JP2013540785A - 重合体のグアニジン誘導体を含んでいるリポソーム薬物組成物 - Google Patents

重合体のグアニジン誘導体を含んでいるリポソーム薬物組成物 Download PDF

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Abstract

薬物材料としての二量体もしくは重合体のグアニジン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩と、ポリエチレングリコール(PEG)によって修飾された脂質と:を含んでいる、リポソーム薬物組成物。上記薬物組成物は細胞増殖抑制活性および抗菌活性を有する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、二量体または重合体のグアニジン誘導体を含んでいる薬物組成物に関する。
重合体のグアニジン誘導体は強い抗菌活性および細胞増殖抑制活性を示し、これらの誘導体は薬物組成物を調合するための薬物材料として用いられ得ることが、例えば欧州特許第EP1597302B1号または欧州特許第EP1605927B1号から知られている。
本発明の発明者らは、重合体のグアニジン誘導体は、静脈内投与すると、血管に付着し、その結果、腫瘍細胞または細菌感染箇所に到達する薬物材料の量を減少させる傾向があることを観察した。さらに、血管への付着(例えば内皮細胞への親和性)は、血管または細胞への損傷の要因となり得る一方で、十分な濃度において腫瘍細胞に到達しない要因となり得る。本発明は、この問題を解決することを目的とする。
上記問題は、薬物材料がより高い濃度で標的(例えば悪性腫瘍細胞)に到達できるようになる、重合体のグアニジン誘導体のPEG化リポソームにおける封入によって解決され得ることが示された。さらに、本発明に係る薬物組成物は、腫瘍細胞を抵抗を引き起こすことなしにAPI(活性の薬学的成分)が殺せる(30継代培養した抵抗観察で、活性の低下はまったく見られなかった)ことによる治療上の利点を示す。一般的に知られている細胞増殖抑制剤は、そのような細胞抵抗メカニズムを引き起こし、より高用量かつ毒性の用量を必要とし、深刻な副作用をもたらす。本発明の薬物組成物を用いることにより、活性物質が腫瘍細胞で吸収させ得る比較的低用量で治療を毎日行うことができ、その結果、重大な全身性の副作用を引き起こすことなく腫瘍細胞を完全に阻害することができる。
したがって、本発明は、薬物材料としての二量体もしくは重合体のグアニジン誘導体または薬学的に許容可能なその塩と、ポリエチレングリコール(PEG)によって修飾された脂質(すなわちPEG化された脂質)と:を含んでいる、リポソーム薬物組成物に関する。
上記脂質は好ましくはリン脂質であり、上記PEGはPEG500〜PEG5000であることが好ましい。
本発明に係るリポソーム薬物組成物の好ましい実施形態は、上記重合体のグアニジン誘導体は、当該グアニジン誘導体が2つのアミノ基の間にオキシアルキレン鎖を含んでいるジアミンに基づいており、上記グアニジン誘導体は、グアニジン酸添加塩と、2つのアミノ基の間にポリオキシアルキレン鎖を含んでいるジアミンとの重縮合の生成物を表していることを特徴とする。
ポリオキシアルキレングアニジン塩のファミリーの典型の中では、トリエチレングリコールジアミン(相対分子量148)、ポリオキシプロピレンジアミン(相対分子量230)ならびにポリオキシエチレンジアミン(相対分子量600)を用いていることが好ましい。
また、好ましくは、少なくとも3つのグアニジニウム基を含んでいるポリ[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]が薬物材料として含まれていることを特徴とする、リポソーム薬物組成物である。
上記薬物材料の平均分子量は500〜3000であり得る。
また、本発明は、細胞増殖抑制活性のあるリポソーム薬物組成物の調製のための、上記のように定義した二量体または重合体のグアニジン誘導体の使用に関する。
さらに、本発明は、抗菌薬物組成物の調製のための上記のように定義した二量体または重合体のグアニジン誘導体の使用に関する。
本発明のさらなる局面は、ヒトおよび動物を治療的に処置するための方法であって、上記に定義した本発明に係る薬物組成物を、それを必要とするヒトまたは動物に注射することを特徴とする。
上記リポソームは、欧州特許EP1337322号および米国特許第6,843,942号に詳細に記載されている方法に従って調製された。
リポソームの調製の方法は、改変したエタノール注入システムとして記載され得る。リポソームはクロスフロー注入技術によって生成される。当該技術は、種々の薬学的成分をリポソームに能動的および/あるいは受動的に組み込むための再現性の高い技術である。連続的な無菌性の1ステップの操作により、規定されたサイズ分布を有する安定性の、無菌リポソームを生成することができる。生成装置は、いくつかの要件(例えば単純性、耐久性および殺菌工程における操作の容易さ)を満たすよう設計されている。
