JP2013542987A - イネの成長を改善し、ヒ素の取り込みを制限するための組成物および方法 - Google Patents

イネの成長を改善し、ヒ素の取り込みを制限するための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

1種または複数種のイネ根圏分離株を、植物病原菌(特にイネいもち病)による感染を抑制して植物の生物量を増大させかつ/または植物によるヒ素の取り込みを減少させるのに有効な量だけ、植物(特にイネ)、植物の種子、または植物の周囲の土壌に施す、本発明による方法。一局面において、植物病原菌による植物の真菌感染を抑制するための方法が提供され、この方法は、1種または複数種のイネ根圏分離株を、未処理植物と比べて前記植物病原菌による感染を抑制するのに有効な量だけ、前記植物、前記植物の種子、または前記植物の周囲の土壌に施すことを含む。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2010年11月16日に出願された出願番号第61/414,108号、2010年11月16日に出願された出願番号第61/414,258号、2010年11月22日に出願された出願番号第61/416,043号、および2010年12月7日に出願された出願番号第61/420,372号(その全体をあらゆる目的のために参照により本明細書に援用する)の優先権を主張するものである。
政府支援の陳述
開示されている発明に至った研究は、一部は米国科学財団のグラント番号0923806によって資金援助された。したがってアメリカ合衆国政府は本発明の一部の権利を有しうる。
本発明は一般に、植物病原菌に対する抗真菌効果を持たせ、植物成長を改善し、かつイネによるヒ素の取り込みを制限するための、イネ根圏から分離された微生物の使用に関する。
米(単子葉植物であるアジアイネ(Oryza sativa)またはアフリカイネ(Oryza glaberrima)の種子)は、世界人口の3分の2を超える人々のもっとも重要な主食であり、消費カロリーのかなりの割合を占める。米の成長速度を速めることは、増加する世界人口にとって基本的な原材料をいっそう入手しやすくするのに役立ちうる。
イネいもち病(マグナポルテ・オリザエ(Magnaporthe oryzae))は、米および同類の植物に重大な病気をもたらす植物病原菌である。これによって毎年、経済的に重大な食物被害がもたらされ、作物収量の推定40%の損失の一因となっている。イネいもち病により、成長期毎に世界中で、幾百万もの人々を養うのに十分な米が損なわれる。米は、世界の大部分にとって欠かせない重要な食物なので、イネいもち病の影響は人間の健康および環境に広範囲の打撃を与える。米不足は、人間の餓死の直接的な一因となる。イネいもち病はさらに、作物被害の一因となり、病気によって生じる作物の減少を補うためにさらなる資源を用いることが必要になる。イネいもち病を減らす方法ならびにイネの成長を増大させる方法が、引き続き大いに必要とされている。
米および他の作物のヒ素による汚染は、バングラデシュ、中国、チリ、インド、メキシコ、ヨーロッパおよび米国を含む世界の多数の地域に影響を与えている。無機ヒ素は毒素であることが証明されており、発がん物質であることが示されている。特に、バングラデシュのベンガル三角州平野(特に、ヒ素の危険地域)で作られる米には、無機ヒ素が蓄積し、それが摂取されると、その地域の人々の大規模な集団中毒の一因となる。重症のヒ素中毒はバングラデシュでは普通のことであり、皮膚損傷や神経損傷がもたらされる。長期にわたって低レベルにさらされると、数々の癌の発生率が増大し、醜くなり、下痢が繰り返される。さらに悪いことに、土壌中のヒ素濃度が高いと、植物にとって有毒となり、また登熟の低下、収量の低下および食物が得られにくくなることの一因となりうる。
幸いにも、植物は、成長の間に生じる非生物的ストレスを克服するための多数のメカニズムを進化させてきたので、こうした生来の生き残り戦略を利用してヒ素同化を減らすことができる。現在、ヒ素の蓄積が少ない米の品種群が栽培されている。さらに、土壌中でヒ素が吸収されにくくするために工学的方法が利用されている。こうした重要かつ相当な努力にもかかわらず、この地域の推定5千万人の人々は現在、衰弱をもたらすヒ素中毒の危険にさらされている。米穀粒中のヒ素濃度を減少させる持続可能な農業的やり方が引き続き大いに必要とされている。
本発明によれば、植物(特にイネまたは同類の作物(例えば、大麦))の真菌感染を植物病原菌によって抑制するための方法は、1種または複数種のイネ根圏分離株を、未処理植物と比べて植物病原菌による感染を抑制するのに有効な量だけ、植物、植物の種子、または植物の周囲の土壌に施すことを含む。
