JP2014001980A - 分析用器具、乾燥装置および分析装置 - Google Patents

分析用器具、乾燥装置および分析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】器具の内部に導入された試剤中の溶媒を、簡易な方法で、確実に乾燥させる。
【解決手段】分析用器具1は、試剤を充填するための試剤充填部4を備えている。試剤充填部4には、試剤充填部4に試剤を導入するための試剤導入口5が形成されているとともに、試剤導入口5とは異なり、かつ、試剤充填部4から分析用器具1の外部に通じ、試剤中の溶媒を乾燥させるための乾燥処理流路6が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、試剤中の溶質成分、または、試剤とは異なる試料中の成分を分析するために当該試剤を保管可能な分析用器具などに関するものである。
従来から、試剤中に存在する溶質成分などを分析することは、エレクトロニクス、メカトロニクス等の分野における製造プロセスの精度管理(例えば、異物混入の検査など)において重要である。また、バイオテクノロジーの分野では、健康状態および病気の診断や医薬品製造等において古くから上記溶質成分などの分析、すなわち当該溶質成分の形態の観察またはその数の計数、または溶質成分の濃度分析などが行われてきた。
上記の分析を実現するために、例えば、特許文献1には、観察対象物の数を算出するための計数部を有する本体と、計数部を覆う透明な平板状のカバーとを有する計数盤が開示されている。また、特許文献2には、同様に、計算板本体と透明の観察プレートとを備え、これらの部材の間に接着剤およびスペーサーが設けられた血球計算板が開示されている。
さらに、特許文献3には、ベース基板と、中空構造部が形成される厚膜レジストと、現像液注入孔を有するカバー基板と、からなる血球計数センサが開示されている。この現像液注入孔は、中空構造部形成時に現像液が注入されるために使用されるか、または、血球計数時に試料血液を流すために使用される。
また、特許文献4には、血液試料を保持可能な中空部の少なくとも1箇所に分析孔を設けた分析容器が開示されている。この分析孔は、血球成分と、血漿または血清成分とを分離した後に、当該血漿または血清成分を取り出すために使用されるか、または、当該取り出しのための空気を押し込むために使用される。
さらに、被観察対象に含まれる液体成分を乾燥および蒸発させる機構が、特許文献5〜7に開示されている。当該乾燥および蒸発方法として、特許文献5には、被観察対象をアルコールと接触させる方法が開示されている。特許文献6には、乾燥雰囲気の温度または湿度などを制御することにより、当該メタフェーズを適正形状とする方法が開示されている。特許文献7には、観察皿の温度を一定に保つために、リングダクトから観察皿に温度制御された空気を吹き付ける温度制御装置が開示されている。
特開2010−101869号公報(2010年5月 6日公開) 特開平11 −160310号公報(1999年6月18日公開) 特開2007− 51964号公報(2007年3月 1日公開) 特開昭63 − 19556号公報(1988年1月27日公開) 特開平11 −237323号公報(1999年8月31日公開) 特開2002−257821号公報(2002年9月11日公開) 特開2003−116518号公報(2003年4月22日公開)
しかしながら、特許文献1〜4の器具は、導入された試剤を乾燥させて用いるというものではない。特許文献3の中空構造部に現像液注入孔が接続され、特許文献4の中空部に分岐孔が接続されているが、現像液注入孔および分岐孔は、現像液または試剤などを通過させるためのものであり、中空構造部および中空部に導入された試剤を乾燥させるためのものではない。
したがって、特許文献1〜4の器具の内部において試剤を自然乾燥させる場合、試剤導入口および/または試剤導出口のみを介して当該試剤を外気と接触させることになるため、確実に乾燥させることが困難である。また、確実に乾燥させる場合であっても、その乾燥にはある程度長い時間を要することとなる。さらに、器具の内部にて試剤を保管する場合には、一般に、当該内部は閉空間を構成する。そのため、内部の試剤は、外気との接触がないので、確実な乾燥はさらに困難となる。
また、乾燥促進のために、特許文献1などの器具において、カバーを着脱可能な構成とすることも考えられるが、その着脱の自動化には複雑な機構が必要となってしまう。
また、特許文献5〜7では、アルコール添加機構、ヒーター、リングダストおよび温度制御機構など、試剤を乾燥させるための機構が複雑である。また、試剤へのアルコール添加、空気の吹き付け、試剤周りの温度変化などは、試剤に直接的な影響を与えるため、試剤中の溶質成分(例えば酵素、細胞などの生体分子)にダメージを与える可能性があった。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、その目的は、器具の内部に導入された試剤中の溶媒を、簡易な方法で、確実に乾燥させることが可能な分析用器具、当該分析用器具の利用に供する乾燥装置および分析装置を提供することにある。
本発明に係る分析用器具は、上記の課題を解決するために、試剤中の溶質成分または前記試剤とは異なる試料中の成分を分析するために前記試剤を保管可能な分析用器具であって、前記試剤を充填するための試剤充填部を備え、前記試剤充填部には、前記試剤充填部に前記試剤を導入するための試剤導入口が形成されているとともに、前記試剤導入口とは異なり、かつ、前記試剤充填部から前記分析用器具の外部に通じ、前記試剤中の溶媒を乾燥させるための乾燥処理流路が形成されていることを特徴としている。
前記構成によれば、試剤充填部に充填された試剤が、試剤導入口とは異なる乾燥処理流路を介して分析用器具の外部と通じることになるので、試剤に熱などを与えることなく、試剤中の溶媒を乾燥させることができる。それゆえ、本発明の分析用器具は、熱による試剤の変質などの悪影響を抑制して、前記溶媒を確実に乾燥させ、試剤を保管することができる。
したがって、本発明の分析用器具によれば、分析用器具の内部に導入された試剤中の溶媒を、簡易な方法で、確実に乾燥させることができる。
さらに、本発明に係る分析用器具では、前記乾燥処理流路は、前記試剤充填部に充填された前記試剤を通過せず、かつ、前記試剤中の溶媒のうち気化した溶媒を通過する流路であることが好ましい。
前記構成によれば、乾燥処理流路は、試剤中の気化した溶媒を通過させるので、試剤充填部に充填された試剤を確実に乾燥させることができる。また、乾燥処理流路は、試剤を通過させないので、試剤中の溶媒を乾燥させる目的で乾燥処理流路を形成したとしても、試剤が分析用器具の外部に漏れ出ることを防ぐことができる。
すなわち、乾燥処理流路から試剤が漏れ出ることを防ぎつつ、試剤中の溶媒を乾燥させることができる。
また、試剤が漏れ出ることを防ぐことができるので、試剤の体積の定量を確実に行うことができる。
さらに、本発明に係る分析用器具では、前記乾燥処理流路は、前記試剤充填部に充填された前記試剤の、前記分析用器具の外部への漏出を防ぐための漏出防止機構を有していることが好ましい。
前記構成によれば、乾燥処理流路が漏出防止機構を有することにより、試剤充填部に充填された試剤を通過させないといった乾燥処理流路の構成を実現でき、乾燥処理流路を介して、試剤が分析用器具の外部に漏れ出ることを防ぐことができる。
さらに、本発明に係る分析用器具では、前記漏出防止機構は、前記試剤を前記試剤導入口から前記試剤充填部に導入するときの導入圧力に対して逆向きで、かつ、前記導入圧力の絶対値よりも大きな値を有する圧力を、前記試剤に対して印加することが可能な機構であることが好ましい。
前記構成によれば、漏出防止機構が前記圧力を印加可能な機構であることにより、試剤充填部に充填された試剤を通過させないといった乾燥処理流路の構成を実現できる。
さらに、本発明に係る分析用器具では、前記漏出防止機構は、前記乾燥処理流路の内壁の少なくとも一部に形成された、前記試剤に対して撥液性を有する部材で構成されていることが好ましい。
前記構成によれば、乾燥処理流路の内壁の少なくとも一部が撥液性を有することにより、導入される試剤に対して、導入方向とは逆向きの圧力を印加することができる。
さらに、本発明に係る分析用器具では、前記乾燥処理流路の相当直径をD、前記試剤の前記乾燥処理流路における接触角をθ、前記試剤の表面張力をγ、前記試剤を前記試剤導入口から前記試剤充填部に導入するときの導入圧力をPとしたとき、
|2・γ・cosθ /(D/2)|>|P|
の関係を満たすことが好ましい。
前記構成によれば、導入される試剤に対して、導入方向とは逆向きで、かつ、導入圧力の絶対値よりも大きな値を有する圧力を印加することが可能な漏出防止機構を実現できる。
