JP2013535439A - プレバイオティック組成物の製造のための大豆発酵抽出物の使用 - Google Patents

プレバイオティック組成物の製造のための大豆発酵抽出物の使用 Download PDF

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Abstract

【課題】プレバイオティック組成物の製造のための大豆発酵抽出物の使用を提供すること。
【解決手段】本発明は、動物の消化管内における有益な細菌を保護するためのプレバイオティック組成物としての大豆発酵抽出物の使用に関し、特に、本発明の大豆発酵抽出物は抗生物質投与下でもプレバイオティック活性を示すものであり、また、抗生物質単独の投与と比較したとき、抗生物質の有効用量の減少及び(または)抗生物質投与に起因する副作用の低減などの利点を提供できる、抗生物質と本発明の大豆発酵抽出物の併用も開示する。
【選択図】図1

Description

本出願は、2010年7月20日に出願された米国仮出願第61/365887号の利益を主張するものであり、前記出願の全文は本明細書の一部をなすものとしてここに引用する。
本発明は、動物の消化管内における有益な細菌の増殖または維持をサポートするためのプレバイオティック組成物としての大豆発酵抽出物の使用に関する。特に、本発明の大豆発酵抽出物は抗生物質投与下でもプレバイオティック活性を示す。また本発明は、抗生物質と本発明の大豆発酵抽出物を組み合わせた使用に関する。
プロバイオティクスは有益な細菌とも呼ばれ、正常な宿主の消化管微生物叢を維持したり、病原性細菌に対する抵抗を高めたりなど、有益な効果を宿主に提供することができる。特定の成分が有益な細菌の成長または維持をサポートし、消化管の微生物群を調整して有益な効果を生むことが知られている。そのような成分は「プレバイオティクス」と呼ばれる。既知のプレバイオティクスの例としては、フラクトオリゴ糖やイヌリンなどのオリゴ糖が一般的である。
長年にわたり、病原性細菌の感染治療には抗生物質が使用されている。しかし、抗生物質は有益な細菌も殺してしまい、消化管内における細菌のバランスに悪影響を与える可能性があり、それによって下痢(すなわち抗生剤による下痢、AAD)、腹痛、腹部のけいれんなどの消化管副作用を生じることがある。
本発明は、動物の消化管内の有益な細菌の増殖または維持をサポートするプレバイオティック組成物として利用可能な大豆発酵抽出物の予期せぬ発見に基づくものである。特に、本発明の大豆発酵抽出物は、抗生物質投与下でも有益な細菌の増殖または維持をサポートすることが分かっている。また、抗生物質と本発明の大豆発酵抽出物の併用投与は、抗生物質の単独投与に比べ、抗生物質の有効用量の減少及び(または)抗生物質投与に起因する副作用の低減などの利点があることも分かっている。
したがって本発明は、消化管内における有益な細菌の増殖または維持のサポートに有効な量の大豆発酵抽出物を動物に投与することを含む、必要としている動物の消化管内における有益な細菌の増殖または維持をサポートする方法を提供する。特に、大豆発酵抽出物は、水様大豆抽出物と少なくとも1種の乳酸菌(例えばラクトバシラス種)及び選択的に少なくとも1種の酵母(例えばサッカロミケス種)の発酵により製造される。
本発明のいくつかの実施形態において、前記有益な細菌は、ラクトバシラス、ビフィドバクテリウム、エンテロコッカス、シュードモナス、スポロラクトバシラス、ミクロモノスポラ、マイクロコッカス、ロドコッカス、エシェリキア及びそれらの組み合わせを含む群から選択される。
本発明の特定の一実施形態において、動物に抗生物質投与が行われる。一実施例において、前記抗生物質投与は、アンピシリン(AMP)、アモキシシリン(AMO)またはそれらの組み合わせなど1種類以上のβ−ラクタム系抗生物質を動物に投与することを含む。
また、本発明は大豆発酵抽出物と抗生物質を含む医薬組成物も提供する。
また本発明は、治療有効量の抗生物質と大豆発酵抽出物の組み合わせを必要としている患者に投与することを含む、抗生物質の投与方法も提供する。
また本発明は、動物の消化管内における有益な細菌の増殖または維持をサポートするための薬剤、食品添加物または保健製品として、または抗生物質の有効用量の減少及び(または)抗生物質投与に起因する副作用低減のための、抗生物質と共に投与するアジュバントとしてのプレバイオティック組成物製造のための大豆発酵抽出物の使用も提供する。
本発明の多様な実施形態を以下で説明する。これら多様な実施形態及び請求項に関する以下の詳細な説明と図面により、本発明のその他の特徴が明白に提示される。
ここにおける説明に基づき、更なる例示の必要なく、本発明の属する分野の当業者が本発明を最も広範に利用することが可能であろう。したがって、以下の説明は本発明の範囲を限定することを意図しておらず、例示を目的としていると理解されるべきである。
本発明を説明するために、現在の好適と思われるいくつかの実施形態が図示されている。しかしながら、発明が図示されたとおりの好適な実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。
