JP2014001789A - 調圧機能付き止水栓装置、及び、それを備えた水栓装置及び湯水混合水栓装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の調圧機能付き止水栓装置1は、通水路内に螺合されるねじ部と、回転軸部42と、流入口を開閉する止水弁体部44と、を備えた止水栓部材34と、この止水栓部材34の回転軸部42及び止水弁体部44のそれぞれの外周を取り囲むようにほぼ筒状に形成された調圧弁体48と、この調圧弁体48の内部に設けられた調圧ばね50と、を備えた調圧弁36と、通水路に取り付けられた止水栓部材34及び調圧弁36に軸方向外側から着脱可能に取り付けられる止水栓ガイド部材38と、を有し、通水路を通水状態に切り替えたときに、上記止水栓部材34のねじ部が通水路内に螺合され、上記止水栓部材34の操作部と上記止水栓ガイド部材38とが当接することを特徴とする止水栓装置1。
【選択図】図5
Description
このように構成された本発明においては、まず、止水栓と調圧弁が一体的に構成されることによって、夫々を独立した部材として用意する必要がなくなり、結果として全体をコンパクトに構成することが可能となる。
加えて、通水路が通水状態のとき、つまり調圧弁が動作する可能性のある状態において、雄ねじ部と雌ねじ部との間にねじの寸法公差に起因する隙間が生じていたとしても、雄ねじ部と雌ねじ部との間に公差吸収機構が設けられることによって、雄ねじ部と雌ねじ部との相対的な移動、つまりは水栓本体に対する止水栓部材の相対的な移動を抑制することが出来る。
このように移動を抑制されることによって、止水栓部材を囲む調圧弁が動作したとしても止水栓部材自身が大きく振動して水栓本体などの他部材と接触することが抑制でき、このような接触に伴う異音の発生を抑制することが出来る。
なお、ここでいう公差吸収機構とは、雄ねじ部と雌ねじ部の間で変形することによって、雄ねじ部及び雌ねじ部の双方と接触した状態となることが出来る部材をいう。公差吸収機構が変形することによって、雄ねじ部と雌ねじ部との隙間がばらついた場合であっても、かならず双方と接触してがたつきを押さえることが可能となる。
このように構成された本発明においては、従来、水栓装置の接続部分に利用されているシールテープを利用することで、手軽に公差吸収機構を設けることが可能となる。また、
公差吸収機構として、コート剤を用いることで、複雑な形状のねじ山表面にも容易に層状の公差吸収機構を設けることが可能となる。このようにすることで、公差吸収機構がねじ山表面に沿った形で形成することができる。
また、工場出荷時に予めコート剤を塗布しておくことが可能となり、現場での公差吸収機構の施工忘れを抑制することが可能となる。
なお、ここでいうコート剤としては、ねじ山表面に直接被覆層を形成するものだけでなく、ねじ山表面にマイクロカプセルを含む層を形成しておき、ねじを螺合する段階で、このマイクロカプセルが破壊されて内容物が流出し公差を吸収する層を形成する、所謂メック加工を行う際に用いられるコート剤であっても良い。
このように構成された本発明においては、雄ねじに熱収縮チューブを取り付けた後に、加熱処理することによって、ねじ山に密着するように公差吸収機構を設けることが可能となる。このように、ねじ山と公差吸収機構の密着を強固なものとすることで、止水栓の開閉操作を何度も行い、雄ねじと雌ねじの螺合を繰り返した場合であっても、公差吸収機構の脱落を抑制することが可能となる。
ここでいう変形部とは、縦に切込みを入れるか、若しくはねじ山が上下方向に変異するような変形を意味している。
このように構成された本発明においては、別途部材を用意することなく、既存のねじ山に変形加工を施すだけで、公差吸収機構を設けることが出来る。
このように構成された本発明においては、ねじ山が緩衝部材を切削して所謂タッピングを行う状態となり、切削された緩衝部材が雄ねじ部と雌ねじ部との間を埋める形となる。もしくは、緩衝部材が変形してねじ山の隙間を埋めるとなり、止水栓部材の振動及びこれに伴う異音の発生を抑制できる。