さらに、本発明に係る分析用器具では、前記乾燥処理流路の相当直径をD、前記試剤中の溶媒と、前記試剤中の溶媒のうち気化した溶媒との密度差をΔρ、前記試剤の表面張力をγ、重力加速度をgとしたとき、
g・Δρ・D/γ<1
の関係を満たすことが好ましい。
前記構成によれば、乾燥処理流路から試剤が漏れ出ることを防ぐことが可能な乾燥処理流路の形状を実現できる。
さらに、本発明に係る分析用器具では、前記乾燥処理流路の径は、0.5μm以上2.2mm以下であることが好ましい。
前記構成によれば、導入される試剤に対して、導入方向とは逆向きで、かつ、導入圧力の絶対値よりも大きな値を有する圧力を印加することができる。
さらに、本発明に係る分析用器具では、前記乾燥処理流路は、前記試剤充填部に複数形成されていることが好ましい。
前記構成によれば、乾燥処理流路が複数形成されていることにより、乾燥処理流路を介して分析用器具の外部の気体と接触する、試剤充填部に充填された試剤の面積を増やすことができる。したがって、試剤中の溶媒を迅速に乾燥させることができる。
さらに、本発明に係る分析用器具では、前記試剤充填部を、前記試剤充填部の厚みの中央部分を含む平面で分割したときの、前記試剤充填部の一方に、前記乾燥処理流路が形成されていることが好ましい。
前記構成によれば、前記試剤充填部の一方にのみ乾燥処理流路を形成できる。したがって、前記試剤充填部の他方または当該他方と対向する分析用器具の外側に、前記溶質成分検出用の電極や光検出を可能とする素子等を自由に構築することができる。
さらに、本発明に係る分析用器具では、前記試剤充填部を、前記試剤充填部の厚みの中央部分を含む平面で分割したときの、前記試剤充填部の両側に、前記乾燥処理流路が形成されていることが好ましい。
前記構成によれば、前記試剤充填部の両方に乾燥処理流路を形成できる。したがって、試剤充填部の一方に乾燥処理流路が形成された場合と比べ、より迅速に試剤中の溶媒を乾燥させることができる。
さらに、本発明に係る分析用器具では、前記乾燥処理流路は、前記試剤充填部に複数形成されており、前記乾燥処理流路は、前記試剤充填部に対して略等間隔に配置されていることが好ましい。
前記構成によれば、試剤充填部に充填された試剤中の溶媒の乾燥を均一に行うことができる。
さらに、本発明に係る分析用器具では、前記乾燥処理流路の一端の断面を含む前記試剤充填部の断面積に対する前記乾燥処理流路の断面積の面積比が、0.3より大きく1より小さいことが好ましい。
前記構成によれば、確実に乾燥可能で、かつ、分析用器具として使用されるときに必要となる基板の耐性を保持できる程度に、試剤充填部に充填された試剤を、外部の気体に接触させることができる。
さらに、本発明に係る分析用器具では、前記乾燥処理流路は、前記試剤充填部の表面に対して略垂直に形成されていることが好ましい。
前記構成によれば、試剤充填部に充填された試剤と分析用器具の外部とを最小距離で結ぶことができるので、試剤中の溶媒の乾燥効率を向上させることができる。
さらに、本発明に係る分析用器具では、前記乾燥処理流路は、前記試剤充填部に複数形成されており、互いに隣接する前記乾燥処理流路の間隔は、前記試剤充填部の厚みの2倍以下であることが好ましい。
試剤充填部に充填された試剤中の溶媒の乾燥は、乾燥処理流路との接触箇所から等方的に進む。そのため、互いに隣接する乾燥処理流路の間隔が、試剤充填部の厚みの2倍よりも大きいと、厚み方向への乾燥が、試剤充填部の幅方向(厚み方向と垂直な方向)への乾燥よりも先に完了してしまい、乾燥後の試剤に濃度ムラが生じてしまう可能性がある。
前記構成によれば、厚み方向への乾燥が、試剤充填部の幅方向への乾燥よりも先に完了することを防ぐことができるゆえ、乾燥後の試剤に濃度ムラが生じることを防ぐことができる。
さらに、本発明に係る分析用器具では、前記試剤充填部の容積は、0.1μL以上10μL以下であることが好ましい。
前記構成によれば、分析対象となり得る試剤の量を前記容積の範囲(すなわち、微量)とすることができる。それゆえ、試剤中の溶媒の乾燥を迅速に行うことが可能となる。また、試剤または試剤とは異なる試料の微量分析を実現できる。
さらに、本発明に係る分析用器具では、前記溶質成分は、酵素、基質、抗原、抗体からなる群より選択されたものであることが好ましい。
前記構成によれば、本発明の分析用器具を、酵素、基質、抗原、抗体のいずれかに対する分析用器具として利用することができる。
さらに、本発明に係る分析用器具では、前記溶質成分は、細胞であるが好ましい。
前記構成によれば、本発明の分析用器具を、細胞に対する分析用器具として利用することができる。
さらに、本発明に係る分析用器具では、前記細胞は、血球であることが好ましい。
前記構成によれば、本発明の分析用器具を、血球に対する分析用器具として利用することができる。
さらに、本発明に係る乾燥装置は、前記に記載の分析用器具が備える前記試剤充填部に形成された前記乾燥処理流路の、前記分析用器具の外部との接触面である開口面近傍に送風する送風機構を備えている構成である。
前記構成によれば、乾燥係数を増大させることができるので、試剤中の溶媒の乾燥をさらに迅速に行うことができる。
また、乾燥により開口面近傍に発生する蒸気を、送風により、当該開口面近傍から逃がすことができる。それゆえ、蒸気発生による乾燥効率の低下を抑制することができる。
さらに、本発明に係る乾燥装置は、前記に記載の分析用器具が備える前記試剤充填部に形成された前記乾燥処理流路の、前記分析用器具の外部との接触面である開口面近傍の気圧を減少させる減圧機構を備えている構成である。
前記構成によれば、気相(分析用器具の外部の気体)と液相(試剤充填部に充填された試剤)との蒸気圧差を増大させることができるので、試剤中の溶媒の乾燥をさらに迅速に行うことができる。
さらに、本発明に係る乾燥装置は、前記に記載の分析用器具が備える前記試剤充填部に形成された前記試剤導入口を介して前記試剤充填部に前記試剤を送液する送液機構を備えている構成である。
前記構成によれば、乾燥装置において試剤充填部に試剤を充填することができる。
さらに、本発明に係る乾燥装置では、前記送液機構の送液圧力は、0.1kPa以上100kPa以下であることが好ましい。
前記構成によれば、乾燥処理流路から試剤が漏れ出ないように、試剤を試剤充填部に導入することができる。
さらに、本発明に係る分析装置は、前記試剤中の溶質成分または前記試剤とは異なる試料中の成分を光学的に分析する分析装置であって、前記に記載の分析用器具が備えている前記試剤充填部に導入された前記試剤または前記試剤とは異なる試料に対して照射された光を集光する集光素子を備え、前記集光素子は、その焦点位置が、前記試剤充填部の厚みの中央部分を含む平面と、前記分析用器具が前記分析装置に載置されたときの、前記試剤充填部の鉛直下側の内表面との間となるように配置されている構成である。
前記構成によれば、集光素子を備えることにより、試剤中の溶質成分または当該試剤とは異なる試料に対する光学的な分析を精度よく行うことができる。
また、乾燥後の試剤(溶質成分)は、自重により、試剤充填部の鉛直下側の内表面に堆積する。それゆえ、集光素子の焦点位置が前記中央部分を含む平面と前記内表面との間となるように、集光素子が配置されることにより、当該焦点位置を、前記試剤充填部における溶質成分の付着位置に適合させるための機構を備えることなく、当該溶質成分を分析できる。
さらに、本発明に係る分析装置では、前記集光素子は、その焦点位置が、前記試剤充填部の鉛直下側の内表面近傍となるように配置されていることが好ましい。
前記構成によれば、集光素子の焦点位置を、前記内表面に付着した溶質成分に適合させることができる。
さらに、本発明に係る分析装置では、前記集光素子は、その焦点位置が、前記試剤充填部の鉛直下側の内表面と、前記内表面に付着した前記試剤中の溶質成分の最大直径との間となるように配置されていることが好ましい。
前記構成によれば、集光素子の焦点位置を、前記内表面に付着した溶質成分に確実に適合させることができる。
さらに、本発明に係る分析装置では、前記試剤充填部を、前記試剤充填部の厚みの中央部分を含む平面で分割したときの、前記試剤充填部の一方に、前記乾燥処理流路が形成されており、前記集光素子は、前記分析用器具が前記分析装置に載置されたときに、前記試剤充填部の他方と対向する位置となるように配置されていることが好ましい。
前記構成によれば、集光素子の集光経路に乾燥処理流路がないので、乾燥処理流路による散乱または屈折の影響を抑制できる。それゆえ、溶質成分の分析を高精度に行うことができる。
本発明に係る分析用器具は、以上のように、前記試剤を充填するための試剤充填部を備え、前記試剤充填部には、前記試剤充填部に前記試剤を導入するための試剤導入口が形成されているとともに、前記試剤導入口とは異なり、かつ、前記試剤充填部から前記分析用器具の外部に通じ、前記試剤中の溶媒を乾燥させるための乾燥処理流路が形成されている構成である。
