本願は、2010年8月13日に出願された「マルチ・ラジオ共存」(MULTI-RADIO COEXISTENCE)と題された米国仮特許出願61/373,335号の利益を主張する。この開示は、全体が参照によって本明細書に明確に組み込まれている。
例えばユーザ機器(UE)のようなマルチ・ラジオ・デバイスは、同時に動作しうる構成要素ラジオ・デバイスのうちのさまざまなデバイス間の共存問題を経験しうる。本開示のさまざまな態様は、顕著なデバイス内共存問題が存在しうる、マルチ・ラジオ・デバイスにおける共存問題を緩和するための技術を提供する。例えば、UE上で動作するロング・ターム・イボリューション(LTE)モデムからの送信は、例えば、MediaFLO(FLO)、デジタル・ビデオ・ブロードキャスト・フォー・ハンドヘルド(DVB−H)、インテグレーティド・サービス・デジタル・ブロードキャスティング・フォー地上テレビジョン・ブロードキャスティング(IDSB−T)、マルチメディア・ブロードキャスト/マルチキャスト・サービス(MBMS)、エンハンストMBMS(e−MBMS)等のようなブロードキャスト・ストリーム・システムとの使用のために、UE受信機と干渉しうる。1つの態様では、マルチ・ラジオUEは、LTEモデムとブロードキャスト・ストリーム受信機との間の共存問題を検出し、緩和するための機能モジュールを有する共存マネジャ(CxM)を含む。
前述したように、イボルブド・ノードB(eNB)は、他のラジオによって受けるUE側における干渉に気付かないので、いくつかの共存問題が存在する。1つの態様によれば、UEは、現在のチャネルに共存問題がある場合、ラジオ・リンク障害(RLF)を宣言し、新たなチャネルまたはラジオ・アクセス技術(RAT)へ自律的にアクセスする。UEは、以下の理由で、いくつかの例においてRLFを宣言しうる。1)UE受信が、共存による干渉によって影響される。2)UE送信機が、別のラジオへの破壊的な干渉を引き起こしている。その後、UEは、新たなチャネルまたはRATにおける接続を再確立している間、共存問題を示すメッセージをeNBへ送信する。eNBは、このメッセージを受信することにより、共存問題に気付くようになる。
本明細書に記載された技術は、例えば符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、シングル・キャリアFDMA(SC−FDMA)ネットワーク等のようなさまざまな無線通信ネットワークのために使用されうる。「ネットワーク」および「システム」という用語は、しばしば置換可能に使用される。CDMAネットワークは、例えば、ユニバーサル地上ラジオ・アクセス(UTRA)、CDMA2000等のようなラジオ技術を実現しうる。UTRAは、広帯域CDMA(W−CDMA)および低チップ・レート(LCR)を含む。CDMA2000は、IS−2000規格、IS−95規格、およびIS−856規格をカバーする。TDMAネットワークは、例えばグローバル移動体通信システム(GSM)のようなラジオ技術を実施しうる。OFDMAネットワークは、例えばイボルブドUTRA(E−UTRA)、IEEE 802.11、IEEE 802.16、IEEE 802.20、フラッシュ−OFDM等のようなラジオ技術を実施しうる。UTRA、E−UTRA、およびGSMは、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)の一部である。ロング・ターム・イボリューション(LTE)は、E−UTRAを使用するUMTSの最新のリリースである。UTRA、E−UTRA、GSM、UMTS、およびLTEは、「第3世代パートナシップ計画」(3GPP)と命名された団体からの文書に記載されている。CDMA2000は、「第3世代パートナシップ計画2」(3GPP2)と命名された団体からの文書に記載されている。これらさまざまなラジオ技術および規格は、当該技術分野において知られている。明確化のために、これら技術のある態様は、以下において、LTEについて記載されており、LTE用語が以下の説明の一部で使用される。
シングル・キャリア変調および周波数領域等値化を利用するシングル・キャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)は、本明細書で記載されるさまざまな態様とともに利用されうる技術である。SC−FDMAは、OFDMAシステムと類似の性能を有し、本質的に全体的に同等の複雑さを有する。SC−FDMA信号は、固有のシングル・キャリア構造により、低いピーク対平均電力比(PAPR)を有する。SC−FDMAは、送信電力効率の観点において、低いPAPRがモバイル端末に大いに有益となるアップリンク通信において、特に大きな注目を集めている。これは、現在、3GPPロング・ターム・イボリューション(LTE)またはイボルブドUTRAにおけるアップリンク多元接続スキームのための動作前提である。
図1を参照して、1つの態様にしたがう多元接続無線通信システムが例示される。イボルブド・ノードB100(eNB)は、リソースおよびパラメータを割り当てること、ユーザ機器からの要求を許可/拒否すること等によって、LTE通信を管理するための処理リソースおよびメモリ・リソースを有するコンピュータ115を含む。eNB100はまた、複数のアンテナ・グループを含んでおり、1つのグループは、アンテナ104およびアンテナ106を含み、別のグループは、アンテナ108およびアンテナ110を含み、さらに別のグループは、アンテナ112およびアンテナ114を含む。図1では、おのおののアンテナ・グループについて2本のアンテナしか示されていない。しかしながら、おのおののアンテナ・グループについて、それより多くのまたはそれより少ないアンテナが利用されうる。(アクセス端末(AT)とも称される)ユーザ機器(UE)116は、アンテナ112,114と通信している一方、アンテナ112,114は、アップリンク(UL)188によってUE116へ情報を送信する。UE122は、アンテナ106,108と通信し、アンテナ106,108は、ダウンリンク(DL)126によってUE122に情報を送信し、アップリンク124によってUE122から情報を受信する。FDDシステムでは、通信リンク118,120,124,126は、通信のために異なる周波数を使用する。例えば、ダウンリンク120は、アップリンク118によって使用されるものとは異なる周波数を使用しうる。
通信するように設計されたエリアおよび/またはアンテナのおのおののグループは、しばしば、eNBのセクタと称される。この態様では、それぞれのアンテナ・グループは、eNB100によってカバーされるエリアのセクタ内のUEと通信するように設計される。
ダウンリンク120,126による通信では、eNB100の送信アンテナは、他のUE116,122のアップリンクの信号対ノイズ比を改善するためにビームフォーミングを利用する。さらに、有効通信範囲にわたってランダムに散在するUEへ送信するためにビームフォーミングを利用するeNBは、すべてのUEに対して単一のアンテナで送信しているUEよりも、近隣セル内のUEに対して少ない干渉しかもたらさない。