なお、ここでいう緩衝部材はねじ山に沿う形であればよく、リング状の部材や、一部が欠けた所謂Cリング形状のみならず、ねじ山にそったらせん状の形状でもよい。
このように構成された本発明においては、ねじ山の一部に切削部材が設けられることになる。この状態で、雄ねじ部と雌ねじ部を螺合することによって、切削部材が、切削部材が設けられていないほうのねじ山によって切削される所謂タッピングを行う状態となり、ねじ山と密着するような形となる。
これにより、雄ねじ部と雌ねじ部の相対的な移動を規制することが出来、止水栓部材の振動及びこれに伴う異音の発生を抑制できる。
このように構成された本発明においては、ねじ山の一部に変形部材が設けられることになる。この状態で雄ねじ部と雌ねじ部を螺合することによって、変形部材に圧縮する力が係り、雄ねじ部と雌ねじ部の双方のねじ山の間を埋めるような形に変形することにな
これにより、雄ねじ部と雌ねじ部の相対的な移動を規制することが出来、止水栓部材の振動及びこれに伴う異音の発生を抑制できる。
このように構成された本発明においては、水栓装置本体の上流側に形成される通水路に取り付けられた調圧機能付き止水栓装置の止水栓部材の回転軸部の操作部を操作することにより、止水栓部材の止水栓弁部が通水路の流入口を閉鎖する止水操作を容易に行うことができると共に、通水状態において調圧弁が動作することに伴う異音の発生を低減することが可能となる。
このように構成された本発明においては、湯水混合水栓装置本体の上流側に接続される湯側脚部材又は水側脚部材の少なくとも一方の脚部材に取り付けられた調圧機能付き止水栓装置の止水栓部材の回転軸部の操作部を操作することにより、止水栓部材の止水栓弁部が脚部材の通水路の流入口を閉鎖して止水操作を容易に行うことができると共に、通水状態において調圧弁が動作することに伴う異音の発生を低減することが可能となる。さらに、現場で湯側通水路及び水側通水路のそれぞれから湯水混合水栓装置本体に供給される湯と水のそれぞれの供給圧力が大きく異なる場合であっても、調圧機能付き止水栓装置の調圧弁を通過する水の圧力がほぼ一定に調整されるため、湯水混合水栓装置本体に供給された湯水が所定の設定温度とほぼ等しい温度に調節され、湯水混合水栓装置の吐水部から適温な湯水を吐水することができる。
図1は、本発明の第1実施形態による調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置(湯水混合水栓装置)を示す概略斜視図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態による調圧機能付き止水栓装置1を備えた水栓装置である湯水混合水栓装置2は、湯水混合水栓装置本体4を有し、湯水混合水栓装置本体4は、その背面側に突出する湯側流入部6及び水側流入部8、先端部に吐水口10aが形成されたスパウト10、シャワーホース12、温度調節装置14、スパウト10の吐水口10aによるカラン吐水又はシャワーホース12によるシャワー吐水に切り替え可能な流量調整機能を備えたカラン/シャワー切替装置16を備えている。このような温度調節装置14を備えた湯水混合水栓装置2は、いわゆる「サーモスタット混合栓」と呼ばれている。
なお、本実施形態では、例として、調圧機能付き止水栓装置1を湯水混合水栓装置2の湯側脚部材18及び水側脚部材20の双方に適用させる形態について説明するが、このような形態に限定されず、湯側脚部材18については、調圧機能を備えずに止水機能のみを備えた脚部材となるように構成し、水側脚部材20のみに本実施形態の調圧機能付き止水栓装置1を適用させる形態であってもよい。また、このような形態とは逆に、湯側脚部材18のみに本実施形態の調圧機能付き止水栓装置1を適用させてもよい。