簡単に述べると、脂質成分(特にDMPC、DPPC、DMPG、DSPE−PEG−2000およびコレステロール)は、水混和性有機溶媒(特にエタノール)に溶解される。重合体のグアニジン誘導体、好ましくはポリ[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]は、PBSまたは生理食塩水に懸濁される。水相は55℃または室温に保たれる。注入モジュールは、当該注入モジュールの中で溶媒と水相とが混合され、直径350μmの注入孔を備えている。脂質溶液を、5バールの注入圧力と200〜500ml/分の水相の流速で、水溶性の有効成分溶液と混合する。リポソームのサイズおよび均質性は、注入/混合点における局所的な脂質の濃度によって調整され得る。局所的な脂質の濃度は、有機溶媒における脂質濃度、注入圧力、注入孔直径、水相の流速に影響される。リポソームのサイズにさらなる影響を及ぼすのは、プロセス温度、水相のイオン強度および選択された緩衝系の浸透圧である。続いて濾過工程を行い、捕捉されていないAPIおよび残余の有機溶液を除去する。
リポソーム調合工程を記載するフローチャートが図1に示されている。図1において、数字は、
(1)脂質エタノール溶液
(2)水相
(3)水相2
(4)リポソーム中のAPI
(5)水相+API
(6)廃棄物
(7)最終懸濁液
(8)限外濾過/ダイアフィルトレーション
を示す。
リン脂質およびコレステロールからなる標準的なリポソームは、上記の手順を用いて調製することができる。典型的な調合物は、DMPCおよびコレステロール、DMPC、DMPGおよびコレステロール、DMPC、DPPCおよびコレステロール、または純粋なDPPCを含んでいる。上記の標準的な方法を用いてリポソームを前形成したあと、直孔ポリカーボネートフィルタを通して押し出すことによって当該リポソームの段階的な小型化がなされる。上記した重合体のグアニジン誘導体の存在下で調合され、小型化されたリポソームは、これらの物質の非存在下よりも大きな構造を形成する傾向がある。典型的なデータを下記の表1に示す。
Figure 2013540785
表1は、空のリポソームと、ポリ[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]を含んでいるリポソームとの比較を示すものである。*下線を引いたリポソームのサイズの値は、これらの大きい、不均一な構造の不均質性のために、データの質が悪いことを示す。
標準的な脂質組成物と標準工程とを用いて形成したリポソームのサイズについて重合体のグアニジン誘導体が与える影響について、さらに調査のために、2つの異なる調合物、すなわちDMPCおよびコレステロールと、DMPC、DMPGおよびコレステロールとが選択された。これらの調査のために、空のリポソームおよびポリ[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]を封入するリポソームを生成した。これらのバッチの概要は下記の表2に示されている。
Figure 2013540785
遊離のポリ[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]の存在下で、空のリポソームのバッチを用いてさらなる実験を行った。これらの実験では、空のリポソームのサンプルにポリ[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]をスパイクし、1時間インキュベーション後、当該サンプルを、以下の表3にまとめられているように、リポソームのサイズ、サイズの分布およびゼータ電位について分析した。
Figure 2013540785
表3は、遊離ポリ[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]を加える前および後の空のリポソームの分析データのまとめを示す。
正に帯電した遊離のポリ[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]を加えると、両方のリポソーム懸濁液のゼータ電位は著しく変化した。DMPCとコレステロールとで構成された懸濁液#2は、中性/わずかに負の表面電位からプラスの表面電位に変化したが、一方、懸濁液#4のもともと負の表面電位は6mV減少して−3.13mVとなった。また、ポリグアニジン誘導体の添加は、リポソームの流体力学的半径に影響する。これは、動的光散乱によって計測される。粒子径についての結果はz平均で与えられ、均質性についての結果は多分散性指数によって与えられる。“中性”の懸濁液では小胞のサイズにおよそ30nmの増加が見られ、これは膜表面に付着したポリグアニジン誘導体と関係している可能性がある。負に帯電した懸濁液#4は、遊離の、正に帯電したポリグアニジンの添加により強く影響される。それまで均質に分布していたリポソームは、標準的なサイズ測定によって測ることができない大きな凝集体となる。凝集体を形成するこの強い傾向は、リポソームの負の表面の帯電と正に帯電した重合体のAPIとの間の相互作用により説明され得る。
