JP2014002070A - 電流センサ - Google Patents

電流センサ Download PDF

Info

Publication number
JP2014002070A
JP2014002070A JP2012138108A JP2012138108A JP2014002070A JP 2014002070 A JP2014002070 A JP 2014002070A JP 2012138108 A JP2012138108 A JP 2012138108A JP 2012138108 A JP2012138108 A JP 2012138108A JP 2014002070 A JP2014002070 A JP 2014002070A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow
flow passage
current
measured
current sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012138108A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Chiba
健 千葉
Kenji Ichinohe
健司 一戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Green Devices Co Ltd
Original Assignee
Alps Green Devices Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Green Devices Co Ltd filed Critical Alps Green Devices Co Ltd
Priority to JP2012138108A priority Critical patent/JP2014002070A/ja
Publication of JP2014002070A publication Critical patent/JP2014002070A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Instrument Details And Bridges, And Automatic Balancing Devices (AREA)

Abstract

【課題】被測定電流の流れる導電部材が小型化されても良好な特性を維持可能な電流センサを提供すること。
【解決手段】この電流センサ(1)は、導電部材(11)と、磁電変換素子(121,122)と、を具備し、導電部材(11)は、第1通流部(111)から第5通流部(115)を有し、磁電変換素子(121,122)は、感度軸(S1,S2)が同一方向に揃えられ、第3通流部(113)側の接続部(114h,115h)が第1通流部(111)側又は第2通流部(112)側の接続部(114g,115g)に対して外側になるように配置され、第4通流部(114)及び第5通流部(115)は、第1通流部(111)及び第2通流部(112)側の接続部(114h,115h)間の間隔(D11)に対して、第3通流部(113)側の接続部(114f,115f)間の間隔(D12)が相対的に大きい。
【選択図】図1

Description

本発明は、導体を流れる電流を非接触で測定可能な電流センサに関し、特に、電流によって生じる誘導磁界を検出して被測定電流の電流値を測定する電流センサに関する。
電気自動車や太陽電池などの分野では、被測定電流によって生じる誘導磁界に基づいて非接触で電流値を測定可能な電流センサが用いられている。この電流センサは、被測定電流により生じる誘導磁界を検出するための磁電変換素子を備えており、磁電変換素子で検出される磁界強度を基に被測定電流の電流値を算出する。磁電変換素子としては、例えば、ホール効果を利用して磁界強度を電気信号に変換するホール素子や、磁界による電気抵抗値の変化を利用する磁気抵抗効果素子などが用いられる。
このような電流センサとして、互いに平行な一対の接続導体部の一端側を導電路で連結させたU字状の一次導体を備え、接続導体部に近接して電流検知デバイス部を配置させたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この電流センサにおいては、一方の接続導体部が、同一直線上に離間して配置された一方の被測定導電路に接続され、他方の接続導体部が、他方の被測定導電路に接続される。そして、一方の被測定導電路から引き込んだ被測定電流が、一方の接続導体部、U字底部及び他方の接続導体部を介して他方の被測定導電路に流れる際に生じる誘導磁界の磁界強度を電流検知デバイス部で検出することにより被測定電流の電流値を算出する。
特開2011−13200号公報
ところで、特許文献1に記載の電流センサを小型化するためには、一対の接続導体部が延びる方向における長さ(以下、「全長」という)を短縮することが有効である。しかしながら、一対の接続導体部の全長を短縮すると、一対の接続導体部の全長に対して、一対の接続導体部が延びる方向に直交する方向における長さ(以下、「幅」という)が相対的に大きくなる。このように一対の接続導体部の全長に対して幅が相対的に大きくなると、一方の被測定導電路から引き込んだ被測定電流が、一対の接続導体部を斜めに流れてしまう場合がある。この場合、磁電変換素子に対する誘導磁界の方向が変化し、被測定電流の測定精度が悪化する問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、被測定電流の流れる導電部材が小型化されても良好な測定精度を維持できる電流センサを提供することを目的とする。
本発明の電流センサは、被測定電流が流れる導電部材と、前記被測定電流からの誘導磁界により出力信号を出力する磁電変換素子と、を具備し、前記導電部材は、同一直線上に離間して配置された第1通流部及び第2通流部と、前記第1通流部及び前記第2通流部に対して平行に配置された第3通流部と、前記第1通流部の一部と前記第3通流部の一部とを繋ぐように配置された第4通流部と、前記第2通流部の一部と前記第3通流部とを繋ぐように配置された第5通流部と、を有し、前記磁電変換素子は、前記第4通流部及び前記5通流部にそれぞれ配置され、感度軸が同一方向に揃えられ、前記第4通流部は、前記第3通流部側の接続部が前記第1通流部側の接続部に対して外側になるように配置され、前記第5通流部は、第3通流部側の接続部が前記第2通流部側の接続部に対して外側になるように配置され、前記第4通流部及び前記第5通流部は、前記第1通流部及び前記第2通流部側の接続部間の間隔に対して、前記第3通流部側の接続部間の間隔が相対的に大きいことを特徴とする。
