JP2014000496A - 塗膜を形成する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送される帯状体に質量平均分子量の大きい固形分を含む溶液を塗布する場合に、帯状体に引っ張られた塗布液が排出口端部に付着してカレットを生成し、塗布面質が悪化する現象を防ぐことができる塗膜の形成方法を提供する。
【解決手段】質量平均分子量10,000以上の固形成分10〜60質量%及び沸点が180℃以下である液体成分40〜90質量%を含有する塗布液を、移送される帯状体上に供給して連続的に塗膜を形成する方法であって、帯状体の進行方向と塗布液の排出口の排出方向との角度が0〜85°である塗膜を形成する方法。
【選択図】図7

Description

本発明は、搬送される帯状体に溶液を連続的に安定塗布する方法に関するものである。
搬送される帯状体に連続的に溶液を塗布する場合、帯状体の進行方向と垂直の角度から溶液をパイプより吐出したり(図2)、スロットダイを用いて塗布する(図1)のが一般的である。
これは、膜厚分布や塗布液の拡がりを制御し、液の飛散を防ぐために、帯状体と排出口とのギャップを制御する必要があり、パイプやスロッドダイが帯状体の進行方向と垂直の角度にある方が、帯状体と排出口とのギャップを制御しやすいためである。
塗布液が揮発性の場合、塗布液が排出口の端部(淵)に付着して乾燥固化してしまう問題がある。この排出口の端部に付着して乾燥固化したものをカレットと呼ぶこととするが、このカレットは、パイプやダイリップ先端部にツララ状に成長して溶液の流れを乱し、塗工スジが表出して安定な膜形成を阻害する。特に光学用途向けなどの高い表面平滑性が求められる帯状製品の場合、安定な膜ができないと致命的欠陥となる。
このため、カレットが発生した場合は、カレット除去のために製造工程を停止しなければならず、生産性を著しく低下させる原因となっていた。
このカレットが発生する原因は、塗布液供給量や塗布速度の微小変化や移送される帯状体の蛇行などの塗布外乱によって塗布液がパイプやダイ先端から離れる点が動き、そこに一時的に塗布液が滞留し乾燥固化するためである。塗布液が不安定な挙動を示す場所がカレット発生の起点となってしまうことがわかっている。
塗布部近傍に溶剤飽和ガスを吹き込み、溶剤を流下することにより塗布液の乾燥固化を防止することが可能だが、この方法では、液体成分量が増えて塗布後に溶媒乾燥に要する工程が長大になってしまい、製造コストが大きくなってしまうデメリットがある。
塗布後に塗布液を重合反応で液体成分を重合させて製品を得る場合、溶剤を加えて液体成分を増やすことは、溶剤を乾燥する工程が必要となり製造コストがさらに大きくなってしまう。
そこで液体成分を増やさずにカレット発生を防止する対策として、塗布液がパイプやダイ先端から離れる瞬間の塗布液の流れを安定させて、パイプやダイ先端から塗布液が離れる点を一定にすることと、塗布液の流速を高めて、少量のカレットが生成しても押し流して成長と滞留を起こさせないようにすることが有効であることが知られている。
具体的には、スロットダイの形状を工夫することでカレットを低減している例が見られる。
特許文献1ではスロットダイのリップ両端部の形状を、側面に弧状に加工された曲面を設けることで塗布液の流速低下部を無くし、リップ両端部に発生するカレットを低減させている。
一方、特許文献2ではスロットダイのリップクリアランスを、リップ先端に行くほど広げて吐出の瞬間の溶液の急激な圧力変動を防ぎ、ダイリップ先端から塗布液が離れる点を一定にしてカレット・塗工スジなどの塗工不良を低減させている。
特開2010−167,787号公報 特開2006−327,162号公報
しかし、塗布液が質量平均分子量の大きい固形成分を含む場合、粘度が高くなって、帯状体の搬送によって液が引っ張られて排出口(パイプやダイ)の真下に塗布液が落下せず、搬送方向の下流側に落下する現象があることを見出した。(図3、4参照)この現象により排出口と帯状体の距離が近い場合や、帯状体の搬送速度が早い場合に、引っ張られた塗布液が排出口の端部(淵)に付着して、カレットの生成がさらに顕著になってしまう問題がある。
この問題を詳しく説明するため図5に図3のダイリップ先端部の拡大図を示す。ここでダイリップ表面6は移送される帯状体に対して平行である。塗布膜上面3は塗布膜の、帯状体と接しない側の表面である。
塗布液が質量平均分子量の大きい固形成分を含み粘度が高い場合、このダイリップ表面6と塗布膜上面3の成す角度は90°にならず、鋭角になる(真下に塗布液が落ちない)。さらに排出口と帯状体の距離が近い場合や、帯状体の搬送速度が早い場合には、図5中の塗布液上面3’のように3よりさらに鋭角的になる現象が観察された。3’よりさらに排出口と帯状体の距離が近い場合や、帯状体の搬送速度が早い場合には、3’よりさらに鋭角的な3”になる現象が観察された。鋭角になることによって引っ張られた塗布液上面3とダイリップ表面6との間隔は小さくなり、近づくことになる。