eNBは、端末と通信するために使用される固定局であり、アクセス・ポイント、基地局、あるいはその他幾つかの専門用語でも称されうる。UEはまた、アクセス端末、無線通信デバイス、端末、あるいはその他いくつかの同等の専門用語で称されうる。
図2は、MIMOシステム200における送信機システム210(eNBとしても知られている)および受信機システム250(UEとしても知られている)の態様のブロック図である。いくつかの事例では、UEとeNBとの両方がおのおの、送信機システムおよび受信機システムを含んでいるトランシーバを有する。送信機システム210では、多くのデータ・ストリームのトラフィック・データが、データ・ソース212から送信(TX)データ・プロセッサ214に提供される。
MIMOシステムはデータ送信のために、複数(NT個)の送信アンテナと複数(NR個)の受信アンテナとを適用する。NT個の送信アンテナおよびNR個の受信アンテナによって形成されるMIMOチャネルは、空間チャネルとも称されるNS個の独立チャネルへ分割されうる。ここで、NS≦{NT,NR}である。NS個の独立チャネルのおのおのは、ディメンションに相当する。複数の送信アンテナおよび受信アンテナによって生成される追加のディメンションが利用される場合、MIMOシステムは、(例えば、より高いスループット、および/または、より高い信頼性のような)向上されたパフォーマンスを与えうる。
MIMOシステムは、時分割多重(TDD)システム、および周波数分割多重(FDD)システムをサポートする。TDDシステムでは、相互原理によって、アップリンク・チャネルからダウンリンク・チャネルを推定できるように、アップリンク送信およびダウンリンク送信が、同じ周波数領域にある。これによって、eNBにおいて複数のアンテナが利用可能である場合、eNBは、ダウンリンクで送信ビーム・フォーミング・ゲインを抽出できるようになる。
態様では、データ・ストリームはおのおのの、それぞれの送信アンテナを介して送信される。TXデータ・プロセッサ214は、符号化されたデータを提供するために、データ・ストリームについて選択された特定の符号化スキームに基づいて、各データ・ストリームのためのトラフィック・データをフォーマットし、符号化し、インタリーブする。
おのおののデータ・ストリームの符号化されたデータは、OFDM技術を用いてパイロット・データと多重化されうる。パイロット・データは一般に、既知の手法で処理される既知のデータ・パターンであり、チャネル応答を推定するために受信機システムにおいて使用されうる。おのおののデータ・ストリームについて多重化されたパイロットおよび符号化されたデータは、データ・ストリームのために選択された特定の変調スキーム(例えば、BPSK、QPSK、M−PSK、あるいはM−QAM等)に基づいて変調(例えば、シンボル・マップ)され、変調シンボルが提供される。おのおののデータ・ストリームのデータ・レート、符号化、および変調は、メモリ232とともに動作するプロセッサ230によって実行される指示によって決定されうる。
それぞれのデータ・ストリームの変調シンボルは、その後、(例えば、OFDMのために)変調シンボルをさらに処理しうるTX MIMOプロセッサ220に提供される。TX MIMOプロセッサ220はその後、NT個の変調シンボル・ストリームを、NT個の送信機(TMTR)222a乃至222tへ提供する。ある態様では、TX MIMOプロセッサ220は、データ・ストリームのシンボル、および、このシンボルが送信されるアンテナへ、ビームフォーミング重みを適用する。
各送信機/受信機222は、1または複数のアナログ信号を提供するために、それぞれのシンボル・ストリームを受信して処理し、さらには、MIMOチャネルを介した送信に適切な変調信号を提供するために、このアナログ信号を調整(例えば、増幅、フィルタ、およびアップコンバート)する。送信機/受信機222a乃至222tからのNT個の変調信号は、その後、NT個のアンテナ224a乃至224tからそれぞれ送信される。
受信機システム250では、送信された変調信号がNR個のアンテナ252a乃至252rによって受信され、おのおののアンテナ252からの受信信号が、それぞれの受信機(RCVR)254a乃至254rへ提供される。おのおのの受信機254は、受信したそれぞれの信号を調整(例えば、フィルタ、増幅、およびダウンコンバート)し、この調整された信号をデジタル化してサンプルを提供し、さらにこのサンプルを処理して、対応する「受信された」シンボル・ストリームを提供する。
RXデータ・プロセッサ260は、NR個の受信機254からNR個のシンボル・ストリームを受信し、受信されたこれらシンボル・ストリームを、特定の受信機処理技術に基づいて処理して、NR個の「検出された」シンボル・ストリームを提供する。RXデータ・プロセッサ260は、その後、検出されたおのおののシンボル・ストリームを復調し、デインタリーブし、復号して、このデータ・ストリームのためのトラフィック・データを復元する。RXデータ・プロセッサ260による処理は、基地局210におけるTX MIMOプロセッサ220およびTXデータ・プロセッサ214によって実行されるものと相補的である。
(メモリ272とともに動作する)プロセッサ270は、どのプリコーディング行列を使用するのかを定期的に決定する(後述する)。プロセッサ270は、行列インデクス部およびランク値部を有するアップリンク・メッセージを規定する。
アップリンク・メッセージは、通信リンクおよび/または受信されたデータ・ストリームに関するさまざまなタイプの情報を含みうる。アップリンク・メッセージはその後、多くのデータ・ストリームのトラフィック・データをデータ・ソース236から受け取るTXデータ・プロセッサ238によって処理され、変調器280によって変調され、送信機254a乃至254rによって調整され、基地局210へ送り戻される。
送信機システム210では、受信機システム250からの変調された信号が、アンテナ224によって受信され、送信機/受信機222によって調整され、復調器240によって復調され、RXデータ・プロセッサ242によって処理されて、受信機システム250によって送信されたアップリンク・メッセージが抽出される。さらに、プロセッサ230は、ビームフォーミング重みを決定するためにどのプリコーディング行列を使用するかを決定し、その後、この抽出されたメッセージを処理する。
図3は、ダウンリンク・ロング・ターム・イボリューション(LTE)通信における典型的なフレーム構造を概念的に例示するブロック図である。ダウンリンクの送信タイムラインは、ラジオ・フレームの単位に分割されうる。おのおののラジオ・フレームは、(例えば10ミリ秒(ms)のような)予め定められた持続時間を有し、0乃至9のインデクスを付された10個のサブフレームへ分割されうる。おのおののサブフレームは、2つのスロットを含みうる。したがって、おのおののラジオ・フレームは、0乃至19のインデクスを付された20のスロットを含みうる。おのおののスロットは、L個のシンボル期間、(例えば、図3に示すような)通常のサイクリック・プレフィクスの場合、例えば、7つのシンボル期間を含み、拡張されたサイクリック・プレフィクスの場合、6つのシンボル期間を含みうる。おのおののサブフレームでは、2L個のシンボル期間が、0乃至2L−1のインデクスを割り当てられうる。利用可能な時間周波数リソースが、リソース・ブロックへ分割されうる。おのおののリソース・ブロックは、1つのスロットにおいてN個のサブキャリア(例えば、12のサブキャリア)をカバーしうる。