これに対し、本発明によれば、PEG化された脂質を用いた重合体のグアニジン誘導体のリポソーム調合物は、より大きな構造および/または凝集体を形成しない。
他の用途では、本発明は腫瘍学に用いられるべきである。この目的のためには、血流内を長期に渡って循環させたのちに腫瘍への受動的ターゲッティングを行うべきである。科学文献において公表されているように、受動的ターゲッティングは、薬物の調合においてPEG鎖を導入することによって果たされる。
調合物の実験において、DMPCおよびPEG化された脂質であるDSPE−PEG−2000からなる混合物を調べた。標準的なリン脂質で構成されたリポソームに重合体のグアニジン誘導体を封入した最初の方法と比較して、PEG−リポソームの調合反応に対するAPIの影響はない。以下の表4に示すように、重合体のグアニジン誘導体の存在下で調製したリポソームと非存在下で調製したリポソームとでは、サイズの範囲および均質性に違いはない。
Figure 2013540785
表4は、空のPEG化リポソームおよび本発明に係るAPIを含んでいるPEG化リポソームの分析データのまとめを示している。
さらに、API濃度は調合反応に何の影響も及ぼさない。以下の表5に示すように、API濃度はリポソームのサイズおよび均質性に影響しなかった。
Figure 2013540785
表5は、リポソームのサイズおよび均質性におけるAPI濃度の影響を示している。
本発明に係る方法の再現性を調べるため、3つのバッチのセットを作製した。プロセスパラメータを以下の表6に示す。以下の表7に示すように、3つのバッチはすべて、試験したすべてのパラメータにおいて類似している。このデータは、再現性、サイズ分布、均質性およびAPIの含有率に関する本発明の新規性を強調している。
Figure 2013540785
表6は、プロセスパラメータを示す。
Figure 2013540785
表7は、3つの再現可能なバッチの分析データを示す。
標準的なインビトロの細胞培養試験を用いて、本発明に係るグアニジンポリマーのリポソーム調合物は、いくつかの悪性細胞株に対して高活性であることがわかった。
異なる濃度の、本発明に係るリポソーム調合物の、いくつかの細胞株に対する活性を、H-チミジン−テストを用いて試験した。以下の細胞株に対する活性を調べた。
1)血液悪性細胞株:
a.骨髄球性:HL60、K562
b.リンパ腺:CEM C7H2、U937
2)悪性固形細胞株:
a.前立腺癌(DU145)
b.非小細胞肺癌(A-549)
c.卵巣癌(OVCAR-3)
d.乳癌(ZR-75-1)
e.2つの膠芽腫細胞株(U-373およびT98-G)
急性の骨髄球性細胞株の増殖およびリンパ腺細胞株の増殖は、本発明に係るリポソーム調合物2.5μMによって50%まで阻害され、5μMによって100%まで阻害された。慢性骨髄球性細胞株およびリンパ腺細胞株U-937はさらに高感度に反応し、2.5μMにおいて100%の成長阻害を示した。
図3に示すように、試験した固形癌腫細胞株はすべて、5μmの濃度において100%阻害された。調査により、非小細胞肺癌細胞株は、試験したすべての細胞株の中で、本発明に係るリポソーム調合物に対して最も高感度な細胞株であり、2.5μMにおいてほぼ完全な増殖阻害を示すことが示唆された。
〔図面の簡単な説明〕
図1は、リポソーム調合工程を記載しているフローチャートを示す。
図2〜11は、本発明に係るリポソーム調合物によるいくつかの悪性細胞株に対する増殖阻害を示し、詳細には以下のとおりである:
図2は、HL60細胞株(急性前骨髄球白血病)の増殖阻害を示す。
図3は、CEM細胞株(T細胞急性リンパ芽球性白血病)の増殖阻害を示す。
図4は、K-562細胞株(慢性骨髄性白血病)の増殖阻害を示す。
図5は、U-937細胞株(未分化びまん性大B細胞リンパ腫)の増殖阻害を示す。
図6は、DU-145細胞株(前立腺癌)の増殖阻害を示す。
図7は、A-549細胞株(非小細胞肺癌)の増殖阻害を示す。
図8は、OVCAR-3細胞株(卵巣腺癌)の増殖阻害を示す。
図9は、ZR-75-1細胞株(乳癌)の増殖阻害を示す。
図10は、U-373細胞株(多形膠芽腫)の増殖阻害を示す。
図11は、T-98-G細胞株(多形膠芽腫)の増殖阻害を示す。
〔実施例1〕
ポリ[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]のリポソーム調合物