本発明の大豆発酵抽出物がビフィズス菌(B. infantis)の増殖を用量依存的に促進することを示すグラフである。 (A)本発明の大豆発酵抽出物の前処理なし、または(B)ありの抗生物質投与後のラクトバシラス菌株のコロニー数を示すグラフである。 培地のみ(「培地対照」)、本発明の大豆発酵抽出物を含む培地(「FSE」)、抗生物質AMPまたはAMOを5μg/ml含む培地(「抗生物質のみ」)、抗生物質AMPまたはAMOを5μg/mlと本発明の大豆発酵抽出物を含む培地(「抗生物質+FSE」)の異なる条件下における、L.rhamnosusの増殖曲線を示すグラフである。 培地のみ(「培地対照」)、本発明の大豆発酵抽出物を含む培地(「FSE」)、抗生物質AMPまたはAMOを5μg/ml含む培地(「抗生物質のみ」)、抗生物質AMPまたはAMOを5μg/mlと本発明の大豆発酵抽出物を含む培地(「抗生物質+FSE」)の異なる条件下における、L.paracaseiの増殖曲線を示すグラフである。 培地のみ(「培地対照」)、本発明の大豆発酵抽出物を含む培地(「FSE」)、抗生物質AMPまたはAMOを5μg/ml含む培地(「抗生物質のみ」)、抗生物質AMPまたはAMOを5μg/mlと本発明の大豆発酵抽出物を含む培地(「抗生物質+FSE」)の異なる条件下における、L.bulgaricusの増殖曲線を示すグラフである。
異なる定義がなされていない限り、本明細書で使用するすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の業者が通常理解するものと同じ意味を有する。本明細書で言及するすべての刊行物は、引用された刊行物との関係性を含めて方法および/または物質を開示および説明するために、出典を明記することにより本願明細書の一部とする。
本明細書において使用される「ある」、「その」等の単数形(the singular forms “a”, “an”, and “the”)には、文脈上明らかに単数である場合を除いて、複数の指示対象も含まれる。即ち、例えば「(ある)試料(a sample)」と言う場合には、こうした試料及び当業者に公知のその等価物が複数ある場合も含まれる。
一実施態様において、本発明は消化管内における有益な細菌の増殖または維持のサポートに有効な量の大豆発酵抽出物を動物に投与することを含む、必要としている動物の消化管内における有益な細菌の増殖または維持をサポートするための方法を提供する。
具体的に、本発明で使用される大豆発酵抽出物は、水様大豆抽出物と少なくとも1種の乳酸菌及び選択的に少なくとも1種の酵母の発酵によって製造された抽出物を指す。一実施形態において、前記少なくとも1種の乳酸菌はラクトバシラス種であり、前記少なくとも1種の酵母はサッカロミケス種である。特定の実施形態において、前記発酵はラクトバシラスの異種培養を用いて実施され、例えば、5または10、15、20、25、30株のラクトバシラスの培養と、好ましくは少なくとも1種の酵母が、前記ラクトバシラスの異種培養に添加される。前記発酵に使用可能なラクトバシラスの株は、Lactobacillus
acidophilus CCRC(台湾食品工業発展研究所生物資源保存及び研究センター)10695及び(または)14026、14064、14065、14079、Lactobacillus
delbrueckii bulgaricus CCRC 10696及び(または)14007、14009、14010、14069、14071、14098、16054
、Lactobacillus lactis lactis CCRC 10791及び(または)12267、12306、12312、12315、12323、14016、14015、14117、Lactobacillus
kefir CCRC 14011及び(または)Lactobacillus kefiranofaciens CCRC 16059を含むがこれらに限らない。前記発酵に使用可能な酵母株は、Saccharomyces cerevisiae CCRC 20577及び(または)20578、20581、21494、21550、21797、21805、22138、22234、22337、22731、22728、及び(または)Candida kefyr CCRC 21269及び(または)21742、22057を含むがこれらに限らない。具体的に、前記発酵の後には滅菌、ろ過、濃縮、凍結乾燥またはこれらの任意の組み合わせなどの工程が続く。好ましくは、前記発酵の後に例えば加熱による滅菌が行われ、さらに選択的にろ過及び濃縮が行われる。より好ましくは、前記大豆発酵抽出物を例えば凍結乾燥により乾燥させて、粉末状の大豆発酵抽出物を得る。特定の実施形態において、本発明の大豆発酵抽出物は、(a)水様大豆抽出物を少なくとも1種の乳酸菌及び少なくとも1種の酵母と発酵させて発酵液を形成する工程、(b)前記発酵液を滅菌する工程、(c)滅菌済みの前記発酵液をろ過する工程、(d)ろ過済みの前記発酵液から水を除去し、濃縮大豆発酵抽出物を形成する工程を含むプロセスによって製造される。本発明で使用される大豆発酵抽出物は、米国特許第6855350号及び第6733801号に従って調製され、これらの文献はその全体を参照として本明細書に組み入れる。