それゆえ、本発明の分析用器具によれば、分析用器具の内部に導入された試剤中の溶媒を、簡易な方法で、確実に乾燥させることができる。
本発明の一実施形態に係る分析用器具の概略構成の一例を示す図であり、(a)はその斜視図、(b)は(a)に示すA−A’線で分析用器具を切ったときの断面図である。 (a)〜(c)は、上記分析用器具の構成の変形例を示す図である。 上記分析用器具の試剤充填部に導入された試剤中の溶媒が「均一に」乾燥していくための条件を説明するための図であり、(a)は互いに隣接する乾燥処理流路の間隔が試剤充填部の厚みの2倍以下である場合の乾燥の進み方を示す図であり、(b)は互いに隣接する乾燥処理流路の間隔が試剤充填部の厚みの2倍よりも大きい場合の乾燥の進み方を示す図である。 (a)〜(e)は、上記乾燥処理流路の様々な断面形状を示す図である。 (a)〜(f)は、上記乾燥処理流路の断面形状が台形である場合の、上記試剤充填部への試剤導入のシーケンスを説明するための図である。 上記乾燥処理流路の内壁に撥液性部材がコーティングされた分析用器具の一例を示す概略図である。 上記乾燥処理流路の内壁に撥液性部材がコーティングされた分析用器具の別例を示す概略図である。 (a)および(b)は、上記試剤充填部の内壁に親液性部材がコーティングされた分析用器具の一例を示す概略図である。 (a)および(b)は、上記試剤充填部が流路構造である場合の一例を示す概略図である。 (a)および(b)は、本発明の一実施形態に係る乾燥装置の概略構成の一例を示す概略図である。 上記乾燥装置の概略構成の別例を示す概略図である。 上記乾燥装置の概略構成の更なる別例を示す概略図である。 (a)および(b)は、本発明の一実施形態に係る分析装置の概略構成を説明するための概略図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。説明の便宜上、図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態に係る分析用器具(マイクロ流体チップ)は、試剤充填部に試剤を導入後、試剤中の溶媒を乾燥させることで、試剤中の溶質成分が試剤充填部に固定(保管)させることができるというものである。
なお、以下の物性値等の説明においては、説明簡略化のために、試剤の溶媒は水、分析用器具を取り巻く外気が空気であるものとして説明する。また、特に言及がない限り、試剤は血液(試剤に含まれる溶質成分が血球)であるものとして説明するが、これに限られない。すなわち、溶質成分が、血球以外の細胞を含む試剤であってもよく、また、酵素、基質、抗原、抗体からなる群より選択されたものを含む試剤であってもよい。すなわち、本実施形態における「溶質成分」の意味は、試剤中に溶けている成分のみではなく、試剤中に分散しているタンパク質や細胞等の成分を含む。
<分析用器具1>
まず、図1に基づき、本発明の一実施形態である分析用器具1の全体的な概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係る分析用器具1の概略構成の一例を示す図であり、(a)はその斜視図、(b)は(a)に示すA−A’線で分析用器具1を切ったときの断面図である。
図1(a)に示すように、分析用器具1は、試剤中の溶質成分または試剤とは異なる試料中の成分を分析するために、当該試剤を保管可能な器具である。
すなわち、試剤が血液である場合、血球(溶質成分)を含む血液を乾燥させた後に当該血球の分析が行われることになる。この場合、分析用器具1は、分析(測定)対象である血球を含む血液を保管するものとして利用されるものとなる。また、試剤中の溶質成分が酵素である場合、酵素を含む試剤を乾燥させた後、試剤充填部4に分析対象となる試料の溶質成分(試剤とは異なる物質、例えば基質)を含む試料を導入し、その基質の分析が行われることになる。この場合、分析用器具1は、分析対象である試料の前処理のための試剤を保管するものとして利用されるものとなる。試剤中の溶質成分が基質である場合、上述の酵素と基質とを入れ替えることで、また、試剤中の溶質成分が抗原および/または抗体である場合には、上述の酵素と抗体とを入れ替えたり、上述の基質と抗原との関係を入れ替えたりすることで同様に利用されるものとなる。
分析用器具1は、図1(a)および(b)に示すように、主として、下部基板2a、上部基板2b(一対の基板)、スペーサー3、試剤充填部4、試剤導入口5、乾燥処理流路6から構成されている。
下部基板2aおよび上部基板2bは、スペーサー3とともに、試剤充填部4および試剤導入口5を構成するものである。すなわち、下部基板2aおよび上部基板2bがスペーサー3によって固定されることにより、図1(b)に示すように、所定の厚みTを有する試剤充填部4を形成することができる。
下部基板2a、上部基板2bおよびスペーサー3の材質としては、ガラス、石英、樹脂(例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)または環状ポリオレフィン(COP))等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
試剤充填部4は、試剤を充填するためのものであり、試剤充填部4には、試剤充填部4に試剤を導入するための試剤導入口5が形成されている。すなわち、下部基板2a、上部基板2bおよびスペーサー3によって形成された試剤充填部4の開口が試剤導入口5である。
また、試剤充填部4には、試剤導入口5とは異なり、かつ、試剤充填部4から分析用器具1の外部に通じ、試剤中の溶媒を乾燥させるための乾燥処理流路6が形成されている。例えば、上部基板2bに対して、ウエットエッチングおよび/またはドライエッチング、切削加工等の公知の手法が実施されることにより、乾燥処理流路6が形成される。
試剤充填部4に乾燥処理流路6が形成されることにより、試剤充填部4に充填された試剤が、試剤導入口5とは異なる乾燥処理流路6を介して分析用器具1の外部と通じることになるので、試剤に直接熱または送風された空気などを与えることなく、試剤中の溶媒を乾燥させることができる。それゆえ、熱による試剤の変質などの悪影響を抑制して、試剤中の溶媒を確実に乾燥させ、試剤の溶質成分のみを乾燥保存することができる。すなわち、分析用器具1の内部に導入された試剤中の溶媒を、簡易な方法で、確実に乾燥させることができる。なお、試剤充填部4の具体的な形状などについては後述する。
また、図1(a)では、試剤充填部4の開口として、試剤導入口5のみが形成されている(すなわち、試剤充填部4の試剤導入口5と対向する側にはスペーサー(不図示)が設けられている)場合を示しているが、これに限らず、当該対向する側も開口となっており、当該開口が試剤を外部に導出するための試剤導出口として機能してもよい。この場合も、乾燥処理流路6は試剤導出口とは異なるものである。
その他、分析用器具1は、下部基板2a、上部基板2bおよびスペーサー3で構成される場合、図2に示すような形状であってもよい。
すなわち、図2(a)のように、一方の基板(同図では下部基板2a)が他方の基板(同図では上部基板2b)よりも、スペーサー3の延伸方向(試剤充填部4への試剤充填方向、同図のx方向)に長い構成であってもよい。
また、図2(b)のように、スペーサー3を設けない構成であってもよい。この場合、例えば、上部基板2bに対して、ウエットエッチングおよび/またはドライエッチング、切削加工、転写構造等の公知の手法が実施されることにより、試剤充填部4、試剤導入口5および乾燥処理流路6が形成される。そして、成形後の上部基板2bを下部基板2aと貼り合わせることにより、分析用器具1が完成する。
また、図2(c)のように、スペーサー3を設けず、かつ、試剤導入口5のほか、試剤充填部4の試剤導入口5と対向する側に試剤導出口7が設けられてもよい。なお、図2(b)と図2(c)とでは、上部基板2bの試料充填方向の長さ(それぞれの図のx方向)が異なるが、同じであってもよい。また、下部基板2aおよび上部基板2bの相対的な位置関係はどのような関係であってもよい。
以上のように、分析用器具1は、所定の厚みTで隔てられた1対の基板である下部基板2aおよび上部基板2bにより試剤を充填するための試剤充填部4が形成されている。また、分析用器具1は、試剤充填部4を形成する下部基板2aおよび上部基板2bの間に形成された試剤導入口5から導入された試剤中の溶質成分を試剤充填部4に保管するとともに、当該溶質成分等の分析に使用される。そして、当該分析用器具1の下部基板2aおよび上部基板2bの少なくとも1つに乾燥処理流路6が形成されている。
この構成により、分析用器具1によって、試剤充填部4に導入された試剤中の溶媒を、簡易な方法で、かつ確実に乾燥させることができる。また、乾燥処理流路6が形成される領域以外は、下部基板2aまたは上部基板2bという堅固な構造を有している。そのため、試剤充填部4に導入された試剤の体積は、試剤充填部4の容積で規定されることになる。それゆえ、試剤の定量化を図ることができる。