この構成によれば、第4通流部及び第5通流部が延びる方向における第4通流部及び第5通流部の長さ(以下、「全長」という)と、第4通流部及び第5通流部が延びる方向に直交する方向における第4通流部及び第5通流部の長さ(以下、「幅」という)と、の比率が変化しても、被測定電流が第4通流部及び第5通流部を斜めに流れることがない。これにより、第4通流部及び第5通流部の全長を短縮した場合においても、磁電変換素子の感度軸の方向と同一方向から被測定電流からの誘導磁界が磁電変換素子に印加されるので、導電部材が小型化されても良好な測定精度を維持できる電流センサを実現できる。
本発明の電流センサにおいては、前記第4通流部は、前記第1通流部及び前記第3通流部が延びる方向に対して直交する方向において、前記第1通流部から前記第3通流部まで直線状に延在する領域を有し、前記第5通流部は、前記第3通流部及び前記第2通流部が延びる方向に対して直交する方向において、前記第3通流部から前記第2通流部まで直線状に延在する領域を有することが好ましい。この構成により、被測定電流が、第1通流部から第3通流部まで直線状に延在する領域内を流れると共に、第3通流部から第2通流部まで直線上に延在する領域内を流れる。これにより、被測定電流が流れる方向を第4通流部及び第5通流部が延びる方向に揃えることができるので、磁電変換素子の感度軸の方向に対して同一方向から被測定電流からの誘導磁界が印加され、被測定電流の測定精度が更に向上する。
本発明の電流センサにおいては、前記磁電変換素子が、前記直線状に延在する領域上に配置されていることが好ましい。この構成により、磁電変換素子の感度軸の方向に対して同一方向から被測定電流からの誘導磁界が印加されるので、被測定電流の測定精度が更に向上する。
本発明の電流センサにおいては、前記第4通流部は、外側面において前記磁電変換素子の配置位置より前記第1通流部に近い領域に設けられた第1切り欠き部と、内側面において前記磁電変換素子の配置位置より第3通流部に近い領域に設けられた第2切り欠き部と、を有し、前記第5通流部は、前記外側面において前記磁電変換素子の配置位置より前記第2通流部に近い領域に設けられた第3切り欠き部と、前記内側面において前記磁電変換素子より前記第3通流部に近い領域に設けられた第4切り欠き部と、を有することが好ましい。この構成により、第1切り欠き部〜第4切り欠き部を設けるだけで第4通流部及び第5通流部を流れる被測定電流の方向を第4通流部及び第5通流部が延びる方向に揃えることができるので、被測定電流の測定精度が更に向上する。
本発明の電流センサにおいては、前記第4通流部及び前記第5通流部が、前記第1通流部及び前記第2通流部が延びる方向に対して斜めに延びることが好ましい。
本発明によれば、被測定電流の流れる導電部材が小型化されても良好な測定精度を維持できる電流センサを実現できる。
第1の実施の形態に係る電流センサの構成例を示す平面模式図である。 第1の実施の形態に係る電流センサの回路構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態に係る電流センサにおける被測定電流の流路の説明図である。 図3の磁電変換素子近傍の部分拡大図である。 比較例に係る電流センサにおける被測定電流の流路の説明図である。 図5の磁電変換素子近傍の部分拡大図である。 電流センサのオフセット温度特性を示す図である。 電流センサの測定精度の線形性及びヒステリシス特性を示す図である。 第2実施の形態に係る電流センサの平面模式図である。 第2実施の形態に係る電流センサにおける被測定電流の流路の説明図である。 図10の磁電変換素子近傍の部分拡大図である。
本発明者らは、同一直線上に離間して配置された一対の被測定導電路に、一対の平行部及び一対の平行部を接続する接続導電路を有するU字型の導電部材を接続した電流センサにおいては、一対の平行部の全長の短縮化が電流センサの小型化に有効である一方、一対の平行部の全長の短縮化に伴い電流センサの測定精度が低下することに着目した。そして、本発明者らは、電流センサの測定精度の低下の原因が、一対の平行部の全長に対して幅の比率が大きくなる際や、一対の平行部の内側と外側とで温度勾配ができた際に、被測定電流が一対の平行部を斜めに流れることにあること、及び一対の平行部の接続部の配置及び一対の平行部間の間隔を制御することにより、一対の平行部を流れる被測定電流の方向を一対の平行部が延びる方向に揃えることができること、を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の骨子は、同一直線上に離間して配置された一対の被測定導電路(第1通流部及び第2通流部)と、この一対の被測定導電路に接続される一対の平行部(第4通流部及び第5通流部)及び一対の平行部間を接続する接続導電路(第3通流部)を有するU字型導電路と、を具備し、一対の平行部の接続導電路側の接続部が、被測定導電路側の接続部に対して外側になるように配置されると共に、一対の平行部の被測定導電路側における接続部の間隔に対して、一対の平行部の接続部導電路側における接続部の間隔を相対的に大きくすることである。これにより、U字型の導電路の一対の平行部の全長を短縮した場合においても、一対の平行部が延びる方向に沿って被測定電流が一対の平行部を流れるので、被測定電流の流れる導電部材が小型化されても良好な測定精度を維持できる電流センサを実現できる。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態においては、導電部材の第4通流部の第1通流部に近い領域に第1切り欠き部を設け、第3通流部に近い領域に第2切り欠き部を設けると共に、第5通流部の第2通流部に近い領域に第3切り欠き部を設け、第3通流部に近い領域に第4切り欠き部を設ける例について説明する。
図1は、本実施の形態に係る電流センサの構成例を示す平面模式図である。図1に示すように、本実施の形態に係る電流センサ1は、被測定電流I(図3参照)が流れる導電部材11と、この導電部材11の一主面上に配置された一対の磁電変換素子121,122と、を具備する。導電部材11は、同一直線上に互いに離間して配置された一対の第1通流部111及び第2通流部112と、この第1通流部111及び第2通流部112に対して所定の間隔をとって平行に配置された第3通流部113とを有する。
第3通流部113の一端部と第1通流部111の一端部との間には、第1通流部111と第3通流部113とを繋ぐように第4通流部114が配置されている。また、第3通流部113の他端部と第2通流部112の一端部との間には、第3通流部113と第2通流部112とを繋ぐように第5通流部115が配置されている。すなわち、導電部材11は、第1通流部111から引き込んだ被測定電流Iが、第4通流部114を介して第3通流部113で折り返し、第5通流部115を介して第2通流部112に流れるように構成されている。
