボールねじなどの機械系6の部材に弾性変形が生じ、モータ端位置と機械端位置の間に偏差が生じる。この偏差は機械の移動方向が同じ場合には変化しないが、機械の移動方向が反転すると負荷側に生じる摩擦の符号が反転し、弾性変形により生じる偏差の方向も反転するので、実施の形態1と同様に過渡的に追従誤差が生じる。
図7は、モータ・機械系模擬部16の構成を示すブロック図であり、負荷側に生じる摩擦と弾性変形が原因で生じるロストモーションをモデル化したものである。モータ・機械系模擬部16の動作は次のとおりである。モデルトルク指令と後述するバネ・ダンパモデル73からの弾性変形トルクの差に対し、乗算器70でモータイナーシャJMの逆数を乗算し、積分器71に入力してモデルモータ端速度を演算する。また、弾性変形トルクと別途設定する所定の負荷側摩擦トルクとの差に対して乗算器74で負荷イナーシャJLの逆数を乗算し、積分器75に入力してモデル機械端速度を演算する。モデル機械端速度とモデルモータ端速度の差をバネ・ダンパモデル73に入力する。バネ・ダンパモデル73は、入力信号を積分してバネ定数Kをかけたものと、入力信号に粘性係数Cをかけたものを加算することにより弾性変形トルクを求める。モデルモータ端速度を積分器72で積分してモデルモータ端位置を求める。モデル機械端速度を積分器76で積分してモデル機械端位置を求める。
負荷側摩擦トルクは、リニアガイドなどの機械の負荷側に生じる摩擦を模擬した信号であり、モデル機械端位置の移動方向に応じて正負の符号が反転する。
これらの演算において必要となる、モータイナーシャJM、負荷イナーシャJL、バネ定数K、粘性係数C、負荷側に生じる摩擦の大きさを示す負荷側摩擦トルクなどのモータ5および機械系6の特性パラメータは、別途パラメータ入力部80からモデル位置演算部15のパラメータとしてあらかじめ設定しておいたものを用いる。実施の形態1でも同様であったが、パラメータ入力部80により機械系のバックラッシ・弾性変形・イナーシャ・摩擦といった様々な特性を入力可能とすることで、多様な特性の機械系6に対して効果的に追従誤差を低減することができる。
以上のように、実施の形態2にかかるサーボ制御装置10は、上述したようなモデル位置演算部15を備えた上で、さらに位置補正量演算部2に機械系6のロストモーションのモデルを内蔵させる。これにより、機械系6の弾性変形によるロストモーションが原因で移動方向反転時に追従誤差が生じる場合に、追従誤差を低減することができる。また、モデル位置演算部15の出力を利用してさらにトルク補正量演算部4を設けることにより、モータの移動方向反転の際に発生するモータの摩擦トルク変化に起因する追従誤差を低減することができる。即ち、モータ端位置と機械端位置の差の影響によって生じる位置偏差をモデルを用いて求め、その計算結果を用いて位置指令を補正することにより、ロストモーションなど、モータ端位置と機械端位置の間の偏差に起因する追従誤差を低減し、特に円弧指令時の象限突起を抑制することができる。また、前述のモデルを用いて求めたモータ端位置の移動方向反転時にトルク指令を補正することで、モータに生じる摩擦が移動方向反転時に変化することに起因して生じる追従誤差を低減して象限突起を抑制することができる。
なお、モータ・機械系模擬部16は、上述したように図7に示すブロック演算処理を行う代わりに、入出力関係がこれと等価なフィルタを設計して適用することにより実現することもできる。フィルタとして実装することで、演算処理の効率化を図ることが可能となる。
実施の形態3.