ポリ[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]を、表8にまとめたプロセスパラメータを用いて、上記の改変したエタノール注入システムによってリポソームに封入した。DMPCおよびDSPE−PEG−2000の2つの脂質を用いて、APIをPEG化リポソーム調合物に封入する。DSPE−PEG−2000はリポソームのミセル二重層のPEG化した外層を形成するためである。得られたリポソームは、サイズが100〜130nmの間、PdIが0,1〜0,2の間で、有効成分の含有率がおよそ15〜20%であることが明らかとなった。サイズのデータおよびPdIデータについては、下記の表9を参照のこと。
Figure 2013540785
表8は、プロセスパラメータを示す。
Figure 2013540785
表9は、PEG化リポソームに封入されたポリ[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]についてのサイズのデータおよびPdIデータを示す。
〔実施例2〕
ポリヘキサメチレングアニジニウム塩酸塩のリポソーム調合物
ポリヘキサメチレングアニジニウム塩酸塩を、ポリ[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]について表8に記されたのと同じ方法、および同一のプロセスパラメータを用いて、PEG化リポソームに封入し、およそ80〜100nmのサイズの、少し小さなリポソームを示した。おそらくこれは、封入した分子のサイズがより小さいことによる。サイズのデータおよびPdIデータについては、下記の表10を参照のこと。
Figure 2013540785
表10は、PEG化リポソームに封入したポリヘキサメチレングアニジニウム塩酸塩のサイズのデータおよびPdIのデータを示す。
〔実施例3〕
ポリ[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]およびポリ[ヘキサメチレングアニジニウム塩酸塩]の共重合体のリポソーム調合物
ポリ[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]およびポリ[ヘキサメチレングアニジニウム塩酸塩]の共重合体は、PEG化リポソームに封入するための重合体のグアニジン誘導体の第三の候補であった。再度、ポリ[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]の封入に用いたプロセスパラメータ(表8を参照のこと)と同じパラメータを適用した。予想され得るように、当該実験により、前出の2つの重合体のグアニジン誘導体と同様のリポソームが得られた。サイズのデータおよびPdIデータについては、下記の表11を参照のこと。
Figure 2013540785
表11は、PEG化リポソームに封入したポリ[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]およびポリ[ヘキサメチレングアニジニウム塩酸塩]の共重合体のサイズのデータおよびPdIのデータを示す。
また、実施例1〜3で例示された物質のほかに、本発明は、とりわけ、重合体ビグアニジンおよび他の重合体のグアニジン誘導体などの物質を含んでいる。
実施例1、2および3に記載されている本発明に係るリポソーム調合物の活性は、上記したように、Hチミジンテストを用いて、異なる濃度において、およびいくつかの細胞株において、インビトロで試験した。しかしながら、実施例1に記載されている薬物調合物は、インビボのモデルにおいても許容量の改善を示した。
マウスにおいて行った許容量調査により、遊離APIとは対照的に、本発明に係るリポソームを封入した調合物は、体重あたり2.5mg/kgを毎日静脈内に投与する用法でも許容されることが示された。毎週につき、体重あたり5mg/kgでさえ十分許容された。一方、重合体のグアニジン誘導体の非リポソーム調合物は、壊死(例えば尾部の血管における)を引き起こす。これは、本発明に係るPEG化リポソーム調合物の場合では起こりえないことであり、有効成分が注入部位に蓄積されないが、血流によって全身に行き渡ったという証拠である。
マウスにおけるこの静脈注射許容量調査に基づき、肺への多数の転移を伴うステージIIIの血管肉腫(T2N0M1)を患う雑種犬(ハスキー犬−ジャーマンシェパード犬の雑種)を用いて、臨床例調査を行った。患者犬の末期の臨床状態および飼い主の要請を受けて、提供された薬物−リポソームに調合されたポリ[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]−を用いた治療を獣医科大学センターで行った。この治療は、この病気についての現在の科学的知識および治療可能性に基づいており、したがって、ヒト医学におけるヘルシンキ宣言に従った配慮ある治療の試みに相当するものであり、倫理的に正当と認められるものである。