本発明による別の方法は、1種または複数種のイネ根圏分離株を、未処理植物と比べて植物の生物量を多くするのに有効な量だけ、植物(特にイネまたはそれと同類の作物(例えば、大麦))、植物の種子、または植物の周囲の土壌に施すことを含む。
本発明による別の方法は、1種または複数種のイネ根圏分離株を、未処理植物と比べて植物のヒ素濃度を減少させるのに有効な量だけ、植物、植物の種子、または植物の周囲の土壌に施すことを含む。
更なる実施形態では、1種または複数種のイネ根圏分離株を含んでいる農業用キャリヤー(agricultural carriers)および種子被覆が提供される。植物には、任意の既知の方法(根、種子、または葉への接種を含む)によってイネ根圏分離株を接種することができる。
表1に示すイネ根圏分離株の組合せを接種したイネ(日本晴)の根および苗条の長さの増大によって明らかなように、未処理植物と比べて、根圏微生物はイネの成長および健康を促進する。 未処理植物と比べた場合の、表1に示すイネ根圏分離株の組合せを接種した後の収穫時におけるイネ(日本晴)の生物量の乾燥重量。 表1に示すイネ根圏分離株の混合物を接種した場合の米(日本晴)の気孔開度。処理の4週間後に気孔孔辺細胞が観察された。 イネ根圏分離株で処理した後の試験管内のマグナポルテ・オリザエ(M.oryzae)成長物の平均直径。 マグナポルテ・オリザエ(M.oryzae)の葉病斑形成に対するイネ根圏分離株の影響。 表1に示す10種類のイネ根圏分離株の混合物で処理したイネの鉄(Fe)およびリン(P)の総含量。 イネ根圏分離株EA106を補充した米のヒ素耐性。 イネ根分離株でのヒ素耐性。
本発明は、植物病原菌(特に、イネいもち病(例えば、マグナポルテ・オリザエ(Magnaporthe oryzae))に対して抗真菌効果を持たせ、植物成長およびその結果として生じる生物量の増大を引き起こし、かつ植物(特にイネ)のヒ素の取り込みを制限するための、イネ根圏から分離した微生物の使用に関する。
本出願者らは、北アメリカで成長した健康な米のイネ根圏からの様々なプロテオバクテリアを16S RNAシークエンシングによって特定し、さらに12種類の異なる根圏細菌の培養物を分離して確立し、脂肪酸分析でそれらを特定した。本出願者らはまた、表1に列挙されている根圏微生物を培養するための培養手法として富栄養培地(rich media)および最少培地も使用した。簡単に言うと、根圏の試料を、炭素を含まない最少培地に再懸濁させて、0.1g FW mL−1の濃度にした。この懸濁液を使用して、唯一の炭素源である安息香酸ナトリウム(1g L−1)と一緒に最少培地を含んでいる96ウェルプレート中の連続した10倍希釈のシリーズに接種した。成長を記録し標準MPN表によって解釈する前に、室温において5日間、プレートを加湿室内空気で温置した。
イネ根圏から分離されたバクテリアの種を特徴付けて区別するために、細胞の細胞膜および外膜(グラム陰性)脂質中にある脂肪酸の種類および割合をFAMEで分析した。この分析を実施するために、個々の菌株を試験管内で培養し、その脂肪酸を抽出し、メチルエステルを形成させるために用いた。その揮発性誘導体をガスクロマトグラフィーで分離した。分別した試料を、ピークのパターンまたは「フィンガープリント」として測定し、それを包括的微生物参照ライブラリー(expansive microbial reference library)と比較して生物を特定した。この手法は、細菌種(参照ライブラリーにない新種のバクテリアを含む)を特徴付けるのに広く使用されており、病原菌株を特定するのに有用である。10種類のイネ根圏分離株に対して行ったFAME分析の結果を表1に要約してある。残りの2種類の分離株の種類は判定されなかった。
本明細書で使用される「1種または複数種のイネ根圏分離株」は、表1に示されている10種類のイネ根圏分離株の1種または複数種を示す。
興味深いことに、イネ根圏から分離され培養された根圏細菌のほとんどはプロテオバクテリア類に属し、主にシュードモナス属菌であった。このことは、こうしたプロテオバクテリアがイネ根圏中にたくさんいることを示している。イネ根圏分離株は、FAME分析により、非常に厳密に、ペドバクター・ヘパリナス(Pedobacter heparinus)(「EA101」)、クリセオバクテリウム・インドロゲネス(Chryseobacterium indologenes)(フラボバクテリウム属(Flavobacterium))(「EA102」)、ロドコッカス・エリスポリス(Rhodococcus erythropolis)(放線菌)(「EA103」)、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)群(「EA104」)、シュードモナス属(Pseudomonas)(「EA105」)、パントエア・アグロメランス(Pantoea agglomerans)(「EA106」)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)(「EA107」)、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)(「EA108」)、アルスロバクター・オキシダンス(Arthrobacter oxydans)(アクチノバクテリア(Actinobacteria))(「EA201」)、およびディアドバクター(Dyadobacter)(「EA202」)であると特定された。