なお、上記のように、本実施形態の分析用器具1は、下部基板2aおよび上部基板2b(さらにスペーサー3)によって試剤充填部4および試剤導入口5が形成されているが、これに限られたものではない。すなわち、例えば一体成型された中空キャピラリーや、3枚以上の基板によって試剤充填部4および試剤導入口5が形成されてもよい。中空キャピラリーの場合も、試剤充填部4(キャピラリーの中空部)に対して試剤導入口5(キャピラリーの一端)とは異なる乾燥処理流路6を、例えば、切削加工等で形成(例えばキャピラリーの側面から中空部にかけて貫通孔を形成)することにより分析用器具1を供することができる。なお、試剤充填部4の厚みTは、下部基板2aおよび上部基板2bの間の距離であり、分析用器具1が中空キャピラリーで実現される場合には、その内径に相当する。
<試剤充填部4および乾燥処理流路6の構成例>
次に、図1、図3〜図5に基づき、試剤充填部4および乾燥処理流路6の構成例について説明する。なお、以下で説明する構成例はあくまで一例であり、下記の効果を奏する必要がなければ、下記に示す構成である必要は必ずしもない。
(乾燥について)
上記構成例を説明する前に「乾燥」について説明する。乾燥処理流路6は、試剤充填部4に導入した試剤中の溶媒を、(1)全て、(2)なるべく迅速に、(3)試剤中の溶質成分(生体分子)への影響を考慮して、当該溶質成分に直接熱を与えずに、乾燥させるような形状等に規定されることが好ましい。
また、時間あたりの乾燥量は、(a)乾燥係数(物質移動係数:水蒸気の拡散係数、および、送風等による当該水蒸気の移動係数)と、(b)気相(外気)と液相(試剤)との蒸気圧差と、(c)気相と液相界面との接触面積(乾燥処理流路6の表面積)と、に比例する。
以上を考慮すれば、乾燥処理流路6の表面積(乾燥処理流路6の一端の断面であり、試剤充填部4との接触面の面積)は大きく、試剤充填部4の容積(体積)は小さいことが好ましい。以下、このような分析用器具1を実現するための試剤充填部4および乾燥処理流路6の構成の具体例について説明する。
(乾燥処理流路6の径Wおよび個数)
上述のように、試剤充填部4に導入された試剤中の溶媒の乾燥を促進させるためには、乾燥処理流路6の径W(図1(b)参照)が大きいこと、すなわち、乾燥処理流路6の表面積が大きいことが好ましい。一方、試剤充填部4の容積定量性の確保、外気からのゴミ混入可能性の低減、後述する試剤充填部4からの試剤の漏出防止などを考慮すると、乾燥処理流路6の径Wは小さい方が好ましい。
この両立を図るためには、乾燥処理流路6の径Wは小さく、かつ、その個数はできるだけ多い方が好ましい。すなわち、図1(a)に示すように、乾燥処理流路6は、試剤充填部4に複数形成されていることが好ましい。この構成の場合、乾燥処理流路6を介して分析用器具1の外気と接触する、試剤充填部4に充填された試剤の面積(試剤充填部4の総表面積)を増やすことができる。したがって、試剤中の溶媒を迅速に乾燥させることができる。その他、上述の試剤充填部4の容積定量性の確保、ゴミ混入可能性の低減、試剤の漏出防止を図ることも可能となる。図1(a)の例では、複数の乾燥処理流路6は2次元状(一平面上)に形成されている。
本実施形態では、図1(b)に示すように、上部基板2bのみに乾燥処理流路6が形成されている。すなわち、試剤充填部4を、試剤充填部4の厚みTの中央部分を含む平面で分割したときの、試剤充填部4の一方に、乾燥処理流路6が形成されている。この場合、下部基板2aに乾燥処理流路6が形成されていないため、下部基板2aが鉛直下側となるように分析用器具1を載置したときに、重力によって乾燥処理流路6から試剤が漏れ出ることを防ぐことができる。
また、本実施形態では、乾燥処理流路6の径Wは、0.5μm以上2.2mm以下である。これにより、乾燥処理流路6が形成されても、試剤充填部4に導入された試剤が分析用器具1の外部へ漏れ出ないようにすることができる。この径Wの設定については、後述する。
なお、後述する試剤の漏出防止を図ることが可能であれば、乾燥処理流路6は、上部基板2bでなく、下部基板2aに形成されてもよい。すなわち、試剤充填部4を、試剤充填部4の厚みTの中央部分を含む平面で分割したときの、試剤充填部4の両側に、乾燥処理流路6が形成されてもよい。この場合、上部基板2bに加え下部基板2aにも乾燥処理流路6が形成されるので、さらに乾燥効率を高めることが可能となる。
また、試剤の乾燥のみを実現するのであれば、乾燥処理流路6は、例えば、1個のみで、かつ、径Wの大きさが上部基板2bのスペーサー3との接触部分を除く部分(図1の2点鎖線内)となるように、上部基板2bに形成されてもよい。
(乾燥処理流路6の長さd)
乾燥を促進させるためには、図1(b)に示す乾燥処理流路6の長さd(すなわち、上部基板2bの厚み)は短いことが好ましい。これは、乾燥処理流路6の一端(試剤充填部4との接触面)から他端(外気との接触面)までの距離が短い方が、蒸発した溶媒の移動距離が短くなるため、乾燥効率が高くなるためである。
一方で、乾燥処理流路6が形成される基板強度(図1(a)では上部基板2bの強度)および乾燥処理流路6の加工のし易さ(貫通孔の形成のし易さ)を考慮すれば、ある程度の長さが必要となる。
これらを考慮すれば、乾燥処理流路6の長さdは、10μm〜10mm、さらに好ましくは100μm〜1mmであることが好ましい。
(乾燥処理流路6の位置、間隔A)
乾燥効率を高めるためには、試剤充填部4の内部に導入された試剤に対して乾燥が「均一に」進むことが好ましい。この構成を実現するために、本実施形態では、複数形成された乾燥処理流路6は、試剤充填部4に対して略等間隔に配置(分布)されている。なお、乾燥処理流路6を用いて均一に乾燥させるために、乾燥時に試剤導入口5(および試剤導出口7)が塞いだ状態としてもよい。
また、図1(b)に示すように複数の乾燥処理流路6が形成されている場合、互いに隣接する乾燥処理流路6の間隔Aが試剤充填部4の厚みTの2倍以下となるように、乾燥処理流路6が形成されている。この構成の場合にも、乾燥を「均一に」行うことができる。以下、図3に基づき、その理由について説明する。
図3は、試剤充填部4に導入された試剤中の溶媒が「均一に」乾燥していくための条件を説明するための図であり、(a)は上記間隔Aが上記厚みTの2倍以下である場合の乾燥の進み方を示す図であり、(b)は上記間隔Aが上記厚みTの2倍よりも大きいである場合の乾燥の進み方を示す図である。同図では、試剤充填部4内に示す網掛け部分が、試剤充填部4に導入された試剤を示し、円の内部(網掛けがない部分)が当該試剤中の溶媒が乾燥した領域を示している。
図3(a)に示すように、試剤充填部4に充填された試剤中の溶媒の乾燥は、乾燥処理流路6との接触箇所から等方的に進む(円内の矢印方向)。そのため、図3(b)に示すように、互いに隣接する乾燥処理流路6の間隔Aが、試剤充填部4の厚みTの2倍よりも大きいと、厚み方向(z方向)への乾燥が、試剤充填部4の幅方向(厚み方向と垂直な方向;xおよびy方向)への乾燥よりも先に完了してしまい、乾燥後の試剤に濃度ムラが生じてしまう可能性がある。
図3(a)に示すように、上記間隔Aが上記厚みTの2倍以下であれば、上記厚み方向への乾燥が、試剤充填部4の幅方向への乾燥よりも先に完了することを防ぐことができるゆえ、乾燥後の試剤に濃度ムラが生じることを防ぐことができる。すなわち、乾燥の進行の「均一」化を実現することができる。
また、乾燥処理流路6が上部基板2bにのみ形成され、下部基板2a側を鉛直下側として分析用器具1を載置している場合、その上部基板2b側に試剤が残る状態で乾燥が進行することがない。すなわち、乾燥処理流路6が形成されていない下部基板2a側(試剤充填部4の底面)を試剤が覆った状態で乾燥が進行する。そのため、試剤中の溶質成分を試剤充填部4の底面に確実に付着させ、その状態で保管することができる。これは、分析用器具1での分析処理において、試剤中の溶質成分への集光素子の焦点位置あわせを容易にし、また、実施形態3の分析装置30のように、集光素子31の配置および制御を容易にする。
また、乾燥処理流路6は、図1(b)に示すように、試剤充填部4の表面に対して略垂直(試剤充填部4の厚み方向)に形成されている。この構成の場合、試剤充填部4に充填された試剤と分析用器具1の外部とを最小距離で結ぶことができる。それゆえ、この構成の場合も、乾燥効率を向上させることができる。また、ドリル加工などの単純な機械加工を用いて、上部基板2bへの乾燥処理流路6(貫通孔)の形成が可能となる。
(試剤充填部4の断面と乾燥処理流路6の断面との面積比)