LTEでは、eNBは、eNBにおける各セルについて、一次同期信号(PSS)と二次同期信号(SSS)とを送信しうる。図3に示すように、PSSおよびSSSは、通常のサイクリック・プレフィクスを持つ各ラジオ・フレームのサブフレーム0およびサブフレーム5のおのおのにおいて、シンボル期間6およびシンボル期間5でそれぞれ送信されうる。これら同期信号は、セル検出および獲得のためにUEによって使用されうる。eNBはまた、サブフレーム0のスロット1におけるシンボル期間0乃至3で、物理ブロードキャスト・チャネル(PBCH)を送信しうる。PBCHは、あるシステム情報を伝送しうる。
eNBは、eNBにおけるおのおののセルのために、セル特有基準信号(CRS)を送信しうる。CRSは、通常のサイクリック・プレフィクスの場合には、各スロットのシンボル0,1,4で送信され、拡張されたサイクリック・プレフィクスの場合には、各スロットのシンボル0,1,3で送信されうる。CRSは、物理チャネルのコヒーレントな復調、タイミングおよび周波数のトラッキング、ラジオ・リンク・モニタリング(RLM)、基準信号受信電力(RSRP)および基準信号受信品質(RSRQ)測定等のためにUEによって使用されうる。
図3で見られるように、eNBは、各サブフレームの最初のシンボル期間で、物理制御フォーマット・インジケータ・チャネル(PCFICH)を送信しうる。PCFICHは、制御チャネルのために使用されるシンボル期間の数(M)を伝えうる。ここで、Mは、1,2または3に等しく、サブフレーム毎に変化しうる。Mはまた、例えば、10未満のリソース・ブロックのように、小さなシステム帯域幅に対して4に等しくなりうる。図3に示す例では、M=3である。eNBは、おのおののサブフレームの最初のM個のシンボル期間において、物理HARQインジケータ・チャネル(PHICH)と物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)とを送信しうる。PDCCHとPHICHもまた、図3に示す例における最初の3つのシンボル期間に含まれる。PHICHは、ハイブリッド自動反復要求(HARQ)をサポートするための情報を伝送しうる。PDCCHは、UEのためのリソース割当に関する情報と、ダウンリンク・チャネルのための制御情報とを伝送しうる。eNBはまた、おのおののサブフレームの残りのシンボル期間で、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を送信しうる。PDSCHは、ダウンリンクで、データ送信のためにスケジュールされたUEのためのデータを伝送しうる。LTEにおけるさまざまな信号およびチャネルは、公的に利用可能な「イボルブド・ユニバーサル地上ラジオ・アクセス(E−UTRA);物理チャネルおよび変調」(Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E−UTRA); Physical Channels and Modulation)と題された3GPP TS 36.211に記載されている。
eNBは、eNBによって使用されるシステム帯域幅の中央の1.08MHzでPSS、SSS、およびPBCHを送信しうる。eNBは、これらのチャネルが送信される各シンボル期間におけるシステム帯域幅全体でPCFICHおよびPHICHを送信しうる。eNBは、システム帯域幅のある部分において、UEのグループにPDCCHを送信しうる。eNBは、システム帯域幅の特定の部分で、特定のUEに、PDSCHを送信しうる。eNBは、すべてのUEへブロードキャスト方式でPSS、SSS、PBCH、PCFICH、およびPHICHを送信し、PDCCHを、ユニキャスト方式で、特定のUEへ送信しうる。さらに、特定のUEへユニキャスト方式でPDSCHをも送信しうる。
各シンボル期間において、多くのリソース要素が利用可能でありうる。おのおののリソース要素は、1つのシンボル期間において1つのサブキャリアをカバーしうる。そして、実数値または複素数値である1つの変調シンボルを送信するために使用されうる。おのおののシンボル期間において、基準信号のために使用されないリソース要素は、リソース要素グループ(REG)へ構成されうる。おのおののREGは、1つのシンボル期間内に、4つのリソース要素を含みうる。PCFICHは、シンボル期間0内に4つのREGを占有しうる。これらは、周波数にわたってほぼ均等に配置されうる。PHICHは、1または複数の設定可能なシンボル期間内に3つのREGを占有しうる。これらは、周波数にわたって分散されうる。例えば、PHICHのための3つのREGはすべて、シンボル期間0に属しうる。あるいは、シンボル期間0,1,2に分散されうる。PDCCHは、最初のM個のシンボル期間内に、9,18,32,または64のREGを占有しうる。これらは、利用可能なREGから選択されうる。複数のREGからなるある組み合わせのみが、PDCCHのために許可されうる。
UEは、PHICHとPCFICHとのために使用された特定のREGを認識しうる。UEは、PDCCHを求めて、REGの異なる組み合わせを探索しうる。探索する組み合わせの数は、一般に、PDCCHのために許可された組み合わせの数よりも少ない。eNBは、UEが探索する組み合わせのうちの何れかのUEにPDCCHを送信しうる。
図4は、アップリンク・ロング・ターム・イボリューション(LTE)通信における典型的なフレーム構造を概念的に例示するブロック図である。アップリンクのために利用可能なリソース・ブロック(RB)は、データ・セクションおよび制御セクションに区分されうる。制御セクションは、システム帯域幅の2つの端部において形成され、設定可能なサイズを有しうる。制御セクションにおけるリソース・ブロックは、制御情報の送信のために、UEへ割り当てられうる。データ・セクションは、制御セクションに含まれていないすべてのリソース・ブロックを含みうる。図4における設計の結果、データ・セクションは、連続するサブキャリアを含むようになる。これによって、単一のUEに、データ・セクション内に、連続するサブキャリアのすべてが割り当てられるようになる。
UEは、eNBへ制御情報を送信するために、制御セクションにおいてリソース・ブロックを割り当てられうる。UEはまた、eノードBへデータを送信するために、データ・セクション内にリソース・ブロックを割り当てられうる。UEは、制御セクションにおいて割り当てられたリソース・ブロックで、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)で制御情報を送信しうる。UEは、データ・セクションにおいて割り当てられたリソース・ブロックで、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)で、データのみ、または、データと制御情報との両方を送信しうる。アップリンク送信は、サブフレームからなる両スロットに及び、図4に示すように、周波数を越えてホップしうる。