種がバクテリア参照ライブラリー(bacterial reference library)に示されていなかった場合、もっとも近い一致する種を示した(表1)。上述のイネ根圏分離株(EA101〜EA202)は、米のトランスクリプトームに対する影響について評価したイネ根圏バクテリアのサブセットを表す。7つの異なる属に分けられた、分析されたバクテリア群の完全なセット(16S rDNA 2514クローンのシークエンシングで決定された合計14の配列によって表されている)および配列の数を表2に要約してある。
この表からは、菌株EA201については、9個の他の16S rDNA配列(この群は、同じ属(アルトロバクター(Arthrobacter))に含まれる)、および同じ門(アクチノバクテリア(Actinobacteria))に含まれる43個があることが分かる。これは、全分離個体群の中の1つの属からの16S rDNA配列に含まれる比較的重要な代表例である。それに対して、シュードモナス(Pseudomonas)という1つの属の株(EA104、EA105、EA107、およびEA108)内の4つの配列、および同じ門からのさらなる1つの株(1339)は、分離された個体群の中で示された。菌株EA102、EA103、EA106、およびEA202の属および種は、16S rDNAデータセット内の配列によっては表されない。このことはそれらが以前に記載されたことのない独特な菌株であることを示している。
本出願者らは、上述のイネ根圏分離株(すなわち、イネ根圏から(イネの周囲の土壌などから)分離された微生物)が、植物(特にイネ)において一般的な気孔閉鎖応答を引き出すことを実証した。また、イネおよび大麦でのイネいもち病の増大が、1種または複数種のイネ根圏分離株の(任意の接種方法による)事前追加によって減弱されることも示した。さらに、本出願者らは、1種または複数種のイネ微生物分離株(rice microbial isolates)の接種により、イネの栄養成長や穀粒成長、および穀粒収量が改善されることも明らかにした。
本発明による、植物病原菌(菌類病原体など)による植物の感染を抑制するための方法は、1種または複数種のイネ根圏分離株を、未処理植物と比べて植物病原菌による感染を抑制するのに有効な量だけ、植物、植物の種子、または植物の周囲の土壌に施すことを含む。植物の例としては、イネおよび大麦植物(米品種である日本晴など)がある。特定の実施形態では、本発明によれば、1種または複数種のイネ根圏分離株を、未処理のイネと比べてイネいもち病によるイネの感染を抑制するのに有効な量だけ、イネ、イネの種子、あるいはイネまたは種子の周囲の土壌に施すことを含む、イネのイネいもち病の感染を抑制するための方法が提供される。本発明に用いるのに好適なイネとしては、アジアイネ(Oryza sativa)、アフリカイネ(Oryza glaberrima)、およびそのすべての亜種と品種がある。本明細書で使用される「イネいもち病」は、植物病原菌であるマグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea)またはマグナポルテ・オリザエ(Magnaporthe oryzae)を示す。
イネいもち病の症状には、植物の任意の部位(特に、葉など植物の空中部分または地上の部分)で生じる病変部(lesions)または斑点(これは、例えば、白色または灰色でありうる)がある。本明細書で使用される「感染の抑制」とは、真菌感染の症状の低減によって(例えば、未処理植物と比べた場合のイネの空中部分の病変部の数の減少、または病変部の一部またはすべての大きさの減少によって)測定されるイネの真菌感染の低減が生じることを示す。例えば、特定の実施形態では、1種または複数種のイネ根圏分離株を、イネ、イネの種子、またはイネまたは種子の周囲の土壌に、イネいもち病によって引き起こされるイネの病変部の数を未処理のイネと比べて少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、または約5%〜約100%、約10%〜約80%、約20%〜約60%、または約30%〜約50%だけ減少させる量だけ施す。例えば、表4および図5に示すように、植物に接種した場合、対照(すなわち、イネ根圏分離株による処理を行わないもの)と比べて、植物当たりに観察される病変部の平均数が減少し、EA103では約60%だけ減少、EA104では約36%だけ減少、EA105では約30%だけ減少、EA106では約68%だけ減少、EA201では約40%だけ減少した。