また、乾燥処理流路6の一端の断面を含む試剤充填部4の断面積に対する乾燥処理流路6の断面積の面積比が、0.3より大きく1より小さい。本実施形態において、「乾燥処理流路6の一端の断面を含む試剤充填部4の断面積」とは、乾燥処理流路6と試剤充填部4との接触面を含む上部基板2bの表面積(上部基板2bとスペーサー3との接触面積を除く部分の面積、すなわち図1(a)に示す2点鎖線内部の面積)を示す。当該試剤充填部4の断面積に対して乾燥処理流路6の断面積(複数の乾燥処理流路6の総断面積)が大きいほど、乾燥が迅速に進む。
特に上記面積比の場合には、確実に乾燥させることができ、かつ、分析用器具1として使用されるときに必要となる上部基板2bの耐性を保持できる程度に、試剤充填部4に充填された試剤を外気に接触させることができる。
なお、上記では、上記面積比が「0.3よりも大きい」としているが、乾燥の迅速化よりも上部基板2bの耐性保持を考慮する場合には、上記面積比の範囲に、0.1よりも大きく0.3以下の値を含めてもよい。また、乾燥の迅速化を優先するのであれば、上記面積比を「0.5よりも大きく」としてもよく、更なる迅速化を図る場合には「0.8よりも大きく」としてもよい。
(試剤充填部4の大きさ)
本実施形態では、試剤充填部4の容積は、0.1μL以上10μL以下である。この構成によれば、分析対象となり得る試剤または試剤とは異なる試料の量を当該範囲(すなわち、微量)とすることができる。それゆえ、試剤中の溶媒の乾燥を迅速に行うことが可能となる。また、試剤または試剤とは異なる試料の微量分析を実現できる。
また、試剤充填部4の大きさは、分析用器具1の小型化の観点から、本実施形態のような直方体空間である場合、10μm角〜10cm角であることが好ましい。
以上から、試剤充填部4の容積(試剤量0.1μL)、試剤充填部4の大きさが10cm角の場合、試剤充填部4の厚みTは0.01μmとなる。また、試剤充填部4の容積(試剤量10μL)、試剤充填部4の大きさが10μm角の場合、試剤充填部4の厚みTは100mとなるが、実際の使用における分析用器具の大きさ、および、乾燥時間の短縮化を考慮すれば、厚みTの上限値は10mm程度となる。
それゆえ、本実施形態における試剤充填部4の厚みTは、0.01μm以上10mm以下となっている。すなわち、本実施形態では、当該範囲の厚みTを有するスペーサー3が用いられている。
(乾燥処理流路6の断面形状)
次に、図4に基づき、乾燥処理流路6の断面形状のバリエーションについて説明する。図4(a)〜(e)は、乾燥処理流路6の様々な断面形状を示す図である。
図4(a)は、上述した図1(a)に示す乾燥処理流路6の断面形状を示すものであり、その形状は略正方形である。その他の当該断面形状として、台形(図4(b))、菱形(図4(c))、円形(図4(d))、楕円形(図4(e))などが挙げられる。また、上記に挙げた以外の矩形であってもよい。
(台形の場合)
ここで、図5に基づき、図4(b)の場合の乾燥処理流路6の周辺(図4(b)の領域B)における試剤導入のシーケンスについて説明する。図5は、乾燥処理流路6の断面形状が台形である場合の当該シーケンスを説明するための図である。図5(a)は試剤が導入されていない状態を示している。
試剤が毛細管力により試剤充填部4に導入されると、図5(b)に示すように、試剤には、試剤導入方向に対して力Fが印加される。さらに試剤導入が進むと、図5(c)〜(e)に示すように、乾燥処理流路6の断面を投影した領域(投影領域)を通過する試剤には、力Fがその方向を変えながら印加される。そして、図5(f)に示すように、当該投影領域を通過した試剤には、再び力Fのみが印加される。すなわち、乾燥処理流路6を通過する試剤には、それ以外の部分を通過するときに印加される力Fとは異なる力Fが印加される。
つまり、乾燥処理流路6の断面形状が台形である場合には、試剤充填部4の内部において、上記投影領域を進む試剤と、それ以外の領域を進む試剤とでは、その進む速度が異なる。これは、上部基板2b(蓋)の有無の差に起因するものである。
図5(d)および(e)に示すように、投影領域以外の部分を通過する試剤の方が、当該投影領域を通過する試剤よりも進む速度が速いので、投影領域以外の部分を試剤が先に進み、当該投影領域の外側から回り込み、「気泡をかむ」という現象が生じることになる。これを防ぐためには、投影領域を進む試剤がそれ以外を進む試剤よりも先に、当該投影領域を通過すればよい。
この状態を実現するためには、以下の式が成立するように乾燥処理流路6が形成されればよい。
すなわち、試剤充填部4に導入された試剤が乾燥処理流路6の投影領域に最初に達したときの一端と、当該一端に対向する他端(当該試剤が最後に達する一端)との距離をX(最大直線距離、図5(a)のX)とし、当該投影領域(乾燥処理流路6の試剤充填部4との接触領域)の周囲長さ(図5(a)のY+Y+Y+Y)から上記一端の長さ(図5(a)のY)を減じた長さ(図5(a)のY+Y+Y)をYとし、当該投影領域を流れる試剤の平均速度をv、当該投影領域以外の領域を流れる試剤の平均速度をv、としたとき、
X/v≦Y/(2v
の関係が成立するように乾燥処理流路6が形成されればよい。これにより、上記投影領域において気泡をかむことなく、試剤を安定的に試剤充填部4に充填することができる。
また、以下の式が成立するように乾燥処理流路6が形成されてもよい。
すなわち、下部基板2a(乾燥処理流路6が形成されていない基板)の内表面の試剤に対する接触角をθとし、上部基板2bの内表面の試剤に対する接触角をθとしたとき、
cosθ+cosθ>0 … (1)
かつ、
(Y/2)>X・(cosθ+cosθ)/cosθ … (2)
の関係が成立するように乾燥処理流路6が形成されてもよい。この場合、毛細管駆動によって気泡をかむことなく、試剤を安定的に試剤充填部4を充填することができる。
なお、上記毛細管力を働かせるための条件は、以下のとおりである。
すなわち、半径rの円管(円管以外は相当直径D/2。ここで、管の断面積をS、管の浸辺長(周囲長さ)をlとしたとき、相当直径Dは4S/lで表される。)の毛細管駆動の推進力Fは、
F=2πr・γ・cosθ
で示される。ここで、γは試剤の表面張力、θは試剤の乾燥処理流路6における接触角である。
層流下での抗力は、ハーゲンポアズイユの式、
ΔP=8μL・v/r
より、
F=8πμL・v
となる。ここで、ΔPは圧力損失、μは試剤の粘度、vは試剤が進む速度、Lは試剤が進む長さである。
これらを連立すると、
2πr・γ・cosθ=8πμL・v
となる。vはdL/dt(ここで、tは時間)なので、
dL/dt=γ・r・cosθ/(4μL)
となり、変数分離して解くと、
= γ・r・cosθ・t/(4μ)
が得られる。これを元に気泡をかむのを防ぐための条件が、上記式(1)および(2)と算出される。なお、乾燥処理流路6の断面形状が台形以外の場合であっても、上記関係が成立するよう乾燥処理流路6が形成されることが好ましい。即ち、断面が矩形形状の場合は台形形状の場合と同様に距離Xおよび長さYを設定することにより、また、断面が円形形状の場合は、距離Xと、試剤充填方向と直交し円を真中で切取る線の下半分の円周長さをYと設定することで同様に成立する。
また、「相当直径」とは円管でない管の断面が円管形状とした場合に相当する直径で、計算により導出されるものであるが、本明細書においては、特段の断りがない限り、乾燥処理流路6の相当直径という場合、乾燥処理流路6の径Wの大きさを指すものとする。
<漏出防止機構>
次に、図6および図7に基づき「漏出防止機構」について説明する。図6および図7は、漏出防止機構として機能する撥液性部材8が乾燥処理流路6の内壁にコーティングされた分析用器具1の一例を示す概略図である。
本実施形態では、乾燥処理流路6は、試剤充填部4に充填された試剤を通過せず、かつ、試剤中の溶媒のうち気化した溶媒を通過する流路として形成されている。この構成の場合、乾燥処理流路6は、試剤中の気化した溶媒を通過させるので、試剤充填部4に充填された試剤を確実に乾燥させることができる。また、乾燥処理流路6は、試剤を通過させないので、試剤が分析用器具1の外部に漏れ出ることを防ぐことができる。また、試剤が漏れ出ることを防ぐことができるので、試剤の体積の定量を確実に行うことができる。
具体的には、試剤充填部4に充填された試剤を通過させないといった乾燥処理流路6の構成を実現するために、乾燥処理流路6は「漏出防止機構」を有している。この漏出防止機構は、試剤充填部4に充填された試剤の、分析用器具1の外部への漏出を防ぐための機構である。また、より具体的には、漏出防止機構は、試剤を試剤導入口5から試剤充填部4に導入するときの導入圧力に対して逆向きで、かつ、導入圧力の絶対値よりも大きな値を有する圧力を、試剤に対して印加することが可能な機構(導入圧力に対抗する圧力を発生させる耐圧機構)である。ここで、「導入圧力に対して逆向き」とは、試剤導入口5の位置における圧力の向きではなく、試剤が試剤充填部4に導入されるときの試剤充填部4から乾燥処理流路6の方向へかかる圧力の向きに対して逆向きということである。換言すると、「導入圧力に対して逆向き」の圧力とは、乾燥処理流路6から試剤充填部4の方向にかかる圧力のことである。