本明細書で使用する用語「動物」または「患者」は、ヒト及びコンパニオンアニマル(犬、猫など)、家畜(牛、羊、豚、馬など)または実験動物(ラット、マウス、モルモットなど)などのヒト以外の動物を含む。
本明細書で使用する用語「プロバイオティクス」または「有益な細菌」とは、宿主個体の健康に有益であると考えられる生きた微生物を指す。世界保健機構(WHO)により現在採用されている定義によると、プロバイオティクスとは、「十分量を摂取することにより宿主の健康に有益な作用をもたらす生きた微生物」であり、乳酸菌(LAB)とビフィドバクテリアが含まれ、これらはプロバイオティクスとして最も一般的な微生物の種類である。具体的に、本発明のいくつかの実施形態において、前記有益な細菌は、ラクトバシラス属(例:L.
rhamnosus、L. acidophilus、L. crispatus、L. fermentum、L. plantarum、L. casei、L. paracasei、L.
jensenii、L. gasseri、L. cellobiosis、L. brevis、L. delbrueckii、L. rogosae、L. bifidum)、ビフィドバクテリウム属(例:B.
bifidum、B. breve、B. adolescentis、B. infantis、B. pseudolongum、B. angulatum、B. catenulatum、B.
longumt)、エンテロコッカス属(例E. faecium及びE. thermophilus)、シュードモナス属(例:P. aeruginosa、P. putida、P.
cepacia、P. fluorescens)、スポロラクトバシラス属、ミクロモノスポラ属、マイクロコッカス属、ロドコッカス属、エシェリキア属(例:E. coli)を含む。
生理活性物質の投与に関連する「有効量」または「有効用量」とは、未投与の対照群動物と比較して、有益な細菌の増殖または維持のサポート、治療対象疾病の少なくとも1つの症状または疾患の減少、軽減、または排除(病原性細菌の細胞数減少など)、または治療に起因する副作用の低減など、意図された生理的効果を投与動物において生じるに足る生理活性物質の量または用量を指す。当業者の知るところであるとおり、有効量は投与経路、賦形剤の使用、及び治療を受ける被験者の年齢、体重、状態によって異なる。投与の必要がある薬剤の正確な量は、医師の判断によって決められ、各個体によって異なる。
本明細書で使用する用語「有益な細菌の増殖または維持のサポート」またはそのあらゆる変化形は、例えば、生理活性物質の未投与の対照群と比較して、有効用量での生理活性物質の投与に応答した有益な細菌の細胞数、機能または活性の増加、促進または刺激、あるいは維持または保持を含むことができる。具体的に、この用語は例えば、本発明に基づく大豆発酵抽出物未投与の対照群と比較して、大豆発酵抽出物の投与による有益な細菌の細胞数の1倍、2倍、4倍、6倍、8倍、10倍、20倍、40倍、60倍、80倍、100倍またはそれ以上の増加を含むことができる。
本発明の大豆発酵抽出物は、経口、非経口(例:筋肉注射、静脈注射、皮下、腹腔内)、経皮、経直腸、吸引など任意の薬理学的に許容されるルートで送達することができる。一実施形態において、本発明の大豆発酵抽出物は経口投与される。
送達を促進するため、本発明の大豆発酵抽出物は薬理学的に許容される担体と共に組成物に配合することができる。本発明の組成物は、薬剤または食品添加物、保健製品として調製することができる。
本明細書で使用する「薬理学的に許容される」とは、前記担体が組成物に含まれる活性成分と適合性があり、好ましくは活性成分を安定化することができ、投与を受ける被験者にとって有害でないことを意味する。前記担体は希釈剤、ビヒクル、賦形剤、または活性成分の媒体として作用することができる。適当な賦形剤の例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、カルシウム珪酸塩、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、滅菌水、シロップ、及びメチルセルロースなどが挙げられる。医薬組成物は、タルク、ステアリン酸マグネシウム及び鉱油等の潤滑剤、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、メチルヒドロキシベンゾエート(methyl−hydroxybenzoate)、プロピルヒドロキシベンゾエート(propylhydroxy−benzoate)等の防腐剤、甘味剤、及び着香料をさらに含んでいてもよい。