LTEにおけるPSS、SSS、CRS、PBCH、PUCCH、およびPUSCHは、公的に利用可能な「イボルブド・ユニバーサル地上ラジオ・アクセス(E−UTRA);物理チャネルおよび変調」(Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E−UTRA); Physical Channels and Modulation)と題された3GPP TS 36.211に記載されている。
態様では、マルチ・ラジオ共存解決を容易にするために、例えば3GPP LTE環境のような無線通信環境内でのサポートを提供するためのシステムおよび方法が記載されている。
図5に示すように、本明細書に記載されたさまざまな態様が機能しうる無線通信環境500の例が例示される。無線通信環境500は、複数の通信システムと通信することが可能でありうる無線デバイス510を含みうる。これらのシステムは、例えば、1または複数のセルラ・システム520および/または530、1または複数のWLANシステム540および/または550、1または複数の無線パーソナル・エリア・ネットワーク(WPAN)システム560、1または複数のブロードキャスト・ストリーム・システム570、1または複数の衛星測位システム580、図5に図示されていないその他のシステム、または、これらの任意の組み合わせを含みうる。以下の記載では、「ネットワーク」、「システム」という用語がしばしば置換可能に使用されうることが認識されるべきである。
セルラ・システム520,530はおのおの、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、シングル・キャリアFDMA(SC−FDMA)、あるいはその他の適切なシステムでありうる。CDMAシステムは、例えばユニバーサル地上ラジオ・アクセス(UTRA)、CDMA2000等のようなラジオ技術を実現することができる。UTRAは、広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))、およびCDMAのその他の変形を含んでいる。さらに、CDMA2000は、IS−2000(CDMA2000 1X)規格、IS−95規格、およびIS−856(HRPD)規格をカバーする。TDMAシステムは、例えばグローバル移動体通信システム(GSM)、デジタル・アドバンスト移動電話システム(D−AMPS)等のようなラジオ技術を実現しうる。OFDMAシステムは、例えばイボルブドUTRA(E−UTRA)、ウルトラ・モバイル・ブロードバンド(UMB)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、フラッシュ−OFDM(登録商標)等のような無線技術を実現しうる。UTRAおよびE−UTRAは、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)の一部である。3GPPロング・ターム・イボリューション(LTE)およびLTE−アドバンスト(LTE−A)は、E−UTRAを使用するUMTSの新たなリリースである。UTRA、E−UTRA、UMTS、LTE、LTE−A、およびGSMは、「第3世代パートナシップ計画」(3GPP)と命名された団体からの文書に記載されている。CDMA2000およびUMBは、「第3世代パートナシップ計画2」(3GPP2)と命名された組織からの文書に記載されている。態様では、セルラ・システム520は、有効通信範囲内の無線デバイスのための双方向通信をサポートしうる多くの基地局522を含みうる。同様に、セルラ・システム530は、有効通信範囲内の無線デバイスのための双方向通信をサポートしうる多くの基地局532を含みうる。
WLANシステム540,550はそれぞれ、例えばIEEE 802.11(Wi−Fi)、Hiperlan等のようなラジオ技術を実施しうる。WLANシステム540は、双方向通信をサポートしうる1または複数のアクセス・ポイント542を含みうる。同様に、WLANシステム550は、双方向通信をサポートしうる1または複数のアクセス・ポイント552を含みうる。WPANシステム560は、例えばブルートゥース(BT)、IEEE 802.15等を実施しうる。さらに、WPANシステム560は、例えば、無線デバイス510、ヘッドセット562、コンピュータ564、マウス566等のようなさまざまなデバイスのための双方向通信をサポートしうる。
(マルチ・ラジオ共存)
ブロードキャスト・ストリーム・システム570は、テレビジョン(TV)ブロードキャスト・システム、周波数変調(FM)ブロードキャスト・システム、デジタル・ブロードキャスト・システム等でありうる。ブロードキャスト・ストリーム・システムは、例えば、MediaFLO(登録商標)、デジタル・ビデオ・ブロードキャスト・フォー・ハンドヘルド(DVB−H)、インテグレーティド・サービス・デジタル・ブロードキャスティング・フォー地上テレビジョン・ブロードキャスティング(IDSB−T)等のようなラジオ技術を実施しうる。さらに、ブロードキャスト・ストリーム・システム570は、一方向通信をサポートしうる1または複数のブロードキャスト局572を含みうる。
衛星測位システム580は、米国全地球測位システム(GPS)、欧州ガリレオ・システム、ロシア・グロナス・システム、日本上の準天頂衛星システム、インド上のインド領域ナビゲーション衛星システム(IRNSS)、中国上の北斗衛星航法システム、および/または、その他任意の適切なシステムでありうる。さらに、衛星測位システム580は、位置決定のための信号を送信する多くの衛星582を含みうる。
態様では、無線デバイス510は、据置式または移動式であり、ユーザ機器(UE)、移動局、モバイル機器、端末、アクセス端末、加入者ユニット、局等と称されうる。無線デバイス510は、セルラ電話、携帯情報端末(PDA)、無線モデム、ハンドヘルド・デバイス、ラップトップ・コンピュータ、コードレス電話、無線ローカル・ループ(WLL)局等でありうる。さらに、無線デバイス510は、セルラ・システム520および/またはセルラ・システム530、WLANシステム540および/またはWLANシステム550、WPANシステム560を備えたデバイス、および/または、その他任意の適切なシステム(単数または複数)および/またはデバイス(単数または複数)との双方向通信を行いうる。無線デバイス510は、さらに、あるいは、その代わりに、ブロードキャスト・ストリーム・システム570および/または衛星位置決めシステム580から信号を受信しうる。一般に、無線デバイス510は、所与の瞬間において、任意の数のシステムと通信しうることが認識されるべきである。さらに、無線デバイス510は、同時に動作しうる構成要素ラジオ・デバイスのうちのさまざまなデバイス間の共存問題を経験しうる。したがって、1つの態様では、無線デバイス510は、後述するように、例えば、LTEモデムとブロードキャスト・ストリーム受信機との間の共存問題を検出し、緩和するための機能モジュールを有する共存マネジャ(CxM、図示しない)を含む。
