JP2014001805A - 低水分透過性チューブ - Google Patents
低水分透過性チューブ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014001805A JP2014001805A JP2012137721A JP2012137721A JP2014001805A JP 2014001805 A JP2014001805 A JP 2014001805A JP 2012137721 A JP2012137721 A JP 2012137721A JP 2012137721 A JP2012137721 A JP 2012137721A JP 2014001805 A JP2014001805 A JP 2014001805A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- low moisture
- moisture permeable
- tube
- permeable tube
- inner layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
Abstract
【解決手段】本発明の低水分透過性チューブ1は、少なくとも内層2と外層3とを備え、前記内層2が接着性を有するフッ素樹脂で形成され、前記外層3がポリアミド樹脂で形成されており、60℃環境下において、水分透過量が3.82g/m2/日以下である。この低水分透過性チューブ1は、前記内径d1に対する内層肉厚d2の比(d2/d1)が0.15以上である。
【選択図】図1
Description
フッ素樹脂は、通常、ポリアミド樹脂と比較して、耐摩耗性、柔軟性、各種機械的物性が劣り、さらに高価であるため、チューブの内層(フッ素樹脂層)は薄く、外層(ポリアミド樹脂層)が厚く形成されている。
このような水分透過を抑制するため、フッ素樹脂層のみからなる単層のチューブも考えられる。しかし、フッ素樹脂は上記のように高価であり、耐摩耗性が劣るだけでなく、キンク点半径も大きく柔軟性に欠けるという問題がある。また、成形速度も遅いため、コストアップに繋がる。
(1)少なくとも内層と外層とを備え、前記内層が接着性を有するフッ素樹脂で形成され、前記外層がポリアミド樹脂で形成されており、60℃環境下において、水分透過量が3.82g/m2/日以下である、低水分透過性チューブ。
(2)前記内径に対する内層肉厚の比(内層肉厚/内径)が0.15以上である、(1)に記載の低水分透過性チューブ。
(3)湿気硬化型樹脂を含有する塗料を塗装するためのチューブである、(1)または(2)に記載の低水分透過性チューブ。
(4)前記ポリアミド樹脂が、ナイロン11とナイロン12とを4:6〜6:4の質量比で配合して得られる、(1)〜(3)のいずれかに記載の低水分透過性チューブ。
(5)前記フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ヘキサフルオロプロピレン−エチレン共重合体(EFEP)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、およびクロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)からなる群より選択される少なくとも1種である、(1)〜(4)のいずれかに記載の低水分透過性チューブ。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の低水分透過性チューブを用いて、湿気硬化型樹脂を含有する塗料を塗装することを特徴とする、塗装方法。
以下、図1を参照して、本発明の低水分透過性チューブを説明する。
フッ素樹脂には、例えば、カルボキシル基、カルボン酸無水物残基、エポキシ基、水酸基、イソシアネート基、エステル基、アミド基、アルデヒド基、アミノ基、加水分解性シリル基、シアノ基、炭素−炭素二重結合(ビニル基、アリル基など)、スルホン酸基、エーテル基などが含まれていてもよい。
フッ素樹脂は、単独で用いてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲であれば2種以上を併用してもよい。
外層3を形成するポリアミド樹脂は特に限定されず、例えば、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメリレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメリレンドデカミド(ナイロン612)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリウンデカンメチレンテレフタルアミド(ナイロン11T)、ポリデカメチレンデカンアミド(ナイロン1010)、ポリデカメチレンドデカンアミド(ナイロン1012)などが挙げられる。
これらのポリアミド樹脂は、単独で用いてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲であれば2種以上を併用してもよい。特に、透明性、耐摩耗性および柔軟性の観点から、ナイロン11とナイロン12とを4:6〜6:4の質量比で配合して得られるものが好ましい。
(A)まず、内層2を内層押出機で形成し、この内層2の外周面に外層押出機で外層3を形成する方法。
(B)内層を形成するフッ素樹脂と外層を形成するポリアミド樹脂とを、溶融状態で共押出成形して熱融着する方法。
添加剤などを添加する場合は、樹脂と添加剤とを低速回転混合機(V型ブレンダー、タンブラーなど)、高速回転混合機(ヘンシェルミキサーなど)などを用いて混合した後、溶融混練してペレット化すればよい。
内層および外層からなる2層構造を有する低水分透過性チューブを、以下の手順で製造した。なお、内層および外層を形成する樹脂は以下の通りである。
内層:ETFE(フルオン LM−ETFE AH−2000、旭硝子(株)製)。
外層:ナイロン11(リルサン BESN O P40 アルケマ(株)製)とナイロン12(ウベスタ 3030JFX3 宇部興産(株)製)とを5:5の質量比で配合して得られる樹脂。
内層を形成するETFE、および外層を形成するナイロン樹脂を、それぞれ別の押出機に入れて溶融混練した。次いで、内層が厚さ0.8mm、外層が厚さ0.2mmとなるように、共押出成形を行い、内径4mmの低水分透過性チューブを得た。得られた低水分透過性チューブにおいて、内径d1に対する内層肉厚d2の比(d2/d1)は0.20である。