実施の形態3にかかるサーボ制御システムの構成は、実施の形態1の図1に示したものと概ね同一の構成であるが、モデル位置演算部1の構成が異なる。図5は、モデル位置演算部1の一例として本実施の形態3において用いるモデル位置演算部21の構成を示すブロック図である。実施の形態1のモデル位置演算部11と異なる点は、サーボ制御模擬部12、モータ模擬部13、機械系模擬部14のかわりに、指令位置を入力してモデル機械端位置を演算する機械端応答模擬部22と、モデル機械端位置を入力してモデルモータ端位置を演算するモータ端位置推定部23を設けた点である。
機械端応答模擬部22は、機械端の定常的な応答をフィルタを用いて模擬する。一般に、機械端応答模擬部22の応答特性はローパスフィルタの特性となる。例えば、位置制御系を比例制御とした場合には一次遅れ系で模擬することができ、位置制御のゲインをKpとした場合には、最も簡単な構成としては、機械端応答模擬部22のフィルタは伝達関数Kp/(s+Kp)の特性をもつフィルタとなる。
モータ端位置推定部23は、モータ端位置と機械端位置の偏差を簡単なモデルで表したものである。モータ端位置と機械端位置の間の関係をモデル化して、モデル機械端位置からモデルモータ端位置を演算する。具体的には、バックラッシやロストモーションが生じるような機械系6を想定して、モデル機械端位置に対して、機械端位置の移動方向と反対の方向に所定の量だけ移動させた点をモデルモータ端位置として出力する。
このようにモデル位置演算部21を構成することで、より簡単な演算でモデル機械端位置およびモデルモータ端位置を簡易に求めることが可能となり、モデル位置演算部の構成を簡素化することができる。
実施の形態4.
図8は、本発明の実施の形態4にかかるサーボ制御システムの構成を示すブロック図である。実施の形態4にかかるサーボ制御システムの構成は、実施の形態1の図1に示したものと概ね同一の構成であるが、位置補正量演算部2の構成が異なる。実施の形態4では、モデル機械端位置の移動方向すなわち速度の符号を監視し、モデル機械端位置の移動方向に変化があったタイミングにおける機械端位置とモータ端位置の差をとりこみ、以降モデル機械端位置の移動方向が変化するまでの間、同じ値にホールドされる基準信号を生成する。生成した基準信号に対して、実施の形態1で用いたもと同じフィルタ(上記した指令位置から位置偏差までの特性をモデル化した伝達関数の特性を有するフィルタ)の処理を行って位置補正量を演算する。
このように、位置補正量演算部2を構成することにより、方向反転時の実際の機械端とモータ端の差に応じた正確な位置補正量を演算することが可能となり、ロストモーションなど、モータ端位置と機械端位置の間の偏差に起因する追従誤差を低減し、移動方向反転時の追従誤差を抑制することができる。
なお、以上説明した各実施の形態においては、テーブル63が移動する場合について説明したが、工具やその他の加工ヘッドなど、他の機械要素が移動する場合であってもよい。
また、以上説明した各実施の形態において、トルク指令のかわりに電流指令を用いてもよい。その場合、電流指令にトルク定数を乗じるとイナーシャに換算できる。さらに、トルク指令のかわりに推力指令を用いてもよい。その場合は、イナーシャを質量に置き換えて考えればよい。
さらに、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。例えば、上記実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。更に、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以上のように、本発明にかかるサーボ制御装置は、モータ端位置と機械端位置の間の偏差に起因する追従誤差を低減することが可能であり、特に、モータに生じる摩擦が移動方向反転時に変化することに起因して生じる追従誤差を低減することに適している。
1,11,15,21 モデル位置演算部
2 位置補正量演算部
3 サーボ制御部
4 トルク補正量演算部
5 モータ
6 機械系
10 サーボ制御装置
12 サーボ制御模擬部
13 モータ模擬部
14 機械系模擬部
16 モータ・機械系模擬部
22 機械端応答模擬部
23 モータ端位置推定部
31 位置制御部
32 速度制御部
33 微分演算部
51 サーボモータ
52 モータ端位置検出器
61 ボールねじ
62 ナット
63 テーブル
64 機械端位置検出器
70,74 乗算器
71,72,75,76 積分器
73 バネ・ダンパモデル
80 パラメータ入力部

Claims (9)

  1. 指令位置に基づいて演算したトルク指令により機械系が接続されたモータを駆動するサーボ制御装置であって、
    前記指令位置に対する前記機械系の機械端位置の応答を模擬したモデル機械端位置と、前記指令位置に対する前記モータのモータ端位置の応答を模擬したモデルモータ端位置を演算するモデル位置演算部と、
    前記モデル機械端位置と前記モデルモータ端位置との差に基づいて、前記指令位置に対する補正量である位置補正量を演算する位置補正量演算部と、