次に図6に移って、図5の無線デバイス510の実施として使用されうるマルチ・ラジオ無線デバイス600のための設計の例を例示するブロック図が提供される。図6が例示するように、マルチ・ラジオ無線デバイス600は、N個のラジオ620a乃至620nを含みうる。これらは、N個のアンテナ610a乃至610nに接続されうる。ここで、Nは、任意の整数値でありうる。しかしながら、それぞれのラジオ620は、任意の数のアンテナ610に接続され、複数のラジオ620が、所与のアンテナ610を共有しうることが認識されるべきである。
一般に、ラジオ620は、電磁スペクトルにおいてエネルギを放射または放出し、電磁スペクトルにおけるエネルギを受信し、あるいは、伝導手段によって伝搬するエネルギを生成するユニットでありうる。例によれば、ラジオ620は、システムまたはデバイスに信号を送信するユニットでありうるか、または、システムまたはデバイスから信号を受信するユニットでありうる。したがって、ラジオ620は、無線通信をサポートするために利用されうることが認識されうる。別の例では、ラジオ620はまた、他のラジオのパフォーマンスにインパクトを与えうるノイズを放出するユニット(例えば、コンピュータ上のスクリーン、回路基板等)でもありうる。したがって、ラジオ620はまた、無線通信をサポートすることなくノイズおよび干渉を放出するユニットでもありうることがさらに認識されうる。
態様では、それぞれのラジオ620は、1または複数のシステムとの通信をサポートしうる。複数のラジオ620は、さらに、または、その代わりに、例えば、異なる周波数帯域(例えば、セルラ帯域およびPCS帯域)で送信または受信するために、所与のシステムのために使用されうる。
別の態様では、デジタル・プロセッサ630は、ラジオ620a乃至620nに接続されうる。そして、例えば、ラジオ620を介して送信されるデータ、または、受信されたデータを処理するためのさまざまな機能を実行しうる。各ラジオ620の処理は、そのラジオによってサポートされるラジオ技術に依存しうる。そして、送信機のための暗号化、符号化、変調等、受信機のための復調、復号、解読等、およびその他を含みうる。一例では、本明細書において一般に記載されるように、デジタル・プロセッサ630は、無線デバイス600のパフォーマンスを向上させるために、ラジオ620の動作を制御しうるCxM640を含みうる。CxMマネジャ640は、ラジオ620の動作を制御するために使用される情報を格納しうるデータベース644へのアクセスを有しうる。以下にさらに説明するように、CxM640は、ラジオ間の干渉を低減させるためのさまざまな技術のために適応されうる。一例において、CxM640は、LTEが非アクティブである期間中にISMラジオが通信できるようにするDRXサイクルまたは測定ギャップ・パターンを要求する。
単純化のために、デジタル・プロセッサ630は、単一のプロセッサとして図6に示されている。しかしながら、デジタル・プロセッサ630が、任意の数のプロセッサ、コントローラ、メモリ等を含みうることが認識されるべきである。一例において、コントローラ/プロセッサ650は、無線デバイス600内のさまざまなユニットの動作を指示しうる。さらに、または、その代わりに、メモリ652は、無線デバイス600のためのプログラム・コードおよびデータを格納しうる。デジタル・プロセッサ630、コントローラ/プロセッサ650、およびメモリ652は、1または複数の集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)等に実装されうる。具体的で、限定しない例によれば、デジタル・プロセッサ630は、移動局モデム(MSM)ASICに実装されうる。
本開示のさまざまな態様は、顕著なデバイス内共存問題が存在しうる、マルチ・ラジオ・デバイスにおける共存問題を緩和するための技術を提供する。例えば、UE上で動作するロング・ターム・イボリューション(LTE)モデムからの送信は、例えば、MediaFLO(登録商標)(FLO)、デジタル・ビデオ・ブロードキャスト・フォー・ハンドヘルド(DVB−H)、インテグレーティド・サービス・デジタル・ブロードキャスティング・フォー地上テレビジョン・ブロードキャスティング(IDSB−T)等のような、ブロードキャスト・ストリーム・システムとの使用のために、UE受信機と干渉しうる。1つの態様では、マルチ・ラジオ無線デバイス600は、LTEモデムとブロードキャスト・ストリーム受信機との間の共存問題を検出し、緩和するための機能モジュールを有する共存マネジャ(CxM)640を含む。
態様では、CxM640は、干渉、および/または、それぞれのラジオ620間の衝突に関連付けられたその他のパフォーマンス低下を回避するために、無線デバイス600によって利用されるそれぞれのラジオ620の動作を管理しうる。CxM640は、例えば、図11、図13、および図14に例示されているような1または複数の処理を実行しうる。さらなる例示によれば、図7におけるグラフ700は、所与の決定期間中の7つのラジオの例の間のそれぞれの潜在的な衝突を表す。グラフ700に図示される例では、7つのラジオは、WLAN送信機(Tw)、LTE送信機(Tl)、FM送信機(Tf)、GSM/WCDMA送信機(Tc/Tw)、LTE受信機(Rl)、ブロードキャスト・ストリーム受信機(Rb)、およびGPS受信機(Rg)を含む。4つの送信機は、グラフ700の左側における4つのノードによって示される。3つの受信機は、グラフ700の右側における3つのノードによって示される。
送信機と受信機との間の潜在的な衝突は、送信機のノードと受信機のノードとを接続する分岐によってグラフ700上で表わされる。したがって、グラフ700において図示される例において、衝突は、(1)WLAN送信機(Tw)とブロードキャスト・ストリーム受信機(Rb)との間、(2)LTE送信機(Tl)とブロードキャスト・ストリーム受信機(Rb)との間、(3)WLAN送信機(Tw)とLTE受信機(Rl)との間、(4)FM送信機(Tf)とGPS受信機(Rg)との間、(5)GSM/WCDMA送信機(Tc/Tw)とGPS受信機(Rg)との間に存在しうる。
1つの態様では、CxM640の例が、例えば図8における図解800によって示されるような方式で時間的に動作しうる。図解800が例示するように、CxM動作のタイムラインが、決定ユニット(DU)に分割されうる。これは、通知が処理される場合に、任意の適切な一定または非一定の長さ(例えば、100マイクロ秒)であり、コマンドがさまざまなラジオ620に提供されるか、および/または、その他の動作が評価フェーズにおいてなされる動作に基づいて実行される応答フェーズ(例えば、20マイクロ秒)でありうる。一例では、図解800に示されるタイムラインは、例えば、所与のDUにおける通知フェーズの終了直後の所与のラジオから通知が取得されるケースにおける応答のタイミングのようなタイムラインの最悪ケースの動作によって定義されたレイテンシ・パラメータを有しうる。