得られた低水分透過性チューブを、予め恒温恒湿室(23℃、50%RH)に、質量が安定するまで静置した。質量が安定したら、試験に供する前に低水分透過性チューブの質量を測定し、図2に示す摩耗試験装置10の支持具12に試料(低水分透過性チューブ)11の一端を固定し、他端に500gのおもり13を吊るした。
摩耗試験装置10の回転盤14には、試料11と擦り合わせる摩耗相手材15が11本取り付けられている。摩耗試験は、摩耗相手材15が試料11と同一の場合、および摩耗相手材15がナイロン12の場合の2回行った。以下に試験条件を示す。
試料の長さ :150mm
回転盤の回転速度:60rpm
回転盤の回転数 :5万回
試験温度 :常温
摩耗試験後、下記式によって摩耗した質量を測定した。
摩耗した質量(g)=摩耗試験前の質量(g)−摩耗試験後の質量(g)
試料11の密度および摩耗した質量から、摩耗容量(μL)を求めた。結果を表1に示す。
図3に示す曲げ剛さ測定装置20を用いて、柔軟性を評価した。
まず、得られた低水分透過性チューブを、下記の式で求めた長さに切断して試料21とした。今回の試験では、試料の長さは178mmであった。
長さ(mm)=π((R+OD)/2)+(2×OD)
R:試験開始時のチューブ曲げ半径(mm)
OD:チューブ外径(mm)
試料21を、恒温恒湿室(23℃、50%RH)で24時間以上静置させた後、図3に示す曲げ剛さ測定装置20に取り付けた。曲げ剛さ測定装置20のレール22上に取り付けた可動部23を、100mm/分の速度で固定部24に向かって移動させ、試料21を徐々に曲げていき、曲げ応力および曲げ半径の推移よりキンク点半径(曲げ応力が最大となる点)を測定した。キンク点半径が小さいほど、優れた柔軟性を有することを示す。結果を表1に示す。
得られた低水分透過性チューブを、1000mmの長さに切断して純水を封入し、チューブの両端部に金属製ブランク継手を取り付けて試料を得た。次いで、この試料を、60℃環境下(熱風循環オーブン内)に静置した。1日ごとに試料を取り出し、恒温恒湿室(23℃、50%RH)で30分間調整後に試料の質量を測定し、水分透過量を求めた。飽和点に達し、水分透過量が減少傾向になれば、再度純水を封入(追加)して試験を継続した。測定は、水分透過量が安定するまで継続した。なお、校正用として、純水を封入していない同一の試料を用いた。
測定した質量変化量から1日当たりの水分透過量を算出した。
透過量(g/日)=(試料質量変化量(g)−校正用質量変化量(g))/試験期間
得られた1日当たりの水分透過量(g/日)を用いて、内表面積当たりの透過量(g/m2/日)を算出して、水分透過量(g/m2/日)とした。結果を表1に示す。
内表面積当たりの透過量(g/m2/日)=透過量(g/日)/チューブ内表面積(m2)
得られた低水分透過性チューブ内に湿気硬化型の塗料を封入し、両端を融着封止した。このチューブを40℃の水中に浸漬させ、チューブ内部にゲルが発生するまでの日数を測定した。結果を表1に示す。
得られた低水分透過性チューブの下に縦3mm×横3mmの大きさの文字が記載されたプレートを引き、チューブを介して文字が読めるか否かを確認した。文字が鮮明に読めた場合を透明であると評価した。結果を表1に示す。
内層が0.2mm、外層が0.8mmとなるように、共押出成形を行ったこと以外は、実施例1と同様の手順で試料チューブを得た。得られた低水分透過性チューブにおいて、内径d1に対する内層肉厚d2の比(d2/d1)は0.05である。得られた試料チューブについて、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1で用いたフッ素樹脂を、1mmの層厚を有するように押出成形を行い、4mmの内径を有する単層のチューブを得た。得られた低水分透過性チューブについて、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
一方、従来のチューブである比較例1は、水分透過量が多く、ゲル発生までの日数も短いことがわかる。このようなチューブを用いると、10日以上の長期連休明けには、チューブ内にゲルが発生しており、ゲルを除去した後でなければ運転を再開できない。さらに、比較例2のフッ素樹脂単層チューブは、ゲル発生までの日数は長いものの、耐摩耗性および柔軟性に劣ることがわかる。
2 内層
3 外層
10 摩耗試験装置
11 試料(低水分透過性チューブ)
12 支持具
13 おもり
14 回転盤
15 摩耗相手材
20 曲げ剛さ測定装置
21 試料(低水分透過性チューブ)
22 レール
23 可動部
24 固定部
25 ロードセル
d1 内径
d2 内層肉厚
Claims (6)
- 少なくとも内層と外層とを備え、前記内層が接着性を有するフッ素樹脂で形成され、前記外層がポリアミド樹脂で形成されており、60℃環境下において、水分透過量が3.82g/m2/日以下である、低水分透過性チューブ。
- 前記内径に対する内層肉厚の比(内層肉厚/内径)が0.15以上である、請求項1に記載の低水分透過性チューブ。
- 湿気硬化型樹脂を含有する塗料を塗装するためのチューブである、請求項1または2に記載の低水分透過性チューブ。
- 前記ポリアミド樹脂が、ナイロン11とナイロン12とを4:6〜6:4の質量比で配合して得られる、請求項1〜3のいずれかに記載の低水分透過性チューブ。
- 前記フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ヘキサフルオロプロピレン−エチレン共重合体(EFEP)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、およびクロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれかに記載の低水分透過性チューブ。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の低水分透過性チューブを用いて、湿気硬化型樹脂を含有する塗料を塗装することを特徴とする、塗装方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012137721A JP2014001805A (ja) | 2012-06-19 | 2012-06-19 | 低水分透過性チューブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012137721A JP2014001805A (ja) | 2012-06-19 | 2012-06-19 | 低水分透過性チューブ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014001805A true JP2014001805A (ja) | 2014-01-09 |