以下に、この漏出防止機構について具体的に説明する。
漏出防止機構は、例えば、乾燥処理流路6の内壁の少なくとも一部に形成された、試剤に対して撥液性を有する撥液性部材8で構成されている。この構成により、試剤充填部4に導入される試剤に対して、導入方向(試剤充填部4の内部から乾燥処理流路6の内部へと向かう方向)とは逆向きの圧力を印加することができる。この撥液性部材8としては、試剤中の溶媒が水である場合、疎水剤が挙げられる。上記疎水剤としては、例えば、フッ素系樹脂やアルキル基を有する化合物等が挙げられる。
また、導入される試剤に対して導入方向とは逆向きで、かつ、導入圧力の絶対値よりも大きな値を有する圧力を印加することを可能とするために、以下のような関係式を満たすように撥液性部材8が乾燥処理流路6にコーティングされ、乾燥処理流路6の径Wの大きさが決定されている。
すなわち、乾燥処理流路6の相当直径をD、試剤の乾燥処理流路6における接触角をθ、試剤の表面張力をγ、試剤を試剤導入口5から試剤充填部4に導入するときの導入圧力をPとしたとき、
|2・γ・cosθ /(D/2)|>|P| … (3)
の関係を満たすように、撥液性部材8が乾燥処理流路6にコーティングされ、乾燥処理流路6の径Wの大きさが決定される。逆に言えば、このような構造によって、上記導入圧力の大きさを実現できる(耐圧構造を実現できる)。
ここで、上記(3)式の左辺は、図6に示すように、乾燥処理流路6から試剤に働く圧力をP’としたとき、
P’=2・γ・cosθ /(D/2)
と表されることに基づく。試剤の乾燥処理流路6における接触角θが90°より大きい、すなわち乾燥処理流路6の内壁に撥液性部材8がコーティングされるとき、その圧力の向きを内向き(導入方向と逆向きであり、試剤が外部に漏れ出ることを防ぐ方向)とすることができる。また、乾燥処理流路6の径Wの大きさ(相当直径D)を小さくすることにより、圧力P’を大きくすることができる。
以下、上記(3)式を満たす乾燥処理流路6の径Wの大きさの具体的数値について説明する。
撥液性部材8が疎水剤である場合、疎水材の塗布による実質的な上記接触角θは、100°以上140°以下である。また、試剤中の溶媒が水である場合、その表面張力γは、72mN/mである。さらに、試剤を導入するポンプ(不図示)の一般的な圧力P’は、10Pa以上1MPa(最大)以下であり、0.1kPa以上100kPa以下であることが好ましい。
以上から、接触角θ=100°である場合、相当直径Dは、0.05μm以上5mm以下、好ましくは0.5μm以上0.5mm以下と決定される。また、接触角θ=140°である場合、相当直径Dは、0.22μm以上22mm以下、好ましくは2.2μm以上2.2mm以下と決定される。すなわち、乾燥処理流路6の径Wの大きさとしては、上述したように、0.5μm以上2.2mm以下であることが好ましい。
また、図7に示すように、下部基板2aに乾燥処理流路6が形成された場合(下部基板2aおよび上部基板2bの両方に乾燥処理流路6が形成される場合を含む)、または、乾燥処理流路6が形成された上部基板2bからなる分析用器具1を逆さ(すなわち、鉛直下向き方向)とした場合に、乾燥処理流路6から試剤が漏れ出ることを防止するために、以下のような関係式を満たすように乾燥処理流路6の形状が決定されている。
すなわち、乾燥処理流路6の相当直径をD、試剤中の溶媒と試剤中の溶媒のうち気化した溶媒との密度差をΔρ、試剤の表面張力をγ、重力加速度をgとしたとき、
g・Δρ・D/γ<1 … (4)
の関係を満たすように乾燥処理流路6の形状が決定されている。
上記(4)式の左辺は、重力加速度gと表面張力γとの関係(即ち、重力に起因する力と表面張力に起因する力との関係)を示す無次元数であるボンド数Boを示している。このボンド数Bo<1のとき、液相(試剤充填部4に導入された試剤)の表面張力γが支配的になる。すなわち、上記(4)式は、当該表面張力γが支配的になる、すなわち試剤充填部4に導入された試剤の乾燥処理流路6からの漏れを抑制する条件を示したものである。
以下、上記(4)式を満たす乾燥処理流路6の径Wの大きさの具体的数値について説明する。
試剤中の溶媒が20℃の水である場合、上記密度差Δρは(1000−1.2)kg/m、試剤の表面張力γは72mN/mである。この場合、上記(4)式は、
Bo=135948・D<1
となる。そのため、D<2.7mmのとき表面張力γが支配的になり、試剤の漏れを抑制できる。したがって、乾燥処理流路6が上記(3)式を満たすための上記数値範囲(0.5μm以上2.2mm以下)を計算したときと同様の条件であれば、上記(4)式も満たすことになる。
また、上記では、漏出防止機構として、乾燥処理流路6の内壁に撥液性部材8がコーティングされている例を説明したが、乾燥処理流路6が形成される上部基板2bおよび/または下部基板2aの材質が撥液性部材8の材質と同一であってもよい。この場合、撥液性部材8を乾燥処理流路6にコーティングしなくても、乾燥処理流路6自体に撥液性部材8と同一の機能を持たせることができる。
<試剤充填部4の変形例>
次に、図8および図9に基づき、試剤充填部4の変形例について説明する。図8および図9は、試剤充填部4の変形例を示す概略図である。
(親液性部材9)
例えば、試剤充填部4の内壁の少なくとも一部に、試剤に対して親液性を有する親液性部材9がコーティングされていてもよい。この構成によれば、試剤が導入される方向に当該試剤の表面張力が作用するので、試剤充填部4への試剤の充填を、毛細管力を用いて簡易に行うことができる。
図8(a)では、乾燥処理流路6が形成されていない下部基板2aの表面全体に親液性部材9がコーティングされている例を示している。図8(b)では、乾燥処理流路6が形成された上部基板2bにもコーティングされている例を示している。
これらの構成に限らず、例えば、親液性部材9が上部基板2bのみにコーティングされていたり、試剤が導入される方向に延伸するスペーサー3の表面(試剤充填部4の内壁の一部)にコーティングされていてもよい。
(流路構造)
試剤充填部4は、図9(a)に示すように、流路構造であってもよい。また、図9(b)に示すように、その流路の形状が蛇行形状であってもよい。流路構造の場合、分析対象となる試剤をより微量とすることができる。特に、蛇行形状の場合、流路を折り畳んで形成できるため、分析用器具1をさらに小型化することができる。
なお、試剤充填部4が流路構造である場合、分析用器具1は、例えば、(1)下部基板2aと、中空の試剤充填部4が形成されたスペーサー基板と、乾燥処理流路6が形成された上部基板2bとを貼り合わせることにより、または、(2)試剤充填部4がエッチング等によって形成された下部基板2aと、乾燥処理流路6が形成された上部基板2bとを貼り合わせることにより、形成される。
<その他の構成>
また、試剤を試剤充填部4に導入するときのレイノルズ数が、0より大きく2300より小さいことが好ましい。この構成の場合、試剤充填部4における試剤の流れが層流となるので、安定した試剤の充填が可能となる。
さらに、上記レイノルズ数は、0より大きく1より小さいことがより好ましい。この構成の場合、試剤充填部4における試剤の流れの粘性力が慣性力よりも支配的になるため、より安定して試剤を充填することができる。また、この条件下では、毛細管駆動を用いて試剤の安定した流れを形成することができるので、その流れを形成するための送液機構を備える必要がなく、また、必ずしも接続する必要はない。それゆえ、分析用器具1の小型化および低コスト化を図ることができる。
〔実施形態2〕
次に、本発明の実施の別形態について図10〜図12に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、実施の形態1と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。図10〜図12は、乾燥装置10の構成例を示す概略図である。
本実施形態では、実施形態1の分析用器具1を載置し、分析用器具1が備える試剤充填部4に形成された乾燥処理流路6を介して、試剤充填部4に充填された試剤中の溶媒を乾燥することが可能な乾燥装置10について説明する。
<送風機構12を備えた構成>
図10(a)に示すように、乾燥装置10は、主として、分析用器具1を載置可能な載置台(支持台)11と、載置台11の上面(分析用器具1が載置される載置面)付近に送風する送風機構12と、を備えている。すなわち、この送風機構12は、載置台11に載置された分析用器具1に形成された乾燥処理流路6の分析用器具1の外部との接触面である開口面近傍に送風するものである。
この構成の場合、上述した乾燥係数を増大させることができるので、試剤中の溶媒の乾燥をさらに迅速に行うことができる。また、乾燥により開口面近傍に発生する蒸気を、送風機構12による送風により、当該開口面近傍から逃がすことができる。それゆえ、蒸気発生による乾燥効率の低下を抑制することができる。