本発明の組成物は、本明細書に示された教示の観点から従来の技法を使用して所望する任意の剤形に調製することができる。一部実施例において、本発明に基づく前記組成物は、錠剤、丸剤、散剤、ロゼンジ剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁液、乳濁液、溶液、シロップ剤、軟質ゼラチンカプセルおよび硬質ゼラチンカプセル剤、坐剤、無菌注射用溶液、及び包装散剤の剤形であり得る。
本発明の組成物は、経口、非経口(例:筋肉注射、静脈注射、皮下、腹腔内)、経皮、経直腸、吸引などの任意の薬理学的に許容されるルートで送達することができる。一実施形態において、本発明の組成物は経口投与される。
本発明において、大豆発酵抽出物は動物の消化管内における有益な細菌の増殖または維持をサポートするプレバイオティック活性を有することが分かった。驚くべきことに、フラクトオリゴ糖やイヌリンなどの既知のプレバイオティクスと比較して、本発明の大豆発酵抽出物は以下の例に示すように、有益な細菌の増殖または維持をサポートするプレバイオティック活性が大幅に高くなっている。
さらに驚くべきことに、本発明の大豆発酵抽出物は抗生物質の投与下でも有益な細菌の増殖または維持をサポートするプレバイオティック活性を有することが分かっており、本発明の大豆発酵抽出物は、抗生物質の投与により生じるダメージから有益な細菌を効果的に保護し、抗生物質投与下でそれらを生かし続ける、及び(または)それらの増殖をより促進することができることが示されている。
したがって、一実施形態において、本発明の大豆発酵抽出物は抗生物質投与を受けている動物に対して投与され、それにより動物の消化管内の有益な細菌が抗生物質投与により生じる潜在的ダメージから保護され、ひいては抗生物質投与に起因する下痢や腹痛、腹部のけいれんなどの副作用を減少または防止することができる。
本明細書で使用する用語「抗生物質投与」または「抗生物質治療」は、抗生物質を使用したあらゆる投与または治療を指す。使用可能な抗生物質のクラスとしては、マクロライド類(例:クラリスロマイシン、エリスロマイシン)、ペニシリン系(例:ナフシリン、アンピシリン、アモキシシリン)、セファロスポリン系(例:セファゾリン)、カルバペネム系(例:イミペネム、アズトレオナム)、その他β−ラクタム系抗生物質、β−ラクタム系阻害剤(例:スルバクタム)、オキサリン系(例:リネゾリド)、アミノグリコシド系(例:ゲンタマイシン)、クロラムフェニコール、スルホンアミド系(例:スルファメトキサゾール)、グリコペプチド系(例:バンコマイシン)、キノロン系(例:シプロフロキサシン)、テトラサイクリン系(例:ミノサイクリン)、フシジン酸、トリメトプリム、メトロニダゾール、クリンダマイシン、ムピロシン、リファマイシン系(例:リファンピン)、ストレプトグラミン系(例:キヌプリスチンおよびダルフォプリスチン)、リポタンパク質(例:ダプトマイシン)、ポリエン系(例:アムフォテリシンB)、アゾール系(例:フルコナゾール)、エキノカンジン系(例:カスポフンギンアセテート)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明で使用可能な具体的な抗生物質の例としては、エリスロマイシン、ナフシリン、アンピシリン、アモキシシリン、セファゾリン、イミペネム、アズトレオナム、ゲンタマイシン、スルファメトキサゾール、バンコマイシン、シプロフロキサシン、トリメトプリム、リファンピン、メトロニダゾール、クリンダマイシン、テイコプラニン、ムピロシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、オフロキサシン、ロメフロキサシン、ノルフロキサシン、ナリジクス酸、スパルフロキサシン、ペフロキサシン、アミフロキサシン、ガチフロキサシン、モキシフロキサシン、ゲミフロキサシン、エノキサシン、フレロキサシン、ミノサイクリン、リネゾリド、テマフロキサシン、トスフロキサシン、クリナフロキサシン、スルバクタム、クラブラニン酸、アムフォテリシンB、フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ナイスタチンが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の一実施形態において、前記抗生物質投与は、アンピシリンまたはアモキシシリン、あるいは両方など1種類以上のβ−ラクタム系抗生物質を動物に投与することを含む。
本発明に基づき、前記大豆発酵抽出物は抗生物質投与と同時に(併用して)または連続して投与することができる。具体的に、前記大豆発酵抽出物は抗生物質投与の前後または抗生物質投与と同時に投与される。
別の態様により、本発明は大豆発酵抽出物と1種類以上の抗生物質を含む医薬組成物を提供する。一実施形態において、本発明の医薬組成物は大豆発酵抽出物と1種類以上のβ−ラクタム系抗生物質を含む。β−ラクタム系抗生物質の一般的な例としては、アンピシリンとアモキシシリンが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明はまた、治療有効量の抗生物質を大豆発酵抽出物と組み合わせて必要としている患者に投与することを含む、抗生物質の投与方法を提供する。本発明に基づき、抗生物質と本発明の大豆発酵抽出物の組み合わせ使用は、抗生物質の単独投与よりも有利であり、有利な効果としては少なくとも抗生物質の有効用量の減少及び(または)抗生物質投与に起因する副作用の低減が含まれる。