第4通流部114の一主面上には、第4通流部114を流れる被測定電流Iからの誘導磁界Hにより出力信号を出力する磁電変換素子121が配置され、第5通流部115の一主面上には、第5通流部115を流れる被測定電流Iからの誘導磁界により出力信号を出力する磁電変換素子122が配置されている。
導電部材11は、所定厚さの金属板をプレス加工又はエッチング加工することで形成される。導電部材11は、磁電変換素子121,122の配置される配置位置(配置予定位置)を含む平坦な主表面を有している。なお、導電部材11としては、第1通流部111〜第5通流部115を一体形成する必要はない。導電部材11としては、例えば、直線状の被測定導電路を分断して第1通流部111及び第2通流部112とし、この第1通流部111及び第2通流部112に一体形成した第3通流部113、第4通流部114及び第5通流部115を接続してもよい。また、別体として形成された第1通流部111〜第5通流部115を電気的に接続して導電部材11としてもよい。
第1通流部111及び第2通流部112は、平面視にて矩形形状を有しており、その長辺に沿う方向(図1において紙面左右方向。以下、長手方向という。)が同じとなるように配置される。第3通流部113は、平面視にて矩形形状を有しており、長手方向が第1通流部111及び第2通流部112の長手方向と一致するように、第1通流部111及び第2通流部112に対して所定の間隔をとって配置される。第3通流部113は、その長手方向の幅D1が第1通流部111の長手方向における端面111aと第2通流部112の長手方向における端面112aとの間の間隔D2より大きくなるように形成されている。
第4通流部114は、平面視にて矩形状を有している。第4通流部114は、一端が第1通流部111の一端部の側面111bとつながっており、他端が第3通流部113の一端部の側面113aとつながっている。第4通流部114は、第5通流部115側に位置する内側面114aと、この内側面114aの逆側の外側面114bとを有する。
第4通流部114は、第3通流部113側の接続部114hが第1通流部111側の接続部114fに対して外側になるように設けられている。このように第4通流部114を設けることにより、第4通流部114を流れる被測定電流が、第4通流部114の幅方向における中央部近傍で第1通流部111及び第2通流部112の長手方向に垂直な方向に流れる。
本実施の形態においては、第4通流部114は、外側面114bの磁電変換素子121の配置位置より第1通流部111に近い領域に設けられた第1切り欠き部114cと、内側面114aの磁電変換素子121の配置位置より第3通流部113に近い領域に設けられた第2切り欠き部114dと、を有する。このように第4通流部114に第1切り欠き部114c及び第2切り欠き部114dを設けることにより、第4通流部114を流れる被測定電流Iが、第1通流部111が延びる方向に直交する方向に流れる。
また、第1切り欠き部114c及び第2切り欠き部114dは、第1の切り欠き部114cによって切り欠かれて設けられる第4通流部114の接続部114fの幅D3と第2切り欠き部114dによって切り欠かれて設けられる第4通流部114の接続部114hの幅D4との和が、第4通流部114の中央部114gの幅D5より大きくなるように設けられている。このように第1切り欠き部114c及び第2切り欠き部114dを設けることにより、第1通流部111が延びる方向に直交する方向に沿って、第4通流部114に第1通流部111から第3通流部113に直線状の領域114eが設けられる。この直線状の領域114eを設けることにより、第4通流部114を流れる被測定電流Iが領域114e内を流れるので、第4通流部114を流れる被測定電流Iから生じる誘導磁界Hの方向を揃えることができる。
第5通流部115は、平面視にて矩形状を有している。第5通流部115は、一端が第2通流部112の一端部の側面112bとつながっており、他端が第3通流部113の一端部の側面113aとつながっている。第5通流部115は、第4通流部114側に位置する内側面115aと、この内側面115aの逆側の外側面115bとを有する。第4通流部114及び第5通流部115の内側面114a,115aは、互いに対向して設けられており、内側面114a,115aの逆側の外側面114b,115bは、互いに平行になっている。
第5通流部115は、第3通流部113側の接続部115hが第2通流部112側の接続部115fに対して外側となるように設けられている。このように第5通流部115を設けることにより、第5通流部115を流れる被測定電流が、第5通流部115の幅方向における中央部近傍で第1通流部111及び第2通流部112の長手方向に垂直な方向に流れる。
第4通流部114及び第5通流部115は、第1通流部111及び第2通流部112側の接続部114f,115f間の間隔D11に対して、第3通流部113側の接続部114h,115h間の間隔D12が相対的に大きくなるように配置される。このように第4通流部114及び第5通流部115を配置することにより、第4通流部114及び第5通流部115を流れる被測定電流Iが、内側面114a,115a側に向けて流れることを防ぐことができるので、第4通流部114及び第5通流部115が延びる方向に沿って被測定電流Iを流すことができる。
本実施の形態においては、第5通流部115は、内側面115aの磁電変換素子122より第3通流部113に近い領域に設けられた第4切り欠き部115cと、外側面115bの磁電変換素子122の配置位置より第2通流部112に近い領域に設けられた第3切り欠き部115dと、を有する。このように第5通流部115に第4切り欠き部115c及び第3切り欠き部115dを設けることにより、第5通流部115を流れる被測定電流Iが、第3通流部113が延びる方向に対して直交する方向になる。
また、第4切り欠き部115c及び第3切り欠き部115dは、第4の切り欠き部115cによって切り欠かれて設けられる第5通流部115の接続部115hの幅D6と第3切り欠き部115dによって切り欠かれて設けられる第5通流部115の接続部115fの幅D7との和が、第5通流部115の中央部115gの幅D8より大きくなるように設けられている。このように第4切り欠き部115c及び第3切り欠き部115dを設けることにより、第3通流部113が延びる方向に直交する方向に沿って、第5通流部115に第3通流部113から第2通流部112に直線状の領域115eが設けられる。この直線状の領域115eを設けることにより、第5通流部115を流れる被測定電流Iが領域115e内を流れるので、第5通流部115を流れる被測定電流Iから生じる誘導磁界Hの方向を揃えることができる。