生理食塩水溶液に希釈した体重あたり5mg/kgの投与量を静脈内注射することによって、犬を3回(1日目、3日目および8日目)処置した。治療は十分に許容できるものであり、犬は副作用の臨床的兆候を示さず、血球数は治療によって影響を受けなかった。治療の開始の二週間後、放射線医学的な管理によって、基準CT検査に比べて、肺の病変の疾患の安定性が示された。この観察された効果によって、臨床状態および臨床状況も改善されていた。他の重要な事実は、白血球および赤血球が、細胞増殖抑制性の治療におけるような顕著な減少を示さなかったことである。これは、下記の表12に示すように、本発明において示されているリポソーム調合物の、受動的ターゲッティングの特性によるものであり得る。
Figure 2013540785
さらに、14日目から17日目まで、体重あたり2mg/kgの投与量を毎日注射した。その時点までには、犬は、治療開始時点において余命数日という当初の予測にもかかわらず、30日以上生存していた。治療の後、犬は良好な臨床状態を示し、正常な活発さを取り戻した。
本発明に係る薬物組成物は比較的十分に許容されたように思われ、多数の肺の病変を伴う極度に進行した血管肉腫を患う末期状態のこの犬に病状の安定をもたらし、血液および内臓の毒性は、ほとんどあるいはまったく観察されなかった。
略語
API 活性の薬学的成分(本特許明細書においては、本発明に係るリポソ−ムに封入した重合体のグアニジン誘導体)
DMPC 1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン
DPPC 1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン
DMPG 1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホ−(1’−rac−グリセロ−ル)
DSPE−PEG2000 1、2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[アミノ(ポリエチレングリコ−ル)−2000]
PBS リン酸緩衝生理食塩水
PdI 多分散性指数
PEG ポリエチレングリコール
リポソーム調合工程を記載しているフローチャートを示す。 HL60細胞株(急性前骨髄球白血病)の増殖阻害を示す。 CEM細胞株(T細胞急性リンパ芽球性白血病)の増殖阻害を示す。 K-562細胞株(慢性骨髄性白血病)の増殖阻害を示す。 U-937細胞株(未分化びまん性大B細胞リンパ腫)の増殖阻害を示す。 DU-145細胞株(前立腺癌)の増殖阻害を示す。 A-549細胞株(非小細胞肺癌)の増殖阻害を示す。 OVCAR-3細胞株(卵巣腺癌)の増殖阻害を示す。 ZR-75-1細胞株(乳癌)の増殖阻害を示す。 U-373細胞株(多形膠芽腫)の増殖阻害を示す。 T-98-G細胞株(多形膠芽腫)の増殖阻害を示す。

Claims (9)

  1. 薬物材料としての二量体もしくは重合体のグアニジン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩と、
    ポリエチレングリコール(PEG)によって修飾された脂質と:
    を含んでいる、リポソーム薬物組成物。
  2. 上記脂質はリン脂質であり、
    上記PEGはPEG500〜PEG5000であることを特徴とする、請求項1に記載のリポソーム薬物組成物。
  3. 上記重合体のグアニジン誘導体は、当該グアニジン誘導体が2つのアミノ基の間にオキシアルキレン鎖を含んでいるジアミンに基づいており、上記グアニジン誘導体は、グアニジン酸添加塩と、2つのアミノ基の間にポリオキシアルキレン鎖を含んでいるジアミンとの重縮合の生成物を表している、請求項1または2に記載のリポソーム薬物組成物。
  4. ポリオキシアルキレングアニジン塩のファミリーの典型の中では、トリエチレングリコールジアミン(相対分子量:148)、ポリオキシプロピレンジアミン(相対分子量230)およびポリオキシエチレンジアミン(相対分子量:600)を用いていることを特徴とする、請求項3に記載のリポソーム薬物組成物。
  5. 少なくとも3つのグアニジニウム基を含んでいるポリ[2−(2−エトキシエトキシエチル)グアニジニウム塩酸塩]が上記薬物材料として含まれていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のリポソーム薬物組成物。
  6. 上記薬物材料の平均分子量は500〜3000であることを特徴とする、請求項5に記載の薬物組成物。
  7. 細胞増殖抑制活性のあるリポソーム薬物組成物の調製のための、請求項1および3〜6のいずれか一項に記載されている二量体または重合体のグアニジン誘導体の、使用。
  8. 抗菌薬物組成物の調製のための、請求項1および3〜6のいずれか一項に記載されている二量体または重合体のグアニジン誘導体の、使用。
  9. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の薬物組成物を、それを必要とするヒトまたは動物に注射することを特徴とする、ヒトおよび動物を治療的に処置するための方法。
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