デバイス内共存問題は、(例えば、FLO/DVB−H/ISDB−Tのための)例えばLTE帯域とブロードキャスト・ストリーム帯域とのリソース間で、UEに関して存在しうる。現在のLTE実施では、LTEに対する干渉問題は、例えば、LTEを、共存問題が存在しないチャネルまたはRATへ移動させるために、周波数間またはRAT間ハンドオフ決定を行うために、eNBが使用しうるダウンリンク誤り率および/またはUEによってレポートされたダウンリンク測定値(例えば、基準信号受信品質(RSRQ)メトリック等)において反映される。しかしながら、例えば、LTEアップリンクが、ブロードキャスト・ストリーム受信機に対する干渉を引き起こしているが、LTEダウンリンクが、ブロードキャスト・ストリーム受信機からの干渉を観察しないのであれば、これら既存の技術は、機能しないであろうことが認識されうる。さらに詳しくは、UEがそれ自身をアップリンクで別のチャネルへ自律的に移動させる場合であっても、eNBは、いくつかの場合において、UEを、負荷平準目的のために、ハンドオーバによって、問題のあるチャネルへ戻しうる。何れの場合であれ、既存の技術は、問題のあるチャネルの帯域幅の使用を、最も効率的な方式で容易にする訳ではないことが認識されうる。
前述したように、ブロードキャスト・ストリーム・システム570は、例えば、MediaFLO(登録商標)、デジタル・ビデオ・ブロードキャスト・フォー・ハンドヘルド(DVB−H)、インテグレーティド・サービス・デジタル・ブロードキャスティング・フォー地上テレビジョン・ブロードキャスティング(IDSB−T)等のようなブロードキャスト・ストリーム・システム570が、無線デバイス(UE)510によって受信されるべき1または複数のブロードキャスト・チャネルをブロードキャストしうる。ある状況では、このようなブロードキャスト・システムは、LTE信号と干渉しうる。例えば、UE上で動作するロング・ターム・イボリューション(LTE)モデムからの送信は、ブロードキャスト・ストリーム・システムを用いて使用するためのUE受信機と干渉しうる。
例として、LTEが送信しており、ブロードキャスト・ストリーム受信機が受信している場合、ブロードキャスト・ストリーム受信機に対する干渉が存在しうる。特に、(〜710MHzで動作している)チャネル53およびチャネル54におけるLTEアップリンクは、(719MHzで動作している)チャネル55におけるブロードキャスト・ストリーム・データと干渉しうる。1つの態様では、UEブロードキャスト・ストリーム受信機がどの時間においてもまったく動作いないのであれば、LTEモデムとUEブロードキャスト・ストリーム受信機との共存ポリシーが可能である。例えば、ブロードキャスト・ストリーム受信機は、時間のうちの5乃至10%で動作するデューティ・サイクルを有しうる。
干渉を低減するための1つの可能な方法は、ブロードキャスト・ストリーム受信機に優先度を与えることである(例えば、ブロードキャスト・ストリーム・ネットワークは、LTEに勝る)。この状況では、ブロードキャスト・ストリーム受信機が、ブロードキャスト・ストリーム・データを受信すると常に、LTE送信がオフされる。このシナリオは、許容できないレベルのLTEスループット・ロスに至りうる。
例えば、制御チャネルに基づく優先度スキームのような、その他の優先度スキームが可能である。特に、LTE物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)とブロードキャスト・ストリーム・ネットワークとの間の干渉が考慮される。1%パケット誤り率(PER)または5%誤り秒レートに基づくブロードキャスト・ストリーム途絶シミュレーションは、PUCCHからの干渉を低減または除去するために、中間的なアービトレーション・ソリューションはまったく効果的ではないことを示す。特に、LTEが、ほとんどすべてのサブ・フレーム(SF)において、ブロードキャスト・ストリーム・ネットワークと衝突しており、ブロードキャスト・ストリーム・サブ・フレームは、たとえ1つのパケットに誤りがあっても誤りとなるので、LTEは、ブロードキャスト・ストリームと衝突するほとんど毎回において拒否されねばならない。不運にも、このような環境においてLTEを拒否することは、LTEに対する高いスループット・ロスとなる。
1つの態様では、マルチ・ラジオUEにおいて受信されたブロードキャスト・ストリーム・データとLTE送信との共存を可能にするソリューションは、LTEスループット・ロスを低減しながら、あるブロードキャスト・ストリーム・データを引き渡すことを許可することを含みうる。特に、ブロードキャスト・ストリームにおけるあるタイプのデータは、LTE送信よりも優先付けられうる。1つの構成では、UEは、オーディオ・データを含んでいるブロードキャスト・ストリームの直交周波数分割多重(OFDM)シンボルを識別し、このオーディオを優先付けうる。この構成では、オーディオ・パケットが受信されている間、LTE送信が停止される。別の態様では、LTEが低い優先度を有している場合、LTE送信を停止させるのではなく、LTEモデムによって使用される電力の量が低減される。
別の態様では、UEは、特定のビデオ・パケットを識別し、優先付けうる。いくつかのビデオ圧縮技術では、ビデオ・フレームが、基準ビデオ・フレーム・データと非基準ビデオ・フレーム・データとに分割されうる。基準フレームは、表示されるべき新たな画像のためのビデオ・データを提供する。非基準ビデオ・フレームは、表示されるべき画像と、前の基準フレームとの間の差分に関連するデータを提供する。例えば、モーション・ピクチャ・エキスパート・グループ規格(MPEG−2、MPEG−4、MPEG−4HVC)によれば、予測フレーム(P−フレーム)およびイントラ・フレーム(I−フレーム)は、基準ビデオ・フレーム・データと称されうる一方、後方予測フレーム(B−フレーム)は、非基準ビデオ・フレーム・データと称されうる。
1つの態様では、基準ビデオ・フレームを有する、到来するブロードキャスト・ストリーム・データが通知されると、LTEモデムの動作が停止されうる。1つの態様では、LTEが低い優先度を有している場合、LTE送信を停止させるのではなく、ブロードバンド・ラジオ(例えば、LTEモデム)のために使用されている送信電力の量が低減される。特に、到来するブロードキャスト・ストリーム・データ内の到来するP−フレームおよびI−フレームが、ブロードキャスト・ストリーム受信機に対して優先付けられうる。逆に、B−フレームを含む、到来するブロードキャスト・ストリーム・データは、LTEに対して優先付けられ、非基準ビデオ・フレーム・データが破棄される。