具体的に、本発明のいくつかの実施形態において、本発明の大豆発酵抽出物と組み合わせて使用されるときの抗生物質の有効用量は、抗生物質が単独で使用されるときの用量の約90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下である。本発明の一実施例において、本発明の大豆発酵抽出物と組み合わせて使用されるときの抗生物質の有効用量は、抗生物質が単独で使用されるときの用量の約10%以下である。本発明のいくつかの実施形態において、2種類以上の抗生物質が用いられる場合、これら抗生物質は、本発明の大豆発酵抽出物と組み合わせて使用されるとき、これら抗生物質により治療可能な患者の疾患を治療するために有効な合計量で投与され、この合計量はこれら抗生物質が大豆発酵抽出物なしで使用されるときの合計量より少ない。
本発明に基づき、本発明の大豆発酵抽出物を組み合わせた抗生物質の投与は、抗生物質投与に起因する副作用を低減することができる。特定の実施形態において、副作用は、下痢、腹痛、腹部のけいれん及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、抗生物質投与に起因する消化管内の異常な微生物バランスによって引き起こされる消化管副作用である。
以下、本発明について実施例を参照しながらより具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を限定するのではなく、例示を目的として提示されている。
(実施例1)
本発明の大豆発酵抽出物による有益な細菌の増殖促進
(材料)
米国特許第6855350号及び第6733801号に従って大豆発酵抽出物が調製され、これらの文献はその全体を参照として本明細書に組み入れる。簡潔に説明すると、大豆を蒸留水と混合し、この混合物を加熱・ろ過した。得られた水様大豆抽出物を少なくとも1種の乳酸菌及び少なくとも1種の酵母と発酵させ、発酵抽出物を滅菌、ろ過、濃縮して、濃縮された形態の大豆発酵抽出物を取得した。得られた大豆発酵抽出物のプレバイオティック活性について分析を行い、3つの市販のプレバイオティック製品(すなわち、Warcoing Industrie SAのイヌリン製品、及びWarcoing Industrie SAとTaiwan Sugar Corporationの2つのフラクトオリゴ糖製品)と比較した。
B. infantis、B. lactis Bb−12、B. longumを台湾食品工業発展研究所(FIRDI)の生物資源保存及び研究センター(BCRC)(中華民国台湾新竹市)より購入した。ビフィズス菌(B.
infantis )が0.05%のシステイン塩酸塩を含むMRS培地で培養され、B. lactis Bb−12及びB. longumがビフィドバクテリアヨード酢酸(Bifidobacteria Iodoacetate)培地−25(BIM−25)で培養された。
0.3%ペプシンを0.5%の塩化ナトリウムに溶解し、1Nの塩酸でpHを2.0に調整して人工胃液を調製した。0.1%のパンクレアチンを0.5%の塩化ナトリウムに溶解し、1Nの水酸化ナトリウムでpHを8.0に調整して人工腸液を調製した。
(方法)
アッセイを実施するため、表1に示すように、前記大豆発酵抽出物と上述の3つの市販のプレバイオティック製品が希釈された。
Figure 2013535439
各試料6mlを人工胃液6mlと混合し、37℃で1時間振とう培養(100rpm)した。続いて人工腸液6mlを前記混合物に添加し、水酸化ナトリウムによりpHの最終値を6.0〜7.0に調整した。その後各試験試料を混合した人工胃液/人工腸液の混合物を37℃でさらに30分間振とう培養した(以下「反応溶液」という)。細菌培養物1ml(10CFU/mL)を取得し、これを上述の反応溶液9mlと混合した後、蒸留水で10倍段階希釈を行った。この段階希釈溶液を37℃で24時間振とう培養(100rpm)し、その間に溶液1mlを異なる時間点(0、4、24時間)で取り出して、寒天平板培地で混釈平板法を用い、37℃の嫌気条件で2日間培養した。細菌集落をカウントした。表2に結果を示す。
Figure 2013535439
結果に示すように、本発明の大豆発酵抽出物(FSE)は、ビフィドバクテリアの増殖と維持をサポートするプレバイオティック活性を示し、大豆発酵抽出物のプレバイオティック活性は既知のプレバイオティック製品のそれよりも大幅に高い。
さらに、異なる量の本発明の大豆発酵抽出物(人工胃液/人工腸液混合物の処置後)をビフィズス菌(B. infantis)培養物と24時間培養し、細胞数をカウントした。図1に本発明の大豆発酵抽出物がビフィズス菌(B.