送風機構12は、例えば一般的なファンで実現され、乾燥処理流路6の開口面近傍に送風可能なように配置されていればよい。その個数についても同様である。
また、図10(b)に示すように、乾燥装置10は、送風機構12の送風口と対向する位置に通気孔13を備える構成であってもよい。この場合、乾燥処理流路6の開口面近傍に発生した蒸気を、通気孔13を介して乾燥装置10の外部に逃がすことができる。そのため、さらに乾燥効率を高めることができる。
なお、分析用器具1の下部基板2aおよび上部基板2bの両方に乾燥処理流路6が形成されている場合には、分析用器具1を載置台11に平置き(下部基板2aを載置台11の表面と対向するように配置)するのではなく、例えば縦置き(下部基板2aおよび上部基板2bが載置台11の表面に対して略垂直となるように配置)してもよい。この場合、載置台11には、分析用器具1を固定するための固定部材が設けられていてもよい。また、乾燥効率を高めるために、載置台11が回転してもよいし、載置台11に分析用器具1が載置されたときに、送風機構12が上部基板2bおよび下部基板2aのそれぞれに対向するように複数配置されていてもよい。このとき、載置台11の、下部基板2aの乾燥処理流路6が形成された領域に対応する位置(底面および/または側面)に通気孔を設け、該通気孔に対して送風機構12が備えられてもよい。
<減圧機構14を備えた構成>
図11に示すように、乾燥装置10aは、図10に示す乾燥装置10とは異なり、送風機構12の代わりに、減圧機構14を備えた構成である。具体的には、乾燥装置10aは、主として、載置台11、減圧機構14および連絡孔15を備えている。
乾燥装置10aは、載置台11が備えられた領域と、減圧機構14が備えられた領域とが、連絡孔15を介して接続されている。この構成の場合、減圧機構14を稼動することにより発生する熱が、分析用器具1に伝わることを防ぐことができる。即ち、分析用器具1に保管する試剤が生体試料の場合、減圧機構14による熱のダメージを受けることを防ぐことができる。なお、この点を考慮しなければ、連絡孔15が形成された壁は必ずしも必要ない。
減圧機構14は、載置台11に載置された分析用器具1に形成された乾燥処理流路6の分析用器具1の外部との接触面である開口面近傍の気圧を減少させるものである。この構成の場合、気相(分析用器具1の外気)と液相(試剤充填部4に充填された試剤)との蒸気圧差を増大させることができるので、試剤中の溶媒の乾燥をさらに迅速に行うことができる。
減圧機構14は、例えば一般的な吸引ポンプで実現され、乾燥処理流路6の開口面近傍に減圧可能なように配置されていればよい。その個数についても同様である。
<送液機構16を備えた構成>
図12に示すように、乾燥装置10bは、主として、載置台11、送液機構16および送液管17を備えている。
送液機構16は、載置台11に載置された分析用器具1に形成された試剤導入口5を介して試剤充填部4に試剤を送液するものである。また、送液管17は、送液機構16から試剤導入口5まで試剤を導液するものである。
この構成の場合、毛細管駆動でない場合であっても、乾燥装置10bに分析用器具1を載置することにより、試剤充填部4への試剤充填を実現できる。
送液機構16は、例えば一般的なポンプで実現されている。また、送液機構16は、試剤導入口5まで試剤を押し出すものであってもよく、図2(c)のように分析用器具1に試剤導出口7が形成されている場合には、試剤導出口7から吸引するものであってもよい。
また、本実施形態では、送液機構16の送液圧力は、0.1kPa以上100kPa以下である。この構成の場合、乾燥処理流路6から試剤が確実に漏れ出ないように、試剤を試剤充填部4に導入することができる。なお、上記送液圧力は、10Pa以上1MPa(最大)以下であっても、試剤の漏出を防ぐことができる。
なお、送液機構16および送液管17は、乾燥装置10a、10bが備えていてもよい。
〔実施形態3〕
次に、本発明の実施の別形態について図13に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、実施の形態1および2と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。図13は、分析装置30の構成例を説明するための概略図である。
<分析装置30の構成>
分析装置30は、実施形態1の分析用器具1を載置し、試剤中の溶質成分または試剤とは異なる試料中の成分を光学的に分析することが可能な装置である。
分析装置30は、載置台(不図示)に載置された分析用器具1が備えている試剤充填部4に導入された試剤(または当該試剤とは異なる試料。以下では、試剤として説明する。)に対して照射された光を集光する集光素子31を備えている。具体的には、光源(不図示)から出射された光が、試剤中の溶質成分において反射、吸収または散乱される。分析装置30は、集光素子31によって集光された試剤からの反射光(散乱光)または透過光の光量を測定することにより、その試剤の分析(試剤中の溶質成分の個数や濃度など)を行うことができる。また、集光素子31を備えていることにより、試剤中の溶質成分に対する光学的な分析を精度よく行うことができる。
ここで、図13(a)に示すように、試剤が液体である場合(試剤導入直後の場合)、試剤中の溶質成分Ceは、液体中を自由に移動する(または液体中に分散する)ことができるため、集光素子31の焦点位置の移動制御を行わない限り、ある溶質成分Ceにはフォーカスすることができる一方(同図中のF)、別の溶質成分Ceにはフォーカスすることができない、すなわちデフォーカスとなる(同図中のF’)。つまり、この場合には、溶質成分Ceが不均一な焦点位置に存在するため、その分析精度(測定精度)は低くなってしまう。
本実施形態では、実施形態1の分析用器具1に導入された試剤に対する分析を行う。つまり、試剤中の溶質成分Ceの分析が、試剤中の溶媒を乾燥させた後に行われる。乾燥後の試剤(溶質成分Ce)は、図13(b)に示すように、自重により(または乾燥において低下していく液面に追従することにより)、試剤充填部4の鉛直下側の内表面に堆積する。すなわち、溶質成分Ceが均一な焦点位置に存在することになる。
そこで、分析装置30では、集光素子31は、図13(b)に示すように、その焦点位置が、試剤充填部4の厚みTの中央部分を含む平面と、分析用器具1が分析装置30に載置されたときの、試剤充填部4の鉛直下側の内表面との間となるように配置されている。この配置により、当該焦点位置を、試剤充填部4の鉛直下側の内表面に堆積した溶質成分Ceの付着位置に適合させるための機構を備えることなく、当該溶質成分Ceを分析できる。すなわち、集光素子31の焦点位置の移動制御を行わなくても(すなわち、焦点位置固定のまま)、当該分析を高精度に行うことができる。
また、集光素子31は、溶質成分Ceへのフォーカス精度向上のために、その焦点位置が、試剤充填部4の鉛直下側の内表面近傍となるように配置されていることが好ましい。更なるフォーカス精度向上のためには、その焦点位置が、試剤充填部4の鉛直下側の内表面と、当該内表面に付着した試剤中の溶質成分の最大直径との間となるように(すなわち、図13(b)の「焦点位置の範囲」となるように)配置されていることが好ましい。
また、図13(b)では、分析用器具1の上部基板2bにのみ乾燥処理流路6が形成されている。すなわち、乾燥処理流路6は、試剤充填部4を、試剤充填部4の厚みTの中央部分を含む平面で分割したときの、試剤充填部4の一方に形成されている。
このような分析用器具1が用いられる場合には、集光素子31は、分析用器具1が分析装置30に載置されたときに、乾燥処理流路6が形成されていない試剤充填部4の他方(図13(b)では下部基板2a)と対向する位置となるように配置されている。すなわち、この例では、下部基板2a側、すなわち載置台(不図示)の内部もしくは下部に集光素子31が配置されている。この構成の場合、集光素子31の集光経路に乾燥処理流路6がないので、乾燥処理流路6による散乱または屈折の影響を抑制できる。それゆえ、溶質成分の分析を高精度に行うことができる。
〔実施形態4〕
最後に、実施形態1から3に基づけば、本実施形態に係る分析方法は、以下のようになる。すなわち、当該分析方法は、溶質成分を含む試剤を試剤充填部4に導入する導入工程と、試剤充填部4に導入された試剤中の溶媒を乾燥処理流路6を介して乾燥させる乾燥工程と、乾燥させた試剤中の溶質成分を光学的に分析(測定)する分析工程と、を含んでいる。
この構成の場合、試剤充填部4に充填された試剤中の溶媒を乾燥させることにより、試剤に含まれる溶質成分を試剤充填部4の底面に整列させることができる。この整列により、従来光学的な分析において必要であった、分析装置が備える集光素子の複雑な焦点位置あわせ機構なしに、当該溶質成分の高精度な分析を実現することができる。なお、この分析方法を用いることが可能な例としては、細胞計測、血球計数などが挙げられる。