他の実施形態では、1種または複数種のイネ根圏分離株を、未処理のイネと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、または約5%〜約100%の間、約10%〜約80%の間、約20%〜約60%の間、または約30%〜約50%の間で、試験管においてマグナポルテ・オリザエ(Magnaporthe oryzae)肥大成長を減少させるのに有効な量だけ,イネ、イネの種子、あるいはイネまたは種子の周囲の土壌に施す。例えば、表3および図4に示すように、EA105およびEA106では、マグナポルテ・オリザエ(Magnaporthe oryzae)の肥大成長が、対照と比べてそれぞれ約77%および約50%減少した。
本発明はまた、1種または複数種のイネ根圏分離株を、未処理植物と比べて植物の生物量を多くするのに有効な量だけ、植物、植物の種子、あるいは植物または種子の周囲の土壌に施すことを含む、植物の生物量をより多くするための方法を提供する。本明細書で使用される植物の生物量とは、植物の本体の全質量を指す。特に明記されていない限り、生物量は、地上の生物量(すなわち、茎、葉、及び/または穀粒を含む空気中の生物量が含まれるが、これらに限定されない)および地下の生物量(すなわち、根)の両方を含む。1種または複数種のイネ根圏分離株を施された植物の生物量は、既知の方法にしたがって測定できる。一実施形態では、植物の生物量は、植物の乾燥重量(DW)(グラム数)によって測定する。
1種または複数種のイネ根圏分離株が施された植物の生物量は、1種または複数種のイネ根圏分離株が植物に施された後の約3日〜約100日の間、約5日〜約85日の間、または約15日〜約35日の間のある時点で測定できる。あるいはまた、1種または複数種のイネ根圏分離株が施された作物の生物量は、植物を収穫して穀粒または産物を集めた時点、すなわち、成熟植物体を畑から収穫した時点(例えば、イネに接種して80日後)に測定できる。一例として、本発明の方法にしたがって1種または複数種のイネ根圏分離株が施された作物植物は、標準統計的解析によって未処理植物より多いと判断される量だけ、地上および地下の生物量の乾燥重量のグラム数で測定した場合の生物量の量が多くなる。例えば、一実施形態では、ある方法は、1種または複数種のイネ根圏分離株を植物種子に施すことを含むものであって、前記1種または複数種のイネ根圏分離株を施した後に、未処理植物よりも約5%〜約100%の量だけ植物の生物量を多くするのに有効な量だけ、1種または複数種のイネ根圏分離株を植物種子に施すことを含む。
本出願者らはさらに、イネ根圏分離株(すなわち、イネの周囲の土壌から分離された微生物)をイネに接種すると、Asの取り込みが制限され、米穀粒中のAsの蓄積が低減することを発見した。特に、本出願者らは、健康なイネ根からの自然に存在する非病原性微生物を特定し、それらが健康なイネの成長を促進し、根圏の酸化電位を高めることを明らかにした。これにより、Asが植物に同化されにくい微小環境が根のすぐ近くに生まれる。本出願者らによって特定された微生物の接種は、食物の品質を改善する手段として米のAsの取り込みを減少させるのに使用できる。本発明は、食物によるAsの取り込みを減らすことができる可能性を有しており、それによってほとんどすぐに低コストで、人の健康および生活の質の改善を幾百万の人々にもたらす。その上、高土壌中濃度(high soil concentrations)の米のAsは米穀粒の収量を減少させることが知られており、本発明は、米穀粒の収穫を改善するという更なる利点を提供しうる。土壌および食物のAs汚染は、バングラデシュ、中国、チリ、インド、メキシコ、ヨーロッパおよび米国を含む世界の多数の地域に影響を与えており、本発明は、世界の発展途上の工業化地域全体で食物の品質および人の健康に幅広く応用することができる。
本発明の更なる実施形態により、1種または複数種のイネ根圏分離株を、未処理植物と比べて植物のヒ素濃度を減少させるのに有効な量だけ、植物(特にイネ)、植え付け前の植物の種子、または植物の周囲の土壌に施すことを含む、植物中のヒ素濃度を減少させる方法が提供される。特に、上述した表1および2の米の微生物分離株EA106は、根でのFeプラーク形成を促進しうる驚くほど強力なFeシデロホア作用を有している。これは、例えば、図7および8で示されている。
植物中のヒ素濃度は、既知の方法で測定できる。例えば、ICPとICP MSを併用して植物体中のAsを測定できる。ICP MSを利用すると、植物体中のAs化学種の定量化も行われる。特定の実施形態では、1種または複数種のイネ根圏分離株を、イネ、植え付け前のイネの種子、またはイネまたは種子の周囲の土壌に、未処理のイネと比べて、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、あるいは約5%〜約100%の間、約10%〜約80%の間、約20%〜約60%の間、または約30%〜約50%の間で、イネ中のヒ素濃度を減少させる量だけ施す。