MPEG規格にしたがうI−フレーム、P−フレーム、およびBフレームに関して説明されているが、本明細書に記載される技術は、限定される訳ではないが、スケーラブル・ビデオ・コーディング(SVC)、スライス・データ分割、またはその他同様のビデオ・コーデックを含むその他のビデオ・コーデック機能に適用可能である。1つの態様では、ブロードキャスト・ストリーム・データの分割は、フレーム・タイプ、スケーラブルなビデオ構造、スライス・ビデオ構造等に基づきうる。別の態様では、ブロードキャスト・ストリーム・データの分割は、限定される訳ではないが、MPEG−2、MPEG−4、MPEG−4HVC、SVC等を含むビデオ圧縮に基づく。
前述したように、UEは、基準ビデオ・フレームを優先付け、ビデオ基準フレームが受信されている場合に、LTE送信を停止させうる。別の態様では、UEは、オーディオ・フレームと基準ビデオ・フレームとの両方を、LTE送信よりも優先付けうる。さらに別の態様では、あるデータ・パケットは、ビデオ基準フレーム・データと、ビデオ差分フレーム・データとの両方を含みうる。このようなパケットもまた、LTE送信よりも優先付けられうる。オーディオ信号は、ビデオ信号から分離されたストリームでブロードキャストされうるので、オーディオ信号は、物理レイヤにおいて識別されうる。さらなる態様では、ブロードバンド・ラジオ(例えば、LTEモデム)による送信が、ブロードキャスト・ストリーム受信機によって、受信パリティ・データよりも優先付けられうる。また別の態様では、ブロードキャスト・ストリームのシステマティックな情報(例えば、システマティックなパケット)が、例えば、媒体アクセス制御(MAC)レイヤにおいて、ブロードキャスト・ストリームのパリティ・データ(例えば、パリティ・パケット)よりも優先付けられうる。
(例えば、基準データ対差分データのような)特定のビデオ・データが送信されている時を示す情報を受信することは、LTEモデムに対して、優先度データがブロードキャスト・ストリーム受信機で受信されるべきである前に送信を停止するように指示することを容易にする。1つの態様では、ブロードキャスト・ストリーム・データに関する情報が、チャネルのおのおのの開始時において、ブロードキャスト信号で、ヘッダ内で送信される。ヘッダは、送信されているデータ・フレームのタイプ(例えば、オーディオ、ビデオ基準データ等)、送信されているフレームのおのおのの持続時間または長さ、および、フレームの順序に関する情報を含みうる。各フレームに対応する期間(または、OFDMシンボル)は、フレームのおのおのの持続時間(時間)または長さ(ビット)から推定されうる。
1つの態様では、ブロードキャスト・データに関する情報はまた、例えばアプリケーション・レイヤ・チャネルまたは物理媒体アクセス制御(MAC)レイヤ・チャネルのようなオーバヘッド・ブロードキャスト・チャネルで送信されうる。さらなる構成では、基準ビデオ・フレーム・データの識別を可能にするために、ブロードキャスト・ストリーム・データが、送信前にバッファされる。
オーディオおよび基準ビデオ・フレームは、平均して、リード・ソロモン・パリティを含む総ブロードキャスト・ストリーム・データの約50−60%を占める。特に、オーディオおよび基準ビデオ・フレームに優先度が与えられるスキームを採用することによって、(ブロードキャスト・ストリーム・ネットワーク優先度シナリオにおいて)8%から約6%へと、スループット・ロスを低減しうる。このスループット・ロスの低減は、ブロードキャスト・ストリーム・ネットワーク・デューティ・サイクルが大きい場合、より顕著となりうる。単一のチャネルの平均ブロードキャスト・ストリーム・デューティ・サイクルが、複数のデータ・フレームの80%における約8%であり、複数のデータ・フレームのうちの残りのデータ・フレームに対する約25%であれば、前述した共存ポリシーは、LTEがフル・バッファ・モードで動作している場合、25%のLTEスループット・ロスを、〜15%に低減させうる。
図9に移って、マルチ・ラジオ共存管理のための、無線通信環境内内でのサポートを提供するためのシステム900のブロック図が例示されている。態様では、システム900は、アップリンク、ダウンリンク、および/または、互いとのその他任意の適切な通信を行いうる1または複数のUE910および/またはeNB940と、および/または、システム900内のその他任意のエンティティとを含みうる。一例では、UE910および/またはeNB940は、周波数チャネルおよびサブ帯域を含み、いくつかが他のラジオ・リソース(例えば、LTEモデムのようなブロードバンド・ラジオ)と潜在的に衝突しうるさまざまなリソースを用いて通信するように動作可能でありうる。したがって、本明細書において一般に記載されるように、UE910は、UE910によって利用される複数のラジオ間の共存を管理するためのさまざまな技術を利用しうる。
少なくとも前述した欠点を緩和するために、UE910は、UE910内のマルチ・ラジオ共存のためのサポートを容易にするために、本明細書に記載され、システム900によって例示されているそれぞれの機能を利用しうる。特に、チャネル・モニタリング・モジュール912、リソース共存アナライザ914、ブロードキャスト信号アナライザ916、共存ポリシー・モジュール918、LTEアービトレータ920、およびブロードキャスト・ストリームアービトレータ922が実装されうる。チャネル・モニタリング・モジュール912は、潜在的な干渉問題に関する、通信チャネルのパフォーマンスをモニタする。リソース共存アナライザ914は、さまざまな共存ポリシーによって、どのチャネル条件が、インパクトを受けるのかを判定しうる。ブロードキャスト信号アナライザ916は、到来するブロードキャスト・ストリーム・データのタイプを分析し、識別しうる。共存ポリシー・モジュール916は、前述したように、ラジオ間の干渉を低減するために、到来するブロードキャスト・ストリーム・データの識別されたタイプに基づいて、ラジオ挙動を管理するポリシーを決定しうる。
1つの構成では、LTEアービトレータ920は、前述したように、LTE(ブロードバンド)ラジオとの共存ポリシーを実施しうる。ブロードキャスト・ストリーム・アービトレータ922は、前述したように、例えばMediaFLO(FLO)、デジタル・ビデオ・ブロードキャスティング・フォー・ハンドヘルド(DVB−H)、マルチメディア・ブロードキャスト/マルチキャスト・サービス(MBMS)、イボルブドMBMS(e−MBMS)、および、インテグレーティド・サービス・デジタル・ブロードキャスティング・フォー地上テレビジョン・ブロードキャスティング(IDSB−T)等のような、ブロードキャスト・ストリーム受信機のための共存ポリシーを実施する。いくつかの例では、さまざまなモジュール912−922が、例えば図6のCxM640のような共存マネジャの一部として実施されうる。さまざまなモジュール912−922およびその他のモジュールが、本明細書に記載された態様を実施するように構成されうる。