その他、試剤(試薬)導入後、乾燥処理流路6を通じて乾燥させ、当該乾燥後の試剤を分析用器具1に保存し、当該乾燥後の試剤と測定用試料とを反応させることにより、当該測定用試料の分析を行ってもよい。この分析方法を用いることが可能な例としては、酵素反応、細胞染色、ドライケミストリーなどが挙げられる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、エレクトロニクス、メカトロニクス等の分野における製造プロセスの精度管理(例えば、異物混入の検査など)、また、バイオテクノロジーの分野における、医薬品製造等の試料中の試剤管理、および医療分野における血液中の血球測定などに、好適に利用することができる。
1 分析用器具
4 試剤充填部
5 試剤導入口
6 乾燥処理流路
8 撥液性部材(漏出防止機構、撥液性を有する部材)
10、10a、10b 乾燥装置
12 送風機構
14 減圧機構
16 送液機構
30 分析装置
31 集光素子
A 間隔
D 相当直径
P 導入圧力
T 試剤充填部の厚み
W 乾燥処理流路の径
Ce 溶質成分
g 重力加速度
θ 接触角
γ 試剤の表面張力
Δρ 密度差

Claims (27)

  1. 試剤中の溶質成分または前記試剤とは異なる試料中の成分を分析するために前記試剤を保管可能な分析用器具であって、
    前記試剤を充填するための試剤充填部を備え、
    前記試剤充填部には、
    前記試剤充填部に前記試剤を導入するための試剤導入口が形成されているとともに、
    前記試剤導入口とは異なり、かつ、前記試剤充填部から前記分析用器具の外部に通じ、前記試剤中の溶媒を乾燥させるための乾燥処理流路が形成されていることを特徴とする分析用器具。
  2. 前記乾燥処理流路は、前記試剤充填部に充填された前記試剤を通過せず、かつ、前記試剤中の溶媒のうち気化した溶媒を通過する流路であることを特徴とする請求項1に記載の分析用器具。
  3. 前記乾燥処理流路は、前記試剤充填部に充填された前記試剤の、前記分析用器具の外部への漏出を防ぐための漏出防止機構を有していることを特徴とする請求項2に記載の分析用器具。
  4. 前記漏出防止機構は、前記試剤を前記試剤導入口から前記試剤充填部に導入するときの導入圧力に対して逆向きで、かつ、前記導入圧力の絶対値よりも大きな値を有する圧力を、前記試剤に対して印加することが可能な機構であることを特徴とする請求項3に記載の分析用器具。
  5. 前記漏出防止機構は、前記乾燥処理流路の内壁の少なくとも一部に形成された、前記試剤に対して撥液性を有する部材で構成されていることを特徴とする請求項3または4に記載の分析用器具。
  6. 前記乾燥処理流路の相当直径をD、前記試剤の前記乾燥処理流路における接触角をθ、前記試剤の表面張力をγ、前記試剤を前記試剤導入口から前記試剤充填部に導入するときの導入圧力をPとしたとき、
    |2・γ・cosθ /(D/2)|>|P|
    の関係を満たすことを特徴とする請求項4または5に記載の分析用器具。
  7. 前記乾燥処理流路の相当直径をD、前記試剤中の溶媒と、前記試剤中の溶媒のうち気化した溶媒との密度差をΔρ、前記試剤の表面張力をγ、重力加速度をgとしたとき、
    g・Δρ・D/γ<1
    の関係を満たすことを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載の分析用器具。
  8. 前記乾燥処理流路の径は、0.5μm以上2.2mm以下であることを特徴とする請求項4から7のいずれか1項に記載の分析用器具。
  9. 前記乾燥処理流路は、前記試剤充填部に複数形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の分析用器具。
  10. 前記試剤充填部を、前記試剤充填部の厚みの中央部分を含む平面で分割したときの、前記試剤充填部の一方に、前記乾燥処理流路が形成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の分析用器具。
  11. 前記試剤充填部を、前記試剤充填部の厚みの中央部分を含む平面で分割したときの、前記試剤充填部の両側に、前記乾燥処理流路が形成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の分析用器具。
  12. 前記乾燥処理流路は、前記試剤充填部に複数形成されており、
    前記乾燥処理流路は、前記試剤充填部に対して略等間隔に配置されていることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の分析用器具。
  13. 前記乾燥処理流路の一端の断面を含む前記試剤充填部の断面積に対する前記乾燥処理流路の断面積の面積比が、0.3より大きく1より小さいことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の分析用器具。
  14. 前記乾燥処理流路は、前記試剤充填部の表面に対して略垂直に形成されていることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の分析用器具。
  15. 前記乾燥処理流路は、前記試剤充填部に複数形成されており、
    互いに隣接する前記乾燥処理流路の間隔は、前記試剤充填部の厚みの2倍以下であることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の分析用器具。
  16. 前記試剤充填部の容積は、0.1μL以上10μL以下であることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の分析用器具。
  17. 前記溶質成分は、酵素、基質、抗原、抗体からなる群より選択されたものであることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の分析用器具。
  18. 前記溶質成分は、細胞であることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の分析用器具。
  19. 前記細胞は、血球であることを特徴とする請求項18に記載の分析用器具。
  20. 請求項1から19のいずれか1項に記載の分析用器具が備える前記試剤充填部に形成された前記乾燥処理流路の、前記分析用器具の外部との接触面である開口面近傍に送風する送風機構を備えていることを特徴とする乾燥装置。
  21. 請求項1から19のいずれか1項に記載の分析用器具が備える前記試剤充填部に形成された前記乾燥処理流路の、前記分析用器具の外部との接触面である開口面近傍の気圧を減少させる減圧機構を備えていることを特徴とする乾燥装置。
  22. 請求項1から19のいずれか1項に記載の分析用器具が備える前記試剤充填部に形成された前記試剤導入口を介して前記試剤充填部に前記試剤を送液する送液機構を備えていることを特徴とする乾燥装置。
  23. 前記送液機構の送液圧力は、0.1kPa以上100kPa以下であることを特徴とする請求項22に記載の乾燥装置。
  24. 前記試剤中の溶質成分または前記試剤とは異なる試料中の成分を光学的に分析する分析装置であって、
    請求項1から19のいずれか1項に記載の分析用器具が備えている前記試剤充填部に導入された前記試剤または前記試剤とは異なる試料に対して照射された光を集光する集光素子を備え、
    前記集光素子は、その焦点位置が、前記試剤充填部の厚みの中央部分を含む平面と、前記分析用器具が前記分析装置に載置されたときの、前記試剤充填部の鉛直下側の内表面との間となるように配置されていることを特徴とする分析装置。
  25. 前記集光素子は、その焦点位置が、前記試剤充填部の鉛直下側の内表面近傍となるように配置されていることを特徴とする請求項24に記載の分析装置。
  26. 前記集光素子は、その焦点位置が、前記試剤充填部の鉛直下側の内表面と、前記内表面に付着した前記試剤中の溶質成分の最大直径との間となるように配置されていることを特徴とする請求項25に記載の分析装置。
  27. 前記試剤充填部を、前記試剤充填部の厚みの中央部分を含む平面で分割したときの、前記試剤充填部の一方に、前記乾燥処理流路が形成されており、
    前記集光素子は、前記分析用器具が前記分析装置に載置されたときに、前記試剤充填部の他方と対向する位置となるように配置されていることを特徴とする請求項24から26のいずれか1項に記載の分析装置。
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