本発明はさらに、植物(例えば、根)、植物の周囲の土壌、または植え付け前の種に施すことのできるEA106を含む農業用キャリヤー、ならびに植物種子に施すことのできるEA106を含む種子被覆を提供する。本発明はまた、EA106を含む被覆または膜を種子の全部または一部が有するようにEA106で被覆されている植物種子(好ましくはイネの種子)も提供する。農業用キャリヤーは、EA106を、約1×10CFU/ml〜約1×10CFU/ml、より好ましくは約1×10CFU/mlの量だけ含むことができる。種子被覆は、EA106を、約1×10CFU/種子〜約1×10CFU/種子の間の量、より好ましくは約1×10CFU/種子の量だけ含むことができる。農業用キャリヤーおよび種子被覆はそれぞれ成長培地中に含まれるEA106から基本的になっていてよく、さらなる添加剤も物質も含まない。あるいはまた、農業用キャリヤーおよび種子被覆はそれぞれ成長培地(水、水溶液、または粉末など)中に含まれるEA106を含むことができる。成長培地、水溶液、または粉末は、殺虫剤または殺真菌剤などの更なる添加剤を含むことができる。
本明細書で使用される「未処理植物」とは、1種または複数種のイネ根圏分離株が投与されず(未処理植物の場合)、その代わりにバクテリアを除いたキャリヤー媒体からなる模擬接種物で処理されたこと以外は、本発明の方法で1種または複数種のイネ根圏分離株が投与された植物と実質的に同じ条件下(例えば、同じ時間の間、同じ気候で、さらに同じ物質を用いて同じ方法で栽培され、また生物量、病原体耐性、ヒ素濃度、および他の特性は同じ方法で測定される)で成長した、同じ種類の植物を指す。本明細書で使用される、未処理植物と比べた場合の(1種または複数種のイネ根圏分離株を施された)植物の多くなった生物量、低減した真菌感染、または減少したヒ素濃度とは、それぞれ同じ時刻に測定された際の多くなった生物量、低減した真菌感染、または減少したヒ素濃度を表す。
生物量を多くし、病原体による真菌感染を減らし、ヒ素の取り込みを制限することに関する本明細書に記載した方法の特定の実施形態では、1種または複数種のイネ根圏分離株を、約1×10CFU/植物〜約1×10CFU/植物の間の量、より好ましくは約1×10CFU/植物の量だけ植物の根に施し、その植物はその後で土壌に植えるかまたは標準化水耕成長培地中で成長させる。別の実施形態では、1種または複数種のイネ根圏分離株を、約1×10CFU/種子〜約1×10CFU/種子の間の量、より好ましくは約1×10CFU/種子の量だけ、後で植え付けられる種子に施す。例えば、1種または複数種のイネ根圏分離株は、種子を土壌に植え付ける前に、かつ発芽の前に、イネの種子に施すことができる。
本発明の方法は、病原体による感染を抑制し、生物量を多くし、かつ/または植物によるヒ素の取り込みを制限するために、多種類の植物(ならびにその種子または周囲の土壌)を処理するのに使用できる。植物としては、単子葉植物または双子葉植物を挙げることができる。本発明の方法は特にイネまたは大麦植物、とりわけイネに関する。
本発明によれば、1種または複数種のイネ根圏分離株は、根、種子、または葉への接種などによって植物の全体または一部が処理される既知の任意の方法で、植物に施すことができる。例えば、1種または複数種のイネ根圏分離株は、植物の空気中の部分(葉および茎など)、植物の根、植物の種子(土壌に種子を植え付ける前)、または植物または植物種子の周囲の土壌に施すことができる。施す方法としては、浸漬、吹き付け、被覆、注入、または当業者に知られている他の方法がある。本明細書で使用される、1種または複数種のイネ根圏分離株を施すとは、1回施すこと、繰り返し施すこと(すなわち、1種または複数種のイネ根圏分離株を2回以上施すこと)、または連続して施すことのいずれかを表す。1種または複数種のイネ根圏分離株は、植物のライフサイクルの任意のどの時点でも(例えば、発芽する前または後)施すことができる。例えば、1種または複数種のイネ根圏分離株は、イネの種子に、種を土壌に植え付ける前に、かつ発芽の前に施すことができる。あるいはまた、1種または複数種のイネ根圏分離株は、植物、植物の種子、または植物の周りの土壌(発芽が生じた後)に施すことができる。1種または複数種のイネ根圏分離株で処理した後、種子を土壌に植え付け、植物成長を生じさせる従来の方法を用いて栽培することができる。