infantis)の増殖を用量依存的に促進することを示す。
(実施例2)
抗生物質投与下における本発明の大豆発酵抽出物による有益な細菌の増殖促進
(抗生物質がラクトバシラスの増殖を阻害する一方、大豆発酵抽出物が細菌の成長を促進)
3種のラクトバシラス菌株、L. rhamnosus BCRC10940、L. paracasei BCRC14001、L.
delbrueckii BCRC14008をFIRDIより購入し、MRS w/o型寒天培地(Difco)で培養して4℃で保管した。細菌を活性化させるため、細胞をMRS培地に濃度5%(v/v)で植菌し、37℃で24時間培養してから、3種の各ラクトバシラス菌株10cells/mlをMRS培地5mlに植菌し、一晩振とうさせた。
3種のラクトバシラス菌株に対する抗生物質の抗菌活性をマイクロタイタープレートに基づく方法で測定した。簡潔に説明すると、段階的に濃度を下げた抗生物質のアンピシリン(AMP)、アモキシシリン(AMO)、クラリスロマイシン(CAM)、エリスロマイシン(Eryc)を個別に24ウェルプレートの各ウェルに加えた後、MRS培地を各ウェルに加え、最終容量が栄養培地のシングルストレングスであることを確約した。ウェル当たりの濃度が10cfu/mlとなるよう活性細菌培養物10μlを各ウェルに添加し、プレートを37℃で24時間培養した。600nmの吸光度で細菌の増殖を測定し、生存率を判定した。さらに、細菌の視認できる増殖を阻止する最小発育阻止濃度(MIC)が抗生物質の最低濃度として判定された。データは3回の実験の平均値である。結果によると、ラクトバシラス菌株は抗生物質の投与に対して敏感であった。AMP、AMO、CAM、ErycのMIC値はそれぞれ3.6、3.6、1.0、1.0μg/mlであった。
一方、上述と同じマイクロタイタープレートに基づく方法を使用して、実施例1のとおり調製した本発明の大豆発酵抽出物の有益な細菌の増殖をサポートするプレバイオティック活性を分析した。本発明の大豆発酵抽出物を濃度5%でウェルに加え、プレートを37℃で48時間培養した。細胞数をカウントし、その結果を表3に示す。
Figure 2013535439
表3に示すように、本発明の大豆発酵抽出物はラクトバシラスの増殖を促進し、一方抗生物質は細菌の増殖を阻害する。
(抗生物質及び本発明の大豆発酵抽出物の同時投与)
L. rhamnosus、L. paracasei、L. delbrueckiiをMRS培地に10cfu/ml含む24ウェルプレートの各ウェルに、終濃度5%の大豆発酵抽出物と共に抗生物質(AMPまたはAMO)を終濃度2μg/mlまたは5μg/mlになるように加えた。プレートを37℃で48時間培養した。表4と表5に測定された生存数を示す。
Figure 2013535439
Figure 2013535439
結果によると、本発明の大豆発酵抽出物の投与により、大豆発酵抽出物を併用しない場合と比較して、濃度2μg/mlのAMPまたはAMO投与下でのラクトバシラス生存率がそれぞれ約16〜67倍及び16〜98倍増加することが示されており、かつ濃度5μg/mlのAMPまたはAMO投与下でのラクトバシラス生存率がそれぞれ約15〜170倍及び18〜124倍増加することが示されている。
(大豆発酵抽出物による前処理)
L. rhamnosus、L. paracasei、L. delbrueckiiをMRS培地に10cfu/ml含む24ウェルプレートの各ウェルに、終濃度5%まで大豆発酵抽出物を加えた。細胞を37℃で48時間前培養した。前培養後、プレートの各ウェルに抗生物質(AMPまたはAMO)を終濃度5μg/mlで加え、プレートをさらに24時間培養した。細胞集落をカウントした。図2に結果を示す。
図2Aに示すように、本発明の大豆発酵抽出物の前処理なしの場合、ラクトバシラスの増殖は抗生物質によって大きく阻害された。対照的に、図2Bに示すように、本発明の大豆発酵抽出物の前処理ありの場合、抗生物質投与下でのラクトバシラスの増殖は抗生物質を加える前と同じように正常に保たれ、あるいはさらに増加した。
上述のデータは大豆発酵抽出物がβ-ラクタム系抗生物質により引き起こされる破壊からラクトバシラスを効果的に保護し、抗生物質投与下における有益な細菌の増殖または維持をサポートすることができることを示している。
さらに、4時間ごとに細胞数をカウントすることによりラクトバシラス菌株の増殖曲線を取得し、これを図3に示す。結果によると、本発明の大豆発酵抽出物は抗生物質投与の約8時間後にラクトバシラス菌株の増殖促進を開始することが示されている。この結果は、本発明の大豆発酵抽出物が有益な細菌の増殖または維持をサポートできることを示しており、またラクトバシラス菌株のうち、本発明の大豆発酵抽出物はL.