また、湯側脚部材18及び水側脚部材20の構成については同一であるため、以下、湯側脚部材18については説明を省略し、水側脚部材20のみについて具体的に説明する。
図2は本発明の第1実施形態による調圧機能付き止水栓装置の分解斜視図であり、図3は本発明の第1実施形態による調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置の水側脚部材を示す正面図であり、図4は本発明の第1実施形態による止水状態の調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置の水側脚部材の平面断面図であり、図5は本発明の第1実施形態による中圧時の通水状態の調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置の水側脚部材の部分を拡大した部分拡大断面図である。
また、図6は本発明の第1実施形態による調圧機能付き止水栓装置の止水栓部材を正面側斜め上方から見た斜視図であり、図7は本発明の第1実施形態による調圧機能付き止水栓装置の調圧弁の調圧弁体を正面側斜め上方から見た斜視図であり、図8は本発明の第1実施形態による調圧機能付き止水栓装置の止水栓ガイド部材の止水栓ガイド部材本体とこの止水栓ガイド部材本体に取り付けられるフィルター部材を示す斜視図である。
さらに、図9は、本発明の第1実施形態による高圧時の通水状態の調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置の水側脚部材の部分を拡大した部分拡大断面図である。
また、この水側通水路24は、その入口24aから調圧機能付き止水栓装置1が取り付けられる取付室24cまで延びる1次側通水路30と、水側通水路24の取付室24cから下流側に向って水側脚部材20の正面20a及び背面20bとほぼ平行に所定距離に延びた後、前方の出口24bに向って延びる2次側通水路32とを備えている。
また、止水栓部材34は、前後方向に延びる回転軸部42を備え、この回転軸部42の後端部42aは、雄ねじ部40の前面40aの一部から前方へ突出する柱部40bに一体的に形成されている。さらに、雄ねじ部40の内周面40cは、水側通水路24の取付室24cの流入口24dが開放された通水状態のときに、一次側通水路30と取付室24cとを連通させる通水路を形成している。
このとき、図12(b)に示すように螺合前に雄ねじ部40の表面にシールテープ41aを巻きつけ、雌ねじ部24eとの螺合を進めることによって、両者の螺合力によってシールテープ41aが圧縮変形され、ちょうど雄ねじ部40と雌ねじ部24eとの隙間を埋める。これにより、止水栓部材34の移動が規制されることとなり、異音の発生を抑制することが可能となる。
また、後述する調圧弁36の調圧弁体48がパッキン46の外周面46bに対して軸方向に摺動可能となり且つ水側通水路24の取付室24c内に流入した水が調圧弁体48の内部の後述する調圧ばね50のばね室52内に浸入しないように、パッキン46の外周面46bが調圧弁体48の内周面48aとの隙間を密封するようになっている。
調圧弁体48は、止水栓部材34の回転軸部42及び止水弁体部44のそれぞれの外周を取り囲むようにほぼ筒状に形成され、その内部に設けられた調圧ばね50が軸方向に伸縮して作動するためのばね室52を形成している。
調圧ばね50は、軸方向の圧縮力により軸方向に伸縮可能な圧縮コイルばねであり、予め所定の圧縮荷重(予荷重)を与えられた状態で調圧ばね50の後端部50aが止水栓部材34の止水弁体部44の前側支持突起44aに当接し、調圧ばね50の前端部50bが調圧弁体48の肩部48bの内面に当接している。
例えば、調圧弁体48の受圧部48cに作用する水側通水路24の取付室24c内の水圧P1が所定値未満の場合には、調圧ばね50は軸方向に撓まず、調圧弁体48も止水栓部材34の回転軸部42に対して軸方向内側(図5の後側方向)に移動しないようになっている。