磁電変換素子121は、第1切り欠き部114cと第2切り欠き部114dとの間の第4通流部114の一主面上に配置され、加えられる磁界の強度に応じた電気信号(例えば電圧)を出力する。本実施の形態においては、磁電変換素子121は、第4通流部114の直線状の領域114e上に配置される。このように配置することにより、磁電変換素子121の感度軸S1の方向に対して同一方向から被測定電流Iからの誘導磁界Hが印加されるので、被測定電流Iの測定精度が向上する。
磁電変換素子122は、第4切り欠き部115cと第3切り欠き部115dとの間の第5通流部115の一主面上に配置され、加えられる磁界の強度に応じた電気信号(例えば電圧)を出力する。本実施の形態においては、磁電変換素子122は、第5通流部115の直線状の領域115e上に配置される。このように配置することにより、磁電変換素子122の感度軸S2の方向に対して同一方向から被測定電流Iからの誘導磁界Hが印加されるので、被測定電流Iの測定精度が向上する。
本実施の形態においては、第4通流部114の幅D5と第4通流部114が延びる方向における長さ(以下、「全長」という)D9との比率(D5:D9)において、1:1より幅D5が大きくなることが好ましい。この場合には、第4通流部114が延びる方向に沿って被測定電流Iを流すことができる一方、第4通流部114の全長D9の短縮化が可能となるので、電流センサの小型化を実現できる。同様に、第5通流部115の幅D8と第5通流部115が延びる方向における長さ(以下、「全長」という)D10との比率(D8:D10)において、1:1より幅D8が大きくなることが好ましい。この場合には、第5通流部115が延びる方向に沿って被測定電流Iを流すことができる一方、第5通流部115の全長D10の短縮化が可能となるので、電流センサの小型化を実現できる。
磁電変換素子121は、感度軸S1が外側面114bに対して垂直になるように設けられている。磁電変換素子122は、感度軸S2が外側面115bに対して垂直になるように設けられている。すなわち、本実施の形態においては、磁電変換素子121,122は、感度軸S1,S2が同一方向に揃えられていると共に、第4通流部114及び第5通流部115を流れる被測定電流Iからの誘導磁界H(図4参照)の方向と一致するように設けられている。
磁電変換素子121,122は、磁化固定層、非磁性中間層及び磁化自由層が積層された構造を有しており、感度軸S1,S2の方向において、検出感度が最大となる。この感度軸S1,S2を同一方向に揃えるため、磁電変換素子121,122は、磁化自由層の磁化方向に一軸異方性を付与するハードバイアス磁界HBを印加するハードバイアス層を有する。このハードバイアス層は、第4通流部114及び第5通流部115を流れる被測定電流Iと同一方向から磁電変換素子121,122にハードバイアス磁界を印加する。このようにハードバイアス磁界を印加することにより、感度軸S1,S2の方向を揃えることが容易になると共に、磁電変換素子121,122の測定精度の線形性やヒステリシスが向上する。なお、磁電変換素子121,122としては、必ずしもハードバイアス層を有するものを用いなくともよい。
磁電変換素子121,122は、例えば、GMR(Giant Magneto Resistive effect)素子、TMR(Tunnel Magneto Resistive effect)素子といった磁気抵抗効果素子が用いられる。なお、磁電変換素子121,122は、感度軸S1,S2が互いに逆方向を向くように配置されてもよい。
図2は、電流センサ1の回路構成を示すブロック図である。図2に示すように、磁電変換素子121,122の後段には、演算部13が接続されている。この演算部13は、磁電変換素子121,122の出力を差動演算して演算結果を出力する。なお、感度軸S1,S2が互いに逆方向を向くように配置されている場合には、演算部13は、磁電変換素子121,122の出力の和を算出して後段に出力する。
また、電流センサ1は、磁電変換素子121,122を含んで構成される磁界検出ブリッジ回路により被測定電流Iからの誘導磁界Hを検出する。この磁界検出ブリッジ回路は、被測定電流Iからの誘導磁界Hの印加により抵抗値が変化する2つの磁電変換素子121、122、及び誘導磁界Hにより抵抗値が変化しない2つの固定抵抗素子により構成されている。この磁界検出ブリッジ回路を用いることで、高感度の電流センサ1を実現できる。なお、磁界検出ブリッジ回路は、4個の抵抗素子を含んでなるフルブリッジ回路に限られない。2個の抵抗素子を含んでなるハーフブリッジ回路としても良い。また、磁界検出ブリッジ回路に用いられる磁電変換素子の数は適宜変更できる。例えば、4個の磁電変換素子を用いて磁界検出ブリッジ回路を構成してもよい。
このように構成された電流センサ1の導電部材11に、例えば、被測定電流Iが流れると、磁電変換素子121,122は互いに逆向きの誘導磁界Hをそれぞれ印加される。磁電変換素子121,122の感度軸S1,S2は共に同じ方向を向いているので、逆向きの誘導磁界Hが印加されると、磁電変換素子121,122は逆極性の一対のセンサ出力を出力する。演算部13は、磁電変換素子121,122からの一対のセンサ出力の差をとって外乱磁界の影響を相殺し、演算結果を電流センサ出力として出力する。
次に、図3及び図4を参照して、本実施の形態に係る電流センサ1に被測定電流Iを流した際の被測定電流Iの流路について詳細に説明する。図3は、電流センサ1における被測定電流Iの流路の説明図であり、図4は、図3の磁電変換素子122近傍の部分拡大図である。
図3に示すように、導電部材11を流れる被測定電流Iは、第1通流部111から導電部材11内の最短距離を経由して第2通流部112に向けて流れる。第1通流部111を流れる被測定電流Iは、第1通流部111の中央部から第1通流部111と第4通流部114との接続部分に向けて第1通流部111を斜めに流れる。ここで、第4通流部114における第1通流部111との接続部分の近傍の領域には、外側面114bから第4通流部114の幅方向における中央部に向けて第1切り欠き部114cが設けられているので、被測定電流Iは、第4通流部114の中央部で方向を変えて領域114e内を第4の通流部114が延びる方向に向けて流れる。
そして、第4通流部114における第3通流部113との接続部分の近傍の領域には、内側面114aから第4通流部114の幅方向における中央部に向けて第2切り欠き部114dが設けられているので、領域114e内を流れる被測定電流Iは、第4通流部114の中央部で方向を変えて第3の通流部113が延びる方向に向けて流れる。この結果、被測定電流Iは、第1通流部111から第3通流部113に向けて第4通流部114内の領域114e内を第4通流部114が延びる方向に沿って直線状に流れる。