rhamnosusにおいて比較的強いプレバイオティック活性を示している。
(実施例3)
動物モデルにおける抗生物質と本発明の大豆発酵抽出物の併用
BSKマウス(約20g)をピロリ菌(H. pylori)に感染させ、ウレアーゼ試験でこれを確認した。これらのマウスは無作為に各群6匹ずつで5つの群に分けられた。次のようにマウスに本発明の大豆発酵抽出物ありとなし、及びプラセボのみでCAMとAMOを1日1回7日間連続で経口投与した。
グループI:CAM+AMO、各抗生物質200mg/kg/日(陽性対照)
グループII:CAM+AMO、各抗生物質20mg/kg/日、1%のFSEと併用
グループIII:CAM+AMO、各抗生物質20mg/kg/日、2%のFSEと併用
グループIV:CAM+AMO、各抗生物質20mg/kg/日
グループV:プラセボ(陰性対照)
7日間の連続投与後、動物は同じ条件で試験完了までさらに7日間維持された。試験中、糞便試料を0、4、8、14日目にそれぞれ収集し、ウレアーゼ試験(CLOテスト、BioLabs)またはHpSAテスト(ヘリコバクターピロリ便中抗原測定試験、Meridian Bioscience)により、J.
Ayub. Med. Coll. Abbottabad. 15(4)、34〜36.(2003)またはWorld J. Gastroenterol. 16(23)、2926〜2930.(2010)、あるいはWorld J.
Gastroenterol. 11(3)、386〜388.(2005)などに記載されるように、ピロリ菌の存在を分析した。CLOテストでは、黄色が陰性、ピンク色が陽性として記録された。HpSAテストでは、光学濃度(OD)を450nmで測定し、そのうち0.14未満のOD値を陰性、0.14以上のOD値を陽性として定義した。表7に結果を示す。
Figure 2013535439
Figure 2013535439
「−」とはCLOテストの黄色、またはHpSAテストのOD450で<0.14を意味する。
「+」とはCLOテストのピンク色(<20%の感染)、またはHpSAテストのOD450で0.14〜0.3の範囲を意味する。
「++」とはCLOテストのピンク色(<20〜50%の感染)、またはHpSAテストのOD450で0.3〜0.64の範囲を意味する。
「+++」とはCLOテストのピンク色(>50%の感染)、またはHpSAテストのOD450で>0.64を意味する。
表7に示すように、グループIVでは、AMOとCAMの低用量投与(各抗生物質20mg/kg)で動物のピロリ菌感染を排除することはできなかった(グループIVの全動物の糞便試料中にピロリ菌が見つかった)。しかしグループIIIで、同じ抗生物質投与に2%の本発明のFSEを併用した場合、殺菌効果が高まった(グループIIIの動物のうち2匹のみ糞便試料中にピロリ菌が見つかった)。さらに、グループIIIの動物からの糞便試料を観察したところ、これらの糞便試料は正常に見えた(過剰な水分と軟性は見られなかった)。一方高用量のAMOとCAM投与(各抗生物質200mg/kg)は動物のすべてのピロリ菌感染を排除した(グループIの全動物の糞便試料にピロリ菌が見つからなかった)が、糞便試料には過剰な水分と軟性が見られ、グループIの動物は抗生物質投与による消化管副作用を生じていることが示された。
抗生物質と本発明の大豆発酵抽出物の併用は、抗生物質の用量を減らすことができるだけでなく、動物の腸管に保護効果を提供し、抗生物質投与下の副作用を低減できることが示唆されている。
まとめると、上述の実施例で示されるように、米国特許第6855350号及び第6733801号で説明される方法に従い調製された本発明の大豆発酵抽出物は、動物の消化管内における有益な細菌、特にラクトバシラスとビフィドバクテリウムの増殖または維持をサポートするプレバイオティック組成物として使用することができる。本発明の大豆発酵抽出物のプレバイオティック活性は、市販されている既知の一部プレバイオティック製品より大幅に優れている。さらに、本発明の大豆発酵抽出物のプレバイオティック活性は、抗生物質投与下でも有益な細菌の増殖または維持をサポートすることができる。加えて、抗生物質と本発明の大豆発酵抽出物の組み合わせは、抗生物質単独の投与に比べ、抗生物質の有効用量の減少や動物の腸管の保護、及び抗生物質投与による副作用の低減など多くの利点を提供することができる。