本発明の実施形態によれば、1種または複数種のイネ根圏分離株は、植物、植物種子、または土壌に、単独で、または他の物質と混ぜて施すことができる。例えば、1種または複数種のイネ根圏分離株は、成長培地中に含まれる1種または複数種のイネ根圏分離株から基本的になり、更なる添加剤も物質もまったく含まない組成物の形で施すことができる。あるいはまた、1種または複数種のイネ根圏分離株は、成長培地(水、水溶液、または粉末などのキャリヤー)中に1種または複数種のイネ根圏分離株を含む組成物の形で施すことができる。成長培地、キャリヤー、水溶液、または粉末は、殺虫剤または殺真菌剤などの更なる添加剤を含むことができる。あるいはまた、1種または複数種のイネ根圏分離株は別個に施すことができ、他の添加剤または物質は別の時に施される。
本発明はさらに、1種または複数種のイネ根圏分離株(植物(例えば、根)、植物の周囲の土壌、または植え付け前の種子に施すことができる)を含んでいる農業用キャリヤー、ならびに1種または複数種のイネ根圏分離株を含んでいる種子被覆(植物種子に施すことができる)を提供する。本発明はまた、種子の全体または一部が1種または複数種のイネ根圏分離株を含んでいる被覆または膜を有するように1種または複数種のイネ根圏分離株で被覆された、植物種子(好ましくはイネの種子)を提供する。農業用キャリヤーは、1種または複数種のイネ根圏分離株を、約1×10CFU/ml〜約1×10CFU/ml、より好ましくは約1×10CFU/mlの量だけ含むことができる。種子被覆は、1種または複数種のイネ根圏分離株を、約1×10CFU/種子から約1×10CFU/種子の間の量、より好ましくは約1×10CFU/種子の量だけ含むことができる。農業用キャリヤーおよび種子被覆はそれぞれ、成長培地中に含まれる1種または複数種のイネ根圏分離株から基本的になっていてよく、更なる添加剤も物質も一切含まれていない。あるいはまた、農業用キャリヤーおよび種子被覆はそれぞれ成長培地(水、水溶液、または粉末など)中に含まれる1種または複数種のイネ根圏分離株を含むことができる。成長培地、水溶液、または粉末は、更なる添加剤(殺虫剤または殺真菌剤など)を含むことができる。
上述した表1のイネ根圏分離株の寄託物は、2010年11月16日より前から、Delaware Biotechnology Institute,15 Innovation way,Room # 145,Newark,DE 19711で入手可能になっている。上述した表1の1種または複数種のイネ根圏分離株は、American Type Culture Collection (ATCC)(10801 University Boulevard,Manassas,Va.20110−2209 USA)に寄託されることになる。特許庁長官への出願が未決定の間、特許庁長官によって資格があると判断された人は、要求すれば、この寄託物を入手することができることになる。寄託物は、ATCC寄託機関(これは公共の寄託機関である)に、30年間、または最新の要求後5年間、または特許の有効期間(いずれか長いほうの期間)の間保管されることになり、その期間の間に生育不能になった場合には取り替えられることになる。寄託物は、本願の対応物(またはその後継出願(progeny))が出願された国の外国特許法で要求される場合に入手できることになる。
さらに、本寄託物は、微生物の寄託に関するブダペスト条約の規定にしたがって保管され、公共利用できるようにされる。すなわち、それは、寄託物の試料の提供の最新の要求がなされた後少なくとも5年間、またどんな場合でも、寄託の日付の後少なくとも30年間か、または培養物の開示を命じることができる任意の特許の有効期間(enforceable life)の間、それが生きていて汚染されない状態に維持するのに必要なあらゆる注意を払ってそれは保管されることになる。
本発明をいっそう詳しく説明するために以下の実施例を示すが、それは本発明を説明するためのものであり、限定するためのものではない。
実施例1
イネ(日本晴)に、上述した表1のイネ根圏分離株の組合せを約10CFU/mlだけ接種した。図1(この中で、RBIは、根圏細菌が接種されたことを示し、RBUは根圏細菌が接種されていないことを示す)に示すように、イネ根圏分離株は、接種後の日数0(dpi:days post inoculation)、7dpi、および15dpiにおいて測定されるイネの成長を促進した。図2は、表1に示すイネ根圏分離株の混合物で処理した米の80dpi(すなわち、収穫時)における平均生物量の値を示す。その時点では、対照と比べて苗条の生物量がおよそ50%増大したことが観察された。
実施例2
イネ根圏分離株がイネ根にコロニーを作るかどうかを評価するために、本出願者らはイネ(品種は日本晴)に上述のイネ微生物分離株を接種し、共焦点レーザー走査顕微鏡で接種後96時間してイネ根を調べた。観察により、有益なイネ微生物分離株が根の表面にバイオフィルムを形成することが確認された。特に、このデータは、イネ微生物分離株が処理の96時間後に効率的にイネ根にコロニーを作ることを示唆しており、またイネ根が有益な微生物のコロニー形成を助けることを示している。