    前記モデルモータ端位置に基づいてトルク補正量を演算するトルク補正量演算部と、
    前記指令位置に前記位置補正量を加算して得られる補正後指令位置、前記機械端位置、および前記トルク補正量に基づいて、前記機械端位置が前記指令位置に追従するように前記トルク指令を演算するサーボ制御部と、
    を備える
    ことを特徴とするサーボ制御装置。
  2. 指令位置に基づいて演算したトルク指令により機械系が接続されたモータを駆動するサーボ制御装置であって、
    前記指令位置に対する前記機械系の機械端位置の応答を模擬したモデル機械端位置と、前記指令位置に対する前記モータのモータ端位置の応答を模擬したモデルモータ端位置を演算するモデル位置演算部と、
    前記モデル機械端位置と、前記機械端位置と前記モータ端位置との差に基づいて、前記指令位置に対する補正量である位置補正量を演算する位置補正量演算部と、
    前記モデルモータ端位置に基づいてトルク補正量を演算するトルク補正量演算部と、
    前記指令位置に前記位置補正量を加算して得られる補正後指令位置、前記機械端位置、および前記トルク補正量に基づいて、前記機械端位置が前記指令位置に追従するように前記トルク指令を演算するサーボ制御部と、
    を備える
    ことを特徴とするサーボ制御装置。
  3. 前記位置補正量演算部は、
    前記モデル機械端位置と前記モデルモータ端位置との差に対して、前記指令位置から前記補正後指令位置と前記機械端位置の差である位置偏差までの特性をモデル化した伝達関数の特性を有するフィルタ処理を行うことにより前記位置補正量を演算する
    ことを特徴とする請求項1に記載のサーボ制御装置。
  4. 前記位置補正量演算部は、
    前記モデル機械端位置の移動方向が反転したタイミングにおける前記機械端位置と前記モータ端位置の差に等しい値をホールドすることにより生成される基準信号に、前記指令位置から前記補正後指令位置と前記機械端位置の差である位置偏差までの特性をモデル化した伝達関数の特性を有するフィルタ処理を行うことにより前記位置補正量を演算する
    ことを特徴とする請求項2に記載のサーボ制御装置。
  5. 前記モデル位置演算部は、
    前記サーボ制御部が、前記補正後指令位置、前記機械端位置、および前記モータ端位置に実行するのと同一の演算を、前記指令位置、前記モデル機械端位置、および前記モデルモータ端位置にそれぞれ実行することによりモデルトルク指令を演算するサーボ制御模擬部と、
    前記モデルトルク指令に対する前記モータ端位置の応答を模擬した前記モデルモータ端位置を演算するモータ模擬部と、
    前記モデルモータ端位置に対する前記機械端位置の応答を模擬した前記モデル機械端位置を演算する機械系模擬部と、
    を備える
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のサーボ制御装置。
  6. 前記モデル位置演算部は、
    前記サーボ制御部が、前記補正後指令位置、前記機械端位置、および前記モータ端位置に実行するのと同一の演算を、前記指令位置、前記モデル機械端位置、および前記モデルモータ端位置にそれぞれ実行することによりモデルトルク指令を演算するサーボ制御模擬部と、
    前記モデルトルク指令に対する前記モータ端位置および前記機械端位置の応答をそれぞれ模擬した前記モデルモータ端位置および前記モデル機械端位置を演算するモータ・機械系模擬部と、
    を備える
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のサーボ制御装置。
  7. 前記モデル位置演算部は、
    前記指令位置に対する前記機械端位置の応答を模擬した前記モデル機械端位置を演算する機械端応答模擬部と、
    前記モータ端位置と前記機械端位置との関係に基づいて、前記モデル機械端位置から前記モデルモータ端位置を演算するモータ端位置推定部と、
    を備える
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のサーボ制御装置。
  8. 前記トルク補正量演算部は、前記モデルモータ端位置の移動方向が反転したタイミングで、前記モータ端位置の移動方向が反転した際に生じる摩擦トルクの変化量を推定し、それに基づいて前記トルク補正量を演算する
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のサーボ制御装置。
  9. 前記モデル位置演算部は、
    前記モデル位置演算部における演算で用いる前記モータおよび前記機械系の特性パラメータが設定されたパラメータ入力部を備える
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のサーボ制御装置。
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