一方、調圧弁体48の受圧部48cが受圧する水圧P1が所定値以上の場合には、この水圧P1が調圧弁体48を軸方向内側(図5の後側方向)に押圧する力が調圧ばね50の付勢力F1(図5参照)を上回り、調圧弁体48が止水栓部材34の回転軸部42に対して軸方向内側(図5の後側方向)に移動することにより、調圧弁体48の後端側口縁部48dと水側通水路24の取付室24cの流入口24dとの相対的な距離d1を調整し、一次側通水路30から取付室24c内の流入口24dを経て水側通水路24の出口24bから湯水混合水栓装置本体4へ流出する水の圧力が調整されるようになっている。
この止め環部材54は、上下方向から見て概ねC型形状となっており、止水栓部材34の回転軸部42の前端部近傍の所定位置A1の外周面の周方向に沿って形成された切欠き42dに嵌め込まれるようになっている。
さらに、止め環部材54は、止水栓部材34の回転軸部42の切欠き42dに嵌め込んだ状態では、調圧弁体48の首部48eの前端部48f(図7参照)に当接可能に止水栓部材34の回転軸部42の所定位置A1の外周面から半径方向外側に突出している。
なお、本実施形態の調圧機能付き止水栓装置1では、調圧弁体48が止水栓部材34の回転軸部42の前端部近傍の所定位置A1よりも軸方向外側に移動しないように規制するための移動規制手段の例として、止め環部材54を採用した形態について説明するが、このような形態に限定されず、止水栓部材34の回転軸部42の前端部近傍の所定位置A1の外周面に半径方向外側に突出する突起を一体的に形成し、調圧弁体48の首部48eの前端部48fに当接可能とするような形態であってもよい。
また、止水栓ガイド部材38は、止水栓ガイド部材本体56の外周面の雄ねじ56bの前方側に取り付けれる外側オーリング60を備え、この外側オーリング60により、止水栓ガイド部材本体56が調圧弁36の外周側を覆うように正面側から水側脚部材20の取付部20cに取り付けられた状態で、止水栓ガイド部材本体56の外周面と水側脚部材20の取付部20cの内周面との隙間が密封されるようになっている。
また、止水栓ガイド部材本体56の内周面の後側ガイド部56dは、調圧弁36の調圧弁体48の肩部48bから後方の段部48gまで延びる調圧弁体48の側壁部48h(図7参照)の軸方向の移動をガイドすることができるようになっている。
また、止水栓ガイド部材本体56の後側ガイド部56dには、調圧弁36の調圧弁体48の側壁部48hを軸方向に摺動可能に保持するC型リング64が設けられ、このC型リング64により、調圧弁36の調圧弁体48が軸方向に移動する際のガタツキを抑制し、このガタツキによる異音の発生を抑制することができるようになっている。
止水栓ガイド部材38が水側脚部材20の取付部20cに取り付けられた状態で止水栓ガイド部材38のみを取り外す際には、まず、止水栓部材34の操作部42bのキー溝42cにマイナスドライバー等の工具(図示せず)を嵌め込んで回すことにより、止水栓部材34の雄ねじ部40及び回転軸部42について中心軸線Cの軸線回りの回転操作して軸方向の後方へ移動させる。そして、止水栓部材34の止水弁体部44の後側支持突起44bの後端部(回転軸部42の後端部42a)及びパッキン46の後端面46aを水側通水路24の取付室24cの流入口24dに当接して密着させることにより、水側通水路24の取付室24cの流入口24dを閉鎖した止水状態にした後、スパナ等の工具(図示せず)を用いて止水栓ガイド部材38の止水栓ガイド部材本体56の操作部56eを中心軸線Cの軸線回りの回転操作することにより、水側脚部材20の取付部20cの雌めじ20dと止水栓ガイド部材本体56の雄ねじ56bとの螺合を解除することにより、水側脚部材20の取付部20cに止水栓部材34と調圧弁36が取り付けられて水側通水路24の取付室24cの流入口24dが止水された状態で、止水栓ガイド部材本体56とフィルター部材58が水側脚部材20の取付部20cから取り外し可能となっている。