第3通流部113を流れる被測定電流Iは、第3通流部113の側面113aの近傍の領域を、第3通流部113が延びる方向に沿って第5通流部115に向けて流れる。ここで、第5通流部115における第3通流部113との接続部分の近傍の領域には、内側面115aから第5通流部115の幅方向における中央部に向けて第4切り欠き部115cが設けられているので、被測定電流Iは、第5通流部115の中央部で方向を変えて領域115e内を第5の通流部115が延びる方向に向けて流れる。
そして、第5通流部115における第2通流部112との接続部分の近傍の領域には、外側面115bから第5通流部115の幅方向における中央部に向けて第3切り欠き部115dが設けられているので、領域115e内を流れる被測定電流Iは、第5通流部115の中央部で方向を変えて第2の通流部112に向けて流れる。この結果、被測定電流Iは、第3通流部113から第2通流部112に向けて第5通流部115内の領域115e内を第5通流部115が延びる方向に沿って直線状に流れる。第2通流部112内を流れる被測定電流Iは、第5通流部115との接続部分から第2通流部112の幅方向における中央部に向けて斜めに流れる。
図4に示すように、電流センサ1においては、第5通流部115が延びる方向に沿って被測定電流Iが直線状に流れるので、第5通流部115の幅方向に沿って外側面115bに対する垂直方向から被測定電流Iからの誘導磁界Hが印加される。この結果、被測定電流Iからの誘導磁界Hの方向と磁電変換素子122の感度軸S2の方向とが一致するので、被測定電流Iからの誘導磁界Hの方向と感度軸S2の方向との角度ずれを低減できる。これにより、磁電変換素子122に対する感度軸S2の方向における磁界H1と被測定電流Iからの誘導磁界Hとが一致するので、磁電変換素子122から被測定電流Iの電流値に応じた出力信号が出力され、電流センサ1のオフセット温度特性の悪化を抑制できる。また、被測定電流Iからの誘導磁界Hの方向と磁電変換素子122に対するハードバイアス磁界HBの方向とが直交するので、ハードバイアス磁界HBに対する悪影響を防ぐことができ、測定精度の線形性やヒステリシスの悪化を防ぐことができる。なお、図4においては、磁電変換素子122の近傍について説明したが、磁電変換素子121においても被測定電流Iからの誘導磁界Hの方向が逆方向となること以外は同一の作用効果を奏する。
次に、図5及び図6を参照して、比較例として従来の電流センサ100における被測定電流Iの流路について詳細に説明する。図5は、電流センサ100に被測定電流Iの流路の説明図であり、図6は、図5の磁電変換素子122近傍の部分拡大図である。なお、電流センサ100は、第1切り欠き部114c、第2切り欠き部114d、第3切り欠き部115c及び第4切り欠き部115dを設けていないこと以外は電流センサ1と同様の構成を有する。また、電流センサ100の各構成要素は、電流センサ1と共通するので、同一の符号を付している。
図5に示すように、導電部材11を流れる被測定電流Iは、第1通流部111から導電部材11内の最短距離を経由して第2通流部112に向けて流れる。第1通流部111を流れる被測定電流Iは、第1通流部111の中央部から第1通流部111と第4通流部114との接続部分に向けて第1通流部111を斜めに流れる。そして、この被測定電流Iは、第1通流部111と第4通流部114との接続部分における角部近傍で方向を変え、第4通流部114と第3通流部113との接続部分における角部に向けて第4通流部114内を斜めに流れる。
次に、被測定電流Iは、第4通流部114と第3通流部113との接続部分における角部近傍で方向を変え、第3通流部113の側面113aの近傍の領域を、第3通流部113が延びる方向に沿って第5通流部115に向けて流れる。第3通流部113を流れる被測定電流Iは、第3通流部113と第5通流部115との接続部分における角部近傍で方向を変え、第5通流部115と第2通流部112との接続部分における角部に向けて第5通流部115内を斜めに流れる。そして、被測定電流Iは、第5通流部115と第2通流部112との接続部分における角部近傍で方向を変え、第2通流部112の幅方向における中央部に向けて第2通流部112内を斜めに流れる。
図6に示すように、電流センサ100においては、第5通流部115内を斜めに被測定電流Iが流れるので、第5通流部115の幅方向に対して所定の角度をなす方向から被測定電流Iからの誘導磁界Hが印加される。この結果、被測定電流Iからの誘導磁界Hの方向と磁電変換素子122の感度軸S2の方向とが所定の角度をなすので、誘導磁界Hは、感度軸S2の方向における磁界H1と感度軸S2の方向に直交する方向における磁界H2とを含むこととなる。この結果、磁電変換素子122の感度軸S2の方向における磁界H1が、誘導磁界Hの磁界強度に対して小さくなるので、磁電変換素子122から出力される出力信号が被測定電流Iの電流値に対して小さくなり、電流センサ100のオフセット温度特性が悪化する。そして、誘導磁界Hに含まれる磁界H2の方向は、磁電変換素子122に対するハードバイアス磁界HBの方向と逆方向となるので、被測定電流Iからの誘導磁界Hの印加によりハードバイアス磁界HBが相殺され、測定精度の線形性やヒステリシスが悪化する。なお、図5においては、磁電変換素子122の近傍について説明したが、磁電変換素子121においても被測定電流Iからの誘導磁界Hの方向が逆方向となること以外は同一の現象が生じる。
図7は、電流センサ1,100のオフセット温度特性を示す図である。図7Aにおいては、電流センサ1のオフセット温度特性を示し、図7Bにおいては、電流センサ100のオフセット温度特性を示している。なお、図7においては、第4通流部114及び第5通流部115の全長D9,D10と第4通流部114及び第5通流部115の幅D5,D8との比率を変化させた場合のオフセット温度特性を示している。
図7Aに示すように、電流センサ1においては、第4通流部114及び第5通流部115の全長D9,D10と幅D5,D8との比率を変化させても、感度軸S1,S2における磁界H1と被測定電流Iの電流値との関係が変化しない(図7Aの実線L1参照)。この結果から、電流センサ1においては、第4通流部114及び第5通流部115の全長D9,D10を短縮化してもオフセット温度特性が変化しないことが分かる。
図7Bに示すように、電流センサ100においては、第4通流部114及び第5通流部115の全長D9,D10と幅D5,D8との比率を変化させると、感度軸S1,S2における磁界H1と被測定電流Iの電流値との関係が変化し(図7Bの実線L2及び一点鎖線L3参照)、被測定電流Iの電流値の大きさに応じて、オフセット温度変動幅Wが生じる。この結果から、電流センサ100においては、第4通流部114及び第5通流部115の全長D9,D10を短縮化するとオフセット温度特性が悪化することが分かる。