出願者らは、根圏細菌が、葉病原体(foliar pathogen)の侵入を制限する働きのある植物の孔辺細胞に介入することを以前に示した。葉にある気孔開口部を通しての葉病原体の侵入は、有益な微生物による根のコロニー形成のおかげで制限される。イネ微生物分離株によるイネの処理が、気孔開度に何らかの変化をもたらすかどうかを評価するため、本出願者らはイネ微生物分離株で処理されたイネを分析した。表1に示す10種類の異なる微生物分離株の混合物をイネ(日本晴)に加えた。処理の4週間後に気孔孔辺細胞を観察した。図3に示すように、イネ微生物分離株でイネ(品種は日本晴)を処理すると、処理されたイネの気孔が閉じられることを、結果は示した。
実施例3
上述のイネ微生物分離株がイネいもち病(すなわち、マグナポルテ・オリザエ(Magnaporthe oryzae)またはマグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea))の成長を弱めるかどうかを評価するため、本出願者らはマグナポルテ・オリザエ(M.oryzae)をイネ微生物分離株の培養物にさらした。定性仕切り皿(qualitative compartment plates)および定量的データは、イネ微生物分離株にさらされた真菌培養物の肥大成長が低減していることから分かるように、イネ微生物分離株は、マグナポルテ・オリザエ(M.oryzae)の成長を弱めることを示した。対照(TY)と比較すると、非処理の場合に病原体がどれくらい成長するかが分かる。これらの結果を表3および図4に要約してある。シュードモナス属(Pseudomonas)(「EA105」)およびパントエア・アグロメランス(Pantoea agglomerans)(「EA106」)の場合、マグナポルテ・オリザエ(Magnaporthe oryzae)の肥大成長がそれぞれ約77%および約50%だけ減少した。それゆえに本出願者らは、イネ微生物分離株を介して生じる、マグナポルテ・オリザエ(Magnaporthe oryzae)に対するイネの組織的抵抗性(systemic resistance)を観察した。
実施例4
全植物病原性試験法(whole plant pathogenicity assay)では、18日間のマラテリ(Maratelli)イネに、根の浸漬によってイネ微生物分離株(2mlの0.5OD/植物)を接種した。イネ分離株は、LBおよびTY培地中で光学濃度が600nmで0.5になるまで一晩成長させた。処理の48時間後に、植物に1×10胞子/mlのマグナポルテ・オリザエ(M.oryzae)を吹き付けた。感染して2週間後に得た外形計測データを表4および図5に示す。例えば、観察された植物当たりの病変部の平均数は、植物に接種された場合、対照(すなわち、イネ根圏分離株で処理されなかったもの)と比べて減少し、EA103では約60%だけ減少し、EA104では約36%だけ減少し、EA105では約30%だけ減少し、EA106では約68%だけ減少し、さらにEA201では約40%だけ減少した。
実施例5
イネに対する、分離および培養されたプロテオバクテリア株の影響を評価するために、表1に示す10種類の種の混合接種材料を根に接種した。制御された水栽培実験条件で成長させたイネの植物成長およびクロロフィルおよびカロチノイドの総含量は、根圏細菌の接種によって向上した。これらのデータは、この微生物叢が植物生物量の増大を促進することを示している。
本出願者らは、混合根圏細菌を接種して96時間後に米(品種は日本晴)の根を調べた。根を共焦点レーザー走査顕微鏡で見ると、観察からは、有益な微生物のコロニー形成をイネ根が助けていることが分かった。
有益な微生物とのイネの共培養が植物体中の鉄含量に影響したかどうかを評価するために、本出願者らはFe含量をICP−MSで評価した。バクテリア(約10個の細胞/植物)を水栽培で成長したイネに加えた。米穀粒中のFeおよびPの総含量を、処理の60日後に評価した。データは、図6に示すように、表1の10種類のイネ根圏分離株の混合物で処理したイネにより、米穀粒中のFeの総含量が増大したが、穀粒のリン(P)の総含量は増大しなかったことを示している。こうしたデータは、イネへの微生物の補充によりFe含量が増大しうること(このことは、イネの全体的な栄養品質を増大させるのにきわめて重要でありうる)を示唆している。
実施例6
多数の研究により、鉄プラークが水性植物(イネを含む)の根に形成され、これは植物の根にも影響されることが示されてきた。通気組織からの酸素の放射拡散および第一鉄の酸化によって(水)酸化鉄が沈殿すると考えられる。鉄の(水)酸化物は、ヒ酸塩(As[V])などの毒性(半)金属の主な吸着剤であり、したがってプラークを形成する鉄は、根および他の植物部位にAsが取り込まれにくくなりうるようにAsを隔離する点で重要でありうる。また、通気組織から酸素が放出されるせいで、根圏の狭い好気性ゾーンでは亜ヒ酸塩(As[III])が酸化されてヒ酸塩(As[V])になると思われるので、プラークは、Asの隔離を制限する点で重要な役割を果たすと仮定される。プラークは、普通の農業条件下においてさえヒ酸塩(As[V])の大きな塊の捕捉剤として機能することを複数の研究は示唆してきた。