先述の様々な塗布外乱によって塗布膜が排出口から離れる点(塗布膜自体も)は不安定に動いているが、塗布液上面3とダイリップ表面6との間隔が狭いことで、塗布液上面3がダイリップ表面6に付着しやすくなる。付着した部分はカレット生成の起点となり、やがて塗工不良に繋がる。
図6に図4の塗布液供給用パイプ先端の拡大図を示す。ここでも図5と同様に塗布液上面3は帯状体に引っ張られることによって3’や3”の様に、パイプ端面7と成す角が鋭角的になって間隔が狭まり、塗布外乱によって塗布膜が動いて付着し、カレット生成の起点となる可能性が高まってしまう。
本発明者は、排出口の角度を変えることで、塗布液が排出口の淵から離れる瞬間の塗布液上面3とダイリップ表面6あるいはパイプ端面7との成す角度が90°に近づいてダイリップ表面6あるいはパイプ端面7と塗布液上面3との間隔が大きくなり、塗布外乱によるカレット付着可能性が減る。かつ、角度が90°に近づくことで塗布液が直線的に吐出され、塗布液がパイプやダイ先端から離れる瞬間の塗布液の流れが安定化することを見出した。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、搬送される帯状体に質量平均分子量の大きい固形分を含む溶液を連続的に塗布する場合に、帯状体に引っ張られた塗布液が排出口端部に付着してカレットを生成し、塗布面質が悪化する現象を防ぐことができる溶液塗布方法を提供することを目的とする。
本発明は、質量平均分子量10,000以上の固形成分10〜60質量%及び沸点が180℃以下である液体成分40〜90質量%を含有する塗布液を、移送される帯状体上に供給して連続的に塗膜を形成する方法であって、帯状体の進行方向と塗布液の排出口の排出方向との角度が0〜85°である塗膜を形成する方法である。
該塗布液の粘度が3万cp以上であり、ラジカル重合可能であると前述のカレット生成の問題がより顕著となり、本発明の効果は大きい。
また、移送される帯状体に塗布液を供給する供給装置として、ダイ(スリットダイ)を用いる塗膜製造方法では前述のカレット生成による塗布面質悪化の影響がより顕著となり、本発明の効果は大きい。
本発明では、特許文献1、2と異なり、ダイリップ表面6やパイプ端面7が移送される帯状体に対して平行でなくなることで、排出口の形状や大きさによらず、様々な塗布外乱や、搬送方向の下流側に塗布液が引っ張られる現象に対しての安定性が増すことを本発明者らは見出した。
この方法を用いると、塗工速度や供給量などの塗工条件を変えても、パイプやダイの角度を調整することで、簡易的にカレットが防止できる。安定生産可能な塗工条件の範囲が広くなるメリットがある。
本発明により、質量平均分子量の大きい固形成分を含んだ塗布液の連続塗布中のパイプやダイリップ端部でのカレット発生を防止できる。
本発明によって得られた製品は、高い光学的性質と表面平滑性を有し、かつ耐熱性が高く、機能性層が被覆された積層体は優れた反射防止機能、ハードコート機能、帯電防止機能、汚れ防止機能も有し、ディスプレイ等表示装置の面板、すなわち携帯電話、携帯型ゲーム機、カーナビゲーションシステム、ボータブルAV機器等に代表される液晶画面の表面を保護するフィルム・シートとして好適である。
一般的なダイで帯状体に連続的に塗布する装置の側面図 一般的なパイプで帯状体に連続的に塗布する装置の側面図 質量平均分子量の大きい固形成分を含んだ塗布液をダイで塗布する場合の側面図 質量平均分子量の大きい固形成分を含んだ塗布液をパイプで塗布する場合の側面図 図3のダイリップ先端の拡大図 図4のパイプ先端の拡大図 本発明のダイ角度の実施態様を示す側面図 本発明のパイプ角度の実施態様を示す側面図
「固形成分の種類」
本発明の塗布液に配合される固形成分は質量平均分子量10,000以上のポリマーが製品の物性として好ましい。種類としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等のメチルメタクリレート以外のアルキルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−t-ブチルマレイミド等のマレイミド誘導体、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ基含有単量体、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ジメタクリル酸ポリブチレングリコール、ジアセトンアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート等の窒素含有単量体、アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有単量体、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、エチレングリコールジアクリレート、アリルアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、アリルメタクリレート、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリアクリレート等の架橋剤などの重合性モノマーを活性エネルギー線の照射、あるいは熱分解開始剤を触媒とする熱重合反応によって硬化させたポリマーが挙げられる。先に挙げた重合性モノマーの単独重合物または共重合物も使用することができる。これらポリマーは1種または複数種選定しての使用もできる。ここで「(メタ)アクリ…」とは「メタクリ…」または「アクリ…」のことをいう。
固形成分の配合量としては、多いと塗布膜の重合硬化、もしくは乾燥による形状固定が早く完結するため工程が短くできて有利であるため固形分濃度10〜60%であることが好ましいが、さらに好ましくは固形分濃度は15〜45%であることがよい。
「溶媒・液体成分」
塗布液の液体成分としては、例えば上記の重合性モノマー及び有機溶媒が挙げられる。
有機溶媒としては、例えば、低級脂肪族炭化水素の塩化物や低級脂肪族アルコールが一般に使用される。一般的な有機溶媒であるアセトン、トルエン、メチルエチルケトンなども使用することができる。低級脂肪族炭化水素の塩化物の例としては、メチレンクロライドを挙げることができる。低級脂肪族アルコールの例には、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールおよびn−ブタノールが含まれる。その他の溶剤の例としては、ハロゲン化炭化水素を実質的に含まない、アセトン、炭素原子数4から12までのケトンとしては例えばメチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びメチルシクロヘキサノンが含まれ、炭素原子数3から12までのエステルとしては例えばギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル及び2−エトキシ−エチルアセテート等が含まれ、炭素原子数1から6までのアルコールとしては例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソ−プロパノール、1−ブタノール、t−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、2−メトキシエタノール及び2−ブトキシエタノール等が含まれ、炭素原子数が3から12までのエーテルとしては例えばジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソール及びフェネトール等が含まれ、また炭素原子数が5から8までの環状炭化水素類としてはシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン及びシクロオクタン等が含まれる。
「添加剤」
重合開始剤や可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、界面活性剤、離型剤などの添加剤を塗布液に加えてもよい。
「被塗布面」
搬送される帯状体としてはPETフィルムに代表される樹脂フィルムや、平滑平面を持つ金属ベルトや金属ロールが好ましい。特にこれらは腐食性と耐久性の観点よりステンレス製や表面にクロムめっきを施したものが好ましい。
「塗布液の調製」
先述のポリマーと溶媒を加熱可能な容器に入れ、常温で攪拌しながら溶媒によってポリマーを膨潤させる。この際、ポリマーと溶媒以外の成分、重合開始剤や、紫外線吸収剤、劣化防止剤、界面活性剤、離型剤などの添加剤を加えていても良い。また、本発明においては重合性モノマーを部分重合させたポリマーと重合性モノマーを含有する液体成分またはポリマーを重合性モノマーに溶解した液体成分を使用することができる。
次に、ポリマーの溶媒への溶解が始まる温度以上に攪拌しながら昇温し、完全に溶媒に溶解させる。この際、溶解の温度が高すぎるとポリマーの分解が起こってしまい製品シート・フィルムの品質が低下するため好ましくない。加熱溶解に要する時間も、必要最低限に留めて熱履歴を少なくした方が品質的には好ましい。
調製した塗布液は塗布する温度まで冷却し、液内に存在する泡を除去する。脱泡の方法は静置脱泡でも真空脱泡でもよいが、静置脱泡は処理時間が長いため生産性は悪くなる。
「塗布工程」