図8は、電流センサ1,100の測定精度の線形性及びヒステリシス特性を示す図である。図8Aにおいては、電流センサ1の測定精度の線形性及びヒステリシス特性を示し、図8Bにおいては、電流センサ100の測定精度の線形性及びヒステリシス特性を示している。なお、図8においては、第4通流部114及び第5通流部115の全長D9,D10と幅D5,D8との比率を変化させた場合の測定精度の線形性及びヒステリシス特性を示している。
図8Aに示すように、電流センサ1においては、第4通流部114及び第5通流部115の全長D9,D10を変化させても被測定電流Iに対する磁電変換素子121,122の感度軸S1,S2に直交する方向における磁界H2が生じないので、被測定電流Iの電流値が変化した際の電流センサ1の線形性の変動幅が小さく、ヒステリシスが良好であることが分かる。
図8Bに示すように、電流センサ100においては、第4通流部114及び第5通流部115の全長D9,D10を変化させると磁電変換素子121,122の感度軸S1,S2に直交する方向における磁界H2により、被測定電流Iの電流値が変化した際の電流センサ100の線形性の変動幅が大きく、ヒステリシスが悪化することが分かる。
以上説明したように、上記実施の形態に係る電流センサ1によれば、第4通流部114及び第5通流部115の全長D9,D10と幅D5,D8との比率が変化しても、被測定電流Iが第4通流部114及び第5通流部115を斜めに流れることがない。これにより、第4通流部114及び第5通流部115の全長を短縮した場合においても、磁電変換素子121,122の感度軸S1,S2の方向と同一方向から被測定電流Iからの誘導磁界Hが磁電変換素子121,122に印加されるので、導電部材11が小型化されても良好な測定精度を維持できる電流センサ1を実現できる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る電流センサ2について説明する。第2の実施の形態においては、第4通流部及び第5通流部が、第1通流部及び第2通流部が延びる方向に対して斜めに延びるように、第4通流部及び第5通流部に切り欠きを設けた例について説明する。なお、以下においては、上述した第1の実施の形態に係る電流センサ1との相違点を中心に説明する。また、電流センサ2においては、電流センサ1と共通する構成要素には同一の符号を付している。
図9は、本実施の形態に係る電流センサ2の平面模式図である。図9に示すように、電流センサ2においては、第1通流部211は、その長辺に沿う方向(図9において紙面左右方向。以下、長手方向という。)における端部が、長手方向に対して斜めである。第2通流部212は、長手方向に対して斜めである。第3通流部213は、両端部が長手方向に対して斜めである。
第4通流部214は、平面視にて略平行四辺形形状を有しており、均一な幅寸法を有する。第4通流部214は、外側面214bの第1通流部211近傍の領域が平面視にて三角形状に切り欠かれて設けられた第1切り欠き部214cと、内側面214aの第3通流部213近傍の領域が平面視にて三角形状に切り欠かれて設けられた第2切り欠き部214dと、を有する。このように第1切り欠き部214c及び第2切り欠き部214dを設けることにより、第4通流部214が延びる方向に沿って、第1通流部211から第3通流部213まで延びる直線状の領域214eが第4通流部214に設けられる。この直線状の領域214eを設けることにより、第4通流部214を流れる被測定電流Iが領域214e内を流れるので、第4通流部214を流れる被測定電流Iから生じる誘導磁界Hの方向を揃えることができる。
第4通流部214の内側面214aは、第1通流部211の端面211bとつながっている。第4通流部214の外側面214bは、第3通流部213の端面213cとつながっている。このような第4通流部214を設けることにより、第4通流部214の強度を確保することができる。
第4通流部214は、第3通流部213側の接続部214hが、第1通流部211側の接続部214fに対して外側となるように設けられている。このように第4通流部214を設けることにより、第4通流部214を流れる被測定電流Iが、第4通流部214の幅方向における中央部で方向を変えて第4通流部214を流れるので、第4通流部214が延びる方向に沿って第4通流部内214に被測定電流Iを流すことができる。
第5通流部215は、第3通流部213側の接続部215hが第2通流部212側の接続部215fに対して外側となるように設けられている。このように第5通流部215を設けることにより、第5通流部215を流れる被測定電流Iが、第5通流部215の幅方向における中央部近傍で方向を変えて第5通流部215を流れるので、第5通流部215が延びる方向に沿って第5通流部215内に被測定電流Iを流すことができる。
第4通流部214及び第5通流部215は、第1通流部211及び第2通流部212側の接続部214f,215f間の間隔D11に対して、第3通流部213側の接続部214h間の間隔D12が相対的に大きくなるように配置される。このように第4通流部214及び第5通流部215を配置することにより、第4通流部214及び第5通流部215を流れる被測定電流Iが、内側面214a,215a側に向けて流れることを防ぐことができるので、第4通流部214及び第5通流部215が延びる方向に沿って被測定電流Iを流すことができる。
第5通流部215は、平面視にて略平行四辺形形状を有しており、均一な幅寸法を有する。第5通流部215は、内側面215aの第3通流部213近傍の領域が平面視にて三角形状に切り欠かれて設けられた第4切り欠き部215cと、外側面215bの第2通流部212近傍の領域が平面視にて三角形状に切り欠かれて設けられた第3切り欠き部215dと、を有する。このように第4切り欠き部215c及び第3切り欠き部215dを設けることにより、第5通流部215が延びる方向に沿って、第3通流部213から第2通流部212まで延びる直線状の領域215eが第5通流部215に設けられる。この直線状の領域215eを設けることにより、第5通流部215を流れる被測定電流Iが領域215e内を流れるので、第5通流部215を流れる被測定電流Iから生じる誘導磁界Hの方向を揃えることができる。
第5通流部215の内側面215aは、第2通流部212の端面212bとつながっている。第5通流部215の外側面215bは、第3通流部213の端面213dとつながっている。このような第5通流部215を設けることにより、第5通流部215の強度を確保することができる。
すなわち、本実施の形態に係る電流センサ2においては、第4通流部214及び第5通流部215が、第1通流部211及び第2通流部212が延びる方向に対して斜めに延びるように設けられる。このような第4通流部214及び第5通流部215を設けることにより、第4通流部214及び第5通流部215が延びる方向に沿って被測定電流Iが第4通流部214及び第5通流部215を流れるので、上述した第1の実施の形態に係る電流センサ1と同様の効果を得ることができる。