まず、図5及び図9に示すように、止水栓部材34の止水弁体部44によって、流入口24dが開放された状態では、一次側通水路30内の水は、止水栓部材34の雄ねじ部40の内周面40cによって形成される流路を通過して流入口24dを経て取付室24c内に流れ込む。そして、この取付室24c内に流れ込んだ水は、止水栓部材34の止水弁体部44のパッキン46により調圧弁36の調圧弁体48の内部のばね室52への浸入が阻止された状態で、調圧弁体48の外側からフィルター部材58を通過して、2次側通水路32へ流出する。
また、調圧弁36についてメンテナンスを行う場合には、止水栓部材34の止水弁体部44及びパッキン46が水側通水路24の取付室24cの流入口24dを閉鎖して1次側通水路30を止水した状態にしたまま、止水栓ガイド部材本体56とフィルター部材58を取り外した状態で、止め環部材54と止水栓部材34の回転軸部42の切欠き42dとの嵌合を解除し、調圧弁36の調圧弁体48や調圧ばね50を止水栓部材34に対して前方に引き出すことにより、水側脚部材20の取付部20cの内部から前方に取り出す。
図10は、本発明の第2実施形態による低圧時の通水状態の調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置の水側脚部材の部分を拡大した部分拡大断面図である。
ここで、図10において、本発明の第1実施形態による調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
なお、第2実施形態においては、雄ねじ部40の表面にマイクロカプセルを含むメック加工を施し、螺合によって塗料層を形成する構造としたが、雄ねじ部40の表面に直接変形可能な塗料層を設けてもよい。
図11は、本発明の第3実施形態による低圧時の通水状態の調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置の水側脚部材の部分を拡大した部分拡大断面図である。
ここで、図11において、本発明の第1及び第2実施形態による調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置と同一の部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
この状態で雄ねじ部40と雌ねじ部24eを螺合させた場合の、図14(a)におけるa−a‘断面を図14(b)に、b−b’断面を図14(c)にそれぞれ示す。雄ねじ部40のうち切り欠き部41eは、図14(c)に示すように、その変位の方向の雌ねじ部24eと接触する状態となる。これにより、切り欠き方向に変位していない通常のねじ山は変位の方向とは逆向きの面が、雌ねじ部24eのねじ山と接触する状態となる。これにより、雄ねじ部40と雌ねじ部24eが、螺合の何れに方向においても接触し止水栓部材34の移動が規制されることとなり、異音の発生を抑制することが可能となる。
このように構成することで、別途部材や材料を用意することなく異音の発生を抑制できる。なお、ここではねじ山が完全に切れている切り欠き形状を示したが、ねじ山が下方向あるいは上方向に変位するだけの変形であってもよく、同様の効果を奏する。
第4実施形態においては、図15(a)に示すように雄ねじ部40のねじ山の一部に樹脂製のCリング41fを取り付ける。この状態で、雌ねじ部24eと羅合させてゆくと、雌ねじ部24eによって、Cリング41fが切削される、所謂タッピンねじを螺合させた場合と同様の現象が生じる。これによって、Cリング41は変形し、図15(b)に示すように、雄ねじ部40と雌ねじ部24eの双方に接触する形となる。これにより、雄ねじ部40と雌ねじ部24eが、螺合の何れに方向においても接触し止水栓部材34の移動が規制されることとなり、異音の発生を抑制することが可能となる。