前述して得られた塗布液は、ミキンシングタンク内に注入され、撹拌翼で撹拌されて均一な溶液になる。この時、塗布液には、重合開始剤、可塑剤及び紫外線吸収剤などの添加剤を混合することも可能である。塗布液は、ポンプにより濾過装置に送られて不純物が除去される。この塗布液を用いて塗布を行なうが、典型的な方法としてはパイプより流延塗布する方法とスロットダイを用いて塗布する方法に分けられる。
「塗布速度」
塗布速度は帯状体の搬送速度と同義である。搬送速度が速すぎると塗布面の平滑性が損なわれ、逆に遅すぎると生産性が悪いため、塗布を行う際の帯状体の搬送速度としては0.1〜20m/minであることが好ましく、0.2〜8m/minであることがさらに好ましい。
「パイプ供給」
次に本発明の特徴部分である塗布液の供給パイプについて説明する。
図8は本発明のパイプ角度の実施態様を示す側面図である。同図に示すように、パイプ5の排出方向は、移送される帯状体2の進行方向との成す角度が0〜85°の範囲内に設定されており、このパイプ5に供給された塗布液が、帯状体上に円柱状に吐出され、帯状体上に落下後に帯状体の幅方向に濡れ広がり、塗膜を形成する。
塗布液のパイプでの供給は、帯状体の進行方向とパイプ排出方向の成す角度が90°に近いとカレット付着の問題が発生するため、帯状体の進行方向とパイプ排出方向の成す角度が0〜85°の範囲で行うのが好ましく、45〜83°の範囲がさらに好ましい。パイプの形状としては円筒状、角筒状などがある。高粘度な塗布液などでパイプを並列で複数本並べて液を供給することもできるが、塗膜の表面平滑性を得ようとすると、帯状体の中央よりパイプ一本で供給するのが最も平滑な面が得られる。
パイプ最下端と移送される帯状体との間隔は大きいと液が落下した後に飛散することがあり、小さいと液が落下した後の拡がりが悪くなるため、5〜200mm以内であることが好ましく、10〜100mmであることさらに好ましい。
「ダイ供給」
次に本発明の特徴部分である塗布液の供給ダイについて説明する。
図7は本発明のダイ角度の実施態様を示す側面図である。同図に示すように、ダイ1の排出方向は、移送される帯状体2の進行方向との成す角度が0〜85°の範囲内に設定されており、このダイ1に供給された塗布液が、帯状体上にシート状に吐出され塗膜を形成する。
塗布液のダイでの供給は帯状体の進行方向とダイリップ排出方向の成す角度が90°に近いとカレット付着の問題が発生し、0°よりマイナス方向になると(ダイリップ排出方向が水平方向より上を向いてしまうと)、塗布液がダイリップ表面を直接流れてしまい膜厚安定性が保持できなくなるため、帯状体の進行方向とダイリップ排出方向の成す角度が0〜85°の範囲で行うのが好ましく、45〜83°の範囲がさらに好ましい。
膜厚均一性が良好な塗膜を得るためには、流体計算などで吐出量が幅方向に均一になるよう内部マニホールドが設計され、リップのエッジやランド部の機械加工がダイ幅方向に真直度や平面度が50μm以内に加工されているものが好ましい。
ダイは2種以上の多層ダイや、ダイの上流に多層用フィードブロックが付着している形状であってもよい。
ダイリップクリアランスは狭い方が塗布液の流速が高くできてカレット生成防止効果が高いが狭すぎるとクリアランスを幅方向で均一に調整するのが難しいため、0.1〜1mmの範囲で設定するのが好ましく、0.2〜0.5mmの範囲がさらに好ましい。
ダイリップ(の最下端)と移送される帯状体との間隔は広すぎると塗膜両端の膜厚精度が悪化してしまい、近すぎると塗布外乱の影響を受けやすくなるため、1〜50mmの範囲が好ましく、1.5〜15mmの範囲で設定するのがさらに好ましい。
「製品」
以上の通り、本発明によって得られた製品は、高い光学的性質と表面平滑性を有し、かつ耐熱性が高く、機能性層が被覆された積層体は優れた反射防止機能、ハードコート機能、帯電防止機能、汚れ防止機能も有し、ディスプレイ等表示装置の面板、すなわち携帯電話、携帯型ゲーム機、カーナビゲーションシステム、ボータブルAV機器等に代表される液晶画面の表面を保護するフィルム・シートとして好適である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。尚、以下において「部」は「質量部」を示す。
[実施例1]
塗布液としてメチルメタクリレートモノマー60部に対し、活性エネルギー線分解重合開始剤1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社、イルガキュア184)を0.3部、離型剤としてジオクチルスルホ琥珀酸ナトリウム(三井サイアナミッド社製、エアロゾルOT−100)を0.05部添加し、常温にて溶解させた後、メチルメタクリレートポリマービーズ(三菱レイヨン社製、VHK000、質量平均分子量90,000)40部を80℃で30分間かけて加熱溶解させ、重合性の塗布液を調整した(ポリマー含有量割合39.9%)。調合時の泡を抜くために50℃にて2時間静置させた後、常温まで自然冷却させた。