次に、図10及び図11を参照して、本実施の形態に係る電流センサ2に被測定電流Iを流した際の被測定電流Iの流路について詳細に説明する。図10は、電流センサ2に被測定電流Iの流路の説明図であり、図11は、図10の磁電変換素子122近傍の部分拡大図である。
図10に示すように、導電部材21を流れる被測定電流Iは、第1通流部211から導電部材21内の最短距離を経由して第2通流部212に向けて流れる。第1通流部211を流れる被測定電流Iは、第1通流部211の中央部から第1通流部211と第4通流部214との接続部分に向けて第1通流部211を斜めに流れる。ここで、第4通流部214における第1通流部211との接続部分の近傍の領域には、外側面214bから第4通流部214の幅方向における中央部に向けて第1切り欠き部214cが設けられているので、被測定電流Iは、第4通流部214の中央部で方向を変えて領域214e内を第4の通流部214が延びる方向に向けて流れる。
そして、第4通流部214における第3通流部211との接続部分の近傍の領域には、内側面214aから第4通流部214の幅方向における中央部に向けて第2切り欠き部214dが設けられているので、領域214e内を流れる被測定電流Iは、第4通流部214の中央部で方向を変えて第3の通流部213が延びる方向に向けて流れる。この結果、被測定電流Iは、第1通流部211から第3通流部213に向けて第4通流部214内の領域214e内を第4通流部214が延びる方向に沿って直線状に流れる。
第3通流部213を流れる被測定電流Iは、第3通流部213の側面の近傍の領域を、第3通流部213が延びる方向に沿って第5通流部215に向けて流れる。ここで、第5通流部215における第3通流部213との接続部分の近傍の領域には、内側面215aから第5通流部215の幅方向における中央部に向けて第4切り欠き部215cが設けられているので、被測定電流Iは、第5通流部215の中央部で方向を変えて領域215e内を第5の通流部215が延びる方向に向けて流れる。
そして、第5通流部215における第2通流部212との接続部分の近傍の領域には、外側面215bから第5通流部215の幅方向における中央部に向けて第3切り欠き部215dが設けられているので、領域215e内を流れる被測定電流Iは、第5通流部215の中央部で方向を変えて第2の通流部212に向けて流れる。この結果、被測定電流Iは、第3通流部213から第2通流部212に向けて第5通流部215内の領域215e内を第5通流部215が延びる方向に沿って直線状に流れる。第2通流部212内を流れる被測定電流Iは、第5通流部215との接続部分から第2通流部212の幅方向における中央部に向けて斜めに流れる。
図11に示すように、電流センサ2においては、第5通流部215が延びる方向に沿って被測定電流Iが直線状に流れるので、第5通流部215の幅方向に沿って外側面215bに対する垂直方向から被測定電流Iからの誘導磁界Hが印加される。この結果、被測定電流Iからの誘導磁界Hの方向と磁電変換素子122の感度軸S2の方向とが一致するので、被測定電流Iからの誘導磁界Hの方向と感度軸S2の方向との角度ずれを低減できる。これにより、磁電変換素子122に対する感度軸S2の方向における磁界H1と被測定電流Iからの誘導磁界Hとが一致するので、磁電変換素子122から被測定電流Iの電流値に応じた出力信号が出力され、電流センサ2のオフセット温度特性の悪化を抑制できる。また、被測定電流Iからの誘導磁界Hの方向と磁電変換素子122に対するハードバイアス磁界HBの方向とが直交するので、ハードバイアス磁界HBに対する悪影響を防ぐことができ、測定精度の線形性やヒステリシスの悪化を防ぐことができる。なお、図11においては、磁電変換素子122の近傍について説明したが、磁電変換素子121においても被測定電流Iからの誘導磁界Hの方向が逆方向となること以外は同一の作用効果を奏する。
以上説明したように、上記実施の形態に係る電流センサ2によれば、第4通流部214及び第5通流部215の全長と幅との比率が変化しても、被測定電流Iが第4通流部214及び第5通流部215を斜めに流れることがない。これにより、第4通流部214及び第5通流部215の全長を短縮した場合においても、磁電変換素子121,122の感度軸S1,S2の方向と同一方向から被測定電流Iからの誘導磁界Hが磁電変換素子121,122に印加されるので、導電部材21が小型化されても良好な測定精度を維持できる電流センサ2を実現できる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することができる。例えば、導電部材の大きさや形状等は、効果が得られる範囲で適宜変更可能である。磁電変換素子の配置位置は任意に設定することができる。また、上記実施の形態における各構成の接続関係、位置、大きさ、範囲などは適宜変更して実施することが可能である。さらに、上記実施の形態においては、導電部材に設ける切り欠きが平面視にて凹状(矩形形状)又は略三角形状の例について説明したが、切り欠きの形状については、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更可能である。その他、本発明は、適宜変更して実施することができる。また、本実施の形態において示される構成は、他の実施の形態において示される構成と適宜組み合わせて実施することができる。
なお、本明細書において、導電路(導電部材)の「切り欠き」とは、導電部材の一部を凹状に切り欠いたものであってもよく、導電部材の端部を平面視にて三角形状に切り欠いたものであってもよい。以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明は、被測定電流の流れる導電部材が小型化されても良好な測定精度を維持できるという効果を有し、特に、電流路を構成するU字状の導電部材が小型化された電流センサの構成として好適に用いることができる。
1,2,100 電流センサ
11,21 導電部材
111,211 第1通流部
111a,112a,213c,213d 端面
111b,112b,113a 側面
112,212 第2通流部
113,213 第3通流部
114,214 第4通流部
114a,115a,214a,215a 内側面
114b,115b,214b,215b 外側面
114c,214c 第1切り欠き部
114d,214d 第2切り欠き部
114e,115e,214e,215e 領域
115,215 第5通流部
115d,215d 第3切り欠き部
115c,215c 第4切り欠き部
121,122 磁電変換素子
D1〜D8 幅
D9〜D10 全長
D11,D12 間隔
H 誘導磁界
I 被測定電流

Claims (5)