図16(a)は第5実施形態における雌ねじ部24eを上面から見た模式図である。この図に示すように、雌ねじ部24eの一部に切削部材41gが設けられている。この状態で、雄ねじ部40を雌ねじ部24eに螺合していくことで、雄ねじ部40によって切削部材が切削される、所謂タッピンねじを螺合させた場合と同様の現象が生じる。これによって、切削部材にねじ山がねじきられ、図16(b)に示すように、雄ねじ部40と雌ねじ部24eの双方に接触する形となる。これにより、雄ねじ部40と雌ねじ部24eが、螺合の何れに方向においても接触し止水栓部材34の移動が規制されることとなり、異音の発生を抑制することが可能となる。
図17(a)は第6実施形態における雄ねじ部40を上面から見た模式図である。この図に示すように、雄ねじ部40の一部に変形部材41hが設けられている。この状態で、雄ねじ部40を雌ねじ部24eに螺合していくことで、雄ねじ部40によって変形部材が圧縮され変形する現象が生じる。これによって、図16(b)に示すように、変形部材は雄ねじ部40と雌ねじ部24eの双方に接触し、隙間を埋める形となる。これにより、雄ねじ部40と雌ねじ部24eが、螺合の何れに方向においても接触し止水栓部材34の移動が規制されることとなり、異音の発生を抑制することが可能となる。
2 湯水混合水栓装置
4 湯水混合水栓装置本体
6 湯側流入部
8 水側流入部
10 スパウト
10a 吐水口(吐水部)
12 シャワーホース(吐水部)
14 温度調節装置
16 カラン/シャワー切替装置(吐止水切替手段)
18 湯側脚部材
20 水側脚部材
20a 水側脚部材の正面
20b 水側脚部材の背面
20c 水側脚部材の調圧機能付き止水栓装置の取付部
20d 水側脚部材の調圧機能付き止水栓装置の取付部の雌ねじ
22 湯側通水路
24 水側通水路
24a 水側通水路の入口
24b 水側通水路の出口
24c 水側通水路の取付室
24d 水側通水路の取付室の流入口
24e 水側通水路の雌ねじ部
26 水側脚部材の上流側接続部
28 水側脚部材の下流側接続部
30 1次側通水路
32 2次側通水路
34 止水栓部材
36 調圧弁
38 止水栓ガイド部材
40 止水栓部材の雄ねじ部
40a 止水栓部材の雄ねじ部の前面
40b 止水栓部材の雄ねじ部の柱部
40c 止水栓部材の雄ねじ部の内周面
41a シールテープ
41b メック加工層
41c マイクロカプセル
41d 固着剤層
41e 切り欠き部
41f Cリング
41g 切削部材
41h 変形部材
42 止水栓部材の回転軸部
42a 止水栓部材の回転軸部の後端部
42b 止水栓部材の回転軸部の操作部
42c 止水栓部材の回転軸部の操作部のキー溝
42d 止水栓部材の回転軸部の切欠き
44 止水栓部材の止水弁体部
44a 止水栓部材の止水弁体部の前側支持突起
44b 止水栓部材の止水弁体部の後側支持突起
46 パッキン(シール部材)
46a パッキンの後端面
46b パッキンの外周面
48 調圧弁体
48a 調圧弁体の内周面
48b 調圧弁体の肩部
48c 調圧弁体の受圧部
48d 調圧弁体の後端側口縁部
48e 調圧弁体の首部
48f 調圧弁体の首部の前端部
48g 調圧弁体の段部
48h 調圧弁体の側壁部
50 調圧ばね
50a 調圧ばねの後端部
50b 調圧ばねの前端部
52 ばね室
54 止め環部材
56 止水栓ガイド部材本体
56a 止水栓ガイド部材本体の後端部の内周面
56b 止水栓ガイド部材本体の雄ねじ
56c 止水栓ガイド部材本体の前側ガイド部
56d 止水栓ガイド部材本体の後側ガイド部
56e 止水栓ガイド部材本体の操作部
58 フィルター部材
58a フィルター部材の取付用突起
58b フィルター部材の取付用突起
60 外側オーリング
62 内側オーリング
64 C型リング
Claims (10)