図7に示すデータは、EA106による処理後のAs(V)に対するイネの耐性を示している。イネに、鉄を補充してから、Asの化学種(As(V)およびAs(III))とEA106の両方を共に接種した。図7に示すデータは、EA106の補充により、As(III)よりもAs(V)に対するイネの耐性がもたらされることを示している。As(V)はイネのプラークに蓄積する主な化学種であり、イネへのAsの全体的取り込みにおいて有害なものでありうるので、このデータはきわめて重要である。図8のデータは、Asの化学種(As(V)およびAs(III))に対するEA106の耐性を示している。EA106は、亜ヒ酸塩よりもヒ酸塩に対する耐性が大きいことをデータは示している。
本発明を特定の実施形態に関連して説明してきたが、特許請求されている本発明は、そのような特定の実施形態に不当にも限定されるべきではないことを理解すべきである。実際、記載した本発明の組成物および方法の様々な変更形態および変形形態は、当業者にとって明らかであろうし、添付の特許請求の範囲に含まれることを意図している。

Claims (20)

  1. 植物病原菌による植物の真菌感染を抑制するための方法であって、1種または複数種のイネ根圏分離株を、未処理植物と比べて前記植物病原菌による感染を抑制するのに有効な量だけ、前記植物、前記植物の種子、または前記植物の周囲の土壌に施すことを含む方法。
  2. 前記植物がイネであり、前記菌類病原体がイネいもち病である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記1種または複数種のイネ根圏分離株を前記イネの根に施すことを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記1種または複数種のイネ根圏分離株を植え付け前に前記イネの種子に施すことを含む、請求項2に記載の方法。
  5. 前記1種または複数種のイネ根圏分離株を、約1×10〜約1×10CFU/植物の量だけ前記イネの根に施すことを含む、請求項3に記載の方法。
  6. 前記イネいもち病の症状を未処理植物と比べて約5%〜約100%だけ低減させる、請求項2に記載の方法。
  7. 植物の生物量を多くするための方法であって、1種または複数種のイネ根圏分離株を、未処理植物と比べて前記植物の生物量を多くするのに有効な量だけ、前記植物、前記植物の種子、または前記植物の周囲の土壌に施すことを含む方法。
  8. 前記植物がイネである、請求項7に記載の方法。
  9. 前記1種または複数種のイネ根圏分離株を前記イネの根に施すことを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記1種または複数種のイネ根圏分離株を、植え付け前に前記イネの種子に施すことを含む、請求項8に記載の方法。
  11. 前記1種または複数種のイネ根圏分離株を、約1×10〜約1×10CFU/植物の量だけ前記イネの根に施すことを含む、請求項9に記載の方法。
  12. 植物中のヒ素濃度を減少させるための方法であって、1種または複数種のイネ根圏分離株を、未処理植物と比べて前記植物中のヒ素濃度を減少させるのに有効な量だけ、前記植物、前記植物の種子、または前記植物の周囲の土壌に施すことを含む方法。
  13. 前記植物がイネである、請求項12に記載の方法。
  14. 前記1種または複数種のイネ根圏分離株を前記イネの根に施すことを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記1種または複数種のイネ根圏分離株を、植え付け前に前記イネの種子に施すことを含む、請求項13に記載の方法。
  16. 前記1種または複数種のイネ根圏分離株を、約1×10〜約1×10CFU/植物の量だけ前記イネの根に施すことを含む、請求項14に記載の方法。
  17. 前記1種または複数種のイネ根圏分離株を、未処理植物と比べて約5%〜約100%だけ前記植物中のヒ素濃度を減少させるのに有効な量だけ施すことを含む、請求項13に記載の方法。
  18. 植物中のヒ素濃度を減少させるための方法であって、EA106を、未処理植物と比べて前記植物のヒ素濃度を減少させるのに有効な量だけ、植物、前記植物の種子、または前記植物の周囲の土壌に施すことを含む方法。
  19. 1種または複数種のイネ根圏分離株を含む、農業用キャリヤー。
  20. EA106を含む、農業用キャリヤー。
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