なし

Claims (17)

  1. 必要としている動物の消化管内における有益な細菌の増殖または維持をサポートすることを目的とした薬剤製造のための大豆発酵抽出物の使用。
  2. 前記大豆発酵抽出物が、水様大豆抽出物と少なくとも1種の乳酸菌及び選択的に少なくとも1種の酵母の発酵により製造されることを特徴とする、請求項1に記載の大豆発酵抽出物の使用。
  3. 前記少なくとも1種の乳酸菌がラクトバシラス(Lactobacillus)種であり、前記酵母がサッカロミケス(Saccharomyces)種であることを特徴とする、請求項2に記載の大豆発酵抽出物の使用。
  4. 前記発酵に続いて、滅菌、ろ過、濃縮、凍結乾燥及びそれらの組み合わせを含む群から選択される1つ以上の工程が実施されることを特徴とする、請求項2に記載の大豆発酵抽出物の使用。
  5. 前記大豆発酵抽出物が、(a)水様大豆抽出物を少なくとも1種の乳酸菌及び少なくとも1種の酵母と共に発酵させて発酵液を形成する工程と、(b)前記発酵液を滅菌する工程と、(c)滅菌済みの前記発酵液をろ過する工程と、(d)ろ過済みの前記発酵液から水を除去し、濃縮大豆発酵抽出物を形成する工程を含むプロセスによって製造されることを特徴とする、請求項1に記載の大豆発酵抽出物の使用。
  6. 前記有益な細菌が乳酸菌またはビフィドバクテリアであることを特徴とする、請求項1に記載の大豆発酵抽出物の使用。
  7. 前記薬剤が経口投与用であることを特徴とする、請求項1に記載の大豆発酵抽出物の使用。
  8. 前記動物が抗生物質の投与を受けることを特徴とする、請求項1に記載の大豆発酵抽出物の使用。
  9. 前記抗生物質の投与が、β−ラクタム系抗生物質を動物に投与することを含むことを特徴とする、請求項8に記載の大豆発酵抽出物の使用。
  10. 前記抗生物質が、アンピシリン、アモキシシリン、及びそれらの組み合わせを含む群から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の大豆発酵抽出物の使用。
  11. 大豆発酵抽出物と抗生物質を含むことを特徴とする、医薬組成物。
  12. 前記大豆発酵抽出物が、水様大豆抽出物と、少なくとも1種の乳酸菌及び選択的に少なくとも1種の酵母の発酵により製造されることを特徴とする、請求項11に記載の医薬組成物。
  13. 前記少なくとも1種の乳酸菌がラクトバシラス種であり、前記酵母がサッカロミケス種であることを特徴とする、請求項12に記載の医薬組成物。
  14. 前記発酵に続いて、滅菌、ろ過、濃縮、凍結乾燥及びそれらの組み合わせを含む群から選択される1つ以上の工程が実施されることを特徴とする、請求項12に記載の医薬組成物。
  15. 前記大豆発酵抽出物が、(a)水様大豆抽出物を少なくとも1種の乳酸菌及び少なくとも1種の酵母と共に発酵させて発酵液を形成する工程と、(b)前記発酵液を滅菌する工程と、(c)滅菌済みの前記発酵液をろ過する工程と、(d)ろ過済みの前記発酵液から水を除去し、濃縮大豆発酵抽出物を形成する工程を含むプロセスによって製造されることを特徴とする、請求項11に記載の医薬組成物。
  16. 前記抗生物質がβ−ラクタム系抗生物質であることを特徴とする、請求項11に記載の医薬組成物。
  17. 前記抗生物質が、アンピシリン、アモキシシリン、及びそれらの組み合わせを含む群から選択されることを特徴とする、請求項16に記載の医薬組成物。
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