- 通水路を止水状態又は通水状態に切り替え、流出する水の圧力を調整する調圧機能付き止水栓装置であって、
水栓装置の上流側に形成される通水路内の雌ねじ部に螺合される雄ねじ部と、一端部が上記雄ねじ部の一部と一体的に形成されて他端部が長手方向軸線の軸線回りの回転操作可能な操作部となる回転軸部と、この回転軸部から半径方向外側に突出し上記雄ねじ部及び上記回転軸部の回転に応じて上記通水路の流入口に対して軸方向に相対的に移動して上記流入口を開閉する止水弁体部と、を備えた止水栓部材と、 上記止水栓部材の回転軸部に対して軸方向に移動可能に取り付けられて上記止水栓部材の回転軸部及び止水弁体部のそれぞれの外周を取り囲むようにほぼ筒状に形成された調圧弁体と、この調圧弁体の内部に設けられて上記調圧弁体を軸方向外側に付勢する調圧ばねと、を備えた調圧弁であって、上記調圧弁体は、上記調圧ばねからの軸方向外側への付勢力を内側から受けると共に上記止水栓部材の止水弁体部が上記通水路の流入口を開放した通水状態のときに上記調圧弁体を軸方向内側に移動させる水圧を外側から受ける受圧部を備え、この受圧部で受圧した上記調圧弁体が軸方向に移動することにより上記調圧弁体と上記通水路の流入口との相対的な距離を調整して上記通水路から上記水栓装置へ流出する水の圧力を調整する上記調圧弁と、
上記通水路に取り付けられた状態で上記止水栓部材の回転軸部の操作部が操作可能となるように上記止水栓部材及び上記調圧弁の外周の一部を取り囲み、上記止水栓部材及び上記調圧弁の軸方向の移動をガイドする上記止水栓ガイド部材と、を有し、
上記雄ねじ部及び/又は上記雌ねじ部に公差吸収機構を設けたことを特徴とする止水栓装置 - 上記公差吸収機構として、上記雄ねじ部のねじ山にシールテープを貼り付けていることを特徴とする請求項1に記載の止水栓装置
- 上記公差吸収機構として、上記雄ねじ部及び/又は上記雌ねじ部のねじ山にコート材の層を形成したことを特徴とする請求項1に記載の止水装置
- 上記公差吸収機構として、上記雄ねじ部のねじ山に熱可塑性のチューブを取り付けることを特徴とする請求項1に記載の止水栓装置
- 上記公差吸機構として、上記雄ねじ部又は上記雌ねじ部のねじ山に変形部位を設けたことを特徴とする請求項1に記載の止水栓装置。
- 上記公差吸収機構として、上記雄ねじ部又は雌ねじ部のねじ山に沿って緩衝材を備えることを特徴とする請求項1に記載の止水栓装置。
- 上記公差吸収機構として、上記雄ねじ部又は上記雌ねじ部の周方向の一部に切削部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の止水栓装置。
- 上記公差吸収機構として、上記雄ねじ部又は上記雌ねじ部の周方向の一部に変形部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の止水栓装置。
- 請求項1乃至8の何れか1項に記載の調圧機能付き止水栓装置を備えた水栓装置であって、
吐水口が形成された水栓装置本体と、
吐水状態と止水状態に切り替える吐止水切替手段と、を有することを特徴とする水栓装置。 - 湯と水を混合して所定温度に調節した湯水を吐水又は止水する、請求項1乃至8の何れか1項に記載の調圧機能付き止水栓装置を備えた湯水混合水栓装置であって、
湯と水が混合される湯水混合水栓装置本体と、
この湯水混合水栓装置本体に設けられた吐水部と、
吐水状態と止水状態に切り替える吐止水切替手段と、
上記湯水混合水栓装置本体の上流側に接続され、湯側通水路を形成する湯側脚部材と、 上記湯水混合水栓装置本体の上流側に接続され、水側通水路を形成する水側脚部材と、 を有し、
上記湯側脚部材又は上記水側脚部材の少なくとも一方の脚部材には、上記調圧機能付き止水栓装置の止水栓部材及び調圧弁が取り付けられることを特徴とする調圧機能付き止水栓装置を備えた湯水混合水栓装置。
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