Family
ID=50035169
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012137721A Pending JP2014001805A (ja) | 2012-06-19 | 2012-06-19 | 低水分透過性チューブ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014001805A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7289575B1 (ja) | 2022-10-25 | 2023-06-12 | 株式会社トヨックス | 可撓管 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11118073A (ja) * | 1997-10-16 | 1999-04-30 | Toyoda Gosei Co Ltd | 燃料ホース |
JPH11257550A (ja) * | 1998-03-16 | 1999-09-21 | Junkosha Co Ltd | ガスバリア性チューブ及びその製造方法 |
JP2006326887A (ja) * | 2005-05-24 | 2006-12-07 | Daicel Degussa Ltd | 多層積層体 |
JP2012076294A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-19 | Dainippon Printing Co Ltd | ガスバリア性フィルム積層体 |
-
2012
- 2012-06-19 JP JP2012137721A patent/JP2014001805A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11118073A (ja) * | 1997-10-16 | 1999-04-30 | Toyoda Gosei Co Ltd | 燃料ホース |
JPH11257550A (ja) * | 1998-03-16 | 1999-09-21 | Junkosha Co Ltd | ガスバリア性チューブ及びその製造方法 |
JP2006326887A (ja) * | 2005-05-24 | 2006-12-07 | Daicel Degussa Ltd | 多層積層体 |
JP2012076294A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-19 | Dainippon Printing Co Ltd | ガスバリア性フィルム積層体 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7289575B1 (ja) | 2022-10-25 | 2023-06-12 | 株式会社トヨックス | 可撓管 |
JP2024062455A (ja) * | 2022-10-25 | 2024-05-10 | 株式会社トヨックス | 可撓管 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6635790B2 (ja) | ホース組立体用の層状チューブ | |
BR112016004670B1 (pt) | Tubo de multicamadas | |
CN101544088A (zh) | 包含至少一个稳定层的多层结构 | |
JP6754539B2 (ja) | インク供給用チューブ | |
JPWO2011152295A1 (ja) | 電線被覆材料 | |
JP2012107217A (ja) | ポリアミド樹脂組成物及びそれよりなるフィルム | |
JP2014001805A (ja) | 低水分透過性チューブ | |
JP6441001B2 (ja) | 帯電防止チューブ | |
JP2015063633A (ja) | 伸縮性フィルム | |
JP5654260B2 (ja) | 多層チューブ | |
JP2006326887A (ja) | 多層積層体 | |
JP4889007B2 (ja) | フッ素樹脂製の引き裂き性のチューブ | |
KR102136731B1 (ko) | 가스 배리어성을 구비한 잉크 공급 튜브 | |
CN105482383B (zh) | 一种多层复合高聚物包装材料的制备方法 | |
JP2018185017A (ja) | ガス用可撓性ホース | |
JP2015108031A (ja) | 半導電性熱可塑性エラストマー組成物、それを用いた電子写真用シームレスベルトおよびその製造方法 | |
JP5768439B2 (ja) | フィルム用ポリアミド樹脂組成物及びそれよりなるフィルム | |
JP2012081247A (ja) | 医療用チューブ | |
JP2005315362A (ja) | 流体配管用チューブ | |
JP2006265364A (ja) | ポリエチレン系樹脂組成物と架橋ポリエチレン管 | |
WO2023112525A1 (ja) | 可撓管 | |
JP2012227101A (ja) | 絶縁性組成物および電線・ケーブル | |
JP7541943B2 (ja) | 非晶性熱可塑性樹脂シート及びその製造方法 | |
CN106594412B (zh) | 防带电管 | |
JP2014053196A (ja) | 絶縁電線 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140124 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20141015 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20141118 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150113 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20150203 |