図10に図示するように、ブロック1002に示すように、第1のラジオ・デバイスまたは第2のラジオ・デバイスのための、到来するブロードキャスト・ストリーム・データのタイプが識別される。図10にさらに図示するように、ブロック1004に示すように、共存マネジャが、マルチ・ラジオUE内の通信リソース・オペレーションのための共存ポリシーを決定しうる。これら通信リソースは、第1のラジオ・デバイスおよび第2のラジオ・デバイスを含みうる。共存ポリシーは、第1のラジオ・デバイスまたは第2のラジオ・デバイスに到来するブロードキャスト・ストリーム・データのタイプに基づく。その後、ブロック1006に示すように、共存マネジャは、決定された共存ポリシーにしたがって、マルチ・ラジオUEの下部レイヤにおいて、マルチ・ラジオUEの複数の通信リソースを、アービトレートしうる。1つの構成では、上部レイヤは、アプリケーション・レイヤであり、下部レイヤは、物理/媒体アクセス制御(PHY/MAC)レイヤでありうる。
1つの構成では、図4に図示するように、到来するブロードキャスト・ストリーム・データのタイプを、マルチ・ラジオ・ユーザ機器(UE)の上部レイヤにおいて識別する手段を含む無線通信のためのUE250が構成される。1つの態様では、識別する手段は、識別する手段によって記載された機能を実行するように構成された、プロセッサ270および/またはメモリ272、受信データ・プロセッサ260、および受信機254a−254rでありうる。UE250はまた、マルチ・ラジオUE内の通信リソースのオペレーションのための共存ポリシーを、到来するブロードキャスト・ストリーム・データのタイプに基づいて決定する手段を含むように構成される。1つの態様では、決定する手段は、決定する手段によって詳述された機能を実行するように構成されたプロセッサ270および/またはメモリ272でありうる。UE250はさらに、マルチ・ラジオUEの下部レイヤにおいて、複数の通信リソースを共存ポリシーに基づいてアービトレートする手段を含むように構成される。1つの態様では、アービトレーション手段は、アービトレーション手段によって詳述された機能を実行するように構成されたプロセッサ270および/またはメモリ272でありうる。別の態様では、前述した手段は、前述した手段によって記述された機能を実行するように構成されたモジュールまたは任意の装置でありうる。
前述した例は、LTEシステムで実現されうる態様を記載している。しかしながら、本開示の範囲はそのように限定されない。さまざまな態様は、限定される訳ではないが、CDMAシステム、TDMAシステム、FDMAシステム、およびOFDMAシステムを含む任意のさまざまな通信プロトコルを適用するもののような、その他の通信システムとの使用のために適応されうる。
開示された処理におけるステップの具体的な順序または階層は、典型的なアプローチの例であることが理解される。設計選択に基づいて、これら処理におけるステップの具体的な順序または階層は、本開示のスコープ内であることを保ちながら、再構成されうることが理解される。同伴する方法請求項は、さまざまなステップの要素を、サンプル順で示しており、示された具体的な順序または階層に限定されないことが意味される。
当業者であれば、情報および信号は、さまざまな異なる技術および技法のうちの何れかを用いて表されうることを理解するであろう。例えば、前述された説明を通じて参照されうるデータ、命令群、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または磁性粒子、光学場または光学粒子、あるいはこれらの任意の組み合わせによって表現されうる。
当業者であればさらに、本明細書で開示された態様に関連して記載された例示的なさまざまな論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズム・ステップは、電子的なハードウェア、コンピュータ・ソフトウェア、あるいはこれら両方の組み合わせとして実現されることを認識するであろう。ハードウェアとソフトウェアとの相互置換性を明確に説明するために、さまざまな例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、これらの機能の観点から一般的に記載された。これら機能がハードウェアとしてまたはソフトウェアとして実現されるかは、特定の用途およびシステム全体に課せられている設計制約に依存する。当業者であれば、特定の用途のおのおのに応じて変化する方式で、前述した機能を実現しうる。しかしながら、この適用判断は、本発明の範囲からの逸脱をもたらすものと解釈されるべきではない。
本明細書で開示された態様に関連して記述されたさまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)あるいはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリート・ゲートあるいはトランジスタ・ロジック、ディスクリート・ハードウェア構成要素、または上述された機能を実現するために設計された上記何れかの組み合わせを用いて実現または実施されうる。汎用プロセッサは、マイクロ・プロセッサでありうるが、代わりに、従来技術によるプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステート・マシンでありうる。プロセッサは、例えばDSPとマイクロ・プロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロ・プロセッサ、DSPコアと連携する1または複数のマイクロ・プロセッサ、またはその他任意のこのような構成であるコンピューティング・デバイスの組み合わせとして実現されうる。
本明細書で開示された態様に関連して記載された方法またはアルゴリズムは、ハードウェアによって直接的に、プロセッサによって実行されるソフトウェア・モジュールによって、またはこれら2つの組み合わせによって具体化されうる。ソフトウェア・モジュールは、RAMメモリ、フラッシュ・メモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハード・ディスク、リムーバブル・ディスク、CD−ROM、あるいは当該技術分野で知られているその他の型式の記憶媒体に存在しうる。典型的な記憶媒体は、この記憶媒体から情報を読み取ったり、この記憶媒体に情報を書き込むことができるプロセッサのようなプロセッサに接続される。あるいは、この記憶媒体は、プロセッサに統合されうる。このプロセッサと記憶媒体とは、ASIC内に存在しうる。ASICは、ユーザ端末内に存在しうる。あるいは、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末内のディスクリートな構成要素として存在しうる。
開示された態様の前述した、いかなる当業者でも、本開示を製造または使用できるように適用される。これらの態様へのさまざまな変形は、当業者に容易に明らかであって、本明細書で定義された一般原理は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、他の態様に適用されうる。このように、本開示は、本明細書で示された態様に限定されるものではなく、本明細書で開示された原理および新規な特徴と一致した最も広い範囲に相当することが意図されている。