この塗布液をSUS630製の塗布幅550mmのスロットダイに33.4cc/minで定量ポンプにより供給した。ダイリップクリアランスは0.5mmに設定し、ダイリップ最下端と移送される帯状体との間隔は10mmに設定した。
移送される帯状体は厚み188μmのPETフィルム(東洋紡社製、コスモシャインA4100)を使用し、移送速度は0.2m/minに設定した。
スロットダイの排出方向と帯状体の進行方向とがなす角度は81°に設定して塗工を開始したところ、3時間連続で塗膜スジのない平滑で安定した塗膜が得られた。
[実施例2]
実施例1の条件のうちダイリップ最下端と移送される帯状体との間隔を5mmに設定すると15分間連続で塗膜スジのない平滑で安定した塗膜が得られた。
[実施例3]
実施例1の条件のうちダイリップ最下端と移送される帯状体との間隔を50mmに設定すると15分間連続で塗膜スジのない平滑で安定した塗膜が得られた。
[実施例4]
実施例1の条件のうちダイリップ最下端と移送される帯状体との間隔を2mmに設定し、スロットダイの排出方向と帯状体の進行方向とがなす角度を76.5°に設定して塗工を開始したところ、15分間連続で塗膜スジのない平滑で安定した塗膜が得られた。
[実施例5]
実施例1の条件のうちダイリップ最下端と移送される帯状体との間隔を35mmに設定し、スロットダイの排出方向と帯状体の進行方向とがなす角度を76.5°に設定して塗工を開始したところ、15分間連続で塗膜スジのない平滑で安定した塗膜が得られた。
[実施例6]
実施例1の条件のうちダイリップ最下端と移送される帯状体との間隔を5mmに設定し、塗布液の供給量を41.8cc/minにすると15分間連続で塗膜スジのない平滑で安定した塗膜が得られた。
[実施例7]
実施例1の条件のうち塗布液の供給量を16.7cc/minに設定し、帯状体の移送速度を0.1m/minにすると15分間連続で塗膜スジのない平滑で安定した塗膜が得られた。
[実施例8]
実施例1の条件のうち塗布液の供給量を41.8cc/minに設定し、帯状体の移送速度を0.25m/minに設定した。さらにダイリップ最下端と移送される帯状体との間隔を4mmに設定すると15分間連続で塗膜スジのない平滑で安定した塗膜が得られた。
[実施例9]
実施例1の条件のうち塗布液の供給量を41.8cc/minに設定し、帯状体の移送速度を0.25m/minに設定すると15分間連続で塗膜スジのない平滑で安定した塗膜が得られた。
[実施例10]
実施例1の条件のうち塗布液の供給量を41.8cc/minに設定し、帯状体の移送速度を0.3m/minに設定した。さらにダイリップ最下端と移送される帯状体との間隔を5mmに設定すると15分間連続で塗膜スジのない平滑で安定した塗膜が得られた。
[実施例11]
実施例1の条件のうち塗布液の供給量を48.9cc/minに設定し、帯状体の移送速度を0.3m/minに設定した。さらにダイリップ最下端と移送される帯状体との間隔を5mmに設定すると15分間連続で塗膜スジのない平滑で安定した塗膜が得られた。
[実施例12]
実施例1の条件のうち塗布液の供給量を48.9cc/minに設定し、帯状体の移送速度を0.6m/minに設定した。さらにダイリップ最下端と移送される帯状体との間隔は5mmに設定すると15分間連続で塗膜スジのない平滑で安定した塗膜が得られた。
[比較例1]
実施例1に記載の塗布液を、ダイリップクリアランスと帯状体との間隔を同じ条件で、スロットダイの排出方向と帯状体の進行方向とがなす角度を90°に設定して塗工を開始したところ、数秒で塗膜スジが塗膜全面に現れ、連続的に良好な塗膜を得られなかった。
実施例1〜12、比較例の条件及び得られた塗膜の状態を表1に示す。
Figure 2014000496
1 スロットダイ
2 移送される帯状体
3 塗布膜上面
4 カレット
5 パイプ
6 帯状体に平行なリップの表面
7 帯状体に平行なパイプの表面
8 ダイリップ
9 パイプ断面

Claims (4)

  1. 質量平均分子量10,000以上の固形成分10〜60質量%及び沸点が180℃以下である液体成分40〜90質量%を含有する塗布液を、移送される帯状体上に供給して連続的に塗膜を形成する方法であって、帯状体の進行方向と塗布液の排出口の排出方向との角度が0〜85°である塗膜を形成する方法。
  2. 塗布液の粘度が3万cp以上である請求項1に記載の塗膜を形成する方法。
  3. 塗布液の供給装置としてダイを用いる請求項1又は2に記載の塗膜を形成する方法。
  4. 塗布液がラジカル重合可能な液体である請求項1〜3のいずれかに記載の塗膜を形成する方法。
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