  1. 被測定電流が流れる導電部材と、前記被測定電流からの誘導磁界により出力信号を出力する磁電変換素子と、を具備し、
    前記導電部材は、同一直線上に離間して配置された第1通流部及び第2通流部と、前記第1通流部及び前記第2通流部に対して平行に配置された第3通流部と、前記第1通流部の一部と前記第3通流部の一部とを繋ぐように配置された第4通流部と、前記第2通流部の一部と前記第3通流部とを繋ぐように配置された第5通流部と、を有し、前記磁電変換素子は、前記第4通流部及び前記5通流部にそれぞれ配置され、感度軸が同一方向に揃えられ、
    前記第4通流部は、前記第3通流部側の接続部が前記第1通流部側の接続部に対して外側になるように配置され、
    前記第5通流部は、第3通流部側の接続部が前記第2通流部側の接続部に対して外側になるように配置され、
    前記第4通流部及び前記第5通流部は、前記第1通流部及び前記第2通流部側の接続部間の間隔に対して、前記第3通流部側の接続部間の間隔が相対的に大きいことを特徴とする電流センサ。
  2. 前記第4通流部は、前記第1通流部及び前記第3通流部が延びる方向に対して直交する方向において、前記第1通流部から前記第3通流部まで直線状に延在する領域を有し、前記第5通流部は、前記第3通流部及び前記第2通流部が延びる方向に対して直交する方向において、前記第3通流部から前記第2通流部まで直線状に延在する領域を有することを特徴とする請求項1記載の電流センサ。
  3. 前記磁電変換素子が、前記直線状に延在する領域上配置されていることを特徴とする請求項2記載の電流センサ。
  4. 前記第4通流部は、外側面において前記磁電変換素子の配置位置より前記第1通流部に近い領域に設けられた第1切り欠き部と、内側面において前記磁電変換素子の配置位置より第3通流部に近い領域に設けられた第2切り欠き部と、を有し、前記第5通流部は、前記外側面において前記磁電変換素子の配置位置より前記第2通流部に近い領域に設けられた第3切り欠き部と、前記内側面において前記磁電変換素子より前記第3通流部に近い領域に設けられた第4切り欠き部と、を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電流センサ。
  5. 前記第4通流部及び前記第5通流部が、前記第1通流部及び前記第2通流部が延びる方向に対して斜めに延びることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電流センサ。
JP2012138108A 2012-06-19 2012-06-19 電流センサ Pending JP2014002070A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012138108A JP2014002070A (ja) 2012-06-19 2012-06-19 電流センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012138108A JP2014002070A (ja) 2012-06-19 2012-06-19 電流センサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014002070A true JP2014002070A (ja) 2014-01-09

Family

ID=50035368

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012138108A Pending JP2014002070A (ja) 2012-06-19 2012-06-19 電流センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014002070A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020090296A1 (ja) * 2018-11-01 2020-05-07 株式会社村田製作所 電流センサ
WO2020090297A1 (ja) * 2018-11-01 2020-05-07 株式会社村田製作所 電流センサ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020090296A1 (ja) * 2018-11-01 2020-05-07 株式会社村田製作所 電流センサ
WO2020090297A1 (ja) * 2018-11-01 2020-05-07 株式会社村田製作所 電流センサ
US11555835B2 (en) 2018-11-01 2023-01-17 Murata Manufacturing Co., Ltd. Current sensor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5482736B2 (ja) 電流センサ
JP5648246B2 (ja) 電流センサ
JP5411285B2 (ja) 磁気平衡式電流センサ
US9964601B2 (en) Magnetic sensor
JP4394076B2 (ja) 電流センサ
WO2013005458A1 (ja) 電流センサ
JP6658676B2 (ja) 電流センサ
US9201101B2 (en) Current sensor
US9933462B2 (en) Current sensor and current measuring device
US11808791B2 (en) Current sensor for improved functional safety
JP6409970B2 (ja) 電流センサ
JP2011047930A (ja) 磁気抵抗効果素子およびセンサ
JP2018072299A (ja) 電流センサ
JP2015219227A (ja) 磁気センサ
JP6311790B2 (ja) 電流センサ
WO2013038867A1 (ja) 電流センサ
JP2013088370A (ja) 電流センサ
JP6321323B2 (ja) 磁気センサ
JP2014002070A (ja) 電流センサ
JP2012052980A (ja) 電流センサ
JP2013108787A (ja) 電流センサ
JP5413866B2 (ja) 磁気検出素子を備えた電流センサ
JP6378338B2 (ja) 磁気センサ
JP5487403B2 (ja) 電流センサ
JP2015169460A (ja) 磁気センサおよび電流センサ

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20131129

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140115